JP2014096774A - 位相変調波信号復調装置および位相変調波信号復調方法 - Google Patents

位相変調波信号復調装置および位相変調波信号復調方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振幅変動の小さいPSK変調波信号の復調においてキャリア非同期時においても安定的なシンボルクロック位相同期が可能であり、より正確なシンボルクロックの再生が可能な位相変調波信号復調装置を提供する。
【解決手段】変調波信号は同相検波回路12および直交検波回路13で検波され、A/D変換器17および18にてディジタル化され、同相軸検波出力および直交軸検波出力として複素乗算回路19に供給されて、さらにスペクトル整形された後、複素乗算回路22を介してシンボルクロック再生回路137に供給され、ここで、サンプリングタイミング毎の瞬時位相角度を算出し、瞬時位相角度の微分処理によりシンボルの変化点を検出し、シンボルクロックの再生を行う。キャリア周波数のオフセット周波数に比しサンプリングレートは十分大きいので、微分処理によりキャリア周波数のオフセット位相がキャンセルされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、位相変調波信号復調装置および位相変調波信号復調方法に関し、特に、オフセットQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式、π/2シフトBPSK方式やπ/4シフトQPSK方式などの振幅変動の小さい、通常のPSK変調波信号の同期方式ではシンボルクロックの再生が困難なPSK変調波信号の復調回路に用いられるシンボルクロック同期手段の改良を図る位相変調波信号復調装置および位相変調波信号復調方法に関する。
近年のディジタル無線通信においては、同一S/N(Signal to Noise Ratio)において信号復調時の誤り率の低いPSK(Phase Shift Keying)方式が主流となってきている。さらに、PSK方式においても、送信器側での増幅器で電力変動の少ないQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式を変形したオフセットQPSK(OQPSK)方式、π/4シフトQPSK方式や、あるいは、BPSK(Binary Phase Shift Keying)方式を変形したπ/2シフトBPSK方式、などの振幅変動が小さい変調方式が多用されるようになってきている。
周知のように、通常のQPSK信号においては、直交する2軸のシンボルの変化点が同一のタイミングで生じるものであるのに対して、OQPSK信号は、その変化点がシンボル長(T)の1/2だけオフセットさせるように構成されており、かくのごとく、シンボルの変化点をオフセットさせることにより、信号変化点における位相変化を90°以下に抑えた信号とすることができる。また、π/4シフトQPSK方式は、シンボル送信毎にシンボルの基準軸位相をπ/4だけ、また、π/2シフトBPSK方式は、シンボル送信毎にシンボルの基準軸位相をπ/2だけ、それぞれシフトさせることにより、信号変化点における位相変化度を抑えることができる。
これらの各変調方式は、信号空間ダイヤグラム上において、信号変化点における位相変化の際に原点を通らなくし、帯域制限時にスペクトルの広がりを抑えることによって、振幅変化(包絡線変動)を低くし、而して、側波帯の帯域制限を容易にするとともに、送信増幅器の電力効率を高めることに特徴を有する。
以下の説明においては、オフセットQPSK(OQPSK)方式を例に採って説明する。オフセットQPSK方式のようなQPSK方式を変形した変調方式の信号を復調する方法としては、QPSK信号が4値の位相状態を取り得る信号であることから、一般的には、従来のQPSK方式の場合と同様の搬送波再生回路およびクロック再生回路によって復調を行い、復調結果として再生されたクロックに基づいて符号を再生している。なお、オフセットQPSK復調器の基本的な構成等については、特許文献1の特開平06−291791号公報「位相変調波信号の復調装置」や特許文献2の特開平08−097874号公報「オフセットQPSK復調器」にも記載されている。
前記特許文献1や前記特許文献2に記載されているような従来のオフセットQPSK信号の復調システムについて、図6のブロック構成図を用いて説明する。図6は、従来のオフセットQPSK復調器のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。図6に示すように、従来のオフセットQPSK復調器においては、入力端子11から入力されたオフセットQPSK変調波は、同相検波回路12および直交検波回路13に分配供給される。一方、局部発振器14にて、固定周波数の第1の局部発振信号(以下、第1の局発信号と略称する)が生成されており、この第1の局発信号は、分配器(S)15で2分配された後、一方は、0度位相の局発信号として、他方は、90度移相器16によって90度移相された局発信号として、それぞれ、同相検波回路12および直交検波回路13に供給される。
同相検波回路12および直交検波回路13それぞれから出力される同相軸検波信号および直交軸検波信号は、それぞれ、同相成分A/D変換器17および直交成分A/D変換器18によってディジタル値に変換された後、それぞれ、周波数変換を実現する複素乗算回路19に入力される。この複素乗算回路19には、周波数変換キャリアとして後述するAFC(Automatic Frequency Control)ループからの局発出力(すなわち第2の局部発振信号(第2の局発信号))が供給されている。
