JP2019196656A - 木造建築物の構造躯体の接合構造及び木造建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】縦横の比の異なる木質垂直構造材を使用する際に木質水平構造材の接合強度を保持することができる木造建築物の構造躯体の接合構造及び木造建築物を提供すること。【解決手段】複数の第1の壁柱2や第2の壁柱3と複数の梁6とを組み合わせ、壁柱2、3の側面に梁6の木口側を当接させた状態で接合金具を使用して両者を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、第1の壁柱2及び第2の壁柱3は第1の補助構造材4側面に対して第2の補助構造材5が長手方向にて第1の補助構造材4の幅広となる側面に接合されて構成され、梁6の木口面が第2の壁柱3に対して接合金具としてのT字金具、ラグスクリューボルト、ナット、ドリフトピン等によって接合されるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は木造建築物の構造躯体の接合構造及び木造建築物等に関するものである。
従来から木造建築物では構造躯体となる複数の木質垂直構造材と複数の木質水平構造材とを組み合わせ、接合金具を使用して両者を連結固定するようにしている。
このような接合構造が開示された文献の一例として特許文献1を示す。特許文献1では木質垂直構造材としての柱28の側面に木質水平構造材としての梁29の木口面を当接させ接合金具21で連結する接合構造が開示されている。木質垂直構造材の典型としての柱28に対して木質水平構造材の典型の梁29を接合金具を使用して連結することは常套的である。
ところで、近年木質垂直構造材として集成材を用いた板材が壁柱として構造躯体の材料として用いられるようになってきている。このような壁柱の技術の一例として特許文献2を挙げる。
図11は、このような壁柱100と壁柱100に接合金具を使用して梁101A〜101Cが連結された従来の木造建築物の構造躯体の模式的な一例である。
特開2017−154165号公報 図6 特開2012−225023号公報
図11のような構造では、壁柱100に対して梁101A〜101Cは細幅の側と幅広の側の2つの側のいずれかに当接されることとなる。細幅の側に当接された梁101Aは壁柱100内に長尺のボルト部材を埋設させ壁柱100の長さに応じた厚みによってそのボルト部材を支持できるため、梁101Aにかかる様々な外力に対する応力、例えば曲げ応力や剪断応力に対する大きな強さを保持できる。一方、幅広の側に当接された梁101Bでは壁柱100は薄肉となってしまうため長尺のボルト部材を埋設させることは難しく相対的に梁101Aに比べて強度を得にくくなってしまう。また、片方の木口面が細幅の側に当接され他方の木口面が幅広の側に当接された梁101Cも梁101Aに比べて強度が得にくい。壁柱以外でも縦横の比率の異なるいわゆる平角の柱であっても、その縦横の比が大きくなるようであれば同様の課題が生じる。
本発明の目的は、縦横の比の異なる木質垂直構造材を使用する際に木質水平構造材の接合強度を保持することができる木造建築物の構造躯体の接合構造及び木造建築物を提供することである。
上記目的を達成するために、手段1として、複数の垂直構造躯体と複数の水平構造躯体とを組み合わせ、前記垂直構造躯体の側面に前記水平構造躯体の木口側を当接させた状態で接合金具を使用して両者を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、前記垂直構造躯体は縦横の比率の異なる第1の補助構造材側面に対して第2の補助構造材が長手方向にて前記第1の補助構造材の幅広となる側面に接合されて構成され、前記水平構造躯体の木口面が前記垂直構造躯体の前記第2の補助構造材に対して前記接合金具によって接合されるようにした。
これによって、第1の補助構造材の幅広となる側面に第2の補助構造材を接合し、その第2の補助構造材に木質水平構造材の木口面を接合できるため、第2の補助構造材の厚みを利用して接合金具を埋設することができ、接合部周辺に各種応力に対する十分な強さを与えることができる。つまり、第1の補助構造材の細幅側の厚みが十分取れなくとも幅広となる側面に第2の補助構造材を接合し、水平構造躯体を支持するための接合金具を第2の補助構造材に埋設できるからである。
水平構造躯体を支持するための接合金具は第2の補助構造材との間にだけあっても第1の補助構造材、第2の補助構造材、水平構造躯体と3つの構造躯体を跨がってもよい。
