JP6484752B1 - 耐力パネル及び木造軸組建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】木造軸組建築物を構築するのに用いられるパネルにおいて、高い強度が得られるうえに開口も得られるようにする。【解決手段】外周に位置する外周フレーム12と、外周フレーム12の内側で水平方向に延びる水平補強部13と、外周フレーム12の内側で水平補強部13を支える垂直補強部14を備える。水平補強部13は、軸組を構成する柱や横架材などの線部材と同等の材からなり横に延びる横軸材31と、横軸材31と外周フレーム12の対向部位との間に保持される面材32で構成する。同様に、垂直補強部14は、軸組を構成する線部材と同等の材からなり縦に延びる縦軸材41と、縦軸材41と外周フレーム12の対向部位との間に保持される面材42で構成し、垂直補強部14の横に開口部15を形成する。【選択図】図1

Description

この発明は、木造軸組建築物の構築やリフォームに用いられて耐力壁を構成するような耐力パネルに関する。
前述のような耐力パネルとして、下記特許文献1のパネルを案出した。この耐力パネルは、木造軸組建築物の垂直材と水平材で囲まれた方形状の開口部に面材を嵌め込むことを基本構成とするものである。具体的には、面材の全周の4辺に、開口部の内側面に当接する当接端面を有し、この面材における当接端面を挟む両面を、垂直材または水平材に対して固定される挟持材で挟持する。この耐力パネルでは面材と挟持材との協働で、せん断や曲げに対する高い耐力を得ることができる。
しかしながら、垂直材と水平材に囲まれた部位に面材を嵌める構造であるので、1枚の耐力パネル内に窓や掃き出しなどのための開口が得られない。
特許第5404007号公報
この発明は、高い強度が得られるうえに開口も得られるようにすることを主な目的とする。
そのための手段は、木造軸組建築物を構成する耐力パネルであって、当該耐力パネルの外周に位置する外周フレームと、前記外周フレームの内側で水平方向に延びる水平補強部と、前記外周フレームの内側で前記水平補強部を支える垂直補強部を有し、前記水平補強部が、軸組を構成する線部材の太さと同等の太さの材からなり横に延びる横軸材と、前記横軸材と前記外周フレームの対向部位との間に保持される面材で構成され、前記垂直補強部が、軸組を構成する線部材の太さと同等の太さの材からなり縦に延びる縦軸材と、前記縦軸材と前記外周フレームの対向部位との間に保持される面材で構成された耐力パネルである。
前述の「同等」とは、強度や太さの程度が同じであることを指し、軸材の材料、断面形状及び大きさが線部材の材料、断面形状及び大きさと同一であることのほか、両者の断面形状におけるたてよこの寸法差が無視し得るほどに小さいことや、両者の断面形状におけるたてよこの一方が同一で他方が同じ程度の大きさであることも含む意味である。
この耐力パネルの構成では、外周フレームの内側において、部材自体として軸組の線部材に相当する強度を持つ横軸材と、外周フレームと横軸材との間に広がる面材からなる水平補強部が、せん断や曲げに対する耐力を発揮する。そしてこの水平補強部を、部材自体として軸組の線部材に相当する強度を持つ縦軸材を有する垂直補強部が、水平補強部の下や横から支えて、軸組を構成する柱などの線部材の強度を高める。
この発明によれば、外周フレームの内側に形成されて耐力を発揮する水平補強部を、同様に耐力を有する垂直補強部で支えるので、高い強度を得られる。そのうえ、水平補強部を上下方向のうちの上方のみに設けることができるので、垂直補強部の横に開口を形成できる。
耐力パネルの正面図。 枠パネルとその使用態様を示す斜視図。 軸パネルとその使用態様を示す斜視図。 枠パネルの使用態様を示す斜視図。 軸パネルの使用態様を示す斜視図。 枠パネルの正面図。 枠パネルの正面図。 枠パネルの正面図。 枠パネルの正面図。 枠パネルの正面図。 横軸材及び縦軸材の斜視図。 引き寄せ接合金物の斜視図。 引き寄せ接合金物の分解斜視図。 引き寄せ接合金物の斜視図。 引き寄せ接合金物を固定した横軸材または縦軸材の端部の平面図。 枠パネルの一部拡大正面図。 軸パネルの正面図。 軸パネルの正面図。 軸パネルの正面図。 軸パネルの正面図。 軸パネルの正面図。 コーナ接合金物の斜視図。 コーナ接合金物の斜視図。 コーナ接合金物の分解斜視図。 図22のA−A断面図。 コーナ接合金物を固定した軸材の端部の一部断面平面図。 大型の軸パネルの正面図。 大型の軸パネルの正面図。 大型の軸パネルの正面図。 大型の軸パネルの正面図。 図30に示した大型の軸パネルの分離状態の正面図。 図31に示した大型の軸パネルの接続部分の拡大図。 分離状態の大型の軸パネルの正面図。 耐力パネルの構造を示す正面図。 木造軸組建築物における下層部と上層部の構成を示す斜視図。 木造軸組建築物における下層部と上層部の構成を示す斜視図。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1に、木造軸組建築物を構成するための耐力パネル11の正面図を示す。耐力パネル11は、当該耐力パネル11の外周に位置する外周フレーム12と、外周フレーム12の内側で水平方向に延びる水平補強部13と、外周フレーム12の内側で水平補強部13を支える垂直補強部14を有している。水平補強部13は、木造軸組建築物の軸組を構成する線部材51(図2参照)と同等の材からなり横に延びる横軸材31と、横軸材31と外周フレーム12の対向部位との間に保持される面材32で構成されている。垂直補強部14は、軸組を構成する線部材51(図2参照)と同等の材からなり縦に延びる縦軸材41を備えている。