複素乗算回路19からの出力は、同一の周波数伝達特性を有するディジタル低域通過フィルタ20およびディジタル低域通過フィルタ21(以下、ディジタルLPFと略称する)にそれぞれ入力され、スペクトル整形される。ここで、ディジタルLPF20およびディジタルLPF21は、ディジタルデータ伝送における符号間干渉防止に要求される伝達特性を形成するためのフィルタであり、一般的に、送信側のフィルタ特性と組み合わせられたときに、いわゆるロールオフ特性が得られるように設計されている。したがって、このディジタルLPF20およびディジタルLPF21により、複素乗算回路19から出力される同相軸検波出力および直交軸検波出力の各検波出力は、アイ開口率が十分大きくなるようにスペクトル整形される。
ディジタルLPF20およびディジタルLPF21それぞれからの出力は、複素乗算回路22に入力される。この複素乗算回路22は、中間周波数帯における周波数変換器すなわちミキサと全く同じ動作をベースバンド帯で実現することができる。ここで、複素数を用いない実数形式の乗算器の場合は、検波動作を行うことはできても、負の周波数成分を表現することができないので、一般的な周波数変換器とはならない。そこで、複素数表現を可能にした複素乗算回路22が用いられる。
複素乗算回路22から出力されるI信号とQ信号とは、それぞれ、クロック位相誤差検出回路23およびシンボル位相選択回路37に供給される。クロック位相誤差検出回路23は、ゼロクロッシング方式によってクロック位相誤差成分を抽出してクロック位相誤差信号として出力する回路であり、クロック位相誤差検出回路23により抽出されたクロック位相誤差成分は、ローパスフィルタ(LPF)26において平滑化された後に、電圧制御型発振器27を制御して、位相同期したクロックが、同相成分A/D変換器17および直交成分A/D変換器18のクロック入力端子に対してフィードバックされるようにしている。
ここで、図7のブロック構成図を参照して、クロック位相誤差検出回路23とシンボル位相選択回路37との回路について具体的な構成を説明する。図7は、図6のオフセットQPSK復調器におけるクロック位相誤差検出回路23とシンボル位相選択回路37とのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
図7に示すように、クロック位相誤差検出回路23においては、複素乗算回路22から入力されてくるベースバンド帯域のI信号とQ信号とに関して、ゼロクロス判定回路513,514によるゼロクロッシング方式と有効位相誤差判定回路518による有効位相誤差判定結果とによって、位相誤差信号検出回路511,512から出力されるクロック位相誤差成分のいずれかを抽出してクロック位相誤差信号として出力する。
つまり、複素乗算回路22から出力されるI信号およびQ信号は、位相誤差信号検出回路511および位相誤差信号検出回路512に供給されるとともに、ゼロクロス判定回路513およびゼロクロス判定回路514にも分配供給される。ゼロクロス判定回路513およびゼロクロス判定回路514からそれぞれ出力されるI信号およびQ信号のゼロクロス判定信号は有効位相誤差判定回路518に供給される。
そして、この有効位相誤差判定回路518に対しては、QPSKもしくはOQPSKの復調方式の一方を選定する復調方式切換え信号が供給されている。有効位相誤差判定回路518は、該復調方式切換え信号によって選択指定された復調方式にしたがってI信号およびQ信号のゼロクロス判定信号の有効位相誤差を判定し、判定した有効位相誤差判定結果からクロック位相誤差信号を選択するための制御信号を生成して選択回路515に対して供給するとともに、位相検波およびデータ再生のために位相を選択するシンボル位相制御信号を生成してシンボル位相選択回路37に対して供給するようにしている。
有効位相誤差判定回路518により導出されたシンボル位相制御信号は、シンボル位相選択回路37を構成するスイッチ521およびスイッチ522をそれぞれ制御する。スイッチ521およびスイッチ522には、それぞれ、複素乗算回路22からのI信号およびQ信号が入力されていて、スイッチ521およびスイッチ522それぞれの一方の固定端子(出力端子)は、(1/2)シンボル期間遅延させるT/2遅延回路523およびT/2遅延回路524それぞれの入力端子に接続され、他方の固定端子(出力端子)は、T/2遅延回路523およびT/2遅延回路524それぞれの出力端子に接続されることにより、T/2遅延回路523およびT/2遅延回路524それぞれを介した出力信号あるいはそれぞれを介さない出力信号のいずれかが選択され、データ再生器24およびキャリア位相検出回路25に対して供給される。
一方、選択回路515は、I信号およびQ信号のゼロクロス判定回路513およびゼロクロス判定回路514それぞれの判定結果によって、I信号のみがゼロクロスしているときは、位相誤差信号検出回路511から出力されるI信号の位相誤差信号を選択し、Q信号のみがゼロクロスしているときは、位相誤差信号検出回路512から出力されるQ信号の位相誤差信号を選択し、I信号およびQ信号の双方が共にゼロクロスしているときは、I信号の位相誤差信号とQ信号の位相誤差信号との平均を求める平均回路516の出力を選択して、クロック位相誤差信号として出力する。そして、I信号およびQ信号の双方が共にゼロクロスしていないときには、1シンボル期間(T)前のクロック位相誤差信号であるT遅延回路517からの出力を選択し、クロック位相誤差信号として出力する。
図8は、図7に示すクロック位相誤差検出回路23においてクロック位相誤差信号を生成するためのクロック位相誤差検出方法を説明するための信号波形図であり、振幅のゼロクロッシング方式による位相制御方法を示している。図8(A)は、2値のディジタル信号のアイパターンを簡略化して示しているものであり、平均的には問題がない状態になっている場合を示している。そこで、図8(B)で示すように、サンプリングタイミングをアイの開きが最大のW0になる時点からTe秒だけ遅らせた場合を考えると、アイの開きは、W0からW1と狭くなる。一方、図8(C)で示すように、アイの開きが最大になる時点から1シンボル期間(T)の(1/2)に位置するゼロクロスポイントよりもTe秒だけ遅らせたタイミングで入力信号をサンプルした値も、ゼロ近傍の値からより大きな値("e(−+)"なる正の値、"e(+−)"なる負の値)をとるようになる。