「構造躯体」とは、木造建築物を建築する際の骨組み(架構を構成する部材)にあたる部分であって、例えば基礎、壁、柱、横架材(梁、桁等)、土台、母屋等を広くいう。また、ムクの木でもよく集成材、例えば、CLT(Cross Laminated Timber)と称される直交集成板であるとよい。LVLと呼ばれる単板積層材でもよい。垂直構造躯体は、壁、柱等であり、水平方向断面が方形に現れる形状がよい。水平構造躯体は横架材(梁、桁等)、土台、母屋等であり、垂直方向断面が方形に現れる形状がよい。
「縦横の比率の異なる第1の補助構造材」は、水平方向断面が長方形に現れる形状がよく、例えば縦横の比率が小さな平角状の柱形状や縦横の比率が大きな板状の壁柱形状がよい。例えば壁柱形状であればCLTであると強度は均質であり強度も計算しやすくこの発明を適用するのによい。
「第2の補助構造材」も水平方向断面が長方形に現れる形状がよいが、水平方向断面が正方形に現れてもよい。平角状の柱形状や板状の壁柱形状がよい。
第1の補助構造材と第2の補助構造材は接合状態の平面視では例えば、T字状やL字状に現れるとよい。T字状では第1の補助構造材の中央位置に第2の補助構造材が接合されるが中央位置以外にずれた位置に配置するようにしてもよい。また、第1の補助構造材に対して第2の補助構造材は1つだけでもよく複数が突き合わされて平面視では例えば、Π形状に現れてもよい。Π形状では第1の補助構造材の両端位置に第2の補助構造材が接合されるが両端位置以外の内方にずれた位置に配置するようにしてもよい。また平面視では例えば、十字形状に配置されるようにしてもよい。
第1の補助構造材と第2の補助構造材は同じ形状であれば規格化できるため取り扱いに好適であるが、第1の補助構造材と第2の補助構造材の形状、サイズは異なっていてもよい。各第1の補助構造材や各第2の補助構造材において形状、サイズは異なっていてもよい。
第1の補助構造材と第2の補助構造材は組み合わせて垂直構造躯体を構成するため、呼称として補助構造材という言葉を使用する。第1の補助構造材と第2の補助構造材も構造躯体である。
「接合金具」は、隣接する構造躯体を接合するために両者間に主として埋設状に配設される金具である。例えば、ラグスクリューボルトのようなボルト部材、ボルト部材と螺合されるナット部材、所定の形状で構造躯体に挿入される挿入プレートを有する鋼板、ジベル、ドリフトピン等が例示される。これらは単独で又は組み合わされて使用されることもあり、組み合わされた一部が構造躯体外部に露出させられることもある。
また、手段2として、前記第2の補助構造材は縦横の比率が異なり第1の補助構造材に対して細幅となる側面で接合されて前記垂直構造躯体を構成しているようにした。
手段1では第2の補助構造材は縦横の比率が同じケースも異なるケースもどちらも想定している。水平構造躯体を支持するための接合金具を埋設する厚みを設けるのであれば第1の補助構造材とは異なり第2の補助構造材の縦横の比率が異なる場合に限定する必要はないからである。しかし、第2の補助構造材の縦横の比率が異なるのであれば第1の補助構造材に対して細幅となる側面で接合させる方が埋設する接合金具をより長く構成でき、第1の補助構造材の面方向に第2の補助構造材が張り出さないため第1の補助構造材の内側空間が大きく確保できる。
また、手段3として、前記水平構造躯体の木口面は前記第2の補助構造材の前記細幅の面に対して前記接合金具によって接合されるようにした。
手段2と同様に第2の補助構造材は縦横の比率が異なる場合に限定する必要はないわけであるが、水平構造躯体の幅は狭いためこのようにすると水平構造躯体との協調を取ることができる。
また、手段4として、前記水平構造躯体の厚みは接合される前記第2の補助構造材の厚みと同じであるようにした。
これによって、水平構造躯体と第2の補助構造材とが幅方向において段差がなくなり、水平構造躯体、第1の補助構造材、第2の補助構造材とで包囲される空間がシンプルとなり大きく確保できる。
また、手段5として、前記垂直構造躯体は前記木造建築物の複数階に及んで立設されるようにした。
第1の補助構造材と第2の補助構造材は組み合わせて垂直構造躯体を構成するようにしているため、垂直構造躯体が断面積に比して非常に強度が増すことなり、複数階に及ぶ通し柱として使用することが好適だからである。例えば、高層となる木造架構として使用するようにしてもよい。
また、手段6として、前記第1の補助構造材及び前記第2の補助構造材は壁柱であるようにした。
