JP2014104898A - 車体前部構造 - Google Patents

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Sota Sugimoto
聡太 杉本
Yasuhiro Hara
康洋 原
Yukio Oka
幸雄 岡
Yoichi Tamura
洋一 田村
Nobuhisa Ishiyama
宜寿 石山
Hiroshi Mizuo
大志 水尾
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Abstract

【課題】微小ラップ衝突時に前後骨格部の車幅方向内側への倒れを効果的に抑制することができる車体前部構造を得る。
【解決手段】車体前部構造は、車両前後方向に長手とされると共に車幅方向に並列された一対の前後骨格部12と、車幅方向に長手とされて一対の前後骨格部12のそれぞれに接続された横骨格部20Fと、横骨格部20Fにおける車幅方向中央部と一対の前後骨格部における横骨格部20Fよりも車両前後方向の前側の部分とを結合する左右一対の傾斜骨格部30L、30Rが横骨格部20F側において一体化されて構成された結合部材30と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体前部構造に関する。
左右のフロントサイドメンバの下方に、ラジエータサポートメンバの下端部とサブフレームとを繋ぐロアメンバを配置した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−137326号公報
ところで、フロントサイドメンバに対する車幅方向外側への衝突すなわち微小ラップ衝突時には、フロントサイドメンバの前端側に車幅方向内向きの荷重が作用することが知られてきた。
本発明は、微小ラップ衝突時に前後骨格部の車幅方向内側への倒れを効果的に抑制することができる車体前部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る車体前部構造は、車両前後方向に長手とされると共に車幅方向に並列された一対の前後骨格部と、車幅方向に長手とされ、前記一対の前後骨格部のそれぞれに接続された横骨格部と、前記横骨格部における車幅方向中央部と前記一対の前後骨格部における前記横骨格部よりも車両前後方向の前側の部分とを結合する左右一対の傾斜骨格部が、前記横骨格部側において一体化されて構成された結合部材と、を備えている。
請求項1記載の車体前部構造では、結合部材は左右一対の傾斜骨格部が後端側で一体化されて構成されているため、平面視では前向きに開口する略「V」字状を成している。この構造において微小ラップ衝突が生じると、前後骨格部の前端側には車幅方向内向きの荷重が作用する。この荷重の一部は結合部材における衝突側の傾斜骨格部に伝達され、結合部材には、横骨格部との接続部位回りの回転力が作用する。
ここで、衝突側の傾斜骨格部に一体化された反衝突側の傾斜骨格部の前端側が反衝突側の前後骨格部に接続されている。このため、この接続部での反衝突側の前後骨格部への荷重伝達に伴う反力で(入力側と同等のモーメントアーム長で)、上記の回転力が受け止められる。換言すれば、結合部材は回転が抑制されつつ荷重を反衝突側に伝達するので、衝突側の前後骨格部の車幅方向内側への倒れが効果的に抑制される。
このように、請求項1記載の車体前部構造では、微小ラップ衝突時に前後骨格部の車幅方向内側への倒れを効果的に抑制することができる。
請求項2記載の発明に係る車体前部構造は、請求項1の構成において、前記横骨格部は、フロントサスペンションの少なくとも一部を支持するサスペンションメンバを構成する部材であり、前記横骨格部における車幅方向中央部と前記前後骨格部における前記横骨格部よりも車両前後方向の後側の部分とを結合する左右一対の斜め骨格部が前記横骨格部側において一体化されて構成された補強部材をさらに備え、前記結合部材における車両前後方向の後端部が前記補強部材の車両前後方向の前端部に接続されている。
請求項2記載の車体前部構造では、結合部材とは前後逆向きの略「V」字状を成す補強部材が設けられており、該補強部材がサスペンションメンバを構成する横骨格部と左右の前後骨格部を繋いでいる。そして、この補強部材の前端部と、結合部材の後端部とが接続されているので、これらが接続されていない構成と比較して、各前後骨格部の車幅方向の荷重に対する剛性が向上する。
請求項3記載の発明に係る車体前部構造は、請求項2の構成において、前記結合部材は、前記補強部材と一体に構成されている。
