JP6549446B2 - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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本発明は空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤではカーカスが空気入りタイヤの大まかな形状を形成している。そしてカーカスのタイヤ径方向外側にベルトが設けられている。空気入りタイヤの幅方向断面を見ると、カーカスは、タイヤ幅方向中央においてタイヤ径方向外側の頂点を有し、タイヤ幅方向両側においてタイヤ径方向内側へ落ち込んでいる。ベルトは、カーカスに沿って設けられているため、カーカスと同様に、タイヤ幅方向中央においてタイヤ径方向外側の頂点を有し、タイヤ幅方向両側においてタイヤ径方向内側へ落ち込んでいる。
空気入りタイヤが接地するとベルトは平面である地面に近い形に変形する。つまり、ベルトのタイヤ幅方向中央部分は地面によりタイヤ径方向内側へ押され、その反対にベルトのタイヤ幅方向両側部分はタイヤ径方向外側へ動く。そのため空気入りタイヤが転動すると、接地する度にベルトのタイヤ幅方向両側部分がタイヤ径方向外側へ繰り返し動くことになる。その結果、ベルトのタイヤ幅方向両側部分を起点にしてセパレーションが生じやすくなる。
ここで、ベルトの幅が広いほど、ベルトのタイヤ幅方向両側部分は接地のときにタイヤ径方向外側へ大きく動く。そのため、幅の異なる複数のベルトを有する空気入りタイヤでは、より幅の広いベルトのタイヤ幅方向両側部分を起点にしてセパレーションが生じやすい。
ところで、多くの空気入りタイヤでは、ベルトのタイヤ幅方向両側部分とカーカスとの間にベルト下パッドが挿入されている(例えば、特許文献1の空気入りタイヤにおけるベルトクッションゴム10や、特許文献2の空気入りタイヤにおけるベルトクッション層11参照)。ベルト下パッドが挿入されていると、挿入されていないと仮定した場合よりも、ベルトが平面に近い形になっている。そのため、空気入りタイヤが接地したときのベルトのタイヤ幅方向両側部分のタイヤ径方向外側への動く量が小さく、ベルトのタイヤ幅方向両側部分を起点にしたセパレーションが生じにくくなっている。
また、積層された2枚のベルトの間に、タイヤ幅方向両側において厚みが厚くなる緩衝ゴム層を挟むことも提案されている(特許文献3参照)。このような空気入りタイヤでは、タイヤ径方向外側のベルトに関しては、接地面に近い形になるため、ベルト下パッドが挿入されている場合と同様の効果が生じると考えられる。
特開2012−106572号公報 特開2005−35404号公報 特開2004−352040号公報
しかし、ベルト下パッドはベルトのタイヤ径方向内側の面に接しているにすぎないため、ベルトとベルト下パッドとの境界を起点にセパレーションが生じるおそれがある。また、幅が異なる複数のベルトが積層されている場合は、接地したときのベルトのタイヤ幅方向両側部分のタイヤ径方向外側への動く量がベルト毎に異なるため、ベルト下パッドだけではセパレーション防止の効果が足りない場合もある。
また、2枚のベルトの間に緩衝ゴム層が挟まれているだけでは、タイヤ径方向内側のベルトのタイヤ幅方向両側部分を起点にしたセパレーション防止の効果が足りない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、ベルトのタイヤ幅方向両側部分を起点にしたセパレーションが生じにくい空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを課題とする。
