JP2004148658A - Ledアレイ露光装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

Ledアレイ露光装置及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温度上昇にかかわらず発光素子の特性変化とレンズアレイの歪に起因する濃度むらやスジを低減することが可能なLEDアレイ露光装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画素データに応じて点灯制御される複数の発光素子がライン状に配設され、濃度むらに対する各発光素子の光量補正を駆動電流を変化することにより行い、該発光素子の発光をレンズアレイを介して結像させて露光を行うLEDアレイ露光装置7において、光量補正を温度に応じ、常温領域と温度上昇領域とに分けて行う。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成時に書き込み用として使用されるLEDアレイ露光装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンタ及びファクシミリなどの画像形成装置には、被記録媒体である用紙などに直接画像を形成する直接画像形成方式と、感光体などからなる中間媒体に一旦画像を記録し、その画像を最終的な被記録媒体に転写する間接画像形成方式とがある。家庭などにおける小規模な使用を除けば、被記録媒体に普通紙を使用できる間接画像形成方式の画像形成装置が広く使用されている。
【0003】
また、複写機などの画像形成装置では、従来、アナログ画像情報をアナログ画像形成プロセスを用いて記録形成していたが、最近の情報のデジタル化に伴い、デジタル画像形成プロセスを用いてデジタル情報として処理し、被記録媒体に微小なドットからなる画像を形成することが一般的に行われている。このような画像形成装置では、微小なドットの集合で形成されるデジタル画像情報を、帯電した感光体に微小なドットとして露光して静電潜像を形成する。その後、現像器で粉状のトナーを用いて可視化して、被記録媒体である用紙に転写して画像を形成する。
【0004】
デジタル画像情報を感光体に露光する装置としては、レーザダイオードなどが発光するレーザ光を利用して露光を行うレーザ露光装置や、デジタル画像の1ドットに対応した微小なLED(発光ダイオード)を多数個直線状に配列してアレイ状とし、感光体の軸方向(主走査方向)に配置して露光を行うLEDアレイ露光装置がある。特に最近では、LEDアレイ露光装置が小型化、低価格化、制御の容易さ、機械的可動部がなく信頼性が高いなどの面で、プリンタやその他の画像形成装置に幅広く使用されている。
【0005】
このようなLEDアレイ露光装置は、プリント基板と、その上に搭載されるLEDアレイチップと、これに電流を供給して駆動する駆動ICと、LEDアレイチップの発光面と感光体との間に在って発光素子からの光を感光体上にビームとして収束して結像させる複数のレンズの集合体であるレンズアレイと、これらの部品を保持する保持部材などを備えている。
【0006】
LEDアレイチップは、少なくとも被記録媒体(用紙)の幅以上の有効走査幅を露光できるよう、基板上に1個または複数個配置されており、帯電した感光体に静電潜像を形成するための露光源をなしている。このLEDアレイチップ上には、ビデオデータ(記録しようとする画像データ)のそれぞれの画素に対応する微小な発光素子が一列に配置されている。例えば600dpiの解像度でA4サイズの記録幅に対応する場合、1個または複数個のLEDアレイチップが有する発光素子の総数は少なくとも5120個になる。
【0007】
駆動ICは、各発光素子を駆動して発光させる回路を有しており、前記基板(または外部)に1個または複数個搭載されている。レンズアレイは、複数のシリンダ状のレンズを束にして配列したものであり、発光素子の光を感光体上に収束させてビーム形状のドットとして露光する。
【0008】
しかし、各発光素子の発光強度にはばらつきがあり、そのばらつきが被記録媒体上の可視化された画像で、濃度のむらやスジとなってあらわれ、記録品質の劣化を引き起こす。そのため、従来のLEDアレイ露光装置では、各発光素子の露光エネルギーが一定になるように補正する光量補正データを、発光素子個々に予め準備しておき、この光量補正データに従って、各発光素子が発光するときの露光エネルギーのばらつきを補正していた。
【0009】