つまり、ゼロクロスポイントの前後で、送信符号が"−"から"+"に変化した場合には、サンプル値は"e(−+)"なる正の値をとり、逆に、"+"から"−"に変化した場合には、サンプル値は"e(+−)"なる負の値をとる。これによって、ゼロクロスポイント前後におけるサンプル値を知ることによって、サンプルタイミングのずれを検出することができる。ただし、位相誤差を検出することができる場合は、ゼロクロスポイントの前後でシンボル符号が変化している(ゼロクロスしている)ときのみである。
図7に示すクロック位相誤差検出回路23においては、ゼロクロス判定回路513およびゼロクロス判定回路514にてゼロクロスポイントの前後でシンボル符号が変化しているか否かを判定している。かくのごとく、このゼロクロスの判定方法は、ゼロクロス位相の前後のシンボルの符号の変化を検出すれば良いものであるが、その判定精度を上げるために、例えば、両シンボルの振幅があらかじめ定めた値例えばアイ振幅の(1/2)以上であるとする条件を加えるようにしても良い。
選択回路515は、前述のように、I信号およびQ信号それぞれのゼロクロス判定回路513およびゼロクロス判定回路514の判定結果によって、I信号のみがゼロクロスしているときは、位相誤差信号検出回路511の出力を選択し、Q信号のみがゼロクロスしているときは、位相誤差信号検出回路512からの出力を選択し、I信号およびQ信号の双方が共にゼロクロスしているときは、位相誤差信号検出回路511と位相誤差信号検出回路512との双方からの位相誤差信号の平均を求める平均回路516の出力を選択して、クロック位相誤差信号として出力する。そして、I信号およびQ信号の双方が共にゼロクロスしていないときには、1シンボル期間(T)前のクロック位相誤差信号であるT遅延回路517からの出力を選択し、クロック位相誤差信号として出力する。
図6のブロック構成図に戻って、データ再生器24においては、シンボル位相選択回路37から供給されるI信号およびQ信号それぞれの信号を2値化することにより、QPSKデータを判定し、これにより、Iデータ出力およびQデータ出力として復調データを出力するようにしている。
さらに、シンボル位相選択回路37からの出力は、キャリア位相検出回路25に入力されて、キャリア位相検出回路25において入力信号と数値制御発振器(NCO)29の出力との位相差が検出されるようにし、キャリア位相検出回路25からのこの位相差情報は、キャリア再生のためのループフィルタ28を介してNCO29の周波数制御端子に供給される。
なお、NCO29は、オーバフローを禁止しない累積加算回路で構成されるものであって、その周波数制御端子に入力される信号の値に応じてダイナミックレンジまでの加算動作を行うものであるので、周波数制御端子への入力信号により発振状態となり、その発振周波数は入力信号の値で変化する。すなわち、NCO29は、アナログ回路における電圧制御型発振器(VCO)と全く同じ動作を行うものであるが、一般のVCOと異なる点はその発振周波数が非常に安定していることであり、いわゆる水晶を用いた電圧制御水晶発振器(VCXO)以上の安定性を有するとともに、電圧制御水晶発振器(VCXO)では実現することができない広い周波数可変範囲を有している。
NCO29からの出力は、それぞれサインおよびコサインの特性を有するサインデータ変換回路30およびコサインデータ変換回路31に分配して供給され、それぞれキャリアに変換される。サインデータ変換回路30およびコサインデータ変換回路31からの出力キャリアは、複素乗算回路22に検波用として供給されて、この複素乗算回路22、シンボル位相選択回路37、キャリア位相検出回路25、ループフィルタ28、NCO29、サインデータ変換回路30およびコサインデータ変換回路31によって形成される一巡のループは、ディジタル構成のPLL(Phase Locked Loop:位相同期回路)を形成している。
また、図6に示すオフセットQPSK復調器(復調回路)においては、AFC(Automatic Frequency Control)ループが形成されている。すなわち、キャリア位相検出回路25から出力されるキャリア位相誤差信号(入力信号とNCO29の出力との位相差情報)は、周波数誤差(Δf)検出回路32に供給され、該Δf検出回路32は、入力信号と局発信号(第1の局発信号および第2の局発信号)との周波数誤差成分Δfを検出することになる。Δf検出回路32にて検出される周波数誤差成分Δfは、AFCループフィルタ33によって平滑化された後、数値制御発振器(NCO)34の周波数制御端子に供給される。
ここで、NCO34の出力は、鋸歯状の信号であり、サインおよびコサインの変換特性を有するサインデータ変換回路35およびコサインデータ変換回路36に入力されて、サイン波およびコサイン波に変換される。サインデータ変換回路35およびコサインデータ変換回路36からの出力は、第2の局発信号として複素乗算回路19に供給される。そして、これによって、AFCループが形成される。
AFC動作が行われて、入力信号と局発信号との双方の周波数の関係についてあらかじめ定めた所定の値に比し周波数離調が充分に小さくなると、Δf検出回路32の周波数誤差の検出出力が変化して、Δf検出回路32からはループ切換え信号が出力されるとともに、AFCホールド信号が出力される。ループ切換え信号とAFCホールド信号とは、実質的に同一の信号であって、ループ切換え信号は、PLLにおけるループフィルタ28を動作状態に切換えるものであり、かかる切換え動作によってPLL動作が開始され、また、AFCループフィルタ33の出力はその時点の状態にホールドされる。そして、PLLがキャリア同期とされるように引き込み動作を開始する。
