JP2012042752A - 画像形成装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機内温度の上昇と下降が繰り返される間欠プリントの場合でも、色ずれ量を計測するためのダウンタイムを極力抑えることで生産性を維持しながら、色ずれを精度良く補正する画像形成装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 色ずれ補正のタイミングにおいて、各色の全ての色のトナーマークを形成し、前記各色のトナー像の相対的な色ずれ量を計測して色ずれを補正する条件を満たさないと判断された場合に、基準となる色と他の1つの色との相対的な色ずれ量を計測し、計測された前記基準となる色と他の1つの色との相対的な色ずれ量に基づいて、前記基準となる色と前記他の1つの色以外の色との相対的な色ずれ量を予測し、前記計測した色ずれ量に基づいて前記他の1つの色の色ずれを補正し、前記予測した色ずれ量に基づいて前記他の1つの色以外の色の色ずれを補正する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、電子写真方式を採用したカラープリンタやカラー複写機等の画像形成装置及びその制御方法に関する。特に、色の異なる複数の画像間における色ずれ量を補正する機能を有する画像形成装置及びその制御方法に関するものである。
近年、電子写真方式を採用したカラープリンタやカラー複写機等の画像形成装置においては、高速化ならびに高生産性化に有利ないわゆるタンデム方式が採用されることが多くなってきている。このタンデム方式を採用した画像形成装置では、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の各色に対応した複数の画像形成ステーションを直列的に配置する。そして、これら複数の画像形成ステーションで形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の各色の画像を、中間転写ベルト上に互いに重ね合わせた状態で一次転写する。次に、当該中間転写ベルト上に多重に転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の各色の画像を、記録用紙上に一括して二次転写した後に定着することにより、カラー画像の出力物が得られる。
かかるタンデム方式の画像形成装置においては、各画像形成ステーションで形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の各色の画像を、所定の位置に正確に印刷されていることが製品の品質上重要視される。すなわち、色ずれが発生しないことが重要である。そこで、従来の画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等のトナーマークを形成し、各色のトナー画像間の相対的な色ずれ量を測定する測定機構を設け、その測定値から色ずれ量が小さくなるように画像形成位置を補正する仕組みを有している。しかし、色ずれ補正動作では、トナーマークの形成及びトナーマークのクリーニング等を行う必要があるため、その間はユーザがプリントできないダウンタイムとなってしまう。これは画像形成の生産性の低下を招くため好ましくない。
この背反する課題に対し、色ずれ量の変動要因となる環境の変化を検知して、時間が掛かる色ずれ測定動作を行わずに、色ずれ量を環境センサの出力から予測して補正を行う方法が提案されている。この色ずれ量の予測補正を行う技術としては、例えば、特許文献1および2に開示されているものがある。これらによれば、画像形成装置内の演算装置によって色ずれ量を瞬時に計算することで、実際の色ずれ量を計測するためのダウンタイムが省かれて生産性が向上する。
特開昭63−307481号公報 特開平1−96665号公報
しかしながら、上記の従来技術は、次のような問題点を有している。上記特許文献1や特許文献2には、次のような構成が開示されている。すなわち、温度検出手段によって機内の温度を検出し、当該温度検出手段の検出結果に基づいて、感光体に対してレーザビームの走査方向の照射位置を変更したり、光書込手段の書込開始タイミングを制御する。
しかし、機内の熱源から発せられる熱や、環境との熱のやり取りによって色ずれに影響する個々の部品の変形量は異なる。上記従来技術では、環境温度を検出する温度検出手段の温度検出値と実際の色ずれ量との相関関係が成り立たなくなる場合があった。例えば、画像形成装置が稼動・停止を繰り返し、定常状態に達する前に機内温度の上昇と下降を繰り返す場合には、色ずれ量に寄与する部品の温度が伝熱遅れを伴って刻々と変化し、色ずれ量も刻々と変化する過渡状態が継続する。このような場合、色ずれ量を予測することは難しい。このような状況では、色ずれを補正しきれず、画像品質が低下するという問題があった。
一方、トナーマーク形成を伴う色ずれ補正を行う場合には、画像品質の低下を防止することはできても、ダウンタイムが大きくなり画像形成装置の生産性が低下してしまう。
本発明は、色ずれ量を計測するためのダウンタイムを極力抑えることで生産性を維持しながら、色ずれを精度良く補正する画像形成装置及びその制御方法を提供する。
本発明は、例えば、画像形成装置として実現できる。画像形成装置は、各色のトナーマークを形成し、形成されたトナーマークを検出し、検出結果に基づき各色のトナー像の相対的な色ずれ量を計測する計測手段と、計測された色ずれ量に基づいて各色のトナー像の相対的な色ずれを補正する色ずれ補正手段とを有する画像形成装置であって、色ずれ補正のタイミングにおいて、各色の全ての色のトナーマークを形成し、各色のトナー像の相対的な色ずれ量を計測して色ずれを補正する条件を満たすか否かを判断する判断手段を有し、判断手段により条件を満たさないと判断された場合に、計測手段は、基準となる色と他の1つの色との相対的な色ずれ量を計測し、色ずれ補正手段は、計測された基準となる色と他の1つの色との相対的な色ずれ量に基づいて、基準となる色と他の1つの色以外の色との相対的な色ずれ量を予測する予測手段を含み、計測手段が計測した色ずれ量に基づいて他の1つの色の色ずれを補正し、かつ、予測手段が予測した色ずれ量に基づいて他の1つの色以外の色の色ずれを補正することを特徴とする。
本発明によれば、2色間の色ずれ量を計測して他の色ずれ量を予測することにより、色ずれ量を計測するためのダウンタイムを極力抑え、生産性を維持しながら色ずれを精度良く補正することが可能となる。
更に、2色間の色ずれ量を計測するのみなので、パッチパターンの形成間に画像形成が可能となり、ダウンタイムを極力抑えて生産性が維持される。
実施形態1の画像形成装置の構成例を示す図である。 (a)は実施形態1の画像形成装置の制御構成例を示すブロック図、(b)はパッチセンサの構成例を示す図である。 図2(a)のDCコントラーラの構成例を示すブロック図である。 実施形態1で使用する大規模色ずれ調整用パターンの例を示す図である。 実施形態1で使用する小規模色ずれ調整用パターンの例を示す図である。 色ずれ調整をしない場合のプリント枚数とブラック(K)を規準とした色ずれ量との関係を示す図である。 (a)は図6の関係から作成されたブラック(K)を規準としたマゼンタ(M)の色ずれ量とシアン(C)の色ずれ量との関係と実施形態1の予測式を示す図である。(b)は図6の関係から作成されたブラック(K)を規準としたマゼンタ(M)の色ずれ量とイエロー(Y)の色ずれ量との関係と実施形態1の予測式を示す図である。 実施形態1の色ずれ調整の手順例を示したフローチャートである。 図8の小規模色ずれ調整(S80)の実施形態1の手順例を示すフローチャートである。 実施形態1による色ずれ調整の結果を示す図である。 大規模色ずれ調整のみを行った場合の色ずれ調整の比較例1を示す図である。 色ずれ調整をしない場合の定着回転時間(機内昇温)とブラック(K)を規準とした色ずれ量との関係を示す図である。 図12の機内昇温に基づき全色の色ずれ予測を行った場合の色ずれ調整の比較例2を示す図である。 (a)は連続プリント時のブラック(K)を規準としたマゼンタ(M)の色ずれ量とイエロー(Y)の色ずれ量との関係と実施形態2の予測式を示す図である。(b)は間欠プリント時のブラック(K)を規準としたマゼンタ(M)の色ずれ量とイエロー(Y)の色ずれ量との関係と実施形態2の予測式を示す図である。 実施形態2による色ずれ調整の結果を示す図である。 (a)は駆動ローラの熱膨張による色ずれ量を示す図、(b)はスキャナの昇温による色ずれ量を示す図、(c)は(a)と(b)を足し合わせた連続プリント時の色ずれ変化に相当する色ずれ量を示す図である。 (a)は図15(a)の関係から作成されたブラック(K)を規準としたマゼンタ(M)の色ずれ量とシアン(C)又はイエロー(Y)の色ずれ量との関係を示す図である。(b)は図15(c)の関係から作成された連続プリント時に想定されるブラック(K)を規準としたマゼンタ(M)の色ずれ量とシアン(C)又はイエロー(Y)の色ずれ量との関係を示す図である。
