JP2014107957A - インバータ装置およびモータ一体型インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置およびモータ一体型インバータ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インバータ装置において、モータ、インバータ装置の本体形状を変更することなく、外部電源と接続する直流ケーブルの引き出し方向を変更可能にし、その結果として直流ケーブルを含めた実装体積を小型化する。
【解決手段】平滑コンデンサ90と半導体モジュール500a〜500c間を接続するDCバスバー96に外部電源30と接続させる正負極端子92a,94a,92b,94bを2対形成し、各正負極端子92a,94aおよび92b,94bはインバータ筐体110の異なる側面からそれぞれ突出させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、モータの出力制御機能を有するインバータ装置に関する。
電気自動車あるいはハイブリッド自動車においては、車両の動力源としてモータを搭載しており、一般的にモータに供給する電力を制御するためにインバータ装置を備えている。インバータ装置は、IGBTなどの電力用半導体素子を内蔵したパワーモジュール、そのパワーモジュールを駆動する駆動回路、それら駆動回路を制御する制御回路、バッテリから供給される電力の配線であるDCバスバー、モータへ供給する電力の配線であるACバスバー、および電流平滑化用の平滑コンデンサ、を備えている。
ハイブリッド自動車がモータとエンジンの動力を合成する動力合成機構を備えるのに対して、電気自動車の動力は主機モータのみであり、その出力はディファレンシャルギアを含む減速機を介してホイールに伝達される。一方、電気自動車用途では、電流が数百Aと大きく、モータも常時駆動される為に、ACハーネスの電気抵抗で発生する損失も大きい。
この損失と、損失の結果発生する熱を抑制する為には、径の大きなACハーネスを使用することが有効である。しかしながら、径の大きなACハーネスは屈曲性の観点から、ACハーネス敷設のために占有される空間容積が大きくなる問題があった。
モータとインバータ装置を一体化した機電一体型のインバータ装置は、両者を接続するACハーネスが不要になるため、ACハーネス敷設のための空間容積が縮小されるという利点がある。また、ACハーネスのコストが削減できることも大きな利点である。
モータとインバータ装置を一体化する技術は多く公開されている。例えば、特許文献1は、電動圧縮機の例であるが、モータのハウジング外周に設けられたインバータボックスと、その内部に制御回路と平行に配置された放熱用平面部を備え、制御回路と放熱用平面部の間にインバータ装置のコンデンサを収納する構造であり、主にインバータ装置のスペースを有効利用すると共に、コンデンサを冷却する方法を開示している。
一方、複数のモータでインバータ装置を共有する技術として、例えば、特許文献2が公開されている。この特許文献2では、パワーモジュールとコンデンサの間に冷却器を配置し、モータとインバータ装置を着脱可能にする構造が開示されている。
特開2011−157873号公報 特開平10−248199号公報
しかしながら、モータ一体型インバータ装置は、外部電源の接続部が外部電源側に向いていれば直流ケーブルの敷設が容易であるが、直流ケーブル接続部が外部電源側に向いていない場合は、直流ケーブルはモータ等を跨なければならず、敷設が困難であった。
特許文献1は、外部電源とインバータ装置を接続する直流ケーブルの接続部を、モータ主軸に対し直角な方向と、軸に沿う方向と、の二方向から選択して引き出す構成を開示している。
この構成は、(1)インバータ装置内部においては、直流ケーブルの接続部を備えた制御基板の向きを前記二方向に応じて実装を変更する必要があり、(2)接続部の引き出し形状に応じてインバータケースが異種な形状になる。即ち、直流ケーブルの接続部の引き出し方向に応じて品種の異なるインバータを準備することが前提である。
