JP4737336B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタや複写機等の画像形成装置に関し、特に、カラー画像における各色の画像形成位置を制御するためのレジストレーションコントロール(色ずれ制御)および濃度制御を行うシステムに関する。
今日、プリンタや複写機等の画像形成装置において、カラー画像を形成する装置が広く普及しつつある。この種の一般的な画像形成装置として、例えばブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色ごとに設けられた画像形成部が転写対象(中間転写体である転写ベルト等)に対向して並べて配置されたいわゆるタンデム型の画像形成装置がある。このタンデム型の画像形成装置では、各画像形成部で形成された色の異なる画像が、走行する転写対象に順次転写されて多重化され、カラー画像が形成される。
このタンデム型の画像形成装置では、色ごとに形成された画像を重ねてカラー画像を形成するため、画像形成部の各取り付け位置の誤差、各画像形成部の周速誤差、転写対象に対する露光位置の違い、転写対象の線速の変化等により、形成された画像において色ずれが発生する場合がある。すなわち、色ごとに設けられる画像形成部のアライメントや機械的誤差等がそのまま記録媒体(用紙等)上での色ずれとなる。したがって、この種の画像形成装置では、これらの色ずれ量を測定し、色ずれの発生を抑制するための色ずれ制御(レジストレーションコントロール)を行うことが不可欠となる。この色ずれ制御の一般的な方法として、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のマーク(パターン)を転写対象に描き、その位置をセンサで読み取り、その読み取り結果から色ずれを算出してフィードバックし、画像形成部を制御する方法がある。
また、画像形成装置では、転写対象に転写される画像の濃度を制御することも不可欠である。この濃度制御は、各色の最大濃度を一定に保つことと、多段階の階調特性(ハーフトーン)を画像信号に対してリニアに保つことを目的として行われる。この濃度制御の一般的な方法として、転写対象に対して階調を持った複数の濃度パターンを色ごとに描き、この濃度パターンをセンサで読み取り、その読み取り結果から画像信号に対する出力濃度のずれを算出してフィードバックし、画像形成部を制御する方法がある。
ここで、色ずれ制御と濃度制御のそれぞれの制御サイクルについて説明する。
色ずれと濃度ずれは、製造時の部品取り付けにおける誤差や各部品の特性などを原因とする初期的なずれ(装置移動後の物理変動も含む)と、画像形成装置の機内環境の変動や装置の使用状態によって生じる経時的なずれの二つに大きく分けられる。後者の経時的なずれに対する制御では、機内の環境変化(主に温度や湿度の変化)や画像出力状態(出力枚数、トナー消費量)などを制御サイクルの開始条件としている。例えば、機内温度が所定温度だけ変化したならばジョブ(画像形成動作が中断しないで実施される処理単位)の先頭で色ずれ制御サイクルを動作させ、所定枚数画像出力される度に濃度制御サイクルを動作させる、というように制御サイクルの開始条件を設定することができる。
画像形成装置において、この色ずれ制御および濃度制御を行う技術としては、従来から種々の提案がなされている。コスト削減や装置構成の簡易化の観点から、色ずれ制御用のパターンと濃度制御用のパターンとを単一のセンサで検出する技術も提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特許2573855号公報 特開2001−134043号公報 特開2001−142278号公報
上記のように、タンデム型の画像形成装置では、出力画像の品質を高めるために、色ずれ制御および濃度制御が実施される。これらの制御サイクルでは、通常の画像出力と同様の動作によって画形材(トナー等)を消費して制御用のパターンが形成され、センサによるパターンの検出が行われる。しかしながら、これらの制御サイクルは、画像形成装置の本来の目的である画像出力に直接関わる動作ではないため、できるだけ制御サイクルにおける画形材の消費量を低減し、また制御に要する時間を短縮することが好ましい。
上述したように、色ずれ制御と濃度制御における経時的ずれに対する制御サイクルの開始条件は、機内の環境変化や画像出力状態に基づいて設定される。この開始条件を設定する際は、個々の画像形成装置に固有の色ずれや濃度ずれの変動特性に基づき、装置ごとの各ずれにおける許容ずれ量が考慮される。そのため、装置によっては、色ずれ制御を行う頻度と濃度制御を行う頻度が極端に異なることもある。例えば、濃度制御5回に対して色ずれ制御1回という割合で実施されることも起こり得る。
また、経時的なずれの起き方は、同じ構成の画像形成装置であっても個体差(ばらつき)がある。そのため、制御サイクルの開始条件は、かかる個体差を考慮して、最悪な変動(ずれ)が生じた場合でも許容ずれ量を超えないように設定することが必要である。したがって、上記のような環境条件等の開始条件を満たす状態となっても、実際にはあまり色ずれや濃度ずれが発生していないということも多い。
