JP5978485B2 - 車両用スライドドアの開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ等の動力源によりラッチ機構をリリース作動させてスライドドアの開きを可能にした車両用スライドドアの開閉装置に関する。
従来、車両用スライドドアの開閉装置においては、ストライカに噛合することによりスライドドアを閉鎖状態に保持可能なラッチ及び当該ラッチに係合可能なラチェットを含むラッチ機構と、ラチェットに機械的に連結され、モータ等の動力源を含む電動リリース手段を備える。このような構成においては、電動リリース手段の動力源の動力によりラッチ機構の係合を解除するリリース作動が行われている最中、電気的または機械的なトラブルが発生して、ラチェットがリリース作動した状態に拘束されてしまい(以下、この状態を「リリース拘束状態」と記す)、これ以降、スライドドアを閉じることができなくなる事態が発生する虞がある。
例えば、特許文献1に記載された発明は、リリース拘束状態が発生した場合には、室内ロック操作部(ロックノブ)を操作することで動力源からラチェットへの動力の伝達を遮断することによって、ラチェットがラッチに係合する係合位置に戻ることができるようにしてスライドドアの閉鎖を可能にしている。
特開2012−67568号公報
しかし、特許文献1に記載された発明は、リリース拘束状態を解除するには、通常、スライドドアを閉じる際には使用されない車内ロック操作部を特別に操作しなければならない。そのため、乗員がリリース拘束状態の解除方法を事前に知っていないと、車両マニュアルを調べたりする等の対応が強いられ、迅速にスライドドアを閉じることはできない。
本発明は、上記課題に鑑み、乗員に特別な操作を強いることなくリリース拘束状態を解除して迅速にスライドドアを閉じることができるようにした車両用スライドドアの開閉装置を提供することを目的とする。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
第1の発明は、車体側面に前後方向へ延在するガイドレールに沿って移動するガイドユニットを介して開閉可能に支持されるスライドドアを備え、前記ガイドレールは、そのドア閉鎖側に車体内方へ湾曲して前記スライドドアを車体内方へ案内する湾曲部及び当該湾曲部からドア開方向へ延伸する直線部を形成し、前記ガイドユニットは、前記ガイドレールに沿って移動可能に案内されるレール側ブラケットと、前記スライドドアに固定され、前記レール側ブラケットを前記湾曲部の湾曲方向へ揺動自在に枢着するドア側ブラケットとを有する車両用スライドドアの開閉装置において、前記スライドドアに設けられ、前記車体側のストライカに係合可能なラッチと、前記ラッチに係合することにより前記スライドドアを閉位置に拘束し、また前記ラッチから外れることにより前記スライドドアの開きを可能にするラチェットと、前記ラチェットを前記ラッチに係合した係合位置から前記ラッチから外れるリリース位置に作動させ得るように、前記ラチェットにリリース操作力伝達手段を介して連結される電動リリース手段と、前記電動リリース手段の動力を前記ラチェットに伝達し得るように前記リリース操作力伝達手段を接続する接続状態、及び前記ラチェットが前記電動リリース手段により前記リリース位置に拘束されたリリース拘束状態にあるとき、前記リリース操作力伝達手段を切断する切断状態に切り替え可能なリリースキャンセル機構と、前記リリースキャンセル機構に直接または間接的に連結され、前記レール側ブラケットが前記ガイドレールの前記湾曲部を移動する際の前記ドア側ブラケットに対する前記レール側ブラケットの揺動を前記リリースキャンセル機構に伝達可能であって、前記リリースキャンセル機構を接続状態から切断状態に切り替え可能なリリースキャンセル出力手段とを備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記リリースキャンセル出力手段は、前記レール側ブラケットが前記湾曲部を移動する過程において、前記レール側ブラケットの揺動を前記リリースキャンセル機構に伝達するリリース作動した後に中立状態に戻って、前記リリースキャンセル機構を切断状態から接続状態に復帰可能としたことを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記リリースキャンセル出力手段は、前記ドア側ブラケットに枢着されると共に、前記リリースキャンセル機構に直接または間接的に連結され、前記レール側ブラケットの揺動に伴って前記レール側ブラケットの当接部に当接することにより中立位置からリリース方向へ作動可能なリリースキャンセル出力レバーを有することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記レール側ブラケットの前記当接部は、前記レール側ブラケットが前記湾曲部を移動する過程において、前記リリースキャンセル出力レバーの乗り越えることによって前記リリースキャンセル出力レバーをリリース作動した状態から中立位置への戻りを可能にすることを特徴とする。
本発明によると、ガイドユニットがガイドレールの湾曲部を移動する過程においてリリース拘束状態を解除することができるので、乗員に特別な操作を強いることなくリリース拘束状態を解除してスライドドアを迅速に閉じることができる。
本発明に係わる装置を適用した車両側面の模式図である。 同じくスライドドアの模式図である。 スライドドアが開位置にあるときのガイドレールの要部及びガイドユニットの平面図である。 スライドドアが開位置から半ドア位置手前に移動したときのガイドレールの要部及びガイドユニットの平面図である。 スライドドアが全閉位置にあるときのガイドレールの要部及びガイドユニットの平面図である。 スライドドアが全閉位置から開方向へ移動したときのガイドレールの要部及びガイドユニットの平面図である。 ドアラッチシステムの車内側から見た外観斜視図である。 ドアラッチシステムの車内側から見た分解斜視図である。 ドアラッチシステムの内部を明示するための車内側から見た側面図である。 ラッチユニットの内部を明示するための後方から見た正面図である。 ラッチユニットの前方から見た裏面図である。 オープン状態におけるドアラッチシステムの要部の側面図である。 ハーフラッチ状態におけるドアラッチシステムの要部の側面図である。 クローズ動作中におけるドアラッチシステムの要部の側面図である。 フルラッチ状態におけるドアラッチシステムの要部の側面図である。 クローズ動作をキャンセルした状態におけるドアラッチシステムの要部の側面図である。 クローズ動作をキャンセルした状態後におけるドアラッチシステムの要部の側面図である。 リリース動作状態におけるドアラッチシステムの要部の側面図である。 リリース拘束状態をキャンセルした状態のドアラッチシステムの要部の側面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、Dは、車体側面に設けられる前後方向へ延在するアッパーガイドレールUR、センターガイドレールSR及びロアガイドレールLRに沿って移動可能なガイドユニット80を介して前後方向へスライド可能に支持されるスライドドア、PSDは、スライドドアDを電動で開閉移動させるための電動開閉装置である。