本実施形態の空気入りタイヤは、カーカスのタイヤ径方向外側に複数のベルトが積層されたベルト層を備え、前記ベルト層が少なくともタイヤ径方向の一番内側の第1ベルトとそのタイヤ径方向外側の第2ベルトとを含み、前記第1ベルトの幅が前記第2ベルトの幅よりも広い空気入りタイヤであって、前記第1ベルトの端部と前記第2ベルトの端部とをそれぞれ包むゴム部材である緩衝材がタイヤ幅方向両側にそれぞれ配置され、前記緩衝材は、前記カーカスと前記第1ベルトとの間に挿入される部分を有してこれらを離隔させるとともに、前記第1ベルトと前記第2ベルトとの間に挿入される部分を有してこれらを離隔させ、前記カーカスと前記第1ベルトとがなす角度θ1が、前記第1ベルトと前記第2ベルトとがなす角度θ2より大きく、前記第1ベルトのタイヤ幅方向中央部からタイヤ幅方向端部までのタイヤ幅方向の長さをBW1、タイヤの接地面におけるタイヤ幅方向中央部とそこからタイヤ幅方向へBW1の長さ離れた部分との間のタイヤ径方向の落ち込み量をT1とすると、前記角度θ1は
1/2×tan -1 (T1/BW1) ≦ θ1 ≦ 3×tan -1 (T1/BW1)
の範囲にあり、前記第2ベルトのタイヤ幅方向中央部からタイヤ幅方向端部までのタイヤ幅方向の長さをBW2、タイヤの接地面におけるタイヤ幅方向中央部とそこからタイヤ幅方向へBW2の長さ離れた部分との間のタイヤ径方向の落ち込み量をT2とすると、前記角度θ2は
1/2×tan -1 (T2/BW2) ≦ θ2 ≦ 3×tan -1 (T2/BW2)
の範囲にあることを特徴とする。
また、本実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、カーカスのタイヤ径方向外側に複数のベルトが積層されたベルト層を形成するベルト貼り付け工程を含み、前記ベルト貼り付け工程において、ベルト層におけるタイヤ径方向の一番内側の第1ベルトの上に、前記第1ベルトよりも幅が狭い第2ベルトを積層する空気入りタイヤの製造方法であって、前記ベルト貼り付け工程では、タイヤ幅方向両側において、前記第1ベルトの端部と前記第2ベルトの端部とを、一部材として成型されたゴム部材である緩衝材で包んで、前記緩衝材の一部である第1挿入部を前記カーカスと前記第1ベルトとの間に挿入してこれらを離隔させるとともに、前記緩衝材の別の一部である第2挿入部を前記第1ベルトと前記第2ベルトとの間に挿入してこれらを離隔させ、前記カーカスと前記第1ベルトとがなす角度θ1を、前記第1ベルトと前記第2ベルトとがなす角度θ2より大きくすることを特徴とする。
本実施形態の空気入りタイヤでは、ベルトのタイヤ幅方向両側部分を起点にしたセパレーションが生じにくい。また本実施形態の空気入りタイヤの製造方法によれば、このよう空気入りタイヤを正確に製造することができる。
本実施形態の空気入りタイヤ10の幅方向半断面図。 本実施形態の空気入りタイヤ10における緩衝材30付近の幅方向半断面図。 本実施形態の空気入りタイヤ10の簡略化された幅方向半断面図。 単体部品としての緩衝材30のタイヤ幅方向の断面図。 変更例の空気入りタイヤの緩衝材130付近の幅方向半断面図。
本実施形態の空気入りタイヤ10について図面に基づき説明する。なお図面では、説明のために、一部の長さや形状、ある部分と別の部分との大きさや角度の比率等が、誇張されて描かれている場合がある。
図1、図2に本実施形態の空気入りタイヤ10を示す。本実施形態の空気入りタイヤ10は、束ねられた鋼線にゴムが被覆されたビードコア11と、ビードコア11のタイヤ径方向外側に設けられたゴム製のビードフィラー12とからなるビード部を、タイヤ幅方向両側に有する。カーカス13が、タイヤ幅方向両側でビード部を包むと共に、これらのビード部間で空気入りタイヤ10の骨格を形成している。カーカス13は複数のプライコードがゴムで被覆されて形成されたものである。プライコードとしては、ポリエステルやナイロン等でできた有機繊維コードや、スチールコード等が用いられる。本実施形態ではカーカス13が2枚設けられているが、枚数はこれに限定されない。
カーカス13よりタイヤ径方向外側には複数のベルトが積層されたベルト層20が設けられている。ベルトはスチール製等の複数本のコードがゴムで被覆されたものである。本実施形態では、ベルト層20ではタイヤ径方向内側の第1ベルト22とタイヤ径方向外側の第2ベルト24とが積層されている。第1ベルト22の幅は第2ベルト24の幅よりも広い。そのため第1ベルト22の端部22aは第2ベルト24の端部24aよりもタイヤ幅方向外側にある。