また、レンズアレイの不均一な配列などにより解像力にばらつきがあったり、レンズアレイの取り付け誤差により発光素子からの光の焦点位置がずれたりすると、感光体上に結像するドットが歪んだり、解像力がばらついたりする。各発光素子の発光強度のばらつきを±2%程度に収まるように補正したとしても、レンズアレイによる解像力ばらつきがあると、感光体上で結像するビーム面線が発光素子ごとに異なってくる。
【0010】
上記した理由でビーム径がばらつくと、特に、発光素子をオン・オフして1ドット2値で露光を行い、面積階調法により画像の階調性を表現する方式の画像形成装置では、高解像度化とともにビーム径のばらつきが濃度のばらつきとなってあらわれ、記録品質の劣化を引き起こす。また、色ごとに異なる画像形成部を使用してフルカラー画像を形成するタンデム方式のカラー画像形成装置では、色ごとに画像の濃度がばらつくため、4色を重ね合わせたときに色むらが発生して色の再現性が悪くなり、記録品質が大きく劣化することになる。
【0011】
前記の問題に対処するため、特許文献1によると、発光素子個々の光量のばらつきに関わらず、ビーム径が均一になるように、予め発光素子の駆動回路の抵抗を設定して、発光素子ごとに異なる駆動電流を流すことを開示している。このように、発光素子のビーム径が均一になるような電流で駆動すれば、理論的には前記の問題を改善することが可能である。
【0012】
しかし、実際にLEDアレイ露光装置を画像形成装置に組み込んで使用する場合、膨大な数の発光素子の点灯に起因する発熱やその駆動回路からの発熱、更に、画像形成装置内の定着部、スキャナー部、制御部、駆動系などの様々な発熱要因により、画像形成装置内の温度は始動とともに上昇する。また、LEDアレイ露光装置は、画像形成装置の冷却システムの作用が及び難いほぼ中心部に搭載される場合が多く、上昇する温度にさらされることになる。
【0013】
こうして温度が上昇すると、LEDアレイ露光装置の発光素子の発光特性が影響を受けて光量やビーム径が変化し、更にレンズアレイが歪んで一時的に変形すると、発光素子の配列位置とレンズアレイと感光体上の像面との位置関係がずれるようになり、レンズアレイの焦点もずれて、結像像面上のビーム径は初期に設定していたものから変化して均一性がなくなる。その結果、上昇した温度により変化したビームによって露光された部分に濃度のむらやスジが発生する。
【0014】
前記特許文献1では、こうした温度変化による発光素子の発光特性の変化やレンズアレイの歪に起因する濃度むらに対処することは提案されていない。特許文献2は、このような温度変化による露光位置ずれや光量の変動に対処するため、LEDアレイ露光装置のケーシングの温度が、基準温度から所定の温度差を超える場合、画像形成プロセスを全面的に停止する方法を開示している。
【0015】
【特許文献1】
特開平4−305667号公報
【特許文献2】
特開2000−229440号公報
【0016】
特許文献2が提案する方法は、問題を回避する意味で有効であるが、画像形成プロセスを停止させるため、温度が下がるまで画像形成装置を使用できないという重大な問題を呈することになる。
【0017】
本発明は、斯かる実状に鑑みなされたものであり、常温領域では、光量補正電流で発光素子を駆動して濃度むらを低減するとともに、温度上昇領域では、新たな光量補正電流で発光素子を駆動することにより、温度にかかわらず発光素子の特性変化とレンズアレイの歪による濃度むらやスジを低減することが可能なLEDアレイ露光装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、画素データに応じて点灯制御される複数の発光素子がライン状に配設され、濃度むらに対する各発光素子の光量補正を駆動電流を調節することにより行い、該発光素子の発光をレンズアレイを介して結像させて露光を行うLEDアレイ露光装置において、前記光量補正は温度に応じ、常温領域と温度上昇領域とに分けて行う構成とする。
【0019】
また、前記常温領域での発光素子の光量の補正は、事前に準備された常温領域での光量補正の駆動電流値に基づいて行い、前記温度上昇領域での発光素子の光量を補正は、予め温度上昇領域で各発光素子の濃度むらに対する光量補正を行った駆動電流値に基づいて行う。あるいは、前記常温領域での発光素子の光量の補正は、事前に準備された常温領域での光量補正の駆動電流値に基づいて行い、前記温度上昇領域での発光素子の光量を補正は、予め温度上昇領域で所定の発光素子の位置を複数選択して濃度むらに対する予備的な光量補正を行い、その位置と前記予備的な光量補正の駆動電流値を基にした温度上昇領域での近似演算式を算出し、その近似演算式に各発光素子の位置を代入することにより得られた駆動電流値に基づいて行う。
