JP2014105743A - 手動変速機の組立方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向移動が規制されたコントロールロッドを備えた手動変速機の組立てを可能にすることで、この変速機のコンパクト化を図る。
【解決手段】ミッションケース80の壁部に、セレクトレバーが設けられたセレクトレバーシャフトと、シフトレバー98が設けられたシフトレバーシャフト94とをサブアセンブリし、クラッチハウジング190の後面に、変速機構と、変速操作機構90の残りの部品とをサブアセンブリした状態で、コントロールロッド100を回動させてシフトフィンガ102をリバースセレクト位置に移動させ、リバースレバーの検出装置作動部を操作して該リバースレバーをシフトイン位置へ揺動させ、軸方向視においてシフトフィンガ102の係合凹部160にシフトレバー98が干渉しないように、シフトレバーシャフト94をミッションケース80に対して所定位置から軸方向に引き出し又は押し込むように操作する。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両に搭載される手動変速機の組立方法に関し、車両用動力伝達技術の分野に属する。
一般に、自動車用の手動変速機は、クラッチを介してエンジンの出力軸に連結されたプライマリシャフトと、このプライマリシャフトに平行に配置され、差動装置を介して駆動輪に連結されたセカンダリシャフトとを有する。これら両軸間には、複数の前進用ギヤ列と単一のリバース用ギヤ列とが設けられる。
この種の手動変速機において、通常、前進変速段用のギヤ列には常時噛合い式のギヤ列が採用される。常時噛合い式のギヤ列では、プライマリシャフト又はセカンダリシャフトの一方に固定された固定ギヤと、他方のシャフトに遊嵌された遊転ギヤとが常時噛み合っており、車両走行中にいずれかの前進段への変速が行われるときは、この前進段のギヤ列における前記遊転ギヤとシャフトの回転が同期装置によって同期されることで、このギヤ列での動力伝達状態が円滑に実現される。
一方、リバース用のギヤ列には、一般的に、選択摺動式のギヤ列が採用される。選択摺動式のリバース用ギヤ列は、プライマリシャフトに固定されたリバースプライマリギヤと、セカンダリシャフトに固定されたリバースセカンダリギヤと、リバースシャフト上に軸方向に摺動可能に支持されたリバースアイドルギヤとで構成される。後退段への変速が行われるときは、リバースアイドルギヤが軸方向に摺動してリバースプライマリギヤとリバースセカンダリギヤとに噛み合うことで、後退段での動力伝達状態が実現される。
この種の手動変速機の変速は、運転者によるチェンジレバーのセレクト操作とシフト操作によって行われる。具体的には、セレクト操作により選択されたセレクト位置に応じて、これに対応する同期装置のシンクロスリーブ又はリバースアイドルギヤが、シフト操作に連動して軸方向にスライドすることで、シフト操作により選択された変速段に対応するいずれか1つのギヤ列が、プライマリシャフトとセカンダリシャフトとの間で動力伝達状態となる。
特許文献1には、このような手動変速機の操作系の一例が開示されている。
特許文献1に開示された変速操作機構は、チェンジレバーのセレクト操作によりケーブルを介して揺動するセレクトレバーと、チェンジレバーのシフト操作によりケーブルを介して揺動するシフトレバーとを備え、これらのレバーは、それぞれミッションケースを貫通して回動自在に支持されたシャフトに設けられている。
また、この変速操作機構は、セレクトレバーの揺動に連動して回動し、且つ、シフトレバーの揺動に連動して軸方向に移動するコントロールロッドを備える。
このコントロールロッドにそれぞれ平行に配置された1−2速用シフトロッド、3−4速用シフトロッド、及び、5−6速用シフトロッドには、それぞれ対応する同期装置のシンクロスリーブに係合されたシフトフォークが設けられ、これらのシフトフォークにはそれぞれ前進段用のシフトエンドが連結されている。また、リバースアイドルギヤを摺動させるリバースレバーには、後退段用のシフトエンドが設けられている。これら前進段用および後退段用のシフトエンドは、コントロールロッドに固着されたシフトフィンガの回動位置(セレクト位置)に応じて、このシフトフィンガに選択的に係合するように配設されている。
この特許文献1の変速操作機構において、チェンジレバーが前進段のセレクト位置にセレクト操作されると、これに連動してコントロールロッドと共に回動するシフトフィンガが、いずれかのシフトロッドの前進段用シフトエンドに係合する。この状態でチェンジレバーがシフト操作されると、これに連動して、コントロールロッドと共にシフトフィンガが軸方向に移動し、シフトフィンガに係合したシフトエンドと共に、該シフトエンドに連結されたシフトフォークも軸方向に移動する。これにより、同期装置のシンクロスリーブが軸方向に摺動し、シフト操作により選択された前進段用ギヤ列が動力伝達状態となる。
一方、チェンジレバーがリバースセレクト位置にセレクト操作されると、シフトフィンガが後退段用シフトエンドに係合する。この状態でチェンジレバーがリバース位置にシフトイン操作されると、これに連動して、シフトフィンガと共に後退段用シフトエンドが軸方向に移動し、これにより、リバースレバーが揺動する。このリバースレバーの揺動により、リバースレバーに係合されたリバースアイドルギヤが軸方向に摺動し、リバース用ギヤ列が動力伝達状態となる。
このように、特許文献1の技術では、シフト操作時に、コントロールロッドが自ら軸方向に移動することでシフトロッドをスライドさせる構成となっている。ところが、上記のようなコントロールロッドの軸方向移動を許容するためには、ミッションケース内のコントロールロッド収納部の寸法を軸方向に増大させる必要があり、これによって、変速機のコンパクト化が阻害されてしまう。
この問題を回避するために、コントロールロッドを、軸方向の移動を規制しつつ回動のみを許容するようにミッションケースに取り付けることが考えられる。
