JP6520985B2 - ビードリング及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、伸線加工が施されたビードワイヤからなるビードリング及びその製造方法に関し、更に詳しくは、ビードリングを構成するビードワイヤの真歪、引張強度及び耐力を特定の範囲に設定することにより、生産コストを抑えながら、成形時の加工性を向上させることを可能にしたビードリング及びその製造方法に関する。
従来、ビードワイヤをリング状に巻付けて所定の径のタイヤのビードリングを成形する方法では、予めビードワイヤが巻付けられたボビン等のワイヤ巻出し手段からビードワイヤを巻出し、ビードリングに成形する方法が行われている(例えば、特許文献1)。
一般に、ビードリングは伸線加工が施されたビードワイヤを使用して成形される。具体的には、加工前のビードワイヤを所定の線径に至るまで伸線し、その伸線加工を施したビードワイヤを熱処理工程にかけ、最終形状の線径に至るまで更に伸線する。つまり、一般なビードワイヤは、最終形状に至るまでに2度の伸線加工が施される。なお、伸線加工後の熱処理工程は、伸線加工によりワイヤ内に生じた歪みを除去する工程である。
これに対して、熱処理工程を経ずに、例えば、1度の伸線加工により、初期の線径から最終形状の線径に至るまでビードワイヤを伸線した場合、伸線後のビードワイヤは伸線加工度が高くなるため、ビードワイヤの破断荷重が高くなると共に、耐力も増加する傾向にある。また、そのようなビードワイヤを用いてビードリングを成形すると、ビードフォーミング工程において癖付けを行うことが困難になる。その結果、ビードリングの端末部のハネや型崩れが生じることがあり、成形時の加工性が悪化するという問題がある。
国際公開第2013/161031号
本発明の目的は、ビードリングを構成するビードワイヤの真歪、引張強度及び耐力を特定の範囲に設定することにより、生産コストを抑えながら、成形時の加工性を向上させることを可能にしたビードリング及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のビードリングは、伸線加工が施されたビードワイヤからなる環状のビードリングであって、前記ビードワイヤは、下記式(1)にて算出される真歪εが2.80以上であり、引張強度が2000MPa以上2200MPa以下であり、耐力が1700MPa以上1980MPa以下であり、伸線加工後の状態におけるビードワイヤの線径d 1 が1.15mm〜1.35mmであり、下記式(2)にて算出されるビードワイヤの癖付け率Eが85%以上100%以下であり、ワイヤ残留回転性が長手方向で0±0.25回/6mであることを特徴とする。
ε=ln(d0/d12 ・・・(1)
但し、d0:伸線加工前の状態のビードワイヤの線径[mm]
1:伸線加工後の状態のビードワイヤの線径[mm]
E=D 1 /D 0 ×100% ・・・(2)
但し、D 0 :ビードワイヤの端末を固定した状態のビードリングの直径[mm]
1 :ビードワイヤの端末を固定していない状態のビードリングの直径[mm]
また、本発明のビードリングの製造方法は、下記式(1)にて算出される真歪εが2.80以上となるようにビードワイヤに伸線加工を施すことにより、引張強度が2000MPa以上2200MPa以下であり、耐力が1700MPa以上1980MPa以下であり、伸線加工後の状態におけるビードワイヤの線径d 1 が1.15mm〜1.35mmであり、下記式(2)にて算出されるビードワイヤの癖付け率Eが85%以上100%以下であり、ワイヤ残留回転性が長手方向で0±0.25回/6mであるビードワイヤを加工し、該ビードワイヤを巻回して環状のビードリングを成形することを特徴とするものである。
ε=ln(d0/d12 ・・・(1)
但し、d0:伸線加工前の状態のビードワイヤの線径[mm]
1:伸線加工後の状態のビードワイヤの線径[mm]
E=D 1 /D 0 ×100% ・・・(2)