同じくOHは、スライドドアDの外側面(アウタパネル)に配置され、スライドドアDを車外から開閉する際に操作されるアウトサイドハンドル、IHは、スライドドアDの車内側面に配置され、スライドドアDを車内から開閉する際に操作されるインサイドハンドル、LKは、スライドドアDの車内側に配置され、後述の施解錠機構101を手動操作でアンロック状態及びロック状態に切換える際に操作されるロック操作ノブ、FDは、スライドドアDの前部に配置され、スライドドアDを閉鎖位置に保持するためのフロントドアラッチ装置、ODは、スライドドアDの下部に配置され、スライドドアDを全開位置に保持するための全開ラッチ装置である。
同じく1は、スライドドアDの後部に配置され、フロントドアラッチ装置FDと共にスライドドアDを閉鎖位置に保持するためのドアラッチ装置である。100は、スライドドアDの内部に配置され、アウトサイドハンドルOH及びインサイドハンドルIHの各操作を中継制御し、当該中継制御した操作をドアラッチ装置1、フロントドアラッチ装置FD及び全開ラッチ装置ODにそれぞれ伝達制御するための操作中継装置である。
スライドドアDは、ガイドユニット80を介してアッパーガイドレールUR、センターガイドレールSR及びロアガイドレールLRにより前後方向へスライド可能に支持され、開動作においては外側面が車体側面とほぼ平坦になって乗降口を閉鎖する全閉位置から車体側面より若干外方へ移動しつつ後方へ移動したあと車体側面に沿って後方の全開位置へ移動し、また、閉動作においては全開位置から車体側面に沿って直線的に前方へ移動したあと車体内方へ移動しつつ全閉位置へ移動する。
図3〜6は、センターガイドレールSRの要部及びガイドユニット80の平面図を示す。センターガイドレールSRは、そのドア閉鎖側(前側)に車体内方へ湾曲してスライドドアDを車体内方へ案内する湾曲部SR1及び当該湾曲部SR1からドア開方向(後方)へ延伸する直線部SR2を有する。
ガイドユニット80は、センターガイドレールSRに沿って移動可能に案内されるレール側ブラケット81と、スライドドアDに固定され、レール側ブラケット81をセンターガイドレールSRの湾曲部SR1の湾曲方向へ揺動し得るように上下方向の枢軸83により枢着するドア側ブラケット82とを含んで構成される。
レール側ブラケット81は、センターガイドレールSRに前後方向へ転動可能に遊嵌する前後2個の水平ローラ811と1個の垂直ローラ812とを枢支すると共に、車外側端部にあって、枢軸83の周辺には本発明のリリースキャンセル出力手段の一部を構成する上方へ突出する円柱状の当接部81aが設けられる。スライドドアDが全開位置から全閉位置に向けて移動する際には、水平ローラ811及び垂直ローラ812が、センターガイドレールSRの直線部SR2内を前方へ向けて転動し(図3に示す状態)、スライドドアDが半ドア位置手前に達すると、図4に示すように湾曲部SR1に進入することにより枢軸83を中心に湾曲部SR1の湾曲方向へ揺動しつつ車体内方へ向けて移動する。
ドア側ブラケット82には、上下方向の支軸85により枢支され、レール側ブラケット81の当接部81aに揺動方向へ相対する本発明のリリースキャンセル出力手段の他の一部を構成するリリースキャンセル出力レバー84が枢支される。リリースキャンセル出力レバー84は、支軸85に巻装されたスプリング86の付勢力により図3に示す中立位置に保持され、車内側を向く端部には、当接部81aに対して揺動方向に当接可能な被当接部84aが設けられ、車外側向く端部に形成された長孔84bには、リリースキャンセル出力レバー84の時計方向、すなわちキャンセル方向のキャンセル作動を後述のリリースキャンセル機構のリリースキャンセル入力レバー303に伝達可能なボーデンケーブル等で構成されるリリースキャンセル伝達部材87の端部が摺動可能に連結される。
図3に示すように、スライドドア1が全開位置と半ドア位置手前との間の範囲にある場合には、ガイドユニット80のレール側ブラケット81は、センターガイドレールSRの直線部SR2に位置し、リリースキャンセル出力レバー84は、当接部81aから離れてスプリング86の付勢力により中立位置に保持され、レール側ブラケット81の当接部81aは、リリースキャンセル出力レバー84の反時計方向側に位置している。
図4に示すように、スライドドア1が開位置から半ドア位置手前に進入した場合には、レール側ブラケット81の水平ローラ811及び垂直ローラ812がセンターガイドレールSRの直線部SR2から湾曲部SR1に進入することによって、その過程において、レール側ブラケット81は、ドア側ブラケット82に対してセンターガイドレールSRの湾曲部SR1の湾曲方向である反時計方向へ揺動し、当接部81aは、レール側ブラケット81の揺動に伴ってリリースキャンセル出力レバー84における被当接部84aに対して反時計方向側から当接する。これにより、リリースキャンセル出力レバー84は、スプリング86の付勢力に抗して時計方向、すなわちキャンセル方向へ揺動し、リリースキャンセル伝達部材87を矢印方向のキャンセル方向へ牽引する。リリースキャンセル伝達部材87は、キャンセル方向へ牽引されることにより、リリースキャンセル出力レバー84のキャンセル作動をリリースキャンセル機構のリリースキャンセル入力レバー303に伝達する。