請求項3記載の車体前部構造では、部品点数の増加を抑えながら、各前後骨格部の車幅方向の荷重に対する剛性が向上する。
請求項4記載の発明に係る車体前部構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成において、前記結合部材は、上側部材と下側部材との接合によって前記傾斜骨格部の長手方向との直交断面が閉断面を成す構成とされている。
請求項4記載の車体前部構造では、傾斜骨格部が2部材接合によって閉断面構造とされているため、閉断面構造ではない傾斜骨格部によって同等の前後骨格部の車幅方向内側への倒れ抑制効果を得る場合と比較して、結合部材の軽量化が図られる。すなわち、車体全体としての軽量化に寄与する。
請求項5記載の発明に係る車体前部構造は、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成において、前記結合部材の左右一対の傾斜骨格部における車両前後方向の前端部は、前記前後骨格部に支持された被支持部材における該前後骨格部よりも車両上下方向の下側に突出した部分、又は前記前後骨格部における車両上下方向の下部に、結合されている。
請求項5記載の車体前部構造では、各傾斜骨格部の前端部は、被支持部材における前後骨格部よりも車両下方に突出した部分を介して間接的に、又は前後骨格部における車両上下方向の下部に直接的に、結合されている。これにより、結合部材は車体下部に配置されることとなり、該結合部材によって車体内の部品等を下方から保護することができる。
以上説明したように本発明に係る車体前部構造は、微小ラップ衝突時に前後骨格部の車幅方向内側への倒れを効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造の概略全体構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造を示す側面図である。 (A)は、図1の3A−3A線に沿って拡大した断面図、(B)は、図1の3B−3B線に沿って拡大した断面図、(C)は、図1の3C−3C線に沿って拡大した断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造を構成するV型ブレースの分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造の概略全体構成を示す底面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車体前部構造の概略全体構成を示す側面図である。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造10について、図1〜図4に基づいて説明する。なお、図中に適宜記す矢印FRは車両前後方向の前方向を、矢印UPは車両上下方向の上方向を、矢印RHは前方向を向いた場合の右方向(車幅方向一方)側を、矢印LHは前方向を向いた場合の左方向(車幅方向他方)側をそれぞれ示す。以下の説明で、特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
[車体前部の基本構成]
(基本骨格)
図1には、車体前部構造が適用された自動車Aの前部の概略構成が平面図にて示されている。この図に示される如く、自動車Aの車体Bは、左右一対のフロントサイドメンバ12を備えている。各フロントサイドメンバ12は、それぞれ前後方向に長手とされ、車幅方向に並列して配置されている。各フロントサイドメンバ12は、クラッシュボックス16を介して、車幅方向に長手とされたバンパリインフォースメント14に結合されている。具体的には、各フロントサイドメンバ12の前端と、バンパリインフォースメント14の長手方向の端部とが、クラッシュボックス16を介して接続されている。バンパリインフォースメント14の車幅方向両端は、各フロントサイドメンバ12よりも車幅方向外側に張り出された張出部14Aとされている。
なお、クラッシュボックス16を有せず、フロントサイドメンバ12の前端が直接的にバンパリインフォースメント14に接続された構成としても良い。この実施形態では、少なくともフロントサイドメンバ12が本発明の前後骨格部に相当し、該フロントサイドメンバ12にクラッシュボックス16を含めて本発明の前後骨格部に相当するものと捉えても良い。
