JP2009221748A - 柱梁の接合構造および屋外構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柱3が上側柱材31と下側柱材32とに分割されているので、上下が連続した一本の柱材で構成する場合と比較して、柱材31,32の製造効率や運搬効率が向上できるとともに、この分割位置で上側および下側の柱材31,32をスリーブ材33で連結することで、スリーブ材33の挿入やボルト45の固着などの接合作業が容易にできて作業性を向上させることができる。さらに、上側および下側の柱材31,32の連結位置を跨いで梁が接合されることで、柱材31,32同士の継ぎ目を梁で覆い隠すことができ、柱梁接合部の外観意匠を良好にすることができる。
【選択図】図5
Description
特許文献1に記載された柱梁の接合構造は、柱の中空内部に挿入される中骨と、柱の外側に嵌め込まれる環状のブラケットとを備え、このブラケット、柱の側面および中骨を貫通するボルトと中骨内部のナットとを螺合させることで、ブラケットが柱に固定される。そして、ブラケットの側面に設けた突起部に梁の端部を連結することで、柱と梁とが接合されるようになっている。
さらに、柱の長さ方向中間位置に梁を接合する場合には、柱の上下いずれかの端部から接合位置まで中骨を挿通させる必要があるとともに、この中骨にナットを保持させておかなくてはならず、接合位置での中骨の位置合わせや、ボルトとナットの締め付け作業に手間が掛かり、組立作業性が劣ってしまうという問題もある。
また、従来のブラケットは、柱に嵌め込まれる環状部と梁を固定する突起部とが一体に形成されているため、鋳造(アルミダイカストなど)で製造するか、各部を溶接接合するなど、製造にかかる手間とコストが大きかったのに対し、本発明では、固着具を介して端部部材を連結部材に連結したことで、端部部材や連結部材の構造を簡単にでき、これらの部材を例えば押し出し形材等で製造することが可能になって、製造手間や製造コストを低減させることができる。
このような構成によれば、梁材の中空内部に端部部材を挿入し、梁材を貫通する梁固着具で梁材と端部部材とを連結することで、端部部材を梁材によって隠蔽することができるとともに、端部部材と連結部材を連結する固着具も梁材で覆い隠すことができ、柱梁接合部の意匠性をより一層向上させることができる。
このような構成によれば、上側および下側の柱材を貫通する固着具で端部部材と連結部材とを連結することで、固着具の部品点数および組立作業の工数がさらに削減できるとともに、上側および下側の柱材同士の継ぎ目がより目立たなくできて柱梁接合部の外観が一層良好にできる。
このような屋外構造体によれば、前述の接合構造と同様に、柱と梁の接合作業の作業性を向上させることができるとともに、柱梁接合部の外観を良好にして当該屋外構造体の意匠性を向上させることができる。
なお、本発明の屋外構造体としては、バルコニーやベランダ、カーポート屋根、テラス屋根、サンルーム、アプローチの屋根や庇など、少なくとも柱と梁とを備えたものであればよく、その用途や設置場所等は特に限定されない。
このような構成によれば、角柱と外柱とにおいて、固着孔を同一位置に設けた共通仕様の連結部材で上側および下側の柱材を連結することで、部品点数の増加を防止することができるとともに、組立作業の際に部品選択の手間を低減して作業性を向上させることができる。すなわち、梁が三方から接合する外柱用の連結部材では、固着孔が三側面に設けられることとなり、梁が二方から接合する角柱用の連結部材では、固着孔を二側面に設けておけばよいのであるが、角柱用の連結部材としても固着孔が三側面に設けられた外柱と共通の連結部材を用いることで、部材を共通化することができる。