従来は依頼に応じて一品一様の部品,モジュールを製作していたが、近年の自動車業界では部品レベルでの標準化や、複数の部品を組み合わせたモジュールレベルで標準化する動きが活発である。これら標準化された部品・モジュールを複数の車種で共通して使用すれば、量産性,生産性を高めることができ、部品の低コスト化が期待できる。この標準化の流れから考えると、例え部分的であっても形状変更を施し、品種を増やすことは適正とは言い難い。
また、特許文献2は、機電一体化させる複数種類のモータで1種類のインバータ装置を共用する方法を開示し、部品の標準化に関する効果も述べている。しかしながら、インバータ装置を外部電源と接続させる直流ケーブルとの接続部に関しては、引き出し方向を変更可能にする構造について言及していない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インバータ装置において、モータ、インバータ装置の本体形状を変更することなく、外部電源と接続する直流ケーブルの引き出し方向を変更可能にし、その結果として直流ケーブルを含めた実装体積を小型化することを目的とする。
そこで、本発明では、平滑コンデンサと半導体モジュール間を接続するDCバスバーにおいて外部電源と接続させる正負極端子を2対形成し、各正負極端子はインバータ筐体の異なる側面からそれぞれ突出させたものである。
本発明によれば、2対の正負極端子の一方を選択して外部電源と接続する直流ケーブルを接続することにより、モータ、インバータ装置の本体形状を変更することなく、直流ケーブルを含めた実装体積の小型化を図ることが可能になる。
電気自動車の制御ブロックを示す図である インバータ回路の構成を示す回路図である。 実施形態1におけるモータ一体型インバータ装置を示す外観斜視図である。 半導体モジュールの外観斜視図である。 平滑コンデンサの外観斜視図である。 コンデンサ収納ケースの外観斜視図である。 本実施形態1におけるモータ一体型インバータ装置の断面図である。 DCバスバーの構造を示す外観斜視図である。 インバータ装置の第1の正負極端子にDCコネクタを、第2の正負極端子にEMC対策用Yコンデンサを接続する形態を示す図である。 DCコネクタの外観図である。 Yコンデンサの外観図である。 安全用の端子カバーの外観図である。 インバータ装置の第1の正負極端子にDCコネクタを、第2の正負極端子にインバータ装置を増設する形態を示す図である。 インバータ装置と、DCコネクタや安全用の端子カバーなどの追加モジュールが、正しく接続されている事を確認するための判定システム図である。 インバータ装置とモータジェネレータを機電一体化させた図である。
以下、本発明の実施形態1〜5におけるインバータ装置を図面に基づいて詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、電気自動車(以下、「EV」と記述する)の制御ブロックを示す図である。モータジェネレータ(以下、モータと称する)20は、例えば永久磁石同期電動機であり、車両の走行用トルクを発生するだけでなく、モータ20に外部から加えられる機械エネルギーを電力に変換する発電機としての機能も有する。
モータ20が発生する回転トルクは、減速ギア18とディファレンシャルギア16を介して車輪12に伝達される。一方、回生制動の運転時には、車輪12から回転トルクがモータ20に伝達され、供給されてきた回転トルクに基づいて交流電力を生じさせる。発生した交流電力はインバータ装置40により直流電力に変換され、高電圧用のバッテリ30に充電し、充電された電力は再び走行エネルギーとして使用される。
インバータ装置40は、バッテリ30と直流ケーブル32を介して電気的に接続されており、バッテリ30とインバータ装置40との相互において電力の授受が行われる。モータ20をモータとして動作させる場合には、インバータ装置40は直流ケーブル32を介してバッテリ30から供給された直流電力に基づいて交流電力を発生させ、モータ20に供給する。
次に、図2に基づいてインバータ回路42の電気回路の構成を説明する。なお、以下の説明では、半導体素子の一例として絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを使用しており、以下略してIGBTと称する。
上アームとして動作するIGBT52及びダイオード56と、下アームとして動作するIGBT62及びダイオード66とで、上下アームの直列回路50が構成される。この直列回路50は、交流電力のU相,V相,W相にそれぞれ対応してインバータ回路42内に設けられている。
