JP2014097192A - 卓上載置型加熱調理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決方法】上部が開口し、周壁部分に多数の空気孔が穿設されてなる箱型本体と、その内方に、前記上部開口部に載置される調理プレートを加熱するためのヒータを備えてなる卓上載置型加熱調理装置において、前記周壁部分の空気孔が、横長の長孔が上下に間隔をおいて多数穿設されてなる卓上載置型加熱調理装置。
【選択図】 図1
Description
しかし、先に弊社が考案して実用新案登録第3173613号を得た「無煙炭火焼き器具」のように、コンロの上に肉や魚介類等の食材を焼くためのグリルを載置して上部の開口部を塞ぐ形状の加熱調理装置にあっては、ヒータによって熱せられた空気が箱型本体内に滞留充満することから周壁が高温となり、火傷等の損傷のおそれが高まる。
また、ヒータにガスバーナを使用する加熱調理装置にあっては、ガスの燃焼に必要な空気の供給が不足して不完全燃焼を起こす危険が伴う。
そこで前記「無煙炭火焼き器具」においては、側板(周壁部分)に空気孔を設けてコンロ(箱型本体内)の熱せられた空気の排除とガスバーナの不完全燃焼の防止を図ったが、側板の高温化についてより高い効果を求めて、別途「断熱機能を有する側板を備えたコンロ」についての考案を行い実用新案登録第3173614号を得た。
そしてその後、前記グリルに被せる蓋を備えた「ガスコンロ」についての意匠登録出願2012−018182を行った。
特にグリルに被せる蓋を備えた「ガスコンロ」においては、グリルに蓋を被せることによって蓋の中に熱が籠もり、オーブンとして使用できる利点がある反面、グリルからの熱の放散が妨げられ、そのグリルの熱がグリルを載置しているコンロの側板に伝達され、前記「無煙炭火焼き器具」や「断熱機能を有する側板を備えたコンロ」の側板に設けた空気孔の縦長の形状では側板の温度上昇の抑制が不十分になる問題が生じた。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、前記二つの考案に開示された側板及び断熱仕切板の縦長の空気孔が担っていたコンロ内で高温となった空気の排出と新鮮空気のコンロ内への流入の二役を分離して、ガスバーナの燃焼に必要な新鮮空気を供給して不完全燃焼の防止を図るとともに、コンロ内で熱せられた空気のコンロ外への速やかな排出による周壁部分の温度上昇の抑制とがより効果的に行え、併せてグリルからの熱伝導による側板の高温化を抑止して安全に使用できる卓上載置型加熱調理装置を提供しようとするものである。
(1)上部が開口し、金属製の周壁部分に多数の空気孔が穿設されてなる箱型本体と、その内方に、前記上部開口部に載置される調理プレートを加熱するためのヒータを備えてなる卓上載置型加熱調理装置において、
前記周壁部分の空気孔が、横長の長孔が上下に間隔をおいて多数穿設されてなることを特徴とする卓上載置型加熱調理装置。
(2)上部が開口し、金属製の周壁部分に多数の空気孔が穿設されてなる箱型本体と、その内方に、前記上部開口部に載置される調理プレートを加熱するためのヒータを備えてなる卓上載置型加熱調理装置において、
前記周壁部分を二重壁で構成し、かつ外側の壁の空気孔は横長の長孔を上下に間隔をおいて多数穿設されてなり、内側の壁の空気孔は縦長の長孔を隣接して間隔をおいて多数穿設されてなることを特徴とする卓上載置型加熱調理装置。
(3)上部が開口し、金属製の周壁部分に多数の空気孔が穿設されてなる箱型本体と、その内方に、前記上部開口部に載置される調理プレートを加熱するためのヒータを備えてなる卓上載置型加熱調理装置において、
前記周壁部分を二重壁で構成し、外壁、内壁の空気孔がともに横長の長孔を上下に間隔をおいて多数穿設されてなることを特徴とする卓上載置型加熱調理装置。
(4)周壁部分に穿設された空気孔としての横長の長孔が、長方形、小判形、波状形、楕円型、アレイ型、串団子形のいずれか1種又は複数種の組み合わせで穿設されてなることを特徴とする前項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の卓上載置型加熱調理装置。
(5)ヒータがガスバーナであることを特徴とする前項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の卓上載置型加熱調理装置。