このような構成によれば、角柱および外柱において、バルコニー床面側以外の側面、つまりバルコニーの外部から見える側面に接合される外周の梁の端部部材を、上側および下側の柱材を貫通する固着具で連結部材に連結することで、上側および下側の柱材同士の継ぎ目が目立たなくできて屋外構造体の外観が一層良好にできる。一方、外柱において、バルコニー床面側の側面に接合される梁の端部部材を、下側の柱材のみを貫通する固着具で連結部材に連結することで、この梁の上端を外周の梁よりも低く位置させて、この梁の上側に支持した床材と外周の梁との納まりが良好にできる。
図1は、本発明の実施形態に係る屋外構造体であるバルコニー1の骨組み2を示す斜視図である。図2および図3は、それぞれバルコニー1の一部を拡大して示す縦断面図および横断面図である。
図1〜図3において、バルコニー1は、図示しない建物の屋外に設置され、1階部分がカーポート等に利用されるものであって、地中の基礎から立設される複数の柱3、2階レベルに設けられる複数の梁4、および屋根レベルに設けられる複数の頂部梁5を組み合わせた骨組み2と、梁4で囲まれた内部に支持された複数のデッキ材(床材)6とを備えて構成されている。また、梁4で囲まれた内部には、梁4同士に渡って架設される副梁7や、交差する梁同士4に架設される火打8が設けられている。そして、デッキ材6は、梁4の側面に設けられた受け材9(図2参照)や副梁7で支持され、これら複数のデッキ材6によってバルコニー床(バルコニー床面)6Aが構成されている。
図4に示すように、下側柱材32が立設された状態において、下側柱材32の頂部から中空内部にスリーブ材33を挿入するとともに、角柱3Bにおいて梁4が接合される二側面にブラケット43をセットし、ブラケット43および下側柱材32に貫通させたボルト45をスリーブ材33に螺合する。これにより下側柱材32、スリーブ材33およびブラケット43が固定される。ここで、ブラケット43は、上側アングル部43Aおよび下側アングル部43Bと、これら上側および下側のアングル部43A,43Bを連結する連結板43Cとを有して構成され、上側および下側のアングル部43A,43Bには、ボルト44,45を挿通させる複数のボルト孔が設けられている。一方、スリーブ材33には、上側アングル部43Aのボルト孔を貫通したボルト45(図5参照)と固着する固着孔33Aと、下側アングル部43Bのボルト孔を貫通したボルト45と固着する固着孔33Bと、後述する副ブラケット47を貫通したボルト48と固着する固着孔33Cとが設けられている。
このように梁材41を角柱3Bに接合してから、図7に示すように、梁材41の上下に端面カバー42を取り付け、これにより角柱3Bと第1外梁4Aおよび第2外梁4Bとの接合作業が完了する。
図8に示すように、下側柱材32の頂部から中空内部にスリーブ材33を挿入するとともに、外柱3Aにおいて第2および第3の外梁4B,4Cが接合される互いに対向する二側面にブラケット43をセットし、ブラケット43および下側柱材32に貫通させたボルト45をスリーブ材33に螺合する。さらに、外柱3Aにおける第1内梁4Dが接合される一側面に2つの副ブラケット47をセットし、副ブラケット47および下側柱材32に貫通させたボルト48をスリーブ材33の固着孔33Cに螺合する。この副ブラケット47は、第1内梁4Dの端部を外柱3Aに連結させるもので、下側柱材32に固定されるものの上側柱材31には固定されないようになっている。この後、前述の角柱3Bと同様に、上側柱材31とスリーブ材33およびブラケット43を固定し、上側および下側の柱材31,32を連結する。そして、第2および第3の外梁4B,4Cの梁材41をブラケット43に固定するとともに、第1内梁4Dを副ブラケット47に固定し、これにより外柱3Aと、三方向の梁4(第2および第3の外梁4B,4C、第1内梁4D)とが接合される。
(1)すなわち、柱3が上側柱材31と下側柱材32とに分割されているので、上下が連続した一本の柱材で構成する場合と比較して、柱材31,32の製造効率や運搬効率が向上できるとともに、この分割位置で上側および下側の柱材31,32をスリーブ材33で連結することで、スリーブ材33の挿入やボルト45の固着などの接合作業が容易にできて作業性を向上させることができる。