[実施形態1]
<本実施形態の画像形成装置の構成例>
図1に示すように、画像形成装置1000は4つの画像形成ステーションからなるタンデム式のカラー画像形成装置である。中間転写ベルト13の回動方向上流側から第1の画像形成ステーションの形成色をイエロー(Y)、第2の画像形成ステーションをマゼンタ(M)、第3の画像形成ステーションをシアン(C)、第4の画像形成ステーションをブラック(K)としている。代表して第1の画像形成ステーションについて説明する。第1の画像形成ステーションには、像担持体としてのOPC感光ドラム1aがある。また、第1の画像形成ステーションには、帯電部としての帯電ローラ2a、感光ドラム1a上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングユニット3a、及び現像部としての現像ユニット8aがある。現像ユニット8aは、現像スリーブ4a、非磁性一成分現像剤5a、現像剤塗布ブレード7aからなる。上述の1a〜8aは一体型のプロセスカートリッジ9aとして構成され、画像形成装置から着脱自在となっている。露光部11aは、ユーザ光を多面鏡によって走査させるスキャナユニットまたはLEDアレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光ドラム1a上に照射する。
次に、上記画像形成装置1000の画像形成動作について説明する。画像形成動作がスタートすると、感光ドラム1a〜1dや中間転写ベルト13等は所定のプロセススピードで矢印方向に回転を始める。感光ドラム1aは帯電ローラ2aに電源20aよって一様に負極性に帯電され、続いて露光部11aからの走査ビーム12aによって画像情報に従った静電潜像が形成される。現像ユニット8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて現像スリーブ4aに塗布される。そして、現像スリーブ4aには、現像バイアス電源21aよりバイアスが供給される。感光ドラム1aが回転して感光ドラム1a上に形成された静電潜像が現像スリーブ4aに到達すると、静電潜像は負極性のトナーによってトナー像として可視化され、感光ドラム1a上には第1色目(本実施例では、Y)のトナー像が形成される。尚、第2〜第4の画像形成ステーションも第1の画像形成ステーションと同様の構成としているので説明を省略する。
一方、トナー像担持体である中間転写ベルト13は、4つの感光ドラム1a〜1d全てに対し当接する様に配置される。中間転写ベルト13は、その張架部材として補助ローラ24、駆動ローラ15、テンションローラ14の3本のローラにより支持されている。テンションローラ14にバネ力が作用して、中間転写ベルトに適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ15を駆動させることにより中間転写ベルト13は感光ドラム1a〜1dに対して順方向に略同速度で移動する。また中間転写ベルトの移動に伴いテンションローラ14は矢印の方向に従動回転する。1次転写部材10aは、中間転写ベルト13を挟んで感光ドラム1aと反対側に配置されている。また、帯電ローラ2aは、帯電ローラ2aへの電圧供給部である帯電バイアス電源20aに接続されている。現像スリーブ4aは、現像スリーブ4aへの電圧供給部である現像電源21aに接続されている。1次転写部材10aは、1次転写部材10aへの電圧供給部である1次転写電源22aに接続されている。また、2次転写ローラ25は2次転写電源26に接続されている。中間転写ベルト13の周囲、感光ドラム1a〜1dとの対向部に、各々の感光ドラム1a〜1dに対応させて1次転写部材10a〜10dが配置されている。各色の1次転写位置間の距離に応じて、色毎に、一定のタイミングで不図示のコントローラからの書き出し信号を遅らせながら、露光による静電潜像を各感光ドラム1a〜1d上に形成する。そして、1次転写電源22a〜dから対応する1次転写部材10a〜10dに、それぞれトナーと逆極性の電圧を印加する。以上の工程により、中間転写ベルト13に各色のトナー像を順に転写することで、中間転写ベルト13上に多重画像が形成される。なお、パッチセンサ28は、中間転写ベルト13上に光を照射して、当該ベルト上のトナーの有無と通過時刻とを検知することができる。
中間転写ベルト上に形成されたトナー像の移動と並行して、転写材カセット16に積載されている転写材Pは、給紙ローラ17によりピックアップされ、不図示の搬送ローラによりレジストローラ18の位置まで搬送される。転写材Pは、中間転写ベルト13上のトナー像の先端が転写材Pの先端に合うようにタイミングを同期して、レジストローラ18によって、中間転写ベルト13と2次転写ローラ25とで形成される当接部へ搬送される。その後、2次転写電源26から2次転写ローラ25に、トナーと逆極性の電圧が印加されることで、中間転写ベルト13上に担持された4色の多重トナー像が、転写材P上に一括して2次転写される。一方、2次転写を終えた後、中間転写ベルト13上に残留した転写残トナーと、転写材Pから中間転写ベルト13上に転移した紙粉とは、中間転写ベルト13に当接配置されたベルトクリーニング部27により、その表面から除去・回収される。2次転写終了後の転写材は、定着部(定着器)19へと搬送され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として画像形成装置外へと排出される。
また、本実施形態の画像形成装置100は、定着器周囲の定着温度を計測する定着温度センサ29と、画像形成ステーションや中間転写ベルト13附近の環境温度を計測する環境温度センサ30とが設置されている。
(画像形成装置の制御構成例)
前述の画像形成動作を図2(a)のブロック図に従って説明する。ホストコンピュータ40は、画像形成装置1000に対して印刷指令を出し、印刷画像の画像データをインタフェースボード41に転送する役割を担う。インタフェースボード41は、ホストコンピュータ40からの画像データを露光データに変換し、DCコントローラ200に印刷指令を出す。DCコントローラ200は、低圧電源43から電力供給されて動作し、印刷指令を受け取ると各種センサ53の状態を監視しながら画像形成シーケンスをスタートさせる。DCコントローラ200には、図3で後述するようにCPU、メモリ等が搭載されており、予めプログラムされた動作を行う。具体的には、メインモータ、現像部、感光ドラムの駆動部等の各種駆動部1a〜1d、24の動作を各種センサ53の出力や内部のタイマに同期して制御する。さらにカラーモード、モノモードを識別して黒現像部の現像離間部61、色現像部の色現像離間部60の動作を制御する。またDCコントローラ200は高圧電源44に設けられた複数の高圧電源の印加電圧、電流をモニタしながら予めプログラムされた制御電圧、制御電流、タイミングで高圧電源の制御を行う。