これらU相,V相,W相の三相は、本実施形態1ではモータ20の電機子巻線の三相の各相巻線に対応している。三相それぞれにおける上下アームの直列回路50は、直列回路50の中間電極69から交流電流を出力する。この中間電極69から交流バスバーを介して、モータ20の各相巻線に接続する構成は実施形態5において具体的に説明する。
上アームのIGBT52のコレクタ電極は、正極端子57を介して正極導体板92に、また、下アームのIGBT62のエミッタ電極は、負極端子58を介して負極導体板94に電気的に接続されている。正極導体板92および負極導体板94はコンデンサ90に電気的に接続されており、さらにDCコネクタ38を介して、バッテリ30に電気的に接続されている。
制御回路72は上位の制御装置から制御指令を受け、これに基づいてインバータ回路42を構成する各相のIGBT52やIGBT62を制御するための制御信号であるPWM(パルス幅変調)信号を生成し、ドライバ回路74に供給する。
ドライバ回路74は、上記PWM信号に基づき、各相のIGBT52,62を制御するためのドライブ信号を、IGBT52の信号用エミッタ電極55と、ゲート電極54および、IGBT62の信号用エミッタ電極65と、ゲート電極64を介して供給する。各相のIGBT52,62は、ドライバ回路74からのドライブ信号に基づき、導通あるいは遮断動作を行い、バッテリ30から供給された直流電力を三相交流電力に変換し、モータ20に供給する。
コンデンサ1005a、1005b、1005cはそれぞれの一端子を共通接続し、各他端子を正極導体板92と負極導体板94、及びインバータ装置40のインバータ筐体の3点間に接続したスター結線型のEMC対策用フィルタ(以下、Yコンデンサと略称する)を構成する。
制御回路72は、IGBT52及びIGBT62のスイッチングタイミングを演算処理するためのマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記述する)を備えている。マイコンへの入力情報としては、モータ20に対して要求される目標トルク値、直列回路50からモータ20に供給される電流値、及びモータ20の回転子の磁極位置等がある。
目標トルク値は図示しないの上位の制御装置から出力された指令信号に基づいて算出されたものであり、電流値は電流センサ80による検出信号に基づいて検出される。また、磁極位置は、モータ20に設けられたレゾルバなどの回転磁極センサ(図示省略)から出力された検出信号に基づいて検出されたものである。
制御回路72内のマイコンは、目標トルク値に基づいてモータ20のd軸、q軸の電流指令値を演算し、この演算されたd軸、q軸の電流指令値と、検出されたd軸、q軸の電流値との差分に基づいてd軸、q軸の電圧指令値を演算し、この演算されたd軸、q軸の電圧指令値を、検出された磁極位置に基づいてU相、V相、W相の電圧指令値に変換する。そして、マイコンは、U相、V相、W相の電圧指令値に基づく基本波(正弦波)と搬送波(三角波)との比較に基づいてパルス状の変調波を生成し、この生成された変調波をPWM信号としてドライバ回路74に出力する。
ドライバ回路74は、下アームを駆動する場合、PWM信号を増幅したドライブ信号を対応する下アームのIGBT62のゲート電極に出力する。また、ドライバ回路74は、上アームを駆動する場合、PWM信号の基準電位のレベルを上アームの基準電位のレベルにシフトしてからPWM信号を増幅し、これをドライブ信号として、対応する上アームのIGBT52のゲート電極にそれぞれ出力する。
図3は、本実施形態1におけるインバータ装置40を示す外観斜視図である。
図3に示すように、インバータ装置40は、インバータ筐体110と、インバータ筐体110内に収納されるコンデンサ90,半導体モジュール500a〜500cと、コンデンサ90と半導体モジュール500a〜500cとを接続するDCバスバー96と、を備えている。なお、インバータ装置40は、制御回路基板やインバータ筐体110の蓋等も有しているが、本発明には直接関係ないため省略する。