壁柱は断面方向の縦横の比率差が大きく板状であるため、特に本発明を適用することによる効果が顕著だからである。
また、手段7として、前記垂直構造躯体が前記構造躯体の角位置に立設され、直交状に配置される2つの前記水平構造躯体は前記第1の補助構造材の細幅となる側面と、同細幅となる側面に直交する前記第2の補助構造材の側面にそれぞれ前記接合金具によって接合されている構造を有するようにした。
架構において本発明を適用する位置をクレームした手段である。角位置において本発明の垂直構造躯体をこのように配置することによって、交差するいずれの方向も接合金具を埋設する厚みを設けることが可能となる。
また、手段8として、前記垂直構造躯体が前記構造躯体の角位置ではない位置に立設され、直交状に配置される2つの前記水平構造躯体は前記第1の補助構造材の細幅となる側面と、同細幅となる側面に直交する前記第2の補助構造材の側面にそれぞれ前記接合金具によって接合されている構造を有するようにした。
架構において本発明を適用する位置をクレームした手段である。角位置ではない位置において本発明の垂直構造躯体をこのように配置することによって、交差するいずれの方向も接合金具を埋設する厚みを設けることが可能となる。特に、架構の外周位置に配置することがよい。
また、手段9として直交状に配置される2つの前記水平構造躯体は同高さに配置されているようにした。
これによって、直交状に配置される2つの水平構造躯体によって構成される二次元的な水平面が垂直構造躯体と協働して堅固な面を構築することとなる。
また、手段10として、手段1〜9のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造を備えた木造建築物とした。
木造建築物において手段1〜9の発明を適用することをクレームした手段である。
本発明によれば、第1の補助構造材の幅広となる側面に第2の補助構造材を接合し、その第2の補助構造材に木質水平構造材の木口面を接合できるため、第2の補助構造材の厚みを利用して接合金具を埋設することができ、接合部周辺に各種応力に対する十分な強さを与えることができる。
本発明の実施形態の木造建築物の構造躯体の接合構造を使用した木造建築物の模式的な斜視図。 図1の円Pで示される部分の接合構造を説明する斜視説明図。 図1の円Qで示される部分の接合構造を説明する斜視説明図。 図1の円Qで示される部分の接合構造を説明する斜視説明図。 第1の補助構造材と第2の補助構造材の接合金具を使用した接合構造の説明図であって、(a)は接合前、(b)は接合状態。 (a)及び(b)は第1の補助構造材と梁の接合金具を使用した接合構造の接合途中を説明する説明図。 (a)はジベルの平面図、(b)は中心線で右半分を断面として表示した一部切り欠き正面図。 第1の壁柱を基礎上の柱脚金物上に設置する途中の状態を説明する部分拡大斜視図。 T字金物の(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 (a)はラグスクリューボルトの正面図、(b)は雄ネジ付きラグスクリューボルトの正面図。 従来の木造建築物の模式的な斜視図。
以下、本発明の一実施の形態である木造建築物の構造躯体の接合構造について図面に基づいて説明する。
図1は本発明の接合構造を使用して構築された複数の階層をなす木造建築物1である。木造建築物1は複数の垂直構造躯体としての第1の壁柱2と第2の壁柱3の2種類を有している。第1の壁柱2は木造建築物1の角隅箇所に設置される垂直構造躯体であり、第1の補助構造材4と第2の補助構造材5を組み合わせて構成されている。第1の壁柱2では第1の補助構造材4の幅広となる面に対して平面視においてL字状となるように直交して第2の補助構造材5の細幅となる面(厚み側)が接合されて構成されている。
第2の壁柱3は木造建築物1の角隅以外の箇所に設置される垂直構造躯体であり、第1の壁柱2と同様に第1の補助構造材4と第2の補助構造材5を組み合わせて構成されている。本実施例では第2の壁柱3は2つの第1の壁柱2のちょうど中間となる外壁が形成される面に配置されているが、ちょうど中間でなくとも第2の壁柱3となる。第2の壁柱3では第1の補助構造材4の幅広となる面に対して平面視においてT字状となるように直交して第2の補助構造材5の細幅となる面(厚み側)が接合されて構成されている。
本実施の形態では第1の補助構造材4と第2の補助構造材5は幅1000mm、厚み210mmの基準となる直方体形状の5層構造のCLTパネルを使用している。すべて基礎B上に設置されて上方に延出される通し柱(途中で切れ目はない)としての機能を有する。長さは木造建築物1の階層に応じて異なる長さサイズが用意されるが、長いサイズをカットしたり、短いサイズを長手方向で接合金具を使用したり、梁を介して接合してもよい。
