JPH10205006A - 柱と梁の接合構造および木造建築物 - Google Patents

柱と梁の接合構造および木造建築物

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JPH10205006A
JPH10205006A JP1434697A JP1434697A JPH10205006A JP H10205006 A JPH10205006 A JP H10205006A JP 1434697 A JP1434697 A JP 1434697A JP 1434697 A JP1434697 A JP 1434697A JP H10205006 A JPH10205006 A JP H10205006A
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Tadao Fukuda
忠夫 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柱の強度を低下させず、さらに施工後にも梁
等にひび割れなどの問題が生じないような柱と梁の接合
構造、およびそれを利用した木造建築物を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 接合用金物14を、柱12の側面12a
に対して固定された板状の位置固定部15と、位置固定
部15の前面15aから位置固定部15に対して直交し
た状態で延出するとともに、梁材13の一端を固定する
梁固定部16と、位置固定部15の後面に設けられた凸
部17とを備えた構成とし、柱12の側面12aには凹
部18を設け、位置固定部15を、凹部18近傍を被覆
するとともに凹部18と凸部17とが嵌合して凹凸嵌合
部19を形成するように柱12の側面12aに対して配
置し、柱12と位置固定部15とを、凹凸嵌合部19の
上側および下側においてボルトおよびナットによって固
定した構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柱と梁の接合構
造、およびそれを利用した木造建築物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、木造建築物において柱と
梁を接合する際には、柱にほぞ穴を設け、このほぞ穴に
対し、梁の一端に設けたほぞを嵌合させるという手法が
一般的に用いられている。図15、16は、柱1に梁2
を接合する際の状況を示した図である。図15は、これ
らの外観を示す斜視図であり、図16は、立断面図を示
す。これら図中に示すように、柱1には、ほぞ穴3が設
けられ、このほぞ穴3に梁2の先端に設けられたほぞ4
が嵌合されることによって、柱1と梁2が接合される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように柱1と梁2を接合する際には、ほぞ穴3を設けた
部分において柱1の断面積が減少し、その結果、柱1の
強度が低下するという問題点が生じていた。
【0004】さらに、図15、16に示すように柱1と
梁2を接合した場合には、梁2に加わる荷重をほぞ4の
部分のみで支持することになり、この部分に集中的に荷
重が加わることになるため、例えば、梁2にひび割れを
生ずるなどの問題も発生していた。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、柱の強度を低下させず、さらに施工後にも梁等にひ
び割れなどの問題が生じないような柱と梁の接合構造、
およびそれを利用した木造建築物を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわ
ち、請求項1記載の柱と梁の接合構造は、柱に対して梁
材の一端を接合させた柱と梁の接合構造であって、該柱
と該梁材の一端との間に介在してこれらを接合する接合
用金物を有してなり、該接合用金物は、前記柱の側面に
対して固定された板状の位置固定部と、板状に形成さ
れ、該位置固定部の前面から該位置固定部に対して直交
した状態で延出するとともに、前記梁材の一端を固定す
る梁固定部と、該位置固定部の後面に設けられた凸部と
を備えて構成され、該柱の側面には凹部が設けられ、前
記位置固定部は、前記凹部近傍を被覆するとともに前記
凹部と前記凸部とが嵌合して凹凸嵌合部を形成するよう
に前記柱の側面に対して配置され、該柱と該位置固定部
とは、前記凹凸嵌合部の上側および下側においてボルト
およびナットによって固定されていることを特徴とす
