JP2018059293A - 木材の接合構造及び接合金具 - Google Patents

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秀樹 森田
安志 山中
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安志 山中
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昌記 野間
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Abstract

【課題】低比重材を木材として用いる場合であっても、木材の接合強度を維持することのできる木材の接合構造及び該接合構造に用いられる接合金具を提供する。【解決手段】木材の接合構造は、第1の角材10の接合面11と第2の角材20の接合面21を接合金具30を介して接合するものであり、第1の角材10の接合面11は、接合金具30が挿入される凹部12を有し、接合金具30は、凹部12の底面に接触する底板部31と、底板部31の中心を挟んだ両位置から凹部12の外側に向けて延出されて凹部12の側面に面接触する側板部32と、底板部31における側板部32の間から延出されて凹部12から突出した突出部33とを有し、第2の角材20の接合面21は、突出部33が嵌合されるスリット22を有し、突出部33がスリット22に嵌合されつつ固定された状態で、第1の角材10の接合面11のうち凹部12の周囲に位置する面部位に対して面接触する。【選択図】図1

Description

本発明は、木材の接合構造、及び該接合構造に用いられる接合金具に関する。
従来、この種の木材の接合構造の一例として、例えば特許文献1に記載の部材締結具(接合金具)を用いた木材の接合構造が知られている。
図10に示すように、この木材の接合構造では、部材締結具となる金物100が断面略U字状をなす金属板により構成されている。金物100の底面板101の外面には円筒状のホゾ102が形成されており、このホゾ102が一方の木材となる主幹部材200の接合面201に形成された円形状のホゾ穴202と対をなしている。また、主幹部材200にはホゾ穴202と同心状に貫通する切り孔203が形成されている。そして、金物100のホゾ102が主幹部材200のホゾ穴202に差し込まれた状態で金物100と主幹部材200とがボルト204及びナット205により締結されている。また、こうして主幹部材200と締結された金物100の側面板103が他方の木材となる結合部材300の接合面301に形成された溝302に対して嵌め込まれている。そして、結合部材300の側面303に形成されたピン孔304、及び該ピン孔304と対応するように金物100の側面板103に形成された係止孔104に対してドリフトピン400が打ち込まれることにより、主幹部材200と結合部材300とが金物100を介して接合されている。この場合、結合部材300における主幹部材200との接合部に補強軸402が埋め込まれることにより、ドリフトピン400の打ち込みに耐え得る強度が確保される。
特開2007−85158号公報
ところで、上記文献に記載の木材の接合構造では、結合部材300が傾いて主幹部材200と結合部材300との接合部分に応力が作用すると、その応力が突起状をなす金物100のホゾ102と主幹部材200のホゾ穴202との接触面に局所的に作用する。そのため、比較的硬度の高い金物100のホゾ102が比較的硬度の低い主幹部材200のホゾ穴202の内側面に対してめり込んでしまい、木材の接合強度を維持できないおそれがあった。特に、例えばスギ等の低比重材を木材として用いた場合、その強度が比較的低い傾向にあることから上述した問題が顕著になりやすい。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低比重材を木材として用いる場合であっても、木材の接合強度を維持することのできる木材の接合構造及び該接合構造に用いられる接合金具を提供することにある。
上記課題を解決する木材の接合構造は、第1の木材の接合面と第2の木材の接合面とを接合金具を介して接合する木材の接合構造であって、前記第1の木材の接合面は、前記接合金具が挿入される凹部を有し、前記接合金具は、前記凹部の底面に接触する底板部と、前記底板部の中心を挟んだ両位置から前記凹部の外側に向けて延出されて前記凹部の側面に面接触する側板部と、前記底板部における前記側板部の間となる面部位から延出されて前記凹部から突出した突出部とを有し、前記第2の木材の接合面は、前記突出部が嵌合される嵌合部を有し、前記突出部が前記嵌合部に嵌合されつつ前記第2の木材の接合方向に沿う側面に形成された挿入部を通じて挿入された固定具により固定された状態で、前記第1の木材の接合面のうち前記凹部の周囲に位置する面部位に対して面接触する。