ベルト層20よりタイヤ径方向外側にはベルト補強層14が設けられている。ベルト補強層14は、有機繊維製等の複数本のコードがゴムで被覆されたものである。ベルト補強層14は、第1ベルト22及び第2ベルト24をタイヤ径方向外側から覆っている。ベルト補強層14よりタイヤ径方向外側には接地面を有するトレッド15が設けられている。接地面の曲率はタイヤ幅方向の場所により異なり、タイヤ幅方向中央側では曲率が小さく(曲率半径が大きく)、タイヤ幅方向外側では曲率が大きい(曲率半径が小さい)。
また、カーカス13のタイヤ幅方向両側にはサイドウォール17が、カーカス13の内側にはインナーライナー18が、それぞれ設けられている。以上の部材の他にも空気入りタイヤ10の機能上の必要性に応じて複数の部材が設けられている。
タイヤ幅方向両側において、カーカス13よりタイヤ径方向外側に緩衝材30が配置されている。緩衝材30は一部材として成型されたゴム部材である。図2に示されているように、緩衝材30は第1ベルト22の端部22a及び第2ベルト24の端部24aをそれぞれ包んでいる。緩衝材30は、これらのベルトの端部を包むために、カーカス13と第1ベルト22との間に挿入される第1挿入部32と、第1ベルト22と第2ベルト24との間に挿入される第2挿入部34と、第2ベルト24のタイヤ径方向外側の面に載るカバー部36とを有する。緩衝材30が第1挿入部32及び第2挿入部34を有するため、タイヤ幅方向両側において、カーカス13と第1ベルト22はタイヤ径方向に離隔し、また第1ベルト22と第2ベルト24もタイヤ径方向に離隔している。ただし、緩衝材30よりもタイヤ幅方向内側の領域では、カーカス13と第1ベルト22は接し、また第1ベルト22と第2ベルト24も接している。そのため、第1ベルト22はその全体がカーカス13に接している場合よりも平面に近くなっており、第2ベルト24もその全体が第1ベルト22に接している場合よりも平面に近くなっている。
タイヤ幅方向両側において、カーカス13と第1ベルト22とが角度θ1をなし、第1ベルト22と第2ベルト24とが角度θ2をなしている。そしてθ1はθ2より大きい。ここで、第1挿入部32のタイヤ幅方向内側の先端部をa、第1挿入部32のタイヤ幅方向外側端部の第1ベルト22側の部分をb、カーカス13側の部分をcとする。その場合において、カーカス13と第1ベルト22とがなす角度θ1とは、aとbを結ぶ直線とaとcを結ぶ直線とがなす角度のことである。また、第2挿入部34のタイヤ幅方向内側の先端部をd、第2挿入部34のタイヤ幅方向外側端部の第2ベルト24側の部分をe、第1ベルト22側の部分をfとする。その場合において、第1ベルト22と第2ベルト24とがなす角度θ2とは、dとeを結ぶ直線とdとfを結ぶ直線とがなす角度のことである。
角度θ1及び角度θ2はそれぞれ一定範囲内の角度であることが望ましい。図3に基づき説明すると、まず、空気入りタイヤ10にエアが充填されておらず負荷もかかっていない状態での、第1ベルト22のタイヤ幅方向中央部からタイヤ幅方向端部までのタイヤ幅方向の長さをBW1とし、タイヤ幅方向中央部とそこからタイヤ幅方向へBW1の長さ離れた部分との間のタイヤ接地面gのタイヤ径方向の落ち込み量をT1とする。その場合に角度θ1は、
1/2×tan-1(T1/BW1) ≦ θ1 ≦ 3×tan-1(T1/BW1)
の範囲にあることが望ましい。
また、空気入りタイヤ10にエアが充填されておらず負荷もかかっていない状態での、第2ベルト24のタイヤ幅方向中央部からタイヤ幅方向端部までのタイヤ幅方向の長さをBW2とし、タイヤ幅方向中央部とそこからタイヤ幅方向へBW2の長さ離れた部分との間のタイヤ接地面gのタイヤ径方向の落ち込み量をT2とする。その場合に角度θ2は、