但し、D 0 :ビードワイヤの端末を固定した状態のビードリングの直径[mm]
1 :ビードワイヤの端末を固定していない状態のビードリングの直径[mm]
本発明者は、ビードリング及びその製造方法について鋭意研究した結果、熱処理工程を経ずに伸線加工を施したビードワイヤからなるビードリングにおいて、その成形時の加工性を向上させるためには、特にビードワイヤの耐力を特定の範囲に設定することが重要であることを知見し、本発明に至ったのである。
本発明のビードリングでは、ビードワイヤは、上記式(1)にて算出される真歪εが2.80以上であり、引張強度が2000MPa以上であり、耐力が1700MPa以上1980MPa以下であることで、成形時の加工性を向上させることが可能となる。また、本発明ではビードワイヤの真歪εが2.80以上であり、そのビードワイヤは熱処理工程が省略されたものであるので、従来のビードワイヤと比べて、ビードワイヤの製造時におけるコストを比較的安価に抑えることができる。これにより、ビードリングの生産コストを抑えることが可能となる。
また、本発明のビードリングの製造方法では、上記式(1)にて算出される真歪εが2.80以上となるようにビードワイヤに伸線加工を施すことにより、引張強度が2000MPa以上であり、耐力が1700MPa以上1980MPa以下であるビードワイヤを加工し、ビードワイヤを巻回して環状のビードリングを成形することで、成形時の加工性を向上させることが可能となる。
本発明では、下記式(2)にて算出されるビードワイヤの癖付け率Eは85%以上100%以下であることが好ましい。これにより、成形時の加工性を効果的に改善することが可能となる。
E=D1/D0×100% ・・・(2)
但し、D0:ビードワイヤの端末を固定した状態のビードリングの直径[mm]
1:ビードワイヤの端末を固定していない状態のビードリングの直径[mm]
本発明では、ビードワイヤのワイヤ残留回転性は長手方向で0±0.25回/6mであることが好ましい。これにより、成形時の加工性を効果的に改善することが可能となる。
本発明では、ビードワイヤの引張強度は2200MPa以下であることが好ましい。これにより、成形時の加工性を効果的に改善することが可能となる。
本発明において、耐力とは、引張試験で得られた応力−歪み曲線において、歪み 0.2%の点から弾性伸び部分に平行に直線を引いたとき、該直線と曲線との交点に対する応力の値を意味する。また、ワイヤ残留回転性とは、ビードワイヤが巻付けられたボビンから長さ6mのビードワイヤを引き出し、その引き出された状態のビードワイヤにおいて先端部の回転量[回/6m]を測定したものである。
本発明の実施形態におけるビードリングの一例を示す斜視断面図である。 図1のビードリングを示す断面図である。 ビードワイヤの端末を固定した状態とビードワイヤの端末を固定していない状態のビードリングを示す側面図である。 本発明のビードリングを構成するビードワイヤにおける応力−歪み曲線を示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態からなるビードリングを示すものである。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態からなるビードリング1はタイヤ周方向に巻回された1本又は複数本のビードワイヤ2から構成されている。このビードワイヤ2の複数の周回部分2Aをタイヤ幅方向Twに複数列を並べると共に、タイヤ径方向Trに複数段に積み重ねて複数の層を形成している。図2の態様では、タイヤ幅方向Tw及びタイヤ径方向Trにそれぞれ4列の周回部分2Aを有する構造であるが、図2のような構造に限定されるものではなく、任意の列数及び段数の周回部分2Aを有する構造を採用することができる。