上記構成によれば、第1の木材の接合面と第2の木材の接合面とが接合金具を介して接合された状態では、接合金具の側板部が第1の木材の凹部の内側面に対して面接触するとともに、第2の木材の接合面が第1の木材の接合面のうち凹部の周囲に位置する面部位に対して面接触する。そのため、第2の木材が第1の木材に対して側板部が対向する方向に沿って傾いたとしても、第2の木材から第1の木材への応力の伝達はこれら面接触した部位を通じて分散される。したがって、低比重材を木材として用いる場合であっても、木材の接合強度を維持することができる。
上記木材の接合構造において、前記接合金具は、前記底板部からの前記側板部の延出量が前記凹部の深さ以上であることが好ましい。
上記構成によれば、接合金具における底板部からの側板部の延出量が凹部の深さよりも小さい場合と比較して、接合金具の側板部が第1の木材の凹部の内側面に対して広範な面部位を通じて面接触する。そのため、第2の木材が第1の木材に対して側板部が対向する方向に沿って傾いたとしても、第2の木材から第1の木材への応力の伝達を好適に分散させることができる。
上記木材の接合構造において、前記側板部の先端は、前記第1の木材の接合面に沿うように屈曲又は湾曲していることが好ましい。
上記構成によれば、第1の木材の接合面と第2の木材の接合面とが接合金具を介して接合された状態では、第2の木材の接合面が接合金具の側板部の先端に対しても更に面接触する。そのため、こうして面接触する部位の面積が拡大することにより、第2の木材が第1の木材に対して側板部が対向する方向に沿って傾いたとしても、第2の木材から第1の木材への応力の伝達をより一層分散させることができる。
上記木材の接合構造において、前記突出部は、前記側板部が対向する方向に沿う平板状をなしていることが好ましい。
上記構成によれば、第1の木材の接合面と第2の木材の接合面とが接合金具を介して接合された状態では、接合金具の突出部が第2の木材に対して側板部が対向する方向と交差する方向において面接触する。そのため、第2の木材が第1の木材に対して側板部が対向する方向と交差する方向に傾いたとしても、第2の木材から第1の木材への応力の伝達はこうして面接触した部位を通じて分散される。すなわち、第2の木材が第1の木材に対して側板部が対向する方向に傾いた場合だけでなく側板部が対向する方向と交差する方向に傾いた場合にも、第2の木材から第1の木材への応力の伝達が適正に分散される。したがって、第1の木材に対する第2の木材の多様な動作に対し、木材の接合強度を高い汎用性をもって維持することができる。
上記木材の接合構造において、前記側板部の先端には溝部が形成されており、前記突出部は前記溝部に接合されていることが好ましい。
上記構成によれば、接合金具の突出部は、側板部が対向する方向と交差する方向における剛性が側板部によって補強されている。そのため、側板部が対向する方向と交差する方向に第2の木材が傾いた場合であっても、第2の木材から第1の木材への応力の伝達を接合金具の突出部によって強固に受け止めることが可能となる。したがって、木材の接合強度を高い信頼性をもって維持することができる。
上記木材の接合構造において、前記突出部は、前記側板部が対向する方向の寸法が比較的大きい基端側部位と、同方向の寸法が比較的小さい先端側部位とを含んで構成され、前記基端側部位は前記側板部に対して接合されていることが好ましい。
上記構成によれば、接合金具の側板部は、凹部の深さ方向における剛性が接合金具の突出部の基端側部位によって補強されている。そのため、第2の木材が第1の木材に対して側板部が対向する方向に沿って傾いたとしても、第2の木材から第1の木材への応力の伝達が接合金具の側板部によって強固に受け止められる。また、接合金具の突出部と側板部との接合により、接合金具の突出部の剛性も併せて高められるため、この点でも、第2の木材から第1の木材への応力の伝達が接合金具の突出部によって強固に受け止められる。したがって、木材の接合強度をより一層高い信頼性をもって維持することができる。
上記課題を解決する接合金具は、底板部と、前記底板部の中心を挟んだ両位置から延出される側板部と、前記底板部における前記側板部の間となる面部位から延出される突出部と、を有する。
上記構成によれば、上記木材の接合構造の発明に好適に適用することができる。
本発明によれば、低比重材を木材として用いる場合であっても、木材の接合強度を維持することができる。