高圧電源には画像形成を司る各種の機能部品が接続される。各ステーションに設けられた感光体帯電部材2a〜2dは高圧電源44から高圧電圧の給電を受けて各ステーションの感光ドラムと当接または近接して感光ドラム表面を均一な電位に帯電する役割を担う。この帯電電位の制御は高圧電源44内が生成する高圧電圧をDCコントローラ200が制御することにより行われる。同様に各ステーションに設けられた現像ローラ4a〜4d、各ステーションに設けられた1次転写部材10a〜10d、2次転写部材25にも高圧電圧が高圧電源44から給電される。その印加電圧、印加電流は適切な2次転写特性が得られるようDCコントローラ200で制御される。また、定着部19に接続された電力制御部57を制御して定着部19の温度が所定の温度を維持するよう電力制御を行う。また、DCコントローラ200は、走査速度が所定の値かつ露光光量が所定の値になるよう露光部11a〜11dの制御を行うと同時にタイミングを調整することで色ずれを補正することができる。例えば、多面鏡タイプの露光部をもつ画像形成装置の場合、画像形成の際にはDCコントローラ200は露光部からの書き出し基準パルスをカウントして画像先端信号を生成してインタフェースボード41に送る。その信号に同期して露光データが1ライン(多面鏡の1面)ごとにインタフェースボード41からDCコントローラ200を経由して露光部に送られる。DCコントローラ200への画像先端信号をだすタイミングを画像形成ステーションごとに数ドット程度の時間分変化させることでそれぞれのラインの書き出しタイミングを数ドット変化させることができる。それにより、主走査方向での書き出し位置の調整ができる。また、例えば1ライン分書き出しタイミングを遅らせると搬送方向側に画像全体を1ラインシフトできるので、1ライン単位で副走査方向での書き出し位置調整も可能である。更に、画像形成ステーション間でスキャナの多面鏡であるポリゴンミラーの回転位相差を制御することで副走査方向に1ライン以下の位置合わせも可能となる。さらに露光データのオンオフの基準となるクロック周波数を変えると主走査倍率の補正を行うことができる。このように、各画像形成ステーション間の色ずれに関して、画像形成タイミングや基準クロックを調整することで、色ずれ量を補正することが可能である。その際タイミングのずれ量や、基準クロックの変化量を決めるために、相対色ずれ量を計測する色ずれ調整シーケンス(色ずれ調整制御)を行う。色ずれ調整シーケンスは、中間転写ベルト13上に、各色の色ずれ検出用のパターン(トナーマーク)を形成し、中間転写ベルト13下流部の両サイドに設けられた1対の光センサ(パッチセンサ28)で当該トナーマークを検出する。さらに、当該検出結果に基づき、各色のトナー像の相対的な色ずれ量を計測するとともに、計測した色ずれ量に応じて、出力する画像の色ずれ補正を行う。
(パッチセンサ28の構成例)
図2(b)はパッチセンサ28の構成例であり、発光素子と受光素子とを内蔵している。発光素子65は、例えばLEDである。中間転写ベルト13の垂線に対してθ(=15°)の角度で光が入射するようセンサハウジング66には光路が設けられている。また、発光素子65は、中間転写ベルト13表面からLs1(=10mm)の距離に配置されている。受光素子67は、例えばフォトトランジスタである。フォトトランジスタ67は、中間転写ベルト13の垂線に対してψ(=15°)の角度の光を主に受光する位置、かつ、ベルトからLs2(=10mm)の距離に配置され、光を受光して光の強度を電気信号に変換する。θとψを同じ角度とすることで、中間転写ベルト13からの正規反射光(拡散反射光ではない)を、フォトトランジスタ67においてより多く取り込むことができる。実際の使用時には、不図示の色ずれ検出用のパターン(トナーマーク)が中間転写ベルト13上に載った状態でパッチセンサ28を横切る。LED65が照射する範囲は中間転写ベルト13上で直径3mm程度の略円形である。フォトトランジスタ67は、LED65の当該照射範囲の中央付近における、直径1mm程度の略円形の領域からの反射光を計測している。フォトトランジスタ67の計測範囲にトナー像がある場合とない場合とでフォトトランジスタ67の受光量が変化することにより、トナーの通過を電気信号に変換することができる。また、受光量が変化した時刻を記録することで、トナー像の通過時刻を計測することができる。
<DCコントローラ200の構成例>
図3にDCコントローラ200の構成ブロックを示す。なお、図1及び図2と同じ構成要素には同じ参照番号を付しており、重複を避けるため説明は省略する。210は、演算処理用のCPUである。220は、CPU210が使用するブートプログラムや固定パラメータを格納するROMである。230は、CPU210がプログラムを実行中に一時記憶として利用するRAMである。240は、CPU210が実行するプログラムや不揮発にパラメータなどを記憶するディスクなどの大容量記憶部である。260は、例えばパッチセンサ28、定着温度センサ29や環境温度センサ30を含む各種センサ53からの入力のための入力インタフェースである。270は、図2に図示した各処理部への制御信号のための出力インタフェースである。
本実施形態のRAM230には、以下のデータを記憶する領域が確保されている。231には、前回の色ずれ調整からの経過時間やプリント枚数に基づいて、色ずれ調整を行うタイミングを判定した結果を示す色ずれ調整条件フラグが記憶される。232には、前回のプリントからの経過時間を計測するタイマ、定着温度センサ29が検出した定着温度、環境温度センサ30が検出した環境温度が記憶される。さらに、これらの値から、大規模色ずれ調整と小規模色ずれ調整のいずれを行うかを判定した結果を示す初期状態フラグが記憶される。233は、実施形態2で使用される、現在のプリント状態が連続プリントか間欠プリントかの判定結果を示す連続プリント/間欠プリント・フラグが記憶される。234には、色ずれ調整時にプリントされるパッチデータである色ずれ検出パターン(トナーマーク)が記憶される。235には、形成された色ずれ検出パターンをパッチセンサ28で読取ったパターン読取りデータが記憶される。236には、パターン読取りデータから検出された、ブラックを基準とした相対的なマゼンタ、シアン、イエローの色ずれ量データが記憶される。ここで、本実施形態1の小規模色ずれ調整では、シアン、イエローの色ずれ量データとして、マゼンタの色ずれ量データから予測された色ずれ量データが記憶される。237には、計測または予測された色ずれ量データから算出された、主走査方向及び副走査方向の色ずれ調整データが記憶される。238は、大容量記憶部240に格納されたプログラムがロードされるプログラムロード領域であり、CPU210により実行される。なお、上記の各領域は、主に本実施形態に特有のデータの領域であり、汎用的なデータの領域については説明を省いている。
本実施形態の大容量記憶部240には、以下のデータを記憶する領域が確保されている。241には、本画像形成装置で画像形成される画像データが保持される。242には、初期状態フラグ232が大規模色ずれ調整を示す場合に使用される、大規模色ずれ調整用パッチデータが格納されている。243には、初期状態フラグ232が小規模色ずれ調整を示す場合に使用される、小規模色ずれ調整用パッチデータが格納されている。244には、色ずれ調整条件フラグ231に関する判定基準となる閾値として、色ずれ判定条件が格納されている。245には、初期状態フラグ232に関する判定基準となる閾値として、初期状態判定条件が格納されている。246には、M−K(ブラックを基準としたマゼンタ)色ずれ量からC−K(ブラックを基準としたシアン)色ずれ量を予測するための予測式が格納されている。247には、M−K(ブラックを基準としたマゼンタ)色ずれ量からY−K(ブラックを基準としたイエロー)色ずれ量を予測するための予測式が格納されている。246及び247は、実施形態2の場合、連続プリント用の予測式と間欠プリント用の予測式を有している。251には、本画像形成装置の画像形成処理を制御する画像形成処理プログラムが格納されている。252には、以下に図8を参照して説明する、本実施形態による色ずれ調整を制御する色ずれ調整プログラムが格納されている。253には、大規模色ずれ調整を制御する大規模色ずれ調整モジュールが格納されている。254には、以下に図9を参照して説明する、本実施形態による小規模色ずれ調整を制御する小規模色ずれ調整モジュールが格納されている。なお、上記領域は、主に本実施形態に特有のデータやプログラムの領域であり、汎用的なデータやプログラムの領域については説明を省いている。
(大規模色ずれ調整用パターン)
図4に、中間転写ベルト13上にパッチ形成された、大規模色ずれ調整シーケンスで用いる色ずれ検出パターンの例を示す。101と102は転写材搬送方向(副走査方向)の色ずれ量を検出するためのパターン、103と104は転写材搬送方向と直交する主走査方向の色ずれ量を検出するためのパターンである。Y,M,C,Bの添え字は各々イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各画像形成ステーションで形成されたトナー像であることを示す。tsf1〜4、tmf1〜4、tsr1〜4、tmr1〜4、はパッチセンサ28によって各パターンを検出したときの時刻を、矢印は転写ベルト9aの移動方向を示す。