この場合、図14(a)、及び、この図のX−X線断面図である図14(b)に示すように、シフトフィンガ202をコントロールロッド200に対して摺動可能且つ回動不能に設ける構成が採用されることになる。この構成では、チェンジレバーのセレクト操作時は、特許文献1の構成と同様、このセレクト操作に連動するセレクトレバー208が、コントロールロッド200に固着されたセレクトプレート205を回動させることで、このセレクトプレート205と共にコントロールロッド200及びシフトフィンガ202が、セレクト操作で選択されたセレクト位置まで回動する。一方、シフト操作時にはコントロールロッド200を移動させることなくシフトフィンガ202のみを軸方向に移動させるために、シフトレバーシャフト294に固着されたシフトレバー296をシフトフィンガ202に直接係合させることになる。具体的には、シフトフィンガ202に、軸方向に間隔を隔てた2つの突片261,262で構成されたコ字形の係合凹部260を設けて、この係合凹部260にシフトレバー296の先端部を係合させればよい。
特開2009−079601号公報
図14(a)及び(b)に示す構成を採用する場合、変速機の組立ては次のように行われる。
まず、クラッチハウジングの後面(反エンジン側の面)に後方(反エンジン側)へ突出するように、ギヤや同期装置等を組み付けたプライマリシャフト及びセカンダリシャフトと、シフトフィンガ等を組み付けたコントロールロッドと、それぞれシフトエンド等を組み付けた複数のシフトロッドとを、いずれも片持ち状に仮アセンブリしておく。
一方、クラッチハウジングの後面に接合されるミッションケースには、セレクトレバーが組み付けられたセレクトレバーシャフトと、シフトレバーが組み付けられたシフトレバーシャフトとを、コントロールロッドの軸方向(変速機の軸方向)に直交する方向に該ケースの壁面を貫通するように、且つ、セレクトレバーとシフトレバーとがケース内に収められるように仮アセンブリしておく。
このような仮アセンブリ状態で、クラッチハウジングに向かってミッションケースを軸方向に移動させることで、クラッチハウジングの後面にミッションケースの前端面を接合させて、クラッチハウジングにミッションケースを組み付ける。このとき、図14(a)及び(b)に示す組付け状態を実現するために、ミッションケース側のシフトレバーシャフト294に組み付けられたシフトレバー296の先端部を、クラッチハウジング側のコントロールロッド200に組み付けられたシフトフィンガ202に係合させる必要がある。
しかしながら、図15(a)、及び、この図のY−Y線断面図である図15(b)に示すように、クラッチハウジングにミッションケースを組み付ける工程において、シフトレバー296がシフトフィンガ202に向かってコントロールロッド200の軸方向に移動すると、シフトレバー296とシフトフィンガ202がそれぞれ中立位置にある場合、シフトレバー296の先端部が、シフトフィンガ202の係合凹部260を構成する手前側の突片261に干渉する。そのため、シフトレバー202の先端部を2つの突片261,262の間に収めて係合凹部260に係合させることができない。
そこで、図16に示すように、コントロールロッド200を回動させることでシフトフィンガ202を回動範囲一端の例えばリバースセレクト位置へ移動させると共に、ミッションケースの外側からシフトレバーシャフト294をミッションケースから引き出すか又は該ケース内へ押し込むように操作してシフトレバー296の先端部をシフトフィンガ202の回動範囲の他端側へ寄せておくことで、クラッチハウジングへのミッションケース組付け工程におけるシフトレバー296の先端部とシフトフィンガ202の突片261との干渉を回避することが考えられる。
しかしながら、図16に示すようにシフトフィンガ202を回動範囲一端の例えばリバースセレクト位置に保持しながら、クラッチハウジングにミッションケースを組み付けることは困難であり、この組付け工程の途中でシフトフィンガ202が回動して上記の干渉が生じる可能性がある。
そこで、ミッションケース組付け工程の途中でシフトフィンガ202が回動することを避けるために、ミッションケース組付け工程の前に、シフトフィンガ202を回動範囲一端の例えばリバースセレクト位置へ移動させるだけでなく、シフトフィンガ202を例えばリバースシフト位置へシフトインさせておくことが考えられる。この場合、コントロールロッド200の軸方向移動が規制されているという前提条件の下では、シフトフィンガ202自体を掴んで例えばリバースシフト位置までコントロールロッド上で軸方向移動させることになる。
しかしながら、クラッチハウジング側の上記仮アセンブリ状態では、シフトフィンガ202の周辺に複数のシフトエンド等の部品が密集しているため、シフトフィンガ202を掴んで操作することは極めて困難である。
また、クラッチハウジング側の仮アセンブリ状態でシフトフィンガ202を軸方向移動させるための専用部品を設けることも考えられるが、この場合、部品点数が増加し、変速機のコンパクト化が妨げられる。
以上のように、軸方向移動が規制されたコントロールロッド上をシフトフィンガが軸方向移動できるように手動変速機を構成する場合、クラッチハウジングにミッションケースを組み付けることが困難になるため、この問題が手動変速機のコンパクト化の妨げとなっている。
そこで、本発明は、軸方向移動が規制されたコントロールロッドを備えた手動変速機の組立てを可能にすることで、この変速機のコンパクト化を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る手動変速機の組立方法は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
クラッチを収納するクラッチハウジングと、
該クラッチハウジングの後面に前端が接合され、変速機構が収納されるミッションケースと、
該ミッションケース内に配置され、チェンジレバーのセレクト操作とシフト操作とにより前記変速機構を操作する変速操作機構とを備え、
前記変速操作機構は、