各フロントサイドメンバ12の後部は、図示しないダッシュパネルに突き当てられて、それぞれフロアアンダリインフォース18に連続している。フロアアンダリインフォース18は、図示しないフロアパネルの下面側に接合されて前後方向に延びる骨格部とされている。このフロアアンダリインフォース18をフロントサイドメンバ12の後部として捉えることも可能である。
フロントサイドメンバ12の下側には、車体Bの一部を成すサスペンションメンバ20が配置されている。サスペンションメンバ20は、それぞれ車幅方向に長手のフロントクロス20Fとリヤクロス20Rとが、車幅方向の両側で前後方向に長手のサイドレール20Sにて連結されて、平面視で矩形枠状に形成されている。図示は省略するが、サスペンションメンバ20の左右両側部には、フロントサスペンションを構成するロアアームが支持されている。したがって、サスペンションメンバ20は、前輪の少なくとも一部を車体Bに支持する部材として捉えることができる。このサスペンションメンバ20を構成するフロントクロス20Fが本発明における横骨格部に相当する。
このサスペンションメンバ20は、各フロントサイドメンバ12に結合されている。具体的には、サスペンションメンバ20は、前側の左右両角部がフロントサイドメンバ12における前後方向略中央部の下部に接続された接続部とされている。この実施形態では、図2に示される如く、サスペンションメンバ20の接続部は、介在部材22を介してフロントサイドメンバ12の前後方向略中央部に接続されている。また、サスペンションメンバ20は、後側の左右両角部がフロントサイドメンバ12の後端側(フロアアンダリインフォース18との接続部分の近傍)に接続された接続部とされている。
図1に示される如く、各フロアアンダリインフォース18に対する車幅方向外側には、車体Bを構成する前後に長い骨格部であるロッカ24が配置されている。各ロッカ24は、フロアパネルの車幅方向外縁が接続されており、乗員乗降用の開口部の下縁を規定している。ロッカ24は、フロアアンダリインフォース18と結合されている。具体的には、図1に示される如く、ロッカ24の前端部とフロアアンダリインフォース18の前端部とは、トルクボックス25を介して接続されている。また、図示は省略するが、左右のロッカ24同士、左右同じ側のロッカ24とフロアアンダリインフォース18とは、前後方向の適宜位置において、図示しないクロスメンバにて互いに接続されている。
(ラジエータ支持部材)
フロントサイドメンバ12の前端(クラッシュボックス16の後方)には、図示しないラジエータを支持する被支持部材としてのラジエータサポートメンバ26が結合されている。ラジエータサポートメンバ26は、正面視で矩形枠状を成す構成とされており、上下に延びる左右一対のラジエータサポートサイド26Sの上下方向中間部においてフロントサイドメンバ12の車幅方向内側部に接続されている。
各ラジエータサポートサイド26Sは、互いの上端間がラジエータサポートアッパ26Uにて架け渡されると共に、互いの下端間がラジエータサポートロア26Lにて架け渡されている。したがって、ラジエータサポートメンバ26の下端部を成すラジエータサポートロア26Lは、フロントサイドメンバ12に対し下方に位置している。この実施形態では、ラジエータサポートロア26Lは、左右両端がフロントサイドメンバ12の直下に配置される(平面視でフロントサイドメンバ12にラップする)ように、ラジエータサポートサイド26Sに対し車幅方向外側に張り出されている。
(A型ブレース)
上記の如き基本骨格を備えた車体Bには、補強部材としてのA型ブレース28が結合されている。A型ブレース28は、操縦安定性を向上させるためのものであり、「操安ブレース」と呼ばれる場合もある。図1に示される如く、A型ブレース28は、平面視で前端を頂部とする略「A」字状を成している。具体的には、A型ブレース28は、頂部となる前端28Fから斜め後方に延びる左右一対の斜め骨格部としての傾斜レール部28Sと、車幅方向に長手とされて左右の傾斜レール部28Sを連結する中央クロス部28Cとを主要部として構成されている。
各傾斜レール部28Sは、それぞれの長手方向と直交する断面が閉断面構造とされている。図示は省略するが、上記の如く閉断面構造のA型ブレース28は、アッパパネルとロアパネルとの接合により構成されている。アッパパネルは、各傾斜レール部28S及び中央クロス部28Cを構成する部分が断面ハット形状に形成されている。このアッパパネルのフランジに平板状のロアパネルが接合されることで、上記の如き閉断面構造のA型ブレース28が構成されている。この実施形態では、各傾斜レール部28Sと中央クロス部28Cとで平面視で略「A」字状の閉断面構造の骨格部が形成されている。