【0020】
さらに、本発明では、画素データに応じて点灯制御される複数の発光素子がライン状に配設され、濃度むらに対する各発光素子の光量補正を駆動電流を調節することにより行い、該発光素子の発光をレンズアレイを介して結像させて露光を行うLEDアレイ露光装置において、前記常温領域での発光素子の光量の補正は、事前に準備された常温領域での光量補正の駆動電流値に基づいて行い、前記温度上昇領域での発光素子の光量補正は、予め温度上昇領域で所定の発光素子の位置を複数選択して濃度むらに対する予備的な光量補正を行い、その位置と前記予備的な光量補正の駆動電流値に基づき、発光素子の位置によって変化する変動部と変化しない固定部とからなる近似演算式を算出し、その近似演算式に各発光素子の位置を代入することにより得られる駆動電流値に基づいて行う構成とする。
【0021】
また、前記近似演算式の固定部は、常温領域における複数または全ての発光素子の光量補正の駆動電流平均値である。あるいは、前記近似演算式はLEDアレイ露光装置間で共通の演算式である。
【0022】
さらに、本発明は、前記いずれかの構成によるLEDアレイ露光装置を備えた画像形成装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図1〜図7に基づいて説明する。先ず、本発明に係るLEDアレイ露光装置を使用した画像形成装置の概略構成について、図1に基づき説明する。図1は、本発明に係るLEDアレイ露光装置を使用したカラープリンタの概略を模式的に示す正面図である。
【0024】
図1において、符号1は、画像形成装置の一例としてのカラープリンタである。その主要構成部品として、2は筐体、3Bと3Yと3Cと3Mはそれぞれブラック、イエロー、シアン、マゼンタ用の画像形成部で、10Bと10Yと10Cと10Mは、それぞれ前記の色のトナーホッパーで、12は被記録媒体である用紙14を格納する給紙カセット、13は給紙ガイド、11aと11bは搬送ベルト駆動ローラ、8は搬送ベルト、9は転写ローラ、17は定着部、15は排紙ガイド、16は排紙部である。また、各色の画像形成部3B、3Y、3C、3Mは、それぞれ、現像器4、感光体5、主帯電器6、LEDアレイ露光装置7、クリーニング部20などから構成されている。
【0025】
カラープリンタ1において、主帯電器6によって帯電した感光体5上には、LEDアレイ露光装置7によって静電潜像が形成され、現像器4により現像されて可視画像が形成される。このようなプロセスが各色ごとに行われる。給紙カセット12から給紙された用紙14は給紙ガイドにより案内されて、図中、反時計方向に回転している搬送ベルト8の上面に吸着されて、各色の画像形成部3B、3Y、3C、3Mの直下を通過するときに、転写ローラ9によって各色の画像が用紙14に順次転写される。このように用紙14上でフルカラー画像を形成した4色のトナーは、用紙14が定着部17を通過する際に定着される。その後、用紙14は排紙ガイド15により排紙部16に排出案内される。
【0026】
次に、上記のようなカラープリンタ1が備えているLEDアレイ露光装置7について、その詳細を図2に基づき説明する。図2は、本発明に係わるLEDアレイ露光装置の上面概略模式図である。LEDアレイ露光装置7は、配線を有する基板30上に一列に配置された1個または複数個のLEDアレイチップ31と、そのLEDアレイチップ31の上方に配されて正立等倍の像を結像するレンズアレイ32(例えば、日本板硝子社製の商品名「セルフォック・レンズ・アレイ」)と、LEDアレイチップ31の各発光素子を駆動する回路を収めた1個または複数個の駆動IC33とから構成されている。実際には、上記の基板30とレンズアレイ32などは図示しない保持部材により保持されている。符号35はLEDアレイ露光装置7の温度を検出するための温度センサーであるが、特に図示されている取り付け場所に限定されるものではない。また、各発光素子の発光を補正するなどの制御を行う制御部34を外部に設ける場合もある。
【0027】
図3は、LEDアレイ露光装置7を画像形成装置に組み込んだ場合の模式図である。尚、図2と同じ構成要素は同じ参照番号を附してその説明は省略する。図中、5はドラム状の感光体を示し、レンズアレイ32が発光素子の発光を受光して屈折透過させ、感光体5の像面に結像する様子を破線で示している。