図5に示すように、スライドドアDが半ドア位置手前から全閉位置に移動した場合には、レール側ブラケット81の水平ローラ811及び垂直ローラ812がセンターガイドレールSRの湾曲部SR1を通過してドア閉鎖側端部に移動することによって、レール側ブラケット81は、湾曲部SR1に浅く進入した状態のときよりもドア側ブラケット82に対して大きく揺動し、当接部81aは、リリースキャンセル出力レバー84をキャンセル方向へ揺動させつつ被当接部84aを乗り越える。リリースキャンセル出力レバー84は、当接部81aが被当接部84aを乗り越えたあとスプリング86の付勢力により中立位置に戻る。
図6に示すように、スライドドアDが全閉位置から開方向へ移動する場合には、レール側ブラケット81がセンターガイドレールSRのドア閉鎖側端部から湾曲部SR1を移動する過程において、レール側ブラケット81がドア側ブラケット82に対して時計方向へ揺動するため、当接部81aは、リリースキャンセル出力レバー84の被当接部84aに時計方向側から当接し、リリースキャンセル出力レバー84をスプリング86の付勢力に抗してキャンセル方向と反対方向である反時計方向へ揺動させつつ被当接部84aを乗り越える。この場合、キャンセル伝達部材87の端末部が長孔84bにリリースキャンセル出力レバー84の揺動方向へ摺動可能に連結されているため、リリースキャンセル出力レバー84のキャンセル方向と反対方向への揺動は、リリースキャンセル伝達部材87を介してリリースキャンセル機構のリリースキャンセル入力レバー303に伝達されない。当接部81aが被当接部84aが乗り越えたあと、リリースキャンセル出力レバー84は、スプリング86の付勢力により中立位置に戻る。
上述のように、リリースキャンセル出力レバー84は、レール側ブラケット81が湾曲部SR1を移動する過程において、中立位置からリリース作動したあと再び中立位置に戻るように構成される。
図2に示すように、操作中継装置100は、施解錠用の電動アクチュエータ(図示略)の電動操作、及び乗員の手動操作によるロック操作ノブLKのアンロック操作及びロック操作に基づいて、アウトサイドハンドルOH及びインサイドハンドルIHの操作を有効としてスライドドアDの開操作を可能にするアンロック状態及び無効としてスライドドアDの開操作を不能にするロック状態に切り替え可能な複数のレバーにより構成される施解錠機構101と、施解錠機構101の状態に無関係にアウトサイドハンドルOH及びインサイドハンドルIHの操作に常時連動するハンドル連動レバー102と、施解錠機構101がアンロック状態にあるときのみ、アウトサイドハンドルOH及びインサイドハンドルIHの操作に基づいて作動する出力レバー103とを備える。
ハンドル連動レバー102は、ロッドまたはボーデンケーブル等で構成される操作力伝達部材501及び502、503を介して全開ラッチ装置OD及びドアラッチ装置1にそれぞれ連結される。また、出力レバー103は、ロッドまたはボーデンケーブル等で構成される操作力伝達部材504及び505を介してフロントドアラッチ装置FD及びドアラッチ装置1にそれぞれ連結される。
図7〜9に示すように、ドアラッチ装置1は、車体側に固定されるストライカSと噛合しスライドドアDを閉鎖位置に拘束可能なラッチユニット2と、スライドドアDの閉動作時、スライドドアDを半ドア位置から全閉位置に強制的に移動させるように、ラッチユニット2をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に作動させるクローズ機能及びストライカSと噛合した噛合状態にあるラッチユニット2をストライカSから外すリリース作動させるリリース機能を有するクローザ・リリースユニット3とを備える。
主に図7〜11に示すように、ラッチユニット2は、スライドドアDに対する取付面が金属製の平面視L字状のカバープレート4により閉塞される合成樹脂製のハウジング5を備える。ハウジング5内には、前後方向を向くラッチ軸6により枢支され、ストライカSと係合可能なラッチ7と、前後方向を向くラチェット軸8により枢支され、ラッチ7の外周縁に設けられたフルラッチ係合部71またはハーフラッチ係合部72に選択的に係合可能なラチェット9とを含むラッチ機構が収容される。なお、図9、10は、ラッチユニット2の内部構造を明示するため、カバープレート4を省略している。
ラッチユニット2におけるカバープレート4及びハウジング5には、スライドドアDの閉鎖時、ストライカSが車内側から進入し得るように開口した車内外方向を向くストライカ進入溝41、51がそれぞれ設けられる。
ラッチ7は、ストライカSから離脱したスライドドアDの開放状態に対応する図12に示すオープン位置から、ラッチ軸6に巻装されるスプリング16(図8参照)の付勢力に抗してクローズ方向(図12において反時計方向)へ回動してストライカSに辛うじて噛合するハーフラッチ位置(図13参照)を経由して、ストライカSに完全に噛合するフルラッチ位置(例えば、図14参照)に回動する。
なお、以下の説明において、ラッチ7の「オープン位置」、「ハーフラッチ位置」及び「フルラッチ位置」は、必要に応じてラッチ機構の「オープン状態」、「ハーフラッチ状態」及び「フルラッチ状態」、またはスライドドアDの「開位置」、「半ドア位置」及び「全閉位置」と記す。
図11に明示されるように、ハウジング5の前面側には、ラッチ軸6により枢支され、ラッチ7と一体的に回動可能な検知レバー10及びラッチレバー11と、ラチェット軸8により枢支され、ラチェット9と一体的に回動可能なオープンレバー12とが配置される。
ラッチレバー11の先端部に設けられる作動部111は、ラッチ7がオープン位置にあるときには、後述の減速機構をなす遊星歯車機構33の一部を構成する後述のクローズレバー38のクローズ部381の移動軌跡外に退避し、ラッチ7がハーフラッチ位置に回動することによってクローズ部381の移動軌跡内に進入する。
検知レバー10及びラッチレバー11の回転面には、後方を向く連結シャフト13が固着される。連結シャフト13は、ハウジング5に設けられたラッチ軸6を中心とする円弧孔52を貫通してラッチ7のアーム部73に固着されることによって検知レバー10、ラッチレバー11及びラッチ7が一体回動するようにそれぞれを連結する。
ラッチ7のハーフラッチ位置及びフルラッチ位置は、図11に示すように、ハウジング5の前面側に設けられるハーフラッチ検出スイッチ14及びフルラッチ検出スイッチ15により検出され、それらの検出信号は、クローザ・リリースユニット3における電気駆動源をなすモータ321及び電動開閉装置PSDの停止、駆動制御の契機となるように、制御回路装置(図示略)へ送信される。