かくのごとき動作を行うオフセットQPSK復調器(復調回路)においては、I信号とQ信号とにおけるシンボルの変化点がT/2シンボル分オフセットしている変調波信号について、シンボルの変化点をI信号とQ信号とのいずれを利用するかを判定し、判定した結果に基づいて使用するクロック位相誤差信号を制御することによって、クロック引き込み位相を一定に保つことが可能となり、再生したシンボルクロックを用いた復調が行われるようになる。
しかしながら、図6に示すような従来のオフセットQPSK信号の復調におけるシンボルクロックの再生に際しては、次のような問題を有している。
図9は、キャリアが同期している状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号の信号波形を説明するための信号波形図であり、該オフセットQPSK信号(I、Qデータ)の信号波形と振幅のゼロクロッシング方式により求めたゼロクロス点(I、Q)とを示している。図9において、横軸は時間、縦軸は信号の振幅を表している。図9に示すように、キャリアが同期している状態においては、帯域制限されたオフセットQPSK信号は、高周波数成分が抑圧されることにより、信号の変化点前後でカーブを描く。キャリアが完全に同期している場合には、変化点での振幅がゼロとなる間隔が一定となり、振幅のゼロクロッシング方式によるシンボルクロックの再生が可能となる。
これに対して、キャリアが非同期状態にある場合は、図10のような信号波形になる。図10は、キャリアが非同期の状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号の信号波形を説明するための信号波形図であり、該オフセットQPSK信号(I、Qデータ)の信号波形と振幅のゼロクロッシング方式により求めたゼロクロス点(I、Q)とを示している。図10に示すように、キャリアが非同期の状態における帯域制限されたオフセットQPSK信号は、信号の変化点前後でのカーブがキャリアの周波数オフセットにより影響を受けて、図9の場合とは異なり、振幅のゼロクロッシング方式による信号の変化点検出位置は本来の信号変化点位置から移動してしまう。このため、振幅のゼロクロッシング方式による変化点の検出位置は一定間隔とならず、シンボルクロックの再生が不安定になってしまう。
図11は、キャリアが非同期の状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号を振幅のゼロクロッシング方式により変化点を検出した場合の変化点間隔の分布を説明するための分布図である。図11において、横軸はゼロクロッシング方式により検出されたゼロクロス点間隔の分布、縦軸は頻度を示している。図11に示すように、キャリアが非同期の状態においては、振幅のゼロクロスはキャリアの周波数オフセットの影響を受けて、ジッタを発生させる。したがって、変調波の振幅のゼロクロッシング方式によりシンボルクロックを再生する方法においては、かくのごときキャリア非同期時においては、変化点検出位置のジッタにより誤差を発生させる結果を招く。かかるジッタによる誤差成分は、クロック引き込み性能を劣化させる要因となる。
特開平06−291791号公報(第5−6頁) 特開平08−097874号公報(第7−9頁)
前述したように、振幅のゼロクロッシング方式によりシンボルクロックを再生する従来のPSK変調波復調器においては、オフセットQPSK方式、π/2シフトBPSK方式やπ/4シフトQPSK方式などの振幅変動の小さい変調波信号は、キャリアの非同期時であっても、シンボルクロックの正確な再生が確保されていなければならないにも関わらず、クロック再生が、キャリア再生後でなければ安定しないため、キャリアの周波数離調が大きい場合には、クロック再生およびキャリア再生に時間がかかり、安定しないという問題があった。
かかる問題を解決するための方法として、オフセットQPSK方式においては従来、前記特許文献1や前記特許文献2に記載されているように、I軸とQ軸とをそれぞれ別々に振幅によるゼロクロッシング方式を用いてクロックタイミングを検出するという方法が提案されていた。
しかしながら、振幅によるゼロクロッシング方式を用いてクロックタイミングを検出するという方法については、キャリア非同期時にキャリアの周波数オフセットによりゼロクロス位置にジッタが発生して、クロック引き込み性能を劣化させるという問題が生じてしまう。
(本発明の目的)
本発明は、かくのごとき問題を解決するためになされたものであり、オフセットQPSK方式、π/4シフトQPSK方式やπ/2シフトBPSK方式などの振幅変動の小さいPSK変調波信号の復調において、キャリア非同期時においても安定的なシンボルクロック位相同期が可能であり、より正確なシンボルクロックの再生を可能にする位相変調波信号復調装置および位相変調波信号復調方法を提供することをその目的としている。
前述の課題を解決するため、本発明による位相変調波信号復調装置および位相変調波信号復調方法は、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
(1)本発明による位相変調波信号復調装置は、PSK(Phase Shift Keying:位相変調)方式による位相変調波信号を直交検波して得られる同相軸検波出力および直交軸検波出力に基づいて、前記位相変調波信号を復調する位相変調波信号復調装置であって、受信した前記位相変調波信号の位相をサンプリング間隔単位に算出する位相算出手段と、算出された前記位相の変動状況から前記位相変調波信号の変化点を検出する変化点検出手段と、検出した前記変化点に基づいてシンボルクロックを再生するクロック再生手段と、を少なくとも備え、再生された前記シンボルクロックを基にして復調動作を行うことを特徴とする。
(2)本発明による位相変調波信号復調方法は、PSK(Phase Shift Keying:位相変調)方式による位相変調波信号を直交検波して得られる同相軸検波出力および直交軸検波出力に基づいて、前記位相変調波信号を復調する位相変調波信号復調方法であって、受信した前記位相変調波信号の位相をサンプリング間隔単位に算出する位相算出ステップと、算出された前記位相の変動状況から前記位相変調波信号の変化点を検出する変化点検出ステップと、検出した前記変化点に基づいてシンボルクロックを再生するクロック再生ステップと、を少なくとも有し、再生された前記シンボルクロックを基にして復調動作を行うことを特徴とする。
