JP5623736B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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    • B60VEHICLES IN GENERAL
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    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/04Bead cores

Description

この発明は、ビードコアを埋設配置してなる一対のビード部の周りで折り返されて、それらのビード部の間にトロイド状に延びるカーカスと、そのカーカスのクラウン域のタイヤ半径方向外側に配設したベルトとを具える空気入りタイヤに関し、特には、タイヤの製造時および使用時の、ビードコアの巻回形態の崩れを有効に防止することによって、ビード部の耐久性能を向上させる技術を提案するものである。
空気入りタイヤのビード部に埋設配置されるビードコアは、タイヤをリムに組み付けた場合に、そのリムに対するタイヤの配置位置を安定させるという機能の他に、ビード部の周りでタイヤ幅方向外側に折り返されるカーカスを、タイヤのビード部に係留させて、タイヤへの充填内圧、タイヤへの負荷荷重等の作用に起因する、カーカスコードの、ビード部からの引き抜け現象を防止するという機能を有する。
ところで、ビードコアは一般に、一本以上の、スチール製のビードワイヤを、タイヤ幅方向断面内で所定の列数および段数となるように、タイヤ周方向に巻き回すとともにタイヤ径方向に巻き重ねて、ビードワイヤの束として形成されることから、この種のビードコアにあっては、たとえば、タイヤの製造時の生タイヤの加硫工程での、ブラダーの膨脹に伴うカーカスの拡径によって、カーカスコードに引張力が生じて、ビードコアに、カーカスコードの折返し部が引き抜けようとする方向への捩れ、すなわち、ビードコアの横断面の中心の周りでの捩れ変形が生じ、これにより、整列配置させたビードワイヤの配置が乱れて、ビードコアの横断面形態が崩れるおそれがあった。
そしてまた、製品タイヤへの内圧充填時にも、その充填内圧の作用により、カーカスが拡径変形するため、カーカスコードに引張力が生じることとなって、ビードコアに、それの横断面の中心周りの捩れ変形が生じ、さらに、タイヤの負荷転動時には、トレッド踏面が路面から受ける荷重反力によってカーカスに変形が生じる度に、カーカスコードに引張力が作用することとなって、ビードコアに、カーカスコードの引き抜け方向への捩れ変形が繰り返し生じるため、これらの場合にもまた、ビードコアの形態が崩れることがある。
このようにして、ビードコアの横断面形態の崩れが生じた場合には、ビードコアの、カーカスを係留する力が損なわれて、ビードコアによる、カーカスコードの引き抜け拘束力が十分に発揮されなくなるため、タイヤへの充填内圧やタイヤへの負荷荷重等の作用によって、カーカスコードの折返し端の、ゴム部材からのセパレーション、カーカスコードの引き抜け等が生じて、ビード部の耐久性能が低下することとなる。
この問題を解決するため、例えば特許文献1に記載されているように、ビードコアの周方向の複数の箇所に結束部材を設け、これらの結束部材によりビードワイヤを束ねるように拘束することによって、ビードコアの形態の崩れを防止する方法が広く採用されている。
また、特許文献2には、「タイヤビード集成体の前記単一ワイヤからなる前記複数の回旋体の少なくとも一部分に係合可能な形状保持体であって、これがビードフープの周縁に係合して、ビード集成体を前記ビードフープの回旋体の軸心に対して直交する平坦形態に保持すると共に、前記単一ワイヤからなる各回旋体を、少なくとも一つの隣接回旋体に対して接触した状態に保持するようになっている形状保持体からなる単一ワイヤ型ビード集成体」であって、「前記形状保持体は、ワイヤの回旋体の化学的な接着によって形成され、蒸気化学的な接着は溶接、接着剤、融着ろう付け、又ははんだ付けによりなされる」「タイヤビード集成体」が提案されている。