ラチェット9は、ハウジング5の前面側に設けられるスプリング17の付勢力によりオープンレバー12と一緒に常時係合方向(図10、12〜19において反時計方向)へ付勢されると共に、ラッチ7が図12に示すオープン位置にあるときにはラッチ7の外周縁に当接し、ラッチ7が図13に示すハーフラッチ位置にあるときにはラッチ7のハーフラッチ係合部72に係合する係合位置に保持されることでラッチ7のハーフラッチ位置からオープン方向(図13において時計方向)への回動を阻止し、また、ラッチ7が図15に示すフルラッチ位置にあるときにはラッチ7のフルラッチ係合部71に係合する係合位置に保持されることでラッチ7のフルラッチ位置からオープン方向への回動を阻止する。
ラチェット9がラッチ7のフルラッチ係合部71またはハーフラッチ係合部72に係合した係合位置にあって、操作中継装置100の施解錠機構101がアンロック状態にあるときには、アウトサイドハンドルOHまたはインサイドハンドルIHがドア開操作されると、当該ドア開操作は、各種要素を介してラチェット9に伝達され、これにより、ラチェット9は、スプリング17の付勢力に抗してリリース方向(例えば、図10において時計方向)へ回動し図16、17に示すリリース位置に移動することによって、フルラッチ係合部71またはハーフラッチ係合部72から外れてスライドドアDの開きを可能にする。
カバープレート4における前方へ折曲形成された支持面42には、車内外方向を向く支軸18によりリリース入力レバー19、ブロックレバー20及び緊急レバー21がそれぞれ回動可能に枢支される。
リリース入力レバー19は、下部に設けた連結部191がドアD内に配索される操作力伝達部材505の後端部が連結される。操作力伝達部材505の前端部は、操作中継装置100の出力レバー103に連結される。これにより、アウトサイドハンドルOHまたはインサイドハンドルIHのいずれかがドア開操作されると、操作中継装置100の施解錠機構101がアンロック状態にあるときのみ、リリース入力レバー19は、例えば図12〜15に示す待機位置からスプリング23の付勢力に抗してリリース方向(図12〜15において反時計方向)へ揺動し、図16、17に示すリリース位置に回動する。リリース入力レバー19がリリース位置に回動すると、リリース入力レバー19の後端部に設けられた解除部192がオープンレバー12の第2アーム部122の上端を押し下げることでオープンレバー12を介してラチェット9をリリース方向へ回動させて、ラチェット9とラッチ7のフルラッチ係合71またはハーフラッチ係合部72との係合を外してドア開を可能にする。
なお、リリース入力レバー19は、操作中継装置100の出力レバー103に連結されるため、施解錠機構101がアンロック状態にあるときにはアウトサイドハンドルOHまたはインサイドハンドルIHのいずれかのドア開操作によってリリース方向へ揺動するが、施解錠機構101がロック状態にあるときにはアウトサイドハンドルOH及びインサイドハンドルIHがドア開操作されても待機位置に止まりリリース方向へ移動しない。
ブロックレバー20は、スプリング23の付勢力をもって、前方へ延出するアームの先端に形成したブロック部203が前方を向くブロック位置(例えば、図12〜15に示す位置)に保持され、リリース入力レバー19がリリース方向へ回動してリリース位置(例えば、図18に示す位置)に移動したときには、自体に設けた当接部201にリリース入力レバー19の折曲部193が下方から当接することで、ブロック位置から反時計方向へ所定角度回動した図12〜18に示すキャンセル位置に回動する。
ブロック部203は、ブロックレバー20がブロック位置に保持されている場合には、遊星歯車機構33における後述するサンギヤ35の反時計方向への回動を阻止し、また、同じくキャンセル位置に移動することで、サンギヤ35における反時計方向への回動をフリーにする。これにより、ブロックレバー20がブロック位置にある場合には、後述のように、遊星歯車機構33の減速回転をラッチ7に伝達可能とし、また同じくキャンセル位置にある場合には、遊星歯車機構33の減速回転の伝達を切断してラッチ7に伝達不能とする。
緊急レバー21は、下部に設けた連結部211がスライドドアD内に配索される操作力伝達部材502の後端部が連結される。操作力伝達部材502の前端部は、操作中継装置100のハンドル連動レバー102に連結される。これにより、ハンドル連動レバー102の作動が操作力伝達部材502を介して緊急レバー21に伝達されることによって、緊急レバー21は、施解錠機構101がアンロック状態またはロック状態にあるか否かに無関係に、アウトサイドハンドルOHまたはインサイドハンドルIHのいずれかのドア開操作に連動して待機位置(例えば、図12〜15に示す位置)からリリース方向(図12〜15において反時計方向)へ回動する。
緊急レバー21がリリース方向へ回動した場合には、緊急レバー21の上端に設けた当接部212がブロックレバー20の折曲部202に下方から当接することで、ブロックレバー20は、スプリング23の付勢力に抗してリリース方向へ回動する。なお、この場合には、リリース入力レバー19は、待機位置に保持されたままであり、ラチェット9はリリース方向へ揺動しない。これにより、施解錠機構101の状態に無関係に、アウトサイドハンドルOHまたはインサイドハンドルIHのいずれかをドア開操作することにより、ブロックレバー20をキャンセル位置に移動させて、クローザ・リリースユニット3のクローズ動作を中断させることが可能となる。
図8、9に示すように、クローザ・リリースユニット3は、ラッチユニット2におけるカバープレート4の支持面42に固定される金属製のベースプレート31と、ベースプレート31における車外側を向く面の前部に配置され、電気駆動源をなすモータ321及び当該モータ321の回転を減速する減速歯車を内蔵した減速ユニット32と、ベースプレート31における車外側を向く面に配置され、モータ321の回転力を出力する車内外方向の軸回りに回転可能な出力ギヤ322に噛合して出力ギヤ322の回転をさらに減速して出力可能な減速機構をなす遊星歯車機構33と、ベースプレート31に枢支される第1リリース出力レバー301、第2リリース出力レバー302及びリリースキャンセル入力レバー303とを含むリリースキャンセル機構とを備える。