外周フレーム12は、使い方の違いから、線部材51の強度よりも低いものと、線部材51に相当する強度を有するものの2種類がある。つまり、外周フレーム12の違いによる2種類の耐力パネル11は、図2に示したように線部材51を縦横に組んで構成した軸組に嵌め込まれる枠パネル11aと、図3に示したように軸組を構成する線部材51を一体に備えた軸パネル11bである。
枠パネル11aは、外周フレーム12が、軸組を構成する線部材51よりも細い枠材21からなり、外周フレーム12が軸組を構成する線部材51の間に嵌め込まれるものである(図1の内側の仮想線、図4参照)。枠材21は、線部材51の半分以下の太さであり、具体的には、断面形状の縦横の一方が同一で、他方が半分以下の大きさである。数値をあげると、線部材51が縦横105mmである場合に、枠材21の断面形状は縦105mmで、横が例えば27mm程度に設定される。枠パネル11aの枠材21は、長手方向の端部を互いに重ね合わせて固定されている。
軸パネル11bは、外周フレーム12が、軸組を構成する線部材51と同等の軸材22からなり、外周フレーム12が軸組を構成する線部材51として組み立てられる構成である(図1の外側の仮想線、図5参照)。つまり、軸材22は、木造軸組建築物が構築されるとその木造軸組建築物の線部材51となる。軸材22は、線部材51と同等の太さであり、具体的には、断面形状の縦横の大きさが同一、または縦横の一方が同一で他方が同じ程度の大きさである。数値をあげると、柱や土台として用いられる線部材51が縦横105mmであり、梁として用いられる線部材が縦横120mm×105mmである場合に、軸材22の断面形状は縦横105mmに設定される。
軸パネル11bの外周フレーム12は、耐力パネル11の外周を形作るように必ずしも全周に存在するものとは限らない。隣接して互いに接合される耐力パネル11同士の間で外周フレーム12の一部を共用する構成、つまり、例えば一方の耐力パネル11は縦に延びる軸材22をあらかじめ備えるが、他方の耐力パネル11は、縦に延びる軸材22をあらかじめ備えておらずに、接合されて初めて軸材22が存在することになり、一方の耐力パネル11と他方の耐力パネル11で軸材22を共用することになる外周フレーム12もある。
まず、枠パネル11aについて説明する。
図6から図10に枠パネル11aの一例を示す。図6の枠パネル11aにおける外周フレーム12は、4本の枠材21で構成されている。これらの枠材21は、左右両位置で上下に延びる2本の縦枠材21aと、上で左右に延びる上枠材21b、下で左右に延びる下枠材21cである。
水平補強部13は、縦枠材21aの上部位置で上枠材21bと平行に延びる横軸材31と、この横軸材31と上枠材21bとの間に保持された面材32と、横軸材31と上枠材21bの長手方向の中間位置でこれらの間をつなぐ束材33で構成されている。横軸材31の長さは、縦枠材21a間にかけ渡される長さであって、水平補強部13は、外周フレーム12内の幅全体にわたって形成されている。
束材33の断面形状とその大きさは、横軸材31と同じである。備える束材33の本数と間隔は、横軸材31の長さに応じて適宜設定される。水平補強部13の高さ、つまり上枠材21bと横軸材31との間隔も適宜設定し得る。
左右の縦枠材21aと上枠材21bの内周側の面における奥行き方向の中間位置には、面材32の外周縁を嵌め込む溝(図示せず)が形成されている。面材32には構造用合板が使用でき、面材32の厚さは内周側の面に収まる厚さであり、例えば105mmの内側面に対して9mm程度に設定されるとよい。
面材32における束材33の左右両側面と横軸材31の上面に対向する外周縁には、これらに当接する当接面部32aが形成されている。換言すれば、面材32の大きさは、上枠材21bと縦枠材21aに対向する外周縁が溝に嵌るとともに、束材33の左右両側面と横軸材31の上面に対向する端面がこれらに接する大きさに設定されている。このような面材32の束材33や横軸材31に対する保持は、面材32の表裏両面を挟む挟持材34で行われる。つまり、当接面部32aを挟持材34で挟み付けるとともに、挟持材34は束材33や横軸材31に対して固定される。挟持材34の固定は、図示しない釘やねじ等で行われる。
束材33の断面形状における中央に対応する部位には、上枠材21bから横軸材31にかけてボルト35が串刺し状態に挿入されて、上枠材21bと束材33と横軸材31が結合一体化されている。
また、横軸材31の長手方向の両端部には、対向部位である縦枠材21aに引き寄せられる引き寄せ接合金物61が内蔵されている。