木造建築物1は第1の壁柱2と第2の壁柱3に対して水平方向で接続される複数の水平構造躯体としての梁6を有している。梁6は第1の補助構造材4又は第2の補助構造材5の細幅となる面に付き合わされている。本実施の形態では高さ500mm、厚み210mmの基準となる直方体形状の集成材を使用している。梁6の厚みを第1の補助構造材4と第2の補助構造材5の厚みと同じにしているため、左右の面方向は面一に接続される。長さは木造建築物1に応じた異なるスパンの梁6が用意されるが、長いサイズをカットして使用してもよい。図1の円Rの位置においては長スパンの梁6Aに対して相対的に短スパンの梁6Bが表裏(左右)からそれぞれ突き合わされて接合金具で接合されている。
梁6は第1の壁柱2と第2の壁柱3の間、又は第2の壁柱3と第2の壁柱3の間に水平に配置される。上下方向に配置された梁6同士は互に平行である。
実際には木造建築物1にはこのスケルトンの架構状態に床構造体と外装材及び内装材が配設される。
以下では一例として図1の円Pと円Qで囲んだ位置の具体的な接合方法と接合構造を説明する。
図2は図1の円Pで囲んだ部分の接合構造を説明する分解斜視図である。また、図5及び図6はその部分の接合方法を説明する説明図である。まず、第1の補助構造材4と第2の補助構造材5の接合金具を使用した接合方法について説明する。
図2及び図5に示すように第1の補助構造材4の幅広となる面において第2の補助構造材5が接合される側の面(以下、この面を接合面とする)の反対側の面(外面)の端寄り位置には上下方向に一定の間隔で凹部10が形成されている。凹部10は円形の内壁で構成された第1の補助構造材4の平面で構成された外面から一段下がった収容部である。各凹部10底面の中心から接合面にかけて案内孔11が形成されている。第1の補助構造材4の接合面側であって案内孔11の周囲には仕口としてリング状の第1のジベル嵌合溝12が形成されている。第2の補助構造材5の細幅となる面において第1の補助構造材4が接合される側の面(以下、この面を接合面とする)であって各第1のジベル嵌合溝12に対応する位置に仕口として第2のジベル嵌合溝13が形成されている。第2のジベル嵌合溝13は第1のジベル嵌合溝12と同形状に構成され、第2のジベル嵌合溝13に包囲された中央位置には案内孔14が形成されている。
このような加工がされた第1の補助構造材4と第2の補助構造材5は接合金具の一部であるジベル15を介して接合される。図7に示すように、ジベル15は等幅・等厚のベルト状の板材を無端状のリングとした本体16を有している。本体16内部にドーナツ状に透孔17が形成された円形の補強板18が溶接によって固着されている。接合においては対応する第1のジベル嵌合溝12と第2のジベル嵌合溝13間にジベル15をそれぞれ配置した状態でラグスクリューボルト19によって連結する。図10(a)、図5(a)等に示すように、接合金具の一部であるラグスクリューボルト19はヘッド部19aと雄ネジが形成された本体19bから構成されている。
図5(a)に示すように、第1の補助構造材4の外面側の案内孔11位置にラグスクリューボルト19の本体19bの先端を照合して配置し、ワッシャ20を介した状態で図示しない工具によって本体19bを木部にねじ込んでいく。ラグスクリューボルト19の本体19bは第1の補助構造材4と第2の補助構造材5にそれぞれねじ込まれて埋設される。図5(b)はラグスクリューボルト19のヘッド部19aが凹部10内に収容されたラグスクリューボルト19による第1の補助構造材4と第2の補助構造材5の締結が完了した状態を示す。
次に第1の補助構造材4と梁6の接合金具を使用した接合方法について説明する。
図2及び図6に示すように、第1の補助構造材4の細幅となる面において梁6が接合される側(以下、この面を接合面とする)の梁6を配置する所定の高さ位置にはT字金具25を接合するための4つの第3のジベル嵌合溝22が形成されている。4つの第3のジベル嵌合溝22はリング状の溝であって上下方向に直列に配置された仕口である。各第3のジベル嵌合溝22の中央位置には案内孔24が形成されている(図6においては一番上の案内孔24のみが示されている)。梁6の木口面にはスリット23が形成されている。梁6の木口面寄りの側面にはスリット23内に連通する5つのドリフトピン用透孔26が形成されている。複数のドリフトピン用透孔26は梁6の水平な延出方向に対して垂直となる方向に直列に配置されている。