特開2009―40202号公報 特開平1―192533号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術のように、複数の結束部材により、ビードコアの周方向の複数箇所で、ビードワイヤの束を拘束する場合は、ビードコアの形態の崩れはある程度抑制されるものの、相互に隣接するビードワイヤは、固定も固着もされていないことから、タイヤ使用時にビードコアが繰返し外力を受けることに起因して、結束部材に伸び変形が発生し、それによって、結束部材によるビードワイヤの拘束に緩みが生じてビードコアの形態が崩れるおそれがあった。
しかも、ビードワイヤの巻回しにより構成されるビードコアの横断面輪郭形状が異形、例えばL字型等である場合には、ビードコアの周方向に設けた複数の結束部材によっては、ビードワイヤの束を、ビードコアの横断面輪郭形状を維持した状態で十分に拘束することができずに、ビードコアの形態の崩れが余儀なくされることになる。
一方、特許文献2に記載された発明では、ビードコアの横断面内で整列配置させたワイヤの相互に化学的な接着がなされていても、ワイヤの横断面形状が円形であることから、隣接するワイヤの相互の固着面積が必然的に小さいものとなり、これがため、隣接するワイヤを、ビードコアに生じる上述の捩れ変形に耐え得る程度に十分に固着させることができず、これらの固着が剥がれた場合には、タイヤの使用等に伴う、ビードコアの捩れ変形の発生によって、ビードコアの横断面形態が崩れるため、ビード部の耐久性能の低下を有効に防止することができない。
そこで、この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、ビードコアの横断面輪郭形状に係わらず、カーカスコードの引き抜け方向への、ビードコアの捩れ変形に対する剛性を十分に高め、これにより、ビードコアの巻回形態の崩れを有効に防止して、ビード部の耐久性能を向上させた空気入りタイヤを提供するにある。
この発明の空気入りタイヤは、ビードコアを埋設配置してなる一対のビード部の周りで折り返されて、それらのビード部の間にトロイド状に延びるカーカスと、そのカーカスのクラウン域のタイヤ半径方向外側に配設したベルトとを具えるものであって、ビード部に埋設配置したビードコアを、一本以上のビードコードを巻き回して構成し、ビードコアの横断面内の少なくとも一部で、隣り合うビードコードに、相互に整合する面を設けるとともに、ビードコアの周方向の少なくとも一部で、それらの整合面の全てを半田付けにより固着させてなるものである。
また、この発明の空気入りタイヤは、ビードコアを埋設配置してなる一対のビード部の周りで折り返されて、それらのビード部の間にトロイド状に延びるカーカスと、そのカーカスのクラウン域のタイヤ半径方向外側に配設したベルトとを具えるものであって、ビード部に埋設配置したビードコアを、一本以上のビードコードを巻き回して構成し、ビードコアの横断面内の少なくとも一部で、隣り合うビードコードに、相互に整合する面を設けるとともに、ビードコアの周方向の少なくとも一部で、それらの整合面の全てを接着剤により固着させてなるものである。
なお好ましくは、ビードコアを構成する一本以上のビードコードを、モノフィラメントコードとする。
そしてまた好ましくは、ビードコードに設けた整合面の相互を、ビードコアの全周にわたって固着させる。
この発明の空気入りタイヤによれば、それのビード部に埋設配置したビードコアを、一本以上のビードコードを巻き回して構成し、ビードコアの横断面内で、相互に隣り合うビードコードを、相互に整合する面で固着させることによって、ビードコードの相互の固着面積が十分に確保されて、ビードコアの周方向の所定箇所で、ビードコードの束が強固に固着されることとなるので、タイヤの製造時および使用時の、ビードコアの横断面の中心周りの捩れ変形に対するビードコアの剛性を十分に高めて、ビードコアの横断面形態の崩れを有効に防止することができ、この結果として、ビード部の耐久性能が向上する。
また、ビードコアの横断面内で、隣り合うビードコードの相互の整合面を、接着剤等を介して固着させていることから、ビードコアに、横断面の中心周りの力の作用に対し、隣り合うビードコードが、それらの整合面の相互で応力伝達し合って、この捩れ変形に抵抗することとなるので、ビードコードの巻回形態の崩れを効果的に抑制することができる。