垂直補強部14は、水平補強部13を下から支えるものであり、枠パネル11aにおる左右方向の一方に形成されている。具体的には図6の垂直補強部14は、図面左側に形成されている。縦枠材21aと平行に延びて横軸材31と下枠材21cとの間に介在する縦軸材41と、この縦軸材41と縦枠材21aとの間に保持された面材42を有する基本的な構成は、水平補強部13と同じであるので、詳しい説明を省略する。垂直補強部14の幅、つまり縦枠材21aと縦軸材41との間隔は適宜設定し得ることも、水平補強部13の場合と同じである。
ただし、水平補強部13の長手方向が水平方向であるのに対して、垂直補強部14の長手方向が垂直方向であるので、水平補強部13の束材33に代えて、貫材43を備えている。名称と向きが異なるだけで、貫材43の構成は束材33と同じである。図6の例では、ボルトを描いていないが、ボルト(図示せず)を用いて縦枠材21aと貫材43と縦軸材41を一体化してもよい。図中、44は挟持材である。
縦軸材41の両端には水平補強部13の横軸材31の場合と同様に、対向部位に引き寄せられる引き寄せ接合金物61が内蔵される。それら引き寄せ接合金物61のうち、横軸材31に接する側に内蔵される引き寄せ接合金物61には、横軸材31に挿入されたボルト45が螺合され、縦軸材41と横軸材31が直交した状態で固定される。
ここで、前述の引き寄せ接合金物61について説明する。引き寄せ接合金物61は、前述のように対向部位に引き寄せられるものであり、図11に示したように、横軸材31と縦軸材41の端部に全体が埋設された状態で内蔵される。図12に引き寄せ接合金物61の斜視図を、図13にその分解斜視図を示す。
図11〜図13に示したように、引き寄せ接合金物61は、横軸材31や縦軸材41の長手方向の端に取り付けられる基部62と、基部62における横軸材31や縦軸材41の端面に当接する当接面62aに設けられて横軸材31や縦軸材41の長手方向に延びる差込部63を備えている。基部62には、別体の取り付け部材を挿通する挿通穴と取り付け部材が螺合するねじ穴が設けられる。取り付け部材とは、目的に応じて取り付けられる部材であり、取り付け部材としては、例えば結合のためのボルトなどがある。また基部62は、差込部63の長手方向に沿って隙間をあけて配設された複数枚の支持板64と、差込部63から延設されるとともに差込部63と一体で支持板64間を離間保持する離間保持部65で構成されている。
具体的には、引き寄せ接合金物61の差込部63と離間保持部65は一枚の金属板61aで構成されており、差込部63は横軸材31や縦軸材41の内部に収まる大きさで適宜形状をなす板状である。図11〜図13に示す例では、差込部63は略三角形状である。差込部63には、横軸材31や縦軸材41との結合のためのドリフトピン66(図11参照)を挿入するための貫通穴63aが形成されている。貫通穴63aの数や配置は、差込部63の形状や大きさに応じして適宜設定される。なお、差込部63は、前述のような板状ではなく、たとえば筒状などの立体形状であってもよい。
差込部63における離間保持部65に寄った部位における中央位置には、離間保持部65の端から入り込む切り欠き部63bが形成されている。切り欠き部63bは、取り付け部材の存在を許容するためもの部分であり、切り欠き部63bの形状は適宜設定される。図11〜図13に示す例の切り欠き部63bは、半長円形状である。
差込部63と一体の離間保持部65は、外側縁に形成された2つの段差部65a,65bを有する。内側には、切り欠き部63bから連続してナット67を保持するナット保持空間65cを有する。ナット67は、前述したねじ穴を設けるための部材であり、ナット67の内部のねじ穴67aが、基部62のねじ穴62bとなる。
基部62を構成する支持板64は、前述の段差部65a,65bの数と同じ2枚であり、支持板64の形状は長方形板状である。基部62の当接面62aの大きさ、換言すれば支持板64の大きさは、横軸材31や縦軸材41の断面形状よりも小さく形成されている。具体的には、支持板64の長辺の長さが横軸材31や縦軸材41の対応する部位の長さと同じであり、短辺の長さが横軸材31や縦軸材41の対応する部位の長さよりも短い。2枚の支持板64は、差込部63に近い側に位置して前述の当接面62aを有することになる一方の支持板64aと、横軸材31や縦軸材41の最も外側に位置する外側端面31a,41aと面一または面一よりも若干奥まって位置することになる他方の支持板64bである。
一方の支持板64aと他方の支持板64bの中央には、前述のナット67のねじ穴67aに対応する貫通穴68が形成されており、貫通穴68よりも外側であって長辺に沿って並ぶ両位置に、段差部65a,65bが嵌る大きさのスリット状の挿通溝69が形成されている。一方の支持板64aの挿通溝69のほうが、他方の支持板64bの挿通溝69よりも段差部65a,65bの段差分長く形成されている。
ナット67のねじ穴67aが、基部62における前述のねじ穴62bになり、各支持板64a,64bに形成された貫通穴68が、基部62における前述の挿通穴62cになる。