まず、大規模色ずれ調整シーケンスの副走査方向の色ずれ量の補正方法について説明する。中間転写ベルト13の移動速度をv(mm/s)、Kを相対色ずれの基準色とする。また、転写材搬送方向用パターン(tsf2〜4およびtsr2〜4)とKパターン(tsf1, tsr1)間の理論距離をdsY(mm)、dsM(mm)、dsC(mm)、Kを基準色とする。その時に、搬送方向に関して、各色の色ずれ量δesは、
δesY=v*{(tsf2−tsf1)+(tsr2−tsr1)}/2−dsY … (式1)
δesM=v*{(tsf3−tsf1)+(tsr3−tsr1)}/2−dsM … (式2)
δesC=v*{(tsf4−tsf1)+(tsr4−tsr1)}/2−dsC … (式3)
となる。かかる計算結果の正負からずれ方向がわかる。δesは副走査方向の色ずれである。ライン単位(600dpiで約40μm)の調整は、書き出しタイミングをライン数分シフトさせることにより、1ライン以下の調整は、各色のポリゴンミラーの回転位相を変えることにより、実現できる。
次に主走査方向の色ずれ調整シーケンスによる補正方法について説明する。各色の転写材搬送方向用パターンと主走査方向用パタ―ン間の実測距離を、左右各々、dmfK(mm)、dmfY(mm)、dmfM(mm)、dmfC(mm)、dmrK(mm)、dmrY(mm)、dmrM(mm)、dmrC(mm)とする。主走査方向に関して、左右各々の各色の色ずれ量δemf、δemrは以下のようになる。
δemfY=dmfY−dmfK …(式4)
δemfM=dmfM−dmfK …(式5)
δemfC=dmfC−dmfK …(式6)
δemrY=dmrY−dmrK …(式7)
δemrM=dmrM−dmrK …(式8)
δemrC=dmrC−dmrK …(式9)
ただし、ここで
dmfK=v*(tmf1−tsf1) …(式10)
dmfY=v*(tmf2−tsf2) …(式11)
dmfM=v*(tmf3−tsf3) …(式12)
dmfC=v*(tmf4−tsf4) …(式13)
dmrK=v*(tmr1−tsr1) …(式14)
dmrY=v*(tmr2−tsr2) …(式15)
dmrM=v*(tmr3−tsr3) …(式16)
dmrC=v*(tmr4−tsr4) …(式17)
とした。δemfMが左側の主走査色ずれ、δemrMは右側の主走査色ずれであるので、基準位置が中央の場合には、例えばδemfMとδemrMの平均値の値だけ主走査書き出し位置をずらすことで、主走査方向の位置の補正を行う。またδemrM−δemfMから、主走査幅のずれ量が分かる。主走査のユーザ点灯周波数を変化させることで、主走査幅の補正をすることができる。
ところで、副走査方向の色ずれ量δesはドラムの偏心や駆動ローラの偏心の影響を受けることが知られている。これに対処するためには、例えばドラムの偏心の影響を減らすために、色ずれパターンを複数セット形成し、各セットから得られるδesの平均化することが有効である。ドラムの偏心の影響を減らすために、色ずれパターンを複数セット形成し、各セットから得られるδesの平均化する。第1セット目と第2セット目との間隔をL1とすると、L1をドラム1周の長さの半分×奇数倍の位置に配置する。これで第1セット目から算出したδesと第2セット目から算出したδesとは、ドラムの回転位相でちょうど180°ずれた位置の色ずれ量を計測したことになり、両者の平均を算出することでドラム偏心の影響を少なくすることができる。本例では、L1は感光ドラム1周の半分の37.68mmとした。また前記第2セットを組み合わせたものを第1組とし、合計で4セットを配置している。第1組目の第1のパッチパターンと第2組目の第2のパッチパターンの間隔はL2であり、第2組目の第1セットと第2セットの間隔はL3であり、L3はL1と同じ距離となっている。L2を駆動ローラの1周の長さの半分×奇数倍の距離とすることで第1組目と第2組目のパッチは駆動ローラの回転位相でちょうど180°ずれた位置になる。本例では駆動ローラ1周の3/2周の84.78mmとした。これらのδesを平均化することで駆動ローラの偏心の影響を減らすことができる。大規模色ずれ調整シーケンスで使用する検出パターン全体の長さは154.46mmであった。
(小規模色ずれ調整用パターン)
本実施形態における小規模色ずれ調整シーケンスについて説明する。小規模色ずれ調整シーケンスは、前述の初期状態で大規模色ずれ調整シーケンスが実行されているときに、印刷動作の合間に所要時間が短い色ずれ測定シーケンスを実行するものである。図5に、中間転写ベルト13上にパッチ形成された、小規模色ずれ調整シーケンスに使用する色ずれ検出パターンの例を示す。ここでM,Kの添え字は各々マゼンタ,ブラックの各画像形成ステーションで形成されたトナー像であることを示す。パターン120、121は幅1mm、長さ10mmの主走査方向に直線状のパターンである。120と121の同じ色のパターンは主走査方向で同じ直線上に配置されている。また120Kと120Mは、設計上は2mmの間隔を空けて形成されている。122,123は、主走査方向に対して45°の傾きをもって形成された直線状のパターンである。120と121は、転写材搬送方向(副走査方向)の色ずれ量を検出するためのパターン、122と123は、転写材搬送方向と直交する主走査方向の色ずれ量を検出するためのパターンである。2本の縦の点線は2個のパッチセンサそれぞれが検知しているラインを表し、中間転写ベルトの移動に伴い、固定された非接触のパッチセンサの検知位置をトナーが横切り、パッチの通過した時刻を検出する。tsf1、tsf2、tsm1、tsm2、tsr1、tsr2、tmr1、tmr2、はパッチセンサによって各パターンを検出したときの時刻を示す。これら120,121,122,123で形成される8本のラインで第1セットとなっている。この第1セットから主走査方向のずれ、副走査方向のずれ、主走査方向の倍率、平行性等、2色間の相対的な印字精度を測定することができる。転写ベルトBの移動速度をv[mm/s]、Kを基準色とし、転写材搬送方向用パターンとKパターン間の理論距離をdsM[mm](本例では前述のように設計上の値、2mmである。)、各色の転写材搬送方向用パターンと主走査方向用パタ―ン間の実測距離を、左右各々、dmfK(mm)、dmfM(mm)、dmrK(mm)、dmrM(mm)とする。Kを基準色とし、搬送方向に関して、色ずれ量δesMは、
δesM=v*{(tsf2−tsf1)+(tsr2−tsr1)}/2−dsM …(式18)
となる。主走査方向に関して、左右各々の各色の色ずれ量δemfM、δemrMは以下のようになる。
δemfM=dmfM−dmfK …(式19)
δemrM=dmrM−dmrK …(式20)
ただし、
dmfK=v*(tmf1−tsf1) …(式21)
dmfM=v*(tmf2−tsf2) …(式22)
dmrK=v*(tmr1−tsr1) …(式23)
dmrM=v*(tmr2−tsr2) …(式24)
である。続く、124、125、126、127は第2セット目の色ずれ検出パターンであり、120〜123と同じパターンが所定の間隔L4を空けて形成されている。L4は感光ドラム1周(=75.36mm)の半分(=37.68mm)の距離に設定される。第1セットと第2セットとは、感光ドラムの回転角の位相で略180°異なる位置に形成される。各々のセットから得られたずれ量を平均化することで、上記感光ドラムの偏心の影響が低減される。第1セットの長さは20mmであり、第2セットと合わせて57.68mmの長さのパターンセットを第1組と呼ぶことにする。第1組の色ずれパターンの測定で感光ドラムの回転位相の影響を低減した測定ができる。第2組目を構成する第3セットと第4セットも37.68mmの間隔で形成される。第2組目の第2のパッチパターンと第1組目の第1のパッチパターンとの距離はL5の距離をもって形成される。L5は駆動ローラ1周のn/2倍(ただしnは奇数)とすることが好ましい。本例の駆動ローラ1周は56.52mmであり、L5は367.38mm(駆動ローラ1周の13/2倍)とした。136は、A4(長さ297mm)の印刷領域を示したものである。第1組目の色ずれ検出パターンと第2組目の色ずれ検出パターンとの間に紙上に印刷する印刷画像を形成する。また、例えば印刷画像がA3の場合、上記L5は536.96mm(駆動ローラ1周の19/2倍)に変えて記録用紙長さに応じて第2組目の色ずれ検出パターンの形成位置を記録用紙の全長と連動して変える必要がある。第1セットと第2セット間で駆動ローラ偏心をキャンセルして、第1組と第2組の間で感光ドラム偏心の影響をキャンセルした方がトータルの長さを小さくできる場合もある。画像形成装置の構成や記録紙の大きさによってスペース効率が良い方法を選ぶことが好ましい。