また、ビードリング1は熱処理工程を経ずに伸線加工が施されたビードワイヤ2から構成されている。このビードワイヤ2の材質は特に限定されるものではないが、例えば、スチールコードを用いることが好ましい。図2に示すようにビードワイヤ2の線径をdとすると、伸線加工前のビードワイヤ2の線径d0は5.0mm〜5.5mmであることが好ましく、伸線加工後のビードワイヤ2の線径d1は1.15mm〜1.35mmであることが好ましい。ビードワイヤ2は、例えば、未加硫ゴムを被覆して巻回することができる。
上記ビードリング1において、その構成部材であるビードワイヤ2の真歪εは2.80以上である。真歪εとは、ビードワイヤの製造工程において、ビードワイヤに施された伸線加工によりワイヤ内に生じた残留歪みである。この真歪εは下記式(1)にて算出され、伸線加工の程度を評価する指標となる。例えば、伸線加工前の状態のビードワイヤ2の線径d0が5.5mmであり、伸線加工後の状態のビードワイヤ2の線径d1が1.2mmである場合、真歪εは3.04となる。これに対して、従来のようにビードワイヤに2度の伸線加工を施す場合、最初の伸線加工により初期の線径の2/3〜1/2程度の線径に至るまで伸線されることが一般的である。そのような従来の伸線加工において、例えば、初期の線径が5.5mmであり、2度目の伸線加工前の状態のビードワイヤの線径d0が3.0mmであり、2度目の伸線加工後の状態のビードワイヤの線径d1が1.2mmである場合、その真歪εは1.83となり、本発明で規定する真歪εの範囲から大幅に外れる。このように本発明で用いるビードワイヤ2は、熱処理工程を経ずに伸線加工を施されていることに起因して、従来のビードワイヤよりも真歪εが高くなるように構成されている。
ε=ln(d0/d12 ・・・(1)
但し、d0:伸線加工前の状態のビードワイヤの線径[mm]
1:伸線加工後の状態のビードワイヤの線径[mm]
また、上記ビードリング1において、ビードワイヤ2の耐力は1700MPa以上1980MPa以下である。ビードワイヤ2の耐力は、図4に示す応力−歪み曲線において、歪み 0.2%の点から弾性伸び部分に平行に直線Lを引いたときの直線Lと曲線Mとの交点に対する応力σ1に相当し、特に成形時の加工性を評価する指標となる。更に、ビードワイヤ2の引張強度は2000MPa以上である。ビードワイヤ2の引張強度は、図4に示す応力−歪み曲線における曲線Mの最大値である応力σ2に相当する。
上記ビードリング1では、その構成部材であるビードワイヤ2は、上記式(1)にて算出される真歪εが2.80以上であり、引張強度が2000MPa以上であり、耐力が1700MPa以上1980MPa以下であるように構成されていることで、成形時の加工性を向上させることが可能となる。また、本発明で用いるビードワイヤ2は、熱処理工程を省略しているので、従来のビードワイヤと比べて、ビードワイヤの製造時におけるコストを比較的安価に抑えることができる。これにより、ビードリング2の生産コストを抑えることが可能となる。ここで、ビードワイヤ2の耐力が1700MPaより小さくなる、或いは1980MPaより大きくなると成形時の加工性が悪化する。
図3は、ビードワイヤ2の端末を固定した状態とビードワイヤ2の端末を固定していない状態の双方の状態のビードリング1を同軸上に配置したものである。図3において、ビードワイヤ2の端末を固定した状態がビードリング10であり、ビードワイヤ2の端末を固定していない状態がビードリング11である。即ち、ビードリング10はビードフォーミング工程後の所定の径を有するものであり、ビードリング11は該ビードリング10の周方向に巻回された1周分程度のビードワイヤ2を引き剥がしたものである。これらビードリング10,11において、ビードワイヤ2の端末を固定した状態のビードリング1の直径をD0とし、ビードワイヤ2の端末を固定していない状態のビードリング1の直径をD1とする。このとき、直径D1は直径D0より小さくなるように構成されている。特に、直径D0と直径D1との関係において、下記式(2)にて算出されるビードワイヤ2の癖付け率Eは、85%以上100%以下であることが好ましく、更には上限が100%未満であることがより好ましい。このようにビードワイヤ2の癖付け率Eを適度に設定することで、成形時の加工性を効果的に改善することが可能となる。