支持板64を備えた基部62の大きさは、横軸材31や縦軸材41の長手方向の端に対して相対変位不可に埋設される大きさに設定される。すなわち、引き寄せ接合金物61を内蔵した横軸材31と縦軸材41の端部の平面図である図15に示したように、基部62は横軸材31と縦軸材41の端部に形成された座彫り部31b,41bに嵌合対応する大きさである。言い換えれば、支持板64の幅は座彫り部31b,41bの幅に嵌合対応する大きさである。
なお、座彫り部31b,41bの内部には、外側端面31a,41aと平行な内側端面31c,41cが形成されており、この内側端面31c,41cが、基部62の当接面62a、つまり一方の支持板64aの差込部63側の面が当たる端面である。平行に並ぶ2枚の支持板64a,64bの外側縁は、座彫り部31b,41bの内部の側面に接触している。
差込部63及び離間保持部65を有する金属板61aと、ナット67と、2枚の支持板64は、溶接等により結合一体化される。
引き寄せ接合金物61は、前述のナット67に代えて図14に示したように筒部材71を固定して、基部62が挿通穴62cのみを備えたものとしてもよい。また、図示は省略するが、支持板64にもねじ穴を設けてねじ穴のみを備えた基部62を形成することもできる。
図15に、引き寄せ接合金物61を内蔵した横軸材31と縦軸材41の端部の平面図を示す。横軸材31と縦軸材41の端部には、引き寄せ接合金物61の全体を埋設する前述の座彫り部31b,41bを有している。
基部62にねじ穴62bを有する引き寄せ接合金物61を内蔵した横軸材31や縦軸材41は、図16に示したように基部62のねじ穴62bに対してボルト45が螺合されると、横軸材31や縦軸材41の端部がボルト45を挿通した枠材21や横軸材31に向けて引き付けられることになる。
このようにして水平補強部13と垂直補強部14が形成された枠パネル11aにおける垂直補強部14の横には、必要に応じて開口部15が形成される。
図6の枠パネル11aは、上下方向(縦方向)の中間部に開口部15が形成されている。開口部15を形成する開口部形成位置の上端位置と下端位置には、水平方向に延びる水平材16が架設される。上端位置の水平材16と横軸材31の間と、下端位置の水平材16と下の下枠材21cの間には、縦に延びる間柱材17が適宜備えられる。
また、横軸材31と縦軸材41と縦枠材21aと下枠材21cで構成される方形の四隅部分には、必要に応じて補強材18が固定される。補強材18は、横軸材31、縦軸材41、縦枠材21aまたは下枠材21cの内側面に固定されるとともに互いに直角に組まれる2枚の基板18aと、基板18aの面方向と直交する方向に広がって基板18aの内側面間に固定される角度保持材18bで構成されている。角度保持材18bは、直角をなす直角部を有しており、直角部が基板18a同士の接合部分に固定されている。
図7の枠パネル11aは、図6の枠パネル11aと異なり、左右両側に垂直補強部14を備えている。その他の構成については、図6の枠パネル11aと同様である。
図8の枠パネル11aは、図7の枠パネル11aと異なり、開口部15が下端まで形成されている。その他の構成については、図7の枠パネル11aと同様である。
図9の枠パネル11aは、図6の枠パネル11aと異なり、開口部15を有していない。横軸材31と縦軸材41と縦枠材21aと下枠材21cとの間には、水平材16と間柱材17が適宜固定されている。その他の構成については、図6の枠パネル11aと同様である。
図10の枠パネル11aは、図9の枠パネル11aと異なり、垂直補強部14が縦軸材41のみで構成されている。すなわち、縦軸材41は、横軸材31の長手方向の中間位置、つまり束材33の下に相当する位置に固定されており、上端が横軸材31に、下端が下枠材21cに固定される。また横軸材31と縦軸材41と縦枠材21aと下枠材21cで形成される左右2つの方形部分には、水平材16と間柱材17が適宜固定されている。縦軸材41のみからなる垂直補強部14は、横軸材31の長手方向の中間位置ではなく、一方に寄せて形成しても、長手方向の双方に形成するなど複数個所に形成してもよい。
つぎ、軸パネル11bについて説明する。
図17から図21に軸パネル11bの一例を示す。図17の軸パネル11bにおける外周フレーム12は、あらかじめ全周に形成される場合には、4本の軸材22と4隅のコーナ接合金物81で構成される。換言すれば、軸パネル11bは、4本の軸材22と4隅のコーナ接合金物81のうちの少なくとも一つの部材を外周にあらかじめ備えている。外周フレーム12が初めから全周に形成されるものではない場合には、軸材22とコーナ接合金物81が、隣接する軸パネル11b間で互いに補完しあうように配設されることになる。
4本の軸材22は、左右両位置で上下に延びる2本の縦軸材22aと、上で左右に延びる上軸材22b、下で左右に延びる下軸材22cである。各軸材22は、端部の角が互いに接して端部が互いに重なり合わない長さに設定されている。コーナ接合金物81は、前述のような長さの軸材22により生じる角を埋めるように軸材22の直角をなす端面同士を接合するものである。また、コーナ接合金物81は、隣り合う軸パネル11b同士を接合する機能も有している。