木材の接合構造の一実施の形態の分解斜視図。 同実施の形態の木材の接合構造の断面図。 同実施の形態の木材の接合構造に用いられる接合金具を示す図面であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図。 同実施の形態の接合金具の製造過程を示す図であって、(a)は接合金具の組み付け前の状態を示す図、(b)は接合金具の組み付け後の状態を示す図、(c)は(b)に示した接合金具を溶接した状態を示す図。 同実施の形態の木材の接合構造を側方から見た作用図であって、(a)は第2の角材が第1の角材に対して傾く前の状態を示す図、(b)は第2の角材が第1の角材に対して上方に傾いた状態を示す図、(c)は第2の角材が第1の角材に対して下方に傾いた状態を示す図。 同実施の形態の木材の接合構造を上方から見た作用図であって、(a)は第2の角材が第1の角材に対して傾く前の状態を示す図、(b)は第2の角材が第1の角材に対して水平方向の一方側に傾いた状態を示す図、(c)は第2の角材が第1の角材に対して水平方向の他方側に傾いた状態を示す図。 同実施の形態の木材の接合構造の用途の一例としての木製の家具を示す斜視図。 接合金具のその他の実施の形態を示す図であって、(a)は接合金具の斜視図、(b)は接合金具の右側面図、(c)は接合金具が木材の凹部に収容された状態の斜視図。 接合金具並びに同接合金具を用いた木材の接合構造のその他の実施の形態を示す図であって、(a)は接合金具の斜視図、(b)は接合金具の右側面図、(c)は接合金具が木材の凹部に収容された状態の斜視図、(d)は接合金具を介した木材の接合構造の斜視図。 従来例の木材の接合構造の分解斜視図。
以下、木材の接合構造、及び該接合構造に用いられる接合金具の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態の木材の接合構造は、第1の木材の一例としての第1の角材10の長手方向に沿う側面となる接合面11と第2の木材の一例としての第2の角材20の長手方向の端面となる接合面21とを接合金具30を介して上下左右に直角に交差するように接合するものである。この木材の接合構造では、第1の角材10及び第2の角材20として、例えばスギ、ヒノキ、ポプラ等の比較的強度の低い低比重材が用いられており、各角材10,20の繊維方向は各々の長手方向と一致している。
第1の角材10の接合面11には、接合金具30を収容するための矩形状の凹部12が形成されている。接合金具30は、第1の角材10の凹部12に収容される矩形板状の底板部31と、底板部31の上下両端から垂直に曲げ起こされた一対の側板部32と、底板部31における一対の側板部32の間となる位置から凹部12の外側に向けて延出される平板状の突出部33とを有している。
接合金具30の底板部31には、複数の挿通孔35が厚み方向に貫通している。そして、これら挿通孔35を通じて固定ねじ36が第1の角材10の凹部12の底面に螺入されることにより、接合金具30が第1の角材10に対して固定されている。
図2に示すように、接合金具30の側板部32は、底板部31からの延出量が凹部12の深さと一致しており、凹部12における上下両側の内側面に対して面接触している。また、接合金具30の側板部32の先端側部位は、内向きとなるように垂直に曲げ加工されており、第1の角材10の接合面11と面一となるように構成されている。そして、第2の角材20の接合面21は、接合金具30の側板部32の先端側部位に対して面接触している。
図1に示すように、接合金具30の突出部33は、第2の角材20の接合面21に形成されたスリット22に対して上下に挿入されており、その厚み方向の両面が第2の角材20に形成されたスリット22の内面に対して接触している。そして、接合金具30の突出部33の先端に形成されたねじ孔37と、第2の角材20の側面に形成された挿通孔23とを位置合わせした状態で、第2の角材20の外側から挿通孔23を通じて固定ねじ24がねじ孔37に螺合されることにより、第2の角材20が接合金具30を介して第1の角材10に対して固定されている。
次に、接合金具30の詳細な構成について図面を参照して説明する。
図3(a)〜(e)に示すように、接合金具30の底板部31には、縦3列、横2列となるように格子状に配置された複数の円形状の挿通孔35が形成されている。これら挿通孔35は、底板部31の上下方向の略全域に亘るように配置されており、上下方向の真ん中に位置する挿通孔35は底板部31の上下方向の中央に位置しており、上下両側に位置する挿通孔35は底板部31の上下方向の中央よりも各対応する側板部32に近接した位置に配置されている。
また、接合金具30の側板部32は、底板部31の上下両端から垂直に延出される基端側部位32Aと、該基端側部位32Aの先端から内向きに直角に屈曲した先端側部位32Bとを有している。なお、接合金具30の側板部32の基端側部位32Aは、底板部31と比較して底板部31からの延出方向と交差する幅方向の寸法が小さい。また、接合金具30の側板部32の先端側部位32Bは、接合金具30の側板部32の基端側部位32Aと比較して底板部31からの延出方向と交差する幅方向の寸法が大きく、同方向の寸法が底板部31と等しい。また、接合金具30の側板部32の先端側部位32Bの先端面のうち、底板部31からの延出方向と交差する幅方向の中央に位置する面部位には矩形状の溝部38が形成されている。
