JP2004174854A - 画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法及び装置 - Google Patents

画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】露光装置におけるLEDヘッドの温度上昇に伴うそりに起因する結像位置ズレ、及び直線性配列歪み(ボウ)やヘッドを斜めに取り付けてしまったことによる結像位置ズレ(スキュー)を、簡単で安価に補正する方法と装置を提供することが課題である。
【解決手段】温度上昇による発光ダイオードアレイの結像位置ズレを画像形成による発光ダイオードの使用状況と結像位置ズレ量の関係として予め記憶手段に記憶し、発光ダイオードの使用状況把握手段からの使用状況データによって前記記憶手段から発光ダイオードアレイの結像位置ズレ量を求め、画像データの発光ダイオードによる露光アドレスを制御して発光ダイオードアレイの温度上昇による結像位置ズレを補正するようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置に関し、特に、発光ダイオード(LED)アレイで構成した露光装置を有する画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などに用いられる画像形成装置においても、パーソナル化の要求に伴って小型化、低価格化が要請され、従来用いられていたレーザダイオードとポリゴンミラーを用いた露光装置に代わり、発光ダイオード(以下LEDと略称する)とレンズをアレイ状に配したヘッドで構成した露光装置が用いられるようになってきた。すなわちLEDを用いた露光装置は、レーザダイオードとポリゴンミラーを用いた露光装置に比較して小型であり、しかも、精密可動部品であり、寿命がLEDと比較して短いポリゴンモータなどを用いる必要がないため、特にタンデムカラー装置を小型、簡単に構成することが可能となる。
【0003】
しかしながらこのLEDヘッドは、低価格化のために樹脂製のレンズアレイを用いた場合、温度上昇に伴ってそりが発生し、結像位置がずれるという問題が生じる。しかもこのズレの方向と量は、LEDを組み込んだ際に用いた接着剤などの量、位置などにより、それぞれのヘッドで異なったものとなる。ところがこのように、温度上昇によって異なった方向に結像位置がズレた場合、例えば複数の画像形成ユニットを用い、各ユニットで形成された画像を単一の転写体(転写ドラムや転写ベルト、または記録媒体)に多重転写するようにしたタンデム式のカラー画像形成装置においては、各色の結像位置が異なることになって画像品質が著しく損なわれることになる。また、こういったLEDアレイを用いたヘッドでは、ヘッドの制作時に生じるLEDの並びの直線性配列歪み(ボウ)や、ヘッドを斜めに取り付けてしまったことによる結像位置ズレ(スキュー)なども問題となる。
【0004】
こういったタンデム型カラー画像形成装置における露光装置の結像位置ズレに対処する方法としては、例えば特許文献1に、LEDアレイ自体や駆動ICの発熱、及び定着装置などからの熱でLEDアレイが熱膨張し、主走査方向(LEDアレイチップの発光部配列方向)の倍率が色毎に変化するのを防止するため、各色のLEDヘッドを全て同じ温度に保つ温度制御手段を備えた画像形成装置が示されている。また特許文献2には、4色の独立したLEDヘッドを用いたカラー画像形成装置における画像位置ズレ補正技術として、転写ベルトに形成したレジストマークを検出する位置ずれセンサを設け、その検出結果から基準色(K)に対する他色(CMY)の色ずれ量を検出して副走査方向の描画タイミングを制御し、補正を行うようにした画像形成装置が示されている。
【0005】
また特許文献3には、感光体の両端にテストパターンを形成してセンサで検出することで主走査方向の傾きを算出し、主走査方向の1ラインを複数のドットグループに分割して基準となるラインに対して各ドットグループの相対的傾きが減少する方向に副走査方向をずらせ、色ズレを補正するようにした装置が示されている。さらに特許文献4には、各LEDヘッドのスキューとボウの量を予め計測して記憶しておき、レジストパターンを画像形成媒体上に形成してそれをセンサで読み取り、LEDヘッドの相対的な位置ズレと予め記憶したLEDの直線性歪(スキューとボウ)みを一緒に、副走査方向の発光タイミングの調整で補正できるようにした装置が示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−16293号公報
【特許文献2】
特開平10−315545号公報
【特許文献3】
特開平10−69153号公報
【特許文献4】
特開2001−301232公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのうち特許文献1に示された装置は、温度変化による主走査方向の倍率変化による位置ズレだけに対処したものであり、副走査方向の位置ズレには対処できない。また、温度の測定手段や温度を一定に保つ温度制御手段が必要であって高価にならざるを得ないと共にこれらの装置を画像形成装置内に設置せねばならず、そのスペース確保のために本体が大きくなってしまう。さらに特許文献2乃至4に示された装置は、位置ズレ検出用のセンサやその処理系が必要なため、コストアップにつながると共に位置ズレ検出のためにレジストマークなどを形成する必要があり、連続印字の場合はLEDの温度が上昇してゆくが、途中でレジストマークを形成すればそれだけ出力時間がかかり、また、補正を行うまでにタイムラグが生じて補正レベルが変わって適正な補正が行えないという問題もある。また、LEDの温度を直接計測して補正を行う方法も考えられるが、温度センサや周辺ドライバー装置などが必要となり、高価になると共にスペース確保のために本体が大きくなってしまう。