このような加工がされた第1の補助構造材4と梁6は接合金具の一部であるT字金具25と雄ネジ付きラグスクリューボルト35を使用して接合される。
図2、図3、図6、図9(a)(b)等に示すように、圧延鋼材よりなるT字金具25は略長方形の当接プレート27と略長方形の挿入プレート28とが平面視においてT字状となるように溶接によって接合されて構成されている。第1の補助構造材4に当接される当接プレート27には上下方向(垂直方向)において等間隔に4つの透孔29が形成されている。当接プレート27の前面には上下方向に沿って4つのジベル30が溶接によって固着されている。ジベル30は等幅・等厚のベルト状の板材を無端状のリングとして構成されている。挿入プレート28の当接プレート27に隣接した位置であって各ジベル30に面した位置には小判形状の長孔を短径側に沿って半分にカットしたような形状のナット取り付け穴32が形成されている。挿入プレート28には1つの切り欠き33と4つの透孔34が上下方向に直列に配置されて形成されている。
図2、図3、図6、図10(b)等に示すように、雄ネジ付きラグスクリューボルト35はラグスクリュー部35aと雄ネジ部35bとから構成される接合金具である。ラグスクリュー部35aは全長の90%程度を占める。
第1の補助構造材4と梁6の接合においては、まず、図6(a)に示すように、第1の補助構造材4に形成した4つの案内孔24位置にそれぞれラグスクリューボルト35のラグスクリュー部35a側の先端を照合して配置し、図示しない工具によってラグスクリュー部35a側を木部にねじ込んでいき、第1の補助構造材4の表面から雄ネジ部35bを突出させた状態とする。各ラグスクリューボルト35をねじ込んだ状態で雄ネジ部35b周囲にはそれぞれ第3のジベル嵌合溝22が配置されることとなる。この状態でT字金具25の当接プレート27をジベル30を対応する第3のジベル嵌合溝22に嵌合させながら取り付けるようにする。すると、ジベル30の嵌合に伴って雄ネジ部35bは当接プレート27の透孔29から当接プレート27裏面側に挿通させられてナット取り付け穴32に突出する。そして、図6(b)に示すように、突出させられた雄ネジ部35bに対してワッシャ36を介してナット37を締め付け固定する。これによってT字金具25は第1の補助構造材4側面にしっかりと固定される。
図6(b)に示すように、この状態でT字金具25の挿入プレート28にスリット23が収まるように梁6を上方から下降させ、照合されたドリフトピン用透孔26と透孔34に対して図2のように側方からドリフトピン38を打ち込んで梁6が固定される。尚、この梁6の下降動作の際に、一番上のドリフトピン用透孔26に前もってドリフトピン38を打ち込んでおくことで、梁6を下降させた際にそのドリフトピン38が切り欠き33に干渉して梁6の位置決めがされる。他のドリフトピン38はその位置決め後に打ち込まれることとなる。
次に、図1の円Qで囲んだ位置の具体的な接合方法と接合構造を説明する。図1の円Qで囲んだ位置、具体的には第2の壁柱3の第1の補助構造材4と第2の補助構造材5の接合金具を使用した接合方法と、第2の壁柱3の第1の補助構造材4と梁6の接合金具を使用した接合方法は第1の壁柱2と同じである。具体的には図3及び図4のように配置されて接合される。基本的に図3と図4に示される接合金具は図2と共通するため詳しい説明は省略する。
図1の円Qで囲んだ位置と円Pで囲んだ部分の接合構造との違いは、円Pで囲んだ第1の壁柱2がL字状であって第1の補助構造材4の縁部分に第2の補助構造材5が当接されて木造建築物1の直角の角部分を構成するのに対し、円Qで囲んだ位置では第2の壁柱3はT字状であって第1の補助構造材4の中央位置に第2の補助構造材5が当接されていることである。また、図4に示すように、第2の壁柱3の第2の補助構造材5と梁6の接合金具を使用して接合されていることも異なる。
このように本実施の形態の木造建築物1ではすべてのL字状、あるいはT字状に接合された第1の壁柱2と第2の壁柱3を構成する第1の補助構造材4と第2の補助構造材5は接合金物(ラグスクリューボルト19、ジベル15等)で接合され、また、第1の補助構造材4に対してすべての梁6は上記接合金物(T字金具25、ラグスクリューボルト35、ドリフトピン38等)で接合される。本実施の形態の木造建築物1はいくつかの第1の壁柱2と第2の壁柱3にいくつかの梁6を接合して基本となるラーメン構造を構築した段階で基礎B上に柱脚金物41を介して設置される。そして、基礎B上に固定された木造建築物1の一部に対して次々と第1の壁柱3と第2の壁柱3と梁6を接続して木造建築物1全体が構築される。
