JP5443969B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの軽量化を図りつつ、カーカスプライの吹き抜けを防止しうる空気入りタイヤに関する。
従来、図8(a)に示されるように、空気入りタイヤの骨格をなすカーカスaは、通常、ビードコアb、b間をトロイド状にのびる本体部p1と、非伸張性のビードコアbの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部p2とを一体に有する1枚のカーカスプライpを含んでいる。前記カーカスプライpの折返し部p2は、ビードエーペックスcのタイヤ軸方向外面位置又はビードエーペックスcの外端を外側に越えた位置まで延在している。なお、図8(b)は、前記カーカスプライpが2枚の例を示す。
上述のような空気入りタイヤは、カーカスプライpの折返し部p2が、ビードコアbやビードエーペックスcと広い範囲で接触するため、内圧及び/又は負荷荷重によりカーカスプライの折返し部p2が本体部p1側へと移動するいわゆる吹き抜けに対して高い耐力を示す。しかしながら、長さが大きい折返し部p2は、タイヤ質量の増加を招く他、その外端に歪が集中し易く、ルース等の損傷の起点になるという問題があった。
そこで、図9(a)に示されるように、ビードコアbを複数個に分割し、その間でカーカスプライpの端部分p3を屈曲させて挟持したビード構造が提案されている。このようなビード構造では、折返し部を無くすことができるため、タイヤの軽量化には有効である。しかしながら、このビード構造では、カーカスプライの端部分p3とビードコアbとの接触面積が小さいため、吹き抜けが生じ易いという欠点があった。また、カーカスプライpの本体部p1に内圧や大きな張力が作用すると、ビードエーペックスcがビードコアbから引き剥がれやすく、耐久性においても難があった。
また、図9(b)に示されるように、ビードコアbがタイヤ軸方向に分割されるとともに、その間でカーカスプライpの端部分p4を狭持したビード構造も提案されている。しかしながら、このようなビード構造では、カーカスプライpの本体部p1に作用する張力がそのまま端部分p4に作用するため、やはり吹き抜けが生じやすいという欠点があった。
特開2005−112075号公報 特開2004−9894号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、ビードコアを、タイヤ半径方向で2つに分割された外側の外側コア片と、その内側の内側コア片とで構成するとともに、それらの間にカーカスプライの端部分が挿入されるビードコアの最大幅に亘る小隙間を形成し、しかもこの小隙間に、カーカスプライの前記端部分を実質的に90度で折り曲げる少なくとも2カ所の屈曲部を設けることを基本として、軽量化を図りつつカーカスプライの吹き抜けを防止しうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアで係止された少なくとも1枚のカーカスプライを有するカーカスを具えた空気入りタイヤであって、前記ビードコアは、タイヤ半径方向に少なくとも2つに分割された最も外側の外側コア片と、その内側の内側コア片とを含み、前記外側コア片のタイヤ半径方向内側面と、前記内側コア片のタイヤ半径方向外側面とは、実質的に前記ビードコアのタイヤ軸方向の最大幅に亘って小隙間を隔てて互いに向き合って配され、前記カーカスプライの端部分は、タイヤ軸方向一端側から前記小隙間を通ってビードコアのタイヤ軸方向の他端で終端するとともに、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記小隙間は、前記カーカスプライの前記端部分を、実質的に90度で折り曲げる少なくとも2カ所の屈曲部を有し、前記内側コア片のタイヤ半径方向外側面は、タイヤ軸方向他端側に位置する大外径部と、この大外径部の前記タイヤ軸方向一端側に位置しかつ大外径部よりも小さい外径の小外径部と、これらの間を継ぐ内の段差面とを含み、前記外側コア片のタイヤ半径方向内側面は、前記内側コア片の前記大外径部に向き合う大内径部と、この大内径部の前記タイヤ軸方向一端側に位置しかつ前記内側コア片の前記小外径部に向き合う小内径部と、これらの間を継ぐ外の段差面とを含むことを特徴とする。