【0008】
そのため本発明においては、露光装置におけるLEDヘッドの温度上昇に伴うそりに起因する結像位置ズレ、及び直線性配列歪み(ボウ)やヘッドを斜めに取り付けてしまったことによる結像位置ズレ(スキュー)を、簡単で安価に補正する方法と装置を提供することが課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため本発明においては、画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法を、
複数の感光体のそれぞれに対応して発光ダイオードアレイで構成した露光装置を有し、各感光体に前記露光装置で形成された画像を転写体に多重転写する画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法において、
温度上昇による発光ダイオードアレイの結像位置ズレを画像形成による発光ダイオードの使用状況と結像位置ズレ量の関係として予め記憶手段に記憶し、発光ダイオードの使用状況把握手段からの使用状況データによって前記記憶手段から発光ダイオードアレイの結像位置ズレ量を求め、画像データの発光ダイオードによる露光アドレスを制御して発光ダイオードアレイの温度上昇による結像位置ズレを補正するようにし、
さらにその方法を実施するため、画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正装置を、
温度上昇による発光ダイオードアレイの結像位置ズレを画像形成による発光ダイオードの使用状況と結像位置ズレ量の関係として予め記憶した記憶手段と、発光ダイオードの使用状況把握手段と、該使用状況把握手段からの使用状況データにより、前記記憶手段から対応する発光ダイオードアレイの結像位置ズレ量を求める結像位置ズレ量算出手段と、該結像位置ズレ量算出手段の算出結果に基づき、画像データの発光ダイオードによる露光アドレスを制御するアドレス制御手段とからなり、発光ダイオードアレイの結像位置ズレを発光ダイオードの使用状況によって補正するようにした。
【0010】
このように温度上昇による発光ダイオードアレイの結像位置ズレを画像形成による発光ダイオードの使用状況と結像位置ズレ量の関係として予め記憶しておくことにより、露光装置を構成する発光ダイオードの使用状況はそのまま発光ダイオードの温度上昇状況につながるから、それによって発光ダイオードアレイの温度上昇によって生じる結像位置ズレ量を把握することが可能となり、従来装置のように感光体にレジストマークを形成すると共にそのレジストマーク検出のためのセンサを用意する、といったコストアップや画像形成装置本体を大きくする要因となる部材を必要とせず、簡単で安価な結像位置ズレ補正方法及び装置を備えた画像形成装置を提供することができる。また、このようにすることにより、単に露光装置におけるLEDヘッドの温度上昇に伴うそりに起因する結像位置ズレを補正するだけでなく、LEDヘッドにおける直線性配列歪み(ボウ)やヘッドを斜めに取り付けてしまったことによる結像位置ズレ(スキュー)をも同時に補正することが可能となる。
【0011】
そしてこの発光ダイオードの使用状況は、単位時間当たりの画像形成枚数を計数する計数手段や、単位時間当たりの画像形成データの画素数、さらには、単位時間当たりの発光ダイオードに流れた電流値の和などによって把握することにより、非常に簡単な構成で発光ダイオードの使用状況を把握することができ、画像形成装置を安価に、小型に構成することが可能となる。すなわち、発光ダイオードの使用状況を単位時間当たりの画像形成枚数で把握する場合は、画像形成枚数を計数する計数手段と画像形成間隔を把握する手段を設けるだけでよく、単位時間当たりの画像形成データの画素数、さらには、単位時間当たりの発光ダイオードに流れた電流値の和によってLEDヘッドの使用状況を調べる場合は、LEDヘッドの使用状況をしらべることになるから、例えば特定の色を全く使わない画像などの場合、より正確なLEDヘッドの温度上昇状況を把握することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0013】
図1は本発明を実施する画像形成装置の一実施例の概略断面図、図2は本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正装置における第1実施形態のブロック図、図3は本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正方法における第1実施形態のフロー図、図4は画像形成(印字)枚数とLEDヘッドの温度上昇の関係を示したグラフ、図5はLEDヘッドの温度上昇と露光装置の結像位置ズレの関係を示したグラフ、図6は露光装置の結像位置ズレを露光タイミングによって補正する本発明の方法を説明するための図、図7は本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正装置における第2実施形態のブロック図、図8は本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正装置における第3実施形態のブロック図、図9は本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正方法における第2、3実施形態のフロー図である。
【0014】