さらに、ビードコアの横断面内で、隣り合うビードコードの相互に整合する面を固着したことによって、ビードコードを巻き回して構成するビードコアの横断面輪郭形状を、L字型等の異形とした場合であっても、その横断面輪郭形状を維持した状態で、ビードコアに、カーカスコードが引き抜ける方向への捩れ変形に対する抗力を十分に発揮させることができるので、ビードコアの横断面輪郭形状に関わらず、ビードコアの形態の崩れを有効に抑制することができる。
なお、かかる空気入りタイヤによれば、それのビードコアを構成するビードコードを、ビードコアの横断面内で隣接するビードコードの相互で固着させていることから、ビードコードを結束部材で拘束する従来の方法のように、タイヤの使用時において、ビードコアに、横断面の中心周りの力が作用した場合に、ビードコードの拘束が緩むという問題が生じることはない。
ここで、ビードコアを構成する一本以上のビードコードを、モノフィラメントコードとしたときは、複数のフィラメントを撚り合わせてなるコードよりも、コード自体に整合面を形成することが容易となるので、ビードコードの生産性が向上する他、モノフィラメントコードを多列多段に巻き回して構成したビードコアは、撚りコードにより構成したビードコアに比して、それの横断面内での、コードの間の隙間が小さいものとなって、隣接するコードの相互の密着度が高まるため、コード間の固着力が大きくなり、ビードコアの捩れ変形に起因する、それの横断面形態の崩れを効果的に抑制することができる。
そしてまた、ビードコードに設けた整合面の相互を、ビードコアの全周にわたって固着させたときは、一本以上のビードコードを巻き回してなるビードコアが、それの周方向に一体化されることとなって、ビードコアの捩れ変形に対する剛性が飛躍的に増加し、また、ビードコアの周方向で、それの横断面形態の崩れが生じるおそれのある箇所が存在しないものとなるので、ビード部の耐久性が大きく向上する。
以上の空気入りタイヤにおいて、ビードコアの横断面内で隣り合うビードコードの相互に整合する面を、半田付け又は接着剤によって固着させることにより、この空気入りタイヤのビードコアの製造時の、ビードコードに設けた整合面の固着作業が容易になるとともに、カーカスコードが引き抜ける方向への、ビードコアの捩れ変形に対する抗力を十分に発揮できるビードコアを製造することができる。
この発明の一の実施形態をタイヤ半部について示す幅方向断面図である。 図1の実施形態を拡大して示すビード部の幅方向断面図である。 他の実施形態を示すビード部の幅方向断面図である。 図1の空気入りタイヤから取り出したビードコアを要部について示す断面斜視図である。 他の実施形態の空気入りタイヤから取り出したビードコアを要部について示す断面斜視図である。 この発明の空気入りタイヤに適用できる分割リムを例示する幅方向断面図である。 他の実施形態を示すビード部の幅方向断面図である。 他の実施形態を示すビードコアの幅方向断面図である。 供試タイヤのビード部の構造を示す幅方向断面図である。 一の供試タイヤのビードコアを示す幅方向断面図である。 供試タイヤのビードコードの断面形状を示す幅方向断面図である。
以下に図面を参照しながら、この発明の空気入りタイヤの実施形態について説明する。
図1は、この発明の一の実施形態をタイヤ半部について示す幅方向断面図であり、空気入りタイヤ1は、一対のビード部2に埋設配置したビードコア3と、これらのビードコア3の間にトロイド状に延びるカーカス4と、このカーカス4のクラウン域のタイヤ半径方向外側に配置した、一層以上、図では二層のベルト層からなるベルト5とを具えてなるものである。
ここにおいて、この発明の空気入りタイヤ1では、ビードコア3を、方形の横断面形状のビードコード6の束として構成する。
このビードコア3は、たとえば、一本のビードコード6を、図1に示すところではビードコア3の横断面形態が六列四段の長方形となるように、タイヤ幅方向に巻き回すとともにタイヤ径方向に巻き重ねて構成することができる他、複数本のビードコード6をタイヤ幅方向に平行に引き揃えた状態で、これらをタイヤ径方向に巻き重ねることによっても構成することもできる。