また請求項2記載の発明は、前記カーカスプライの端部分は、タイヤ軸方向内側から前記小隙間を通ってビードコアのタイヤ軸方向の外端で終端する請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記カーカスプライの端部分は、タイヤ軸方向外側から前記小隙間を通ってビードコアのタイヤ軸方向の内端で終端する請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記内側コア片及び外側コア片は、スチール素線を巻き付けることによりそれぞれ形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記カーカスは、2枚のカーカスプライからなり、前記ビードコアは、タイヤ半径方向に3つに分割されることにより、前記外側コア片と、前記内側コア片と、前記内側コア片の内側に配された副コア片とからなり、前記内側コア片のタイヤ半径方向内側面と、前記副コア片のタイヤ半径方向外側面とは、前記ビードコアのタイヤ軸方向の最大幅に亘って第2の小隙間を隔てて互いに向き合って配され、少なくとも1枚のカーカスプライの端部は、タイヤ軸方向一端側から前記第2の小隙間を通って該第2の小隙間のタイヤ軸方向の他端で終端するとともに、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記第2の小隙間は、前記カーカスプライの前記端部分を、実質的に90度で折り曲げる少なくとも2カ所の屈曲部を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記少なくとも1枚のカーカスプライの端部は、タイヤ軸方向内側から前記第2の小隙間を通って該第2の小隙間のタイヤ軸方向の外端で終端する請求項5記載の空気入りタイヤである。
また請求項7記載の発明は、前記少なくとも1枚のカーカスプライの端部分は、タイヤ軸方向外側から前記第2の小隙間を通って該第2の小隙間のタイヤ軸方向の内端で終端する請求項5記載の空気入りタイヤである。

本発明では、ビードコアが、タイヤ半径方向に少なくとも2つに分割された最も外側の外側コア片と、その内側の内側コア片とを含み、外側コア片のタイヤ半径方向内側面と、内側コア片のタイヤ半径方向外側面とは、実質的に前記ビードコアのタイヤ軸方向の最大幅に亘る小隙間を隔てて互いに向き合って配されている。また、カーカスプライの端部分は、タイヤ軸方向内側から前記小隙間を通って該小隙間のタイヤ軸方向の外端で終端する。これにより、カーカスプライの折返し部を無くすことができるため、タイヤを軽量化できる。
また、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、ビードコアの前記小隙間は、カーカスプライの端部分を、実質的に90度で折り曲げる少なくとも2カ所の屈曲部を有する。このように、ビードコア内で2カ所の屈曲部を設けることにより、カーカスプライの端部分がビードコア内で大きな接触長さを有して固定されるため、吹き抜けに対して高い耐力を示すことができる。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤを示す右半分の断面図である。 図1のビード部の拡大図である。 そのビードコアの拡大断面図である。 (a)、(b)は、本実施形態のビード構造の形成方法を説明する断面図である。 (a)、(b)は本発明の他の実施形態を示すビード部の断面略図である。 本発明のさらに他の実施形態を示すビード部の断面略図である。 本発明のさらに異なる他の実施形態を示すビード部の断面略図である。 (a)、(b)は従来のビード部の断面図である。 (a)、(b)はさらに従来のビード部の断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5で係止されたカーカスプライ6Aを有するカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7と、このビードコア5のタイヤ半径方向外面から半径方向外方にテーパ状でのびるビードエーペックス8とを具え、本実施形態では、乗用車用のラジアルタイヤの正規状態が示されている。そして、本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等はこの正規状態での値である。