図1において、1は本発明を実施する画像形成装置の一例としてのタンデム型カラー画像形成装置、2は現像装置、3は感光体、4は発光ダイオード(LED)アレイヘッドを用いた露光装置、5は記録媒体の搬送ベルト、6は現像剤容器、7は記録媒体を収容した給紙カセット、8は感光体3を帯電させるための帯電器、9は感光体3上のトナー像を転写バイアスにより記録媒体に転写するための転写装置、10は記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着装置であり、このうち現像装置2、感光体3、露光装置4、現像剤容器6、感光体3を帯電させるための帯電器8、感光体3上のトナー像を転写バイアスにより記録媒体に転写するための転写装置9は、プロセスユニットとしてカラー画像形成装置で使われるイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)などの色のそれぞれに対応して設けられる。なお本発明は、タンデム型カラー画像形成装置のみでなく、発光ダイオードアレイヘッドで構成した露光装置を複数用いた画像形成装置であれば、どのような形式の画像形成装置であっても良いことは勿論である。
【0015】
図2において20は、画像形成により上昇した温度に起因するLEDヘッドの結像位置ズレを、発光ダイオードの使用状況と結像位置ズレ量の関係として記憶する結像位置ズレデータ記憶装置で、例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色を使う場合は、それぞれの色毎にズレ量が記憶される。21は発光ダイオードの使用状況把握手段としての画像形成(印字)枚数のカウンタ、22は同じく発光ダイオードの使用状況把握手段として、画像形成が連続か間欠かを判断する連続・間欠判断処理部で、画像形成が行われた時間と画像計数カウンタ21の計数結果とから、ある一定時間、例えば10分間に連続して画像形成可能な枚数の1/5以上、3/5以下の画像形成が行われた場合を間欠とし、3/5以上の時は連続、1/5以下の時は連続でも間欠でもないという具合に判断する。23は画像形成枚数カウンタの係数結果と連続・間欠判断処理部の処理結果、すなわち発光ダイオードの使用状況データから、前記記憶装置20に記憶されている各色の発光ダイオードの結像位置ズレ量を求める結像位置ズレ量把握部、24は画像データ記憶部25が記憶している画像データを、位置ズレなく画像形成されるようアドレスを制御する各色毎に設けられたアドレス制御部、26は各色毎に設けられた発光ダイオードの駆動回路、27は各色毎に設けられた露光装置4を構成する発光ダイオード(LED)ヘッドである。
【0016】
最初に本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正方法について簡単に説明すると、画像形成装置によって画像形成を繰り返したとき、露光装置を構成するLEDヘッドのそりによる結像位置ズレを生じる主原因であるLEDヘッドの温度上昇は、前記したようにLEDアレイ自体や駆動ICの発熱、及び感光体ドラムを駆動するモータや定着装置のヒータからなどからの熱によるものであるが、これらLEDヘッドの温度を上昇させる要因は、例えば単位時間当たりの画像形成枚数(印字枚数)、単位時間当たりの画像形成に使われた画素データ数、画像形成のためにLEDヘッドに流した単位時間当たりの電流値の和など、LEDヘッドの使用状況と密接な関係がある。すなわち画像形成に当たっては、LEDヘッドを構成するLEDアレイや駆動ICに電流が流れて発熱し、感光体ドラムを駆動するモータや定着装置のヒータが駆動されてその熱がLEDヘッドに伝わって温度が上昇するわけであり、単位時間当たりの画像形成枚数(印字枚数)を調べれば大まかなLEDヘッドの使用状況が把握でき、さらに単位時間当たりの画像形成に使われた画素データ数、画像形成のためにLEDヘッドに流した単位時間当たりの電流値の和など、LEDヘッドの使用状況そのものを調べれば、感光体ドラムを駆動するモータや定着装置のヒータ等からの熱の影響が少ない場合には、LEDヘッドの温度上昇状況を把握することが可能となる。または、正確を期すためにこれらの方法を併用することも可能である。
【0017】
すなわち、例えば画像形成枚数(印字枚数)によるLEDヘッドの温度上昇は図4のグラフのようになる。図4のグラフにおいて横軸は印字枚数で縦軸がLEDヘッドの温度であり、◆は連続印字時の、■は間欠印字時のLEDヘッドの温度上昇を示したものである。なお、間欠印字は、感光体ドラムの駆動モータが駆動、停止を繰り返したときを間欠印字と見なし、例えば駆動モータが2秒停止して断続的に再駆動を繰り返したときに温度上昇率が最大となれば、10分間に連続印字の1/5以上、3/5以下の印字枚数の場合を間欠印字とし、これが連続印字の3/5以上の時は連続印字、1/5以下の時は温度上昇が少ないため、連続印字でも間欠印字でもない、などとして測定したものである。また図5は、このようなLEDヘッドの温度上昇と結像位置ズレの関係を表したグラフで、横軸がLEDヘッドの温度で縦軸がズレ量である。
【0018】
すなわち図4のグラフから明らかなように、印字開始前は約22〜3℃であったLEDヘッドが、間欠印字においては約1200〜1300枚、連続印字においては約2500枚ほど印字したときに約50℃になっている。なお、間欠印字より連続印字の温度上昇が緩やかなのは、連続印字においては記録媒体が熱を奪って行くからである。そして、このような温度上昇に伴ってこの測定に供したLEDヘッドの結像位置は、図5に示したように、温度が約28℃から55とまで上昇したとき、約0.3mmずれている。
【0019】