リリースキャンセル機構は、モータ321の正転による遊星歯車機構33の後述のリリース作動をラチェット9に伝達可能な接続状態と、モータ321とラチェット9とを繋ぐ操作力伝達経路の途中を切断する切断状態とに切り替え可能である。
第1リリース出力レバー301は、ベースプレート31に車内外方向を向く支軸304により前後方向へ回動可能に枢支されると共に、下方に延出するリリース部301aと、車内外方向を向くフローティングピン308が上下方向へ摺動可能に係合する上下方向の長孔301bとを有し、スプリング306により例えば図12において時計方向へ付勢され、非作動時には図12〜17に示す待機位置に保持されると共に、遊星歯車機構33のリリース作動に基づいて、待機位置からスプリング306の付勢力に抗して、リリース方向(例えば図12において反時計方向)へ回動可能である。
第2リリース出力レバー302は、ベースプレート31に第1リリース出力レバー301と同軸により枢支されると共に、第1リリース出力レバー301の待機方向(図18において時計方向)への作動に連動し得るように、上部に設けられた折曲部302aが第1リリース出力レバー301の回動方向に対して当接する。
第2リリース出力レバー302の上端部には、第2リリース出力レバー302の待機位置(図12〜17参照)からリリース方向(図12〜17において反時計方向)への作動を操作中継装置100のハンドル連動レバー102に伝達するための操作力伝達部材503の後端部が連結される。さらに、第2リリース出力レバー302には、フローティングピン308が摺動可能に係合するほぼ逆L字型の長孔302bが設けられる。
リリースキャンセル入力レバー303は、ベースプレート31に車内外方向を向く支軸303cにより回動可能に枢支され、通常はスプリング307の付勢力により接続位置(例えば、図12参照)に保持される。リリースキャンセル入力レバー303における後方へ延出するアーム部303aには、第2リリース出力レバー302の長孔302bに側面に重なってフローティングピン308が前後方向へ摺動可能に係合する前後方向の長孔303bが設けられる。
リリースキャンセル入力レバー303の上部には、リリースキャンセル出力レバー84のリリース作動を伝達可能な操作力伝達部材87の一端部が連結される。これにより、リリースキャンセル入力レバー303は、通常はリリースキャンセル機構を接続状態にする接続位置に保持されているが、前述のようにガイドユニット80のレール側ブラケット81がセンターガイドレールSRの湾曲部SR1を移動する過程においてリリースキャンセル出力レバー84が中立位置からキャンセル方向へ作動したとき、当該作動に連動して接続位置からスプリング306の付勢力に抗して切断方向(例えば、図17において時計方向)へ所定角度回動してリリースキャンセル機構を切断状態とする切断位置(図19参照)に移動する。
フローティングピン308は、リリースキャンセル入力レバー303の作動にに従動し、リリースキャンセル入力レバー303が接続位置にある場合には、第2リリース出力レバー302の長孔302bの下部に位置(例えば、図12に示す位置)してリリースキャンセル機構を接続状態とする接続位置に保持され、また、リリースキャンセル入力レバー303が切断位置に移動した場合には、長孔302bの上部に位置(図19に示す位置)してリリースキャンセル機構を切断状態とする切断位置に移動する。
リリースキャンセル入力レバー303及びフローティングピン308が接続位置にあってリリースキャンセル機構が接続状態にある場合には、第1リリース出力レバー301と第2リリース出力レバー302間の操作力伝達経路を接続する。これにより、遊星歯車機構33のリリース作動による第1リリース出力レバー301のリリース作動は、フローティングピン308、第2リリース出力レバー302、操作力伝達部材503、ハンドル連動レバー102、出力レバー103、操作力伝達部材505、リリース入力レバー19、オープンレバー12を介してラチェット9に伝達される。この結果、ラチェット9は、リリース作動してスライドドアDの開きを可能にする。
リリースキャンセル入力レバー303及びフローティングピン308がキャンセル位置に移動してリリースキャンセル機構がキャンセル状態に切り替わった場合には、第1リリース出力レバー301と第2リリース出力レバー302間の操作力伝達経路を切断する。これにより、遊星歯車機構33がリリース作動した状態で電気的故障または他の原因によって、第1リリース出力レバー301がリリース位置に拘束されて、第1リリース出力レバー301、第2リリース出力レバー302等が待機位置に戻ることができなくなって、ラチェット9がリリース位置に拘束されてスライドドアDの閉鎖ができなくなるリリース拘束状態が発生しても、この状態において、第1リリース出力レバー301と第2リリース出力レバー302間の操作力伝達経路を切断させることによって、リリース拘束状態を解除して、第1リリース出力レバー301をリリース位置に停止させたまま、第2リリース出力レバー302、リリース入力レバー19等の待機位置への戻り、及びラチェット9の係合位置への戻りを可能にして、スライドドアDの閉鎖、すなわち、ラッチユニット2に対するストライカSの噛合を可能にする。
リリースキャンセル入力レバー303が接続位置にある状態において、第1、2リリース出力レバー301、302がリリース作動すると、当該作動は、操作力伝達部材503を介して操作中継装置100のハンドル連動レバー102に伝達されてハンドル連動レバー102を作動させる。ハンドル連動レバー102の作動は、操作中継装置100の施解錠機構101がアンロック状態にあれば、出力レバー103、操作力伝達部材505及び504を介してドアラッチ装置1のリリース入力レバー19及びフロントドアラッチ装置FDにそれぞれ伝達される。
次に、減速機構をなす遊星歯車機構33について説明する。遊星歯車機構33は、ラッチユニット2におけるラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態、すなわちラッチ7をハーフラッチ位置からフルラッチ位置に移動させるクローズ機能、及びラチェット9をリリース作動させてスライドドア1の開きを可能にするリリース機能を兼ね備える。