このように、画像形成装置における機内環境の変化や装置状態は、個々の装置ごとに差異があり、色ずれ制御や濃度制御の開始条件を画一的に設定しても個々の装置には相応しくない場合がある。そしてこのような場合、画像形成装置の本来の目的ではない制御サイクルの動作で画形材が無駄に消費されることとなる。また、設定された開始条件を画像出力中に満たした場合、画像出力の動作を中断して無用な色ずれ制御や濃度制御を実施することとなるため、生産性の低下を招来してしまう。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、色ずれ制御または濃度制御の一方を行う際に他の制御の対象であるずれ(濃度ずれまたは色ずれ)を検出し、かかる他方の制御を実施するか否かを動的に判断することにある。また他の目的は、色ずれ制御または濃度制御の少なくとも一方の開始条件を動的に判断することにより、個々の画像形成装置ごとに適切な条件で色ずれ制御や濃度制御の制御サイクルを実施し、制御サイクルにおける画形材の消費量を削減すると共に装置の生産性の向上に寄与することにある。さらに他の目的は、かかる個々の装置ごとの制御サイクルの開始条件を動的に設定するために、色ずれ制御または濃度制御の一方を実施する際に、他方の制御を簡易的に実施する方法およびシステムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、色ごとに形成された複数の画像を重ねて記録媒体に転写する画像形成装置であって、転写対象に画像を形成する画像形成部と、画像形成部にて転写対象に形成される、各色について多段階の階調のパッチを並べて構成される濃度パターンを検出するためのセンサと、濃度ずれを補正する濃度制御を行うためにセンサによって濃度パターンを検出して得られた濃度検出結果である出力波形から予め設定されたしきい値を基準としてデジタルパルスを生成し、濃度パターンを形成するパッチのうち同一濃度の各色のパッチから得られたデジタルパルスにおける立ち上がりのエッジ同士の時間間隔と立ち下がりのエッジ同士の時間間隔との平均を各濃度ごとに求め、得られた各濃度の平均値をさらに平均し、平均した値と、色ずれがなく濃度が正常な場合のパッチの検出結果から得られるデジタルパルスの立ち上がりのエッジ同士の時間間隔または立ち下がりのエッジ同士の時間間隔とを用いて色ずれ量を算出し、算出した色ずれ量に応じて色ずれを補正する色ずれ制御を行う制御部とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
以上のように構成された本発明によれば、色ずれ制御または濃度制御の一方を行う際に他の制御の対象であるずれ(濃度ずれまたは色ずれ)を検出することができ、かかる他方の制御を実施するか否かを、個々の画像形成装置における実際の状態(どの程度の濃度ずれや色ずれが発生しているか)に応じて動的に判断することができる。これにより、個々の画像形成装置ごとに適切な条件で色ずれ制御や濃度制御の制御サイクルを実施し、制御サイクルにおける画形材の消費量を削減すると共に装置の生産性の向上に寄与することが可能となる。さらに本発明によれば、かかる個々の装置ごとの制御サイクルの開始条件を動的に設定するために、色ずれ制御または濃度制御の一方を実施する際に、他方の制御を簡易的に実施する方法およびシステムが実現される。
本実施形態が適用される画像形成装置を示した図である。 本実施形態の制御部の機能を説明するためのブロック図である。 転写ベルトと色ずれセンサおよび濃度センサの位置関係を示すと共に、色ずれ制御用パターンと濃度制御用パターンの形成例を示す図である。 図3に示した濃度制御用パターンを濃度センサにより検出(拡散反射光検出)した際の出力波形を示す図である。 本実施形態における濃度センサの出力波形のピークタイミングを用いて色ずれ量を検出する方法を説明する図である。 本実施形態において主走査方向の色ずれ検出が可能な濃度制御用パターンの例を示す図である。 本実施形態により、色ずれ制御に関して簡易制御と本来の制御とを併用する場合の制御の全体動作を説明するフローチャートある。 色ずれ制御に伴って簡易的な濃度制御を実施する場合の本実施形態による制御の全体動作を説明するフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置を示した図である。この画像形成装置は、電子写真方式を採用した、いわゆるタンデム型のデジタルカラー機である。図示のように、この画像形成装置は、画像を形成する画像形成部11、画像形成部11に対して静電潜像を形成する露光装置13、画像形成部11に接触して画像形成部11により形成された画像を重ねて搬送する中間転写体としての転写ベルト21を備えている。画像形成部11は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応させて設けてある。以下、これらを区別する必要がある場合には、画像形成部11Y、11M、11C、11Kと表記するが、区別する必要がない場合には、単に画像形成部11と表記する。また、転写ベルト21の内側には、この転写ベルト21を駆動する駆動ロール22、画像形成部11の感光体に対向して複数設けられ転写ベルト21上に画像を形成するための一次転写ロール23、転写ベルト21上に形成されたカラー画像を転写用紙(記録シート)等の記録媒体に転写する二次転写ロール24、転写ベルト21に対する一次転写位置を特定するためのバックアップロール25を備えている。図1において、記録媒体である転写用紙26は、給紙カセット27等から給紙され、上記のように二次転写ロール24によりカラー画像を転写された後、定着器28において転写された画像が定着されて、外部に排出されるようになっている。また、画像形成装置は、露光装置13および画像形成部11に対して色ずれ制御用パターンおよび濃度制御用パターンのパターン情報を供給する制御部31、転写ベルト21の所定領域に形成された色ずれ制御用パターンを読み取る色ずれセンサ32、同じく転写ベルト21の所定領域に形成された濃度ずれ検出用パターンを読み取る濃度センサ33、機内温度や機内湿度等の環境情報を取得する環境センサ34を備えている。