前記ミッションケースを貫通するセレクトレバーシャフトのミッションケース内部側に設けられ、前記チェンジレバーのセレクト操作により揺動するセレクトレバーと、
前記ミッションケースを貫通するシフトレバーシャフトのミッションケース内部側に設けられ、前記チェンジレバーのシフト操作により揺動するシフトレバーと、
軸方向移動が規制され、前記セレクトレバーの揺動により回動するコントロールロッドと、
該コントロールロッドに、該ロッドと一体的に回動し且つ該ロッド上を軸方向移動可能に嵌合されていると共に、前記シフトレバーの先端部が係合する係合凹部を有し、該シフトレバーの揺動により前記コントロールロッド上を軸方向移動するシフトフィンガと、
前記セレクトレバーの揺動により、前記コントロールロッドを介して前記シフトフィンガがリバースセレクト位置に回動したときに、該シフトフィンガに係合するリバースシフトエンドと、
該リバースシフトエンドに前記シフトフィンガが係合した状態で前記シフトレバーの揺動により前記シフトフィンガが軸方向移動したときに揺動し、リバース用ギヤ列をシフトインさせるリバースレバーとを有し、
該リバースレバーに、リバース検出装置を作動させる検出装置作動部が設けられている手動変速機の組立方法であって、
前記ミッションケースの壁部に、前記セレクトレバーが設けられたセレクトレバーシャフトと、前記シフトレバーが設けられたシフトレバーシャフトとを組み付けるミッションケース側サブアセンブリ工程と、
前記クラッチハウジングの後面に、ミッションケース側に突出するように、前記変速機構と、前記変速操作機構における前記セレクトレバーシャフト及び前記シフトレバーシャフト以外の部品と、を組み付けるクラッチハウジング側サブアセンブリ工程と、
前記コントロールロッドを回動させて前記シフトフィンガをリバースセレクト位置に移動させるリバースセレクト工程と、
前記シフトフィンガがリバースセレクト位置にある状態で、前記リバースレバーの検出装置作動部を操作して該リバースレバーをシフトイン位置へ揺動させるリバースシフトイン工程と、
前記コントロールロッドの軸方向視においてリバースセレクト位置にある前記シフトフィンガの係合凹部に前記シフトレバーの先端部が干渉しないように、前記シフトレバーシャフトをミッションケースに対して所定位置から軸方向に引き出し又は押し込むように操作するシフトレバー干渉回避工程と、
前記シフトレバーの先端部と前記シフトフィンガの係合凹部とが干渉しない状態で、前記クラッチハウジングの後面に前記ミッションケースの前端面を合わせて、該クラッチハウジングとミッションケースを結合させるケース結合工程と、
該ケース結合工程の後、前記シフトレバーシャフトを前記所定位置へ戻して、前記シフトレバーの先端部を前記シフトフィンガの係合凹部に係合させる係合工程とを有することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記シフトレバー干渉回避工程では、前記シフトレバーシャフトを前記所定位置から軸方向に引き出しておき、
前記係合工程において、前記シフトレバーシャフトを軸方向に押し込んで前記所定位置に戻すことを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記変速機構は、複数のギヤが設けられたプライマリシャフトを備え、
前記リバースレバーは、前記プライマリシャフトに隣接して配設されており、
前記検出装置作動部は、軸方向視において前記プライマリシャフトから遠ざかる方向へ延びるアーム状に形成されていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、コントロールロッドの軸方向移動を規制しつつ、シフトレバーの揺動によりシフトフィンガがコントロールロッド上を軸方向移動することでシフトインが実現されるように構成された手動変速機を組み立てる際、リバースシフトイン工程において、クラッチハウジング側にサブアセンブリされたシフトフィンガをリバースシフト位置へ移動させておくと共に、シフトレバー干渉回避工程において、ミッションケース側にサブアセンブリされたシフトレバーシャフトをミッションケースに対して所定位置から軸方向に引き出し又は押し込むように操作しておくことで、シフトレバーとシフトフィンガとの干渉を確実に回避した状態で、クラッチハウジングの後面にミッションケースの前端面を結合することができる。このように上記構成の手動変速機の組立てが可能になることで、ミッションケース内のコントロールロッド収納部を軸方向に縮小することが可能になり、手動変速機のコンパクト化を実現することができる。
また、この発明によれば、リバースシフトイン工程において、周辺に部品が密集していることにより操作困難なシフトフィンガではなく、リバースレバーの検出装置作動部を操作することで、リバースレバーを介してシフトフィンガを移動させるものである。このように検出装置作動部を利用することで、リバースシフトイン工程を実行するための専用部品を設ける必要がなくなるため、部品点数を低減することができ、ひいては手動変速機のコンパクト化に一層貢献することが可能になる。
また、請求項2に記載の発明は、シフトレバー干渉回避工程では、シフトレバーシャフトを前記所定位置から軸方向に引き出しておき、クラッチハウジングにミッションケースが結合された後に、シフトレバーシャフトを軸方向に押し込んで前記所定位置に戻すものである。この発明によれば、仮にシフトレバー干渉回避工程においてシフトレバーシャフトを押し込んでおき、ミッションケースの結合後にシフトレバーシャフトを引き出して前記所定位置に戻す場合に比べて、手動変速機の組立てが完了した状態におけるミッションケースからのシフトレバーシャフトの突出長さを短縮することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、リバースレバーの検出装置作動部がプライマリシャフトから遠ざかる方向へ延びるようにアーム状に形成されているため、リバースシフトイン工程においてリバースレバーを揺動操作する際、プライマリシャフトに設けられた各種ギヤが邪魔になることなく、検出装置作動部を容易に掴んで操作することができる。