図17〜図21の軸パネル11bは、それぞれ外周フレーム12の太さが異なるだけで、図6〜図10の枠パネル11aに対応した構成である。つまり、図17〜図21の軸パネル11bにおける外周フレーム12に囲まれた部分の構成は、それぞれ図6〜図10の枠パネル11aのそれと同一である。
なお、図17〜図21に例示した軸パネル11bはいずれも、厳密にいえば、図6〜図10の枠パネル11aについて外周フレーム12も含めたすべての部分を軸材22からなる外周フレーム12で囲んだ構成である。つまり、軸パネル11bの外周フレーム12は、枠パネル11aの枠材21を含めたもの、換言すれば枠材21と軸材22が重なり合って構成されたものといえることになる。しかし軸パネル11bの外周フレーム12は、枠材21なしでも構成できる。つまり、軸材22からなる外周フレーム12は、軸材22と枠材21で構成されるほか、軸材22のみで構成されることもある。
図17〜図21の軸パネル11bについて、図6〜図10の枠パネル11aと同一の部位については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
ここでは、枠パネル11aにはないコーナ接合金物81について説明する。
コーナ接合金物81は、前述した引き寄せ接合金物61と同じで、軸組の線部材51、換言すれば軸材22の長手方向の端に取り付けられる基部82と、基部82における軸材22の端面に当接する当接面82aに設けられて軸材22の長手方向に延びる差込部83を備えている。基部82には、別体の取り付け部材を挿通する挿通穴または取り付け部材が螺合するねじ穴が設けられる。取り付け部材は、目的に応じて取り付けられる部材であり、取り付け部材としては、例えば結合のためのボルトや、支持のための柱脚部材、吊り下げのための吊り部材などがある。また基部82は、差込部83の長手方向に沿って隙間を開けて配設された複数枚の支持板84と、差込部83から延設されるとともに差込部83と一体で支持板84間を離間保持する離間保持部85で構成されている。
特に、基部82の当接面82aは、軸組の線部材51となる軸材22の長手方向の最も外側の端面22eに突き合わせて固定されるものである。コーナ接合金物81の基部82は、図22、図23の斜視図に示したように、全体として立方体または直方体をなす六面体である。図24にコーナ接合金物81の分解斜視図、図25に、図22におけるA−A切断図を示す。
基部82が六面体であるコーナ接合金物81は、使用する部位に応じて1個から6個の当接面82aを有するものとすることができる。図22〜図25に例示したコーナ接合金物81は、実線で示したように互いに隣り合う3つの当接面82aと、これらの当接面82aに設けられた3本の差込部83を有するものであり、仮想線で示したように当接面82aと差込部83の数を適宜増やしてもよい。
コーナ接合金物81の3つの差込部83とその離間保持部85は、互いに組み合わせて結合一体化される2枚の金属板で構成されており、差込部83は軸材22の内側に収まる大きさで適宜形状をなす板状である。図22〜図25に示す例では、差込部83は先端を丸めた短冊状である。差込部83には、軸材22との結合のためのドリフトピン86(図26参照)を挿入するための貫通穴83aが形成されている。貫通穴83aの数や配置は、差込部83の形状や大きさに応じて適宜設定される。なお差込部83は、前述のような板状ではなく、たとえば筒状などの立体形状であってもよい。
差込部83と一体の離間保持部85は、外側縁に形成された複数の段差部85a,85b,85c,85dを有する。1本の差込部83を有するI型の金属板81aは、離間保持部85における差込部83側の端に外側の一方に突出する突起85hを形成することで、一つの段差部85aを形成している。またI型の金属板81aの離間保持部85における長手方向の中間位置には、他方の金属板が嵌合対応するスリット状の切れ溝85iからなる一つの段差部85bが形成されている。
他方の金属板は、互いの間が直角をなす角度に配設された2本の差込部83を有するL型の金属板81bである。離間保持部85における差込部83側の端には、外側の双方に突出する凸部85jを形成することで一組の段差部85cが形成されている。またL字型の金属板81bの離間保持部85における差込部83と反対側の端に外側の双方に突出する凸部85kを有することで一組の段差部85dが形成されている。これら凸部85j,85kを有する離間保持部85は、略方形板状である。離間保持部85の中央には、I型の金属板81aを差し込む差込溝85mが形成されており、差込溝85mの一方の端部は、I型の金属板81aの切れ溝85iからなる段差部85bが係止する部分である。さらに、離間保持部85の差込溝85mの一方の端部、換言すればI型の金属板81aの突起85hで形成される段差部85aに対応する側の端部に隣接する部位には、切り欠き85nが形成されている。この切り欠き85nは、ボルトなどの締結具の存在を許容する部位であり、適宜の形状に形成される。
コーナ接合金物81の基部82は、I型とL型の2枚の金属板81a,81bの離間保持部85と、六面体の外郭を構成する6枚の支持板84で構成される。