図8に示すように、遊星歯車機構33は、ベースプレート31における車外側を向く面に車内外方向を向く支軸34により枢支されるサンギヤ35と、サンギヤ35に自転しつつ公転可能に噛み合う単一のプラネタリーギヤ36と、支軸34に枢支されると共に、車内外方向を向く軸37によりプラネタリーギヤ36を枢支するクローズレバー38と、支軸34により枢支されると共に、円周の外側に出力ギヤ322に噛み合う外歯ギヤ391、円周の内側にプラネタリーギヤ36に噛み合う内歯ギヤ392をそれぞれ有するセクタギヤ39とを含んで構成される。
図12に示すように、サンギヤ35は、扇形の円周の外側にプラネタリーギヤ36に噛み合う外歯ギヤ351を有し、外歯ギヤ351を形成していない上部の回転面には、車内側へ突出する円柱状の当接部352が設けられる。
当接部352は、サンギヤ35の反時計方向への回動を阻止するように、サンギヤ35の反時計方向への回動に対してブロックレバー20のブロック部203に対して当接可能であり、また、サンギヤ35が時計方向へ回動して第1リリース出力レバー301のリリース部301aに当接することで、第1リリース出力レバー301をリリース方向へ作動させる。すなわち、サンギヤ35は、通常(ブロックレバー20がブロック位置にある状態)、中立位置(例えば、図12に示す位置)から時計方向へ回動可能であるが、中立位置から反時計方向へは回動不能に構成される。
ブロックレバー20がブロック位置にある場合、ブロックレバー20のブロック部203は、当接部352の移動軌跡内にあって、サンギヤ35が例えば図14に示す中立位置から反時計方向へ若干回動することで、当接部353に対して当接してサンギヤ35の反時計方向への回動をブロックし、また、ブロックレバー20がキャンセル位置にある場合には、ブロックレバー20のブロック部203は、当接部352の移動軌跡外に退避して、サンギヤ35の反時計方向への回転をフリーにする。
例えば図12に示すように、クローズレバー38は、後方へ延出するアームの先端部に、ラッチレバー11の作動部111に対して当接可能なクローズ部381を有し、前方斜め下方に延出するアームの先端部にプラネタリーギヤ36を軸37により枢支する。
クローズレバー38は、一端がクローズレバー38に掛止され、他端がベースプレート31に掛止されたスプリング40により反時計方向へ付勢されてベースプレート31に設けたストッパ部311に上方から当接することで、例えば図12に示す待機位置に保持される。
例えば図13に示すように、ブロックレバー20がブロック位置にある状態にある状態において、モータ321の正転に伴って、セクタギヤ39が支軸34を中心にしてクローズ方向(時計方向)へ回動すると、このときサンギヤ35の反時計方向への回動は、ブロックレバー20のブロック部203によりブロックされるため、プラネタリーギヤ36は時計方向へ自転しつつ公転する。これにより、クローズレバー38は、プラネタリーギヤ36の公転に追従して支軸34を中心にクローズ方向(時計方向)へセクタギヤ39よりも減速されて揺動し、図14に示すクローズ位置まで回動する。
また、図15に示すように、ブロックレバー20がブロック位置にある状態において、モータ321の逆転に伴って、セクタギヤ39が支軸34を中心にしてリリース方向(反時計方向)へ回動した場合には、クローズレバー38は、スプリング40の付勢力により、反時計方向へ付勢されて待機位置に保持されているため、クローズレバー38に枢支されたプラネタリーギヤ36は、公転しないで反時計方向へ自転する。この結果、サンギヤ35は、プラネタリーギヤ36の自転に基づいて時計方向、すなわちリリース方向へ所定角度回動し、当接部352が第1リリース出力レバー301のリリース部301aに対して後方から当接し第1リリース出力レバー301をリリース方向へ作動させる。
第1リリース出力レバー301のリリース作動は、リリースキャンセル入力レバー303が接続位置にあるときには、フローティングピン308、第2リリース出力レバー302、操作力伝達部材503、操作中継装置100のハンドル連動レバー102に伝達される。さらに、ハンドル連動レバー102のリリース作動は、操作中継装置100の施解錠機構101がアンロック状態にあれば、出力レバー103、操作力伝達部材505、リリース入力レバー19、オープンレバー12を介して、ラチェット9に伝達される。これにより、ラチェット9は、リリース作動してラッチ7との係合を解除して、スライドドアDの開きを可能にする。ラッチ機構のリリース作動が完了した後、正常であればモータ321は反転制御され、遊星歯車機構33はニュートラル状態に復帰する。
なお、本発明における電動リリース手段は、本実施形態においてはモータ321、出力ギヤ321及び遊星歯車機構33等により構成されるが、本発明は、当該構造に限定されるものでなく、少なくともモータを含むものであれば、減速機構を省略したり、減速機構をウォームギヤや平歯車等で構成しても良い。また、同じくリリース操作力伝達手段は、本実施形態においては第1リリース出力レバー301、フローティングピン308、第2リリース出力レバー302、操作力伝達部材503、操作中継装置100、操作力伝達部材505、リリース入力レバー19及びオープンレバー12等から構成されるが、本発明は、当該構造に限定されるものでなく、電動リリース手段を操作中継装置100を経由しないで第1リリース出力レバー301、フローティングピン308及び第2リリース出力レバー302を介してラチェット9に連結しても良い。
次に、車両用スライドドアの開閉装置の作用について説明する。
図15に示すフルラッチ状態において、車内に設けられた操作スイッチまたはワイヤレス操作スイッチを開操作することで、モータ321は逆転する。これにより、セクタギヤ39は、支軸34を中心にしてリリース方向へ回動するが、プラネタリーギヤ36は、中立位置に保持されて反時計方向への回動が阻止されたクローズレバー38に枢支されているため、公転しないで反時計方向へ自転する。サンギヤ35は、プラネタリーギヤ36の自転に基づいて中立位置からリリース方向へ所定角度回動する。これにより、サンギヤ35がリリース方向へ回転することで、図18に示すように、サンギヤ35の当接部352が第1リリース出力レバー301のリリース部301aに当接し、第1リリース出力レバー301をリリース方向へ作動させる。