図8に示すように、第1の補助構造材4と第2の補助構造材5の形状と位置に応じて基礎B上にアンカーボルトABを介して柱脚金物41が固着されている。ここでは一例として角位置に配置されるL字状の第1の壁柱2を柱脚金物41上に設置する例として図示をしている。他の第1の補助構造材4と第2の補助構造材5も同じ柱脚金物41上に設置されるものである。
柱脚金物41は圧延鋼材を組み合わせて構築された本体ボックス42と、本体ボックス42の天井面42aに設置された圧延鋼材からなる3枚の挿入プレート43とから構成されている。各挿入プレート43には多数の透孔44が形成されている。ここではL字状の第1の壁柱2に対応して2つの柱脚金物41の本体ボックス42がL字状に組み合わされて配置されている。
第1の補助構造材4と第2の補助構造材5の底面4a、5aには図示しないスリットが形成されており、第1の補助構造材4と第2の補助構造材5の底面4a、5a寄りの側面にはスリット内に連通する多数のドリフトピン用透孔45が形成されている。第1の壁柱2は第1の補助構造材4と第2の補助構造材5のスリット内に挿入プレート43が嵌挿されるように配置され、照合された透孔44とドリフトピン用透孔45に対して図8のように側方からドリフトピン46を打ち込んで梁6が固定される。
このように構成することで上記実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)梁6を固定するための接合金具として長さのあるラグスクリューボルト35を第1の補助構造材4又は第2の補助構造材5側に埋設することができる。つまり、直交するすべての方向に配置される梁6は第1の補助構造材4であろうと第2の補助構造材5であろうと接合される細幅の側面と長さのあるラグスクリューボルト35を使用して接合が可能である。そのためT字金具25を介して梁6にかかる様々な外力に対する応力、例えば曲げ応力や剪断応力に対する大きな強さを備えた構造とすることができる。
(2)第1の補助構造材4と第2の補助構造材5はT字金具25、ラグスクリューボルト35、ドリフトピン38を使用して横方向の引っ張り力に対する応力値の大きな構造となっている。そのため、それらを接合してなる第1の壁柱2と第2の壁柱3はL字状あるいはT字状の一体化した材と同様に扱うことができる。
(3)梁6の幅と第1の補助構造材4又は第2の補助構造材5の幅(厚み)は一致して接合部分において面一に接合されることとなるため、その後の内装材や外装材の施工において作業性がよくなる。
(4)第2の壁柱3において室内側に突出させられる第2の補助構造材5は梁6と同幅であるため左右方向に張り出すことがなく内部空間が大きく確保できる。
(5)T字状の第2の壁柱3では上下方向に第2の補助構造材5が配設されることとなり、壁中央付近における柱の側方からの曲げ強度が向上する。
上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・上記実施の形態では一例として図1における木造建築物1を例にしたが、これは発明の理解のためシンプルな構造を例として挙げたものであって、例えばもっと高層の木造建築物であってもよく、全体として木造建築物1のような直方体以外の形状でもよく、第2の壁柱3は第1の壁柱2の中間位置にでなくともよい。また、第1の壁柱2と第2の壁柱3は木造建築物1の外周位置に配置される構成であったが、木造建築物の内部に立設させるようにしてもよい。その場合には平面視において十字形状になるように第1の補助構造材4の表裏に第2の補助構造材5を配置するようにするとよい。
・上記では第1の補助構造材4に対して1つの第2の補助構造材5だけを突き合わせるような構造であったが、複数の第2の補助構造材5が突き合わされて平面視では例えば、Π形状に現れてもよい。あるいは
・上記実施の形態では一例として5層構造のCLTパネルを第1の補助構造材4と第2の補助構造材5の材料として使用したが、他の木製の素材で壁柱を構成するようにしてもよい。第1の補助構造材4と第2の補助構造材5や梁6のサイズも上記は一例である。
・上記では第1の補助構造材4と第2の補助構造材5のどちらも壁柱という位置づけであったが、第1の補助構造材4のみを壁状(つまり板状)として、第2の補助構造材5を壁状ではなく例えば断面が正方形の柱状に構成するようにしてもよい。