(大規模色ずれ調整と小規模色ずれ調整の比較)
大規模色ずれ調整シーケンスのように全色について感光ドラムの偏心と駆動ローラの偏心の影響を軽減した上で色ずれ量を計測する場合には、必要なパッチの総数が多くなる。従って、シーケンスに必要なダウンタイムが長くなる。本実施形態のように色ずれ検出パターンを分割して印刷画像の前と後にそれぞれ分割して挿入することで、色ずれ検出パターンを検知しながら印刷画像も出力することでユーザに待ち時間を感じさせずに色ずれ調整シーケンスを行うことができる。ここで、印刷画像の前にベルト上で余分に必要な長さは1セットで57.68mmに抑える事が可能となっている。紙が定着器を通過し機外に排出されている間に第2セット目の画像形成、読み取り、現像離間等の後処理を完了させることができる。そのため、例えばプロセス速度が50mm/secの場合、前記1セット分の画像を形成するための時間のみ、すなわち印刷画像が画像形成装置から排出される時間を1.2秒だけ遅らせることで色ずれ検出を行うことができる。一方、大規模色ずれ調整シーケンスを行った場合はパターンを形成する時間だけでも3.1秒とより多くの時間が必要となる。さらに、大規模色ずれ調整シーケンス中は用紙上への印刷を行わないにも関わらず、画像形成を行うための準備として、転写電圧の調整、ドラム電位の安定化、現像器の当接離間動作等に時間が必要となる。結局、30秒程度の時間を要してしまい、用紙印刷を行えず、ユーザが画像形成装置を使用できないダウンタイムとしては長い時間を要することとなる。本実施形態では、記録紙上に印刷される画像の前に色ずれ検出パターンを形成するため、色ずれ検出パターンが2次転写ローラと直接接触するために2次転写ローラが汚れる場合がある。これを極力避けるために色ずれ検出パターンが通過している間は2次転写ローラには通常とは逆方向(たとえば−2kV)の電圧を印加してなるべくトナーが付着しないように制御することが好ましい。または、2次転写ローラが中間転写体から離間できる機構を有している場合は離間することが好ましい。
(M−Kずれ量からのC−K及びY−Kずれ量の予測式)
本実施形態のようにマゼンタ及びブラックのみの色ずれ検出パターン(トナーマーク)を形成することで色ずれ検出パターンの総数が減る。さらに、複数のセットに分割して印刷画像の間に挿入することで、色ずれ調整制御に要する時間を短縮することができる。ところが、この場合、測定色であるマゼンタ及びブラックに関する相対色ずれ量は計測できるものの、測定色の画像形成ステーションと測定色以外の色の画像形成ステーションとの間の相対色ずれ量は計測できない。本実施形態では、測定色以外の色の画像形成ステーションについての相対色ずれ量を、マゼンタ及びブラックの相対色ずれ量から予測することで、色ずれ調整制御に要する時間を短縮しつつ色ずれも抑制する。
図6に、色ずれ調整制御を行わなかったときに、さまざまな通紙モードでの通紙枚数に対する色ずれ量の推移を表した。図6(a)はMとK間の相対色ずれ量を表している。同図では、連続で印字を続けた場合、1分当たりに1枚の出力ペースで印刷を続けた場合、5分あたりに1枚の出力ペースで印刷を続けた場合、10分あたりに1枚の出力ペースで印刷を続けた場合について、色ずれ量の推移を示している。また、図6(b)はCとK間、図6(c)はY−K間の相対色ずれ量の推移を示している。図6(b)では、1分あたりに1枚印刷した場合、色ずれ量は一旦プラス方向に変化した後、更に印刷を継続すると減少する傾向がある。定着器の稼動や画像形成装置の電気基板から発せられる熱により画像形成装置内の温度が上昇し、駆動ローラの外径が変化するとC−Kの色ずれはマイナス方向に変化する。これに対し、露光装置であるスキャナが昇温すると照射位置が変動し、C−Kの色ずれはプラス方向に変化する。定着器からの熱は駆動ローラおよび露光装置に伝わるのに要する時間が異なるため、画像形成装置の稼働時間に対してのそれぞれの部品の昇温曲線が異なり、さらには昇温を開始するまでのタイムラグも異なる。これによって、駆動ローラの熱膨張に起因するマイナス方向の変化と、露光装置の昇温に起因するプラス方向の変化を足し合わせた結果である色ずれ量は、一旦プラスに変化した後、マイナスに転じている。特に画像形成装置が一旦稼動した後に休止している間は、温度が次のように推移する。定着器の温度が他の部材よりも高い状態がしばらく維持され、輻射熱やフレームを介した直接伝熱、さらにはフレームからの輻射熱等、複雑な熱の伝達経路によってゆっくりと駆動ローラ、露光装置が温められる。さらに、定着器を代表する画像形成装置内の主要な熱源からの距離が各色の露光装置によって異なり、画像形成ステーションごとにも昇温速度が異なる。プリントした枚数に対する各部材の昇温速度は、稼働時間と休止時間の比率等の履歴によって影響をうけるため、色ずれ量も同様に、単位時間あたりの稼働時間、記録紙の幅や長さ、厚みなどの種類によって異なる。
図7は、図6の各印刷モードごとの副走査方向の相対色ずれ量の推移について統計的な傾向を示している。図7(a)は、M−K間の副走査方向の色ずれ量(横軸)に対して、C-K間の副走査方向の色ずれ量(縦軸)をプロットしたものである。同様に、図7(b)は、M−K間の副走査方向の色ずれ量(横軸)に対してY−K間の副走査方向の色ずれ量(縦軸)をプロットしたものである。図7に示すように、統計的にもM−Kの色ずれ量とC−Kの色ずれ量の間には相関があることが分かる。図1のように、駆動ローラによって複数の画像形成ステーションから転写を受ける中間転写ベルトを回動させる本体構成の場合、機内の温度上昇に起因した駆動ローラの熱膨脹による周速度変化は、全画像形成ステーションの色ずれ量に影響する。駆動ローラのみならず、単一の部品の熱膨脹によって、全画像形成ステーションの相対色ずれ量が変化する要素がある場合、基準となる画像形成ステーションと1つの画像形成ステーションとの相対色ずれ量を計測する。そのため、他の画像形成ステーションの色ずれ量をある程度予測することが可能となる。
本例では、C−Kの色ずれ量y1(μm)について、M−Kの色ずれ量をx(μm)とした場合に、
y1=0.5521x+24.311
を予測式として用いた。また、Y−Kの色ずれ量y2(μm)について、M−Kの色ずれ量をx(μm)とした場合に、
y2=0.9695x+25.731
を予測式として用いた。
本例のM−K間の色ずれ量測定シーケンスは、1回あたりの実行時間が比較例より短くなるため、ユーザが印字できないダウンタイムを増大させることなく、より頻繁に実行することができる。本実施形態では、予め設定された30枚の印刷を実行するごとにM−K間の色ずれ量測定シーケンスを実行する。また、計測したM−K間の色ずれ量xから直ちに上記y1及びy2を求める。さらに、続くプリントの副走査方向の書き出し位置を、不揮発メモリに保存されている初期状態で計測した基準位置から、Mはx(μm)、Cはy1(μm)、Yはy2(μm)分だけ補正する。その後、次の色ずれ量調整シーケンスを実行するまでの間、補正値を維持し続ける。
<実施形態1の画像処理装置の動作例>