前記インバータ筐体110は、底板110aと側壁110cとで縦断面略U字状に形成されており、前記側壁110aと垂直方向に内壁110bが形成されている。この内壁110bにより、コンデンサ90と半導体モジュール500a〜500cとが仕切られる。また、インバータ筐体110における半導体モジュール500a〜500cの収納側には、半導体モジュール500a〜500cを収納するための収納室が形成されている。
また、インバータ筐体110は、冷媒流入口112と、冷媒流出口113と、冷媒流路と、を備え、該冷媒で第1、第2、第3の半導体モジュール500a〜500cを冷却する。
図4は、半導体モジュール500を示す外観斜視図である。半導体モジュール500a〜500cには、それぞれU相,V相,W相の上下アームの直列回路50を構成するパワー半導体素子(IGBT52、IGBT62、ダイオード56、ダイオード66)が内部に封止される。また、半導体モジュール500a〜500cは、外部接続端子である正極端子57、負極端子58、交流端子59および、上アームゲート端子54、上アームエミッタ端子55、下アームゲート端子64、下アームエミッタ端子65などの制御信号用の接続端子70を有している。第1、第2、第3の半導体モジュール500a〜500cの交流端子59は、それぞれ図示しない第1、第2、第3の交流バスバーに接続される。
パワー半導体素子で発生する熱は、主として半導体モジュール500a〜500cの第一の放熱面502aおよび、第二の放熱面502bから、インバータ筐体110内における冷媒流路114を流れる冷媒に放熱される。このとき、放熱面502a、502bには、冷媒との接触面積を大きくするため、柱状、あるいは板状の放熱フィンを設けてもよい。
図5に示すように、コンデンサ90は、略矩形状に形成されており、底面に正極端子91a、負極端子91bを有している。図6に示すように、コンデンサ収納ケース140は格子状に形成され、各格子に図5に示すコンデンサ90が収納される。コンデンサ90は、収納ケース140に対して固定されていることが望ましいが、収納ケース140内をモールド樹脂で充填することにより固定しても良い。
図7は、内壁110bおよびコンデンサ90側を示す断面図である。図7に示すように、内壁110b内には冷媒流路114が形成され、この内壁110bに絶縁部材130を介してDCバスバー96が接している。
さらに、DCバスバー96に接してバスバー支持部材を兼ねたコンデンサ収納ケース140が配置され、内部にはコンデンサ90が収納される。DCバスバー96はコンデンサ収納ケース140をインバータ筐体110にネジなどの固定部材150により固定することで内壁110bに押さえ付けられている。コンデンサ90の正極端子91a、負極端子91bは、収納ケース140の底面を貫いて正極導体板92および負極導体板94に電気的に接続される。
図8は、インバータ40が備えるDCバスバー96の構造的な特徴を表す外観斜視図である。DCバスバー96は、正極導体板92、負極導体板94および、正極導体板92と負極導体板96との間に介挿された絶縁部材132とで絶縁積層される。DCバスバー96は、内壁110bに沿って幅広に形成された平面部96aと、平面部96aから半導体モジュール500a〜500c側に折りかえされて半導体モジュール500a〜500cと接続される接続部96bと、平面部96aの両側縁が延設された引き出し部92a,92b,94a,94bと、が形成されている。本実施形態1のインバータ装置40は、この引き出し部が2対(92a,94aおよび92b,94b)形成されていることが特徴である。
前記平面部96aは、図示しない絶縁部材を介してインバータ筐体110の内壁110bに押さえ付けられており、内壁110bは図3で述べた冷媒流路114によりDCバスバー96を冷却する冷却面として働く。
DCバスバー96を構成する正極導体板92は、接続部96bにおいて半導体モジュール500a〜500cの正極端子57と電気的に接続されており、また、負極導体板94は、接続部96bにおいて半導体モジュール500a〜500cの負極端子58と電気的に接続されている。
以下、前記正極導体板92の引き出し部92bと負極導体板94の引き出し部94bは第1の正負極端子1002とし、前記正極導体板92の引き出し部92aと負極導体板94の引き出し部94aは第2の正負極端子1004とする。前記第1の正負極端子1002と第2の正負極端子1004は、インバータ筐体110における両側壁110cから突出している。