【0028】
このように、図1のカラープリンタ1に外部のPC(不図示)などから送信されてくるプリントデータの各画素に対応して発光素子が駆動され、その発光がレンズアレイ32(図2と図3参照)を介して、感光体5にドットとして結像する。従来技術に関して説明したように、各発光素子の光量やビーム径のばらつきを補正するには、事前に測定した各発光素子の光量やビーム径に基づいて、周知の方法で駆動電流値を補正するための補正値を算出して、その補正値を光量補正値として図2で示した制御部34や図1で示したカラープリンタ1の制御部(不図示)あるいはLEDアレイ露光装置7に記憶部を設けて記憶させておく。
【0029】
図4は、レンズアレイ32の温度による歪を示した模式図である。レンズアレイ32の上下にそれぞれ発光素子の発光面36と感光体上の像面37を示している。また、レンズアレイ32の長手方向の端部に入射する発光面36上の発光部38aに対応する像面37の結像部を38bとし、レンズアレイ32の長手方向のほぼ中央部に入射する発光面36上の発光部39aに対応する像面37の結像部を39bとする。温度の上昇に伴い、通常、レンズアレイ32は一点鎖線で示されるように、特に長手方向の中央部で歪が最大になるように反ってくる。この状態で、温度による歪がほとんど発生しないレンズアレイ32の端部に入射する発光部38aは、像面37上で常温時とほぼ同じビーム径を有する結像部38bを形成する。しかし、歪が大きい中央部の結像部39bのビーム径は通常、結像部38bより小さくなる。
【0030】
この現象を、図5を参照して具体的に説明する。図5は、像面に結像したビームの露光エネルギーとしきい値でのビーム径を示す図であり、(a)は2つの異なるビームの露光曲線を示し、(b)は2つのビームのしきい値でのビーム径を示し、(c)は一方のビームの光量を補正した露光曲線で、(d)は一方のビームの光量補正後のしきい値でのビーム径を示している。図5(a)で、ビームe1を、レンズアレイ32の端部の結像部38bに例え、ビームe2を、レンズアレイ32の長手方向の中央部の結像部39bに例える(図4参照)。また、本実施形態の説明のために、ビームe1のビーム径は常温領域と温度上昇領域とで変化しないものとする。
【0031】
この例では、ビームe2がレンズアレイ32の歪んだ部分を透過するため、焦点がずれて歪んだ結像をしている。2つのビームe1とe2を、感光体の帯電量や感度特性、あるいは現像時の特性を考慮したしきい値を使用して、現像可能な(可視化される)ビーム径に置き換えると図5(b)に示すように、ビームe2のビーム径のほうが小さくなることがわかる。このように可視化されたビーム径のばらつきが画像濃度むらやスジの大きな要因になるので、図5(c)に示すように、ビームe2の光量を増加させて、つまり、対応する発光素子の駆動電流を増加させて補正し、図5(d)に示すように、ビームe2のビーム径がビームe1のものとほぼ同じになるようにする。
【0032】
温度上昇に対する上記の補正を、レンズアレイ32の歪みの変化量に応じて発光素子個々に行ってもよいし、或いは、莫大な数の発光素子個々に行うことは、測定と調整にかかる時間とコストが上昇することになるため、測定と調整に時間がかからず、コストの上昇を招かない後述する補正制御を使用することもできる。
【0033】
図6は、温度変化に対する駆動電流補正値をグラフ化したものである。図中、縦軸に駆動電流補正値を、横軸に発光素子の位置を割り当てており、その位置は1から5120までとする。また、同図に示す駆動電流補正値は絶対的な電流値ではなく説明のため係数化した数値としている。曲線(a)は、初期(常温領域)における各位置における発光素子の駆動電流補正値をプロットしたもので、その駆動電流補正値は周知の技術を使用することにより光量やビーム径の常温領域でのばらつきに対して補正されたものである。
【0034】
曲線(b)は、初期状態から所定の温度上昇して濃度むらやスジが発生した時点で、所定の位置の発光素子の駆動電流を調整し濃度むらやスジを解消あるいは低減させた場合の駆動電流補正値をプロットしたものである。従って、補正後の駆動電流補正値は、温度上昇による発光素子の特性変化とレンズアレイ32(図2と図3参照)の歪みの両方を加味した補正値となっている。
【0035】