そのため本発明においては、まず温度上昇がないときのLEDヘッドの結像位置を調べて記憶し、次いで、LEDヘッドの使用状況と温度上昇の関係を調べ、さらにLEDヘッドの温度上昇と結像位置ズレの関係を調べてLEDヘッドの使用状況とLEDヘッドの結像位置ズレの関係を明らかにして記憶する。このようにすると、実際の画像形成(印字)に当たってLEDヘッドの使用状況を調べれば、LEDヘッドの結像位置ズレ量が判明するから、前記したように例えば単位時間当たりの画像形成枚数(印字枚数)、単位時間当たりの画像形成に使われた画素データ数、画像形成のためにLEDヘッドに流した単位時間当たりの電流値の和などによってLEDヘッドの使用状況を調べ、そのデータによって予め記憶した結像位置ズレ量を読み出せば、その補正は容易に行うことができる。
【0020】
そしてこの補正は、次のようにして行う。今例えば本発明を、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の四色の画像形成ユニットを使用し、各ユニットで形成された画像を単一の転写体(転写ドラムや転写ベルト、または記録媒体)に多重転写するタンデム式のカラー画像形成装置に応用するとした場合、最初に基準とする画像形成ユニットにおける露光装置を決め、他の画像形成ユニットにおける露光装置の結像位置を、その基準とする画像形成ユニットにおける露光装置の結像位置に合わせるようにする。そしてこの制御をおこなうため、各露光装置を構成するLEDヘッドを複数のブロックに分割し、その分割した各々のブロックのLEDに送る画像データを、感光体ドラムの回転により、基準とする画像形成ユニットにおける露光装置の結像位置に位置するタイミングで露光が行われるようアドレス制御する。
【0021】
すなわち例えば今、図6(A)に示したように、基準とする画像形成ユニットとしてブラック(K)の露光装置を選び、このブラック(K)の露光装置による画像形成ラインを直線60(実際の画像形成ラインには直線性配列歪み(ボウ)とヘッドが斜めに取り付けられてしまったことによる結像位置ズレ(スキュー)が含まれるが、他の色における画像形成ラインとの相対的な位置関係が問題なので、ここでは便宜上直線で表す)とし、シアン(C)の画像形成ユニットにおける露光装置を構成するLEDが、ボウとスキューにより、61で表したようなラインで露光するものとする。そこで、この露光装置を構成するLEDヘッドのLEDを複数のブロックに分割し(図6(A)では一例として8つに分割)、各ブロック62〜69のLEDに送られる画像データが、図6(B)のように、ブラック(K)の画像形成ライン上に来るタイミングで露光が行われるようにする。
【0022】
今例えば、シアン(C)画像を構成する画像データを、図6(C)のように62〜69のブロック毎にa、b、c、d、……の符号を付けて表し、シアン(C)における露光装置の副走査方向(感光体ドラムの軸と直角な方向)における露光タイミングが、図6(D)のようにア、イ、ウ、エ、……であった場合、まず(ア)のタイミングではシアン(C)画像ブロックのうち、65a、66aのブロックのみを露光し、次の(イ)のタイミングでは、64a、65b、66b、67b、68a、69aのブロックを、更に次の(ウ)のタイミングでは、63a、64b、65c、66c、67c、68b、69bのブロックという具合に露光されるように画像データのアドレスを制御する。すると、図6(C)に示したシアン(C)画像におけるaのラインの画像データは、図6(B)のように、基準となるブラック(K)の画像形成ライン上に露光されるわけである。
【0023】
そして、画像形成(印字)によってLEDヘッドが温度上昇し、そりが生じて例えば図6(E)の70のように温度上昇前とは異なった画像形成ラインとなった場合、この結像位置ズレ量を前記したようにLEDヘッドの使用状況と関連づけて記憶しておく。そして実際の画像形成(印字)の際、LEDヘッドの使用状況によって記憶したLEDヘッドの結像位置ズレ量を読み出し、前記図6(A)の場合と同様、図6(E)におけるブラック(K)の露光ライン60に合わせ、各ブロック71〜78に送られる画像データが露光されるよう、前記したのと全く同じ要領で画像データのアドレスを制御し、補正を行うわけである。なおこの際、当然ブラック(K)の露光装置においてもLEDヘッドの温度上昇に伴ってそりが発生するるわけであるが、これもシアン(C)の場合と同様、連続印字、間欠印字の別と印字枚数とによるLEDヘッドの位置ズレ量を記憶しておき、ブラックの露光ラインが記録媒体方向に対して直角な直線になるよう補正し、他の色のズレ量はこの補正を相殺して行うようにする。
【0024】
このようにして、カラー画像形成装置で使用する各色に設けられた露光装置毎に同様な制御をおこなうことにより、単にLEDヘッドの使用状況を監視し、それによってズレ量を把握して補正すればよいから、従来装置のように感光体にレジストマークを形成すると共にそのレジストマーク検出のためのセンサを用意する、といったコストアップや画像形成装置本体を大きくする要因となる部材が必要なく、簡単で安価な結像位置ズレ補正方法及び装置を備えた画像形成装置を提供することができる。また、このようにすることにより、単に露光装置におけるLEDヘッドの温度上昇に伴うそりに起因する結像位置ズレを補正するだけでなく、LEDヘッドにおける直線性配列歪み(ボウ)やヘッドを斜めに取り付けてしまったことによる結像位置ズレ(スキュー)をも同時に補正することが可能となる。
【0025】