〈1〉上部が開口し、金属製の周壁部分に多数の空気孔が穿設されてなる箱型本体と、その内方に、前記上部開口部に載置される調理プレートを加熱するためのヒータを備えてなる卓上載置型加熱調理装置において、前記周壁部分の空気孔が、横長の長孔が上下に間隔をおいて多数穿設されているので、
調理プレートによって箱型本体の開口部が開口部が塞がれてもヒータによって熱せられた空気は前記周壁部分の上方部に穿設された横長の長孔から排出され、下方部に穿設された横長の長孔から新鮮空気が供給されるため、箱型本体内の空気の過度の高温化が防止できる。そして、ヒータにガスバーナを使用するものにあっては、ガスの燃焼に必要な新鮮空気が前記周壁部分の下方部に穿設された横長の長孔から供給されることから、不完全燃焼を起こす危険はなく安全な卓上載置型加熱調理装置が提供できる。
〈2〉上記〈1〉の効果に加えて、前記周壁部分に横長の長孔が穿設されて上下方向の熱伝導経路が狭められているため、加熱された調理プレートから周壁上部に伝達された熱も、周壁下方への伝導が抑制され、周壁全面の高温化が抑止でき、周壁部に触れても安全な卓上載置型加熱調理器が提供できる。
上記〈1〉、〈2〉の効果に加えて、前記二重壁の内側の壁で高温となった空気の大部分が遮断されて外側の壁に触れないため、手に触れる周壁部分の温度上昇が抑制され、安全な卓上載置型加熱調理装置が提供できる。
また、縦長の長孔を隣接して間隔をおいて多数穿設された内側の壁が、横長の長孔を上下に間隔をおいて多数穿設されて弱まった外側の壁の上下方向の強度を補強する補強材としての効果を持たらしている。
前記二重壁の内側の壁で高温となった空気の大部分が遮断されて外側の壁に触れず、かつ、二重壁の内外の壁に穿設された空気孔がともに横長の長孔であるため、箱型本体内の熱せられた空気の排出と新鮮空気の流入とが円滑に行われ、前記〈1〉、〈2〉の効果をより高めることがき、安全な卓上載置型加熱調理装置が提供できる。
図1は本発明の卓上載置型加熱調理装置の一実施例の斜視図、図2は本発明の卓上載置型加熱調理装置の斜視図(二重壁内側の壁の空気孔が横長の場合)、図3は本発明の卓上載置型加熱調理装置の斜視図(二重壁内側の壁の空気孔が縦長の場合)、図4は図2に示す卓上載置型加熱調理装置に載置した調理プレートに蓋を被せた場合の斜視図である。
図において10は卓上載置型加熱調理装置、11は周壁部分、11aは周壁上方部に穿設された主に高温空気を排出する空気孔(以下排出孔と記す)、11bは周壁下方部に穿設された新鮮空気を取り入れる空気孔(以下流入孔と記す)、12は断熱仕切壁(二重壁の内側の壁)、12aは断熱仕切壁の空気流通孔、13はガスバーナ、14は炭受け、15はガス供給部、16はガス点火・供給量調節つまみ、20は調理プレート、30は蓋を示す。
熱伝導のフーリエの法則によれば、厚さa(m)、伝導面積A(m2)の微小空間a×A(m3)の断面を通過する総熱量Qは、熱伝導率χ、伝導面積A、温度勾配(U1−U2)/aと微小時間Δtに比例するとされている。
ΔQ=χA〔(U1−U2)/a〕Δt
そこで、同一形状の金属片に同一形状の孔を、縦長にして隣接して一定間隔をおいて複数穿設した場合と、横長にして、上下、左右に同一間隔をおいて複数穿設した場合の相違を図5に示した例で考察してみる。図5において熱は上方から下方に向かって流れるものとし、上方の温度をU1、下方の温度をU2とする。したがって熱が流れる距離(フーリエの法則による厚さa)は金属片の高さhであり、伝導面積Aは金属片の上下を結ぶ部分(以下熱伝導路と記す)の幅wと金属片の厚みとの積となる。
そうしてみると図5の(a)図と(b)図に示す金属片のΔt時間における伝導熱総量は、それぞれ金属片の熱伝導路の総面積に比例するものと考えられ、さらに金属片の厚みが同一とすると、前記熱伝導路の幅wの総和に比例することとなる。したがって、前記熱伝導路が12個所ある(a)図に対して(b)図では熱伝導路が4個所しかなく、Δt時間おける伝導熱総量は(a)図の場合の1/3になると考えられる。さらに(b)図においては前記熱伝導路の途中に3個所左右を結ぶ部分が分岐しており、この部分に熱量を送り込むことを考慮すれば、金属板下部に到達する熱量はさらに減じると考えられ、(a)図の金属片の温度上昇に比べて、(b)図の金属片の温度上昇は抑制されるものといえよう。