る。
【0007】この柱と梁の接合構造は、上記のような構
成とされるため、柱に対してほぞ穴を設ける必要がな
く、施工後にも柱の強度が保たれる。また、位置固定部
と柱とが凹凸嵌合し、この凹凸嵌合部の上下がボルトお
よびナットによって固定されるため、柱と梁が強固に固
定されることになる。
【0008】請求項2記載の柱と梁の接合構造は、請求
項1記載の柱と梁の接合構造において、前記梁固定部の
上側に前記梁材が固定され、該梁固定部の両側縁には、
該梁材の軸と直交する方向の位置ずれを防止するための
立ち上がり壁部が設けられていることを特徴とする。
【0009】この柱と梁の接合構造は、上記のような構
成とされているため、柱に梁を接合する際に、梁の位置
がずれることがなく、正確に柱に対して梁を接合するこ
とが可能となる。
【0010】請求項3記載の柱と梁の接合構造は、請求
項2記載の柱と梁の接合構造において、前記凹凸嵌合部
上側において前記柱および前記位置固定部を固定する前
記ボルトは羽子板ボルトからなり、前記羽子板ボルトの
板部が、前記梁材の上面に対して固定されていることを
特徴とする。
【0011】この柱と梁の接合構造においては、上記の
ような構成とされるために、梁が柱に対して強固に固定
される。
【0012】請求項4記載の木造建築物は、木製の柱と
梁とからなる骨組み構造を備えて構成された木造建築物
であって、前記柱の少なくとも一部は、通し柱として構
成され、該通し柱と前記梁との接合部は、請求項1ない
し3に記載された柱と梁の接合構造のうちのいずれかに
よって構成されていることを特徴とする。
【0013】この木造建築物は、柱の一部または全部が
通し柱として構成され、通し柱によって構成された柱は
接続部分がなく、施工の手間を省くことができる。ま
た、これらの柱に梁を接合する際には、請求項1ないし
3に記載された柱と梁の接合構造のうちのいずれかが用
いられるため、柱に対してほぞ穴を設ける必要がなく、
柱の強度低下が防がれることとなる。
【0014】請求項5記載の木造建築物は、請求項4記
載の木造建築物であって、該木造建築物は複数階を有し
てなり、これら各階がスキップフロアとされていること
を特徴とする。
【0015】この木造建築物は、上記のような構成とさ
れているために、例えば中心部に設けられた一本の通し
柱に対して上下に間隔をおいて両側面から交互に梁を接
合するような構成とすることも可能であり、このように
することによって骨組みの強度を増大させることが可能
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の
形態を示す図であり、符号11は本発明の柱と梁の接合
構造である。柱と梁の接合構造11は、木材からなる柱
12の側面12aに対して、木材からなる梁材13の一
端を接合用金物14を用いて接合させたものである。
【0017】接合用金物14は、柱12に対して固定さ
れた位置固定部15と、梁材13を固定する梁固定部1
6と、板状に形成された凸部17とを備えて構成されて
いる。凸部17は柱12の側面12aに設けられた凹部
18に対して嵌合され、これら凸部17および凹部18
は互いに嵌合することによって凹凸嵌合部19を形成し
ている。
【0018】位置固定部15は、柱12の側面12aに
おける凹凸嵌合部19の近傍を被覆するように、柱12
に対して取り付けられる。この際の固定手段としては、
凹凸嵌合部19の下側においては、ボルト20およびナ
ット21が、凹凸嵌合部19の上側においては、羽子板
ボルト22およびナット23が用いられる。また、羽子
板ボルト22の板部22aは、梁材13の上面13aに
対してボルト25によって固定されている。
【0019】図2ないし図4は、接合用金物14の形状
を示す図であって、図2は接合用金物14の斜視図であ
り、図3は正面図、図4は側面図である。これら図中に
示すように、接合用金物14は、柱12に対して固定さ
れる板状の位置固定部15と、位置固定部15の前面1
5aから、位置固定部15に対して直交した状態で延出
する板状の梁固定部16と、位置固定部15の後面15
bに設けられた凸部17を備えて構成されている。
【0020】梁固定部16の両側縁16aには、位置固
定部15と梁固定部16との接合を補強するとともに、
梁固定部16の上面16bに対して梁材13の端部が固
定された際に、梁材13の軸方向と直交する方向の位置
ズレを防ぐための、三角形の立ち上がり壁部27が設け
られている。さらに、位置固定部15の前面15aにお
ける梁固定部16の下側には、位置固定部15に対する
