JP2014101627A - 窓部開閉検知機構と自動車用スライドドア - Google Patents
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Abstract
【解決手段】窓部開閉検知機構は、Xアーム式ウインドウレギュレータ5におけるサブアーム9のチャンネルB側先端部の移動を窓ガラス位置検出器6により検出して窓ガラス3の開閉状態を検出する。ウインドウレギュレータ5はスライドドア1のアウターパネルとインナーパネル16の間に取付け、窓ガラス位置検出器6はインナーパネル16の車内側の面に取付ける。窓部開閉検知機構は、自動車用スライドドア1のドアストッパー4aと連携させ、窓部2が「開」の時、スライドドア1をはさみ込み未然位置で停止させる。
【選択図】図4
Description
このような自動車は、例えば、後部座席に座った子供が手や頭を窓部2から外に出している時に、図1の(イ)に示すように、スライドドア1を全開にすると、窓部2の前枠2aと乗降口の後縁2bで手や頭を挟まれる虞がある。
例えば、特許文献1の車両用スライドドア装置では、窓部の開き状態を機械的に検出し、検出手段とストッパー手段をケーブルを介して接続し、窓部が開いている時はストッパー4aを駆動して、スライドドア1の全開状態を規制するようにしている。
特許文献3の自動車用ドアでは、窓部が開き状態のときは、スライドドア1の移動がロックされる構造となっている。
ウインドウレギュレータは、メインアームとサブアームを回転軸で回転可能に組み合わせたXアーム式とし、ドアのアウターパネルとインナーパネルの間に配置する。
メインアームは基部が回動軸に取付けられ、先端部に窓ガラスを支持するチャンネルAが摺動自在に取付けられる。回動軸は、駆動用のモータの出力軸にギヤで結合される。
サブアームはメインアームの中間部に車の室内外方向の回転軸で回転可能に取付けられる。
メインアームの回動範囲はチャンネルBを挟んだ上方の上限位置と下方の下限位置に亘るものであって上限位置は窓ガラスを完全に閉じた位置であり、下限位置は窓ガラスを完全に開いた位置であり、チャンネルBから上限位置までの上方回動の範囲をチャンネルBから下限位置までの下方回動の範囲よりも大きくしてある。
メインアームの前記上方回動と下方回動の回動範囲の差による前記サブアーム基部のチャンネルBにおける移動範囲の差を利用して窓ガラス位置を検出する。
窓ガラス位置検出器は、前記操作具によって移動される受動部を有して受動部の位置により、窓が設定以上に開いた「開」状態と、設定以上は開いていない「閉」状態を検出するものとする。窓ガラス位置検出器は、インナーパネルの車の内側となる面に取付けられて受動部をインナーパネルに貫通させてインナーパネルの車外側へ突出させている。
なお、窓の「閉」状態は窓が完全に閉じていなくても、法令上、窓が閉じていると判断してよいとされている状態である。この状態では、顔はもちろん手等を窓外へ出すことはできない。
サブアーム基部のスライド移動に応じて移動する操作具は、窓ガラス位置検出器の受動部を先端部に設けた孔に係合することにより、サブアーム基部のスライド移動の往路、復路共に係合できる構造とすることがある。
また、窓ガラス位置検出器は自動車用ドアを構成するインナーパネルの車内側の面に配置するので、ウインドウレギュレータの組み付け後であっても、簡単に調整作業を行える。
さらに、インナーパネルにはインパクトビームのような凹凸もなく、装着部材も少ないので、窓ガラス位置検出器をインナーパネルに取付ける場合には、アウターパネルの車内側の面に取付けるよりも、窓ガラス位置検出器を比較的自由な位置に配置することができる。
操作具の係合孔に窓ガラス位置検出器の受動部を貫通させて係合させると、窓ガラス位置検出器の受動部を往復で積極的に駆動できるので、冬季に受動部が凍りついた時にも受動部を操作の往路はもちろん復路もまた確実に元位置まで移動させることができ窓ガラスの開閉状態を支障なく検出できる。