この画像形成部11は、上記4色の画像形成部11Y、11M、11C、11Kの各々に、異なる色のトナーによって像を形成するための現像装置と、この現像装置から供給されるトナーによって形成される画像を担持する感光体ドラム等からなる像担持体、感光体ドラムを帯電させる帯電装置、残留トナーを除去するクリーナ等の各種ユニットが備えられている。各色の感光体ドラムの回転軸には図示しないエンコーダが取り付けられており、各感光体ドラムが1回転する度に各エンコーダからインデックス信号が出力され、制御部31にフィードバックされる。なお、画像形成部11の構成としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいわゆる常用色の他、通常のカラー画像形成には用いられない特殊な画形材に対応させた特定色画像形成部を設けることも可能である。また、上述したY、M、C、Kの4色の他に、ダークイエローなどを含めた5色以上を常用色として用いることもできる。
露光装置13は、例えばレーザROS(Raster Output Scanner)やLEDアレイ等で構成され、各々の画像形成部11が有する感光体に対して静電潜像形成のための光を照射させている。この露光装置13には、例えば画像読取装置(IIT)や外部のパーソナルコンピュータ装置(PC)等から得られ、画像処理装置(図示せず)によって変換されたデジタル画像信号が、制御部31を介して各色別に供給される。また、露光装置13には、制御部31によって生成された色ずれ制御用のパターン画像および濃度制御用のパターン画像が供給される。これらのパターン画像は、各色についての画像書き込み位置の制御信号として、各画像形成部11に対応する露光装置13に供給される。本実施形態において、パターン画像は、転写ベルト21の移動方向に対して色ごとに所定の間隔を隔てて印字される。またパターン画像は、転写ベルト21の1周分にわたって連続的に印字されたり、転写ベルト21における記録媒体に転写される画像が形成されるイメージ領域の間のインターイメージ領域に印字されたりする。
色ずれセンサ32は、転写ベルト21上に形成された色ずれ制御用パターン(ラダー状トナーパッチ、シェブロンパッチ)をPD(PhotoDiode)センサ等で構成される検出器上に結像し、パッチの重心線と検出器の中心線とが一致したときにパルスを出力する反射型センサである。この検出器は、90度の角度に配置された2組のBi−Cell(2分割ダイオード)で構成されている。色ずれセンサ32は、各画像形成部11で形成されたパッチによる色ずれ制御用パターンの相対色ずれを検出するために、図1における最下流側の画像形成部11Kの下流側で、かつ主走査方向に沿って2個、配置されている。色ずれセンサ32の発光部は、例えば赤外LED(波長880nm)が2個用いられ、安定したパルス出力を確保するために、2個のLEDの発光光量を調整(例えば2段階)できるように構成されている。
濃度センサ33は、転写ベルト21上に形成された各色の濃度制御用パターン(多段階の階調からなる濃度パッチ)に照射された光の反射光をPD(PhotoDiode)センサ等で構成される検出器で受光し、その反射光強度を検出する反射型センサである。濃度センサ33は、各画像形成部11で形成された濃度パッチにより各色の最大濃度およびハーフトーン階調特性を検出するために、図1における最下流側の画像形成部11Kの下流側に配置されている。濃度センサ33の発光部は、例えば赤外LED(波長880nm)が2個用いられ、安定したパルス出力を確保するために、2個のLEDの発光光量を調整(例えば2段階)できるように構成されている。
転写ベルト21としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することによって、無端ベルト状に形成したものが用いられる。この転写ベルト21は、駆動ロール22とバックアップロール25とによって、少なくとも一部を略直線的にしたループ状に張られる。そして、この転写ベルト21の略直線的な部分に対して、略水平方向に一定間隔を隔てて、画像形成部11および対向する一次転写ロール23が配列されている。図1に示す例では、転写ベルト21の移動方向に対して、転写作業を行う際の上流側から下流方向に順に、イエローの画像形成部11Y、マゼンタの画像形成部11M、シアンの画像形成部11C、黒の画像形成部11Kが配列されている。
転写ベルト21には、画像形成部11によって形成された各色の画像が、ベルトの動きにしたがって順に重ね合わされることにより、カラートナー画像が形成される。そして、転写ベルト21の移動と図示しない記録媒体(用紙等)の搬送とのタイミングが合わされて、転写ベルト21上に形成されたカラートナー画像は、二次転写ロール24の位置で記録媒体に転写される。この後、カラートナー画像が転写された記録媒体は、図示しない定着装置に搬送され、定着装置においてカラートナー画像が記録媒体に定着されて、画像形成装置の筐体外部に設けられた排出トレイに排出される。
環境センサ34は、機内温度や機内湿度を計測するためのセンサ(温度センサ、湿度センサ等)である。後述するように、本実施形態の色ずれ制御の動作においてどのような情報を用いるかにより、適宜各種のセンサにより構成することができるが、温度や湿度といった通常の画像形成装置でも監視されている情報を用いる場合は、装置内に既に設置されているセンサを用いれば良い。
