JP2015116843A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低転がり抵抗性能と耐久性能とを両立できる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】この空気入りタイヤ1は、一対のビードコア51、51と、一対のビードコア51、51の径方向外側に配置される一対のビードフィラー52、52と、ビードコア51およびビードフィラー52に架け渡されるカーカス層6と、ビード部5からサイドウォール部4に渡って配置されるサイド補強層9とを備える。また、サイド補強層9が、複数かつ単線のコード91Aをタイヤ周方向に配列して成る単線部9Aと、複数かつ撚り線のコード91Bをタイヤ周方向に配列して成ると共に単線部9Aよりもタイヤ径方向外側に配置される撚り線部9Bとを有する。【選択図】図3

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、低転がり抵抗性能と耐久性能とを両立できる空気入りタイヤに関する。
近年の空気入りタイヤは、ビード部周りの剛性を高めてタイヤの操縦安定性能を向上させるために、ビード部からサイドウォール部に渡って配置されるサイド補強層を備えている。かかる従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2008−37116号公報
上記の構成では、サイド補強層が軽量であるほど、タイヤ重量が小さくなり、タイヤの転がり抵抗が低下するため好ましい。一方で、サイド補強層の耐久性を確保して、タイヤの耐久性能を高めるべき課題もある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、低転がり抵抗性能と耐久性能とを両立できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、一対のビードコアと、前記一対のビードコアの径方向外側に配置される一対のビードフィラーと、前記ビードコアおよび前記ビードフィラーに架け渡されるカーカス層と、ビード部からサイドウォール部に渡って配置されるサイド補強層とを備える空気入りタイヤであって、前記サイド補強層が、複数かつ単線のコードをタイヤ周方向に配列して成る単線部と、複数かつ撚り線のコードをタイヤ周方向に配列して成ると共に前記単線部よりもタイヤ径方向外側に配置される撚り線部とを有することを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、タイヤ転動時における繰り返し変形が大きいタイヤ径方向外側の領域に、撚り線のコードから成る撚り線部が配置されるので、サイド補強層の破損が抑制されて、タイヤの耐久性能が向上する。一方で、タイヤ転動時における繰り返し変形が比較的小さいタイヤ径方向内側の領域に、単線のコードから成る単線部が配置されるので、サイド補強層が軽量化されて、タイヤの低転がり抵抗性能が向上する。以上により、タイヤの耐久性能と低転がり抵抗性能が両立する利点がある。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤのサイド補強層を示す説明図である。 図3は、図1に記載した空気入りタイヤのサイド補強層を示す説明図である。 図4は、図1に記載した空気入りタイヤのサイド補強層を示す説明図である。 図5は、図1に記載した空気入りタイヤのサイド補強層を示す説明図である。 図6は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図7は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図8は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図9は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図10は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、本実施の形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施の形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施の形態の空気入りタイヤ1は、図1に示すようにトレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。トレッド面21は、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なストレート主溝である複数(本実施の形態では4本)の主溝22が設けられている。そして、トレッド面21は、これら複数の主溝22により、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なリブ状の陸部23が複数形成されている。また、図には明示しないが、トレッド面21は、各陸部23において、主溝22に交差するラグ溝が設けられている。陸部23は、ラグ溝によってタイヤ周方向で複数に分割されている。また、ラグ溝は、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側でタイヤ幅方向外側に開口して形成されている。なお、ラグ溝は、主溝22に連通している形態、または主溝22に連通していない形態の何れであってもよい。