JP2010117735A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色ごとに形成された複数の画像を重ねて記録媒体に転写する画像形成装置において、転写対象に画像を形成する画像形成部と、画像形成部にて転写対象に形成される濃度・色ずれ制御用パターンを検出するためのセンサ(32,33)と、センサによる濃度検出結果である出力波形を、予め設定されたしきい値を基準としてデジタルパルスを生成し、濃度・色ずれ制御用パターンを形成する各色のパッチから得られたデジタルパルスの立ち上がり及び立ち下がりのエッジの時間間隔を算出し、濃度・色ずれ制御用パターンを形成するパッチのうち同一濃度の各色のパッチから得られたデジタルパルスにおける立ち上がりの時間間隔と立ち下がりのエッジの時間間隔との平均を用いて求められる色ずれ量に基いて、色ずれ制御を行う制御部31とを備える。
【選択図】図2
Description
色ずれと濃度ずれは、製造時の部品取り付けにおける誤差や各部品の特性などを原因とする初期的なずれ(装置移動後の物理変動も含む)と、画像形成装置の機内環境の変動や装置の使用状態によって生じる経時的なずれの二つに大きく分けられる。後者の経時的なずれに対する制御では、機内の環境変化(主に温度や湿度の変化)や画像出力状態(出力枚数、トナー消費量)などを制御サイクルの開始条件としている。例えば、機内温度が所定温度だけ変化したならばジョブ(画像形成動作が中断しないで実施される処理単位)の先頭で色ずれ制御サイクルを動作させ、所定枚数画像出力される度に濃度制御サイクルを動作させる、というように制御サイクルの開始条件を設定することができる。
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置を示した図である。この画像形成装置は、電子写真方式を採用した、いわゆるタンデム型のデジタルカラー機である。図示のように、この画像形成装置は、画像を形成する画像形成部11、画像形成部11に対して静電潜像を形成する露光装置13、画像形成部11に接触して画像形成部11により形成された画像を重ねて搬送する中間転写体としての転写ベルト21を備えている。画像形成部11は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応させて設けてある。以下、これらを区別する必要がある場合には、画像形成部11Y、11M、11C、11Kと表記するが、区別する必要がない場合には、単に画像形成部11と表記する。また、転写ベルト21の内側には、この転写ベルト21を駆動する駆動ロール22、画像形成部11の感光体に対向して複数設けられ転写ベルト21上に画像を形成するための一次転写ロール23、転写ベルト21上に形成されたカラー画像を転写用紙(記録シート)等の記録媒体に転写する二次転写ロール24、転写ベルト21に対する一次転写位置を特定するためのバックアップロール25を備えている。図1において、記録媒体である転写用紙26は、給紙カセット27等から給紙され、上記のように二次転写ロール24によりカラー画像を転写された後、定着器28において転写された画像が定着されて、外部に排出されるようになっている。また、画像形成装置は、露光装置13および画像形成部11に対して色ずれ制御用パターンおよび濃度制御用パターンのパターン情報を供給する制御部31、転写ベルト21の所定領域に形成された色ずれ制御用パターンを読み取る色ずれセンサ32、同じく転写ベルト21の所定領域に形成された濃度ずれ検出用パターンを読み取る濃度センサ33、機内温度や機内湿度等の環境情報を取得する環境センサ34を備えている。
図2に示すように、制御部31は、タンデム型のデジタルカラー機の画像形成動作および色ずれや濃度ずれの検出、補正動作などを制御するコントローラ40、コントローラ40からの命令に基づいて画像情報をデジタル画像信号に変換する画像処理部41、コントローラ40の制御下で画像処理部41により生成されたデジタル画像信号を適切なタイミングで出力する画像出力部42とを備える。制御部31におけるこれらの機能は、例えばプログラム制御されたCPU(Central Processing Unit)等で実現される。画像出力部42からは、Y、M、C、Kの各色の画像を形成する画像形成部11Y、11M、11C、11Kに対応する露光装置13のROS(Y用ROS、M用ROS、C用ROS、K用ROS)に対して画像情報(色ずれ制御用パターンおよび濃度制御用パターンを含む)が出力される。
図3は、転写ベルト21と色ずれセンサ32および濃度センサ33の位置関係を示すと共に、色ずれ制御用パターンと濃度制御用パターンの形成例を示す図である。図示の例において、色ずれセンサ32は、転写ベルト21の幅方向(主走査方向)の両端付近に設置され、同じく転写ベルト21の幅方向両端付近に、色ずれセンサ32に対応して形成された色ずれ制御用パターンを検出する。また、濃度センサ33は、転写ベルト21の幅方向の中央付近に設置され、同じく転写ベルト21の幅方向中央付近に、濃度センサ33に対応して形成された濃度制御用パターンを検出する。
まず、転写ベルト21に、図3に示したように濃度制御用パターンが形成されたものとする。図3に示す濃度制御用パターンに付記された符号において、アルファベットMはマゼンタ色を、Cはシアン色を意味する。また、添え数字の1は濃度80%、2は同60%、3は同40%、4は同20%を意味する。例えば、M2はマゼンタの濃度60%、C3はシアンの濃度40%である。実際には、濃度制御用パターン制御は各色について形成されるが、ここでは簡単のため、マゼンタとシアンの2色のみを例示して説明する。
濃度ずれを検出する場合に必要となるのは、この出力波形(アナログ波形)の振幅(ピーク値)である。濃度ずれを検出する目的は、上述したハーフトーンの階調制御に用いるCin-Dout LUT(出力濃度に対する入力データの校正ルックアップテーブル)を作成することにある。図示の例では、各濃度値(80、60、40、20%)での濃度データが取得され、Cin-Dout LUTの作成に用いられる。