制御部31は、画像読取装置等から得られた画像のデジタル画像信号や色ずれ制御のためのパターン画像および濃度制御のためのパターン画像の画像信号を生成して露光装置13に供給し、転写ベルト21への書き込みを行わせる。また制御部31は、色ずれセンサ32から色ずれ制御用パターンの検出結果を取得し、取得した情報に基づいて色ずれのずれ量を解析し、必要な補正を行う。同様に、制御部31は、濃度センサ33から各色の濃度パッチの反射光強度の検出結果を取得し、取得した情報に基づいて各色の最大濃度およびハーフトーン階調特性を解析し、必要な補正を行う。
図2は、制御部31の機能を説明するためのブロック図である。
図2に示すように、制御部31は、タンデム型のデジタルカラー機の画像形成動作および色ずれや濃度ずれの検出、補正動作などを制御するコントローラ40、コントローラ40からの命令に基づいて画像情報をデジタル画像信号に変換する画像処理部41、コントローラ40の制御下で画像処理部41により生成されたデジタル画像信号を適切なタイミングで出力する画像出力部42とを備える。制御部31におけるこれらの機能は、例えばプログラム制御されたCPU(Central Processing Unit)等で実現される。画像出力部42からは、Y、M、C、Kの各色の画像を形成する画像形成部11Y、11M、11C、11Kに対応する露光装置13のROS(Y用ROS、M用ROS、C用ROS、K用ROS)に対して画像情報(色ずれ制御用パターンおよび濃度制御用パターンを含む)が出力される。
また制御部31は、メモリとして不揮発性のROM(Read Only Memory)43と読み書き可能なRAM(Random Access Memory)44とを備える。ROM43には、コントローラ40が実行する画像形成動作や色ずれおよび濃度ずれの検出および補正動作などを制御するためのソフトウェアプログラム、色ずれ制御用パターンおよび濃度制御用パターンの画像情報等が格納されている。RAM44には、各種カウンタ値、ジョブの実行回数、前回の色ずれ検出処理の実行情報(時間情報等)、環境センサ34により取得された環境情報(機内温度、機内湿度等)といった、画像形成装置の動作に伴って取得される各種の情報が格納される。なお、図2には、本実施形態における特徴的な機能構成が記載されている。実際には、図示の構成の他に、色ずれセンサ32や濃度センサ33の発光部(例えば赤外LED)を点灯するLEDドライバ、色ずれセンサ32や濃度センサ33の受光部でデータをサンプリングするためのしきい値を制御するPWM(パルス幅変調)回路、色ずれセンサ32や濃度センサ33の受光部から出力される色ずれ制御用パターン検出時の所定のパルス間(立ち上がり)の時間間隔を基準クロックパルスに基づいて計測するカウンタ等が設けられる。
次に、制御部31のコントローラ40による色ずれ制御と濃度制御の動作について説明する。
図3は、転写ベルト21と色ずれセンサ32および濃度センサ33の位置関係を示すと共に、色ずれ制御用パターンと濃度制御用パターンの形成例を示す図である。図示の例において、色ずれセンサ32は、転写ベルト21の幅方向(主走査方向)の両端付近に設置され、同じく転写ベルト21の幅方向両端付近に、色ずれセンサ32に対応して形成された色ずれ制御用パターンを検出する。また、濃度センサ33は、転写ベルト21の幅方向の中央付近に設置され、同じく転写ベルト21の幅方向中央付近に、濃度センサ33に対応して形成された濃度制御用パターンを検出する。
転写ベルト21上に形成された色ずれ制御用パターンが色ずれセンサ32によって検出されると、コントローラ40は、例えば基準色をブラックとして、ブラックからの各色のずれ量を主走査/副走査方向の双方について検出する。具体的には、例えば色ずれセンサ32が、パターン進行方向に対して、前述のように左右2組のBi−Cell(2分割ダイオード)で構成される場合、主走査方向における色ずれ量は、左右のBi−Cellで検出される左右のパターンの通過タイミングの差により算出される。また、副走査方向の色ずれ量は、センサに対する色ずれ制御用パターンの通過タイミングにより検出される。コントローラ40は、このようにして検出された各色の色ずれ量に基づき、画像出力部42における画像書き込みタイミングや書き込み位置を制御し、ブラックに対する各色の色ずれ補正を行う(色ずれ制御手段としての機能)。
一方、転写ベルト21に形成された濃度制御用パターンが濃度センサ33によって検出されると、コントローラ40は、濃度制御用パターンの検出値を、予め測定されたセンサ出力と画像濃度との関係に基づいて画像濃度に変換し、その結果に基づいて画像の階調特性を認識する。そしてコントローラ40は、得られた画像の階調特性に基づいて、各色の最大濃度を一定に保つと共に、ハーフトーンの階調特性を画像信号に対してリニアに保つように、画像処理部41による画像生成を制御する(濃度制御手段としての機能)。なお、ハーフトーンの階調制御は、電子写真特有の非線形的な入出力特性(γ特性)によって、入力画像信号に対して出力濃度がずれて不自然な画像が形成されてしまうことを防止するため、γ特性を打ち消して入出力特性をリニアに保つような画像処理を行うことが一般的である。
ところで、これらの色ずれ制御や濃度制御は、一般に、機内の環境変化や画像出力状態に基づいて予め設定された開始条件にしたがって実施される。しかしながら、色ずれや濃度ずれの発生は、装置ごとにばらつきがあるため、色ずれ制御や濃度制御の開始条件を画一的に設定すると、個々の装置には相応しくない場合がある。すなわち、開始条件を画一的に設定するためには、所定の条件の下で最悪なずれが生じた場合でも制御における許容ずれ量(例えば、色ずれで100〜150μm程度)を超えないように設定することが必要である。そのため、個々の装置によっては、開始条件を満足しても、実際にはあまり色ずれや濃度ずれが発生していない場合がある。