曲線(c)は、上記のようにプロットした曲線(b)を近似多項式で描いたグラフであり、曲線(b)との誤差も少なく、温度上昇による発光素子の特性変化とレンズアレイ32の歪みによる影響が発光素子の位置によって、ある一定の傾向に従うことがわかる。
【0036】
具体的に説明すると、例えば曲線(c)の多項式は、以下の近似式で表すことが出来る。
y=−7E−07x+0.0035x+19.704
この近似式を一般的な定数に置き換えれば、次のようになる。
y=ax+bx+c
ここで、cの値は、初期状態(常温領域)の複数の又は全ての位置の発光素子の駆動電流の平均値であり、この近似式の固定部を構成している。また、発光素子の位置xを有するその他の項は、xにより変化する変動部であり、yは温度上昇後の温度上昇領域での駆動電流補正値である。
【0037】
LEDアレイ露光装置7の装置間のばらつきが大きい場合は、LEDアレイ露光装置個々に上記の近似式を求めることもできるし、ばらつきが小さい場合は、全てのLEDアレイ露光装置7で共通使用できる共通近似式を、標準的なLEDアレイ露光装置7を測定して求めてもよい。また、後者の場合であっても、ばらつきの程度に応じて、近似式の前記変動部のみ共通使用して、前記固定部はLEDアレイ露光装置個々の値を使用することもできる。また、上記の近似式の精度を調節するため、プロットする発光素子の数、つまり発光素子の位置xの数を増減することは自由である。
【0038】
図6で示した例は、常温時と常温から摂氏20度上昇した温度上昇領域におけるものである。実際には温度上昇と濃度むらの発生の関係はリニアではなく、通常、常温から摂氏15度〜20度上昇すると視認可能な濃度むらが発生することが確認されている。そのため、本実施形態では、常温領域と温度上昇領域とに分けて、すなわち、温度が常温から所定の温度幅上昇した後は、前記した温度上昇領域での補正を開始し、温度が温度上昇領域より下がって常温領域になれば、温度上昇領域での補正を停止して常温領域での補正を行うようにしている。また、図2と図3では、温度センサーがLEDアレイ露光装置7に設けられている構成としたが、プリンタ1(図1参照)などの画像形成装置に温湿度センサーが設けられている場合には、その温湿度センサーの検出データとLEDアレイ露光装置7の温度との相関を調べて、該温湿度センサーを利用することも可能である。
【0039】
次に、図7を参照して前記した温度補正の制御の一例を説明する。図7は、カラープリンタ1の発光素子を補正駆動する概略回路ブロック図である。40はプリント制御部で、41は前記した補正を行う補正回路で、42は常温領域の光量補正値を記憶している第1駆動電流補正値記憶部で、43は温度上昇領域領域の光量補正値を記憶している第2駆動電流補正値記憶部で、44はカラープリンター1のエンジン部を制御するプリントエンジン制御回路であり、図では温度センサー35が検出した温度をプリントエンジン制御回路44が読み込み、補正回路41に出力する状態を図示し、その他は省略している。7はLEDアレイ露光装置である。また、PCは外部に接続された情報端末装置であり、例えばパソコンをあらわしている。
【0040】
図の構成では、まず、PCからプリントドライバによりラスター処理された(画素に分解された)プリントデータがプリント制御信号とともにプリント制御部40に送信される。このデータを受けて、プリント制御部40は、例えば1走査ラインごとの画像信号を補正回路41に送出すると同時に、プリント駆動信号をLEDアレイ露光装置7に送出してプリントを開始させる。補正回路41は前記画像信号と、プリントエンジン制御回路44に一旦読み込まれた温度センサー35が検出した検出温度のデータとを受けて、検出温度のデータを判断して、該当する画素を露光するLED発光素子の光量補正値を、常温領域の場合は第1駆動電流補正値記憶部42から、温度上昇領域の場合は第2駆動電流補正値記憶部43からそれぞれ読み込み、図6を参照して説明したように、温度に応じて常温領域と温度上昇領域でそれぞれの補正を行う。その後、LED発光素子を駆動するための画像信号として、タイミング用のクロックとともにLEDアレイ露光装置7に送出する。この時、送出する画像信号の量は、1走査ライン分またはそれを複数個に分割した1走査ブロック分であり、この分量のデータをLEDアレイ露光装置7がラッチして同時発光させるためのラッチ信号も送出する。
【0041】