1/2×tan-1(T2/BW2) ≦ θ2 ≦ 3×tan-1(T2/BW2)
の範囲にあることが望ましい。
第1挿入部32及び第2挿入部34のタイヤ幅方向外側の端部でのタイヤ径方向の厚み(図2におけるbとcを結ぶ直線の長さ及びeとfを結ぶ直線の長さ)は、例えば2mm以上5mm以下である。またカバー部36のタイヤ径方向の厚みは、例えば平均で0.3mm以上である。
図4は単体部品としての緩衝材30のタイヤ幅方向断面図である。後述するベルト貼り付け工程前では緩衝材30はこの形状となっている。緩衝材30は上記のように第1挿入部32、第2挿入部34、カバー部36を有する。第1挿入部32と第2挿入部34との間の部分は第1溝33となっており、ここに第1ベルト22が挿入される。第2挿入部34とカバー部36との間の部分は第2溝35となっており、ここに第2ベルト24が挿入される。
第1挿入部32と第2挿入部34は、タイヤ幅方向内側へ向かって徐々に薄くなっており、タイヤ幅方向断面上で略三角形となっている。ただし厳密には、第1挿入部32の第1溝33側の面(第1面32a)及び第2挿入部34の第2溝35側の面(第2面34a)は、空気入りタイヤ10の接地面と逆方向(タイヤ径方向に逆向き)に曲がった曲面となっていることが望ましい。つまり、タイヤ幅方向断面上で見ると、第1面32a及び第2面34aは、これらの面のタイヤ幅方向両端部を結ぶ直線h、iに対して、タイヤ径方向内側への凹部を形成していることが望ましい。ただし第1面32a及び第2面34aは平面であっても良い。
ここで、空気入りタイヤ10の接地面のうち緩衝材30よりタイヤ径方向外側にあたる部分の曲率をRとする。なお曲率Rは空気入りタイヤ10にエアが充填されておらず負荷もかかっていない状態での曲率である。その場合に、第1面32a及び第2面34aは、接地面とは逆方向に曲がった曲面であって、曲率R又はそれよりも大きな曲率(小さな曲率半径)を持つものであることが望ましい。ただし、第1面32a及び第2面34aの凹み量j、kは、第1面32a及び第2面34aが曲率Rを持った曲面である場合のこれらの面の凹み量の2倍までであることが望ましい。ここで第1面32a及び第2面34aの凹み量j、kとは、これらの面のタイヤ幅方向両端部を結ぶ直線h、iに対し最も大きく凹んでいる部分での、直線h、iに垂直な方向の凹み量のことである。
以上の構造の空気入りタイヤ10は、緩衝材30、第1ベルト22、第2ベルト24の貼り付け方法を除き、次に例示するような周知の方法で製造される。
始めに、インナーライナー18及びカーカス13をドラム上で円筒状に巻く。そして円筒状のカーカス13の幅方向中央領域を避けた2箇所にビードコア11及びビードフィラー12を配置する。次に、カーカス13の幅方向両側部分をビードコア11の位置で折り返すターンアップを行い、ビードコア11及びビードフィラー12をカーカス13で包み込む。次にカーカス13にサイドウォール17を貼り付けて一次ケースを完成させる。その後、一次ケースをトロイド状に膨張させ、カーカス13の上に後述する方法でベルト層20及び緩衝材30を貼り付ける。さらにベルト層20の上にベルト補強層14及びトレッド15を貼り付け、グリーンタイヤを完成させる。その後、グリーンタイヤをモールド内で加硫成型し、空気入りタイヤ10として完成させる。
ここで、カーカス13の上にベルト層20及び緩衝材30を貼り付けるベルト貼り付け工程では、タイヤ幅方向両側において、第1ベルト22の端部22aと第2ベルト24の端部24aとを緩衝材30で包む。その際、第1挿入部32をカーカス13と第1ベルト22との間に挿入してこれらを離隔させるとともに、第2挿入部34を第1ベルト22と第2ベルト24との間に挿入してこれらを離隔させる。そして、カーカス13と第1ベルト22とがなす角度θ1を、第1ベルト22と第2ベルト24とがなす角度θ2より大きくする。