I型の金属板81aの差込部83を突出させることになる支持板84aは、長方形板状であり、中央にその長辺と平行なスリット状の差込溝87が形成されている。差込溝87は差込部83に嵌合対応する大きさである。
この支持板84aを含めて、I型の金属板81aの長手方向と直交し、また平行になる4枚の支持板84aはすべて長方形板状であり、中央に差込溝87が形成されている。
長方形をなす4枚の支持板84の長手方向の両端に固定される2枚の支持板84bは、正方形の4つの角を円弧状に切り欠いた形の板状である。これら2枚の支持板84bのうちL型の金属板81bの差込部83を差し込むことになる一方の支持板84bの中央には、スリット状の差込溝88が形成されている。差込溝88を有する支持板84bと対をなす他方の支持板84bの中央には、取り付け部材を挿通する挿通穴89が形成されている。この挿通穴89は、ボルトなどの締結具や、土台を受けて設置面上に浮かせて支持する柱脚金物、軸パネル11bや木造軸組建築物を吊り下げるための吊り部材などの取り付け部材を固定したりするのに利用される。
長方形板状の4枚の支持板84aの短辺の長さは、正方形の4つの角を切り欠いた形の支持板84bの外周縁に位置して直線からなる4本の辺に対応する長さである。このため、完全な立方体または直方体をなすと仮想した場合の基部82のすべての角と、一定方向に並ぶ2つの角同士をつなぐ4つの辺部位には、内部を開放する隙間が形成されることになる。この隙間は、前述した取り付け部材の取り付けなどに際して利用できる作業空間となる。
また、長方形板状の4枚の支持板84aのうち、差込部83を有しないすべての支持板84aには、図23、図24に示したように取り付け部材を挿通する挿通穴91が形成されている。この場合の取り付け部材は主としてボルトなどの締結具である。挿通穴91の形成位置は適宜設定される。前述した挿通穴89を有する支持板84bを備えているので、6面ある基部82のすべての面のうち、差込部83を有しないすべての面に挿通穴89,91が形成されることになる。
このような各部材からなるコーナ接合金物81は、まず、I型の金属板81aをL型の金属板81bの差込溝85mに差し込んで切れ溝85iからなる段差部85bを係止し、この組み立て状態において溶接等で結合一体化する。つぎに、2枚の金属板81a,81bの差込部83や差込部83と反対側の端部に支持板84a,84bの差込溝87,88を挿嵌するなどして6枚の支持板84でI型の金属板81aとL型の金属板81bの離間保持部85を包囲して、この状態を溶接等で結合一体化して保持する。
このような構成のコーナ接合金物81では、差込部83を有する各金属板81a,81bの離間保持部85は、他の差込部83にとっては支持板84としての機能を有する。
すなわち、図25に示したように、I型の金属板81aの差込部83には、基部82の外郭を構成する長方形板状の2枚の支持板84aと、これらの間に位置するL型の金属板81bの離間保持部85が主として荷重を分散する支持板84として機能する。また、L型の金属板81bの2本の差込部83のうち、I型の金属板81aの差込部83と直角をなす差込部83にとっては、この差込部83の長手方向に並ぶ長方形をなす2枚の支持板84aと、I型の金属板81aの離間保持部85が主に荷重を分散する支持板84として機能する(図22参照)。
図26に、コーナ接合金物81を取り付けた軸材22の端部の一部断面平面図を示す。
差込部83にとっての主に荷重を分散する支持板84として機能する部位(支持板84と離間保持部85)は、接合された軸材22や別のコーナ接合金物81に対して基部82の外郭を構成する支持板84と共に、軸材22やコーナ接合金物81に対して接触する。
図27〜図34は、前述のような構成の軸パネル11bを基本構造として構成した大型の軸パネル11bの例を示している。ここで、大型とは、複数間(けん)に及ぶような幅や複数階に及ぶような高さを有することの意味である。
図27の軸パネル11bは、外周フレーム12の内側の上端部の全幅にわたって水平補強部13を備え、この水平補強部13の長手方向の中間部に、水平補強部13を下から支える2本の垂直補強部14を備えている。垂直補強部14は平行に配設される2本の縦軸材41とこれら縦軸材41の間に保持される面材42で構成される。2本の垂直補強部14は水平方向に間隔をあけて形成され、垂直補強部14同士の間における上下方向の中間部には、開口部15が形成されている。
図28の軸パネル11bは、図27の軸パネル11bと異なり、左右方向の一方の端にも垂直補強部14を備えている。端に備える垂直補強部14は、外周フレーム12を構成する軸材22が存在するので、用いる縦軸材41は1本でよい。図示は省略するが、左右方向の両方の端に垂直補強部14を備えてもよい。
図29の軸パネル11bは、図27の軸パネル11bと同様に、上端部の水平補強部13を2本の垂直補強部14で支える構成であるが、2本の垂直補強部14は水平補強部13を横からも支える構造である点で、図27の軸パネル11bとは異なる。
つまり、垂直補強部14を構成する2本の縦軸材41のうちの一方の縦軸材41を水平補強部13に対して、束材33のように食い込ませて、水平補強部13を構成する横軸材31を分断して、横軸材31の端面を縦軸材41の側面に固定している。