以上示したように、本実施形態1におけるインバータ装置40によれば、DCバスバー96から外部電源と接続するための第1の正負極端子1002と第2の正負極端子1004を反対方向に突出させることにより、第1の正負極端子1002と第2の正負極端子1004のうち一方を選択して外部電源と接続する直流ケーブルと接続することができ、モータ、インバータ装置の本体形状を変更することなく、直流ケーブルの引き出し方向を変更することが可能となる。その結果、直流ケーブルを含めた実装体積を小型化することが可能になる。
また、第1の正負極端子1002と第2の正負極端子1004から選択して直流ケーブルを接続することができるため、直流ケーブルの敷設が容易となる。
さらに、モータやインバータ装置の本体形状を変更する必要がないため、量産性,生産性を高めることができ、部品の低コスト化を図ることが可能となる。
[実施形態2]
実施形態2におけるインバータ装置を図9に基づいて説明する。本実施形態2では、図9に示すように、インバータ装置40の第1の正負極端子1002に直流ケーブル1009を接続するためのDCコネクタ1003を、第2の正負極端子1004にEMC対策用のYコンデンサ1005を接続するものである。
図10にDCコネクタ1003の外観図を示し、図11にはYコンデンサ1005の外観図を示す。
DCコネクタ1003とYコンデンサ1005は、インバータ装置40へ接続する面(以下、底面と称する)が等しく、両者とも防水防塵対策のO−Ring1006が設けられている。また、DCコネクタ1003とYコンデンサ1005の底面には、第1の正負極端子1002(または第2の正負極端子1004)に接続するDC端子接続部1007が形成されると共に、インバータ装置40に接続した状態を保持する接続用鋲螺1008が設けられている。
図10に示すDCコネクタ1003のDC端子接続部1007を第1の正負極端子1002に接続することにより、直流ケーブル1009がDCバスバー96に接続される。また、図11に示すYコンデンサ1005のDC端子接続部1007を、第2の正負極端子1004に接続することにより、Yコンデンサ1005がDCバスバー96に接続される。そして、DCコネクタ1003およびYコンデンサ1005を接続用鋲螺1008によりインバータ装置40(インバータ筐体110)に固定する。
上記のような構造にすることにより、DCコネクタ1003とYコンデンサ1005は交換して接続することが可能になる。即ち、DCコネクタ1003を第2の正負極端子1004に、Yコンデンサ1005を第1の正負極端子1002に接続することが可能である。この互換性によってインバータ装置40は、外部電源と接続するためのDCコネクタ1003をインバータ筐体110の左右で選択することが可能となり、車載レイアウトの自由度が大きく向上する。
図12は、安全用の端子カバー1010の外観図である。前記端子カバー1010の底面は、DCコネクタ1003とYコンデンサ1005と同様に形成されており、防水防塵対策のO−Ring1006と、接続用鋲螺1008と、を有する。なお、端子接続部1007は省略されている。
この端子カバー1010は、DCコネクタ1003やYコンデンサ1005に対する交換接続や代替接続が可能である。そのため、第1の正負極端子1002と第2の正負極端子1004のうち何れか一方を使用しない場合は、この端子カバー1010を使用しない正負極端子に接続することにより、使用しない正負極端子が露出することを防止することができる。
その結果、安全性を確保すると共に、設計レイアウトの自由度をさらに向上させることが可能となる。
[実施形態3]
次に、本実施形態3におけるインバータ装置を図13に基づいて説明する。
本実施形態3では、図13に示すように、インバータ装置40の第1の正負極端子1002にDCコネクタ1003を接続し、第2の正負極端子1004に増設用インバータ装置40’を接続したものである。