本発明の位相変調波信号復調装置および位相変調波信号復調方法によれば、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、たとえ、振幅変動の小さい、オフセットQPSK方式、π/4シフトQPSK方式やπ/2シフトBPSK方式などの通常のPSK変調波信号の同期方式ではシンボルクロックの再生が困難なPSK変調波信号の復調装置であっても、該復調装置に用いられるシンボルクロック同期手段として、キャリア非同期時においても、正確なシンボルクロックの再生が可能となるので、シンボルクロック位相誤差検出およびキャリア位相誤差検出の精度を上げることが可能となり、而して、高速かつ安定した状態でシンボルクロック位相同期、キャリア位相同期が可能な復調装置を実現することができる。
本発明による位相変調波信号復調装置のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図1に示した位相変調波信号復調装置におけるシンボルクロック再生回路のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図2に示すシンボルクロック再生回路の位相変動算出回路から出力される位相変動信号と変調波信号との信号波形の関係を示す信号波形図である。 キャリアが非同期の状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号の信号波形と図2に示すシンボルクロック再生回路により再生されたシンボルクロックとの関係を説明するための信号波形図である。 キャリアが非同期の状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号から位相変動により抽出されたクロック成分分布を説明するための分布図である。 従来のオフセットQPSK復調器のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図6のオフセットQPSK復調器におけるクロック位相誤差検出回路とシンボル位相選択回路とのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図7に示すクロック位相誤差検出回路においてクロック位相誤差信号を生成するためのクロック位相誤差検出方法を説明するための信号波形図である。 キャリアが同期している状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号の信号波形を説明するための信号波形図である。 キャリアが非同期の状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号の信号波形を説明するための信号波形図である。 キャリアが非同期の状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号を振幅のゼロクロッシング方式により変化点を検出した場合の変化点間隔の分布を説明するための分布図である。
以下、本発明による位相変調波信号復調装置および位相変調波信号復調方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、たとえ、振幅変動の小さい位相変調波信号の復調を行う場合であっても、位相変調波信号の復調時における高精度なシンボルクロックの再生を可能にし、而して、キャリア非同期時においても、正確なシンボルクロックの再生が可能となることによって、シンボルクロック位相誤差検出およびキャリア位相誤差検出の精度を向上させることが可能になり、安定した復調動作を行うことができるという効果が得られる点を主要な特徴としている。
より具体的には、本発明は、PSK(Phase Shift Keying:位相変調)方式による位相変調波信号を直交検波して得られる同相軸検波出力および直交軸検波出力に基づいて、位相変調波信号を復調する位相変調波信号復調装置であって、受信した位相変調波信号の変化点検出方法として、従来の振幅のゼロクロッシング方式による検出方法に代わって、受信した位相変調波信号の位相をサンプリング間隔単位に算出する位相算出手段(または位相算出ステップ)と、算出された位相の変動状況から位相変調波信号の変化点を検出する変化点検出手段(または変化点検出ステップ)と、を少なくとも備え、かつ、検出した変化点に基づいてシンボルクロックを再生するクロック再生手段(またはクロック再生ステップ)を備えて、再生されたシンボルクロックを基にして復調動作を行う同期回路を有する構成とすることを特徴としている。
而して、キャリア非同期時においても、シンボルクロックタイミングの正確な検出が行うことができるので、正確にクロック再生動作が行われるようになり、オフセットQPSK方式、π/2シフトBPSK方式やπ/4シフトQPSK方式などの振幅変動の小さい変調波信号の場合であっても、変調波信号の復調を安定して行うことができるようになる。
(実施形態の構成の説明)
次に、本発明による位相変調波信号復調装置のブロック構成の一例について、図1のブロック構成図を参照しながら説明する。図1は、本発明による位相変調波信号復調装置のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、従来技術として図6に示した位相変調波信号復調器(オフセットQPSK復調器)と同一の部位については、図6と同一の符号を付して示し、ここでの重複する説明は割愛することにする。