このA型ブレース28は、その前端においてサスペンションメンバ20のフロントクロス20Fにおける車幅方向中央部に、後述する締結構造31によって接続されている。また、A型ブレース28は、その後端すなわち各傾斜レール部28Sの各後端において、ボルトなどの締結具29によってフロアアンダリインフォース18の前端側部分に接続されている。さらに、A型ブレース28は、中央クロス部28Cの左右両端において、ボルトなどの締結具29によってサスペンションメンバ20のリヤクロス20Rの車幅方向両端側部分に接続されている。
以上説明したA型ブレース28は、各フロントサイドメンバ12の車幅方向の剛性を高めることで、車体Bが適用された自動車Aの操縦安定性を向上させる構成とされている。
[要部構成]
(V型ブレース)
そして、車体前部構造10は、車体Bに結合された結合部材としてのV型ブレース30を備えている。V型ブレース30は、平面視で前向きに開口する略「V」字状を成している。より具体的には、V型ブレース30は、左右一対の傾斜骨格部30L、30Rの各後端部が基部30Bにて一体化されて構成されている。
このV型ブレース30は、各傾斜骨格部30L、30Rの前端に前側接続部30FFが設けられると共に、基部30Bに後側接続部30RFが設けられている。各前側接続部30FFは、フロントサイドメンバ12の前端部に接続されている。この実施形態では、各前側接続部30FFは、ラジエータサポートメンバ26を介して間接的にフロントサイドメンバ12の前端部に接続されている。より具体的には図3(A)に示される如く、各前側接続部30FFは、ラジエータサポートロア26Lの車幅方向端部、すなわち平面視でフロントサイドメンバ12にラップする部分に、ボルト・ナットを含む締結構造27にて下側から接続されている。
一方、図3(C)に示される如く、後側接続部30RFは、サスペンションメンバ20のフロントクロス20Fの車幅方向中央部に、ボルト・ナットを含む締結構造31にて下側から接続されている。以上により、車体前部構造10では、各フロントサイドメンバ12とサスペンションメンバ20のフロントクロス20Fとが、V型ブレース30によって結合されている。また、ラジエータサポートロア26L及びサスペンションメンバ20のフロントクロス20Fに対し下方から接続されたV型ブレース30は、エンジンコンパートメント内の最下部に位置する骨格部とされている。
このV型ブレース30によって、左右何れか一方のフロントサイドメンバ12の前端側に車幅方向内向きの荷重(後述する曲げ荷重Fb)が作用した場合に、該荷重がV型ブレース30によって支持される構成とされている。また、V型ブレース30によってエンジンコンパートメントが下方から覆われる構成とされている。
また、図3(C)に示される如く、この実施形態では、V型ブレース30の後側接続部30RFは、フロントクロス20Fの車幅方向中央部に対し、A型ブレース28の前端28Fと共通の締結構造31にて共締めされている。これにより、車体前部構造10では、A型ブレース28とV型ブレース30とがフロントクロス20Fを介して結合されている。
以上説明したV型ブレース30は、各傾斜骨格部30L、30Rの長手方向と直交する断面が図3(B)に示される如く上下扁平な閉断面構造とされている。具体的には、図4に示される如く、上側部材としてのアッパパネル32と下側部材としてのロアパネル34との接合にて構成されている。そして、ロアパネル34は略平坦な平板状に形成されており、アッパパネル32は各閉断面(各傾斜骨格部30L、30R)を構成する断面ハット形状の部分を平面視でV字状に組み合わせた如く形成されている。
また、図3(A)に示される如く、前側接続部30FFでは、ロアパネル34がアッパパネル32に重ね合わされた状態で締結されるように、該ロアパネル34の一部が隆起されている。同様に、図3(C)に示される如く、後側接続部30RFでは、ロアパネル34がアッパパネル32に重ね合わされた状態で締結されるように、該ロアパネル34の一部が隆起されている。
[作用]
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車体前部構造10が適用された自動車Aに、左側のフロントサイドメンバ12に対する車幅方向外側(張出部14A)に衝突体(バリヤBr)が衝突する形態の衝突である微小ラップ衝突が生じた場合の作用について説明することとする。このような微小ラップ衝突が生じると、衝突側のフロントサイドメンバ12の前端側には、車幅方向に内側に向かう曲げ荷重Fbと、圧縮荷重Fcと(の合力)が作用する。