また、カーカス4は、有機繊維コード等をラジアル方向に延在させた一枚以上のカーカスプライからなるものとすることができ、このカーカス4は、図1に示すように、一対のビードコア3の周りで各側部部分をタイヤ幅方向外側に折り返してなる。
ところで、カーカス4は、ビードコア3の周りでタイヤ幅方向外側に折り返されていることから、たとえば、リム組みタイヤに空気圧を充填した場合、タイヤ1の負荷転動によって、トレッド踏面が路面から荷重反力を受けた場合その他には、トロイド状のカーカス4への引張力の入力により、カーカスコードの折返し部4aに、それが引き抜けようとする方向の力が作用することとなるので、ビードコア3に、横断面の中心周りの捩れ変形が生じ、これによって、ビードコード6を巻き回してなるビードコア3の横断面形態の崩れが生じるおそれがある。
そこで、この発明の空気入りタイヤ1では、図2にビード部の拡大断面図で示すように、ビードコア3の横断面内で、隣り合うビードコード6のそれぞれに、相互に整合する面9を設け、それらの整合面の間に固着部材10を介在させることによって、整合面9の相互を固着させる。
これによれば、タイヤ1の製造時および使用時に、カーカスコードの折返し部4aに、それが引き抜けようとする方向の力が作用して、ビードコアに捩れ力が入力されても、ビードコア3の横断面内で、ビードコード6の相互が、整合面9で強固に固着されていることに加えて、それらの整合面9で互いに応力伝達し合うこととなるので、ビードコア3の横断面の中心の周りの捩れ変形に対する抗力が十分に発揮されて、ビードコア3の横断面形態の崩れを有効に抑制することができる。
なおここで、ビードコア3を構成するビードコード6を、モノフィラメントコードとすることが、ビードコード6の生産性を向上させるとともに、ビードコア3の横断面内でのビードコード6の相互の密着度を高める上で好ましい。
ここにおいて、図2に示すところでは、同一の横断面内で、ビードコード6に設けた整合面9のすべてを、固着部材10を介して、対応する整合面9に固着させているが、図3(a)に示すように、ビードコア3の横断面内で、タイヤ径方向に隣り合うビードコード6の整合面9の間にのみ、固着部材10を介在させることができる他、図示はしないが、タイヤ幅方向に隣り合うビードコード6の整合面9の間にのみ、固着部材10を介在させることもでき、また、ビードコア3の横断面内の一部でのみ、図3(b)に例示するところでは、ビードコア3の横断面の、タイヤ幅方向外側かつ径方向外側に位置することとなる隅部でのみ、隣り合うビードコード6の相互の整合面9を、固着部材10により固着させることもできる。
ところで、図1、2に示すビードコア3では、図4に、空気入りタイヤ1から取り出したこのビードコア3を斜視図で示すように、ビードコア3の周方向に一定の間隔をおいた複数箇所で、隣り合うビードコード6の整合面9を固着させている。
これに対して、ビードコア3は、図5に示すように、ビードコア3の全周にわたって連続させて、固着部材10で固着させることもできる。
このように、ビードコア3の全周にわたって連続させて、隣り合うビードコード6の整合面9を固着させた場合は、ビードコード6の束としてなるビードコア3が、全体的に一体化されることとなるので、ビードコア3の横断面形態の崩れを抑制する効果が飛躍的に高まるが、この場合において、特にそのビードコード6をモノフィラメントコードとしたときには、ビードコア3の曲げ変形量が小さくなることから、タイヤ1をリムに組み付ける際に、リムフランジにビード部2を乗り越えさせることが困難となって、リム組性が悪化するおそれがある。
これがため、ビードコア3の全周にわたって、隣り合うビードコード6の整合面9を固着させたビードコア3を具えてなる空気入りタイヤ1は、図6に断面図で例示するような、分割リムに組み付けることが好ましい。
ここで、「分割リム」とは、少なくとも一方のリムフランジをリム本体から取り外すことができる構造を有するリムをいうものとする。