そこで、本実施形態は、色ずれ制御と濃度制御の一方を実施する際に、その制御によって得られたずれの検出結果に基づいて他方の制御を簡易的に実施し、この簡易制御によって本来の制御が必要であると判断された場合に、他方の本来の制御を実施すると行った制御を行う。これにより、色ずれ制御と濃度制御の少なくともいずれか一方について、動的な開始条件を設定することができる。なお、詳しくは後述するが、濃度制御において得られた検出結果に基づいて色ずれ量を算出する場合は、本来の色ずれセンサ32による検出結果を用いて色ずれ量を検出する場合に比べて検出精度が悪くなる。同様に、色ずれ制御において得られた検出結果に基づいて濃度ずれを検出する場合は、本来の濃度センサ33による検出結果を用いて濃度ずれ量を検出する場合に比べて検出精度が悪くなる。このような事情を鑑みて、本実施形態では、色ずれ制御と濃度制御の一方を実施する際に、その制御によって得られたずれの検出結果に基づいて他方の制御を行う場合を簡易的な制御あるいは簡易制御などと称する。しかしながら、本来の色ずれ制御や濃度制御との違いは、ずれ量の検出精度の善し悪しのみであり、色ずれまたは濃度ずれを補正する制御動作そのものは、簡易制御と本来の制御とで異なるものではない。
色ずれ制御と濃度制御のどちらについて簡易制御を実施するかは、個々の装置において、どちらの制御の実施頻度が高いかに応じて定めることができる。すなわち、濃度制御の方が実施頻度が高い場合には、濃度制御を実施する際に色ずれ制御を簡易的に実施すれば良い。反対に、色ずれ制御の方が実施頻度が高い場合には、色ずれ制御を実施する際に濃度制御を簡易的に実施すれば良い。このような制御を行うことにより、色ずれ制御と濃度制御の少なくとも一方については、実際に制御が必要か否かを動的に判断して実施することができる。したがって、画一的に設定された開始条件に基づく無用な制御サイクルの実施を防止することにより、トナーの消費量を削減し、かつ装置の生産性を向上させることができる。以下、具体的な実施例を挙げて、本実施形態による簡易制御の動作について説明する。
以下の例では、濃度制御の実施頻度が色ずれ制御の実施頻度に比べて高く、濃度制御を実施する際に、色ずれに対する簡易制御を実施するものとする。
まず、転写ベルト21に、図3に示したように濃度制御用パターンが形成されたものとする。図3に示す濃度制御用パターンに付記された符号において、アルファベットMはマゼンタ色を、Cはシアン色を意味する。また、添え数字の1は濃度80%、2は同60%、3は同40%、4は同20%を意味する。例えば、M2はマゼンタの濃度60%、C3はシアンの濃度40%である。実際には、濃度制御用パターン制御は各色について形成されるが、ここでは簡単のため、マゼンタとシアンの2色のみを例示して説明する。
図4は、図3に示した濃度制御用パターンを濃度センサ33により検出(拡散反射光検出)した際の出力波形を示す図である。
濃度ずれを検出する場合に必要となるのは、この出力波形(アナログ波形)の振幅(ピーク値)である。濃度ずれを検出する目的は、上述したハーフトーンの階調制御に用いるCin-Dout LUT(出力濃度に対する入力データの校正ルックアップテーブル)を作成することにある。図示の例では、各濃度値(80、60、40、20%)での濃度データが取得され、Cin-Dout LUTの作成に用いられる。
一方、この濃度センサ33による濃度制御用パターンの検出結果を用いて色ずれを検出するには、図4に示すように、濃度センサ33の出力波形(アナログ波形)から予め設定されたしきい値を基準としてデジタルパルスを生成する。コントローラ40は、このパルスのうち、同じ濃度の各色のパッチから得られたパルスの時間間隔を測定することによって副走査方向における色ずれ量を算出する。具体的には、例えば図示のように、マゼンタとシアンにおける濃度80%のパッチの検出結果から得られるパルスの立ち上がりの時間間隔をMC_80_a、立ち下がりの時間間隔をMC_80_bとする。同様に、濃度60%の場合におけるパルスの立ち上がりの時間間隔をMC_60_a、立ち下がりの時間間隔をMC_60_bとし、濃度40%の場合におけるパルスの立ち上がりの時間間隔をMC_40_a、立ち下がりの時間間隔をMC_40_bとし、濃度20%の場合におけるパルスの立ち上がりの時間間隔をMC_20_a、立ち下がりの時間間隔をMC_20_bとする。そして、色ずれがなく濃度が正常な場合のパッチの検出結果から得られるパルスの立ち上がりまたは立ち下がりの時間間隔をMC_80とする。すると、副走査方向の色ずれ量Perrは、最も簡単には、次式によって計算できる。

Perr = MC_80−MC_80_a (式1)
しかし、濃度ずれがある場合には、濃度センサ33による濃度制御用パターンの出力波形は、振幅が小さい等の変形を含むこととなる。そのため、固定的なしきい値を基準として得られる上記のデジタルパルスのパルス間隔も影響を受けてしまい、式1で計算される色ずれ量にも誤差が含まれることとなる。この誤差は、実際には20〜30μm程度であって、簡易的な色ずれ制御のためには大きな問題とならない程度であるが、色ずれの検出精度をより高めるためには、次式により、同一濃度における各色のパッチに関するパルスの立ち上がりと立ち下がりにおける時間差の平均を用いて色ずれ量Perrを計算することができる。

Perr = MC_80−(MC_80_a+MC_80_b)÷2 (式2)