自動車の全体構造は従来のものと同様なので、図1を参照する。
自動車は、スライドドア1と、スライドドア1の窓部2を開閉する昇降可能な窓ガラス3と、窓ガラス3を昇降させるXアーム式のウインドウレギュレータ5と、窓ガラス3の開閉状態を検出する窓ガラス位置検出器6およびスライドドア1をはさみ込み未然位置に停止させるドアストッパー4aを備える。ウインドウレギュレータ5はスライドドア1のアウターパネル(図示していない)とインナーパネル16(図2,3)間の空間に配置される。
インナーパネル16は自動車用スライドドア1の車内側の面部材である。
図2は車の外側からの斜視図であり、図3は車の内側からの斜視図である。
また、位置A,B間の位置Dは、窓ガラス3が閉じ方向に移動してきて、前記のように、法令上、窓が閉じたと判断してよいとされている「閉」位置である。窓ガラス3がこれより下方にあるときは「開」位置であり、したがって、前記の位置Bは「開」位置である。窓ガラス3が完全に閉じられた状態(位置A)は、窓部2が完全に閉じられた状態と同義である。
サブアーム9は、長さ方向に分割されたサブアームA9aとサブアームB9bとからなり、メインアーム8の中央部においてそれぞれの基部がメインアーム8の表裏に配置されてメインアーム8を貫通した回転軸11により一体に連結されている。
メインアーム8は、基部が回動軸12に取付けられ、先端部はスライダー(図示していない)を介してチャンネルA7に摺動自在に取付けられている。
サブアームB9bのチャンネルB側の先端部には、チャンネルB19に摺動自在に係合させたスライダー18(図7)が回動自在に取付けられており、サブアームB9bの前記先端部はチャンネルB19に沿って往復移動する。チャンネルB19は、前記のように、インナーパネル16の車外側の面に前後方向に沿ってほぼ水平に取り付けられている。
なお、図7では後述の検出レバー22とスライダー18及び受動部23を窓の「開」、「閉」位置に合わせて双方を共に図示している。
窓ガラス3を閉じるときは、運転者によって遠隔操作されたモータ10によってメインアーム8及びサブアーム9が前記の開き動作の場合と逆に回転され、操作具25は窓ガラス開放過程と逆方向の回動軸12側に移動する。
したがって、スライドドア1を完全に開けようとする場合は、窓ガラス3を「閉」状態にする必要があり、「閉」状態では窓から顔や手等を出すことはできないので、窓部2から腕や顔が出されたままスライドドア1が全開されてしまう危険を排除することができる。
また、図4において、窓ガラス3の「開」位置(位置B)は、チャンネルB19を中心とした位置C(窓ガラス3が完全に開かれた状態)の対象位置に図示されている。
具体的には、前記のスライダー18に連結されてチャンネルB19の長手方向に沿って移動が可能なバー状の操作具25を配置し、操作具によって窓ガラス位置検出器が操作されるようにする。操作具は、チャンネルB19の溝に案内されて移動し、チャンネルB19の回動軸12側端部から出没するものであって、突出側先端部に設けた係合孔26に窓ガラス位置検出器6の受動部23(図3)を貫通させて係合しており、メインアーム8が前記の「閉」位置(位置D)を越えて上方へ移動したとき、受動部23を窓ガラス位置検出器6の「開」位置から「閉」位置へ移動させる。
この実施例では受動部23を操作具25側に設けているが、受動部23は窓ガラス位置検出器6の検出レバー22側に設けても良い。この場合、操作具25の先端部には操作具25の長手方向に沿った長孔を設けてこれに検出レバー22側の受動部23を係合させる。また、インナーパネル16からの受動部23の突出量は、サブアームB9bの先端に取り付けた操作具25の移動軌跡面に入るがメインアーム8の回動軌跡には干渉しない量としてある。
前記検出レバー22の他端にはドアストッパー4aの作動部につながるケーブルや連結棒などの連繋部材を接続するための孔が形成されている。
2 窓部