図13に示すように、増設用インバータ装置40’を接続する場合は、インバータ装置40の第2の正負極端子1004と、増設用インバータ装置40’の第1の正負極端子1002と、が共にオス端子であるため、連結部材1011を必要とする。そして、最終段の増設用インバータ40’における未接続の第2の正負極端子1004には、Yコンデンサ1005や端子カバー1010を接続することが可能である。なお、図13において、インバータ装置40の第2の正負極端子1004側に増設用インバータ40’を接続したが、インバータ装置40の第1の正負極端子1002側に増設用インバータ40’を接続してもよい。
インバータ装置40の第2の正負極端子1004には、増設用インバータ40以外にもDC/DCコンバータや増設用直流キャパシタ,バッテリなど、DCラインに接続できる部品(機能拡張モジュール)の接続が可能である。すなわち、ビルディングブロックのようにインバータの機能拡張が可能である。
また、実施形態2と同様に、レイアウト設計者は直流ケーブル1003および増設用インバータ40’などの接続側端子サイドを自由に選択でき、設計レイアウトにおける自由度の向上を図ることが可能となる。
[実施形態4]
次に、本実施形態4におけるインバータ装置を図14に基づいて説明する。
図14は、インバータ装置40と、直流ケーブル1003や端子カバー1010などの追加モジュールが、正しく接続されている事を確認するための静電結合型の検知手段(以下、判定システムと称する)を示す図である。この判定システムは、感電防止などの機能安全を確保するためのものである。
インバータ装置40の第1,第2の正負極端子1002,1004に追加モジュール(DCハーネス1003等)を接続した後に、接続判定回路1013が確認信号を出力する。この確認信号は、インバータ装置40への接続用鋲螺1008から追加モジュール等の筐体1014を経由した後、追加モジュール等の筐体1014とインバータ筐体110間にできた浮遊コンデンサ1015を経由して判定回路1013へと戻る。そして、浮遊コンデンサ1015に流れる電流を電流センサ1016で検出する。この時、正しく追加モジュール等が接続されていれば、電流を検出できるため、安全と判定する。左右の両端子で正しい接続が確認できない場合は、図示していない車両の制御装置にネットワーク形式の通信手段(CANなど)で知らせる。その他にも、インバータ装置40を動作させない、強電リレーをカットするなどの対策を行う。なお、接続判定回路1013はインバータ弱電系統側の電圧で動作する。そして、判定回路1013が動作中も感電しないようになっている。
以上示したように、本実施形態4によれば、インバータ装置40に追加モジュール等を接続する際や、直流ケーブル1003の引き出し方向を変更する際に生じる追加モジュール等の組み換え時において、正規な取付状態であることを検知することが可能となる。
その結果、システムの健全性、感電他を防止する安全性を確保することが可能になる。
[実施形態5]
次に、本実施形態5におけるインバータ装置を図15に基づいて説明する。
図15は、インバータ装置40とモータ20を機電一体化させた構成を示す斜視図である。インバータ装置40とモータ20間のAC接続用ハーネスを除去し、交流バスバー86で接続している。
実施形態1〜4におけるインバータ装置40は、機電一体化の形態においても採用できる構成である。機電一体化の形態においては、インバータ装置40の設置方向がモータ形状に依存して固定されてしまう。そのため、直流ケーブル1003の接続位置次第では、車載レイアウトの自由度を著しく低下させてしまう可能性が非常に高い。
しかし、DCハーネス1003の接続側面を選択可能とした実施形態1〜4のインバータ装置40は、その車載レイアウトの自由度を、維持または微減で済ませる事ができる
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
例えば、実施形態1〜5では、電気自動車の駆動用モータ、インバータを一体化したシステムについて言及しているが、ハイブリッド自動車への適用や、モータ、インバータを別々に構成したシステムへの適用も可能であり、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
20…モータジェネレータ(モータ)
30…バッテリ(外部電源)
32…直流ケーブル
40…インバータ装置
90…平滑コンデンサ
96…DCバスバー
110…インバータ筐体
500…半導体モジュール
1002…第1の正負極端子
1003…DCコネクタ
1004…第2の正負極端子
