JP2014109111A - 梁部材と梁部材との接合構造及び柱部材と梁部材との接合構造 - Google Patents

梁部材と梁部材との接合構造及び柱部材と梁部材との接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】木質の軸組構造体における柱や梁部材の接合構造において、ダボ構造部等の剪断荷重を受ける手段の加工や組み込みを不要とし、その分、接合する木部材の加工の手間を軽減して、簡単に施工することができる接合構造を提供する。
【解決手段】端部に接合面(10,20)を有する梁部材(1,2)を有し、梁部材の接合面(10,20)が接合された状態において、梁部材(1,2)の一方の面から、接合面(10,20)を貫通し、梁部材(1,2)の反対側の面に至る二つの交差した貫通孔(17,17a,27,27a)を形成し、各貫通孔(17,17a,27,27a)に連結ロッド(3,3a)を通して、作業用凹部(12,15,22,25)において、連結ロッド(3,3a)の両端部にナット(32)を螺合し締め付けることで梁部材(1,2)を接合した接合構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、梁部材と梁部材との接合構造及び柱部材と梁部材との接合構造に関するものである。更に詳しくは、木質の軸組構造体における柱や梁部材の接合構造において、ダボ構造部等の剪断荷重を受ける手段の加工や組み込みを不要とし、その分、接合する木部材の加工の手間を軽減して、簡単に施工することができる接合構造に関する。
例えば木質の軸組構造体は、構成部材である柱や梁等の木質部材を接合具等で接合して構築されている。このような軸組構造体は、木質の橋や屋根等の各種構造物の骨材として広く用いられている。軸組構造体の各木質部材の接合には、接合具が外部から見えないか、又は見えにくいようにした接合構造が主に使用されており、一例としては、特許文献1記載の木造建築物の構造部材の接合構造がある。
前記従来の接合構造は、二本の横架構造部材<1A,1B>と、接合面<2a,2b>に各々穿孔された金具挿通孔<4a,4b>と、金具挿通孔<4a,4b>に挿着され横架構造部材<1A,1B>を引き寄せる引寄せ金具<5>と、引寄せ金具<5>の両端部に引寄せ金具<5>の長手方向と略直角に形成された金具固定孔部<6>と、横架構造部材<1A,1B>に金具挿通孔<4a,4b>と略直角に穿孔された固定用孔<7>と、固定用孔<7>及び金具固定孔部<6>に挿着された金具固定具<8>と、横架構造部材<1A>の所定部に外周壁面から金具挿通孔<4a>にかけて形成された締付溝<9>と、を備えており、木材や集成材等の構造部材からなる木造建築物の構造強度や耐震性を向上できるとともに、引張力や水平力による接合部の接合力の低下や構造部材の変形を防止でき、木材等の痩せによる構造部材同士の接合部の緩みにも対応できるというものである。
特開2001−355287号公報
しかしながら、前記従来の接合構造には、次のような課題があった。
すなわち、接合される木部材の引き寄せについては問題ないが、接合部分に作用する剪断荷重(スラスト方向の荷重)に対して作用する反力(支持力)がないので、木部材がずれないようにするため、あるいは引き寄せ金具と木部材との間にガタが生じないようにするためには、剪断荷重を受けるダボ構造部(従来公報では大入れ部)が必要である。したがって、その分、接合する木部材の加工に手間がかかる。
また、接合構造の施工の際、引き寄せ金具を、接合する部材の柱又は梁に加工している通し穴にあらかじめ通しておく必要がある。このため、例えば対面の柱をあらかじめ建てておくことができない等、作業手順に制約を受けるため、接合箇所を順序立てて施工していく必要がある。また、全部の接合箇所を同じ接合構造で施工することができず、順序が最後の接合箇所においては、固定具の後施工が可能な別の構造の接合構造によって接合する必要があり、段取りが面倒である。解体時も、組み立てとは逆の順序で取り外す必要があり、作業の制約が多い。
(本発明の目的)
本発明は、木質の軸組構造体における柱や梁部材の接合構造において、ダボ構造部等の剪断荷重を受ける手段の加工や組み込みを不要とし、その分、接合する木部材の加工の手間を軽減して、簡単に施工することができる接合構造を提供することである。
また、本発明の他の目的は、前記目的に加えて、従来のように接合箇所を順序立てて施工する必要がなく、組み立て及び解体作業を適宜箇所から行うことができ、作業の自由度が高く施工しやすい接合構造を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
(1)本発明は、
梁部材と梁部材との接合構造であって、
端部に接合面を有する第1の梁部材と、
端部に接合面を有し前記第1の梁部材と接合される第2の梁部材と、
を有し、
前記第1の梁部材の接合面と前記第2の梁部材の接合面とが接合された状態において、
前記第1の梁部材の上面から、前記第1の梁部材の前記接合面および前記第2の梁部材の接合面を貫通し、前記第2の梁部材の下面に至る、第1の貫通孔と、
前記第2の梁部材の上面から、前記第2の梁部材の前記接合面および前記第1の梁部材の接合面を貫通し、前記第1の梁部材の下面に至る、第2の貫通孔と、
前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の梁部材と第2の梁部材を連結する第1の連結要素と、
前記第2の貫通孔に挿入されて前記第2の梁部材と第1の梁部材を連結する第2の連結要素と、
前記第1の連結要素および第2の連結要素と協働して前記第1の梁部材と第2の梁部材に接合方向に引き寄せる引き寄せ手段と、
を有し、
前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔は、所要距離を隔てて交差状態に配置されていることを含む、
梁部材と梁部材との接合構造である。
(2)本発明の梁部材と梁部材との接合構造は、
第1の梁部材の接合面と第2の梁部材の接合面の間に中間部材が配置してあり、当該中間部材は、第1の梁部材の接合面と第2の梁部材の接合面と接合する接合面を有し、第1の貫通孔と第2の貫通孔は、中間部材の前記接合面を貫通していることを含む、のが好ましく、推奨される。
(3)本発明の梁部材と梁部材との接合構造は、