以上が本発明における露光装置の結像位置ズレ補正方法の概略であるが、以下、本発明を実施するカラー画像形成装置の一例について簡単に説明し、さらに本発明を詳細に説明する。図1に示したタンデム型画像形成装置においては、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなどのそれぞれの色に対応したプロセスユニットにおいて、現像剤が現像剤容器6から現像装置2に供給され、攪拌によって現像剤中のトナーが帯電される。そして、図示していない制御回路から各色に対応した画像信号によるプリント信号が来ると、まず、それぞれのプロセスユニットの帯電器8によって感光体3が帯電され、その後、露光装置4を構成するLEDに画像信号が送られて、それぞれの色に対応した感光体3にそれぞれの色に対する画像の潜像が形成される。そしてこの潜像は、現像装置2により現像され、トナー像が形成される。
【0026】
こうしてトナー像が感光体3上に形成されると、そのトナー像が転写位置に至るタイミングに合わせて記録媒体が給紙カセット7から取り出され、搬送ベルト5で搬送されてくるから、各色毎の転写位置に設置されている転写装置9によって転写バイアスを印加し、記録媒体にトナー像を転写する。そして各色のトナー像が記録媒体に順次転写され、記録媒体が定着装置10に至ると、この定着装置10で定着されて排紙される。
【0027】
以上が画像形成装置1の動作概要であるが、次いで本発明に係る露光装置4の結像位置ズレ補正装置と補正方法の第1実施形態を、図2のブロック図と図3のフロー図に基づいて詳細に説明する。この図2、図3に示した本発明の第1実施形態は、LEDヘッドの使用状況を図4、図5に示した画像形成枚数(印字枚数)によって把握した場合である。
【0028】
まず、図3におけるステップS2において、前記したように温度上昇がないときのLEDヘッドの結像位置を調べ、図2における結像位置ズレデータ記憶装置20に記憶する。また、図4に示したように印字枚数とLEDヘッドの温度上昇の関係を調べ、さらに図5に示したように、LEDヘッドの温度上昇と結像位置ズレの関係を調べて、これらの関係から、連続印字、間欠印字のそれぞれにおける印字枚数とLEDヘッドの結像位置ズレの関係を明らかにし、LEDヘッドの使用状況として記憶しておく。なおこの結像位置ズレ量は、前記したように図6に60で示したような基準となる色の画像形成ラインからのズレ量が、画像形成装置における1ドットに相当する量だけズレる画像形成枚数として記憶しておく。従って、基準となる色の画像形成ライン(前記の例ではブラック(K)の画像形成ライン)が温度上昇によるそりで変化するときは、その変化分を含めて1ドットに相当する量だけズレる画像形成枚数として記憶する。
【0029】
そして次のステップS3で画像形成(印字)が開始されると、ステップS4において画像形成枚数カウンタ21で画像形成枚数がカウントされてズレ量算出部23に送付されると共に、連続・間欠判別処理部22で画像形成時間、形成間隔などをカウントし、ステップS5で現在の画像形成が連続であるか間欠であるかを判別してズレ量算出部23に送付する。するとズレ量判別部23は、連続印字の場合はステップS6に、間欠印字の場合はステップS8に進み、どちらでもない場合はステップS10に進む。そしてさらにズレ量算出部23は、このステップS6、ステップS8において、各色の露光装置における結像位置ズレデータ記憶装置20に記憶した連続印字と間欠印字における1ドットのズレ量に相当する所定枚数(画像形成枚数)になったかどうかを判断し、その枚数に達すると、結像位置ズレデータ記憶部20から位置ズレ量を読み出す。なおこの所定枚数は、色毎に異なったものとなる。
【0030】
そしてステップS10においてズレ量算出部23は、前記図6(E)に示したように、画像形成ライン70の分割したブロック71〜78毎にそのズレ量をアドレス制御部24に送り、アドレス制御部24は、画像データ記憶部25に記憶した画像データを、前記図6(D)で説明したように図6(C)のa、b、c、d、……の各ラインが基準となる画像形成ライン(図6の場合は前記したようにブラック(K)の60で示したライン)上に形成されるようにアドレスを決定する。そしてさらにアドレス制御部24は、そのアドレスを画像データ記憶部25に送り、該当するデータブロックをLED駆動回路26に送ってLEDヘッド27により露光が行われるようにする。なおこの制御は、ステップS5で連続印字でも間欠印字でもないと判別された場合、及び画像形成枚数が所定枚数に達しない場合にも、各露光装置を構成するLEDヘッドのボウやスキューによる結像位置ズレを補正するために用いられる。
【0031】
そしてこのようにしてアドレス制御がおこなわれると、次のステップS11で画像形成が終わったかどうかが判断され、終わっていない場合はステップS4に戻って以上の制御が続けられる。そして画像形成が終了した場合はステップS12に進み、温度上昇によるズレ量補正が行われたかどうかが判断され、補正が行われなかった場合はステップS15に進んで処理が終了し、補正が行われたときは、次のステップS13で画像形成終了からの時間が判断され、結像位置ズレが必要なくなる温度までLEDヘッドの温度が低下する時間が経過すると、ステップS14で温度上昇による結像位置ズレ補正のためのアドレス制御が元に戻され、例えばLEDヘッドにボウやスキューによる結像位置ズレがある場合は、それの補正のみが行われてステップS15で終了する。
【0032】
なお以上の説明では、画像形成枚数とLEDヘッドの温度上昇のみの関係から結像位置ズレ量を得るよう説明したが、LEDヘッドの温度上昇は実際には外気温度とも関係するから、結像位置ズレ量を外気温度と画像形成枚数の両方の値で決定するようにしても良い。
【0033】