前記正規状態とは、タイヤ1を正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の状態である。また、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また、前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"とし、タイヤが乗用車用の場合には、一律に180kPaとする。
前記ベルト層7は、例えばスチールからなるベルトコード(図示せず)をタイヤ赤道Cに対して、例えば15〜45°の角度で傾けて配列した内、外2枚のベルトプライ7A、7Bからなり、各ベルトプライ7A、7Bは、前記スチールコードが互いに交差する向きで重ねられている。
前記カーカス6は、前記ビードコア5、5間を跨るトロイド状の本体部分10と、この本体部分10に連なりビードコア5で係止される端部分11とを一連に設けたカーカスコード6cの層からなる少なくとも1枚(本実施形態では1枚)のカーカスプライ6Aから構成される。
図2に示されるように、前記カーカスプライ6Aは、平行に引き揃えたカーカスコード6cの配列体と、その両側を被覆するトッピングゴム6Gとで構成されている。そして、カーカスプライ6Aは、前記カーカスコード6cがタイヤ赤道Cに対して例えば80〜90°の角度となるように配されている。なお、カーカスコード6cには、ナイロン、ポリエステル、レーヨン又は芳香族ポリアミド等の有機繊維コードが好適に採用される。
前記ビードコア5は、図2に拡大して示されるように、タイヤ半径方向に少なくとも2つ、本実施形態では2つに分割された最も外側の外側コア片5aと、その内側の内側コア片5bとから構成される。
本実施形態において、各外側コア片5a及び内側コア片5bは、それぞれスチールからなる断面円形のスチール素線5sの外周面をビードコーティングゴム5Gで被覆したビードワイヤ5wを多段多列に巻き重ねることにより所定の断面形状として形成される。
また、外側コア片5a及び内側コア片5bには、それぞれ同一線径のスチール素線5sが用いられている。乗用車用のラジアルタイヤの場合、前記線径は、好ましくは0.8〜1.60mm程度が好適である。ただし、必要に応じて、外側コア片5aと内側コア片5bとでスチール素線5sの材質及び/又は線径を違えることもできる。また、各コア片5a、5bは、ビードワイヤ5wの巻き重ね体以外にも、スチール材料の一体成形品であっても良い。
図3には、図1のビードコア5の拡大断面図が示される。
図3に示されるように、内側コア片5bのタイヤ半径方向外側面5byは、タイヤ軸方向の外側に位置する大外径部12と、この大外径部12のタイヤ軸方向の内側に位置しかつ大外径部よりも小さい外径の小外径部13と、これらの間を継ぐ内の段差面14とを含んで構成される。
小外径部13は、タイヤ半径方向に2段に巻き付けられたビードワイヤ5wのスチール素線5sの最外側面に引いた接線がなす外径DAを有する部分である。また、大外径部12は、小外径部13よりも1周分多く巻き付けられたビードワイヤ5wのスチール素線5sの最外側面に引いた接線がなす外径D1を有する部分である。内の段差面14は、大外径部12のタイヤ軸方向最内側のスチール素線5sに接しかつ小外径部13と大外径部12とを継ぐタイヤ半径方向線とする。よって、外径差(D1−DA)の1/2は、ビードワイヤ5wのスチール素線径にほぼ等しいか、これよりも僅かに大きく形成される。
また、外側コア片5aのタイヤ半径方向内側面5axは、内側コア片5bの大外径部12に向き合う大内径部15と、この大内径部15のタイヤ軸方向の内側に位置しかつ前記内側コア片5bの小外径部13に向き合う小内径部16と、これらの間を継ぐ外の段差面17とから構成される。
前記小内径部16は、タイヤ半径方向に3段に巻き付けられたビードワイヤ5wのうち、最内層のビードワイヤ5wのスチール素線5sの最内側面に引いた接線がなす内径D2を有する部分である。また、大内径部15は、小内径部16よりも内層の巻き数を1段減らすことにより形成され、その最内層のビードワイヤ5wのスチール素線5sの最内側面に引いた接線がなす内径DBを有する部分である。よって、前記内径の差(DB−D2)の1/2も、ビードワイヤ5wのスチール素線径にほぼ等しいか、これよりも僅かに大きく形成される。