ここで、車体前部構造10では、各フロントサイドメンバ12とサスペンションメンバ20とがV型ブレース30にて結合されている。このため、上記した曲げ荷重FbがV型ブレース30によって支持される。この際、V型ブレース30には、該V型ブレース30を基部30B回りに回転させるようとする回転力すなわちモーメントが作用する。そして、例えば、左右の傾斜骨格部が別個にフロントサイドメンバの前端側とサスペンションメンバ20の車幅方向中央部とを結合する比較例では、上記のモーメントによって衝突側の傾斜骨格部が後端側を中心に回転し(倒れ)やすい。
これに対してV型ブレース30は、傾斜骨格部30Lが基部30Bにおいて、反衝突側のフロントサイドメンバ12の前端側に接続された傾斜骨格部30Rと一体化されている。このため、V型ブレース30は、傾斜骨格部30L、30Rの成す角を維持するようにして、反衝突側の前側接続部30FFでフロントサイドメンバ12に荷重を伝達する。そして、この伝達荷重の反力によって、上記のモーメントに抗する(打ち消す)方向のモーメントが生じ、V型ブレース30すなわち衝突側の傾斜骨格部30Lの回転が抑制される。しかも、衝突(入力)側と反衝突(反力支持)側とでモーメントアーム長が同等となるので、V型ブレース30を回転させようとするモーメントが効果的に抑制される。
すなわち、V型ブレース30は、フロントサイドメンバ12に作用する曲げ荷重Fbによる回転が防止又は効果的に抑制されつつ、反衝突側に荷重を伝達することで、衝突側のフロントサイドメンバ12の倒れを抑制する。
このように、第1の実施形態に係る車体前部構造10では、微小ラップ衝突時にフロントサイドメンバ12の車幅方向内側への倒れを効果的に抑制することができる。そして、このようにフロントサイドメンバ12の倒れが抑制されることで、圧縮荷重Fcを受けてクラッシュボックス16が圧縮変形され、衝突エネルギの一部が効率的に吸収される。これにより、衝突体の車体への侵入が抑制される。
また、上記の通り曲げ荷重Fbを支持しているV型ブレース30は、衝突側のフロントサイドメンバ12から反衝突側のフロントサイドメンバ12に向かう横力が生じる。この横力によって自動車Aが反衝突側に移動されると、車体と衝突体との車幅方向のラップ量が小さくなる(張出部14Aへの衝突荷重の入力自体が解消又は緩和される)。
以上により、車体前部構造10が適用された自動車Aでは、微小ラップ衝突に対する車体(キャビン)の変形を効果的に抑制することができる。
また、V型ブレース30は、ラジエータサポートロア26L及びサスペンションメンバ20のそれぞれに対し下方から接続されて、エンジンコンパートメントを下方から覆っている。このため、V型ブレース30によって、エンジンコンパートメント内の部品等が、路面干渉やチッピング等に対し保護される。さらに、V型ブレース30は、A型ブレース28が結合されることで、A型ブレース28とV型ブレース30とが結合されていない比較例と比較して、各フロントサイドメンバ12の車幅方向の荷重に対する剛性を向上させる高い補強(補剛)作用を奏する。このため、転舵時の荷重に対するフロントサイドメンバ12の変形が抑制され、操縦安定性が向上する。
そして、V型ブレース30は、アッパパネル32とロアパネル34との接合により閉断面構造を成すため、上記の作用効果を軽量化な構造で得ることができる。すなわち、微小ラップ衝突に対する車体変形の抑制効果等を、軽量なV型ブレース30を用いて得ることができる。
<他の実施形態>
以下、他の実施形態について順次説明する。なお、先に説明した実施形態の構成と基本的に同様の構成については、先に説明した実施形態の構成と同一の符号を付して、その説明、図示を省略する場合がある。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造40について、図5に基づいて説明する。図5には、車体前部構造40が適用された自動車Aの前部の概略構成が底面図にて示されている。この図に示される如く、車体前部構造40は、A型ブレース28及びV型ブレース30に代えて、車体Bに結合された結合部材としてのX型ブレース42を備えている点で、第1の実施形態に係る車体前部構造10とは異なる。