以上が本発明に係る画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法及び装置の第1実施形態であるが、さらに正確に制御するため、補正を行うブロック毎の発光ダイオードにおける単位時間当たりの画像形成データを構成する画素数を計数するか、単位時間に流れた電流値を把握し、LEDヘッドの各補正ブロック毎の温度上昇を把握しても良い。図7、図8、図9は、このような考え方に従って構成した本発明の第2実施形態、第3実施形態であり、以下この図7、図8、図9に従って、本発明の第2、第3実施形態について説明する。図7に示した第2実施形態は、画像形成時における単位時間当たりの画像形成データを構成する画素数を計数してLEDヘッドの使用状況を把握するもので、図8に示した第3実施形態は、画像形成時における前記発光ダイオードに流れた単位時間当たりの電流値からLEDヘッドの使用状況を把握するものである。図9は、これら第2実施形態、第3実施形態のフロー図である。図中、図2に示した第1実施形態と同様の構成には同一の番号を付し、また、図9のフロー図は、図3に示した第1実施形態のフロー図におけるステップS1からS3まで、ステップS11からS15までは全く同じなので、ステップS4からステップS10に相当する部分をステップS30から33として示した。
【0034】
まず図7に示した第2実施形態においては、前記した第1実施形態と同様まずステップS2において温度上昇がないときのLEDヘッドの結像位置を調べ、図7における結像位置ズレデータ記憶装置30に記憶する。そして、画像形成時に単位時間当たりにLEDヘッドに送られる画像形成画素数をLEDヘッドの使用状況としてLEDヘッドの温度上昇との関係を調べ、さらにLEDヘッドの温度上昇と結像位置ズレの関係を調べて、これらの関係から、単位時間当たりにLEDヘッドに送られる画像形成画素数とLEDヘッドの結像位置ズレの関係を明らかにして結像位置ズレデータ記憶装置30に記憶しておく。なおこの結像位置ズレ量は、前記したように図6に60で示したような基準となる色の画像形成ラインからのズレ量が、画像形成装置における1ドットに相当する量だけズレる画像形成枚数として記憶する。従って、基準となる色の画像形成ライン(前記の例ではブラック(K)の画像形成ライン)が温度上昇によるそりで変化するときは、その変化分を含めて1ドットに相当する量だけズレる画像形成枚数として記憶する。
【0035】
そして次のステップS3で画像形成(印字)が開始されると、ステップS30で画像形成画素数算出部31が画像データ記憶部25から画像データをLEDヘッド単位で読み出し、単位時間当たりの画像形成画素数が算出される。そしてこの値はズレ量把握部32に送付され、ステップS31でこの画像形成画素数が結像位置ズレデータ記憶装置20に記憶された所定の値に達したかどうかが判断され、達しない場合はステップS33へ進み、達した場合はステップS32に進んで、結像位置ズレデータ記憶装置20に記憶された対応する結像位置ズレ量が読み出される。なおこの画素数は、色毎に異なったものとなる。
【0036】
そしてステップS33においてズレ量算出部32は、前記図6(E)に示したように、画像形成ライン70の分割したブロック71〜78毎にそのズレ量をアドレス制御部24に送り、アドレス制御部24は、画像データ記憶部25に記憶した画像データを、前記図6(D)で説明したように図6(C)のa、b、c、d、……の各ラインが基準となる画像形成ライン(図6の場合は前記したようにブラック(K)の60で示したライン)上に形成されるようにアドレスを決定する。そしてさらにアドレス制御部24は、そのアドレスを画像データ記憶部25に送り、該当するデータブロックをLED駆動回路26に送ってLEDヘッド27により露光が行われるようにする。なおこの制御は、ステップS31で所定の値に達しないと判別された場合も、各露光装置を構成するLEDヘッドのボウやスキューによる結像位置ズレを補正するために用いられる。
【0037】
そしてこのようにしてアドレス制御がおこなわれると、次のステップS11で画像形成が終わったかどうかが判断され、終わっていない場合はステップS4に戻って以上の制御が続けられる。そして画像形成が終了した場合はステップS12に進み、温度上昇によるズレ量補正が行われたかどうかが判断され、補正が行われなかった場合はステップS15に進んで処理が終了し、補正が行われたときは、次のステップS13で画像形成終了からの時間が判断され、結像位置ズレが必要なくなる温度までLEDヘッドの温度が低下する時間が経過すると、ステップS14で温度上昇による結像位置ズレ補正のためのアドレス制御が元に戻され、例えばLEDヘッドにボウやスキューによる結像位置ズレがある場合は、それの補正のみが行われてステップS15で終了する。
【0038】
以上が本発明の第2実施形態であるが、図8に示した本発明の第3実施形態においては、前記した第1実施形態と同様まずステップS2において温度上昇がないときのLEDヘッドの結像位置を調べ、図8における結像位置ズレデータ記憶装置40に記憶する。そして、単位時間当たりのLEDに流れる電流値をLEDヘッドの使用状況としてLEDヘッドの温度上昇との関係を調べ、さらにLEDヘッドの温度上昇と結像位置ズレの関係を調べて、これらの関係から、単位時間当たりにLEDヘッドに送られる画像形成画素数とLEDヘッドの結像位置ズレの関係を明らかにして結像位置ズレデータ記憶装置40に記憶しておく。なおこの結像位置ズレ量は、前記したように図6に60で示したような基準となる色の画像形成ラインからのズレ量が、画像形成装置における1ドットに相当する量だけズレる画像形成枚数として記憶する。従って、基準となる色の画像形成ライン(前記の例ではブラック(K)の画像形成ライン)が温度上昇によるそりで変化するときは、その変化分を含めて1ドットに相当する量だけズレる画像形成枚数として記憶する。
【0039】