また、接合金具30の突出部33は、側板部32が対向する方向となる上下方向に沿う平板状をなしており、側板部32が対向する方向と直交する突出部33の厚み方向の両面の表面積が広くなるように構成されている。また、接合金具30の突出部33は、底板部31からの延出方向と交差する幅方向の寸法が底板部31と等しい基端側部位33Aと、該基端側部位33Aと比較して同方向の寸法が小さい先端側部位33Bとを有している。突出部33の基端側部位33Aは、底板部31からの延出量が側板部32と等しく、突出部33の基端側部位33Aの外周縁が側板部32の内周縁に対して溶接により接合されている。また、突出部33の先端側部位33Bは、底板部31からの延出量が側板部32よりも大きい。そして、突出部33の先端側部位33Bのうち底板部31からの延出方向と交差する幅方向の両端は、上述のように接合金具30の側板部32に形成された溝部38に対して嵌合された状態で溶接により接合されている。
次に、上記のように構成された接合金具30の製造方法の一例について図面を参照して説明する。
図4(a)に示すように、本実施の形態の接合金具30を製造する際にはまず、一方向に長く延びる金属板の長手方向の両端を同一方向に曲げ加工することにより、接合金具30の底板部31及び側板部32を構成する。そして次に、図4(b)に示すように、こうして構成した接合金具30の底板部31及び側板部32に対して一枚の金属板からなる接合金具30の突出部33を組み付ける。この場合、接合金具30の突出部33の幅方向の両端を接合金具30の側板部32に形成されたスリット41に対して挿入するとともに、接合金具30の底板部31の中心に形成された矩形状の位置決め孔39に対して接合金具30の突出部33における挿入方向の先端面に形成された矩形状の位置決め突起40を嵌合する。その後、図4(c)に示すように、接合金具30の底板部31と接合金具30の突出部33との間、及び、接合金具30の側板部32に形成されたスリット41の周縁と接合金具30の突出部33との間を溶接により接合する。
次に、上記のように構成された木材の接合構造の作用について説明する。
図5(a)は、第1の角材10と第2の角材20との接合構造を側方から見た断面図である。
ここで、図5(b)に示すように、第2の角材20が第1の角材10との接合部分を支点として上方に傾いたときには、第2の角材20から第1の角材10に応力が作用する。この場合、接合金具30の側板部32の基端側部位32Aが凹部12の内側面に対して面接触している。そのため、第2の角材20から接合金具30を介して第1の角材10に応力が加わるときにもその応力が凹部12の内側面で分散される。これにより、第2の角材20として比較的強度の低い低比重材を用いた場合であっても、比較的硬度の高い接合金具30が第1の角材10の凹部12の内側面に対してめり込むことが抑えられる。すなわち、接合金具30の側板部32は、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達を分散させる上で要部として機能する部分である。
また、第2の角材20の接合面21は、第1の角材10の接合面11のうち凹部12の周囲に位置する面部位だけでなく、この側面と面一をなすように構成された接合金具30の側板部32の先端側部位32Bに対しても面接触している。そのため、第2の角材20の接合面21が接合金具30を介さずに第1の角材10の接合面11に対して接触する場合と比較して、第2の角材20の接合面21から第1の角材10の接合面11に加わる応力が分散される。これにより、第1の角材10として比較的強度の低い低比重材を用いた場合であっても、第2の角材20の接合面21が第1の角材10の接合面11に対してめり込むことが抑えられる。すなわち、接合金具30の側板部32の先端側部位32Bは、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達を分散させる上で要部として機能する部分である。
特に、本実施の形態では、接合金具30の側板部32の先端側部位32Bが接合金具30の突出部33の基端側部位32Aと接合して下方から支持されることにより、第2の角材20の長手方向における剛性が高められている。そのため、第2の角材20の接合面21から第1の角材10の接合面11に加わる応力が接合金具30の側板部32の先端側部位32Bにより好適に分散される。これにより、第2の角材20の接合面21が第1の角材10の接合面11に対してめり込むことがより一層抑えられる。
なお、第2の角材20の接合面21から第1の角材10の接合面11に応力が加わるとき、第1の角材10の接合面11から第2の角材20の接合面21に反力が作用する。このとき、上述のように、第2の角材20の接合面21が第1の角材10の接合面11だけでなく接合金具30の側板部32の先端側部位32Bに対しても面接触しているため、こうした反力が分散される。これにより、第2の角材20の接合面21がその繊維方向に沿うように断裂することが抑えられる。