ベルト貼り付け工程における、カーカス13への緩衝材30、第1ベルト22、第2ベルト24の詳細な貼り付け方法を2つ示す。1つ目の方法においては、予め、緩衝材30の第1溝33に第1ベルト22を、第2溝35に第2ベルト24を、それぞれ挿入して、これらの部材が一体化した一体化部材としておく。そして、カーカス13に前記一体化部材を貼り付ける。ベルトが3枚以上ある場合は3枚目以降のベルトを第2ベルト24の上に貼り付けることになるが、その貼り付けは前記一体化部材をカーカス13に貼り付ける前に行っても後に行っても良い。2つ目の方法においては、まず、カーカス13の幅方向両側に緩衝材30をそれぞれ貼り付ける。次に、緩衝材30を変形させて第1溝33を開き、そこへ第1ベルト22を挿入する。続けて第2溝35を開き、そこへ第2ベルト24を挿入する。ベルトが3枚以上ある場合は3枚目以降のベルトを第2ベルト24の上に貼り付ける。
以上のようにして完成した空気入りタイヤ10の中では、緩衝材30はベルト貼り付け工程前の図4の形状から、図2の形状へ変形している。特に、第1挿入部32の第1面32a及び第2挿入部34の第2面34aは、単体部品としての緩衝材30におけるこれらの曲面とは逆方向に曲がった曲面となっているか、平面となっている。この変形は前記ベルト貼り付け工程中又は前記ベルト貼り付け工程後の加硫成型中に起こっている。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、第1ベルト22の端部22aと第2ベルト24の端部24aが緩衝材30に包まれ、これらのベルトの端部付近の部分がタイヤ径方向内側と外側の両方から緩衝材30により挟まれているため、これらのベルトの端部を起点としたセパレーションが生じ難い。ここで緩衝材30は一部材として成型されたゴム部材である。そのため、緩衝材が成型後の2以上のゴム部材が接合されたものであればその接合面が割れてセパレーションが生じるおそれがあるが、本実施形態の緩衝材30ではそのおそれが無い。また緩衝材30の製造工程も少なく済む。
さらに本実施形態では、タイヤ幅方向両側において、第1ベルト22がカーカス13から離隔し、第2ベルト24が第1ベルト22から離隔している。そのため、第1ベルト22及び第2ベルト24が平面に近い形になっている。そのため、空気入りタイヤ10が接地してもベルトのタイヤ幅方向両側部分の動く量が小さく、セパレーションが生じ難い。
また従来の空気入りタイヤでは、ベルトは、その幅が広いほど、タイヤ幅方向両側においてタイヤ径方向内側へ落ち込んでいる。そのため、ベルトの幅が広いほど、接地時にそのタイヤ幅方向両側部分はタイヤ径方向外側へ大きく動く。その結果セパレーションが生じ易い。しかし本実施形態の空気入りタイヤ10では、カーカス13と第1ベルト22とがなす角度θ1が、第1ベルト22と第2ベルト24とがなす角度θ2より大きいため、第1ベルト22は幅が広いにもかかわらず平面に近い形になっている。そのため、空気入りタイヤ10が接地したときの、第1ベルト22のタイヤ幅方向両側部分のタイヤ径方向外側への動きが小さい。そのため第1ベルト22のタイヤ幅方向両側部分を起点にしたセパレーションが生じにくい。
また、角度θ1が
1/2×tan-1(T1/BW1) ≦ θ1 ≦ 3×tan-1(T1/BW1)
の範囲にあり、角度θ2が、
1/2×tan-1(T2/BW2) ≦ θ2 ≦ 3×tan-1(T2/BW2)
の範囲にあれば、空気入りタイヤ10の接地時に、第1ベルト22及び第2ベルト24が接地面に近い形状になる。しかも、θ1やθ2が大きすぎて、第1ベルト22の端部22aや第2ベルト24の端部24aがこれらのベルトの中央部よりもタイヤ径方向外側に反り上がることを防ぐことができる。
また、ベルト貼り付け工程前に、緩衝材30における第1ベルト22が載る面である第1面32aと第2ベルト24が載る面である第2面34aとを接地面と逆方向に曲がった曲面としておけば、ベルト貼り付け工程中又は加硫成型中にその曲面が変形することにより、これらの面に載っている第1ベルト22及び第2ベルト24を平面に近い形にすることができる。