本発明の一実施形態に係る手動変速機の骨子図である。 同手動変速機における変速操作機構を軸方向反エンジン側から見た要部断面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図3のC−C線断面図である。 クラッチハウジングに変速機構と変速操作機構がサブアセンブリされ、ミッションケースにセレクトレバーシャフトとシフトレバーシャフトがサブアセンブリされた状態を示す断面図である。 図6のD−D線断面図である。 平面視においてシフトレバーとシフトフィンガの干渉を回避させた状態を示す図7と同様の断面図である。 同状態を示す図6と同様の断面図である。 クラッチハウジングにミッションケースを結合させた状態を示す図6と同様の断面図である。 シフトレバーシャフトを元の位置まで押し込んだ状態を示す図7と同様の断面図である。 シフトレバーとシフトフィンガを中立位置に戻した状態を示す図6と同様の断面図である。 同状態を示す図7と同様の断面図である。 本発明の課題を説明するためにシフトレバーとシフトフィンガとの係合部を模式的に示した図である。 図14に示す係合部において組付け時に干渉が生じることを示す図である。 図15に示す干渉を解消させた状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る手動変速機1は、前進6速、後退1速の変速機であって、クラッチ4を介してエンジン2の出力軸3に連結されたプライマリシャフト10と、該プライマリシャフト10に平行に配置されたセカンダリシャフト20とを有する。
セカンダリシャフト20は、差動装置70を介して駆動輪(図示せず)に連結されている。具体的には、セカンダリシャフト20のエンジン側の端部に出力ギヤ28が設けられており、この出力ギヤ28が差動装置70の入力ギヤ71に噛み合っている。これにより、セカンダリシャフト20の回転が差動装置70を介して左右の車軸72,73に伝達され、さらに、各車軸72,73に連結された前記駆動輪に伝達されるようになっている。
プライマリシャフト10とセカンダリシャフト20との間には、エンジン側から順に、1速用ギヤ列G1、リバース用ギヤ列GR、2速用ギヤ列G2、5速用ギヤ列G5、6速用ギヤ列G6、3速用ギヤ列G3、4速用ギヤ列G4が配設されている。
1速用ギヤ列G1及び2速用ギヤ列G2は、それぞれ、プライマリシャフト10に固定されたプライマリギヤ11,12と、セカンダリシャフト20に遊嵌合されたセカンダリギヤ21,22とで構成されている。また、3〜6速用の各ギヤ列G3〜G6は、プライマリシャフト10に遊嵌合されたプライマリギヤ13〜16と、セカンダリシャフト20に固定されたセカンダリギヤ23〜26とで構成されている。
セカンダリシャフト20上における1速用セカンダリギヤ21と2速用セカンダリギヤ22との間には1−2速用同期装置40が配設されている。また、プライマリシャフト10上における3速用プライマリギヤ13と4速用プライマリギヤ14との間、同じくプライマリシャフト10上における5速用プライマリギヤ15と6速用プライマリギヤ16との間には、それぞれ、3−4速用同期装置50、5−6速用同期装置60が配設されている。
チェンジレバー(図示せず)により前進段でのシフト操作が行われると、上記の同期装置40,50,60のうち、シフト操作された変速段に対応する1つの同期装置のみが作動し、これにより、上記の前進段ギヤ列G1〜G6のうち、シフト操作された変速段のギヤ列のみが選択的にプライマリシャフト10とセカンダリシャフト20との間で動力伝達状態となる。例えば、チェンジレバーにより1速または2速へのシフト操作が行われると、これに連動して、1−2速用同期装置40のスリーブ41がセカンダリシャフト20上をエンジン側または反エンジン側へスライドし、スライドされた側の遊嵌合ギヤ(21又は22)がセカンダリシャフト20に固定され、シフト操作された変速段のギヤ列(G1又はG2)が動力伝達状態となる。また、チェンジレバーにより3〜6速のいずれかへのシフト操作が行われると、これに連動して、3−4速用同期装置50のスリーブ51又は5−6速用同期装置60のスリーブ61がプライマリシャフト10上をエンジン側または反エンジン側へスライドし、スライドされた側の遊嵌合ギヤ(13、14、15又は16)がプライマリシャフト10に固定され、シフト操作された変速段のギヤ列(G3、G4、G5又はG6)が動力伝達状態となる。
一方、リバース用ギヤ列GRは、選択摺動式のギヤ列であり、プライマリシャフト10に固定されたリバースプライマリギヤ17と、セカンダリシャフト20に固定されたリバースセカンダリギヤ27と、プライマリシャフト10及びセカンダリシャフト20に平行なリバースシャフト30に軸方向に摺動可能に嵌合されたリバースアイドルギヤ37とで構成されている。
なお、リバースセカンダリギヤ27は、セカンダリシャフト20に直接固定されておらず、1−2速用同期装置40のスリーブ41に設けられている。このスリーブ41は、同期装置40において、セカンダリシャフト20に固設されたハブ42にスプライン嵌合している。そのため、厳密に言えば、スリーブ41に設けられたリバースセカンダリギヤ27は、セカンダリシャフト20に対して回転方向には固定されているが、軸方向には移動可能となっている。
チェンジレバーがリバース位置にシフト操作されると、これに連動して、リバースアイドルギヤ37が軸方向反エンジン側へ摺動して、リバースプライマリギヤ17とリバースセカンダリギヤ27とに噛み合い、これにより、リバース用ギヤ列GRが動力伝達状態となる。
次に、図2〜図5を参照しながら、手動変速機1の変速操作機構90について説明する。図2は、変速操作機構90の主要部を軸方向反エンジン側から見た図であり、図3は図2のA−A線断面図、図4は図2のB−B線断面図、図5は図3のC−C線断面図である。