1005…Yコンデンサ
1010…端子カバー

Claims (12)

  1. モータの出力を制御するインバータ装置であって、
    インバータ筐体と、
    前記インバータ筐体内に収納された平滑コンデンサおよび半導体モジュールと、
    前記平滑コンデンサと半導体モジュール間を接続すると共に、外部の電源と接続させる2対の正負極端子が形成されたDCバスバーと、を備え、
    前記2対の正負極端子は、前記インバータ筐体の異なる側面からそれぞれ突出することを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記インバータ筐体は、
    底板と側壁とで縦断面略U字状に形成されると共に、前記側壁と垂直方向に平滑コンデンサと半導体モジュールとを仕切る内壁が形成され、
    前記DCバスバーは、
    絶縁積層され前記インバータ筐体の内壁に沿って配置される平面部と、平面部から延設されて前記半導体モジュールと接続される接続部と、平面部の両側縁から延設されて前記インバータ筐体の側壁から突出する前記2対の正負極端子と、を備え、
    一方の正負極端子には、外部電源と接続する直流ケーブルを接続したことを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 他方の正負極端子は、前記直流ケーブルと互換性のある端子カバーで封止、または、前記直流ケーブルと互換性のあるY接続したコンデンサを接続したことを特徴とする請求項2記載のインバータ装置。
  4. 他方の正負極端子には、連結部材を介して増設用のインバータ装置が接続されたことを特徴とする請求項2記載のインバータ装置。
  5. 他方の正負極端子には、DCラインに接続可能な機能拡張モジュールが接続されたことを特徴とする請求項2記載にインバータ装置。
  6. 前記正負極端子に外部電源と接続する直流ケーブル、または、端子カバー、または、Y接続したコンデンサが正規に取り付けられていることを検知する静電結合型の検知手段を備えることを特徴とする2〜5記載のインバータ装置。
  7. モータケースに締結され、該モータの出力を制御するモータ一体型インバータ装置であって、
    モータケースに締結されたインバータ筐体と、
    前記インバータ筐体内に収納された平滑コンデンサおよび半導体モジュールと、
    前記平滑コンデンサと半導体モジュール間を接続すると共に、外部の電源と接続させる2対の正負極端子が形成されたDCバスバーと、を備え、
    前記2対の正負極端子は、前記インバータ筐体の異なる側面からそれぞれ突出することを特徴とするモータ一体型インバータ装置。
  8. 前記インバータ筐体は、
    底板と側壁とで縦断面略U字状に形成されると共に、前記側壁と垂直方向に平滑コンデンサと半導体モジュールとを仕切る内壁が形成され、
    前記DCバスバーは、
    絶縁積層され、前記インバータ筐体の内壁に沿って配置される平面部と、平面部から延設されて前記半導体モジュールと接続される接続部と、平面部の両側縁から延設されて前記インバータ筐体の側壁から突出する前記2対の正負極端子と、を備え、
    前記一方の正負極端子には、外部電源と接続する直流ケーブルを接続したことを特徴とする請求項7記載のモータ一体型インバータ装置。
  9. 前記他方の正負極端子は、前記直流ケーブルと互換性のある端子カバーで封止、または、前記直流ケーブルと互換性のあるY接続したコンデンサを接続したことを特徴とする請求項8記載のモータ一体型インバータ装置。
  10. 前記他方の正負極端子には、DCラインに接続可能な機能拡張モジュールが接続されたことを特徴とする請求項8記載にインバータ装置。
  11. 前記他方の正負極端子には、連結部材を介して増設用のインバータ装置が接続されたことを特徴とする請求項8記載のモータ一体型インバータ装置。
  12. 前記正負極端子に外部電源と接続する直流ケーブルまたは、端子カバー、または、Y接続したコンデンサが正規に取り付けられていることを検知する静電結合型の検知手段を備えることを特徴とする8〜11記載のモータ一体型インバータ装置。
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