なお、空気孔は、先に列記した形状に限られるものでなく、前記卓上載置型加熱調理装置10内の空気の流れを円滑にし、かつ周壁11の温度上昇を抑制できる形状のものであれば使用されてよい。
なお、前記断熱仕切壁12は、外周壁11に着脱可能に装着できるように構成されることも好ましい。
そして図1、図2に示す本発明の卓上型加熱調理装置10においては、前記断熱仕切壁12の空気孔12aが、横長の長孔を上下に間隔をおいて多数穿設されており、前記外周壁11の空気孔と同様に、高温となった空気が上方部の空気孔から排出され、新鮮空気が下方部の空気孔から流入するので、卓上型加熱調理装置10内の空気の流れが円滑になり、かつ熱せられた調理プレート20からの熱が断熱仕切壁12の下方へ伝達するのが抑止され、前記断熱仕切壁12の温度上昇を抑え、ひいては外周壁11の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
また、図3に示す本発明の卓上型加熱調理装置10においては、前記断熱仕切壁12の空気孔12aは、縦長の長孔が隣接して間隔をおいて多数穿設されて形成されている。したがって、断熱仕切壁12の温度上昇は、図2に示した形状のものより多少高まることとなるが、横長形状の空気孔を穿設して弱まった外周壁11の上下方向の強度を補完する作用をもたらす効果がある。
調理プレート20に蓋30を被せると蓋30の中に熱が籠もり、本発明の卓上型加熱調理装置10をオーブンとして使用できる利点がある反面、調理プレート20からの熱の放散が妨げられて調理プレート20がより高温となり、この熱が調理プレート20を載置している卓上型加熱調理装置10の周壁11部分の上部に伝達され、周壁11を加熱することになる。この場合、周壁11に設けた空気孔が縦長の長孔を隣接して間隔をおいて穿設されたものであれば、前記調理プレート20の熱は周壁11の下部まで容易にかつ迅速に伝達され周壁11が高温となるおそれがあるが、本発明の卓上型加熱調理装置では周壁11又は外周壁11の空気孔が横長の長孔を上下に間隔をおいて多数穿設されているので、前記調理プレート20からの熱の周壁11、又は外周壁11の上部から下部への伝達は抑制され、周壁部分11又は外周壁部分11の全面が高温化するおそれはなく、前記蓋30も安心して使用できる。
11:周壁、又は外周壁
11a:排出孔
11b:流入孔
12:断熱仕切壁
12a:断熱仕切壁の空気流通孔
13:バーナ
14:炭受け
15:ガス供給部
16:ガス点火・供給量調節つまみ
20:調理プレート
30:蓋
Claims (5)
- 上部が開口し、金属製の周壁部分に多数の空気孔が穿設されてなる箱型本体と、その内方に、前記上部開口部に載置される調理プレートを加熱するためのヒータを備えてなる卓上載置型加熱調理装置において、
前記周壁部分の空気孔が、横長の長孔が上下に間隔をおいて多数穿設されてなることを特徴とする卓上載置型加熱調理装置。 - 上部が開口し、金属製の周壁部分に多数の空気孔が穿設されてなる箱型本体と、その内方に、前記上部開口部に載置される調理プレートを加熱するためのヒータを備えてなる卓上載置型加熱調理装置において、
前記周壁部分を二重壁で構成し、かつ外側の壁の空気孔は横長の長孔を上下に間隔をおいて多数穿設されてなり、内側の壁の空気孔は縦長の長孔を隣接して間隔をおいて多数穿設されてなることを特徴とする卓上載置型加熱調理装置。 - 上部が開口し、金属製の周壁部分に多数の空気孔が穿設されてなる箱型本体と、その内方に、前記上部開口部に載置される調理プレートを加熱するためのヒータを備えてなる卓上載置型加熱調理装置において、
前記周壁部分を二重壁で構成し、外壁、内壁の空気孔がともに横長の長孔を上下に間隔をおいて多数穿設されてなることを特徴とする卓上載置型加熱調理装置。 - 周壁部分に穿設された空気孔としての横長の長孔が、長方形、小判形、波状形、楕円型、アレイ型、串団子形のいずれか1種又は複数種の組み合わせで穿設されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の卓上載置型加熱調理装置。
- ヒータがガスバーナであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の卓上載置型加熱調理装置。
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