第1の連結要素および第2の連結要素が、何れも両端部に雄ねじを有する連結ロッドであり、引き寄せ手段がナットである、のが好ましく、推奨される。
(4)本発明の梁部材と梁部材との接合構造は、
第1の梁部材と第2の梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた穴を有し、前記連結ロッドとナットは、前記穴の中で螺合する、のが好ましく、推奨される。
(5)本発明は、
第1の梁部材と第2の梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有し、当該座具は、前記第1の梁部材と第2の梁部材に形成された穴の中に収められている、のが好ましく、推奨される。
(6)本発明は、
第1の梁部材と第2の梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有し、当該座具は、前記第1の梁部材と第2の梁部材の表面に配置されている、のが好ましく、推奨される。
(7)本発明は、
柱部材と梁部材との接合構造であって、
端部に接合面を有する梁部材と、
当該梁部材の接合面と直交する面に前記梁部材と接合される接合面を備える柱部材と、
を有し、
前記梁部材の接合面と前記柱部材の接合面とが接合された状態において、
前記梁部材の上面から、前記梁部材の前記接合面および前記柱部材の接合面を貫通し、前記柱部材の接合面と反対側の面に至る、第1の貫通孔と、
前記柱部材の接合面と反対側の面から、前記柱部材の接合面および前記梁部材の接合面を貫通し、前記梁部材の下面に至る、第2の貫通孔と、
前記第1の貫通孔に挿入されて前記柱部材と梁部材を連結する第1の連結要素と、
前記第2の貫通孔に挿入されて前記梁部材と柱部材を連結する第2の連結要素と、
前記第1の連結要素および第2の連結要素と協働して前記第1の梁部材と第2の梁部材に接合方向に引き寄せる引き寄せ手段と、
を有し、
前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔は、所要距離を隔てて交差状態に配置されていることを含む、
柱部材と梁部材との接合構造である。
(8)本発明の柱部材と梁部材との接合構造は、
柱部材の両側に、同じ高さの位置に配置されている梁部材を有する、のが好ましく、推奨される。
(9)本発明の柱部材と梁部材との接合構造は、
第1の連結要素および第2の連結要素が、何れも両端部に雄ねじを有する連結ロッドであり、引き寄せ手段がナットである、のが好ましく、推奨される。
(10)本発明の柱部材と梁部材との接合構造は、
柱部材と梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた穴を有し、前記連結ロッドとナットは、前記穴の中で螺合する、のが好ましく、推奨される。
(11)本発明は、
柱部材と梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有し、当該座具は、前記柱部材と梁部材に形成された穴の中に収められている、のが好ましく、推奨される。
(12)本発明は、
柱部材と梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有し、当該座具は、前記柱部材と梁部材の表面に配置されている、のが好ましく、推奨される。
(作用)
本発明に係る梁部材と梁部材との接合構造及び柱部材と梁部材との接合構造の作用を説明する。
すなわち、施工後に第1の梁部材と第2の梁部材に作用する引き寄せ方向の荷重と、接合面に作用する剪断方向の荷重を、斜めに交差した連結要素に作用する引っ張り力の分力で分担して支えることができる。
これにより、接合面に上下方向の何れかに剪断方向の荷重が作用したときは、その力と反対方向の分力で受けることができるので、従来のように剪断荷重を受けるためのダボ構造部等を別に形成する必要がない。したがって、その分、接合する木部材の加工の手間を軽減することができ、施工もより簡単にできる。
また、接合構造の施工の際、接合する梁部材等の接合面を合わせた後、貫通孔に連結要素を差し込み、連結要素による連結作業ができる。これにより、従来のように、引き寄せ金具を、接合する部材の柱又は梁に加工している通し穴にあらかじめ通しておく必要がない。
したがって、接合作業にあたり、必ずしも接合箇所を順序立てて施工していく必要はなく、作業手順に制約を受けにくい。また、全部の接合箇所を同様の接合構造で施工することができるので、作業の段取りが容易である。更に、解体時も、必ずしも組み立てと逆の順序で取り外す必要はなく、適宜箇所から作業を行うことができるので、効率的な作業ができる。
また、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有するものは、座具を各部材の穴の中に収め、あるいは表面に固定することにより、ナットの締め付け力を分散することができる。したがって、座具を使用せず、各部材のナットの座面となる部分にナットの締め付け力が集中して作用する場合に比べて、木部の凹みや変形を軽減できる。これにより、接合構造の構築後の締め付け部の緩みや破損等を防止することができ、これに起因する木構築物の変形や強度の低下等を防止できる。
本発明は、木質の軸組構造体における柱や梁部材の接合構造において、ダボ構造部等の剪断荷重を受ける手段の加工や組み込みを不要とし、その分、接合する木部材の加工の手間を軽減でき、簡単に施工することができる接合構造を提供することができる。
また、本発明は、接合構造の施工の際、接合する梁部材等の接合面を合わせた後、貫通孔に連結要素を差し込み、連結要素による連結作業ができる。これにより、従来のように必ずしも接合箇所を順序立てて施工する必要がなく、組み立て及び解体作業を適宜箇所から行うことができるので、作業の自由度が高く施工しやすい接合構造を提供することができる。
連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有するものは、座具によってナットの締め付け力を分散することができる。したがって、座具を使用せず、各部材のナットの座面となる部分にナットの締め付け力が集中して作用する場合に比べて、木部の凹みや変形を軽減できるので、接合構造の構築後の締め付け部の緩みや破損等を防止し、これに起因する木構築物の変形や強度の低下等を防止できる。