また、第2の角材20の接合面21から接合金具30の側板部32の先端側部位32Bに対して応力が加わると、接合金具30には、第1の角材10の凹部12の内奥側の隅部P(図5(b)参照)を回転中心とした回転モーメントが作用する。この場合、接合金具30は、固定ねじ36によって第1の角材10の凹部12の内底面に固定されており、この固定ねじ36が上述した回転モーメントを相殺するように接合金具30を第1の角材10の凹部12の内奥側に引っ張るように力を作用させる。そのため、第2の角材20が第1の角材10との接合部分を支点として上方に傾こうとしても、接合金具30が第2の角材20と併せて傾くことが抑えられ、第1の角材10と第2の角材20との接合強度が好適に維持される。
一方、図5(c)に示すように、第2の角材20が第1の角材10との接合部分を支点として下方に傾いたときにも、第1の角材10と第2の角材20との接合金具30を介した接合構造は、第2の角材20の中心軸を挟んだ上下両側で対称的な構造を有しているため、概ね同様の原理により第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達は分散される。
また、図6(a)は、第1の角材10と第2の角材20との接合構造を上方から見た平面図である。
ここで、図6(b)に示すように、第2の角材20が第1の角材10との接合部分を中心として水平方向の一方側に傾いたときには、第2の角材20から第1の角材10に応力が作用する。この場合、接合金具30の突出部33が第2の角材20のスリット22の内側面に対して面接触している。そのため、第2の角材20から接合金具30を介して第1の角材10に応力が加わるときにもその応力が接合金具30の突出部33で分散される。これにより、第1の角材10として比較的強度の低い低比重材を用いた場合であっても、第2の角材20の接合面21が第1の角材10の接合面11に対してめり込むことが抑えられる。
特に、本実施の形態では、接合金具30の突出部33が側板部32の先端側部位32Bに形成された溝部38に対して嵌合して側方から支持されることにより、第2の角材20の長手方向と交差する方向における剛性が高められている。そのため、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達が接合金具30の突出部33により好適に分散される。これにより、第2の角材20の接合面21が第1の角材10の接合面11に対してめり込むことがより一層抑えられる。
一方、図6(c)に示すように、第2の角材20が第1の角材10との接合部分を中心として水平方向の他方側に傾いたときにも、第1の角材10と第2の角材20との接合金具30を介した接合構造は、第2の角材20の中心軸を挟んだ水平方向の両側で対称的な構造を有しているため、概ね同様の原理により第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達は分散される。
すなわち、本実施の形態では、第2の角材20がその中心軸と交差する2軸方向のうち何れの方向に向けて第1の角材10に対して傾いたとしても、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達が、第2の角材20と接合金具30との境界面、接合金具30と第1の角材10との境界面、及び第2の角材20と第1の角材10との境界面を通じて分散される。そのため、第1の角材10及び第2の角材20として比較的剛性の低い低比重材を用いた場合であっても、木材の接合強度は維持される。
図7は、本実施の形態の木材の接合構造を低比重材からなる木製の家具に適用した斜視図である。この家具は、4本の支柱50と、これら支柱50の長手方向の途中に位置する複数の箇所に環状に架け渡されている梁51と、これら梁51の上面に水平に載置されて釘打ちあるいはねじ打ちにより固定されている板材52とを有している。そして、支柱50と梁51との接合部分に本実施の形態の木材の接合構造を適用することにより、家具の横揺れ等の要因により梁51が支柱50に対して傾いたとしても、梁51と支柱50との接合強度が高い信頼性をもって維持される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第1の角材10の接合面11と第2の角材20の接合面21とが接合金具30を介して接合された状態では、接合金具30の側板部32が第1の角材10の凹部12の内側面に対して面接触するとともに、第2の角材20の接合面21が第1の角材10の接合面11のうち凹部12の周囲に位置する面部位に対して面接触する。そのため、第2の角材20が第1の角材10に対して側板部32が対向する方向に沿って傾いたとしても、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達はこれら面接触した部位を通じて分散される。したがって、低比重材を木材として用いる場合であっても、木材の接合強度を維持することができる。