温度上昇領域での駆動電流補正値を、図6を参照して説明した近似式に基づいて算出する場合は、補正回路41や図示しないその他の回路で算出して、その結果を前記第2駆動電流補正値記憶部43に一旦記憶させておいてもよいし、リアルタイムで算出を行う場合は、第2駆動電流補正値記憶部43を省略することも可能である。また、補正回路41とその周辺回路を、LEDアレイ露光装置7内に制御部を設けて、その制御部で行ってもよいし、図2で示したような外部の制御部や、カラープリンタ1の制御回路に含ませてもよい。また、このような補正制御を演算で行ってもよいし、ASICなどに統合して回路で行うことも可能である。
【0042】
【発明の効果】
本発明では、光量補正をLEDアレイ露光装置の温度に応じ、常温領域と温度上昇領域とに分けて行うため、従来の光量補正では効率的に抑制できなかった温度上昇に伴う発光素子の特性変化やレンズアレイの歪みに起因する画像の濃度むらやスジを大幅に低減できるという優れた効果を奏する。また、このような濃度むらに対する補正は、常温時と温度上昇時の2領域に分けて補正すればよく、多段階に制御する必要がなく、補正制御の方法や回路が簡単になる。
【0043】
また、本発明では、常温領域での発光素子の光量の補正は、事前に準備された常温領域での光量補正の駆動電流値に基づいて行い、温度上昇領域での発光素子の光量を補正は、予め温度上昇領域で各発光素子の濃度むらに対する光量補正を行った駆動電流値に基づいて行うため、2つの温度領域において、発光素子個々に正確な補正をおこなうことがことが可能になる。
【0044】
あるいは、前記常温領域での発光素子の光量の補正は、事前に準備された常温領域での光量補正の駆動電流値に基づいて行い、前記温度上昇領域での発光素子の光量を補正は、予め温度上昇領域で所定の発光素子の位置を複数選択して濃度むらに対する予備的な光量補正を行い、その位置と前記予備的な光量補正の駆動電流値を基にした温度上昇領域での近似演算式を算出し、その近似演算式に各発光素子の位置を代入することにより得られた駆動電流値に基づいて行うため、温度上昇領域で全ての発光素子の補正値を実測する必要が無く、LEDアレイ露光装置間にばらつきが少ない場合は、測定時間とコストを低減しつつ濃度むらに対する補正効果を上げることが可能になる。
【0045】
さらに、本発明では、常温領域での発光素子の光量の補正は、事前に準備された常温領域での光量補正の駆動電流値に基づいて行い、温度上昇領域での発光素子の光量補正は、予め温度上昇領域で所定の発光素子の位置を複数選択して濃度むらに対する予備的な光量補正を行い、その位置と前記予備的な光量補正の駆動電流値に基づき、発光素子の位置によって変化する変動部と変化しない固定部とからなる近似演算式を算出し、その近似演算式に各発光素子の位置を代入することにより得られる駆動電流値に基づいて行うため、温度上昇領域では、所定の数の発光素子のみの補正値を実測するばよく、ばらつきに応じてその所定の数を増減でき、補正精度と時間およびコストとの兼ね合いを柔軟にとることができる。
【0046】
また、前記近似演算式の固定部は、常温領域における複数または全ての発光素子の光量補正の駆動電流平均値であるため、LEDアレイ露光装置ごとに異なる値を持つ近似演算式の固定部を使用でき、LEDアレイ露光装置個々の温度上昇領域での補正の精度を上げることが可能になる。
【0047】
あるいは、前記近似演算式はLEDアレイ露光装置間で共通の演算式であるため、LEDアレイ露光装置間のばらつきが少ない場合、標準的なLEDアレイ露光装置の温度上昇領域での補正値を一度実測して近似演算式を得るようにすれば、他のLEDアレイ露光装置にも同じ近似演算式を使用でき、時間とコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るLEDアレイ露光装置を使用したカラープリンタの概略を模式的に示す正面図である。
【図2】本発明に係わるLEDアレイ露光装置の上面概略模式図である。
【図3】LEDアレイ露光装置を画像形成装置に組み込んだ場合の模式図である。
【図4】レンズアレイ32の温度による歪を示した模式図である。
【図5】像面に結像したビームの露光エネルギーとしきい値でのビーム径を示す図であり、(a)は2つの異なるビームの露光曲線を示し、(b)は2つのビームのしきい値でのビーム径を示し、(c)は一方のビームの光量を補正した露光曲線を示し、(d)は一方のビームの光量補正後のしきい値でのビーム径を示す図である。
【図6】温度変化に対する駆動電流補正値をグラフ化したものである。
【図7】LEDアレイ露光装置を補正駆動する概略回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 カラープリンタ