本実施形態の色ずれ調整シーケンスでは、特定の1色を基準色(例えばK)として定め、その基準色との相対色ずれ量を計測する。色ずれ調整シーケンスには2種類のシーケンスがある。第1の色ずれ調整シーケンスは、基準色の画像形成ステーションとそれ以外の全ての画像形成ステーションとの間の相対色ずれ量を計測する大規模色ずれ調整シーケンスである。第2の色ずれ調整シーケンスは、基準色の画像形成ステーションとそれ以外の1つの画像形成ステーションとの間の相対色ずれ量を計測する小規模色ずれ調整シーケンスである。本実施形態の画像形成装置は、稼動していない状態で周辺環境の温度及び湿度に対して充分馴染んだ初期状態において、大規模色ずれ調整シーケンスを実行し、かつ、それにより全色の色ずれについて補正した位置を基準位置として格納する。ここで、画像形成装置が稼動して機内温度が上昇すると、色ずれが生じ始め、画像形成装置の稼動が停止すると、装置の緩やかな冷却に伴ってこの基準位置に色ずれ量が戻る傾向がある。画像形成装置は、装置内の定着装置における温度検知素子、環境温度を検知するセンサ、前回印刷を終了した時点からの経過時間を計測するためのタイマ等の出力値に基づいて、上記初期状態であるか否かを判断する。初期状態である場合は、大規模色ずれ調整シーケンスを実行して、画像形成装置内部の不揮発メモリに上記基準位置を格納する。画像形成装置は、例えば、環境温度と定着器の温度との差が所定温度以内(例えば5℃以内)で、かつ、前回のプリントから所定時間以上(例えば2時間以上)経過しているという条件(初期状態判定条件)が満たされる場合に、初期状態であると判断する。画像形成装置は、当該初期状態で実行した大規模色ずれ調整シーケンスの補正後の位置を基準位置とする。
(DCコントローラ200の処理手順例)
図8及び図9にしたがって、本画像形成装置1000のDCコントローラ200の処理手順例を説明する。かかる処理手順は、CPU210が実行する。図8は、色ずれ調整プログラム252の手順例であり、本発明に関連する部分のみを示している。まず、S82でCPU210は、パワーオン時に大規模色ずれ調整を実行する。大規模色ずれ調整が終了すると、S84でCPU210は画像のプリント処理を開始する。次に、S86でCPU210は、色ずれ調整条件(本例では30枚のプリント)について判定して、色ずれ調整を行うタイミングであるか否かを判定することにより、色ずれ調整を行うか否かを判断する。色ずれ調整を行わないと判断すると、S86を繰り返す。なお、上記のように、かかる処理と並列してプリント処理が実行される。色ずれ調整を行うと判断すると、S88に進む。S88でCPU210は、画像形成装置が初期状態か否かを判断する。かかる判断は、初期状態であるか否かを判定するための条件(本例では、最後のプリントから2時間以上で、且つ、定着温度と環境温度との差が5℃以内であるか否か)を用いて行われる。この条件は、大規模色ずれ調整を実行する条件に相当する。ここで、初期状態と判断するとS90に進み、CPU210は、プリント処理を中断させて、S92で大規模色ずれ調整を実行し、大規模色ずれ調整の終了を確認してS94でプリント処理を再開する。一方、初期状態でないと判断するとS100に進んで、CPU210は、図9で後述する本実施形態の小規模色ずれ調整を実行する。最後にS96でCPU210は、画像形成装置のパワーオフを判断し、パワーオフでなければS86に戻って処理を継続する。パワーオフであればCPU210は処理を終了する。
図9は、S100の小規模色ずれ調整の処理手順である。S102でCPU210は、プリント処理を一時中断する。S104でCPU210は、第1組の第1のパッチパターンを中間転写ベルト13上に転写する。S106でCPU210は、プリント処理を再開する。すなわち、小規模色ずれ調整では、当該調整の終了するまでアイドル状態で待機する必要がない。S108でCPU210は、パッチセンサ28により中間転写ベルト13上の第1組の第1のパッチパターンを読取る。S110でCPU210は、読取ったパターンデータから(M−K)色ずれ量を算出する。S112でCPU210は、算出された(M−K)色ずれ量に基づいて、図7に示した予測式により、(C−K)色ずれ量及び(Y−K)色ずれ量を予測する。S114でCPU210は計測した(M−K)色ずれ量と予測した(C−K)色ずれ量及び(Y−K)色ずれ量に対応して、主走査方向、副走査方向、ドラム偏心の色ずれ調整を行う。S116でCPU210は、第2組の第2のパッチパターンを中間転写ベルト13上に転写する。このタイミングは、駆動ローラの1周の整数倍の間隔を開けたタイミングである。そしてこの第1組の第1のパッチパターンと第2組の第2のパッチパターンとの間には、通常の画像を形成可能である。S118でCPU210は、パッチセンサ28により中間転写ベルト13上の第2組の第2のパッチパターンを読取る。S120でCPU210は、読取ったパターンデータから(M−K)色ずれ量を算出する。S122でCPU210は、算出された(M−K)色ずれ量に基づいて、図7に示した予測式により、(C−K)色ずれ量及び(Y−K)色ずれ量を予測する。S124でCPU210は、計測した(M−K)色ずれ量と予測した(C−K)色ずれ量及び(Y−K)色ずれ量に対応して、駆動ローラ偏心の色ずれ調整を行う。そして処理は図8にリターンする。
<実施形態1の色ずれ調整の結果例及び効果>
実施形態1のような色ずれ調整を行った場合、例えば図6の色ずれ調整の無い色ずれデータに適用した結果を、図10に示した。本実施形態1の色ずれ補正制御によると、M−K間で45μm、C−K間で34μm、Y−K間で73μmの色ずれ量に収まる。本実施形態1の効果は、以下の比較例1および2の画像形成装置との対比でより明らかになる。
(比較例1)
比較例1として大規模色ずれ調整シーケンスのみを印刷枚数100枚に1回実行した場合について例示する。全色の色ずれ量を計測する大規模色ずれ調整シーケンスは、1回のダウンタイムが長いので頻繁に行うことはユーザにとって好ましくない。このため、プリント毎でなく印字品質をあまり損なわない程度に期間を空けて定期的に実行し、色ずれを補正する。100枚に1回大規模色ずれ調整シーケンスを実行した場合に図6の色ずれ推移がどのようになるかを図11に示した。色ずれ調整を行わなかった場合の色ずれ最大量は、M−K間で101μm、C−K間で52μm、Y−K間で102μmであったものがM−K間で101μm、C−K間で52μm、Y−K間で102μmと色ずれ量の最大値には変化がなかった。
(比較例2)
次に、比較例2の画像形成装置における色ずれ調整について説明する。画像形成装置を連続稼動させ、画像形成装置内の温度が変化すると、画像形成位置に影響を及ぼす光学ユニット部品の熱膨張による変形や、装置の枠組みであるフレーム、駆動ローラの熱膨張のよる変形などが発生する。これにより、各画像形成ステーションの画像形成位置が相対的にずれてしまい、この状態で画像形成を行うと、色ずれを発生させてしまう。そのため画像形成装置の昇温による色ずれ量を予測することが行われている。図12は、図6(a)のデータに関して定着器の稼動時間に対して色ずれ量がどのように変化するかを示したものである。印字枚数によって色ずれ量を補正するよりも機内昇温の主たる熱源である定着器の稼動時間をパラメータとする方が画像形成装置内部の温度と相関が高いため、色ずれ量を予測しやすい。各通紙モードの色ずれ量を平均化した定着回転時間に対する色ずれ量の推移を示す予測曲線を図12中に示した。図13は、図6の色ずれデータを用いて図12に示す予測曲線に沿ってプリント毎に書き出し位置を補正した場合の色ずれ推移を示したものである。最大の色ずれ量としてはM−K間で56μm、C−K間で41μm、Y−K間で82μmとなった。画像形成装置が稼動停止を繰り返し、定常状態に達する前に機内温度の上昇と下降を繰り返す場合は色ずれ量の推移が通紙するモードによって大きく変化する。このため、定着回転時間から予測した色ずれ量と実際の色ずれ量の乖離が大きくなるところが発生してしまう。
このように画像形成装置内の温度状態が変化し続けている過渡状態のときは、本実施形態のような色ずれ調整が有利である。すなわち、全色の予測を行うよりも熱変動が大きい2つのステーション間の相対色ずれ量のみを計測して、いわば機内昇温の色ずれへの影響度を直接測定する。そして、残りの画像形成ステーションは色ずれ量の予測を行うことで補正精度を向上させることができる。
[実施形態2]
本例の画像形成装置は実施形態1で例示したものと同一であり、色ずれ調整シーケンスで使用する色ずれ検知パターンも同一である。また色ずれ調整シーケンスを実行するタイミングも同一とした。断りがない限りは実施形態1と同じ構成を用いている。だだし、実施形態2は、M−K間の相対色ずれ量から他の画像形成ステーションの色ずれ量を予測する方法が異なるため、その方法について以下に説明する。
(M−Kずれ量からの連続/間欠プリントのY−Kずれ量の予測式)
