JP2014094712A

JP2014094712A - ビードワイヤー、ビードコアおよび空気入りタイヤ

Info

Publication number: JP2014094712A
Application number: JP2012248486A
Authority: JP
Inventors: Tsudoi Eguchi; 集江口
Original assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date: 2012-11-12
Filing date: 2012-11-12
Publication date: 2014-05-22

Abstract

【課題】ビードコア断面が変形して崩れることを充分に防止すると共に、タイヤの軽量化を図ることができるビードワイヤー、前記ビードワイヤーが用いられたビードコア、および前記ビードコアを備えた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】断面形状が略正六角形であり、断面内に中空部が少なくとも１つ設けられているビードワイヤー。中空部の断面形状が略円形であるビードワイヤー。隣接するビードワイヤーと面で接触するように、前記ビードワイヤーが複数本積み重ねられて形成されているビードコア。前記ビードコアを備えている空気入りタイヤ。
【選択図】図２

Description

本発明は、安定したビードコア形状を維持することができるビードワイヤー、前記ビードワイヤーを用いて作製されたビードコア、および前記ビードコアを備えた空気入りタイヤに関する。

空気入りタイヤはリムに組み付けられて使用されるが、タイヤとリムとの接触部分はビードコアのみであるため、ビードコアの形状が安定していない場合、空気入りタイヤの諸性能に悪影響を与える恐れがある。このため、空気入りタイヤにおいては、ビードコアに形崩れなどの変形が発生しにくい構造が求められている（例えば、特許文献１）。

しかしながら、従来のビードコアは、断面が円形の所定の線径（例えば、φ０．９６ｍｍ、φ１．２０ｍｍあるいはφ１．５５ｍｍ）のビードワイヤーを用いて、複数のワイヤーを積み重ねたり（テープビード）、同じく断面が円形の１本のワイヤーを積み重ねたり（シングルビード）することにより、巻き回して作製されるのが一般的であり、ビードコア断面が変形して崩れやすいという問題があった。

即ち、断面が円形のビードワイヤーを用いてビードコアを形成させているため、連接するビードワイヤーとは線状に接することとなり、さらに、ビードコアの断面に中空部が形成されるため、ビードコア断面が変形して崩れやすい。

また、一般的な小型タイヤのビードコアは、断面が四角形となっているが、カーカスがビードコアを巻上げる際、ケーステンションなどによってビードコアに張力が働くため、ビードコア断面が変形して崩れやすい。

このようにビードコア断面が変形して崩れた場合、前記の通り、製品タイヤの諸性能に悪影響を与え、ビードコア底面（トウ〜ヒール部）が安定せず、ビード締付け力（ホフマン値）、リム外れ、操縦安定性（ハンドリング）、および、ＦＶ（ＦｏｒｃｅＶａｒｉａｔｉｏｎ）のばらつきを増加させて、製品タイヤの品質を安定させることが難しい。

また、近年、製品タイヤの軽量化に対する要求がますます強くなっている。

特開２０１１−３７０５９号公報

そこで、本発明は、上記に鑑み、ビードコア断面が変形して崩れることを充分に防止すると共に、タイヤの軽量化を図ることができるビードワイヤー、前記ビードワイヤーが用いられたビードコア、および前記ビードコアを備えた空気入りタイヤを提供することを課題とする。

請求項１に記載の発明は、
断面形状が略正六角形であり、前記断面内に中空部が少なくとも１つ設けられていることを特徴とするビードワイヤーである。

請求項２に記載の発明は、
前記中空部の断面形状が略円形であることを特徴とする請求項１に記載のビードワイヤーである。

請求項３に記載の発明は、
隣接するビードワイヤーと面で接触するように、請求項１または請求項２に記載のビードワイヤーが複数本積み重ねられて形成されていることを特徴とするビードコアである。

請求項４に記載の発明は、
請求項３に記載のビードコアを備えていることを特徴とする空気入りタイヤである。

本発明によれば、ビードコア断面が変形して崩れることを充分に防止すると共に、タイヤの軽量化を図ることができるビードワイヤー、前記ビードワイヤーが用いられたビードコア、および前記ビードコアを備えた空気入りタイヤを提供することができる。

本発明の一実施の形態に係るビードワイヤーの斜視図である。本発明の一実施の形態に係るビードコアの斜視図である。

以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。

１．ビードワイヤー
図１は、本実施の形態に係るビードワイヤーの斜視図である。図１に示すように、ビードワイヤー２０は断面形状が正六角形であり、断面内には円形の中空部２２が形成されている。

図１においては、中空部２２は１つだけ形成されているが、２つ以上形成されていてもよく、また、２つ以上形成された中空部２２が、ビードワイヤー２０の長手方向の途中で繋がって１個の中空部２２を形成していてもよい。

ビードワイヤー２０のサイズとしては、対角長ａが０．８ｍｍ≦ａ≦２．０ｍｍ、六角形の一辺の長さｂが０．４ｍｍ≦ｂ≦１．０ｍｍであることが好ましい。

また、中空部２２の径ｃとしては、０．１ｍｍ≦ｃ≦１．２ｍｍであることが好ましい。なお、２つ以上の中空部２２を形成させる場合には、各中空部の径の合計が上記ｃを満足していることが好ましい。