梁固定部16の接合を補強するための三角形状の補強板
28が設けられている。
【0021】位置固定部15における凸部17の上側に
は、ボルト固定用の穴30が二箇所設けられている。ま
た凸部17の下側の補強板28に挟まれた部分にはボル
ト固定用の長穴31が設けられている。これら穴30お
よび長穴31に対しては、例えば図3に示すようにボル
トおよびナット32が取り付けられることになる。
【0022】また、位置固定部15および立ち上がり壁
部27には、止釘を用いてこれらの柱12または梁材1
3に対する接合を補強するための、止釘固定用の止釘穴
33、33、…が設けられている。この止釘穴に固定さ
れる止釘は、図5、図6に示すようなものが用いられ
る。図5は、止釘を構成する外殻部材34および中心部
材35の形状を示す斜視図であり、図6は同、断面図で
ある。外殻部材34は、中心に穴の開いた円盤状の頭部
36と、頭部36と接合し、筒状に形成された胴部37
と、筒状に形成され先端に向かってその径が縮小してい
くような形状とされた先端部38と、先端部38のさら
に先端に設けられ、傘状に形成された引き止め部39と
からなっている。頭部36の径は、止釘穴33の径より
も若干大きくなるように形成されている。また、先端部
38および引き止め部39には切れ込み40が設けられ
ている。
【0023】この止釘を止釘穴33に打ちこむ際には、
まず、外殻部材34を止釘穴33から柱12または梁材
13に対して、通常の釘と同様に、頭部36が止釘穴3
3の周囲に当接するまで打ち込む。ついで、筒状に形成
された胴部37の内部に、中心部材35を打設すると、
切れ込み40の設けられた先端部38および引き止め部
39が拡径し、引き止め部39の周縁部39aが、柱1
2または梁材13の内部において掛止することにより、
外殻部材34が、柱12または梁材13から引き抜かれ
る方向に対して抵抗力を発揮するようになる。これによ
り、止釘によって位置固定部15および立ち上がり壁部
27の柱12または梁材13に対する接合が補強される
こととなる。
【0024】以上が、本実施に形態における柱と梁の接
合構造11の基本的な構成であるが、次に、この柱と梁
の接合構造11を利用した木造建築物について説明す
る。図7は、上述の柱と梁の接合構造11を利用した木
造建築物42の断面図である。図中に示すように、木造
建築物42は、柱43、43、…と梁44、44、…か
らなる骨組み構造によって構成され、柱43、43、…
は、通し柱とされている。また、柱43、43、…のう
ち、木造建築物42の中心付近に位置する柱43aに対
しては、梁44、44、…が上下に間隔をおいて両側面
から接合している。また、これら柱43、43、…およ
び梁44、44、…の接合部分には、図1に示した柱と
梁の接合構造11が利用されている。さらに、このよう
に梁44、44、…が柱43aに対して上下に間隔をお
いて接合されることにより、梁44、44、…上に形成
される各階がスキップフロアとして構成されている。
【0025】以上が、本実施の形態における木造建築物
42の構成であるが、次に、本実施の形態における柱と
梁の接合構造11の施工方法を説明する。柱と梁の接合
構造11を形成するためには、まず、柱12の側面12
aに対してスリット状の凹部18を設けるとともに、ボ
ルト20および羽子板ボルト22を挿通させる穴を設け
ておく。ついで、凹部18に対して、位置固定部15の
後面15bに設けられた凸部17を嵌合させ、穴30お
よび長穴31に対して、羽子板ボルト22およびボルト
20を挿通し、これらにナット21、23を螺着するこ
とによって、接合用金物14を柱12に対して固定す
る。さらに、位置固定部15に設けられた止釘穴33、
33、…に、先に述べたような方法で、外殻部材34お
よび中心部材35からなる止釘を打設し、接合用金物1
4と柱12との接合を補強する。
【0026】このように、接合用金物14を柱12に対
して固定したら、次に接合用金物14の梁固定部16に
対して梁材13を固定する。具体的には、梁材13の一
端を梁固定部16の上面16bの立ち上がり壁部27の
間に嵌合し、嵌合した梁材13の上面13aに、羽子板
ボルト22の板部22aをボルト25によって固定す
る。また、立ち上がり壁部27に設けられた止釘穴3
3、33、…には、外殻部材34および中心部材35か
らなる止釘を打設して、梁材13を側面から立ち上がり
壁部27に対して固定する。
【0027】以上のようにして形成された柱と梁の接合
構造11においては、凹凸嵌合部19において接合用金