(2)接合金具30は、底板部31からの側板部32の延出量が凹部12の深さと一致している。そのため、接合金具30における底板部31からの側板部32の延出量が凹部12の深さよりも小さい場合と比較して、接合金具30の側板部32が第1の角材10の凹部12の内側面に対して広範な面部位を通じて面接触する。そのため、第2の角材20が第1の角材10に対して側板部32が対向する方向に沿って傾いたとしても、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達を好適に分散させることができる。
(3)接合金具30の側板部32の先端側部位32Bは、第1の角材10の接合面11に沿うように屈曲している。そのため、第1の角材10の接合面11と第2の角材20の接合面21とが接合金具30を介して接合された状態では、第2の角材20の接合面21が接合金具30の側板部32の先端に対しても更に面接触する。そのため、こうして面接触する部位の面積が拡大することにより、第2の角材20が第1の角材10に対して側板部32が対向する方向に沿って傾いたとしても、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達をより一層分散させることができる。
(4)接合金具30の突出部33は、側板部32が対向する方向に沿う平板状をなしている。そのため、第1の角材10の側面と第2の角材20の接合面21とが接合金具30を介して接合された状態では、接合金具30の突出部33が第2の角材20に対して側板部32が対向する方向と交差する方向において面接触する。そのため、第2の角材20が第1の角材10に対して側板部32が対向する方向と交差する方向に傾いたとしても、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達はこうして面接触した部位を通じて分散される。すなわち、第2の角材20が第1の角材10に対して側板部32が対向する方向に傾いた場合だけでなく側板部32が対向する方向と交差する方向に傾いた場合にも、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達が適正に分散される。したがって、第1の角材10に対する第2の角材20の多様な動作に対し、木材の接合強度を高い汎用性をもって維持することができる。
(5)接合金具30の側板部32の先端には溝部38が形成されており、接合金具30の突出部33は溝部38に嵌合されている。これにより、接合金具30の突出部33は、側板部32が対向する方向と交差する方向における剛性が側板部32によって補強されている。そのため、側板部32が対向する方向と交差する方向に第2の角材20が傾いた場合であっても、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達を接合金具30の突出部33によって強固に受け止めることが可能となる。したがって、木材の接合強度を高い信頼性をもって維持することができる。
(6)接合金具30の突出部33は、側板部32が対向する方向の寸法が比較的大きい基端側部位33Aと、同方向の寸法が比較的小さい先端側部位33Bとを含んで構成され、基端側部位33Aは側板部32に対して接合されている。これにより、接合金具30の側板部32は、凹部12の深さ方向における剛性が接合金具30の突出部33の基端側部位33Aによって補強されている。そのため、第2の角材20が第1の角材10に対して側板部32が対向する方向に沿って傾いたとしても、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達が接合金具30の側板部32によって強固に受け止められる。また、接合金具30の突出部33と側板部32との接合により、接合金具30の突出部33の剛性も併せて高められるため、この点でも、第2の角材20から第1の角材10への応力の伝達が接合金具30の突出部33によって強固に受け止められる。したがって、木材の接合強度をより一層高い信頼性をもって維持することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
・上記実施の形態において、接合金具30の突出部33は、その基端側から先端側にかけて側板部32が対向する方向の寸法が一定となる構成としてもよい。この場合、接合金具30の突出部33の基端側部位33Aが接合金具30の側板部32と溶接により接合されることなく、隙間を介在させた構成としてもよい。
・上記実施の形態において、接合金具30の側板部32の先端には突出部33を嵌合させるための溝部38を設けない構成としてもよい。
・上記実施の形態において、接合金具30の突出部33は、側板部32が対向する方向と交差する方向に沿う平板状をなしてもよい。