本発明に係る接合構造の第1実施の形態を示す斜視説明図。 図1に示す接合構造の正面視説明図。 図1に示す接合構造の側面視説明図。 本発明に係る接合構造の第2実施の形態を示す斜視説明図。 図4におけるx方向の説明図。 図4におけるy方向の説明図。 本発明に係る接合構造の第3実施の形態を示す斜視説明図。 図7におけるx方向の説明図。 図7におけるy方向の説明図。 本発明に係る接合構造の第4実施の形態を示し、(a)は平面視説明図、(b)は(a)のA−A断面図。 本発明に係る接合構造の第5実施の形態を示す正面視説明図。 本発明に係る接合構造の有効性を説明するための木構造物の説明図。 本発明に係る接合構造の第6実施の形態を示し、(a)は接合構造の説明図、(b)は接合構造で使用している座具の第1例を示す斜視図。 座具の第2例を示し、(a)は使用状態を示す説明図、(b)は斜視図。 座具の第3例を示し、(a)は使用状態を示す説明図、(b)は斜視図。 座具の第4例を示し、(a)は使用状態を示す説明図、(b)は斜視図。
〔実施の形態〕
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1ないし図3を参照して、接合構造の第1実施の形態を説明する。なお、図1ないし図3及び後記する図4ないし図9及び図11においては、図面を見やすくするために各連結ロッドを実線で表している。
接合構造J1は、第1の梁部材1と第2の梁部材2とを接ぎ合わせる接合構造である。
接合構造J1は、やや扁平な四角柱状の梁部材1と梁部材2を有し、梁部材1と梁部材2は個々では互いに同一構造、木口である接合面10、20同士を当接させた状態で対称構造を有している。接合面10、20は、梁部材1と梁部材2の長手方向と直交する長方形状の切断面で形成されている。
梁部材1と梁部材2は、一方の面(図1ないし図3では上面)11、21において、接合面10、20からやや離れた位置に作業用凹部12、22が形成されている。作業用凹部12、22の形状は、穴口が梁部材1と梁部材2の長手方向にやや長い長方形状で正面視でV字形である。本実施の形態では、作業用凹部12、22において接合面10、20に近い側の座面である傾斜面13、23の角度は、梁部材1と梁部材2の長手方向に対し45°に設定されている。
また、梁部材1と梁部材2は、他方の面(図1ないし図3では下面)14、24において、接合面10、20からやや離れた位置に作業用凹部15、25が形成されている。作業用凹部15、25は、前記作業用凹部12、22とは、梁部材1と梁部材2の厚み方向(図3において左右方向)において、ややずらしてある。なお、前記作業用凹部12、25は、梁部材1と梁部材2の正面(図3において左側)18、28寄りに形成され、作業用凹部15、22は、梁部材1と梁部材2の背面(図3において右側)19、29寄りに形成されている(図1参照)。
作業用凹部15、25の形状は、穴口が梁部材1と梁部材2の長手方向にやや長い長方形状で正面視でV字形である。本実施の形態では、作業用凹部15、25において接合面10、20に近い側の座面である傾斜面16、26の角度は、梁部材1と梁部材2の長手方向に対し45°に設定されている。なお、前記傾斜面13、23及び傾斜面16、26の角度は、前記角度に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
更に、第1の梁部材1には、前記作業用凹部12の傾斜面13と接合面10の間に、梁部材1の長手方向に対し45°で傾斜した貫通孔17が形成されており、前記作業用凹部15の傾斜面16と接合面10の間に、梁部材1の長手方向に対し45°で傾斜(前記貫通孔17とは反対に傾斜)した貫通孔17aが形成されている。
貫通孔17、17aの傾斜面13、16側の孔口170、172とつながる接合面10側の孔口171、173は、梁部材1の厚み方向にほぼ接するように並設されている。
また、第2の梁部材2には、前記作業用凹部25の傾斜面26と接合面20の間に、梁部材2の長手方向に対し45°で傾斜した貫通孔27が形成されており、前記作業用凹部25の傾斜面26と接合面20の間に、梁部材2の長手方向に対し45°で傾斜(前記貫通孔27とは反対に傾斜)した貫通孔27aが形成されている。
貫通孔27、27aの傾斜面23、26側の孔口270、272とつながる接合面20側の孔口271、273は、梁部材2の厚み方向にほぼ接するように並設されている。
そして、梁部材1と梁部材2は、接合面10、20同士を当接させた状態で、接合面10の孔口171、173は、接合面20の孔口271、273と合わさり、貫通孔17と貫通孔27aがつながって直線状の孔となり、貫通孔17aと貫通孔27がつながって直線状の孔となる。また、貫通孔17と貫通孔17a、及び貫通孔27と貫通孔27aは、それぞれ交点でほぼ接するように直交状態に配置されているが、所要距離を隔てた状態に配置してもよいし、交差する角度も適宜設定することができる。
つながった貫通孔17と貫通孔27a及び貫通孔17aと貫通孔27には、それぞれ連結要素である連結ロッド3、3aが通されている。連結ロッド3、3aは、両端側に雄ネジ30を有している。連結ロッド3、3aの長さは、貫通孔17と貫通孔27a及び貫通孔17aと貫通孔27に通したときに、両端側の雄ネジ30が梁部材1の孔口170、172及び梁部材2の孔口270、272からやや突出する長さに形成されている。
そして、連結ロッド3、3aの両端部の各雄ネジ30には、四角形状の座金31が嵌め入れられ、引き寄せ手段であるナット32が螺合されている。各ナット32を締め込むことにより、第1の梁部材1と第2の梁部材2は互いに引き寄せられ、接合面10、20は強く密着する。これにより、梁部材1と梁部材2は接合される。
なお、各連結ロッド3、3aと各貫通孔17、17a、27、27aの間の空隙(符号省略)に起因する変形を防止するため、あるいは接合構造J1の強度を更に高めるために、エポキシ樹脂等の高強度樹脂を連結ロッド3、3a周りの空隙に充填することもできる。また、高強度樹脂を充填することができる点については、後記する各接合構造J2、J3、J4、J5又はJ6も同様である。
(接合構造J1の作用)
図1ないし図3及び図12を参照して、接合構造J1の作用を説明する。