このように中空部２２を設けることにより、ビードワイヤー２０の単位長さ当たりの重量を小さくすることができるため、ビードコアを形成した際により軽量化を図ることができる。

ビードワイヤー２０の材質としては、鉄、アルミニウム、炭素鋼、ステンレスなどの金属が好ましい。

２．ビードコア
図２は、本実施の形態に係るビードコアの斜視図である。図２に示すように、本実施の形態のビードコア３０は、ビードワイヤー２０を幾重にも積み重ね、巻き回すことにより形成されている。

このとき、ビードワイヤー２０は、前記したように、正六角形に成形されているため、積み重ねに際して、隣接する他のビードワイヤーと面で接触させることができ、さらに図２に示すように、密に積み重ねることができる。

このため、隣接するビードワイヤーと線状に接触する従来の断面円形のビードワイヤーの場合と異なり、ビードコア３０の断面が変形しにくく崩れにくい。

また、密に積み重ねられているため、カーカスがビードコアを巻上げる際、ケーステンションなどによってビードコア３０に張力が働いても、ビードコア３０の断面が変形しにくく崩れにくい。

なお、ビードワイヤー２０の断面形状は、幾何学的に正確な正六角形でなくてもよく、前記の効果が得られる範囲の略正六角形であればよい。

ビードワイヤー２０を積み重ねて巻き回す巻き方としては、従来と同様に、テープビード、シングルビード、いずれを採用してもよい。

ビードワイヤー２０には、前記の通り中空部２２が形成されているため、充分な長さのビードワイヤーを巻き回してビードコア３０を形成しても、重量の増加を抑制して、軽量化されたビードコアを提供することができる。

一方、中空部２２の形状が断面において円形に形成されているため、強度に強い構造とされている。なお、中空部２２の断面形状は円形でなくてもよく、また円形の場合も必ずしも真円である必要はない。

３．空気入りタイヤ
上記で得られたビードコアをカーカスで巻上げることにより、空気入りタイヤを作製することができる。前記したように、このビードコアは、断面が変形しにくく崩れにくいため、ビードコア底面（トウ〜ヒール部）が安定している。この結果、ビード締付け力（ホフマン値）、リム外れ、操縦安定性（ハンドリング）、および、ＦＶ（ＦｏｒｃｅＶａｒｉａｔｉｏｎ）を適切に制御することができ、安定した品質の製品タイヤを提供することができる。

また、軽量化されたビードコアを用いているため、軽量化されたタイヤを提供することができる。

１．比較例（従来例）
まず、ビードワイヤーとして、断面形状が円形の線径がφ１．２０ｍｍのスチールコードを１５巻用いて、ビードコアを作製した。その後、このビードコアを用いてサイズ１９５／６５Ｒ１５の空気入りタイヤ３０本を作製した。

２．実施例
ビードワイヤーとして、同じスチール製で、断面形状が、対角長（ａ）１．６ｍｍ、一辺（ｂ）０．８ｍｍの正六角形の中空ビードワイヤー（中空部の径ｃ：φ０．６ｍｍ）を１２巻用い、比較例の場合と同じビードコア製造装置でビードコアを作製した。なお、このとき、ビードワイヤーが回転しないように、ビードワイヤーが当たる溝を逆三角形に成形した。その後、このビードコアを用いてサイズ１９５／６５Ｒ１５の空気入りタイヤ３０本を作製した。

３．評価
（１）試験方法
得られた各空気入りタイヤの重量を測定した後、１５×６Ｊのリムに装着し、１８０ｋＰａの内圧に調整した後、「リム外れ」、「リムズレ」、「ホフマン値」、「操縦安定性」について試験を行った。

（２）試験結果
表１に、試験結果を示す。なお、上記したサイズ１９５／６５Ｒ１５の空気入りタイヤにおいては、「リム外れ」８８９０Ｎ以上、「リムズレ」８ｍｍ以内、「ホフマン値」２３００〜４９５０Ｎが規格値となっている。そして、操縦安定性については、指数で評価した。指数が大きくなるにつれて良化していることを示す。

表１より、比較例および実施例のどちらも規格値を満足しているが、「リムズレ」を除く項目では、実施例の方がより良好な結果を示していることが分かる。

以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。

２０ビードワイヤー
２２中空部
３０ビードコア
ａビードワイヤーの対角長
ｂビードワイヤーの一辺の長さ
ｃ中空部の径

Claims

断面形状が略正六角形であり、前記断面内に中空部が少なくとも１つ設けられていることを特徴とするビードワイヤー。
前記中空部の断面形状が略円形であることを特徴とする請求項１に記載のビードワイヤー。
隣接するビードワイヤーと面で接触するように、請求項１または請求項２に記載のビードワイヤーが複数本積み重ねられて形成されていることを特徴とするビードコア。
請求項３に記載のビードコアを備えていることを特徴とする空気入りタイヤ。