なお図2及び3に示されるように、外側コア片5aの大内径部15は、タイヤ軸方向の内側に設けられる。これにより、カーカスプライ6Aの本体部分10に作用する張力に対して、大きな摩擦力を発揮して吹き抜けを防止するとともに、カーカスプライ6Aの端部分11の長さを出来るだけ短くする。
また、外側コア片5aの内側面5axと、内側コア片5bの外側面5byとは、実質的にビードコア5のタイヤ軸方向の最大幅BWに亘ってのびる小隙間Sを隔てて互いに向き合って配される。ビードコア5の外側コア片5aと内側コア片5bとは、前記小隙間Sを設けるために、タイヤ軸方向に位置ズレ量dを有して向き合っている。そして、本明細書において、「実質的に」ビードコア5のタイヤ軸方向の最大幅BWに亘ってのびるとは、小隙間Sが、ビードコア5のタイヤ軸方向の最大幅BWと等しい長さを有する態様の他、前記最大幅BWから位置ズレ量dを引いた長さである場合を包含するものとする。
前記小隙間Sには、前記カーカスプライ6Aの端部分11が、ビードコア5のタイヤ軸方向一端側(本実施形態ではタイヤ軸方向内側)から挿入され、該端部分11はビードコア5のタイヤ軸方向の他端(本実施形態では外端)Stで終端する。このようなカーカスプライ6Aは、折返し部を無くすことができるから、従来のタイヤに比して軽量化を図ることができる。
また、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記小隙間Sは、カーカスプライ6Aの端部分11を、実質的に90度で折り曲げる少なくとも2カ所、本実施形態では2カ所の屈曲部9、9を有するクランク状をなしている。これにより、カーカスプライ6Aの端部分11は、実質的に変形しない非伸張性のビードコア5の外側コア片5aと内側コア片5bとの間で大きな接触面積の下で狭持される。しかも、複数箇所の屈曲部9をビードコア5内部に形成することにより、カーカスプライ6Aの端部分11とビードコア5との係合力が顕著に大きくなる。とりわけ、係合力を効果的に高めるには、屈曲部9は、本実施形態のように、ビードワイヤ5wのスチール素線径を少なくともタイヤ半径方向には1スパン、及び/又は少なくともタイヤ軸方向には2スパンとして折れ曲がるのが望ましい。
また、カーカスプライ6Aの本体部分10に張力が作用した場合、それに伴って外側コア片5aは、図において時計回りに回転しようとするが、その際、外側コア片5aの小内径部16が内側コア片5bの小外径部13に接近してカーカスプライ6Aの端部分11を強固に挟む楔作用が得られる。
以上述べた作用の相乗効果により、本発明の空気入りタイヤ1では、軽量化を確実に図りつつカーカスプライ6Aの吹き抜けに対して非常に大きな耐力を発揮できる。しかも、本発明の構造によれば、カーカスプライ6Aの本体部分10に作用する張力により、ビードコア5とビードエーペックス8とを引き剥がすような現象も生じることがない。
前記小隙間Sをのびるカーカスプライ6Aの端部分11は、外側コア片5aと内側コア片5bとで圧縮されるのが望ましい。とりわけ、カーカスプライ6Aの端部分11は、トッピングゴム6G及び/又はコーティングゴム5Gからなるゴム層を介してスチール素線5s、5s間に挟まれて前記圧縮されるのが望ましい。これにより、カーカスコード6cの破断や損傷を防止しつつ吹き抜けに対する耐力をさらに高めることができる。
このような空気入りタイヤ1は、例えば以下の式を満足させて成形した後、加硫する製造方法を採用することにより容易に得ることができる。
D1+2×G0<DB<D1+2×G1+2×(W1−W0)…(1)
DA+2×G0<D2<DA+2×G1+2×(W1−W0)…(2)
ここで、符号は次の通りである。
D1…内側コア片5bの大外径部の外径
DA…内側コア片5bの小外径部の外径
D2…外側コア片5aの小内径部の内径
DB…外側コア片5aの大内径部の内径
G0…カーカスコードの外径
G1…未加硫のカーカスプライ(コード+トッピングゴム)の厚さ
W0…スチール素線の直径
W1…ビードワイヤの直径
即ち、内側コア片5bの大外径部12の外径と外側コア片5aの大内径部15の内径との差は、未加硫のカーカスプライと前記ビードコーティングゴムとを合わせた厚さより小さく、カーカスコードの外径よりも大きいのが望ましい。また、内側コア片5bの小外径部13の外径と外側コア片5aの小内径部16の内径との差は、未加硫のカーカスプライと前記ビードコーティングゴムとを合わせた厚さより小さく、カーカスコードの外径よりも大きいのが望ましい。