すなわち、第1の梁部材1と第2の梁部材2を接合した接合構造J1においては、梁部材1と梁部材2に作用する引き寄せ方向の荷重と、接合面10、20に作用する剪断方向の荷重を、斜めに交差した連結ロッド3、3aに作用する引っ張り力の分力で分担して支えることができる。
これにより、接合面10、20に上下方向の何れかに剪断方向の荷重が作用したときは、その力と反対方向の分力で受けることができる。したがって、従来のように剪断荷重を受けるためのダボ構造部等を別に形成する必要がなく、その分、接合する梁部材1と梁部材2の加工の手間を軽減することができ、施工もより簡単にできる。
ここで、図12を参照して、接合構造J1の有効性を説明する。
図12においては、説明の便宜上、前記した接合構造J1の他に、後記する接合構造J2、J3も採用した形態で木構造物Wを表している。なお、接合構造J2、J3については、接合する部材の方向や向きが図示した実施の形態と異なっていても、実質的に接合構造J2、J3と同等の構造のものは接合構造J2、J3として表している。
図12に示した各接合構造J1、J2、J3の施工の際は、接合する部材の接合面を合わせた後は、どの接合構造からでも、例えば各貫通孔17、17a、27、27aに連結ロッド3、3aを差し込み、連結ロッド3、3a及びナット32による連結作業を行うことができる。
したがって、各部材の接合作業を行うにあたり、例えば対面の柱をあらかじめ建てておくことができない等、作業手順に制約を受けることが少なく、必ずしも接合箇所を順序立てて施工していく必要はない。また、全部の接合箇所を本発明に係る接合構造J1、J2、J3で施工することができるので、作業の段取りを容易に行うことができる。更に、解体時においても、必ずしも組み立てと逆の順序で取り外す必要はなく、適宜箇所から作業を行うことができるので、効率的な作業ができる。
図4ないし図6を参照して、接合構造の第2実施の形態を説明する。
接合構造J2は、柱部材4と第3の梁部材5と第4の梁部材6とを接ぎ合わせる接合構造である。
接合構造J2は、四角柱状の柱部材4と、やや扁平な四角柱状の第3の梁部材5と第4の梁部材6とを有し、柱部材4の隣り合う接合面である側面48、49の同じ高さに各梁部材5、6の接合面である接合面50、60を当接させた状態で接合される。接合面50、60は、梁部材5と梁部材6の長手方向と直交する長方形状の切断面で形成されている。
まず、図4においてx方向の接合構造、つまり柱部材4と第3の梁部材5の接合構造について説明する(図5参照)。なお、図4においては、後記する連結ロッド3b、3cと、同じく後記するy方向の接合構造に使用する連結ロッド3d、3eとを区別しやすいように、後者をグレー様に彩色して表している。
柱部材4の一方の側面(図5では左側面、側面48の反対側の面)41には、上下二箇所に所要の間隔をおいて作業用凹部42、43が形成されている。作業用凹部42、43は、梁部材5が接合される位置よりやや高い位置とやや低い位置に形成されている。作業用凹部42、43は、柱部材4の厚み方向(図5において奥行き方向)において、ややずらしてある。
梁部材5の一方の面(図4ないし図6で上面)において、接合面50からやや離れた位置に作業用凹部51が形成されており、梁部材5の他方の面(図4ないし図6で下面)において、接合面50からやや離れた位置に作業用凹部52が形成されている。作業用凹部51、52は、柱部材4の厚み方向(図5において奥行き方向)において、ややずらしてある。
前記作業用凹部42、43及び作業用凹部51、52の形状は、穴口が柱部材4と梁部材5、6の長手方向にやや長い長方形状でy方向視でV字形である。本実施の形態では、柱部材4の作業用凹部42、43において、接合される梁部材5に近い側の座面である傾斜面44、45の角度は、柱部材4の長手方向に対し45°に設定されている。
また、梁部材5の作業用凹部51、52において、接合面50に近い側の座面である傾斜面54、55の角度は、梁部材5の長手方向に対し45°に設定されている。なお、前記傾斜面44、45及び傾斜面54、55の角度は、前記角度に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
柱部材4には、前記作業用凹部42の傾斜面44と側面48の間に、柱部材4の長手方向に対し45°で傾斜した貫通孔47が形成されており、前記作業用凹部43の傾斜面45と側面48の間に、柱部材4の長手方向に対し45°で傾斜(前記貫通孔47とは反対に傾斜)した貫通孔47aが形成されている。
貫通孔47、47aの傾斜面44、45側の孔口470、472とつながる側面48側の孔口471、473は、柱部材4の厚み方向にほぼ接するように並設されている。
また、第3の梁部材5には、前記作業用凹部51の傾斜面54と接合面50の間に、梁部材5の長手方向に対し45°で傾斜した貫通孔57が形成されており、前記作業用凹部51の傾斜面54と接合面50の間に、梁部材5の長手方向に対し45°で傾斜(前記貫通孔47とは反対に傾斜)した貫通孔57aが形成されている。
貫通孔57、57aの傾斜面54、55側の孔口570、572とつながる接合面50側の孔口571、573は、梁部材5の厚み方向にほぼ接するように並設されている。
そして、柱部材4と梁部材5は、側面48と接合面50を当接させた状態で、接合面50の孔口571、573は、側面48の孔口470、472と合わさり、貫通孔47と貫通孔57aがつながって直線状の孔となり、貫通孔47aと貫通孔57がつながって直線状の孔となる。また、貫通孔47と貫通孔47a、及び貫通孔57と貫通孔57aは、それぞれ交点でほぼ接するように直交状態に配置されているが、所要距離を隔てた状態に配置してもよいし、交差する角度も適宜設定することができる。
つながった貫通孔47と貫通孔57a及び貫通孔47aと貫通孔57には、それぞれ連結要素である連結ロッド3b、3cが通されている。連結ロッド3b、3cは、両端側に雄ネジ30を有している。連結ロッド3b、3cの長さは、貫通孔47と貫通孔57a、及び貫通孔47aと貫通孔57に通したときに、両端側の雄ネジ30が柱部材4の孔口470、472、及び梁部材5の孔口570、572からやや突出する長さに形成されている。