物14の凸部17と柱12の凹部18が嵌合し、これら
の上側および下側においてボルト20、羽子板ボルト2
2およびナット21、23によって接合用金物14が柱
12に対して固定され、さらに、この接合用金物14に
対して梁材13が固定される構成とされることから、柱
12および梁材13の接合が極めて強固に行われる。し
かも、これら柱12および梁材13の接合に際しては、
柱12に対してほぞ穴等を設ける必要がなく、したがっ
て、従来の技術のように柱12の強度を損なうこともな
い。また、柱に対してほぞ穴を設ける手間が省けるた
め、従来の技術と比較して、労務の省力化を図ることが
可能である。さらに、柱と梁の接合構造11において
は、梁材13に対しても特殊な加工を施す必要がないた
め、施工労務の省力化を図ることが可能であるだけでな
く、従来のように梁材にひび割れ等の問題が生じる可能
性を減少させることができる。
【0028】また、この柱と梁の接合構造11において
は、梁固定部16の両端縁16aに設けられた立ち上が
り壁部27によって、梁材13における軸方向と直交す
る方向の位置ズレが防がれるため、梁材13を柱12に
対し正確に固定することが可能となり、施工精度の向上
を図ることができる。
【0029】さらに、この柱と梁の接合構造11におい
ては、凹凸嵌合部19の上側において接合用金物14を
柱12に対して固定するボルトが羽子板ボルト22から
構成されており、この羽子板ボルト22の板部22a
が、梁材13の上面13aに対して固定されることか
ら、梁材13を、梁固定部16および立ち上がり壁部2
7とともに、四方から固定することとなり、したがって
梁材13が強固に柱12に対して固定される。
【0030】また、この柱と梁の接合構造11を用いた
木造建築物42は、柱43にほぞ穴が設けられていない
ため、柱43の強度が高く、安全であり、また柱43の
強度が高いため、図7に示したように柱43を通し柱と
することもできる。柱43を通し柱とした際は、柱43
中に接続部分を設ける必要がなく、したがって施工の簡
略化を図ることが可能である。また、図7に示すよう
に、柱43aに対して上下に間隔をおいて両側面から交
互に梁44、44、…を接合して、梁44、44、…上
に形成された各階をスキップフロアとすることによっ
て、柱43、43、…および梁44、44、…からなる
骨組みを構造的に強度なものとすることができる。さら
に、柱43、43、…に対しては、梁44、44、…を
あらゆる角度から接合することが可能であり、これによ
り、各方向に対しての骨組みの水平耐力を増強させるこ
とができ、地震に対して安全な構造が実現できるだけで
なく、この場合には、木造建築物42内部の什器の損害
を防ぐことも可能である。
【0031】また、従来は、通し柱の中間に梁を接合し
て、梁を通し柱によって支持させようとすることは、通
し柱にほぞ穴を設ける必要が生じることから、強度的な
面から困難であった。したがって、従来、2階以上の階
数の木造建築物を建築しようとする際には、隣接する上
下階に対して同一の通し柱を設け、これらを建築物の基
礎から上部階までに渡って交互に配置していくなど、特
殊な工法を用いなければならなかった。しかし、本実施
の形態によれば、通し柱に対して、その強度を低下させ
ることなく自由に梁を接合することが可能であるため、
強度の高い建築物が実現されるだけでなく、設計の自由
度も向上することとなり、意匠的、性能的要求に応じて
さまざまな形状の木造建築物を建築することが可能であ
る。
【0032】以上が、本発明の一実施の形態であるが、
本発明は上記実施の形態に限定されることなく、適用箇
所や形状等の変更が可能である。例えば、本発明の柱と
梁の接合構造11は、柱材をほとんど傷つけずに施工で
きるという特性を持つものであり、また、既存の柱材に
対して梁を取り付ける際にも適用が可能であることか
ら、例えば、既存建築物の補強を行う際に用いるように
してもよい。
【0033】また、接合用金物14の形状は、必ずしも
上記実施の形態において示したようなものとする必要は
なく、図8ないし図11に示すようなものとしてもよ
い。図8に示した接合用金物14においては、位置固定
部15の後面15bに設けられた凸部17は、直方体形
状とされている。また、梁固定部16にはボルト挿通用
の穴45が設けられている。また図9は、図8において
示した接合用金物14を側面から示した図であり、図1
0、11は、図8において示した接合用金物14を位置
固定部15の前面15aおよび後面15b側から示した