図30の軸パネル11bは、軸パネル11bからなる複数の軸パネル担体11cを連結して構成される。各軸パネル担体11cは、互いに連結し合う部分に外周フレーム12があらかじめ備えられている。
具体的には、図31に連結前の状態を示したように、3枚の軸パネル担体11cを左右に連結して構成される。各軸パネル担体11cは、少なくとも連結し合う部分、つまり図面左端の軸パネル担体11c場合には右端に外周フレーム12の軸材22を有し、図面左右方向中間の軸パネル担体11cは左右両端に軸材22を有し、図面右端の軸パネル担体11cは左端に軸材22を有している。また、それら縦に延びる軸材22の上下両端位置には、コーナ接合金物81を備えている。
図30、図31の例では大型の軸パネル11bを構成する軸パネル担体11cがすべて、水平補強部13と垂直補強部14を備えた軸パネル11bである例を示したが、他の構造のパネルを混在させたものであってもよい。
軸パネル担体11cの連結は、図32に拡大して示したように、少なくともコーナ接合金物81同士と、対向する軸材22同士の間で行う。コーナ接合金物81同士の連結には、コーナ接合金物81の基部82に備えた挿通穴89,91又はねじ穴と、取り付け部材を用いる。
軸材22同士の連結は、適宜の手段で行える。図32の例では、連結し合う軸材22にそれぞれ固定したボルト92を軸材22に形成した切り欠き部93で露出させて、ボルト92同士を切り欠き部93内に位置させる長ナット94で連結する構造を示している。軸材22同士の連結は、図示例のように1か所ではなく、複数個所で行ってもよい。このほか、水平補強部13の横軸材31を固定している引き寄せ接合金物61同士を連結してもよい。
図33の軸パネル11bは、軸パネル11bからなる複数の軸パネル担体11cを連結して構成される。図33の例では、3枚の軸パネル担体11cを同一平面上に左右方向に連結して組み合わせる構成を示している。左右両側に位置する軸パネル担体11cは、連結する側、つまり図面左側の軸パネル担体11cは図面側に、図面右側の軸パネル担体11cは図面左側に軸材22を有している。一方、左右方向左右中間の軸パネル11cは、左右両側に軸材を有しない。換言すれば、左右方向中間の軸パネル11cは、外周フレーム12を、上軸材22Bbと下軸材22cと、必要な適宜の接合金物で構成している。
このような構成の3枚の軸パネル担体11cのほか、例えば左右方向中間の軸パネル担体11cの外周フレーム12を、全周に軸材22を備えた構成にして、左右の軸パネル担体11cの外周フレーム12を、連結する側に軸材を有しない構成にすることもできる。
これらのように軸パネル担体11cを連結する構成の大型の軸パネル11bは、軸パネル担体11cを工場においてあらかじめ連結して現場に搬入するほか、現場において連結して構成してもよい。
前述のように耐力パネル11には、枠パネル11aと軸パネル11bがあり、それぞれを単独で使用して木造軸組建築物を構成することができる。このとき、使用するパネルとして耐力パネル11のみを用いるのではなく、例えば図2に示したように、耐力パネル11以外の構造のパネル19も組み合わせて、木造軸組建築物全体としてバランス良く耐力壁が配置されるようにする。
同一の木造軸組建築物に、耐力パネル11として枠パネル11aと軸パネル11bの両方を使用することもできる。
図34の耐力パネル11(軸パネル11b)は、軸パネル11bと枠パネル11aを組み合わせて構成されるものであり、図34は、枠パネル11aの分離状態を示している。図34の例の耐力パネルは、2枚の軸パネル11bと、これらを同一平面上で左右方向に間隔をあけて連結する上下一対の線部材51と、軸パネル11bとこれらを連結する線部材51間との間に嵌め込まれる枠パネル11aで構成されている。
このような構成は、左右2枚の軸パネル11bを建て込んで、線部材51を組み付けて軸組として、この軸組に枠パネル11aを嵌め込む構成としてもよい。
同一の木造軸組建築物に枠パネル11aと軸パネル11bの両方を使用する場合であって、例えば3階〜5階建ての木造軸組建築物を構成する場合には、軸パネル11bを用いて下層部を構成し、この下層部の上に上層軸組を構成し、この上層軸組に枠パネル11aを嵌め込むとよい。
図35、図36はその場合の下層部98と上層部99の間を示す一例である。図35、図36に示す例では、下層部98を構成する軸パネル11bとして、外周フレーム12に縦に延びる軸材22をあらかじめ備えた軸パネル11bを用いて、軸材22同士を一体に連結して下層部98を構成している。
図35の例では、下層部98を構成する軸パネル11bの上に、軸パネル11bの縦に延びる軸材22と同じように軸組の線部材51を2本引き揃えた状態で立て込んでから、上層部99を構成する枠パネル11aを固定する構造を示している。
図36の例では、下層部98を構成する軸パネル11b上に、1本の線部材51を立て込んでから上層部99を構成する枠パネル11aを固定する構造を示している。線部材51は、隣り合う2個のコーナ接合金物81の上面から上に延びる差込部83間に固定される。