すなわち、図6に例示する分割リム11によれば、ロックリング12、シートバンド13及びリムフランジ14bを順次取り外し、分割リム11の一方のビードシート15にビード部2の一方のビードベースを着座させた後に、リムフランジ14b及びシートバンド13を嵌め込んで、ロックリング12により固定することで、タイヤ1のリム組が完了するため、タイヤ1のビードコア3を大きく曲げ変形させる必要なく、ビードコア3に、リムフランジ14を乗り越えさせるに必要な伸張性を付与することなしに、タイヤ1のリム組を容易ならしめることができる。
以上のビードコア3では、それを構成するビードコード6の断面形状を矩形としたが、これに限定されず、ビードコア3の横断面内の少なくとも一部で、隣り合うビードコード6に整合面9が形成されていればよく、ビードコード6の断面形状を、たとえば、図7に例示するように、円形の上下二箇所を、整合面9としての、弦状の直線部で切除した形状とすることもできる。
またここで、ビードコード6に設ける整合面9は、平坦面に限られず、曲面、折曲面等を含むものとすることもでき、ビードコア3の幅方向で、ビードコード6の断面を、たとえば、図8(a)〜(e)に示すような、矢羽根形状、同一形状の方形をずらして重ねてなるステップ状の異形形状等とし、整合面9としての、平坦面9a、折曲面9bおよび曲面9cの間のそれぞれに固着部材10を介在させて、これらの整合面9を固着させることもできる。
そしてまた、図示は省略するが、ビードコード6に設けるこの整合面9は、ビードコア3の全周にわたって形成することができる一方で、ビードコア3の周方向の所定領域でのみ、ビードコード6に整合面9を形成することもできる。
ここにおいて、固着部材10としては、ビードコード6に設けた整合面9の相互を化学的に固着させることができる種々の材料を用いることができるが、ビードコア3の製造時の、ビードコード6の相互の固着作業を容易なものとし、ビードコア3の捩れ変形に対して十分な抗力を発揮させるとの観点から、半田付けもしくは接着剤により整合面9を固着させることが好ましく、これらのなかでも特に、半田付けにより固着させる場合は、錫が60%で、鉛が40%の半田を、また、接着剤により固着させる場合は、アルファシアノアクリレート系モノマーを用いることが好ましい。
なお、ビードコード6の相互を、固着部材10により固着させるその他の方法として、そのビードコード6の整合面9の相互を、溶接すること、融着させること、にかわ付けすることおよび、ろう付けすること等ができる。
次にこの発明の空気入りタイヤを試作し、その性能を評価したので以下で説明する。
供試タイヤは、表1に示す、タイヤサイズおよびビード部を変更した各タイヤ1〜6について、実施例タイヤおよび従来例タイヤを各一本ずつとした。これらの供試タイヤ1〜6のそれぞれは、表1に示すように、図9(a)〜(f)に拡大断面図で示すビード部の構造のそれぞれを有するものである。
また、供試タイヤのビードコアはいずれも、スチール製のモノフィラメントコードとした八本のビードコードを、タイヤ幅方向断面で八列六段となるように、タイヤ幅方向に平行に引き揃えた状態で、タイヤ径方向に巻き重ねて構成したものであるが、供試タイヤ1〜6で、それのビードコードの横断面形状を相互に変化させた。
つまり、供試タイヤ1のビードコードの横断面形状は、図10に示す平行四辺形であり、供試タイヤ2〜6のビードコードのそれぞれは、図8(a)〜(e)に示す断面形状のそれぞれを有するものとした。なお、これらの各ビードコードは、図11(a)〜(e)に示すように、横断面の角部に丸みをつけたものである。
供試タイヤ1〜6のうち、実施例タイヤ1〜6はいずれも、ビードコア3の周方向に等間隔をおいて十四箇所で、表1に示すように、固着部材10としての、接着剤または半田付けにより、ビードコード6に設けた整合面9を固着させてなるものとし、ビードコアの周方向のこの固着領域での横断面内では、ビードコード6に設けた整合面9のすべてを、対応する整合面9に固着させた。
なお、半田付けに用いた半田は、錫60%、鉛40%とし、接着剤にはアルファシアノアクリレート系モノマーを用いた。