正面図である。
【0034】図8ないし11に示したような接合用金物
14を用いて、柱に梁材を接合させた場合の状況を示し
た図が図12である。図12に示すように、接合用金物
14の凸部17は、柱12に設けられた凹部18と嵌合
しており、これらによって形成される凹凸嵌合部19の
上下側において、接合用金物14は、ボルト46および
ナット47によって柱12に対して固定されている。ま
た、梁材13は、梁固定部16の穴45を挿通するボル
ト48およびナット49によって梁固定部16に対して
固定されるとともに、これら梁材13と柱12との接合
を補強するために引き付けバンド50が用いられる。
【0035】梁材13は、図13において示すように、
その一端に溝51が形成されたものであり、梁材13が
梁固定部16に取り付けられる際には、位置固定部15
の前面15a側に設けられたナット47が、溝51の内
側に収納されるようにする。また図14は、引き付けバ
ンド50の形状を示す図であり、(a)は、引きつけバ
ンド50を上方から目視した場合の状況を示し、(b)
は、引き付けバンド50を側面から示した際の状況を示
す図である。これらの図に示すように、引き付けバンド
50は、穴の開いた板状部材をL字型に折り曲げて形成
したものである。(b)に示すように、引き付けバンド
50には、止釘穴33が設けられており、この止釘穴3
3から、上記実施の形態において用いられる図5、6に
示したような示した止釘が打設されることによって、梁
材13と柱12との接合が補強されることとなる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る柱
と梁の接合構造においては、柱と梁の接合に際して、接
合用金物が用いられ、この接合用金物の位置固定部に設
けられた凸部が、柱に設けられた凹部と嵌合し、さら
に、これらによって形成される凹凸嵌合部の上側および
下側において、柱と位置固定部とがボルトおよびナット
によって固定されることによって、柱および梁の接合が
極めて強固に行われる。また、これらの接合に際して
は、従来の技術のように、柱に対してほぞ穴を設ける必
要がなく、柱の強度が損なわれることがない。さらに、
柱に対してほぞ穴を設ける必要がないため、施工の際の
労務の省力化を図ることができる。また、梁材に対して
も特殊な加工を施す必要がないため、施工労務の省力化
を図ることが可能であるだけでなく、従来のように梁材
にひび割れ等の問題が生じる可能性を減少させることが
できる。また、この柱と梁の接合構造は、既存の柱に対
して梁を接合する際にも適用することができ、既存建築
物の補強を行う際に使用されるのにも適している。さら
に、この柱と梁の接合構造は、柱に対して自由に梁を接
合することができるため、通し柱を用いた木造建築物に
対して好適に用いられることが可能であり、さらに、そ
の場合には設計の自由度を向上させることも可能であ
る。
【0037】請求項2に係る柱と梁の接合構造において
は、梁固定部の両端縁に設けられた立ち上がり壁部によ
って、梁材における軸方向と直交する方向の位置ずれが
防がれるため、梁材を柱に対し正確に固定することが可
能となり、施工精度の向上を図ることができる。
【0038】請求項3に係る柱と梁の接合構造において
は、凹凸嵌合部の上側において接合用金物を柱に対して
固定するボルトが羽子板ボルトから構成されており、こ
の羽子板ボルトの板部が、梁材の上面に対して固定され
ることから、梁材を、梁固定部および立ち上がり壁部と
もに、四方から固定することとなり、したがって柱と梁
材とが強固に固定される。
【0039】請求項4に係る木造建築物においては、通
し柱として形成された柱に対して請求項1ないし3のう
ちいずれかに記載された柱と梁の接合構造が適用される
ため、柱にほぞ穴を設ける必要がなく、したがって、柱
の強度が高く、安全である。また、柱が通し柱とされる
ため、柱の中途に接続部分を設ける必要がなく、したが
って施工の簡略化を図ることが可能である。また、この
通し柱のいずれの箇所においても、各方向から梁を接合
することが可能であるため、構造的な強度が高く、か
つ、設計の自由度の高い建築物が実現可能とされる。
【0040】請求項5に係る木造建築物においては、各
階がスキップフロアとされるため、当該建築物の中心部
に対して通し柱を配置し、この通し柱に対して上下に間
隔をおいて両側面から交互に梁材を接合して、各階を形
成することが好適であり、このようにすることによって