さらに、各濃度における各色のパッチの出力波形から得られたパルスのうち、各濃度に関して同一濃度における各色のパッチに関するパルスの立ち上がりと立ち下がりにおける時間差の平均を求め、得られた各濃度の平均値をさらに平均化する次式によって色ずれ量Perrを計算することで、より一層検出精度を向上させることができる。

Perr = ((MC_80−(MC_80_a+MC_80_b)÷2)+
(MC_60−(MC_60_a+MC_80_b)÷2)+
(MC_40−(MC_40_a+MC_40_b)÷2)+
(MC_20−(MC_20_a+MC_20_b)÷2))÷4 (式3)
以上の説明では、濃度センサ33の出力波形(アナログ波形)から得られたデジタルパルスの立ち上がりと立ち下がりから色ずれ量を算出することとしたが、この他、濃度センサ33の出力波形のピークタイミングから色ずれ量を算出することもできる。
図5は、濃度センサ33の出力波形のピークタイミングを用いて色ずれ量を検出する方法を説明する図である。なお図5は、図4におけるパターンM1、C1を抜粋したものである。
図5において、パターンM1とパターンC1の出力波形におけるピーク値の間隔をMC_80_aとし、上記の式1によって、色ずれ量Perrを求めることができる。また、サンプル基準タイミングを任意に設定し、このサンプル基準タイミングからパターンM1のピークまでの時間をM_80とし、サンプル基準タイミングからパターンC1のピークまでの時間をC_80とする。そして、M_80およびC_80の検出値の差分をもとめ、得られた値をパターンM1、C1における出力波形のピークの間隔(MC_80)としても良い。ここで、出力波形のピークとは、パターンの重心位置を意味し、上述したデジタルパルスの立ち上がりと立ち下がりの間隔の中間値と同じ意味である。ピーク位置の検出方法としては、濃度センサ33内あるいは外部の電気回路により出力波形のピークタイミングでデジタルパルスを出力する方法や、出力波形をAD(Analog Digital)変換し、デジタルデータのピーク値出力タイミングを測定する方法を用いることができる。
さて、上記の方法により、副走査方向の色ずれに関しては検出が可能であるが、図4に示した矩形のパッチを用いた濃度制御用パターンでは、主走査方向の色ずれを検出することはできない。これは、パッチが矩形であると、主走査方向の色ずれが生じていても、濃度センサ33によって検出される出力波形には影響がなく、上述したデジタルパルスの立ち上がりや立ち下がりの時間間隔も変化しないためである。
濃度制御用パターンとして、主走査方向のどこで濃度センサ33による検出がなされるかにより出力波形の周期が変化するような形状のパッチ、言い換えると、主走査方向の位置が異なると副走査方向の長さが異なる形状のパッチを用いることにより、主走査方向の色ずれも検出することが可能となる。
図6は、主走査方向の色ずれ検出が可能な濃度制御用パターンの例を示す図である。
図6に示す濃度制御用パターンは、パッチのエッジの一方が一定の角度で傾いた台形となっており、主走査方向のどの位置で濃度センサ33による検出がなされても、その位置の副走査方向の長さが異なり、上述したデジタルパルスの立ち上がりや立ち下がりの時間間隔が変わるようになっている。この濃度制御用パターンを用いると、同一濃度における各色のパッチに関するパルスの立ち上がり(パッチの一方のエッジに対応)の時間間隔と、同パルスの立ち下がり(パッチの他方のエッジに対応)の時間間隔とを求め、その差分を求めれば、主走査方向の色ずれ量が得られることとなる。例えば、副走査方向の色ずれ量Perrを次式4で計算する場合、主走査方向の色ずれ量Lerrは、次式5により計算することができる。

Perr = ((MC_80−MC_80_a)+(MC_60−MC_60_a)+
(MC_40−MC_40_a)+(MC_20−MC_20_a))÷4 (式4)

Lerr = ((MC_80−MC_80_b)+(MC_60−MC_60_b)+
(MC_40−MC_40_b)+(MC_20−MC_20_b))÷4−Perr (式5)
なお、主走査方向の色ずれを検出可能とする濃度制御用パターンは、上記のように、パッチの形状が、主走査方向の位置が異なると副走査方向の長さが異なる形状であれば良く、具体的な形状は図6に示すものに限定されない。例えば、図6の例では、パッチの一方のエッジが一定の角度で傾いた形状としたが、両方のエッジが傾いた形状としても良い。また、傾いたエッジは直線である必要はなく、円弧やS字形としても良い。
さて、上記のようにして、濃度センサ33による濃度制御用パターンの検出結果を用いて色ずれを検出する方法について説明した。この色ずれの検出結果に基づいて色ずれ制御を実施することができる。ただし、上記の式3、4を用いて色ずれ量の検出精度の向上を図ったとしても、上述したように色ずれ量の検出結果は、濃度ずれが生じている場合には20〜30μm程度の誤差を含むこととなる。そのため、色ずれセンサ32により色ずれ制御用パターンを検出して得られる色ずれ量と比較すれば、検出精度が低いことは否めない。そこで、本実施形態による濃度制御用パターンを用いた簡易的な色ずれ制御と、色ずれ制御用パターンを用いた本来の色ずれ制御とを併用することが考えられる。
例えば、濃度制御サイクルの開始条件を画像出力枚数で規定し、本来の色ずれ制御サイクルの開始条件を機内温度の変化量で規定した場合を考える。具体的な例を挙げると、許容濃度ずれ量から導かれる濃度制御サイクルの開始条件を画像出力の枚数が100枚に達した場合とし、許容色ずれ量から導かれる色ずれ制御サイクルの開始条件を前回の色ずれ制御サイクルの実施時から機内温度が3.0度変化した場合とする。100枚連続して画像出力が行われた場合の機内温度の変化量を1.0度であるとすると、機内温度の変化率が一定であれば、300枚の連続的な画像出力が行われた場合に機内温度が3.0度変化することとなり、本来の色ずれ制御サイクルの開始条件を満たすこととなるが、この間に濃度制御サイクルが3回実施されることとなる。