例えば、前記実施形態においては、建物の屋外に設置されるバルコニー1について説明したが、本発明の屋外構造体としては、バルコニー1に限らず、屋外に設置されるカーポートやテラスやサンルーム、アプローチ等の屋根などに利用されるものであってもよい。その際、柱に接合される梁の設置レベルとしては、カーポート等の屋根の高さ位置に合わせて設けられ、この梁に屋根面材等が支持されることが好ましい。
また、前記実施形態では、4本の柱3を平面矩形状となるように配置したが、柱3の本数や配列形態は特に限定されず、3本以上の柱が一直線状に並んで配置されていてもよい。
また、前記実施形態では、外柱3Aに2本の外梁4B,4Cと1本の内梁4Dとが接合されていたが、外柱に3本の外梁が接合されてもよい。すなわち、上側および下側の柱材31,32に固定される前記ブラケット43を介して3本の外梁が外柱に接合されていてもよく、この場合でも前記スリーブ材33を兼用することができる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 上下に延びる柱の少なくとも一側面に梁の端部を接合する柱梁の接合構造であって、
前記柱は、互いに上下に連結される上側柱材および下側柱材と、これらの柱材同士を連結する連結部材とを有して構成され、前記上側柱材および下側柱材は、それぞれ長尺かつ中空筒状断面を有するとともに、これら上側および下側の柱材に跨って中空内部に前記連結部材が挿入され、
前記梁は、長尺状の梁材と、この梁材の端部を前記上側および下側の柱材の少なくとも一方に固定する端部部材とを有して構成され、
前記端部部材と連結部材とは、前記少なくとも一方の柱材を貫通して当該連結部材に固着する固着具を介して連結されている柱梁の接合構造。 - 前記梁材は、前記端部部材が挿入される中空筒状断面を有して形成され、この梁材と端部部材とは、当該梁材を貫通して当該端部部材に固着する梁固着具によって連結されている請求項1に記載の柱梁の接合構造。
- 前記上側柱材と前記下側柱材との連結位置は、前記梁材の高さ寸法範囲内に設けられ、前記端部部材と連結部材とは、前記上側および下側の柱材を貫通する前記固着具を介して連結されている請求項1または請求項2に記載の柱梁の接合構造。
- 上下に延びる少なくとも1本の柱と、この柱の側面に接合される梁とを備え、これらの柱と梁とが請求項1から請求項3のいずれかに記載の柱梁の接合構造で接合されている屋外構造体。
- 前記柱は、前後左右に隣り合って複数が立設されるとともに、これら複数の柱間に渡って前記梁が架設され、これらの梁には、バルコニー床面を構成する床材が支持されており、
前記複数の柱のうち、前記バルコニー床面の角部に位置する角柱には、互いに交差する二側面に前記梁が接合され、前記バルコニー床面の側端縁に位置する外柱には、互いに対向する二側面およびバルコニー床面側の一側面に前記梁が接合され、
前記角柱における上側および下側の柱材を連結する連結部材と、前記外柱における上側および下側の柱材を連結する連結部材とが共通部材で構成され、これらの連結部材の三側面において、固着具と固着する固着孔が同一位置に設けられている請求項4に記載の屋外構造体。 - 前記角柱において、上側柱材と前記下側柱材との連結位置は、前記互いに交差する二側面に接合される梁の梁材の高さ寸法範囲内に設けられ、これらの梁材の端部を固定する端部部材と前記連結部材とを連結する固着具は、前記上側および下側の柱材を貫通して設けられ、
前記外柱において、上側柱材と前記下側柱材との連結位置は、前記互いに対向する二側面に接合される梁の梁材の高さ寸法範囲内に設けられ、これらの梁材の端部を固定する端部部材と前記連結部材とを連結する固着具は、前記上側および下側の柱材を貫通して設けられ、前記バルコニー床面側の一側面に接合される梁の梁材の端部を固定する端部部材と前記連結部材とを連結する固着具は、前記下側の柱材を貫通して設けられている請求項5に記載の屋外構造体。
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