そして次のステップS3で画像形成(印字)が開始されると、ステップS30でLED電流検出部42がLED駆動回路26からLEDに流れる単位時間当たりの電流を検出する。そしてこの値はズレ量把握部41に送付され、ステップS31でこの電流値が結像位置ズレデータ記憶装置20に記憶された所定の値に達したかどうかが判断され、達しない場合はステップS33へ進み、達した場合はステップS32に進んで、結像位置ズレデータ記憶装置20に記憶された対応する結像位置ズレ量が読み出される。なおこの電流値は、色毎に異なったものとなる。
【0040】
そしてステップS33においてズレ量算出部41は、前記図6(E)に示したように、画像形成ライン70の分割したブロック71〜78毎にそのズレ量をアドレス制御部24に送り、アドレス制御部24は、画像データ記憶部25に記憶した画像データを、前記図6(D)で説明したように図6(C)のa、b、c、d、……の各ラインが基準となる画像形成ライン(図6の場合は前記したようにブラック(K)の60で示したライン)上に形成されるようにアドレスを決定する。そしてさらにアドレス制御部24は、そのアドレスを画像データ記憶部25に送り、該当するデータブロックをLED駆動回路26に送ってLEDヘッド27により露光が行われるようにする。なおこの制御は、ステップS31で所定の値に達しないと判別された場合も、各露光装置を構成するLEDヘッドのボウやスキューによる結像位置ズレを補正するために用いられる。
【0041】
そしてこのようにしてアドレス制御がおこなわれると、次のステップS11で画像形成が終わったかどうかが判断され、終わっていない場合はステップS4に戻って以上の制御が続けられる。そして画像形成が終了した場合はステップS12に進み、温度上昇によるズレ量補正が行われたかどうかが判断され、補正が行われなかった場合はステップS15に進んで処理が終了し、補正が行われたときは、次のステップS13で画像形成終了からの時間が判断され、結像位置ズレが必要なくなる温度までLEDヘッドの温度が低下する時間が経過すると、ステップS14で温度上昇による結像位置ズレ補正のためのアドレス制御が元に戻され、例えばLEDヘッドにボウやスキューによる結像位置ズレがある場合は、それの補正のみが行われてステップS15で終了する。
【0042】
以上が本発明に係る画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法及び装置であるが、以上の説明では、図6において画像形成ラインを8ブロックに分割して制御する場合を例に説明したが、これは8ブロックだけに限定されるものではなく、例えば1ドットずつ制御するようにしても良い。また、画像データの露光に当たっては、露光装置を構成する全てのLEDを同時に発光させるスタティックドライブ方式が一般的であるが、前記分割した画像形成ラインの各ブロックを順次発光させるダイナミックドライブを用いると、LEDヘッドの温度上昇率を低く押さえることができ、その分、LEDヘッドのそりが押さえられる。さらに分割した各ブロックを基準となる色の画像形成ラインと重なるようにした場合、結像位置ズレ量が大きいと各ブロック間の境界におけるドット間の段差が大きくなり、ギザとして目立つ場合があるが、この場合は公知のスムージング技術などを用いて目立たなくするようにしても良い。
【0043】
また、樹脂製のレンズアレイの熱によるそりの方向や量は、前記したようにLEDを組み込んだ際に用いた接着剤などの量、位置などによってそれぞれのヘッドで異なったものとなるため、発生したそりの方向や量を計測して対処する場合を例に説明してきたが、例えば接着方法を工夫し、そりを一定の方向で一定の量となるように制御すると、事前に画像形成装置を動作させて各LEDヘッドの熱によるそりによって発生する画像の位置ズレデータを把握する必要がなくなる。そのため、各色のLEDヘッドの画像形成状況によるそりによる画像ズレを実験によって把握すれば、装置個々のデータを収集する手間が省け、大幅なコストダウンが可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、温度上昇による発光ダイオードアレイの結像位置ズレを画像形成による発光ダイオードの使用状況と結像位置ズレ量の関係として予め記憶しておくことにより、露光装置を構成する発光ダイオードの使用状況はそのまま発光ダイオードの温度上昇状況につながるから、それによって発光ダイオードアレイの温度上昇によって生じる結像位置ズレ量を把握することが可能となり、従来装置のように感光体にレジストマークを形成すると共にそのレジストマーク検出のためのセンサを用意する、といったコストアップや画像形成装置本体を大きくする要因となる部材を必要とせず、簡単で安価な結像位置ズレ補正方法及び装置を備えた画像形成装置を提供することができる。また、このようにすることにより、単に露光装置におけるLEDヘッドの温度上昇に伴うそりに起因する結像位置ズレを補正するだけでなく、LEDヘッドにおける直線性配列歪み(ボウ)やヘッドを斜めに取り付けてしまったことによる結像位置ズレ(スキュー)をも同時に補正することが可能となる。
【0045】
そしてこの発光ダイオードの使用状況は、単位時間当たりの画像形成枚数を計数する計数手段や、単位時間当たりの画像形成データの画素数、さらには、単位時間当たりの発光ダイオードに流れた電流値の和などによって把握することにより、非常に簡単な構成で発光ダイオードの使用状況を把握することができ、画像形成装置を安価に、小型に構成することが可能となる。すなわち、発光ダイオードの使用状況を単位時間当たりの画像形成枚数で把握する場合は、画像形成枚数を計数する計数手段と画像形成間隔を把握する手段を設けるだけでよく、単位時間当たりの画像形成データの画素数、さらには、単位時間当たりの発光ダイオードに流れた電流値の和によってLEDヘッドの使用状況を調べる場合は、LEDヘッドの使用状況をしらべることになるから、例えば特定の色を全く使わない画像などの場合、より正確なLEDヘッドの温度上昇状況を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する画像形成装置の一実施例の概略断面図である。