図1に示す位相変調波信号復調装置は、図6に示した従来の位相変調波信号復調器におけるシンボル位相選択回路37の代わりに、受信信号中に含まれるシンボルクロックを再生するシンボルクロック再生回路137を備え、かつ、クロック位相誤差検出回路23の代わりに、シンボルクロック再生回路137からの位相誤差制御信号によって制御されるクロック位相誤差検出回路123を備えている。そして、シンボルクロック再生回路137により再生されたシンボルクロックに同期して、キャリア位相検出回路25、データ再生器24それぞれが動作することによって、PSK変調ディジタル信号が復調されるように構成されている。
つまり、シンボルクロック再生回路137は、サンプリング間隔単位で変調波信号の位相を算出する位相算出手段と、算出された位相の変動状況から信号の変化点を検出する変化点検出手段と、検出した変化点に基づいてシンボルクロックを再生するクロック再生手段と、を少なくとも備え、図1に示す位相変調波信号復調装置は、シンボルクロック再生回路137によって再生されたシンボルクロックを基にして、復調動作を行う同期回路を有する構成とされている。
ここで、帯域制限を受けたPSK(Phase Shift Keying:位相変調)方式による変調波信号を直交検波して得られる同相軸検波出力および直交軸検波出力に基づいて、シンボルクロックとしてあらかじめ定めた所定のシンボル位相に同期したクロックを再生するために、同相軸検波出力および直交軸検波出力からクロック位相誤差信号、キャリア位相誤差信号および復調シンボルを検出するための最適なシンボル位相を求め、求めた最適なシンボル位相にしたがい検波して少なくともクロック位相誤差信号、キャリア位相誤差信号および復調シンボルを検出し、しかる後、検出した復調シンボルからキャリア同期を検出するとともに、検出したクロック位相誤差信号、キャリア位相誤差信号にしたがってシンボルクロックの位相を制御するように構成している。さらに、検出したクロック位相誤差信号を、クロック再生手段によるシンボルクロックの再生およびシンボルクロックの位相に関する誤差判定に用いるように構成している。
また、クロック再生手段によりシンボルクロックを再生する際に、位相算出手段は、サンプリング間隔単位の瞬時位相角度を算出し、変化点検出手段は、算出した瞬時位相角度の微分処理による位相変動によりシンボルの変化点の検出を行うことにより、クロック再生手段が、前記シンボルクロックを再生するように構成している。
なお、キャリア周波数のオフセット周波数に比しサンプリングレートは十分大きいので、前記瞬時位相角度の微分処理によりキャリア周波数のオフセット位相がキャンセルされることになる。而して、キャリア非同期時においても、高精度かつ安定的なシンボルクロック同期手段を得ることができる。
(実施形態の動作の説明)
次に、本発明の一実施形態として図1に示した位相変調波信号復調装置の動作について詳細に説明する。なお、図1の各部位のうち、従来技術として図6に示した位相変調波信号復調器と同一の部位については、前述したように、図6と同一の符号を付してあり、重複する説明を省略する。
図1に示した位相変調波信号復調装置において、入力端子11にPSK変調波が入力されると、該PSK変調波は、図6の位相変調波信号復調器の場合と同様、同相検波回路12および直交検波回路13に分配供給され、同相成分A/D変換器17および直交成分A/D変換器18によりディジタル信号に変換された後、複素乗算回路19にて周波数変換され、ディジタルLPF20およびディジタルLPF21を経由して、複素乗算回路22に対して出力される。
そして、複素乗算回路22から出力されるI信号とQ信号とは、図1に示した位相変調波信号復調装置においては、図6の位相変調波信号復調器の場合とは異なり、クロック位相誤差検出回路23とシンボルクロック再生回路137とに対して供給される。シンボルクロック再生回路137においては、まず、サンプリング間隔単位で変調波信号の位相を算出し、算出された位相の変動状況から信号の変化点を検出して、しかる後、検出した信号の変化点に基づいて、シンボルクロックの再生を行う。再生されたシンボルクロックは、データ再生器24、キャリア位相検出回路25に対して供給され、さらに、クロック位相誤差検出回路123に対して位相誤差制御信号(タイミングパルス)として供給される。
データ再生器24においては、シンボルクロック再生回路137から供給されるI信号およびQ信号のそれぞれの信号を2値化することにより、QPSKデータを判定し、これにより、Iデータ出力およびQデータ出力として復調データを出力するようにする。
また、キャリア位相検出回路25においては、シンボルクロック再生回路137にて再生されたシンボルクロックからキャリアの位相誤差信号を検出して、周波数誤差(Δf)検出回路32に対して供給することによって、AFCループが形成される。
また、クロック位相誤差検出回路123においては、位相誤差制御信号としてシンボルクロック再生回路137から供給されてくるシンボルクロックによってクロック位相誤差成分を抽出して、ローパスフィルタ(LPF)26にて平滑化した後、電圧制御型発振器27を制御して、位相同期したクロックを同相成分A/D変換器17および直交成分A/D変換器18のクロック入力端子に対してフィードバックするように動作する。
図2は、図1に示した位相変調波信号復調装置におけるシンボルクロック再生回路137のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。図2に示すシンボルクロック再生回路137においては、複素乗算回路22から出力されるI信号およびQ信号が、サンプリングタイミング毎に、位相算出回路211に供給され、サンプリングタイミング単位で変調波信号の位相(tan−1(Q/I))が算出されて出力される。位相算出回路211から出力されるサンプリングタイミング単位の変調波信号の位相すなわちサンプリングタイミング毎の瞬時位相角度Θは、位相変動算出回路212に供給される。