そして、連結ロッド3b、3cの両端部の各雄ネジ30には、四角形状の座金31が嵌め入れられ、引き寄せ手段であるナット32が螺合されている。各ナット32を締め込むことにより、柱部材4と第3の梁部材5は互いに引き寄せられ、側面48と接合面50は強く密着する。これにより、柱部材4と梁部材5は接合される。
次に、図4においてy方向の接合構造、つまり柱部材4と第4の梁部材6の接合構造について説明する(図6参照)。
柱部材4の他方の側面(図6では右側面、側面49の反対側の面)46には、上下二箇所に所要の間隔をおいて作業用凹部42a、43aが形成されている。作業用凹部42a、43aは、梁部材6が接合される位置より高い位置と低い位置(作業用凹部42aは前記作業用凹部42より高く、作業用凹部43aは前記作業用凹部43より低い位置)に形成されている。作業用凹部42a、43aは、柱部材4の厚み方向(図6において奥行き方向)において、ややずらしてある。
梁部材6の一方の面(図4ないし図6で上面)において、接合面60からやや離れた位置に作業用凹部61が形成されており、梁部材6の他方の面(図4ないし図6で下面)において、接合面60からやや離れた位置に作業用凹部62が形成されている。作業用凹部61、62は、柱部材4の厚み方向(図6において奥行き方向)において、ややずらしてある。
前記作業用凹部42a、43a及び作業用凹部61、62の形状は、穴口が柱部材4と梁部材5、6の長手方向にやや長い長方形状でx方向視でV字形である。本実施の形態では、柱部材4の作業用凹部42a、43aにおいて、接合される梁部材6に近い側の座面である傾斜面44a、45aの角度は、柱部材4の長手方向に対し45°に設定されている。
また、梁部材6の作業用凹部61、62において、接合面60に近い側の座面である傾斜面64、65の角度は、梁部材6の長手方向に対し45°に設定されている。なお、前記傾斜面44a、45a及び傾斜面64、65の角度は、前記角度に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
柱部材4には、前記作業用凹部42aの傾斜面44aと側面49の間に、柱部材4の長手方向に対し45°で傾斜した貫通孔47bが形成されており、前記作業用凹部43aの傾斜面45aと側面49の間に、柱部材4の長手方向に対し45°で傾斜(前記貫通孔47bとは反対に傾斜)した貫通孔47cが形成されている。貫通孔47b、47cの傾斜面44a、45a側の孔口474、476とつながる側面49側の孔口475、477は、上下方向にやや距離をおいて形成されている。
また、第4の梁部材6には、前記作業用凹部61の傾斜面64と接合面60の間に、梁部材6の長手方向に対し45°で傾斜した貫通孔67が形成されており、前記作業用凹部62の傾斜面65と接合面60の間に、梁部材6の長手方向に対し45°で傾斜(前記貫通孔67とは反対に傾斜)した貫通孔67aが形成されている。貫通孔67、67aは、梁部材6の内部で直交するように近接配置されている。貫通孔67、67aの傾斜面64、65側の孔口674、676とつながる接合面60側の孔口675、677は、上下方向にやや距離をおいて形成されている。
そして、柱部材4と梁部材6は、側面49と接合面60を当接させた状態で、接合面60の孔口675、677は、側面49の孔口475、477と合わさり、貫通孔47bと貫通孔67aがつながって直線状の孔となり、貫通孔47cと貫通孔67がつながって直線状の孔となる。また、梁部材6の貫通孔67と貫通孔67aは、直交状態に配置されているが、交差する角度は適宜設定することができる。
つながった貫通孔47bと貫通孔67a及び貫通孔47cと貫通孔67には、それぞれ連結要素である連結ロッド3d、3eが通されている。連結ロッド3d、3eは、両端側に雄ネジ30を有している。連結ロッド3d、3eの長さは、貫通孔47bと貫通孔67a、及び貫通孔47cと貫通孔67に通したときに、両端側の雄ネジ30が柱部材4の孔口474、476、及び梁部材6の孔口674、676からやや突出する長さに形成されている。
そして、連結ロッド3b、3cの両端部の各雄ネジ30には、四角形状の座金31が嵌め入れられ、引き寄せ手段であるナット32が螺合されている。各ナット32を締め込むことにより、柱部材4と第4の梁部材6は互いに引き寄せられ、側面49と接合面60は強く密着する。これにより、柱部材4と梁部材6は接合される。
なお、連結ロッド3d、3e(図4ではグレー様に彩色して表している)は、図4に示すように、連結ロッド3b、3cの外側(上下側)にずれるようにして配置されている。
(接合構造J2の作用)
図4ないし図6を参照して、接合構造J2の作用を説明する。
すなわち、柱部材4と梁部材5、6を接合した接合構造J2においては、柱部材4と梁部材5、6に作用する引き寄せ方向の荷重と、接合面48、49と接合面50、60に作用する剪断方向の荷重を、斜めに交差した連結ロッド3b、3c及び連結ロッド3d、3eに作用する引っ張り力の分力で分担して支えることができる。
これにより、接合面48、49と接合面50、60に上下方向の何れかに剪断方向の荷重が作用したときは、その力と反対方向の分力で受けることができる。したがって、従来のように剪断荷重を受けるためのダボ構造部等を別に形成する必要がなく、その分、接合する柱部材4と梁部材5、6の加工の手間を軽減することができ、施工もより簡単にできる。
図7ないし図9を参照して、接合構造の第3実施の形態を説明する。
本実施例の接合構造J3は、前記した接合構造J2の柱部材4の各側面48、49に対する各梁部材5、6の接合に加えて、更に平面視において柱部材4を中心として各梁部材が十文字を形成するように、各側面41、46に梁部材7、8を接合した構造である。
そして、側面41に対する梁部材8の接合構造は、前記した側面48に対する梁部材5の接合構造と柱部材4の中心軸を軸とする線対称型であり、実質的に同じ構造である。また、側面46に対する梁部材7の接合構造は、前記した側面49に対する梁部材6の接合構造と柱部材4の中心軸を軸とする線対称型であり、実質的に同じ構造である。
したがって、図7ないし図9においては、図4ないし図6に示した接合構造J2の各部と対応する前記以外の同等箇所に同じ符号を付して示し、構造の説明については、前記した接合構造J2の説明を援用する。
また、接合構造J3の作用については、柱部材4と各梁部材5、6、7、8の接合構造が、前記した接合構造J2の柱部材4と各梁部材5、6の接合構造と同様であり、実質的に同様の作用を有するので、説明を省略する。