図2〜図5に示すように、変速操作機構90は、手動変速機1の上記変速機構と共にミッションケース80に収容されている。ミッションケース80は、その前端面がクラッチハウジング190の後面に合わされた状態で該クラッチハウジング190に結合されている。
変速操作機構90は、プライマリシャフト10に平行なコントロールロッド100を有する。コントロールロッド100は、軸周りに回動可能、且つ、軸方向移動が規制された状態でミッションケース80とクラッチハウジング190とに支持されている。このようにコントロールロッド100の軸方向移動が規制されていることにより、コントロールロッド100を収納する部分においてミッションケース80を軸方向にコンパクトに構成することが可能になっている。
図2及び図4に示すように、コントロールロッド100の上方には、チェンジレバーのセレクト操作に連動して回動するセレクトレバーシャフト110が配設されている。セレクトレバーシャフト110は、ミッションケース80を貫通してコントロールロッド100に略直角な方向、例えば上下方向に延びるように配設されている。セレクトレバーシャフト110の下端部には、該セレクトレバーシャフト110の回動により揺動するセレクトレバー108が固定されている。
図2及び図3に示すように、コントロールロッド100の側方には、チェンジレバーのシフト操作に連動して回動するシフトレバーシャフト94が配設されている。シフトレバーシャフト94は、ミッションケース80を貫通してセレクトレバーシャフト110に平行に延びるように配設されている。シフトレバーシャフト94の下端部には周溝95が形成されており、ミッションケース80に外側からねじ込まれた係合ピン99の先端部が周溝95に係合することで、シフトレバーシャフト94が軸方向に位置決めされている。また、シフトレバーシャフト94には、該シフトレバーシャフト94の回動により揺動するシフトレバー98が固定されている。
コントロールロッド100には、シフトフィンガ102が軸方向移動及び回動可能に嵌合されており、このシフトフィンガ102には、その周方向の一部から径方向外側に延びるフィンガ部103が設けられている。
また、シフトフィンガ102には、シフトレバー98の先端部が係合する係合凹部160が設けられている。この係合凹部160は、軸方向に間隔を空けて配設された一対の突片161,162により平面視コ字形の溝状に形成されている。各突片161,162は、軸方向視において例えば略扇形に形成されている(図2参照)。
さらに、図2に示すように、シフトフィンガ102には、径方向外側に突出するガイドピン170が設けられている。このガイドピン170は、ガイドプレート172にシフトパターン状に形成された溝に係合している。これにより、シフトフィンガ102の軸方向移動および回動が、所定のシフトパターンに従うように規制されている。なお、ガイドプレート172は、支持プレート174を介してクラッチハウジング190に固定されている(図3及び図5参照)。
また、図2〜図5に示すように、コントロールロッド100にはインターロックスリーブ104が固設されている。このインターロックスリーブ104には、セレクト操作で選択された変速段以外のシフトインを防止するためのロック部106が設けられている(図2参照)。該ロック部106がコントロールロッド100と一体回転すると、該ロック部106を介して前記シフトフィンガ102がコントロールロッド100の回動に連動して回動するようになっている。また、インターロックスリーブ104の軸方向エンジン側の端部にはセレクトプレート105が設けられており、このセレクトプレート105の係合凹部107にセレクトレバー108が係合している(図5参照)。
図2及び図3に示すように、コントロールロッド100の下方には、1−2速用シフトエンド121が固定された1−2速用シフトロッド111、3−4速用シフトエンド122が固定された3−4速用シフトロッド112、及び、5−6速用シフトエンド123が固定された5−6速用シフトロッド113が、それぞれコントロールロッド100に平行に配設されている。各シフトロッド111,112,113は、軸方向にスライド可能なようにミッションケース80とクラッチハウジング190とに支持されている。また、各シフトロッド111,112,113には、対応する同期装置40,50,60のスリーブ41,51,61に係合されたシフトフォーク181,182,183が固定されている。
本実施形態では、3−4速用シフトロッド112にリバースシフトエンド120がスプライン嵌合されており、3−4速用シフトロッド112がリバース用シフトロッドとして兼用されている。
各シフトエンド120,121,122,123の先端部は、シフトフィンガ102の周囲に周方向に並んで配設されており、シフトフィンガ102のフィンガ部103に選択的に係合されるようになっている。また、フィンガ部103に係合されたシフトエンド以外のシフトエンドには、インターロックスリーブ104のロック部106が係合されるようになっている。
チェンジレバーがセレクト操作されると、これに連動して、セレクトレバーシャフト110と一体的にセレクトレバー108が軸周りに回動する。このセレクトレバー108の揺動により、セレクトレバー108に係合したセレクトプレート105は、コントロールロッド100と共に軸周りに回動する。これにより、シフトフィンガ102は、コントロールロッド100と共に軸周りに回動し、シフトフィンガ102のフィンガ部103は、チェンジレバーのセレクト位置に応じたシフトエンド120〜123に係合する。
また、チェンジレバーがシフト操作されると、これに連動して、シフトレバーシャフト94と一体的にシフトレバー98が軸周りに回動する。このシフトレバー98の揺動により、シフトレバー98に係合したシフトフィンガ102は、コントロールロッド100上を軸方向移動するようになっている。
いずれかの前進段のセレクト位置でシフト操作が行われる場合、シフトフィンガ102のフィンガ部103が係合したシフトエンド121〜123を介して、該シフトエンド121〜123が設けられたシフトロッド111〜113が軸方向移動する。このとき、該シフトロッド111〜113の軸方向移動に連動して、同期装置40,50,60のスリーブ41,51,61が軸方向移動することで、シフト操作された前進段ギヤ列G1〜G6での動力伝達状態が実現される。