位相変動算出回路212は、微分器と二乗器とからなっており、入力されてくるサンプリングタイミング毎の変調波信号の位相から隣接するサンプル間の位相差を瞬時位相角度Θとして算出し、算出した瞬時位相角度Θすなわち位相の変動状況から、信号の変化点を検出して、位相変動信号として微分回路213に供給する。なお、通常は、キャリア周波数のオフセット周波数に比べてサンプリングレートは十分大きいので、位相変動算出回路212内の微分器によってキャリア周波数のオフセット位相がキャンセルされる。
ここで、位相変動算出回路212から出力される位相変動信号の信号波形について、図3を用いて説明する。図3は、図2に示すシンボルクロック再生回路137の位相変動算出回路212から出力される位相変動信号と変調波信号との信号波形の関係を示す信号波形図であり、細い実線がI信号の信号波形を示し、破線がQ信号の信号波形を示し、太い実線が位相変動信号の信号波形を示している。なお、図3における変調波信号は、キャリア非同期時の信号波形を示している。本実施形態においては、図3に示すように、キャリア非同期時の信号波形の変化点と位相変動算出回路212から出力される位相変動信号の変化点とは完全に同期している。
位相変動算出回路212からの位相変動信号が入力される微分回路213においては、入力された位相変動信号の微分が行われ、微分結果が判定回路214に供給される。判定回路214においては、供給されてきた微分結果の符号変化を判定することによって、シンボル変化点を判定し、判定結果を出力制御信号として出力切換回路215に供給するとともに、該出力制御信号を位相誤差制御信号(タイミングパルス)としてクロック位相誤差検出回路123に対して供給する。つまり、瞬時位相角度Θの微分処理により、位相変動によるシンボルクロックを再生して出力する動作が行われる。
出力切換回路215においては、判定回路214から供給された出力制御信号により信号出力を制御する。すなわち、出力切換回路215においては、判定回路214から供給された出力制御信号により、T/2遅延回路216およびT/2遅延回路217を経由させるか否かを制御し、T/2遅延回路216およびT/2遅延回路217を通した信号変化点から求められたアイパターンが最大開口となるタイミングで、I信号およびQ信号をデータ再生器24およびキャリア位相検出回路25に供給する。
ここで、図4は、キャリアが非同期の状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号の信号波形と図2に示すシンボルクロック再生回路137により再生されたシンボルクロックとの関係を説明するための信号波形図であり、変調波信号波形と位相変動により再生したシンボルクロックとの関係を示している。なお、図4において、細い実線がI信号の信号波形を示し、破線がQ信号の信号波形を示し、黒色のダイヤモンド型◆が位相変動により再生したシンボルクロックを示している。図4に示すように、位相変調波信号を等間隔サンプリングした場合に帯域制限のために瞬時位相変化が最大となる位置をシンボル間の中間位置としてシンボルクロックの検出を行うが、キャリア非同期時においても、シンボルクロック再生回路137により再生されたシンボルクロックは等間隔となっており、正常にシンボルクロックが再生されていることが分かる。
また、図5は、キャリアが非同期の状態の帯域制限されたオフセットQPSK信号から位相変動により抽出されたクロック成分分布を説明するための分布図である。図5に示すように、シンボルクロック再生回路137により再生されたシンボルクロックのクロック成分分布は、従来技術として図11に示した振幅のゼロクロッシング方式により変化点を検出した場合の変化点間隔の分布と比較して、キャリアの周波数オフセットの影響を受けることなく、クロック成分の分布にジッタが発生していないことが分かる。
以上に説明したように、本実施形態においては、位相変調波信号を等間隔サンプリングした場合に、帯域制限のために瞬時位相変化が最大となる位置をシンボル間の中間位置としてシンボルクロックの検出を行うように動作する。ここで、最大の瞬時位相変化になる位置を検出するために、隣接するサンプル間の位相差のみを扱っているので、データを蓄積するような回路は不要であり、回路構成を簡易なものにすることができる。また、シンボルタイミングの検出については、瞬時位相変化が最大となる間隔T(1シンボル期間)を、PLL回路を使用して平均的に求めて、瞬時位相変化の最大位置から(T/2)だけずらした位置をシンボルタイミングの位置として判定している。而して、キャリア非同期時であっても、正確なシンボルクロックの再生が可能となるので、シンボルクロック位相誤差検出およびキャリア位相誤差検出の精度を上げることが可能となり、したがって、高速かつ安定した状態でシンボルクロック位相同期、キャリア位相同期が可能になる。
なお、以上の説明においては、オフセットQPSK信号の場合について説明したが、振幅変動の小さい、通常のPSK変調波信号の同期方式ではシンボルクロックの再生が困難なπ/4シフトQPSK信号やπ/2シフトBPSK信号などのPSK変調波信号の復調装置であっても、該復調装置に用いられるシンボルクロック同期手段として、本実施形態の位相変調波信号復調装置におけるシンボルクロック再生回路137が有効であることは言うまでもない。
(本実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、次のような効果が得られる。
すなわち、たとえ、振幅変動の小さい、オフセットQPSK方式、π/4シフトQPSK方式やπ/2シフトBPSK方式などの通常のPSK変調波信号の同期方式ではシンボルクロックの再生が困難なPSK変調波信号の復調装置であっても、該復調装置に用いられるシンボルクロック同期手段として、キャリア非同期時においても、正確なシンボルクロックの再生が可能となるので、シンボルクロック位相誤差検出およびキャリア位相誤差検出の精度を上げることが可能となり、而して、高速かつ安定した状態でシンボルクロック位相同期、キャリア位相同期が可能な復調装置を実現することができる。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