上記実施形態の空気入りタイヤのビード構造は、例えば図4に示す方法によって容易に形成できる。即ち、先ず、図4(a)に示されるように、円筒状のドラムD上にカーカスプライ6Aを円筒状に巻付け、その端部分11をドラムDの端面に沿って巻き下ろす。次に、カーカスプライ6Aの端部分11に、予めリング状に巻き回された外側コア片5aを当接させる。そして、端部分11を外側コア片5aの内側面5axに沿って巻き上げた後、内側コア片5bがタイヤ軸方向外側から嵌入される。
図5()、()には、本発明の他の実施形態が示される。この実施形態では、カーカス6が2枚のカーカスプライ6A、6Bからなるとともに、ビードコア5がタイヤ半径方向に3分割された外側コア片5aと、前記内側コア片5bと、前記内側コア片の内側に配された副コア片5cとから構成される。なお、カーカスプライ6Aと、外側コア片5aと、前記内側コア片5bとの係合については、前記実施形態と同様である。
また、内側コア片5bの内側面5bxと、副コア片5cのタイヤ半径方向の外側面5cyとは、ビードコア5のタイヤ軸方向の最大幅BWに亘ってのびる第2の小隙間S1を隔てて互いに向き合って配される。そして、カーカスプライ6Bの端部分11cは、カーカスプライ6Aと同様、タイヤ軸方向内側から第2の小隙間S1を通って該第2の小隙間S1のタイヤ軸方向の外端St1で終端する。しかも、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記第2の小隙間S1は、前記カーカスプライの前記端部分11cを、実質的に90度で折り曲げる少なくとも2カ所の屈曲部18を有している。
このような実施形態では、2枚のカーカスプライ6A、6Bの折返し部をともに無くすことができるので、非常に大きな軽量化のメリットを享受しうる。
図6には、さらに他の実施形態が示される。この実施形態では、外側コア片5aの大内径部15は、タイヤ軸方向の外側に設けられる。これにより、外側コア片5aのタイヤ軸方向内側面の半径方向長さLが大きくなるため、カーカスプライ6Aの本体部分10に作用する張力に対して、より大きな摩擦力を発揮して吹き抜けを防止するのに役立つ。
図7(a)、(b)には、さらに異なる他の実施形態が示される。図7(a)の実施形態では、カーカスプライ6Aの端部分11がビードエーペックス8のタイヤ軸方向外側から挿入される。また、図7(b)の実施形態では、同じくカーカスプライ6A、6Bの端部分11がビードエーペックス8のタイヤ軸方向外側から挿入される。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
表1、2に記載の各図に示されるビードコアの構造を有するサイズ185/60R14の空気入りタイヤを表1の仕様に基づいて試作し、ビード強度及びカーカス質量についてのテストが行われた。タイヤのビードコアの構造以外の内部構造及びトレッドゴムはいずれも同一とした。各仕様は、次の通りである。
スチール素線の直径:0.96mm
コーティングゴムの厚さ:0.12mm
ビードワイヤの外径:1.2mm(加硫前)
タイヤ子午線断面に表れるビードワイヤ総本数:20本
カーカスコードの材料:ポリエステル
カーカスコードの外径:1.1mm
なお、実施例のタイヤは、上記式(1)及び(2)を充足させて製造したものである。テストの方法は、次の通りである。
<ビード強度>
タイヤをリム(22.5×7.50V)組みし、バルブからタイヤ内腔に水を充填し、タイヤが破裂したときの破壊水圧を測定した。表1については比較例1を、また表2については比較例4を100とする指数で表示している。数値が大きいほど良好である。また80以上を合格とした。
<カーカス質量>
タイヤ1本当たりのカーカスの質量を測定し、比較例1を100とする指数で表示している。数値が小さいほど良好である。
カーカスプライが1枚のテスト結果を表1に、2枚のテスト結果を表2に示す。
Figure 0005443969
Figure 0005443969