以上のような構成の耐力パネル11では、上端部に備えられた水平補強部13が、横軸材31と面材32とによりせん断や曲げに対する耐力を発揮し、垂直補強部14が水平補強部13を支えて、柱にかかる負担を軽減する。このため、木造軸組建築物を構築した場合に強度の高い耐力壁を構成する。
しかも、水平補強部13より下であって垂直補強部14の横の部位には、面材を張らずとも高い強度が得られるので、垂直補強部14の隣に自由に開口部15を形成できる。
垂直補強部14が縦軸材41に加えて面材42を有するものである場合には、面材42が縦軸材41と外周フレーム12との間で張ってせん断や曲げに対する耐力を高めるので、強度をさらに向上できる。
耐力パネル11を構成する横軸材31や縦軸材41の端部には、引き寄せ接合金物61を内蔵しているので、接合のための作業性が良いうえに、部材同士の接合を強力に行える。この点からも強度を高めることができる。引き寄せ接合金物61は、全体が横軸材31や縦軸材41に埋設される構成であるので、横軸材31や縦軸材41内に隠ぺいすることも可能である。
また、耐力パネル11として枠パネル11aと軸パネル11bを備え、これらを単独で、または組み合わせて構成することができるので、木造軸組建築物の構造に応じて柔軟に対応して構築などができる。
特に、耐力パネル11としての軸パネル11bの角部に、6面での接合も可能なコーナ接合金物81を設けているので、多様な組み合わせが容易に行える。
木造軸組建築物の下層部98に軸パネル11bを、上層部99に枠パネル11aを用いると、下層部98を簡易迅速に組み立てることができ、作業性が良い。しかも、下層部98の柱等の線部材51になる部分を複数本の軸材22が引き揃えられた状態に構成できるので、容易に強度を高めることもできる。
以上の構成はこの発明を実施するための一形態であって、この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することができる。
例えば、接合金物には多様な構成のものを使用できる。接合の態様にも設定できる。引き寄せ接合金物61は、全体が横軸材31や縦軸材41の端部に内蔵されるのではなく、一部を埋設した状態で固定するものであってもよい。
また、耐力パネル11の構成について、前述の説明では水平補強部13を一段だけ形成して、横方向のみに展開するような例を示したが、複数の水平補強部13を上下方向に配設して、縦方向に展開するような構成としてもよい。
水平補強部13を構成する横軸材31や垂直補強部14を構成する縦軸材41は、前述したように1本や2本備えるほか、3本以上とすることもできる。水平補強部13や垂直補強部14の位置や大きさ、範囲は、木造軸組建築物の全体のバランスを考慮して適宜設定される。
11…耐力パネル
11a…枠パネル
11b…軸パネル
12…外周フレーム
13…水平補強部
14…垂直補強部
21…枠材
22…軸材
31…横軸材
32…面材
41…縦軸材
42…面材
51…線部材
61…引き寄せ接合金物
81…コーナ接合金物
98…下層部
99…上層部

Claims (7)

  1. 木造軸組建築物を構成する耐力パネルであって、
    当該耐力パネルの外周に位置する外周フレームと、
    前記外周フレームの内側で水平方向に延びる水平補強部と、
    前記外周フレームの内側で前記水平補強部を支える垂直補強部を有し、
    前記水平補強部が、軸組を構成する線部材の太さと同等の太さの材からなり横に延びる横軸材と、前記横軸材と前記外周フレームの対向部位との間に保持される面材で構成され、
    前記垂直補強部が、軸組を構成する線部材の太さと同等の太さの材からなり縦に延びる縦軸材と、前記縦軸材と前記外周フレームの対向部位との間に保持される面材で構成された
    耐力パネル。
  2. 前記横軸材または前記縦軸材の端部に、対向部位に引き寄せられる引き寄せ接合金物が内蔵された
    請求項1に記載の耐力パネル。
  3. 前記外周フレームが、軸組を構成する線部材よりも細い枠材からなり、
    前記外周フレームが軸組を構成する線部材の間に嵌め込まれるものである
    請求項1または請求項2に記載の耐力パネル。
  4. 前記外周フレームが、軸組を構成する線部材の太さと同等の太さの軸材からなり、
    前記外周フレームが軸組を構成する線部材として組み立てられるものである
    請求項1または請求項2に記載の耐力パネル。
  5. 前記外周フレームを構成する前記軸材の端面同士を接合するとともに、隣り合う当該耐力パネル同士を接合するコーナ接合金物が角部に設けられた
    請求項に記載の耐力パネル。
  6. 請求項1から請求項のうちいずれか一項に記載の耐力パネルを用いて構成された
    木造軸組建築物。
  7. 請求項または請求項に記載の耐力パネルを用いて下層部が構成され、
    前記下層部の上に上層軸組が構成され、
    前記上層軸組に請求項に記載の耐力パネルが嵌め込まれた
    木造軸組建築物。
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