構造的に強度な骨組みを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す、柱と梁の接合
構造の側面図である。
【図2】 図1に示した柱と梁の接合構造において使用
される接合用金物を示す斜視図である。
【図3】 図1に示した柱と梁の接合構造において使用
される接合用金物を示す正面図である。
【図4】 図1に示した柱と梁の接合構造において使用
される接合用金物を示す側面図である。
【図5】 図1に示した柱と梁の接合構造において使用
される止釘の構造を示す斜視図である。
【図6】 図1に示した柱と梁の接合構造において使用
される止釘の構造を示す断面図である。
【図7】 本発明の一実施の形態を示す、木造建築物の
断面図である。
【図8】 本発明の他の実施の形態を示す接合用金物の
斜視図である。
【図9】 本発明の他の実施の形態を示す接合用金物の
側面図である。
【図10】 本発明の他の実施の形態を示す接合用金物
の正面図である。
【図11】 本発明の他の実施の形態を示す接合用金物
の正面図である。
【図12】 本発明の他の実施の形態を示す、柱と梁の
接合構造の側面図である。
【図13】 図12に示した柱と梁の接合構造において
用いられる、梁材の端部を示す斜視図である。
【図14】 図12に示した柱と梁の接合構造において
用いられる、引き付けバンド示す図であって、(a)
は、引き付けバンドを上方から示した図、(b)は引き
付けバンドを側方から示した図である。
【図15】 本発明の従来の技術を示すための、柱と梁
の接合構造の斜視図である。
【図16】 図15に示した柱と梁の接合構造の断面図
である。
【符号の説明】
11 柱と梁の接合構造 12 柱 12a 側面 13 梁材 13a 上面 14 接合用金物 15 位置固定部 15a 前面 15b 後面 16 梁固定部 16a 両端縁 17 凸部 18 凹部 19 凹凸嵌合部 20 ボルト 21 ナット 22 羽子板ボルト 22a 板部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱に対して梁材の一端を接合させた柱と
    梁の接合構造であって、該柱と該梁材の一端との間に介
    在してこれらを接合する接合用金物を有してなり、 該接合用金物は、前記柱の側面に対して固定された板状
    の位置固定部と、板状に形成され、該位置固定部の前面
    から該位置固定部に対して直交した状態で延出するとと
    もに、前記梁材の一端を固定する梁固定部と、該位置固
    定部の後面に設けられた凸部とを備えて構成され、 該柱の側面には凹部が設けられ、 前記位置固定部は、前記凹部近傍を被覆するとともに前
    記凹部と前記凸部とが嵌合して凹凸嵌合部を形成するよ
    うに前記柱の側面に対して配置され、 該柱と該位置固定部とは、前記凹凸嵌合部の上側および
    下側においてボルトおよびナットによって固定されてい
    ることを特徴とする柱と梁の接合構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の柱と梁の接合構造におい
    て、前記梁固定部の上側に前記梁材が固定され、該梁固
    定部の両側縁には、該梁材の軸と直交する方向の位置ず
    れを防止するための立ち上がり壁部が設けられているこ
    とを特徴とする柱と梁の接合構造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の柱と梁の接合構造におい
    て、前記凹凸嵌合部上側において前記柱および前記位置
    固定部を固定する前記ボルトは羽子板ボルトからなり、
    前記羽子板ボルトの板部が、前記梁材の上面に対して固
    定されていることを特徴とする柱と梁の接合構造。
  4. 【請求項4】 木製の柱と梁とからなる骨組み構造を備
    えて構成された木造建築物であって、前記柱の少なくと
    も一部は、通し柱として構成され、該通し柱と前記梁と
    の接合部は、請求項1ないし3に記載された柱と梁の接
    合構造のうちのいずれかによって構成されていることを
    特徴とする木造建築物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の木造建築物であって、該
    木造建築物は複数階を有してなり、これら各階がスキッ
    プフロアとされていることを特徴とする木造建築物。
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