この場合、制御部31は、3回の濃度制御サイクルを実施すると共に、この濃度制御サイクルを実施するたびに、濃度センサ33の出力波形に基づいて色ずれの検出を行う。ここで検出される色ずれ量は、上述したように本来の色ずれ制御における検出に比べれば検出精度が悪いが、それでも大雑把な色ずれ量を把握することは可能である。そこで、この簡易制御用に許容色ずれ量を予め設定しておき、濃度制御時の色ずれ検出によって検出された色ずれ量が簡易制御用の許容色ずれ量を超えた場合に、色ずれセンサ32および色ずれ制御用パターンを用いた本来の色ずれ制御を実施するといった制御を行うことができる。
図7は、本実施形態により、色ずれ制御に関して簡易制御と本来の制御とを併用する場合の制御の全体動作を説明するフローチャートである。
図7を参照すると、画像形成装置が起動(電源オン)されると、制御部31は、まず環境センサ34や図示しないインデックスセンサ等の各種センサ、画像出力枚数を計数するカウンタ等の情報を収集し、画像形成装置の動作状態(機内環境や出力枚数等)が濃度制御の開始条件を満たしているか否かを調べる(ステップ701)。そして、濃度制御の開始条件を満たしている場合は、濃度制御サイクルを実施する(ステップ702)。また、制御部31は、濃度制御サイクルにおいて得られた出力波形に基づいて色ずれの検出を行い、検出された色ずれ量が簡易制御用の許容色ずれ量を超えているか否かを判断する(ステップ703)。超えていなければ、ステップ701に戻り、再びセンサやカウンタ等の情報を収集して濃度制御の開始条件を判断する。
一方、ステップ703で、色ずれ量が簡易制御用の許容色ずれ量を超えている場合、次に制御部31は、検出された色ずれ量に基づいて色ずれ制御サイクルを実施する(ステップ705)。また、ステップ701で、画像形成装置の動作状態が濃度制御の開始条件を満たしていない場合、次に制御部31は、画像形成装置の動作状態が色ずれ制御の開始条件を満たしているか否かを調べる(ステップ704)。そして、色ずれ制御の開始条件を満たしている場合は、検出された色ずれ量に基づいて色ずれ制御サイクルを実施する(ステップ705)。
ステップ704で画像形成装置の動作状態が色ずれ制御の開始条件を満たしていない場合、およびステップ705で色ずれ制御サイクルが実施された後、制御部31は、画像形成装置に対する電源オフの要求の有無を確認する(ステップ706)。そして、電源オフの要求がなければ、ステップ701に戻って濃度制御の開始条件を繰り返す。一方、電源オフの要求があったならば、制御部31は画像形成装置を停止(電源オフ)させる。
以上のようにして、濃度制御が実施された場合には、濃度ずれの検出結果である出力波形を用いて色ずれに対する簡易制御を実施し、濃度制御が実施されずに色ずれ制御の開始条件を満足した場合には、本来の色ずれ制御を実施することにより、色ずれに対する簡易制御と本来の制御とを併用することができる。本来の色ずれ制御において用いられる許容色ずれ量に基づいて設定された色ずれ制御の開始条件は、上述したように、装置ごとのばらつきなどを考慮した最悪状態を想定した値である。すなわち、例えば機内温度の変化に対して色ずれが最も敏感に発生する装置で、許容ずれ量いっぱいに色ずれが発生するのに要する機内温度変化量が3.0度である、という意味である。したがって、実際には、機内温度が3.0度変化したとしても、ほとんどの装置において実際には許容ずれ量に達しない程度の小さい色ずれが発生するに留まることが多い。
上記の動作例では、色ずれ制御の開始条件である機内温度の変化量は3.0度としたが、この温度変化中に確実に濃度制御が実施され、色ずれに対する簡易制御が実施されることにより、本来の色ずれ制御サイクルの開始条件を緩和する(例えば4.0度とする)こともできる。また、濃度制御の開始条件に色ずれ制御の開始条件を包含できる場合(すなわち、色ずれ制御が実施される場合は必ず濃度制御が実施されるように開始条件が設定できる場合)は、色ずれ制御に対する開始条件を無くし、濃度ずれ制御サイクル時の色ずれ検出結果だけで、本来の色ずれ制御を実施するか否かを判断するようにしても良い。また、想定していなかった要因によって大きな色ずれが起こった場合に、色ずれ制御の開始を待たずに濃度制御において色ずれの発生を把握することができるため、異常動作時の対応にも有効である。
なお、上記の例では、濃度制御を実施した際に、濃度制御用パターンの検出結果を用いて色ずれを検出し、簡易的な色ずれ制御を実施する場合について説明した。これとは反対に、色ずれ制御を実施した際に、色ずれ制御用パターンの検出結果を用いて濃度ずれを検出し、簡易的な濃度制御を実施することも可能である。このような制御は、濃度制御の実施頻度よりも色ずれ制御の実施頻度の方が高い装置において有効である。
この場合、色ずれ制御において色ずれセンサ32により検出される色ずれ制御用パターンの検出結果を用いて、転写ベルト21に形成されたパッチの濃度を検出する。そして、最大濃度(濃度100%)の濃度が一定値に保たれているか、各濃度(80%、60%、40%、20%)の階調特性がリニアに保たれているかを判断する。検出された濃度が予め設定された最大濃度や階調特性の設定値からずれている場合、その濃度ずれ量が予め定められた許容濃度ずれ量を超えているならば、濃度制御のサイクルを実施する。この場合の基本的な処理の流れは、図7に示した処理の流れと同様である。