従来例タイヤ1〜6のそれぞれは、上記の固着部材10に代えて、結束部材によって、ビードコードの束としてなるビードコアを、それの周方向に等間隔をおいて14箇所で拘束したことを除いて、それと同じタイヤサイズおよびビード部構造の実施例タイヤのそれぞれと同様に構成したものである。ここで、これらの結束部材は、炭素を0.45%含む鉄からなり、ビードコアに取り付けたこの結束部材の幅は12mm、それの厚みは0.5mmとした。
Figure 0005623736
(評価方法)
供試タイヤ1〜5については、正規内圧を充填し、正規荷重の160%の荷重の作用の下、時速65km/hで供試タイヤに故障が生じるまで走行させて、実施例タイヤの、故障までの走行距離を、それと同一のタイヤサイズおよびビード部構造の従来例タイヤをコントロールとする指数値で評価した。一方、供試タイヤ6については、正規内圧を充填し、正規荷重の180%の荷重の作用の下、時速17km/hで走行させて、他の供試タイヤと同様に評価した。
その結果を表2に示す。ここで、故障までの走行距離は、数値が大きいほど好ましいことを表している。
なおここで、供試タイヤ2、4および5では、カーカスコードの、ビード部からの引き抜け現象に起因する故障が、ビード部の、カーカスコードの折返し端部で発生した。
一方、供試タイヤ1、3および6に発生した故障は、内圧充填時および負荷転動時に、ビード部が、タイヤ幅方向外側に倒込み変形する度に、ビード部がリムフランジに押し付けられて、カーカスとリムフランジの間のゴム部分が、タイヤ径方向に押し退けられることによって、カーカスコードの折返し部分に隣接する領域に繰り返し生じる応力集中によるものであり、それらの故障箇所のそれぞれを図9に矢印で示す。
Figure 0005623736
表2から、実施例タイヤは、いずれの供試タイヤにおいても、それと同一のタイヤサイズおよびビード部構造の従来例タイヤに比して、故障発生までの走行距離が良好であるから、この発明の空気入りタイヤによれば、ビード部の耐久性能を向上できることが解かり、特に、カーカスコードの折返し端部で故障が発生した供試タイヤ2、4および5では、それのビードコアの横断面形態の崩れを有効に抑制できることが確認された。
1 空気入りタイヤ
2 ビード部
3 ビードコア
4 カーカス
4a カーカスコードの折返し部
5 ベルト
6 ビードコード
7 サイド部
8 トレッド部
9 整合面
10 固着部材
11 分割リム
12 ロックリング
13 シートバンド
14 リムフランジ
15 ビードシート

Claims (4)

  1. ビードコアを埋設配置してなる一対のビード部の周りで折り返されて、それらのビード部の間にトロイド状に延びるカーカスと、そのカーカスのクラウン域のタイヤ半径方向外側に配設したベルトとを具える空気入りタイヤにおいて、
    ビード部に埋設配置したビードコアを、一本以上のビードコードを巻き回して構成し、
    ビードコアの横断面内の少なくとも一部で、隣り合うビードコードのそれぞれに、相互に整合する面を設けるとともに、ビードコアの周方向の少なくとも一部で、それらの整合面の全てを半田付けにより固着させてなる空気入りタイヤ。
  2. ビードコアを埋設配置してなる一対のビード部の周りで折り返されて、それらのビード部の間にトロイド状に延びるカーカスと、そのカーカスのクラウン域のタイヤ半径方向外側に配設したベルトとを具える空気入りタイヤにおいて、
    ビード部に埋設配置したビードコアを、一本以上のビードコードを巻き回して構成し、
    ビードコアの横断面内の少なくとも一部で、隣り合うビードコードのそれぞれに、相互に整合する面を設けるとともに、ビードコアの周方向の少なくとも一部で、それらの整合面の全てを接着剤により固着させてなる空気入りタイヤ。
  3. ビードコアを構成する一本以上のビードコードを、モノフィラメントコードとしてなる請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. ビードコードに設けた整合面の相互を、ビードコアの全周にわたって固着させてなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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