E=D1/D0×100% ・・・(2)
但し、D0:ビードワイヤの端末を固定した状態のビードリングの直径[mm]
1:ビードワイヤの端末を固定していない状態のビードリングの直径[mm]
上記ビードリング1において、ビードワイヤ2のワイヤ残留回転性は長手方向で0±0.25回/6mであることが好ましい。このようにビードワイヤ2の残留回転性を適度に設定することで、成形時の加工性を効果的に改善することが可能となる。ここで、ビードワイヤ2の真歪εが高くなるようにする強加工を施した場合、ワイヤ残留回転性が上記範囲を外れることがあり、成形時の加工性が悪化する傾向にある。
また、ビードワイヤ2の引張強度は2200MPa以下であることが好ましい。このようにビードワイヤ2の引張強度を適度に設定することで、成形時の加工性を効果的に改善することが可能となる。ここで、ビードワイヤ2の引張強度が2200MPaより大きくなるとビードワイヤ2に脆化が生じてビードワイヤ2の断線が生じ易くなる。
次に、本発明に係るビードリングの製造方法について説明する。本発明のビードリングの製造方法は、下記式(1)にて算出される真歪εが2.80以上となるようにビードワイヤ2に伸線加工を施す。このとき、伸線加工により初期の線径から最終形状の線径に至るまでビードワイヤを伸線しており、伸線加工前の状態のビードワイヤ2の線径d0が、伸線加工後の状態のビードワイヤ2の線径d1に至るまでの伸線過程において熱処理が行われてない。
ε=ln(d0/d12 ・・・(1)
但し、d0:伸線加工前の状態のビードワイヤの線径[mm]
1:伸線加工後の状態のビードワイヤの線径[mm]
その後、引張強度が2000MPa以上であり、耐力が1700MPa以上1980MPa以下となるようにビードワイヤ2を加工した後、ビードワイヤ2を巻回して環状のビードリング1を成形する。ここで、耐力が特定の範囲を有するようにビードワイヤ2を加工するにあたって、ビードワイヤ2を矯正ローラーに通すことで、ビードワイヤ2における組織の配向が緩和される。その結果、ビードワイヤ2の耐力を低下させることが可能となる。
このように製造されるビードリング1によれば、上記式(1)にて算出される真歪εが2.80以上となるようにビードワイヤ2に伸線加工を施すことにより、引張強度が2000MPa以上であり、耐力が1700MPa以上1980MPa以下であるビードワイヤ2を加工し、ビードワイヤ2を巻回して環状のビードリング1を成形することで、成形時の加工性を向上させることが可能となる。また、本発明で用いるビードワイヤ2は、熱処理工程を省略しているので、従来のビードワイヤと比べて、ビードワイヤの製造時におけるコストを比較的安価に抑えることができる。これにより、ビードリング2の生産コストを抑えることが可能となる。ここで、ビードワイヤ2の耐力が1700MPaより小さくなる、或いは1980MPaより大きくなると成形時の加工性が悪化する。
上記の製造方法によって製造したビードリング1を空気入りタイヤのビードコアとして用いることもできる。
伸線加工が施されたビードワイヤからなる環状のビードリングにおいて、伸線加工前の状態のビードワイヤの線径d0[mm]、伸線加工後の状態のビードワイヤの線径d1[mm]、真歪ε(ln(d0/d1)2)、引張強度[MPa]、耐力[MPa]、ビードワイヤの癖付け率[%]、ワイヤ残留回転性[回/6m]を表1のように設定した実施例1〜3のビードリングを製作した。なお、実施例1〜3では熱処理工程を経ずに伸線加工が施されたビードワイヤからなる構造を採用した。
比較のため、2度の伸線加工が施されると共に、各伸線加工の間に熱処理工程を経て成形されたビードワイヤからなる従来例のビードリングを用意した。従来例において、ビードワイヤの初期の線径は5.5mmであり、2度目の伸線加工前の状態のビードワイヤの線径d0は2.0mmであり、2度目の伸線加工後の状態のビードワイヤの線径d1は1.2mmである。また、耐力及びワイヤ残留回転性[回/6m]が異なること以外は実施例1と同じ構造を採用した比較例1,2のビードリングを用意した。