なお、図7ないし図9において、特に図7の斜視図の各部の符号は、図面を見やすくするために、必要最小限の代表的な符号のみを表している。また、図7においては、前記図4と同様に、x方向の接合構造の二組の連結ロッド3b、3cと、y方向の接合構造の二組の連結ロッド3d、3eとを区別しやすいように、後者をグレー様に彩色して表している。
図10を参照して、接合構造の第4実施の形態を説明する。
接合構造J4は、大屋根のシェル構造における接合構造であり、図10(a)に示すように、接合構造の基体となる断面四角形状の基梁部材40のほぼ同じ箇所の両側面に、片側二本ずつ、合計四本の梁部材5a、6a、7a、8aを所要の角度で交差させて接合したものである。
接合構造J4は、前記した接合構造J1とは、各梁部材を交差した連結ロッドで接合する点では共通しているが、接合構造J1が梁部材1、2の接合面10、20を直に当接させて接合しているのに対し、接合構造J4では図10(b)に示すように、梁部材5a、7aの接合面50a、70aの間に基梁部材40を介在させた形態となっている。
すなわち、接合面50a、70aが基梁部材40の側面401、402に当接し、基梁部材40の内部で交差する貫通孔407、407aは、梁部材5a、7aの上下面まで貫通し、貫通孔407、407aに通された連結ロッド3m、3nにより接合されている点が異なっている。
連結ロッド3m、3nが交差する角度も、接合構造J1の連結ロッド3、3aのように直交するのではなく、鈍角側で約110°の角度に設定され、図10(b)に示すように、連結ロッド3、3aよりやや長いスパンで配置されている。これにより、基梁部材40と梁部材5a、7aは、接合箇所が二箇所あることを除けば、接合構造J1の梁部材1、2の場合と実質的に同様に連結ロッド3m、3nによって接合される。
また、接合構造J4においては、前記した基梁部材40に梁部材5a、7aを接合する構造と、基梁部材40に梁部材6a、8aを接合する構造が対となっており、後者は前者と同じ接合構造である。
(接合構造J4の作用)
接合構造J4は、梁部材5aと梁部材6a及び梁部材7aと梁部材8aに作用する引き寄せ方向の荷重と、接合面に作用する剪断方向の荷重を、斜めに交差した連結ロッド3m、3nに作用する引っ張り力の分力で分担して支えることができる点は、前記した接合構造J1と同様である。また、梁部材5a、6aの各接合面50a、70aの間、及び梁部材7a、8aの間に基梁部材40を挟んで一体化して接合した構造であり、本実施の形態のように木構築物である大屋根のシェル構造における各部材の接合に特に有用である。
図11を参照して、接合構造の第5実施の形態を説明する。
接合構造J5は、ラーメン構造であり、柱部材4aの一対の平行位置にある側面49、46に梁部材6b、7bを同じ高さで同一直線上に、連結ロッド3q、3r及び連結ロッド3s、3tで接合した構造である。
接合構造J5の構造は、前記接合構造J3の柱部材4に梁部材6、7を接合した構造を基本とし、更に連結ロッド3q、3r及び連結ロッド3s、3tが交差する角度を、接合構造J3の連結ロッド3b、3c及び連結ロッド3d、3eのように直交するのではなく、鈍角側で約110°の角度に設定し、図11に示すように、連結ロッド3b、3c及び連結ロッド3d、3eよりやや長いスパンで配置されている。
また、連結ロッド3q、3rは、一方の梁部材6bの接合面60bの上下端部又はその近傍を通るように配置してあり、連結ロッド3s、3tは、他方の梁部材7bの接合面70bの上下端部又はその近傍を通るように配置してある。
(接合構造J5の作用)
接合構造J5は、柱部材4aと梁部材6b、7bに作用する引き寄せ方向の荷重と、接合面46、49と接合面60b、70bに作用する剪断方向の荷重を、斜めに交差した連結ロッド3q、3r及び連結ロッド3s、3tに作用する引っ張り力の分力で分担して支えることができる点は、前記した接合構造J3と同様である。
更に、連結ロッド3q、3r及び連結ロッド3s、3tが、前記したように梁部材の接合面の上下端部又はその近傍を通るように配置してあり、しかもより長いスパンで配置されていることで、梁部材の接合部をよりしなやかにして、曲げ耐力を増大させている。
図13を参照して、接合構造の第6実施の形態及びそれに使用する座具の第1例を説明する。
接合構造J6は、前記接合構造J1と、交差した連結ロッド3、3aを使用して梁部材1a、2aを接合した点は同様であるが、作業用凹部12a、15a、22a、25aの形状が、接合構造J1の作業用凹部12、15、22、25と異なる点と、連結ロッド3、3aのナット32を締め付けるための座部として、金属製の座具9を作業用凹部12a、15a、22a、25aに収容して使用している点が異なっている。
すなわち、作業用凹部12a、15a、22a、25aは、直方体状の穴(空隙)となっており、貫通孔17、17a、27、27aは、作業用凹部12a、15a、22a、25aの接合面10、20に近い側の角部から接合面10、20へ向け形成されている。そして、作業用凹部12a、15a、22a、25aには、座具9が収容されている。
座具9は、十分な強度を有する金属製であり、長方形状の横板90と、横板90の一端に直角に形成された縦板91と、横板90と縦板91に45°の角度で掛けられた座板92を有している。座板92の中央には円形の通孔93が形成されており、横板90と縦板91が形成する角部には、通孔94が形成されている。
座具9は、横板90を作業用凹部12a、15a、22a、25aの底面120、150、220、250に当接させ、縦板91を内側面121、151、221、251に当接させて収容される。貫通孔17、27aに通された連結ロッド3、及び貫通孔17a、27に通された連結ロッド3aは、各座具9の座板92を座部としてナット32を雄ネジ30に螺合し締め付けて固定されている。
(接合構造J6の作用)
接合構造J6においては、座具9を作業用凹部12a、15a、22a、25aの中に収めることにより、ナット32の締め付け力を分散することができる。詳しくは、横板90が底面120、150、220、250を押す力と、縦板91が内側面121、151、221、251を押す力に分散され、しかも前記押す力が作用する面は比較的広い。