なお、フィンガ部103が係合したシフトエンド121〜123以外のシフトエンドは、前記ロック部106との係合により軸方向移動が規制されているため、これにより、セレクト操作で選択されていないセレクト位置でのシフトインが防止される。
一方、リバースセレクト状態でシフト操作が行われる場合、リバース用シフトロッド(3−4速用シフトロッド)112は軸方向移動せず、該ロッド112上をリバースシフトエンド120が軸方向移動する。図4及び図5に示すように、リバースシフトエンド120にはリバースアーム130が固定されており、このリバースアーム130の先端部にリバースレバー136が係合している。よって、リバースセレクト状態でシフトレバー98の揺動によりシフトフィンガ102が軸方向移動するとき、該シフトフィンガ102に係合したリバースシフトエンド130と一体的にリバースアーム130が軸方向移動し、これに連動してリバースレバー136が揺動する。これにより、リバースレバー136の揺動端部140に係合したリバースアイドルギヤ37が、リバースシャフト30上の中立位置からリバースプライマリギヤ17とリバースセカンダリギヤ27との噛合位置へ摺動し、リバース用ギヤ列GRがシフトインされるようになっている。
図4に示すように、リバースアイドルギヤ37は、リバースプライマリギヤ17とリバースセカンダリギヤ27とに噛合可能なように軸方向一端部に設けられたギヤ部32と、軸方向他端部にフランジ状に設けられた鍔部34と、リバースレバー136の揺動端部140が係合するように軸方向においてギヤ部32と鍔部34との間に形成された凹溝部36と、を備えている。
また、図4及び図5に示すように、リバースレバー136は、プライマリシャフト10に隣接して配設されており、リバースシャフト30に略垂直な略水平方向に沿って配置された支軸134に回転可能に支持されている。
リバースレバー136の揺動端部140は、支軸134の周縁部から下方に延びるように形成されている。リバースレバー136の上端部には、前記リバースアーム130の先端に形成された平面視コ字形の係合凹部131に係合される係合突部138が設けられている。また、リバースレバー136には、ミッションケース80に固定されたリバース検出装置としてのリバーススイッチ158を作動させる検出装置作動部142が設けられている。この検出装置作動部142は、プライマリシャフト10の軸方向から見て該プライマリシャフト10から遠ざかる方向へ略水平に延びるアーム状に形成されている。検出装置作動部142の先端部は下方へ屈曲しており、この屈曲部は、リバースレバー136の揺動によりリバースアイドルギヤ37が噛合位置まで摺動したときに、リバーススイッチ158に接触するように配設されている。この検出装置作動部142がリバーススイッチ158に接触することで、該リバーススイッチ158が作動し、リバースシフト状態であることが検出されるようになっている。
以下、図6〜図13を参照しながら、手動変速機1の組立手順について説明する。
手動変速機1の組み立ては、変速機構と変速操作機構90の大部分とがサブアセンブリされたクラッチハウジング190の後面に、変速操作機構90の一部がサブアセンブリされたミッションケース80の前端面を接合することで行われる。
ミッションケース80には、セレクトレバー108が設けられたセレクトレバーシャフト110と、シフトレバー98が設けられたシフトレバーシャフト94とがサブアセンブリされる。具体的には、セレクトレバーシャフト110とシフトレバーシャフト94とがミッションケース80の壁部を貫通し、且つ、セレクトレバー108とシフトレバー98とがミッションケース80の内側に収容されるように、ミッションケース80の壁部に、セレクトレバーシャフト110とシフトレバーシャフト94とを組み付ける。
一方、クラッチハウジング190には、その後面に、変速機構と、変速操作機構90におけるセレクトレバーシャフト110及びシフトレバーシャフト94以外の部品とが、ミッションケース側(後方)に突出するようにサブアセンブリされる。このクラッチハウジング側のサブアセンブリは、図6に示すように、クラッチハウジング190の後面を上方に向けた状態で行われ、プライマリシャフト10、セカンダリシャフト20、リバースシャフト30、コントロールロッド100、及び、各シフトロッド111,112,113は、クラッチハウジング190の後面から上方へ立ち上がるように配置された状態でサブアセンブリされる。ただし、図6では、コントロールロッド100及びその周辺部材のみを図示しており、他のシャフトやロッドの図示を省略している。
図6に示すように、このようにサブアセンブリされたクラッチハウジング190の後面に対して、ミッションケース80の前端面は上方から合わせられる。このとき、セレクトレバーシャフト110とシフトレバーシャフト94とはミッションケース80の側壁を略水平に貫通するように配置されている。なお、図6では、両シャフトのうちシフトレバーシャフト94のみが図示されているが、このとき、両シャフト94,110は、ミッションケース80における紙面手前側に位置する側壁部分を貫通して配置されている。
ところが、図7に示すように、シフトレバー98とシフトフィンガ102がいずれも中立位置にある状態で、クラッチハウジング190の後面に向かってミッションケース80を下方へ移動させると、シフトフィンガ102の上側の突片161にシフトレバー98の先端部が干渉してしまう。
そこで、本実施形態では、シフトレバー98とシフトフィンガ102との干渉を確実に回避しながら、クラッチハウジング190にミッションケース80を組み付けるために、以下の工程が実行される。
先ず、図8に示すように、コントロールロッド100を回動させてシフトフィンガ102をリバースセレクト位置に移動させる。このとき、コントロールロッド100の回動は、例えば、コントロールロッド100の上端部を掴んで行えばよい。