テストの結果、実施例のものは、比較例に比べてカーカス質量が小さく、かつ、ビード強度のテストにも合格することが確認できた。また、比較例3のものをテスト終了後解体検査すると、ビードエーペックスゴムの倒れ込みの発生が確認できた。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
5a 外側コア片
5b 内側コア片
5ax 外側コア片のタイヤ半径方向内側面
5by 内側コア片のタイヤ半径方向外側面
6 カーカス
6A カーカスプライ
11 カーカスプライの端部分
9 屈曲部
S 小隙間
St ビードコアのタイヤ軸方向の外端

Claims (7)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアで係止された少なくとも1枚のカーカスプライを有するカーカスを具えた空気入りタイヤであって、
    前記ビードコアは、タイヤ半径方向に少なくとも2つに分割された最も外側の外側コア片と、その内側の内側コア片とを含み、
    前記外側コア片のタイヤ半径方向内側面と、前記内側コア片のタイヤ半径方向外側面とは、実質的に前記ビードコアのタイヤ軸方向の最大幅に亘って小隙間を隔てて互いに向き合って配され、
    前記カーカスプライの端部分は、タイヤ軸方向一端側から前記小隙間を通ってビードコアのタイヤ軸方向の他端で終端するとともに、
    タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記小隙間は、前記カーカスプライの前記端部分を、実質的に90度で折り曲げる少なくとも2カ所の屈曲部を有し、
    前記内側コア片のタイヤ半径方向外側面は、タイヤ軸方向他端側に位置する大外径部と、この大外径部の前記タイヤ軸方向一端側に位置しかつ大外径部よりも小さい外径の小外径部と、これらの間を継ぐ内の段差面とを含み、
    前記外側コア片のタイヤ半径方向内側面は、前記内側コア片の前記大外径部に向き合う大内径部と、この大内径部の前記タイヤ軸方向一端側に位置しかつ前記内側コア片の前記小外径部に向き合う小内径部と、これらの間を継ぐ外の段差面とを含むことを特徴とする空気入りタイヤ。

  2. 前記カーカスプライの端部分は、タイヤ軸方向内側から前記小隙間を通ってビードコアのタイヤ軸方向の外端で終端する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスプライの端部分は、タイヤ軸方向外側から前記小隙間を通ってビードコアのタイヤ軸方向の内端で終端する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記内側コア片及び外側コア片は、スチール素線を巻き付けることによりそれぞれ形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカスは、2枚のカーカスプライからなり、
    前記ビードコアは、タイヤ半径方向に3つに分割されることにより、前記外側コア片と、前記内側コア片と、前記内側コア片の内側に配された副コア片とからなり、
    前記内側コア片のタイヤ半径方向内側面と、前記副コア片のタイヤ半径方向外側面とは、前記ビードコアのタイヤ軸方向の最大幅に亘って第2の小隙間を隔てて互いに向き合って配され、
    少なくとも1枚のカーカスプライの端部は、タイヤ軸方向一端側から前記第2の小隙間を通って該第2の小隙間のタイヤ軸方向の他端で終端するとともに、
    タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記第2の小隙間は、前記カーカスプライの前記端部分を、実質的に90度で折り曲げる少なくとも2カ所の屈曲部を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記少なくとも1枚のカーカスプライの端部は、タイヤ軸方向内側から前記第2の小隙間を通って該第2の小隙間のタイヤ軸方向の外端で終端する請求項5記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記少なくとも1枚のカーカスプライの端部分は、タイヤ軸方向外側から前記第2の小隙間を通って該第2の小隙間のタイヤ軸方向の内端で終端する請求項5記載の空気入りタイヤ。

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