X型ブレース42は、A型ブレース28とV型ブレース30とを一体的に組み合わせた如く形成されており、底面視で略「X」字状を成している。したがって、X型ブレース42は、本発明における結合部材及び補強部材の双方に相当する。より具体的には、基部42Bから、傾斜骨格部42L、42R、斜め骨格部としての左右の傾斜レール部42Sが放射状に延出されている。左側の傾斜骨格部42Lと右側の傾斜レール部42Sは、底面視で一直線状に配置されており、右側の傾斜骨格部42Rと左側の傾斜レール部42Sは、底面視で一直線状に配置されている。
傾斜骨格部42L、42Rは、V型ブレース30の傾斜骨格部30L、30Rに相当する。各傾斜レール部42Sは、A型ブレース28の各傾斜レール部28Sに相当する。また、左右の傾斜レール部42Sの長手方向中間部は、中央クロス部28Cに相当する中央クロス部42Cにて連結されている。
そして、各傾斜骨格部42L、42Rの前端には、フロントサイドメンバ12への接続部である前側接続部42FFが設けられている。基部42Bには、中間接続部42CFが設けられている。この中間接続部42CFは、V型ブレース30の後側接続部30RFとA型ブレース28の前端との共締め部分に相当する。詳述は省略するが、X型ブレース42の後部は、A型ブレース28と同様の位置及び構造でサスペンションメンバ20のリヤクロス20R、左右のフロアアンダリインフォース18に接続されている。
以上説明したX型ブレース42は、アッパパネルとロアパネルとの接合によって各骨格部が上下に扁平な閉断面構造とされている(図示省略)。車体前部構造40における他の部分は、図示しない部分を含め、車体前部構造10の対応する構成と同様に構成されている。
したがって、第2の実施形態に係る車体前部構造40によっても、第1の実施形態に係る車体前部構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車体前部構造40は、1部材であるX型ブレース42を用いて、V型ブレース30及びA型ブレース28を備えた車体前部構造10と同様の作用効果が得られる。これにより、車体前部構造10と比較して部品点数が削減され、また車体Bへの組付性も向上する。さらに、V型ブレース30とA型ブレース28との結合剛性を高めたのと同様の構成であるため、車体前部構造10と比較して車体が一層高剛性化され、微小ラップ衝突の際の車体変形抑制、操縦安定性の向上に寄与する。
なお、X型ブレース42は、車体Bへの組付前に一体化されていれば良く、全体がアッパパネルとロアパネルとの2部品で形成される構成には限られない。したがって、例えば、A型ブレース28に相当する部分と、V型ブレース30に相当する部分とを車体Bへ組付前に溶接等にて結合して一体化しても良い。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態に係る車体前部構造50について、図6に基づいて説明する。図6には、車体前部構造50が適用された自動車Aの前部の概略構成が図2に対応する側面図にて示されている。この図に示される如く、車体前部構造50は、V型ブレース30に代えて、車体Bに結合された結合部材としてのV型ブレース52を備えている点で、第1の実施形態に係る車体前部構造10とは異なる。
V型ブレース52は、左右一対の傾斜骨格部52Aが基部52Bにて一体化されて成り、平面視での形状はV型ブレース30とほぼ同様とされている(図示省略)。そして、各傾斜骨格部52Aの前端に設けられた前側接続部52FFは、フロントサイドメンバ12における前端近傍部分の下面に図示しない締結具によって締結されている。すなわち、この実施形態では、V型ブレース52の左右の前端がそれぞれフロントサイドメンバ12の下部に直接的に結合されている。
一方、V型ブレース52の基部52Bは、V型ブレース30の基部30Bと同様の構造によってサスペンションメンバ20のフロントクロス20Fに接続されている。車体前部構造50における他の部分は、図示しない部分を含め、車体前部構造10の対応する構成と同様に構成されている。
したがって、第3の実施形態に係る車体前部構造50によっても、第1の実施形態に係る車体前部構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。なお、車体前端側でのエンジンコンパートメント内の部品等の保護効果については、第1の実施形態に係る車体前部構造10に対し若干低下する。
また、車体前部構造50は、微小ラップ衝突の際にフロントサイドメンバ12の前部に作用する車幅方向内側への曲げ荷重Fbを、V型ブレース52によって直接的に支持することができる。したがって、本構造は、ラジエータサポートンメンバ26を備えない車両にも適用可能である。