さらに、このリバースセレクト状態で、リバースレバー136の検出装置作動部142を操作してリバースレバー136をシフトイン位置へ揺動させる。このリバースレバー136の揺動により、リバースレバー136に係合したリバースアーム130と、該リバースアーム130が固定されたリバースシフトエンド120とが一体的に軸方向移動する(図4及び図5参照)。これに連動して、図9に示すように、リバースシフトエンド120に係合したシフトフィンガ102も下方のリバースシフト位置へ軸方向移動する。
このようにリバースシフトインさせておくことで、シフトフィンガ102の回動が規制されるため、クラッチハウジング190へのミッションケース80の接合が完了するまでの間、シフトフィンガ102のセレクト位置をリバース位置に確実に維持することができる。
ところで、このリバースシフトイン工程は、シフトフィンガ102を直接操作することで行うことも考えられるが、シフトフィンガ102の周囲には、上記4つのシフトエンド120〜123などの部品が密集しているため、シフトフィンガ102を掴んで軸方向に動かすことは困難である。そこで、本実施形態では、上記のように、リバースレバー136の検出装置作動部142を掴んでリバースレバー136を揺動操作することで、シフトフィンガ102を軸方向移動させるようにしている。図5に示すように、検出装置作動部142は、プライマリシャフト10から遠ざかる方向へ延びるようにアーム状に形成されており、周辺に存在する部品が少ないため、検出装置作動部142を容易に掴んで操作することができる。また、このように検出装置作動部142を利用して、リバースシフトイン工程におけるリバースレバー136の揺動操作を行うことができるため、リバースシフトイン工程を実行するための専用部品を設ける必要がない。そのため、本実施形態によれば、部品点数の低減、ひいては手動変速機1のコンパクト化に貢献することが可能になる。
シフトレバー98とシフトフィンガ102との干渉を回避するために、本実施形態では、上記のリバースシフトイン工程と共に、シフトレバー98を軸方向に移動させる工程(シフトレバー干渉回避工程)が実行される。
具体的に、このシフトレバー干渉回避工程では、図8に示すように、コントロールロッド100の軸方向視(シフトレバー干渉回避工程実行時における平面視)においてリバースセレクト位置にあるシフトフィンガ102の係合凹部160にシフトレバー98の先端部が干渉しないように、シフトレバーシャフト94をミッションケース80に対して所定位置(組立状態の位置)から軸方向に引き出すように操作する。より具体的には、シフトレバー98がミッションケース80の内面に当接する軸方向位置まで、シフトレバーシャフト94を引き出しておく。
続いて、ケース結合工程として、シフトレバーシャフト94を上記のように引き出した状態に維持しながら、クラッチハウジング190の後面にミッションケース80の前端面を合わせて、該クラッチハウジング190とミッションケース80を結合させる。このとき、シフトフィンガ102はリバースシフトイン状態に維持されている。よって、ケース結合工程では、シフトレバー98の先端部とシフトフィンガ102の係合凹部160との干渉が確実に回避されるため、クラッチハウジング190へのミッションケース80の組付けを良好に実現することができる。
このケース結合工程の後、シフトレバー98の先端部をシフトフィンガ102の係合凹部160に係合させる係合工程が次のように実行される。
図10に示すように、ケース結合工程が完了した時点では、リバースシフトイン状態となっているため、シフトフィンガ102の係合凹部160は中立状態のときよりも下方に位置している。そこで、先ず、このように下方に位置する係合凹部160に係合可能な高さまでシフトレバー98の先端部が下方へ移動するように、シフトレバーシャフト94を図10における反時計回り方向に回動させる。
続いて、図11に示すように、シフトレバーシャフト94をミッションケース80の内側に向かって軸方向に押し込んで前記所定位置(組立状態の位置)に戻す。これにより、シフトレバー98の先端部がシフトフィンガ102の係合凹部160に部分的に係合する。
さらに、この係合状態で、シフトレバーシャフト94とセレクトレバーシャフト110を操作することで、図12及び図13に示すように、シフトレバー98の先端部がシフトフィンガ102の係合凹部160に完全に係合される。より具体的に説明すると、シフトレバー98の先端部が元の高さに戻るように、シフトレバーシャフト94を図12における時計回り方向に回動させることで、シフトレバー98に部分的に係合したシフトフィンガ102を中立位置の高さまで上方へ軸方向移動させると共に、シフトフィンガ102のセレクト位置が3−4速セレクト位置(中立位置)になるようにセレクトレバーシャフト110を回動させる。これにより、シフトレバー98とシフトフィンガ102はいずれも中立位置に位置した状態で互いに係合する。
以上のように、本実施形態によれば、コントロールロッド100の軸方向移動によりシフトインを実現していた従来技術に代えて、コントロールロッド100の軸方向移動を規制しつつ、シフトレバー98の揺動によりシフトフィンガ102がコントロールロッド100上を軸方向移動することでシフトインが実現されるように手動変速機1を構成する場合において、この手動変速機1を組み立てる際に、シフトレバー98とシフトフィンガ102との干渉を確実に回避することができる。よって、コントロールロッド100の軸方向移動が規制された上記構成の手動変速機1の組立てが可能になり、ミッションケース80内のコントロールロッド収納部を軸方向に縮小することを実現でき、手動変速機1のコンパクト化を図ることができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、手動変速機1を組み立てる際、ミッションケース80に対してシフトレバーシャフト94を所定位置から軸方向に引き出しておくことでシフトレバー98とシフトフィンガ102との干渉を回避した状態で、クラッチハウジング190の後面にミッションケース80の前端面を接合した後、シフトレバーシャフト94を軸方向に押し込んで前記所定位置に戻す構成について説明したが、本発明では、ミッションケース80に対してシフトレバーシャフト94を所定位置から軸方向に押し込んでおくことで上記干渉を回避すると共に、クラッチハウジング190へのミッションケース80の結合後にシフトレバーシャフト94を軸方向に引き出して前記所定位置に戻すようにしてもよい。