ここで、第1面32a及び第2面34aの曲率を前記曲率R又はそれよりも大きな曲率としておくことにより、完成した空気入りタイヤ10における第1ベルト22及び第2ベルト24をより平面に近い形にすることができる。また、第1面32a及び第2面34aの凹み量j、kを、これらの面の曲率を前記曲率Rとした場合のこれらの面の凹み量の2倍までとしておくことにより、完成した空気入りタイヤ10において第1ベルト22の端部22aや第2ベルト24の端部24aがこれらのベルトの中央部よりもタイヤ径方向外側に反り上がることを防ぐことができる。
以上の実施形態に対して、発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な変更、置換、省略等を行うことができる。
変更例の空気入りタイヤの緩衝材130付近の幅方向半断面図を図5に示す。なお図5において、図2の実施形態のものと共通する部材等には、図2における符号と同じ符号が付してある。この変更例では緩衝材130のタイヤ径方向内側にベルト下パッド140が設けられている。つまり、タイヤ幅方向両側において、カーカス13と第1ベルト22との間に緩衝材130の第1挿入部132とベルト下パッド140が挿入されている。そしてこの状態でカーカス13と第1ベルト22とが角度θ1をなしている。θ1は上記実施形態と同じくθ2より大きい。また、上記実施形態と同じく、角度θ1が
1/2×tan-1(T1/BW1) ≦ θ1 ≦ 3×tan-1(T1/BW1)
の範囲にあることが望ましい。
また、ベルト層は少なくともタイヤ径方向の一番内側の第1ベルトとそのタイヤ径方向外側の第2ベルトとを含んでいれば良い。つまりベルト層には3枚以上のベルトが積層されていても良い。その場合も第1ベルトの幅が前記第2ベルトの幅よりも広く、これらのベルトの端部が上記実施形態のような緩衝材でそれぞれ包まれている。
比較例及び実施例の空気入りタイヤのベルトセパレーション性を評価した。ベルトセパレーションとはベルト端部からのセパレーションのことで、ベルトセパレーション性とはベルトセパレーションの生じ難さのことである。比較例及び実施例の空気入りタイヤの特徴は表1の通りである。比較例1の空気入りタイヤは、特開2004−352040号公報の実施形態の空気入りタイヤを再現したものである。比較例2の空気入りタイヤは、第1ベルトと第2ベルトとこれらの端部を包む緩衝材を備えるが、カーカスと第1ベルトとがなす角度θ1が、第1ベルトと第2ベルトとがなす角度θ2より小さい。これに対し、実施例1及び実施例2の空気入りタイヤは、上記実施形態と同じく、第1ベルトと第2ベルトとこれらの端部を包む緩衝材を備え、カーカスと第1ベルトとがなす角度θ1が、第1ベルトと第2ベルトとがなす角度θ2より大きい。実施例1の空気入りタイヤは、ベルト貼り付け工程前において、上記実施形態の緩衝材30の第1面32a及び第2面34aに相当する面が曲面であったものである。実施例2の空気入りタイヤは、ベルト貼り付け工程前において、これらの面が平面であったものである。いずれの空気入りタイヤも、サイズが265/70R16、第1ベルトの幅が214mm、第2ベルトの幅が202mmである。
これらの空気入りタイヤを、正規リムにリム組みし正規内圧とし正規荷重を負荷して、ドラム試験機上で走行させた。そして、ベルトセパレーションが発生するまでの走行距離を測定した。なお正規リムとはJATMA、TRA、ETRTO等の規格に定められている標準リムのことである。また正規荷重とは前記規格に定められている最大荷重のことである。また正規内圧とは前記最大荷重に対応した内圧のことである。比較例1の測定結果を100とし、その他の空気入りタイヤの測定結果をこれに対する相対的な指数で表した。指数が大きいほどベルトセパレーションが発生するまでの走行距離が長く、ベルトセパレーション性に優れていることを表している。
結果は表1の通りで、実施例の空気入りタイヤは比較例の空気入りタイヤよりもベルトセパレーション性に優れることが確認できた。