【図2】本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正装置における第1実施形態のブロック図である。
【図3】本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正方法における第1実施形態のフロー図である。
【図4】画像形成(印字)枚数とLEDヘッドの温度上昇の関係を示したグラフである。
【図5】LEDヘッドの温度上昇と露光装置の結像位置ズレの関係を示したグラフである。
【図6】露光装置の結像位置ズレを露光タイミングによって補正する本発明の方法を説明するための図である。
【図7】本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正装置における第2実施形態のブロック図である。
【図8】本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正装置における第3実施形態のブロック図である。
【図9】本発明に係る露光装置の結像位置ズレ補正方法における第2、3実施形態のフロー図である。
【符号の説明】
20 結像位置ズレデータ記憶装置
21 画像形成(印字)枚数カウンタ
22 連続・間欠判断処理部
23 結像位置ズレ量把握部
24 アドレス制御部
25 画像データ記憶部
26 発光ダイオード駆動回路
27 発光ダイオード(LED)ヘッド

Claims (8)

  1. 複数の感光体のそれぞれに対応して発光ダイオードアレイで構成した露光装置を有し、各感光体に前記露光装置で形成された画像を転写体に多重転写する画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法において、温度上昇による発光ダイオードアレイの結像位置ズレを画像形成による発光ダイオードの使用状況と結像位置ズレ量の関係として予め記憶手段に記憶し、発光ダイオードの使用状況把握手段からの使用状況データによって前記記憶手段から発光ダイオードアレイの結像位置ズレ量を求め、画像データの発光ダイオードによる露光アドレスを制御して発光ダイオードアレイの温度上昇による結像位置ズレを補正することを特徴とする画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法。
  2. 前記発光ダイオードの使用状況を、単位時間当たりの画像形成枚数によって把握することを特徴とする請求項1に記載した画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法。
  3. 前記発光ダイオードの使用状況を、単位時間当たりの画像形成データの画素数によって把握することを特徴とする請求項1に記載した画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法。
  4. 前記発光ダイオードの使用状況を、単位時間当たりの発光ダイオードに流れた電流値の和で把握することを特徴とする請求項1に記載した画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正方法。
  5. 複数の感光体のそれぞれに対応して発光ダイオードアレイで構成した露光装置を有し、各感光体に前記露光装置で形成された画像を転写体に多重転写する画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正装置において、温度上昇による発光ダイオードアレイの結像位置ズレを画像形成による発光ダイオードの使用状況と結像位置ズレ量の関係として予め記憶した記憶手段と、発光ダイオードの使用状況把握手段と、該使用状況把握手段からの使用状況データにより、前記記憶手段から対応する発光ダイオードアレイの結像位置ズレ量を求める結像位置ズレ量算出手段と、該結像位置ズレ量算出手段の算出結果に基づき、画像データの発光ダイオードによる露光アドレスを制御するアドレス制御手段とからなり、発光ダイオードアレイの結像位置ズレを発光ダイオードの使用状況によって補正することを特徴とする画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正装置。
  6. 前記発光ダイオードの使用状況把握手段は、単位時間当たりの画像形成枚数の計数手段であることを特徴とする請求項5に記載した画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正装置。
  7. 前記発光ダイオードの使用状況把握手段は、画像形成時における単位時間当たりの画像形成データを構成する画素数の計数手段であることを特徴とする請求項5に記載した画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正装置。
  8. 前記発光ダイオードの使用状況把握手段は、画像形成時における前記発光ダイオードに流れた単位時間当たりの電流値を積算して検出する検出器であることを特徴とする請求項5に記載した画像形成装置における露光装置の結像位置ズレ補正装置。
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