Perr = MC_80−MC_80_a (式1)
Perr = MC_80−(MC_80_a+MC_80_b)÷2 (式2)
Perr = ((MC_80−(MC_80_a+MC_80_b)÷2)+
(MC_60−(MC_60_a+MC_80_b)÷2)+
(MC_40−(MC_40_a+MC_40_b)÷2)+
(MC_20−(MC_20_a+MC_20_b)÷2))÷4 (式3)
図5は、濃度センサ33の出力波形のピークタイミングを用いて色ずれ量を検出する方法を説明する図である。なお図5は、図4におけるパターンM1、C1を抜粋したものである。
図5において、パターンM1とパターンC1の出力波形におけるピーク値の間隔をMC_80_aとし、上記の式1によって、色ずれ量Perrを求めることができる。また、サンプル基準タイミングを任意に設定し、このサンプル基準タイミングからパターンM1のピークまでの時間をM_80とし、サンプル基準タイミングからパターンC1のピークまでの時間をC_80とする。そして、M_80およびC_80の検出値の差分をもとめ、得られた値をパターンM1、C1における出力波形のピークの間隔(MC_80)としても良い。ここで、出力波形のピークとは、パターンの重心位置を意味し、上述したデジタルパルスの立ち上がりと立ち下がりの間隔の中間値と同じ意味である。ピーク位置の検出方法としては、濃度センサ33内あるいは外部の電気回路により出力波形のピークタイミングでデジタルパルスを出力する方法や、出力波形をAD(Analog Digital)変換し、デジタルデータのピーク値出力タイミングを測定する方法を用いることができる。
図6は、主走査方向の色ずれ検出が可能な濃度制御用パターンの例を示す図である。
図6に示す濃度制御用パターンは、パッチのエッジの一方が一定の角度で傾いた台形となっており、主走査方向のどの位置で濃度センサ33による検出がなされても、その位置の副走査方向の長さが異なり、上述したデジタルパルスの立ち上がりや立ち下がりの時間間隔が変わるようになっている。この濃度制御用パターンを用いると、同一濃度における各色のパッチに関するパルスの立ち上がり(パッチの一方のエッジに対応)の時間間隔と、同パルスの立ち下がり(パッチの他方のエッジに対応)の時間間隔とを求め、その差分を求めれば、主走査方向の色ずれ量が得られることとなる。例えば、副走査方向の色ずれ量Perrを次式4で計算する場合、主走査方向の色ずれ量Lerrは、次式5により計算することができる。
Perr = ((MC_80−MC_80_a)+(MC_60−MC_60_a)+
(MC_40−MC_40_a)+(MC_20−MC_20_a))÷4 (式4)
Lerr = ((MC_80−MC_80_b)+(MC_60−MC_60_b)+
(MC_40−MC_40_b)+(MC_20−MC_20_b))÷4−Perr (式5)
図7を参照すると、画像形成装置が起動(電源オン)されると、制御部31は、まず環境センサ34や図示しないインデックスセンサ等の各種センサ、画像出力枚数を計数するカウンタ等の情報を収集し、画像形成装置の動作状態(機内環境や出力枚数等)が濃度制御の開始条件を満たしているか否かを調べる(ステップ701)。そして、濃度制御の開始条件を満たしている場合は、濃度制御サイクルを実施する(ステップ702)。また、制御部31は、濃度制御サイクルにおいて得られた出力波形に基づいて色ずれの検出を行い、検出された色ずれ量が簡易制御用の許容色ずれ量を超えているか否かを判断する(ステップ703)。超えていなければ、ステップ701に戻り、再びセンサやカウンタ等の情報を収集して濃度制御の開始条件を判断する。
また、上記の実施形態では、画像形成部にて形成された画像を一旦、中間転写体である転写ベルトに形成した後に、記録媒体(用紙等)に転写するタイプの画像形成装置を例として説明したが、本実施形態による色ずれ制御は、本実施形態の転写ベルトと同様に設けられた搬送ベルトにより記録媒体を搬送し、当該記録媒体に画像形成部が直接画像を形成するタイプの画像形成装置や、ベルトの他に中間転写体や記録媒体搬送体としてロール状部材を用いるタイプの画像形成装置に対してもそのまま適用できることは言うまでもない。
Claims (2)
- 色ごとに形成された複数の画像を重ねて記録媒体に転写する画像形成装置であって、
転写対象に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部にて前記転写対象に形成される濃度・色ずれ制御用パターンを検出するためのセンサと、
前記センサによる濃度検出結果である出力波形を、予め設定されたしきい値を基準としてデジタルパルスを生成し、前記濃度・色ずれ制御用パターンを形成する各色のパッチから得られた前記デジタルパルスの立ち上がり及び立ち下がりのエッジの時間間隔を算出し、当該濃度・色ずれ制御用パターンを形成する当該パッチのうち同一濃度の各色の当該パッチから得られた当該デジタルパルスにおける前記立ち上がりのエッジの時間間隔と前記立ち下がりのエッジの時間間隔との平均を用いて求められる色ずれ量に基づいて、色ずれ制御を行う制御部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記濃度・色ずれ制御用パターンを形成する各濃度における各色のパッチから得られた前記デジタルパルスのうち、各濃度に関して同一濃度における各色のパッチに関するデジタルパルスの立ち上がりと立ち下がりにおける時間差の平均を求め、得られた各濃度の平均値をさらに平均化して色ずれ量を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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