・接合金具の形状や種類について上記は一例である。例えば、T字金具25のジベル30は4つで構成されていたが、4つでなくともよい。また、T字金具以外の金具を使用してもよい。また、例えば第1の補助構造材4と第2の補助構造材5を連結するための金具として使用したラグスクリューボルト19はヘッド部19aを有するヘッド一体型であったが、雄ネジ付きラグスクリューボルト35を使用してナットで引き抜きを防止するようにしてもよい。
・上記の形状のジベル15以外のジベルを使用してもよい。
・上記の形状の柱脚金物41以外の柱脚金物を使用してもよい。
・上記床パネル2や壁パネル3はCLTパネルを使用したが、CLTパネル以外の集成材やムクの材を使用するようにしてもよい。
・梁6以外に桁や土台で実現するようにしてもよい。
・木造建築物1の基礎B上への設置方法は上記以外の手法以外でもよい。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
また、意匠出願への変更出願により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。
1…木造建築物、2…垂直構造躯体としての第1の壁柱、3…垂直構造躯体としての第2の壁柱、4…第1の補助構造材、5…第2の補助構造材、6…水平構造躯体としての梁、19…接合金具としてのラグスクリューボルト、25…接合金具としてのT字金具、35…接合金具としての雄ネジ付きラグスクリューボルト、37…接合金具としてのナット、38…接合金具としてのドリフトピン。

Claims (10)

  1. 複数の垂直構造躯体と複数の水平構造躯体とを組み合わせ、前記垂直構造躯体の側面に前記水平構造躯体の木口側を当接させた状態で接合金具を使用して両者を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、
    前記垂直構造躯体は縦横の比率の異なる第1の補助構造材側面に対して第2の補助構造材が長手方向にて前記第1の補助構造材の幅広となる側面に接合されて構成され、前記水平構造躯体の木口面が前記垂直構造躯体の前記第2の補助構造材に対して前記接合金具によって接合されることを特徴とする木造建築物の構造躯体の接合構造。
  2. 前記第2の補助構造材は縦横の比率が異なり第1の補助構造材に対して細幅となる側面で接合されて前記垂直構造躯体を構成していることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  3. 前記水平構造躯体の木口面は前記第2の補助構造材の前記細幅の面に対して前記接合金具によって接合されることを特徴とする請求項2に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  4. 前記水平構造躯体の厚みは接合される前記第2の補助構造材の厚みと同じであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  5. 前記垂直構造躯体は前記木造建築物の複数階に及んで立設されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  6. 前記第1の補助構造材及び前記第2の補助構造材は壁柱であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  7. 前記垂直構造躯体が前記構造躯体の角位置に立設され、直交状に配置される2つの前記水平構造躯体は前記第1の補助構造材の細幅となる側面と、同細幅となる側面に直交する前記第2の補助構造材の側面にそれぞれ前記接合金具によって接合されている構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  8. 前記垂直構造躯体が前記構造躯体の角位置ではない位置に立設され、直交状に配置される2つの前記水平構造躯体は前記第1の補助構造材の細幅となる側面と、同細幅となる側面に直交する前記第2の補助構造材の側面にそれぞれ前記接合金具によって接合されている構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  9. 直交状に配置される2つの前記水平構造躯体は同高さに配置されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の構造躯体の接合構造を備えた木造建築物。
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