なお、上記した各実施形態では、V型ブレース30、52、X型ブレース42の各部が一体に構成された例を示したが、本発明は、結合部材の傾斜骨格部が一体的に構成されていれば足り、各実施形態の構造に限定されることはない。例えば、各傾斜骨格部の後端を別個にフロントクロス20Fに接続すると共に、該接続部位の前方で各傾斜骨格部を連結する連結クロスを設けて一体化した構成としても良い。この連結クロスによって各傾斜骨格部の成す角が維持され、微小ラップ衝突側の傾斜骨格部の回転すなわちフロントサイドメンバ12の倒れが抑制されることとなる。
また、第3の実施形態では、V型ブレース52の前端がフロントサイドメンバ12に直接的に接続された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、V型ブレース52に代えて、前端がフロントサイドメンバ12に直接的に接続される構成のX型ブレースを備えた構成としても良い。
さらに、第1、第3の実施形態ではA型ブレース28とV型ブレース30、52とがフロントクロス20Fを介して接続(結合)された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、A型ブレース28とV型ブレース30、52とを直接的に接続した構成としも良く、A型ブレース28を備えない構成としても良い。
またさらに、第1、第2の実施形態ではV型ブレース30、X型ブレース42の各前端がラジエータサポートメンバ26を介してフロントサイドメンバ12に接続された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、V型ブレース30、X型ブレース42の各前端が専用の介在部材を介してフロントサイドメンバ12に間接的に接続された構成としも良い。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で各種変更して実施可能であることは言うまでもない。
10 車体前部構造
12 フロントサイドメンバ(前後骨格部)
20 サスペンションメンバ
20F フロントクロス(横骨格部)
26 ラジエータサポートメンバ(被支持部材)
28 A型ブレース(補強部材)
28S 傾斜レール部(斜め骨格部)
30 V型ブレース(結合部材)
30L、30R 傾斜骨格部
32 アッパパネル(上側部材)
34 ロアパネル(下側部材)
40・50 車体前部構造
42 X型ブレース(補強部材、結合部材)
42S 傾斜レール部(斜め骨格部)
42L、42R 傾斜骨格部
52 V型ブレース(結合部材)
52A 傾斜骨格部

Claims (5)

  1. 車両前後方向に長手とされると共に車幅方向に並列された一対の前後骨格部と、
    車幅方向に長手とされ、前記一対の前後骨格部のそれぞれに接続された横骨格部と、
    前記横骨格部における車幅方向中央部と前記一対の前後骨格部における前記横骨格部よりも車両前後方向の前側の部分とを結合する左右一対の傾斜骨格部が、前記横骨格部側において一体化されて構成された結合部材と、
    を備えた車体前部構造。
  2. 前記横骨格部は、フロントサスペンションの少なくとも一部を支持するサスペンションメンバを構成する部材であり、
    前記横骨格部における車幅方向中央部と前記前後骨格部における前記横骨格部よりも車両前後方向の後側の部分とを結合する左右一対の斜め骨格部が前記横骨格部側において一体化されて構成された補強部材をさらに備え、
    前記結合部材における車両前後方向の後端部が前記補強部材の車両前後方向の前端部に接続されている請求項2記載の車体前部構造。
  3. 前記結合部材は、前記補強部材と一体に構成されている請求項2記載の車体前部構造。
  4. 前記結合部材は、上側部材と下側部材との接合によって前記傾斜骨格部の長手方向との直交断面が閉断面を成す構成とされている請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車体前部構造。
  5. 前記結合部材の左右一対の傾斜骨格部における車両前後方向の前端部は、前記前後骨格部に支持された被支持部材における該前後骨格部よりも車両上下方向の下側に突出した部分、又は前記前後骨格部における車両上下方向の下部に、結合されている請求項1〜請求項4の何れか1項記載の車体前部構造。
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