図8にこの場合の制御の全体動作を説明するフローチャートを示す。図8において、画像形成装置が起動(電源オン)されると、制御部31は、まず環境センサ34や図示しないインデックスセンサ等の各種センサ、画像出力枚数を計数するカウンタ等の情報を収集し、画像形成装置の動作状態(機内環境や出力枚数等)が色ずれ制御の開始条件を満たしているか否かを調べる(ステップ801)。そして、色ずれ制御の開始条件を満たしている場合は、色ずれ制御サイクルを実施する(ステップ802)。また、制御部31は、色ずれ制御サイクルにおいて得られた出力波形に基づいて濃度ずれの検出を行い、検出された濃度ずれ量が簡易制御用の許容濃度ずれ量を超えているか否かを判断する(ステップ803)。超えていなければ、ステップ801に戻り、再びセンサやカウンタ等の情報を収集して色ずれ制御の開始条件を判断する。
一方、ステップ803で、濃度ずれ量が簡易制御用の許容濃度ずれ量を超えている場合、次に制御部31は、検出された濃度ずれ量に基づいて濃度制御サイクルを実施する(ステップ805)。また、ステップ801で、画像形成装置の動作状態が色ずれ制御の開始条件を満たしていない場合、次に制御部31は、画像形成装置の動作状態が濃度制御の開始条件を満たしているか否かを調べる(ステップ804)。そして、濃度制御の開始条件を満たしている場合は、検出された濃度ずれ量に基づいて濃度ずれ制御サイクルを実施する(ステップ805)。
ステップ804で画像形成装置の動作状態が濃度制御の開始条件を満たしていない場合、およびステップ805で濃度制御サイクルが実施された後、制御部31は、画像形成装置に対する電源オフの要求の有無を確認する(ステップ806)。そして、電源オフの要求がなければ、ステップ801に戻って色ずれ制御の開始条件を繰り返す。一方、電源オフの要求があったならば、制御部31は画像形成装置を停止(電源オフ)させる。
色ずれ制御に伴って簡易的な濃度制御を実施する場合、色ずれ制御用パターンの形成が濃度100%でしか行えない場合は、濃度100%でのパッチの濃度値をチェックするようにすれば良い。仮に中間濃度でも色ずれ制御用パターンを形成することができるならば、パターンを中間濃度(80%/60%/40%/20%)で形成し、各々の濃度設定を勘案して、パッチの濃度値をチェックするようにすれば良い。
以上のように、本実施形態は、色ずれ制御と濃度制御の少なくともいずれか一方について、動的な開始条件を設定することができるため、画一的に設定された開始条件に基づいて無用な制御サイクルを実施することを防止することが可能である。これにより、画像形成装置の本来の目的である画像出力とは直接関係しない制御動作によるトナーの消費量を削減すると共に、無用な制御動作を行わないことによって装置の生産性を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、色ずれ制御用パターンを検出するための色ずれセンサ32と濃度制御用パターンを検出するための濃度センサ33とを、画像形成装置に別個に設ける構成を例として説明したが、色ずれ制御用パターンの検出と濃度制御用パターンの検出とを単一のセンサで兼用する構成の画像形成装置に対しても本実施形態を適用可能である。
また、上記の実施形態では、画像形成部にて形成された画像を一旦、中間転写体である転写ベルトに形成した後に、記録媒体(用紙等)に転写するタイプの画像形成装置を例として説明したが、本実施形態による色ずれ制御は、本実施形態の転写ベルトと同様に設けられた搬送ベルトにより記録媒体を搬送し、当該記録媒体に画像形成部が直接画像を形成するタイプの画像形成装置や、ベルトの他に中間転写体や記録媒体搬送体としてロール状部材を用いるタイプの画像形成装置に対してもそのまま適用できることは言うまでもない。
11…画像形成部、13…露光装置、21…転写ベルト、22…駆動ロール、23…一次転写ロール、24…二次転写ロール、25…バックアップロール、26…転写用紙、27…給紙カセット、28…定着器、31…制御部、32…色ずれセンサ、33…濃度センサ、34…環境センサ、40…コントローラ、41…画像処理部、42…画像出力部、43…ROM、44…RAM

Claims (1)

  1. 色ごとに形成された複数の画像を重ねて記録媒体に転写する画像形成装置であって、
    転写対象に画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部にて前記転写対象に形成される、各色について多段階の階調のパッチを並べて構成される濃度パターンを検出するためのセンサと、
    濃度ずれを補正する濃度制御を行うために前記センサによって前記濃度パターンを検出して得られた濃度検出結果である出力波形から予め設定されたしきい値を基準としてデジタルパルスを生成し、当該濃度パターンを形成する前記パッチのうち同一濃度の各色の当該パッチから得られた当該デジタルパルスにおける立ち上がりのエッジ同士の時間間隔と立ち下がりのエッジ同士の時間間隔との平均を各濃度ごとに求め、得られた各濃度の当該平均値をさらに平均し、当該平均した値と、色ずれがなく濃度が正常な場合のパッチの検出結果から得られる当該デジタルパルスの立ち上がりのエッジ同士の時間間隔または立ち下がりのエッジ同士の時間間隔とを用いて色ずれ量を算出し、算出した当該色ずれ量に応じて色ずれを補正する色ずれ制御を行う制御部と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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