11 入力端子
12 同相検波回路
13 直交検波回路
14 第1の局部発振器
15 分配器(S)
16 90度移相器
17 同相成分A/D変換器
18 直交成分A/D変換器
19 複素乗算回路
20 ディジタル低域通過フィルタ(ディジタルLPF)
21 ディジタル低域通過フィルタ(ディジタルLPF)
22 複素乗算回路
23 クロック位相誤差検出回路
24 データ再生器
25 キャリア位相検出回路
26 ローパスフィルタ(LPF)
27 電圧制御型発振器
28 ループフィルタ
29 数値制御発振器(NCO)
30 サインデータ変換回路
31 コサインデータ変換回路
32 周波数誤差(Δf)検出回路
33 AFCループフィルタ
34 数値制御発振器(NCO)
35 サインデータ変換回路
36 コサインデータ変換回路
37 シンボル位相選択回路
123 クロック位相誤差検出回路
137 シンボルクロック再生回路
211 位相算出回路
212 位相変動算出回路
213 微分回路
214 判定回路
215 出力切換回路
216 T/2遅延回路
217 T/2遅延回路
511 位相誤差信号検出回路
512 位相誤差信号検出回路
513 ゼロクロス判定回路
514 ゼロクロス判定回路
515 選択回路
516 平均回路
517 T遅延回路
518 有効位相誤差判定回路
521 スイッチ
522 スイッチ
523 T/2遅延回路
524 T/2遅延回路

Claims (8)

  1. PSK(Phase Shift Keying:位相変調)方式による位相変調波信号を直交検波して得られる同相軸検波出力および直交軸検波出力に基づいて、前記位相変調波信号を復調する位相変調波信号復調装置であって、受信した前記位相変調波信号の位相をサンプリング間隔単位に算出する位相算出手段と、算出された前記位相の変動状況から前記位相変調波信号の変化点を検出する変化点検出手段と、検出した前記変化点に基づいてシンボルクロックを再生するクロック再生手段と、を少なくとも備え、再生された前記シンボルクロックを基にして復調動作を行うことを特徴とする位相変調波信号復調装置。
  2. 前記シンボルクロックとしてあらかじめ定めた所定のシンボル位相に同期したクロックを再生するために、前記同相軸検波出力および前記直交軸検波出力からクロック位相誤差信号、キャリア位相誤差信号および復調シンボルを少なくとも検出するためのシンボル位相を求め、求めた前記シンボル位相にしたがい検波して少なくとも前記クロック位相誤差信号、前記キャリア位相誤差信号および前記復調シンボルを検出し、しかる後、検出した前記復調シンボルからキャリア同期を検出するとともに、検出した前記クロック位相誤差信号、前記キャリア位相誤差信号にしたがって前記シンボルクロックの位相を制御することを特徴とする請求項1に記載の位相変調波信号復調装置。
  3. 検出した前記クロック位相誤差信号を、前記クロック再生手段による前記シンボルクロックの再生および前記シンボルクロックの位相に関する誤差判定に用いることを特徴とする請求項2に記載の位相変調波信号復調装置。
  4. 前記クロック再生手段により前記シンボルクロックを再生する際に、前記位相算出手段はサンプリング間隔単位の瞬時位相角度を算出し、前記変化点検出手段は、前記瞬時位相角度の微分処理による位相変動によりシンボルの変化点の検出を行うことにより、前記クロック再生手段において、前記シンボルクロックを再生することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の位相変調波信号復調装置。
  5. PSK(Phase Shift Keying:位相変調)方式による位相変調波信号を直交検波して得られる同相軸検波出力および直交軸検波出力に基づいて、前記位相変調波信号を復調する位相変調波信号復調方法であって、受信した前記位相変調波信号の位相をサンプリング間隔単位に算出する位相算出ステップと、算出された前記位相の変動状況から前記位相変調波信号の変化点を検出する変化点検出ステップと、検出した前記変化点に基づいてシンボルクロックを再生するクロック再生ステップと、を少なくとも有し、再生された前記シンボルクロックを基にして復調動作を行うことを特徴とする位相変調波信号復調方法。
  6. 前記シンボルクロックとしてあらかじめ定めた所定のシンボル位相に同期したクロックを再生するために、前記同相軸検波出力および前記直交軸検波出力からクロック位相誤差信号、キャリア位相誤差信号および復調シンボルを少なくとも検出するためのシンボル位相を求め、求めた前記シンボル位相にしたがい検波して少なくとも前記クロック位相誤差信号、前記キャリア位相誤差信号および前記復調シンボルを検出し、しかる後、検出した前記復調シンボルからキャリア同期を検出するとともに、検出した前記クロック位相誤差信号、前記キャリア位相誤差信号にしたがって前記シンボルクロックの位相を制御することを特徴とする請求項5に記載の位相変調波信号復調方法。
  7. 検出した前記クロック位相誤差信号を、前記クロック再生ステップによる前記シンボルクロックの再生および前記シンボルクロックの位相に関する誤差判定に用いることを特徴とする請求項6に記載の位相変調波信号復調方法。
  8. 前記クロック再生ステップにより前記シンボルクロックを再生する際に、前記位相算出ステップにおいて、サンプリング間隔単位の瞬時位相角度を算出し、前記変化点検出ステップにおいて、前記瞬時位相角度の微分処理による位相変動によりシンボルの変化点の検出を行うことにより、前記クロック再生ステップにおいて、前記シンボルクロックを再生することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の位相変調波信号復調方法。
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