2 筐体
3B、3C、3M、3Y 画像形成部
4 現像器
5 感光体
6 主帯電器
7 LEDアレイ露光装置
8 搬送ベルト
9 転写ローラ
10B、10C、10M、10Y トナーホッパー
11a、11b 搬送ベルト駆動ローラ、
12 給紙カセット
13 給紙ガイド
14 用紙
15 排紙ガイド
16 排紙部
17 定着部
20 クリーニング部
30 基板
31 LEDアレイチップ
32 レンズアレイ
33 駆動IC
34 制御部
35 温度センサー
36 発光面
37 像面
40 プリント制御部
41 補正回路
42 第1駆動電流補正値記憶部
43 第2駆動電流補正値記憶部
44 プリントエンジン制御回路

Claims (7)

  1. 画素データに応じて点灯制御される複数の発光素子がライン状に配設され、濃度むらに対する各発光素子の光量補正を駆動電流を調節することにより行い、該発光素子の発光をレンズアレイを介して結像させて露光を行うLEDアレイ露光装置において、前記光量補正は温度に応じ、常温領域と温度上昇領域とに分けて行うことを特徴とするLEDアレイ露光装置。
  2. 前記常温領域での発光素子の光量の補正は、事前に準備された常温領域での光量補正の駆動電流値に基づいて行い、前記温度上昇領域での発光素子の光量を補正は、予め温度上昇領域で各発光素子の濃度むらに対する光量補正を行った駆動電流値に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載のLEDアレイ露光装置。
  3. 前記常温領域での発光素子の光量の補正は、事前に準備された常温領域での光量補正の駆動電流値に基づいて行い、前記温度上昇領域での発光素子の光量を補正は、予め温度上昇領域で所定の発光素子の位置を複数選択して濃度むらに対する予備的な光量補正を行い、その位置と前記予備的な光量補正の駆動電流値を基にした温度上昇領域での近似演算式を算出し、その近似演算式に各発光素子の位置を代入することにより得られた駆動電流値に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載のLEDアレイ露光装置。
  4. 画素データに応じて点灯制御される複数の発光素子がライン状に配設され、濃度むらに対する各発光素子の光量補正を駆動電流を調節することにより行い、該発光素子の発光をレンズアレイを介して結像させて露光を行うLEDアレイ露光装置において、前記常温領域での発光素子の光量の補正は、事前に準備された常温領域での光量補正の駆動電流値に基づいて行い、前記温度上昇領域での発光素子の光量補正は、予め温度上昇領域で所定の発光素子の位置を複数選択して濃度むらに対する予備的な光量補正を行い、その位置と前記予備的な光量補正の駆動電流値に基づき、発光素子の位置によって変化する変動部と変化しない固定部とからなる近似演算式を算出し、その近似演算式に各発光素子の位置を代入することにより得られる駆動電流値に基づいて行うことを特徴とするLEDアレイ露光装置。
  5. 前記近似演算式の固定部は、常温領域における複数または全ての発光素子の光量補正の駆動電流平均値であることを特徴とする請求項4に記載のLEDアレイ露光装置。
  6. 前記近似演算式はLEDアレイ露光装置間で共通の演算式であることを特徴とする請求項5または請求項4に記載のLEDアレイ露光装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のLEDアレイ露光装置を備えた画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006021533A (ja) * 2004-06-18 2006-01-26 Oce Technologies Bv 露光装置、露光装置を用いた印刷装置、および、ノンインパクト印刷装置を調節するための方法
JP2007207956A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Kyocera Corp 発光素子アレイおよび光プリントヘッドならびに画像形成装置
JP2007532352A (ja) * 2004-04-13 2007-11-15 エム・アー・エヌ・ローラント・ドルックマシーネン・アクチエンゲゼルシャフト エンボス装置を有する印刷機

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