したがって、座具9を使用せず、各部材のナット32の座面となる部分にナット32の締め付け力が集中して作用する場合に比べて、木部の凹みや変形を軽減できる。これにより、接合構造J6の構築後の締め付け部の緩みや破損等を防止することができ、これに起因する木構築物の変形や強度の低下等を防止できる。
図14を参照して、座具の第2例を説明する。
座具9aは、金属製であり、接合構造J6において各座具9の代替として使用できる。
座具9aは、長方形状の横板90aと、横板90aの一端に直角に形成された縦板91aとを有している。横板90aの縦板91a側の面には、中間で直角に、且つ山型に曲げて形成された座板92aと支持板95が固着されている。
座板92aは、横板90aに対し45°の角度に設定されている。また、座板92aの中央には円形の通孔93aが形成されており、横板90aの支持板95寄りには、支持板95と平行な斜め方向に通孔96が形成されている。
座具9aは、横板90aを作業用凹部12a、15a、22a、25a(図14(a)では作業用凹部22aを図示)の底面120、150、220、250(図14(a)では底面220を図示)に当接させ、縦板91を内側面121、151、221、251(図14(a)では内側面221を図示)に当接させて収容される。
貫通孔17、27aに通された連結ロッド3、及び貫通孔17a、27に通された連結ロッド3aは、各座具9aの座板92aを座部としてナット32を雄ネジ30に螺合し締め付けて固定されている。なお、必要であれば、図14(a)に示すように、作業用凹部12a、15a、22a、25a(図14(a)では作業用凹部22aを図示)に蓋100を被せることもできる。
なお、座具9aの作用については、前記座具9と実質的に同様であるので、説明は省略する。
図15を参照して、座具の第3例を説明する。
なお、座具9bは、各梁部材(図15(a)では梁部材2bを図示)の表面に取り付ける仕様であり、各梁部材には作業用凹部が形成されない。したがって、各貫通孔(図15(a)では貫通孔27を図示)の孔口は、各梁部材の上面及び下面に開口している。
座具9bは、金属製であり、長方形状の横板90bと、横板90bの一端に直角に形成された縦板91bとを有している。横板90bの縦板91bとは反対側の面には、中間で直角に、且つ山型に曲げて形成された座板92bと支持板95bが固着されている。
座板92bは、横板90bに対し45°の角度に設定されている。また、座板92bの中央には円形の通孔93bが形成されており、横板90bの縦板91b寄りには、支持板95bと平行な斜め方向に通孔96bが形成されている。
座具9bは、各梁部材の各貫通孔(図15(a)では貫通孔27を図示)の孔口270bに前記通孔96bを合わせるようにして縦板91bを表面に打ち込み、横板90bを梁部材の表面に密着させて固定する。そして、各貫通孔に連結ロッド(図15(a)では連結ロッド3aを図示)を通し、各連結ロッドは、各座具9bの座板92bを座部としてナット32を雄ネジ30に螺合し締め付けて固定されている。
なお、座具9bは、前記座具9、9aと同様にナット32による締め付け力を分散できる作用を有する。また、座具9bは、前記したように梁部材等の木部材の表面に直接固定する構造であるため、前記座具9、9aとは相違して、木部材側に作業用凹部等の収容部を必要としないので、接合構造を簡略化できる利点がある。
図16を参照して、座具の第4例を説明する。
なお、座具9cは、前記座具9bと同様に、各梁部材(図16(a)では梁部材2bを図示)の表面に取り付ける仕様であり、各梁部材には作業用凹部が形成されない。したがって、各貫通孔(図16(a)では貫通孔27を図示)の孔口は、各梁部材の上面及び下面に開口している。
座具9cは、金属製であり、長方形状の横板90cと、横板90bの両端に直角に形成された縦板91c、97cを有している。横板90cの縦板91c、97cとは反対側の面の中央よりやや縦板91c寄りには、中間で直角に、且つ山型に曲げて形成された座板92cと支持板95cが固着されている。
座板92cは、横板90cに対し45°の角度に設定されている。また、座板92cの中央には円形の通孔93cが形成されており、横板90bの座板92cと支持板95c下方には、支持板95cと平行な斜め方向に通孔96cが形成されている。
座具9cは、各梁部材の各貫通孔(図16(a)では貫通孔27を図示)の孔口270cに前記通孔96cを合わせるようにして縦板91c、97cを表面に打ち込み、横板90cを梁部材の表面に密着させて固定する。そして、各貫通孔に連結ロッド(図16(a)では連結ロッド3aを図示)を通し、各連結ロッドは、各座具9cの座板92cを座部としてナット32を雄ネジ30に螺合し締め付けて固定されている。
なお、座具9cの作用については、梁部材等の木部材に対する固定力がより強くなる以外は、前記した座具9bと実質的に同様であるので、説明は省略する。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形が可能であるということは言うまでもない。
J1 接合構造
1 梁部材
10 接合面
11 面
12 作業用凹部
13 傾斜面
14 面
15 作業用凹部
16 傾斜面
17 貫通孔
17a 貫通孔
170、171、172、173 孔口
18 正面
19 背面
2 梁部材
20 接合面
21 面
22 作業用凹部
23 傾斜面
24 面
25 作業用凹部
26 傾斜面
27 貫通孔
27a 貫通孔
270、271、272、273 孔口
28 正面
29 背面
3、3a 連結ロッド
30 雄ネジ
31 座金
32 ナット
J2 接合構造
3b、3c 連結ロッド
3d、3e 連結ロッド
4 柱部材
42、42a 作業用凹部
43、43a 作業用凹部
44、44a 傾斜面
45、45a 傾斜面
47、47a 貫通孔
47b、47c 貫通孔
470、471、472、473、474、475、476 孔口
48 側面
49 側面
5 梁部材
50 接合面
51 作業用凹部
52 作業用凹部
54、55 傾斜面
57、57a 貫通孔
570、571、572、573 孔口
6 梁部材
60 接合面
61 作業用凹部
62 作業用凹部
64、65 傾斜面
67、67a 貫通孔
674、675、676、677 孔口
J3 接合構造
7 梁部材
8 梁部材
J4 接合構造