10…空気入りタイヤ、11…ビードコア、12…ビードフィラー、13…カーカス、14…ベルト補強層、15…トレッド、17…サイドウォール、18…インナーライナー、20…ベルト層、22…第1ベルト、22a…第1ベルト22の端部、24…第2ベルト、24a…第2ベルト24の端部、30…緩衝材、32…第1挿入部、32a…第1面、33…第1溝、34…第2挿入部、34a…第2面、35…第2溝、36…カバー部、130…緩衝材、132…第1挿入部、140…ベルト下パッド

Claims (3)

  1. カーカスのタイヤ径方向外側に複数のベルトが積層されたベルト層を備え、前記ベルト層が少なくともタイヤ径方向の一番内側の第1ベルトとそのタイヤ径方向外側の第2ベルトとを含み、前記第1ベルトの幅が前記第2ベルトの幅よりも広い空気入りタイヤにおいて、
    前記第1ベルトの端部と前記第2ベルトの端部とをそれぞれ包むゴム部材である緩衝材がタイヤ幅方向両側にそれぞれ配置され、
    前記緩衝材は、前記カーカスと前記第1ベルトとの間に挿入される部分を有してこれらを離隔させるとともに、前記第1ベルトと前記第2ベルトとの間に挿入される部分を有してこれらを離隔させ、
    前記カーカスと前記第1ベルトとがなす角度θ1が、前記第1ベルトと前記第2ベルトとがなす角度θ2より大きく、
    前記第1ベルトのタイヤ幅方向中央部からタイヤ幅方向端部までのタイヤ幅方向の長さをBW1、タイヤの接地面におけるタイヤ幅方向中央部とそこからタイヤ幅方向へBW1の長さ離れた部分との間のタイヤ径方向の落ち込み量をT1とすると、前記角度θ1は
    1/2×tan -1 (T1/BW1) ≦ θ1 ≦ 3×tan -1 (T1/BW1)
    の範囲にあり、
    前記第2ベルトのタイヤ幅方向中央部からタイヤ幅方向端部までのタイヤ幅方向の長さをBW2、タイヤの接地面におけるタイヤ幅方向中央部とそこからタイヤ幅方向へBW2の長さ離れた部分との間のタイヤ径方向の落ち込み量をT2とすると、前記角度θ2は
    1/2×tan -1 (T2/BW2) ≦ θ2 ≦ 3×tan -1 (T2/BW2)
    の範囲にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. カーカスのタイヤ径方向外側に複数のベルトが積層されたベルト層を形成するベルト貼り付け工程を含み、前記ベルト貼り付け工程において、ベルト層におけるタイヤ径方向の一番内側の第1ベルトの上に、前記第1ベルトよりも幅が狭い第2ベルトを積層する空気入りタイヤの製造方法において、
    前記ベルト貼り付け工程では、タイヤ幅方向両側において、前記第1ベルトの端部と前記第2ベルトの端部とを、一部材として成型されたゴム部材である緩衝材で包んで、前記緩衝材の一部である第1挿入部を前記カーカスと前記第1ベルトとの間に挿入してこれらを離隔させるとともに、前記緩衝材の別の一部である第2挿入部を前記第1ベルトと前記第2ベルトとの間に挿入してこれらを離隔させ、
    前記カーカスと前記第1ベルトとがなす角度θ1を、前記第1ベルトと前記第2ベルトとがなす角度θ2より大きくする、
    空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記ベルト貼り付け工程前に前記第1挿入部の前記第1ベルト側の面及び前記第2挿入部の前記第2ベルト側の面をタイヤの接地面と逆方向に曲がった曲面とし、前記ベルト貼り付け工程中又はその後の加硫成型中にその曲面を変形させる、請求項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
JP2015161198A 2015-08-18 2015-08-18 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 Active JP6549446B2 (ja)

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