図7(b)の相関関係において連続印刷で得られたデータと1枚/分、1枚/5分、1枚/10分の間欠印刷で得られたデータに分けてそれぞれの相関関係を図14にプロットした。図14(a)は、連続プリント時のM−K間の色ずれ量とY−K間の色ずれ量との相関を表し、M−Kの色ずれ量に対してY−Kの色ずれ量は相関があまりないことがわかる。図14(b)は、間欠プリント時のM−K間の色ずれ量とY−K間の色ずれ量との相関を表している。間欠プリント時はM−K間の色ずれ量とY−K間の色ずれ量とに強い相関関係があることがわかる。そこで、実施形態1で説明した予測式を間欠プリント時と連続プリント時で異なった式を使うと、より精度良く予測することが可能となる。すなわち、色ずれ調整シーケンスを実行するまでの30枚のプリント間隔(例えば給送ローラが記録紙を給送したタイミング、もしくは定着器から記録紙が排出されたタイミング)を記録し、続く2枚の時間間隔を算出して記録する。このようなプリント頻度の記録によって30枚の平均プリント間隔が例えば連続プリントの想定値の2倍よりも短い場合には、実質的な連続プリントであると判断して、以下の予測式を用いる。
Y−Kの色ずれ量y3(μm)については、M−Kの色ずれ量をx(μm)としたときに、
y3=0.5046x―0.9432
を予測式として使う。
C−Kの色ずれ量y4(μm)については、M−Kの色ずれ量をx(μm)としたときに、
y4=0.317x+5.3444
を予測式として使う。また、上記記録されたプリント頻度からの平均プリント間隔が連続プリント時の2倍以上の場合は、実質的な間欠プリントとみなし、以下の予測式を用いる。
Y−Kの色ずれ量y5(μm)については、M−Kの色ずれ量をx(μm)としたときに、
y5=1.3139x―34.37
を予測式として使う。
C−Kの色ずれ量y6(μm)については、M−Kの色ずれ量をx(μm)としたときに、
y6=0.4802x+31.112
を予測式として使う。
(実施形態2の処理手順例)
実施形態2の処理手順は基本的には図8及び図9と同様である。ただし、図9の色ずれ量の予測(S112及びS122)を行う以前に、連続プリントか間欠プリントかを判断して、判断結果により使用する予測式を図14に図示のように選択することが相違している。本実施形態では、予め設定された30枚を印刷するごとにM−K間の色ずれ量測定シーケンスを実行した。また、計測したM−K間の色ずれ量xから直ちに上記yを求める。そして、続くプリントの副走査方向の書き出し位置を不揮発メモリに保存されている初期状態で計測した基準位置から連続印刷の場合は、Mはx(μm)、Cはy3(μm)、Yはy4(μm)分だけ補正する。一方、間欠印刷の場合は、Mはx(μm)、Cはy5(μm)、Yはy6(μm)分だけ補正して形成する。補正値は、次の色ずれ量調整シーケンスを実行するまでは維持しつづける。
(連続プリントと間欠プリントの色ずれの説明)
次に連続プリントと間欠プリントで相関関係が異なる理由について説明する。図16(a)は、印刷枚数が増えると駆動ローラの熱膨脹による色ずれ量がどのように変わるかを示したものである。連続印刷を行い、ベルトの駆動速度をユーザドップラー速度計で計測し、ノイズを除去するためにカーブフィッティングを行ったものである。Kは機内昇温の大きな要因である定着装置から最も遠く、昇温しにくい位置にいる。定着器に近いステーション(例えばY)ほど色ずれ量は大きくなる傾向がある。図16(b)は、スキャナの昇温によって色ずれ量がどのように変化するかを示したものである。スキャナの感光ドラム上の照射位置の変位を連続的に測定し、変位量を色ずれ量に換算し、ノイズを除去するためにカーブフィッティングを行ったものである。図16(c)は、前記スキャナ要因の色ずれと駆動ローラ要因の色ずれを足し合わせたものである。連続プリント時の色ずれ変化は前記二つの要因の重ね合わせで概ね説明することができる。
次に、図17(b)は、図16(c)の連続プリント時のグラフに関してM−K間の色ずれ量と他の色ずれ量との相関関係をプロットしたものである。この図からも連続プリント時はM−K間の色ずれ量と他のステーションの色ずれ量とは直接の相関関係が少ないことがわかる。一方、図17(a)は、図16(a)のグラフに関してM−K間の色ずれ量と他の色ずれ量との相関関係をプロットしたものである。駆動ローラの熱膨脹要因の色ずれに関しては、M−K間の色ずれ量と他の色ずれ量との間に線型な強い相関関係があることが分かる。本例の画像形成装置では図1に示すように駆動ローラ15が2次転写対向部材を兼ねている。連続プリント時は機内温度より比較的温度が低い記録用紙Pが連続的に2次転写ローラ25と駆動ローラ15の間を挟持搬送される。その際に記録用紙Pが駆動ローラ15を冷却する役目を果たす。一方、間欠プリント時は単位時間あたりの記録用紙通過量が激減するため、駆動ローラ15の昇温が定着装置19からの伝熱を受け、より早く発生するものと考えられる。よって、間欠プリント時の色ずれ量の変化はスキャナ昇温による色ずれ変化量よりも駆動ローラの要因が支配的になる。このように1つの部品の温度変化によって複数の画像形成ステーション間の色ずれが発生し、かつその部品の寄与度が高い状態になると、図17(a)のように色間で強い相関関係を持つようになる。従って、比較的精度良く色ずれ量を予測して、補正を行うことができる。本実施形態2では、M−K間の色ずれ量を実測し、他の画像形成ステーションは予測式から予測している。実測する画像形成ステーションは昇温による色ずれ量が一番大きい画像形成ステーションであることが好ましい。実測をせずに予測のみでは機内昇温の正確な状態を捉えることは困難である。よって、最も昇温によって影響を受ける画像形成ステーションの色ずれ量を選択的に計測することによって、測定値が計測誤差に埋もれにくくなり、より的確に画像形成装置の状態を知り、精度が良い補正を行うことができる。
<実施形態2の色ずれ調整の結果例>
本実施形態2の色ずれ調整を行った場合、例えば図9の色ずれデータに適用した場合の結果を図15に示した。実施形態2の色ずれ補正制御によるとM−K間で最大45μm、C−K間で最大31μm、Y−K間で最大63μmに色ずれ量に収めることができた。実施形態2によれば、M−K間のみの相対色ずれ量を検出する限定された大きさのパターンを形成することで色ずれ検出パターンの総数を減らし、より印刷画像の間に挿入し易くし、かつ色ずれ調整制御に要する時間を短縮するものである。さらには、間欠プリントと連続プリント等、プリントの頻度を記録してその記録結果におって異なる予測式を用いることで予測精度を向上させ、色ずれを抑制し、良好な画質が得られる画像形成装置を提供するものである。
[他の実施形態]
(大規模色ずれ調整の選択例)
上記実施例ではM−K間の色ずれ量の実測を行い、他の画像形成ステーションの色ずれ量は予測して補正する構成について例示した。他の実施形態としては、まず、2つの画像形成ステーション間の相対色ずれ量を計測する小規模な色ずれ調整シーケンスを実行する。そして、その計測値から全色の色ずれ量を測定する大規模色ずれ調整シーケンスを実行するのか、大規模色ずれ調整シーケンスを実行せずに、再度定期枚数後の色ずれ調製シーケンスを実行するのかを判断するステップを設けても良い。このようにすることでダウンタイムが長い大規模色ずれ調整シーケンスの実行を不要な場合は遅らせることができるため、生産性を維持しつづけることができるという効果がある。
また、大規模色ずれ調整シーケンスを行う判断基準としては画像形成装置に何らか大きな色ずれ量の変化があったと想定できる場合に行うようにしてもよい。例えば、2ステーション間の色ずれ量が特定の閾値より大きく、通常の範囲を越えてずれたと想定される場合である。また、前回の色ずれ量測定結果と今回の色ずれ量測定結果の間に特定の閾値以上の差が有る場合である。また、想定される色ずれ方向とは逆側でかつ特定の閾値以上色ずれしている場合である。このような場合は、大規模色ずれ調整シーケンスを行うようにする。このような判断基準を設けることで、プロセスCRGが交換された場合や画像形成装置の使用環境が大きく変化した場合等、機内昇温ではない要因で色ずれが大きく変化した場合を判定できる。このように、予測制御を行うことが適切でない場合を速やかに検知して大規模色ずれ調整シーケンスで色ずれを補正して印字品質を維持することができる。