2a 窓部の前枠
2b 乗降口の後縁
3 窓ガラス
4 車体本体
4a 車体本体配置されたドアストッパー
5 ウインドウレギュレータ
6 窓ガラス位置検出器
7 チャンネルA
8 メインアーム
9 サブアーム
9a サブアームA
9b サブアームB
10 駆動用のモータ
12 回動軸
13 ギヤ
14 モータの出力軸
15 ピニオン
16 インナーパネル
17 ボディプレート
18 スライダー
19 チャンネルB
20 軸受け台
22 検出レバー
23 受動部
24 長孔
25 操作具
26 係合孔
Claims (6)
- 自動車用ドアの窓ガラスを昇降するウインドウレギュレータと窓ガラス位置検出器を備え、ウインドウレギュレータは、メインアームとサブアームを回転軸で回転可能に組み合わせたXアーム式であって、ドアのアウターパネルとインナーパネルの間に配置されており、
メインアームは基部が窓開閉用駆動用のモータの出力軸にギヤ結合された回動軸に取付けられ、先端部に窓ガラスを支持するチャンネルAが摺動自在に取付けられており、サブアームはメインアームの中間部に車の室内外方向の回転軸で回転可能に取付けられており、先端部が前記チャンネルAに摺動自在に取付けられてメインアームとともにチャンネルAをほぼ水平に支持すると共に、前記の回転軸を挟んで前記の先端部と反対側の基部がインナーパネルに固定されたチャンネルBに摺動可能に取り付けられており、
メインアームの回動範囲はチャンネルBから上方の上限位置と下方の下限位置に亘るものであって、上限位置は窓ガラスを完全に閉じた位置であり、下限位置は窓ガラスを完全に開いた位置とし、チャンネルBから上限位置までの上方回動範囲をチャンネルBから下限位置までの下方回動の範囲よりも大きくしてあり、
メインアームの前記上方回動と下方回動の回動範囲の差による前記サブアーム基部のチャンネルBにおける移動範囲の差を利用して窓ガラス位置を検出することを特徴とした窓部開閉検知機構。 - チャンネルBに、サブアーム基部に設けたスライダーに連結されてチャンネルBの長手方向に沿って移動が可能な操作具を配置し、操作具によって窓ガラス位置検出器が操作されることを特徴とした請求項1に記載の窓部開閉検知機構。
- 窓ガラス位置検出器は、前記操作具によって移動される受動部を有して受動部の位置により、窓が設定以上に開いた状態と、設定以上は開いていない状態を検出するものであって、インナーパネルの車の内側となる面に取付けられており、受動部はインナーパネルを貫通してウインドウレギュレータの前記操作具と窓ガラス位置検出器の前記受動部を連繋していることを特徴とした請求項2に記載の窓部開閉検知機構。
- ウインドウレギュレータのサブアームは、メインアームと交差する回動軸の箇所でチャンネルA側のサブアームAとチャンネルB側のサブアームBに2分され、これらはサブアームBを車の室内側としてメインアームを車の内外方向から挟むように配置され、メインアームを車の内外方向に貫通した前記の回転軸で一体に結合されており、
窓ガラス検出器の検出レバーに受動部を取り付けてあり、前記受動部はインナーパネルから車の外側へ突出する長さをメインアームの回動軌跡と干渉しない長さとしてあることを特徴とした請求項3に記載の窓部開閉検知機構。 - 操作具は、チャンネルBの溝に案内されて移動し、チャンネルBの端部から出没するものであって、メインアームが前記の上限位置へ移動したとき、受動部が窓ガラス検出器の検出レバー22を「閉」位置へ移動させるものであることを特徴とした請求項2〜4のいずれか1つに記載の窓部開閉検知機構。
- 自動車用スライドドアに請求項1〜請求項5のいずれか一つの窓部開閉検知機構を組み込み、窓ガラス開の時スライドドアと自動車本体間に配置されたドアストッパーを作動させ、スライドドアをはさみこみ未然位置で停止させることを特徴とした自動車のスライドドア装置。
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