3m、3n 連結ロッド
5a、7a 梁部材
50a、70a 接合面
6a、8a 梁部材
40 基梁部材
401、402 側面
407、407a 貫通孔
J5 接合構造
3q、3r 連結ロッド
3s、3t 連結ロッド
4a 柱部材
6b、7b 梁部材
60b、70b 接合面
J6 接合構造
9 座具
12a、15a 作業用凹部
22a、25a 作業用凹部
90 横板
91 縦板
92 座板
93 通孔
94 通孔
120、150 底面
121、151 内側面
220、250 底面
221、251 内側面
9a 座具
90a 横板
91a 縦板
92a 座板
93a 通孔
95 支持板
96 通孔
100 蓋
9b 座具
90b 横板
91b 縦板
92b 座板
93b 通孔
95b 支持板
96b 通孔
2b 梁部材
270b 孔口
9c 座具
90c 横板
91c 縦板
92c 座板
93c 通孔
95c 支持板
96c 通孔
270c 孔口

Claims (12)

  1. 梁部材と梁部材との接合構造であって、
    端部に接合面を有する第1の梁部材と、
    端部に接合面を有し前記第1の梁部材と接合される第2の梁部材と、
    を有し、
    前記第1の梁部材の接合面と前記第2の梁部材の接合面とが接合された状態において、
    前記第1の梁部材の上面から、前記第1の梁部材の前記接合面および前記第2の梁部材の接合面を貫通し、前記第2の梁部材の下面に至る、第1の貫通孔と、
    前記第2の梁部材の上面から、前記第2の梁部材の前記接合面および前記第1の梁部材の接合面を貫通し、前記第1の梁部材の下面に至る、第2の貫通孔と、
    前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の梁部材と第2の梁部材を連結する第1の連結要素と、
    前記第2の貫通孔に挿入されて前記第2の梁部材と第1の梁部材を連結する第2の連結要素と、
    前記第1の連結要素および第2の連結要素と協働して前記第1の梁部材と第2の梁部材に接合方向に引き寄せる引き寄せ手段、
    を有し、
    前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔は、所要距離を隔てて交差状態に配置されていることを含む、
    梁部材と梁部材との接合構造。
  2. 第1の梁部材の接合面と第2の梁部材の接合面の間に中間部材が配置してあり、当該中間部材は、第1の梁部材の接合面と第2の梁部材の接合面と接合する接合面を有し、第1の貫通孔と第2の貫通孔は、中間部材の前記接合面を貫通していることを含む、
    請求項1記載の梁部材と梁部材との接合構造。
  3. 第1の連結要素および第2の連結要素が、何れも両端部に雄ねじを有する連結ロッドであり、引き寄せ手段がナットである、
    請求項1又は2記載の梁部材と梁部材との接合構造。
  4. 第1の梁部材と第2の梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた穴を有し、前記連結ロッドとナットは、前記穴の中で螺合する、
    請求項3記載の梁部材と梁部材との接合構造。
  5. 第1の梁部材と第2の梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有し、当該座具は、前記第1の梁部材と第2の梁部材に形成された穴の中に収められている、
    請求項3記載の梁部材と梁部材との接合構造。
  6. 第1の梁部材と第2の梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有し、当該座具は、前記第1の梁部材と第2の梁部材の表面に配置されている、
    請求項3記載の梁部材と梁部材との接合構造。
  7. 柱部材と梁部材との接合構造であって、
    端部に接合面を有する梁部材と、
    当該梁部材の接合面と直交する面に前記梁部材と接合される接合面を備える柱部材と、
    を有し、
    前記梁部材の接合面と前記柱部材の接合面とが接合された状態において、
    前記梁部材の上面から、前記梁部材の前記接合面および前記柱部材の接合面を貫通し、前記柱部材の接合面と反対側の面に至る、第1の貫通孔と、
    前記柱部材の接合面と反対側の面から、前記柱部材の接合面および前記梁部材の接合面を貫通し、前記梁部材の下面に至る、第2の貫通孔と、
    前記第1の貫通孔に挿入されて前記柱部材と梁部材を連結する第1の連結要素と、
    前記第2の貫通孔に挿入されて前記梁部材と柱部材を連結する第2の連結要素と、
    前記第1の連結要素および第2の連結要素と協働して前記第1の梁部材と第2の梁部材に接合方向に引き寄せる引き寄せ手段、
    を有し、
    前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔は、所要距離を隔てて交差状態に配置されていることを含む、
    柱部材と梁部材との接合構造。
  8. 柱部材の両側に、同じ高さの位置に配置されている梁部材を有する、
    請求項7記載の柱部材と梁部材の接合構造。
  9. 第1の連結要素および第2の連結要素が、何れも両端部に雄ねじを有する連結ロッドであり、引き寄せ手段がナットである、
    請求項7又は8記載の柱部材と梁部材との接合構造。
  10. 柱部材と梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた穴を有し、前記連結ロッドとナットは、前記穴の中で螺合する、
    請求項9記載の柱部材と梁部材との接合構造。
  11. 柱部材と梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有し、当該座具は、前記柱部材と梁部材に形成された穴の中に収められている、
    請求項9記載の柱部材と梁部材との接合構造。
  12. 柱部材と梁部材は、連結ロッドとナットの螺合する位置に、ナットの座面を備えた座具を有し、当該座具は、前記柱部材と梁部材の表面に配置されている、
    請求項9記載の柱部材と梁部材との接合構造。
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