(小規模色ずれ調整の計測色の変更例)
小規模色ずれ調整シーケンスでM−K間の色ずれを検知した場合に次回以降は計測する色を変更してもよい。例えば、次回の小規模色ずれ調整シーケンスではC−K間の色ずれを検知、その次の小規模色ずれ調整シーケンスではY−K間の色ずれを検知する等としても良い。このようにすることで3回の超規模色ずれ調整シーケンスを実行すると各色の実測値に基づく補正が行える。いわば1回の大規模色ずれ調整シーケンスを3回の小規模色ずれ調整シーケンスに分割することができるため、画像形成装置のダウンタイムを長期に分散して、ユーザへのストレスを減らすことができる。
また、本例ではM−K間の色ずれが昇温による影響を一番強く受けていたので定期枚数ごとの色ずれ調整シーケンスでM−K間の色ずれを毎回測定する方法を例示した。しかし、例えばM−K、Y−Kの両方とも昇温の影響を強く受ける場合は、次のような方法でもよい。まず最初の色ずれ調整シーケンスではM−K間を測定し、次の色ずれ調整シーケンスではY−K間を測定して、Y−K間の色ずれ量から予測する予測式を別途用意しておく。このような方法をとることで、昇温に敏感な画像形成ステーションの状態を定期的に把握することで、予測値が大きく外れることを予防することができる。
本実施形態では中間転写方式の画像形成装置の場合について述べたが、搬送転写ベルトを用いた画像形成装置にも本発明は好適に用いることができるのはいうまでもない。また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
<本実施形態の効果>
以上説明したように、小規模色ずれ調整シーケンスと大規模色ずれ調整シーケンスとを設けて、そのいずれかで色ずれ量の補正を行う。これにより、画像形成装置のダウンタイムを低減し生産性を維持しながら色ずれを抑制した画像形成装置が提供できる。また、小規模色ずれ調整シーケンスで計測した色の実測色ずれ量から計測していない色の色ずれ量を予測して補正を行うことで画像形成装置のダウンタイムを低減し生産性を維持しながら色ずれを抑制した画像形成装置が提供できる。また、小規模色ずれ調整シーケンスで計測する色を次回の小規模色ずれ調整シーケンスで異ならせる。これにより、いわば1回の大規模色ずれ調整シーケンスを3回の小規模色ずれ調整シーケンスに分割することができ、かつ3回の小規模色ずれシーケンス完了後は大規模色ずれ調整シーケンスと遜色がない精度が得られる。さらには、毎回の小規模色ずれシーケンス時に測定していない他の色の色ずれは予測することにより、画像形成装置のダウンタイムを長期に分散して生産性を維持しながら色ずれを抑制した画像形成装置が提供できる。また、平均プリント間隔を計測して、連続プリントと間欠プリントとで小規模キャリブレーションで用いる予測式を異ならせる。これにより、画像形成装置のダウンタイムを抑制しつつ、生産性を維持しながら更に精度よく色ずれを補正することで、更に色ずれを抑制した画像形成装置が提供できる。

Claims (8)

  1. 各色のトナーマークを形成し、前記形成されたトナーマークを検出し、該検出結果に基づき前記各色のトナー像の相対的な色ずれ量を計測する計測手段と、前記計測された色ずれ量に基づいて前記各色のトナー像の相対的な色ずれを補正する色ずれ補正手段とを有する画像形成装置であって、
    色ずれ補正のタイミングにおいて、前記各色の全ての色のトナーマークを形成し、前記各色のトナー像の相対的な色ずれ量を計測して色ずれを補正する条件を満たすか否かを判断する判断手段を有し、
    前記判断手段により前記条件を満たさないと判断された場合に、
    前記計測手段は、基準となる色と他の1つの色との相対的な色ずれ量を計測し、
    前記色ずれ補正手段は、
    前記計測された前記基準となる色と前記他の1つの色との相対的な色ずれ量に基づいて、前記基準となる色と前記他の1つの色以外の色との相対的な色ずれ量を予測する予測手段を含み、前記計測手段が計測した色ずれ量に基づいて前記他の1つの色の色ずれを補正し、かつ、前記予測手段が予測した色ずれ量に基づいて前記他の1つの色以外の色の色ずれを補正することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記判断手段により前記条件を満たすと判断された場合に、
    前記計測手段は、前記トナーマークの形成を伴う、前記基準となる色と他の全ての色との相対的な色ずれ量の計測を行い、
    前記色ずれ補正手段は、計測された前記基準となる色と他の全ての色との相対的な色ずれ量に基づいて、前記他の全ての色のそれぞれの色ずれを補正することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記条件は、前回のプリントからの経過時間が所定時間以上で、かつ、定着器の定着温度と装置内の環境温度との差が所定温度以内であるという条件を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記計測手段は、主走査方向及び副走査方向の色ずれ量とドラムの偏心による色ずれ量を計測するための第1のパッチパターンを形成し、駆動ローラの偏心による色ずれ量を計測するために更に第2のパッチパターンを形成するパッチ形成手段を有し、
    前記判断手段により前記条件を満たさないと判断された場合に、副走査方向に短縮された前記第1のパッチパターン及び前記第2のパッチパターンの間に画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記計測手段は、前回の色ずれ補正における前記他の1つの色を記憶し、今回は前記記憶された前記他の1つの色とは異なる色について、前記基準となる色との色ずれ量を計測し、
    前記予測手段は、計測された前記基準となる色と前記異なる色との相対的な色ずれ量に基づいて、前記基準となる色と前記異なる色以外の色との相対的な色ずれ量を予測することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成装置による画像形成が連続プリントかプリント間隔が空いた間欠プリントかを判定する判定手段を更に有し、
    前記予測手段は、前記連続プリントか前記間欠プリントかに対応して異なる色ずれ量の予測を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成装置は、各色のトナー像を形成する複数の画像形成ステーションを有するタンデム式のカラー画像形成装置であり、
    前記複数のトナー像の各色は、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックであり、
    前記基準となる色はブラックであり、前記他の1つの色はマゼンタであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 各色のトナーマークを形成し、前記形成されたトナーマークを検出し、該検出結果に基づき前記各色のトナー像の相対的な色ずれ量を計測する計測手段と、前記計測された色ずれ量に基づいて前記各色のトナー像の相対的な色ずれを補正する色ずれ補正手段とを有する画像形成装置の制御方法であって、
    判断手段が、色ずれ補正のタイミングにおいて、前記各色の全ての色のトナーマークを形成し、前記各色のトナー像の相対的な色ずれ量を計測して色ずれを補正する条件を満たすか否かを判断する判断工程と、
    前記判断工程において前記条件を満たさないと判断された場合に、
    前記計測手段が、基準となる色と他の1つの色との相対的な色ずれ量を計測する計測工程と、
    予測手段が、前記計測された前記基準となる色と前記他の1つの色との相対的な色ずれ量に基づいて、前記基準となる色と前記他の1つの色以外の色との相対的な色ずれ量を予測する予測工程と、
    前記色ずれ補正手段が、前記計測工程で計測した色ずれ量に基づいて前記他の1つの色の色ずれを補正し、かつ、前記予測工程で予測した色ずれ量に基づいて前記他の1つの色以外の色の色ずれを補正する色ずれ補正工程と
    を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
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