・上記実施の形態において、図8(a)〜図8(c)に示すように、接合金具30αの側板部32αは、その先端側部位32Bαにおける底板部31からの延出方向と交差する幅方向の寸法の方がその基端側部位32Aαにおける同方向の寸法よりも小さい構成としてもよい。この場合、接合金具30αの側板部32αのうち内向きに折り返された先端側部位32Bαが第1の角材10の接合面11に沿うようになる。
・上記実施の形態では、図3に示すように、接合金具30の側板部32の先端に突出部33を嵌合させるための溝部38を設けていた。これに代えて、図8(a)〜図8(c)に示すように、接合金具30αにおける一対の側板部32αの先端面に互いに逆向きのL字状をなす係止部55を設け、これら係止部55の間で突出部33を回転規制しつつ溶接により接合してもよい。
・上記実施の形態において、接合金具30の側板部32の先端側部位32Bは例えば円弧状や楕円弧状をなすように内向きに湾曲した構成としてもよい。
・上記実施の形態において、接合金具30は、側板部32が内向きに折り返されることなく直線状に延びる構成としてもよい。この場合、接合金具30の底板部31からの側板部32の延出量が凹部12の深さよりも大きく、接合金具30の側板部32の先端が凹部12から突出する構成としてもよい。
・上記実施の形態において、図9(a)及び図9(b)に示すように、接合金具30δの突出部33δは、底板部31の中心から外れた位置を基端として延出される構成としてもよい。この場合、図9(c)に示すように、接合金具30δの突出部33δが支柱となる角材10のうち隣り合う二つの側面に形成された凹部12からそれぞれ突出する。そして、図9(d)に示すように、これら接合金具30δの突出部33δに対して各対応する梁となる角材20を接合した上で、これら角材20の上面に板材60を釘打ちにより固定する。これにより、角材10の凹部12のうち、接合金具30δの突出部33δが偏って延出される位置とは反対側の領域を板材60によって覆うことが可能となる。
・上記実施の形態では、図1に示したように、第1の角材10に対して第2の角材20を2方向からL字状をなすように接合するための構成として接合金具30を適用する場合を例に挙げて説明した。ただし、これに限らず、第1の角材10に対して第2の角材20を四方から十字状に接合するための構成として接合金具30を適用してもよい。
10…第1の木材としての第1の角材、11…接合面、12…凹部、20…第2の木材としての第2の角材、21…接合面、22…嵌合部としてのスリット、24…固定具としての固定ねじ、23…挿入部としての挿通孔、30,30α,30β,30γ,30δ…接合金具、31…底板部、32…側板部、33…突出部、33A…基端側部位、33B…先端側部位、38…溝部。

Claims (7)

  1. 第1の木材の接合面と第2の木材の接合面とを接合金具を介して接合する木材の接合構造であって、
    前記第1の木材の接合面は、前記接合金具が挿入される凹部を有し、
    前記接合金具は、前記凹部の底面に接触する底板部と、前記底板部の中心を挟んだ両位置から前記凹部の外側に向けて延出されて前記凹部の側面に面接触する側板部と、前記底板部における前記側板部の間となる面部位から延出されて前記凹部から突出した突出部とを有し、
    前記第2の木材の接合面は、前記突出部が嵌合される嵌合部を有し、前記突出部が前記嵌合部に嵌合されつつ前記第2の木材の接合方向に沿う側面に形成された挿入部を通じて挿入された固定具により固定された状態で、前記第1の木材の接合面のうち前記凹部の周囲に位置する面部位に対して面接触する
    ことを特徴とする木材の接合構造。
  2. 前記接合金具は、前記底板部からの前記側板部の延出量が前記凹部の深さ以上である
    請求項1に記載の木材の接合構造。
  3. 前記側板部の先端は、前記第1の木材の接合面に沿うように屈曲又は湾曲している
    請求項1又は請求項2に記載の木材の接合構造。
  4. 前記突出部は、前記側板部が対向する方向に沿う平板状をなしている
    請求項1〜3の何れか一項に記載の木材の接合構造。
  5. 前記側板部の先端には溝部が形成されており、
    前記突出部は前記溝部に接合されている
    請求項4に記載の木材の接合構造。
  6. 前記突出部は、前記側板部が対向する方向の寸法が比較的大きい基端側部位と、同方向の寸法が比較的小さい先端側部位とを含んで構成され、前記基端側部位が前記側板部に対して接合されている
    請求項4又は請求項5に記載の木材の接合構造。
  7. 底板部と、
    前記底板部の中心を挟んだ両位置から延出される側板部と、
    前記底板部における前記側板部の間となる面部位から延出される突出部と、を有する
    接合金具。
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