このとき、リリースキャンセル入力レバー303及びフローティングピン30が接続位置にある場合には、第1リリース出力レバー301のリリース作動は、フローティングピン308を介して第2リリース出力レバー302に伝達され、第2リリース出力レバー302のリリース作動は、操作力伝達部材503を介して操作中継装置100のハンドル連動レバー102に伝達される。ハンドル連動レバー102に入力されたリリース作動は、操作中継装置100の施解錠機構101がアンロック状態にあれば、出力レバー103、操作力伝達部材505を介してリリース入力レバー19に伝達される。これにより、図18に示すように、ラチェット9は、リリース作動してラッチ7との係合を解除して、スライドドアDの開きを可能にする。そのあと、スライドドアDは、電動開閉装置PSDの動力をもって開方向へ移動する。
ラチェット9がリリース作動してスライドドアDの開きを可能にしたあと、正常であれば、モータ321が反転制御されて、サンギヤ35は中立位置に戻る。しかし、電気的故障、または他の原因によってサンギヤ35の中立位置への戻りが不能になった場合には、サンギヤ35の当接部352が第1リリース出力レバー301のリリース部301aに当接したままとなって、第1リリース出力レバー301及び第2リリース出力レバー302等の各種要素を介してドアラッチ装置1のラチェット9及び全開ラッチ装置ODがリリース作動した位置に拘束されるリリース拘束状態が発生する。この結果、スライドドアDを開けた後、スライドドアDを全開位置に移動させても、全開ラッチ装置ODによりスライドドアDを全開位置に保持できなくなったり、またはスライドドアDを閉じようとしても、ラチェット9がリリース作動した状態に保持されたままとなっているため、ラッチ7に係合することはできず、スライドドアDを閉じることができなくなる。
しかし、本実施形態においては、リリース拘束状態が発生した場合であっても、スライドドアDの閉作動により、ガイドユニット80のレール側ブラケット81がセンターガイドレールSRの湾曲部SR1を移動する過程におけるレール側ブラケット81の揺動によって、リリース拘束状態を解除してスライドドアDを閉じることができる。
具体的には、図18に示すようにリリース拘束状態が発生した状態において、スライドドアDが半ドア位置手前に進入して前述のようにガイドユニット80におけるレール側ブラケット81の揺動に伴ってリリースキャンセル出力レバー84が中立位置からリリース方向へ作動すると、その時点で、リリースキャンセル出力レバー84のリリース作動は、リリースキャンセル伝達部材87を介してリリースキャンセル入力レバー303に伝達される。これにより、図19に示すように、リリースキャンセル入力レバー303は、スプリング307の付勢力を抗して接続位置から切断位置に移動し、また、フローティングピン308もリリースキャンセル入力レバー303の切断位置への移動に追従して、第2リリース出力レバー302の長孔302aの上部である切断位置に移動することで、第1リリース出力レバー301と第2リリース出力レバー302間の操作力伝達経路を切断して、第2リリース出力レバー302の待機位置への移動を可能にする。これにより、リリース作動した位置に拘束されていた第2リリース出力レバー302は、第1リリース出力レバー301を残したまま待機位置へ復帰可能となることで、オープンレバー12の係合位置への戻りを可能にする。したがって、この状態でスライドドアDを閉じると、スライドドアDの全閉位置において、ストライカSがラッチ7に噛合すると共に、ラチェット9がラッチ7のフルラッチ係合部71に係合することで、スライドドアDを全閉位置に拘束することができる。
また、スライドドアDが半開位置の手前、すなわちレール側ブラケット81がセンターガイドレールSRの湾曲部SR1を移動する過程で、かつラッチ機構がハーフラッチ状態になる以前に、レール側ブラケット81の当接部81aがリリースキャンセル出力レバー84の被当接部84aを乗り越えることで、リリースキャンセル出力レバー84は、スプリング86の付勢力により中立位置に戻るため、電気的故障等のトラブルが解消されて、サンギヤ35が中立位置に戻った際には、リリースキャンセル入力レバー303は、スプリング307の付勢力により切断位置から接続位置に戻り、リリースキャンセル機構を接続状態に切り替える。
上述により、スライドドアDが閉方向へ移動する際、ガイドユニット80のレール側ブラケット81がセンターガイドレールSRの湾曲部SR1を移動する過程において、リリース拘束状態を解除させることが可能であるから、リリース拘束状態が発生した場合であっても、乗員に特別な操作を強いることなくスライドドアDを常時確実に迅速に閉じることが可能なる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、次のような各種変更を施すこと、または当該各種変更及び上述の変更を適宜組み合わせることも可能である。
(a)第2リリース出力レバー302を、操作中継装置100を経由させないで、ラチェット9に直接または間接的に連結する。
(b)第1リリース出力レバー301と第2リリース出力レバー302とを一体構造とする。この場合、第1リリース出力レバー301と第2リリース出力レバー302とを一体構造したものをリリース出力レバーとすると、モータ321の動力をラチェット9に伝達する操作力伝達経路を切断する箇所は、モータ321とラチェット9とを繋ぐ経路のいずれかの箇所に設けられる。
(c)リリースキャンセル入力レバー303がリリース作動するタイミングを、スライドドアDが全閉位置または半ドア位置から開作動するときとする。この場合は、図6に示すように、ガイドユニット80のレール側ブラケット81が、センターガイドレールSRの湾曲部SR1から直線部SR2へ向けて移動する過程においてレール側ブラケット81の揺動に伴うリリースキャンセル出力レバー84の揺動によって、リリースキャンセル出力レバー84をリリース作動させるようにする。さらには、開作動及び閉作動の両方向にてリリース作動させても良い。
(d)リリースキャンセル伝達部材87の端部をレール側ブラケット81の揺動部分に直接または間接的に連結し、レール側ブラケット81の揺動に伴って、操作力伝達部材87がリリースキャンセル入力レバー303をキャンセル作動させるようにする。
(e)ラチェット9及び全開ラッチ装置ODをリリース作動させる専用のモータ等の動力源を有するリリースアクチュエータを別途設ける。この場合には、モータ321により作動する減速機構をなす遊星歯車機構33の減速作動は、ラチェット9をリリース作動させるためには使用されず、ラッチ7をハーフラッチ位置からフルラッチ位置へ作動させるためにだけ使用される。また、リリースキャンセル機構は、リリースアクチュエータのリリース作動をラチェット9に伝達する操作力伝達経路の途中に設けられ、リリースキャンセル機構の構成は必要に応じて変更される。