これら試験タイヤについて、生産コスト及びフォーミング生産性の評価を実施し、その結果を表1に併せて示した。
生産コスト:
ビードリングの生産コストについて評価した。評価結果は、生産コストが比較的低くなる場合を「○」で示し、生産コストが比較的高くなる場合を「△」で示し、生産コストが割高になる場合を「×」で示した。
フォーミング生産性:
ビードリングのビードフォーミング工程における生産性について評価した。評価結果は、生産性が高い場合を「◎」で示し、生産性が比較的高い場合を「○」で示し、生産性が低い場合を「×」で示した。
Figure 0006520985
表1から判るように、実施例1〜3のビードリングは、ビードワイヤの真歪、引張強度及び耐力を特定の範囲に設定することで、従来例に比して生産コスト及びフォーミング生産性が改善していた。
一方、比較例1においては、ビードワイヤの耐力及び癖付け率を比較的高く設定したため、ビードリングの端末部のハネが生じて、フォーミング生産性が悪化した。また、比較例2においては、ビードワイヤの耐力及び癖付け率を比較的低く設定したため、ビードリングの内側の端末部のハネが生じて、フォーミング生産性が悪化した。なお、実施例2においては、ワイヤ残留回転性を高く設定したため、型崩れが生じるおそれがあった。実施例3においては、引張強度を高く設定したため、断線が生じるおそれがあった。
1 ビードリング
2 ビードワイヤ
2A 周回部分
d ビードワイヤの線径
D ビードリングの直径

Claims (2)

  1. 伸線加工が施されたビードワイヤからなる環状のビードリングであって、前記ビードワイヤは、下記式(1)にて算出される真歪εが2.80以上であり、引張強度が2000MPa以上2200MPa以下であり、耐力が1700MPa以上1980MPa以下であり、伸線加工後の状態におけるビードワイヤの線径d 1 が1.15mm〜1.35mmであり、下記式(2)にて算出されるビードワイヤの癖付け率Eが85%以上100%以下であり、ワイヤ残留回転性が長手方向で0±0.25回/6mであることを特徴とするビードリング。
    ε=ln(d0/d12 ・・・(1)
    但し、d0:伸線加工前の状態のビードワイヤの線径[mm]
    1:伸線加工後の状態のビードワイヤの線径[mm]
    E=D 1 /D 0 ×100% ・・・(2)
    但し、D 0 :ビードワイヤの端末を固定した状態のビードリングの直径[mm]
    1 :ビードワイヤの端末を固定していない状態のビードリングの直径[mm]
  2. 下記式(1)にて算出される真歪εが2.80以上となるようにビードワイヤに伸線加工を施すことにより、引張強度が2000MPa以上2200MPa以下であり、耐力が1700MPa以上1980MPa以下であり、伸線加工後の状態におけるビードワイヤの線径d 1 が1.15mm〜1.35mmであり、下記式(2)にて算出されるビードワイヤの癖付け率Eが85%以上100%以下であり、ワイヤ残留回転性が長手方向で0±0.25回/6mであるビードワイヤを加工し、該ビードワイヤを巻回して環状のビードリングを成形することを特徴とするビードリングの製造方法。
    ε=ln(d0/d12 ・・・(1)
    但し、d0:伸線加工前の状態のビードワイヤの線径[mm]
    1:伸線加工後の状態のビードワイヤの線径[mm]
    E=D 1 /D 0 ×100% ・・・(2)
    但し、D 0 :ビードワイヤの端末を固定した状態のビードリングの直径[mm]
    1 :ビードワイヤの端末を固定していない状態のビードリングの直径[mm]
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