以上のように、本発明によれば、軸方向移動が規制されたコントロールロッドを備えた手動変速機の組立てを可能にすることで、この変速機のコンパクト化を図ることが可能となるから、この種の手動変速機の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 手動変速機
2 エンジン
4 クラッチ
10 プライマリシャフト
17 リバースプライマリギヤ
20 セカンダリシャフト
27 リバースセカンダリギヤ
30 リバースシャフト
37 リバースアイドルギヤ
40 1−2速用同期装置
50 3−4速用同期装置
60 5−6速用同期装置
70 差動装置
80 ミッションケース
90 変速操作機構
94 シフトレバーシャフト
98 シフトレバー
100 コントロールロッド
108 セレクトレバー
110 セレクトレバーシャフト
120 リバースシフトエンド
136 リバースレバー
140 リバースレバーの揺動端部
142 リバースレバーの検出装置作動部
158 リバーススイッチ(検出装置作動部)
160 シフトフィンガの係合凹部
190 クラッチハウジング
G1 1速用ギヤ列
G2 2速用ギヤ列
G3 3速用ギヤ列
G4 4速用ギヤ列
G5 5速用ギヤ列
G6 6速用ギヤ列
GR リバース用ギヤ列

Claims (3)

  1. クラッチを収納するクラッチハウジングと、
    該クラッチハウジングの後面に前端が接合され、変速機構が収納されるミッションケースと、
    該ミッションケース内に配置され、チェンジレバーのセレクト操作とシフト操作とにより前記変速機構を操作する変速操作機構とを備え、
    前記変速操作機構は、
    前記ミッションケースを貫通するセレクトレバーシャフトのミッションケース内部側に設けられ、前記チェンジレバーのセレクト操作により揺動するセレクトレバーと、
    前記ミッションケースを貫通するシフトレバーシャフトのミッションケース内部側に設けられ、前記チェンジレバーのシフト操作により揺動するシフトレバーと、
    軸方向移動が規制され、前記セレクトレバーの揺動により回動するコントロールロッドと、
    該コントロールロッドに、該ロッドと一体的に回動し且つ該ロッド上を軸方向移動可能に嵌合されていると共に、前記シフトレバーの先端部が係合する係合凹部を有し、該シフトレバーの揺動により前記コントロールロッド上を軸方向移動するシフトフィンガと、
    前記セレクトレバーの揺動により、前記コントロールロッドを介して前記シフトフィンガがリバースセレクト位置に回動したときに、該シフトフィンガに係合するリバースシフトエンドと、
    該リバースシフトエンドに前記シフトフィンガが係合した状態で前記シフトレバーの揺動により前記シフトフィンガが軸方向移動したときに揺動し、リバース用ギヤ列をシフトインさせるリバースレバーとを有し、
    該リバースレバーに、リバース検出装置を作動させる検出装置作動部が設けられている手動変速機の組立方法であって、
    前記ミッションケースの壁部に、前記セレクトレバーが設けられたセレクトレバーシャフトと、前記シフトレバーが設けられたシフトレバーシャフトとを組み付けるミッションケース側サブアセンブリ工程と、
    前記クラッチハウジングの後面に、ミッションケース側に突出するように、前記変速機構と、前記変速操作機構における前記セレクトレバーシャフト及び前記シフトレバーシャフト以外の部品と、を組み付けるクラッチハウジング側サブアセンブリ工程と、
    前記コントロールロッドを回動させて前記シフトフィンガをリバースセレクト位置に移動させるリバースセレクト工程と、
    前記シフトフィンガがリバースセレクト位置にある状態で、前記リバースレバーの検出装置作動部を操作して該リバースレバーをシフトイン位置へ揺動させるリバースシフトイン工程と、
    前記コントロールロッドの軸方向視においてリバースセレクト位置にある前記シフトフィンガの係合凹部に前記シフトレバーの先端部が干渉しないように、前記シフトレバーシャフトをミッションケースに対して所定位置から軸方向に引き出し又は押し込むように操作するシフトレバー干渉回避工程と、
    前記シフトレバーの先端部と前記シフトフィンガの係合凹部とが干渉しない状態で、前記クラッチハウジングの後面に前記ミッションケースの前端面を合わせて、該クラッチハウジングとミッションケースを結合させるケース結合工程と、
    該ケース結合工程の後、前記シフトレバーシャフトを前記所定位置へ戻して、前記シフトレバーの先端部を前記シフトフィンガの係合凹部に係合させる係合工程とを有することを特徴とする手動変速機の組立方法。
  2. 前記シフトレバー干渉回避工程では、前記シフトレバーシャフトを前記所定位置から軸方向に引き出しておき、
    前記係合工程において、前記シフトレバーシャフトを軸方向に押し込んで前記所定位置に戻すことを特徴とする請求項1に記載の手動変速機の組立方法。
  3. 前記変速機構は、複数のギヤが設けられたプライマリシャフトを備え、
    前記リバースレバーは、前記プライマリシャフトに隣接して配設されており、
    前記検出装置作動部は、軸方向視において前記プライマリシャフトから遠ざかる方向へ延びるアーム状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の手動変速機の組立方法。
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