(f)ガイドユニット80を、アッパーガイドレールURまたはロアガイドレールLRに沿って移動可能なものとする。
(g)ガイドユニット80のレール側ブラケット81がガイドレールの湾曲部を移動する過程におけるリリース拘束状態の解除作動に加え、リリースキャンセル出力レバー84に手動操作部を設ける。このようにすることで、使用者が必要に応じてリリースキャンセル機構を切断状態とすることができる。
1 ドアラッチ装置
2 ラッチユニット
3 クローザ・リリースユニット
4 カバープレート
5 ハウジング
6 ラッチ軸
7 ラッチ
8 ラチェット軸
9 ラチェット
10 検知レバー
11 ラッチレバー
12 オープンレバー
13 連結シャフト
14 ハーフラッチ検出スイッチ
15 フルラッチ検出スイッチ
16 スプリング
17 スプリング
18 支軸
19 リリース入力レバー
20 ブロックレバー
21 緊急レバー
23 スプリング
31 ベースプレート
32 減速ユニット
33 遊星歯車機構(減速機構)
34 支軸
35 サンギヤ
36 プラネタリーギヤ
37 軸
38 クローズレバー
39 セクタギヤ
40 スプリング
41 ストライカ進入溝
42 支持面
51 ストライカ進入溝
52 円弧孔
71 フルラッチ係合部
72 ハーフラッチ係合部
73 アーム部
80 ガイドユニット
81 レール側ブラケット
81a 当接部(リリースキャンセル出力手段)
82 ドア側ブラケット
83 枢軸
84 リリースキャンセル出力レバー(リリースキャンセル出力手段)
84a 被当接部
84b 長孔
85 支軸
86 スプリング
87 リリースキャンセル伝達部材
100 操作中継装置
101 施解錠機構
102 ハンドル連動レバー
103 出力レバー
111 作動部
122 第2アーム部
191 連結部
192 リリース部
193 折曲部
201 当接部
202 折曲部
203 ブロック部
211 連結部
212 当接部
301 第1リリース出力レバー(リリースキャンセル機構)
301a リリース部
301b 長孔
302 第2リリース出力レバー(リリースキャンセル機構)
302a 折曲部
302b 長孔
303 リリースキャンセル入力レバー(リリースキャンセル機構)
303a アーム部
303b 長孔
303c 支軸
304 支軸
306 スプリング
307 スプリング
308 フローティングピン
311 ストッパ部
321 モータ(電気駆動源)
322 出力ギヤ
351 外歯ギヤ
352 当接部
381 クローズ部
391 外歯ギヤ
392 内歯ギヤ
501〜505 操作力伝達部材
811 水平ローラ
812 垂直ローラ
D スライドドア
FD フロントドアラッチ装置
IH インサイドハンドル
LK ロック操作ノブ
OD 全開ラッチ装置
OH アウトサイドハンドル
PSD 電動開閉装置
UR アッパーガイドレール
SR センターガイドレール
SR1 湾曲部
SR2 直線部
LR ロアガイドレール
S ストライカ

Claims (4)

  1. 車体側面に前後方向へ延在するガイドレールに沿って移動するガイドユニットを介して開閉可能に支持されるスライドドアを備え、前記ガイドレールは、そのドア閉鎖側に車体内方へ湾曲して前記スライドドアを車体内方へ案内する湾曲部及び当該湾曲部からドア開方向へ延伸する直線部を形成し、前記ガイドユニットは、前記ガイドレールに沿って移動可能に案内されるレール側ブラケットと、前記スライドドアに固定され、前記レール側ブラケットを前記湾曲部の湾曲方向へ揺動自在に枢着するドア側ブラケットとを有する車両用スライドドアの開閉装置において、
    前記スライドドアに設けられ、前記車体側のストライカに係合可能なラッチと、
    前記ラッチに係合することにより前記スライドドアを閉位置に拘束し、また前記ラッチから外れることにより前記スライドドアの開きを可能にするラチェットと、
    前記ラチェットを前記ラッチに係合した係合位置から前記ラッチから外れるリリース位置に作動させ得るように、前記ラチェットにリリース操作力伝達手段を介して連結される電動リリース手段と、
    前記電動リリース手段の動力を前記ラチェットに伝達し得るように前記リリース操作力伝達手段を接続する接続状態、及び前記ラチェットが前記電動リリース手段により前記リリース位置に拘束されたリリース拘束状態にあるとき、前記リリース操作力伝達手段を切断する切断状態に切り替え可能なリリースキャンセル機構と、
    前記リリースキャンセル機構に直接または間接的に連結され、前記レール側ブラケットが前記ガイドレールの前記湾曲部を移動する際の前記ドア側ブラケットに対する前記レール側ブラケットの揺動を前記リリースキャンセル機構に伝達可能であって、前記リリースキャンセル機構を接続状態から切断状態に切り替え可能なリリースキャンセル出力手段とを備えることを特徴とする車両用スライドドアの開閉装置。
  2. 前記リリースキャンセル出力手段は、前記レール側ブラケットが前記湾曲部を移動する過程において、前記レール側ブラケットの揺動を前記リリースキャンセル機構に伝達するリリース作動した後に中立状態に戻って、前記リリースキャンセル機構を切断状態から接続状態に復帰可能としたことを特徴とする請求項1記載の車両用スライドドアの開閉装置。
  3. 前記リリースキャンセル出力手段は、前記ドア側ブラケットに枢着されると共に、前記リリースキャンセル機構に直接または間接的に連結され、前記レール側ブラケットの揺動に伴って前記レール側ブラケットの当接部に当接することにより中立位置からリリース方向へ作動可能なリリースキャンセル出力レバーを有することを特徴とする請求項2記載の車両用スライドドアの開閉装置。
  4. 前記レール側ブラケットの前記当接部は、前記レール側ブラケットが前記湾曲部を移動する過程において、前記リリースキャンセル出力レバーの乗り越えることによって前記リリースキャンセル出力レバーをリリース作動した状態から中立位置への戻りを可能にすることを特徴とする請求項3記載の車両用スライドドアの開閉装置。
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