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、ベルト層7が設けられていない領域(すなわち、ベルト層7のタイヤ幅方向最大幅よりもタイヤ幅方向外側の領域)であって、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト71,72を積層した多層構造をなし、トレッド部2からショルダー部3にかけてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71,72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20度〜30度)で複数並設されたコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。また、重なり合うベルト71,72は、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行(±5度)でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示せず)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、あるいは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。すなわち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、帯状(例えば幅10[mm])のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
[サイド補強層]
近年の空気入りタイヤは、ビード部周りの剛性を高めてタイヤの操縦安定性能を向上させるために、ビード部からサイドウォール部に渡って配置されるサイド補強層を備えている。
サイド補強層が軽量であるほど、タイヤ重量が小さくなり、タイヤの転がり抵抗が低下するため好ましい。一方で、サイド補強層の耐久性を確保して、タイヤの耐久性能を高めるべき課題もある。
そこで、この空気入りタイヤ1では、タイヤの低転がり抵抗性能および耐久性能を両立するために、以下の構成を採用している。
図2〜図5は、図1に記載した空気入りタイヤのサイド補強層を示す説明図である。これらの図において、図2は、ビード部5およびサイドウォール部4の拡大子午断面図を示している。図3は、タイヤ側面から見たサイド補強層9の平面図を示している。図4は、サイド補強層9の単線部9Aにおけるコード91Aの断面図を示し、図5は、サイド補強層9の撚り線部9Bにおけるコード91Bの断面図を示している。
図1に示すように、この空気入りタイヤ1は、サイド補強層9を備える。
サイド補強層9は、タイヤのビード部5からサイドウォール部4に渡って配置される。このサイド補強層9により、ビード部周りの剛性が増加して、タイヤの操縦安定性能が向上する。
また、サイド補強層9は、少なくとも、ビードヒール5aを基準としたタイヤ断面高さSHの40[%]の位置から50[%]の位置までの領域に渡って配置される。また、サイド補強層9は、ビードヒール5aを基準としたタイヤ断面高さSHの30[%]の位置から60[%]の位置までの領域に渡って配置されることがより好ましい。これにより、タイヤ周方向の剛性が適正に確保される。
ビードヒール5aとは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態としたときに、ビード部のリム嵌合面のうちリム径の測定点に接触する点をいう。
タイヤ断面高さSHとは、タイヤ外径とリム径との差の1/2の距離であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
ここで、規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
なお、図1の構成では、一対のサイド補強層9、9がタイヤ左右の領域にそれぞれ配置されているが、これに限らず、サイド補強層9が一方の領域のみに配置されても良い(図示省略)。
また、サイド補強層9は、図2に示すように、タイヤ内部に埋設して配置される。したがって、サイド補強層9は、ビードゴムおよびサイドウォールゴムに表面を覆われて、タイヤ表面に露出しない。
例えば、図2の構成では、サイド補強層9が、カーカス層6の本体部およびビードフィラー52と、ビードゴムおよびサイドウォールゴムとの間に配置されている。また、カーカス層6の巻き上げ端部がサイド補強層9よりもタイヤ径方向外側に位置することにより、サイド補強層9の全体がカーカス層6の巻き上げ部に覆われている。かかる構成では、サイド補強層9がカーカス層6の本体部と巻き上げ部との間に挟み込まれることにより、サイド補強層9の端部を起点とした周辺ゴムのセパレーションが抑制されて、タイヤの耐久性能が向上する点で好ましい。
なお、上記に限らず、サイド補強層9が、カーカス層6の巻き上げ端部よりもタイヤ径方向外側まで延在しても良いし(図示省略)、カーカス層6の巻き上げ部よりもタイヤ幅方向外側まで延在しても良い(図示省略)。また、カーカス層6が複数のカーカスプライから成る多層構造を有する構成では、サイド補強層9が、積層された複数のカーカスプライの巻き返し部の間に挟み込まれて配置されても良い(図示省略)。
また、ビードヒール5aからサイド補強層9のタイヤ径方向内側の端部までのタイヤ径方向の距離H1と、タイヤ断面高さSHとが、0.10≦H1/SH≦0.40の関係を有することが好ましい。また、ビードヒール5aからサイド補強層9のタイヤ径方向外側の端部までのタイヤ径方向の距離H2と、タイヤ断面高さSHとが、0.50≦H2/SH≦0.70の関係を有することが好ましい。これらにより、サイド補強層9のタイヤ径方向の配置領域が適正化される。サイド補強層9の配置領域が大きいほど、サイド補強層9による剛性補強作用が得られるため、タイヤの操縦安定性能が向上する。一方で、サイド補強層9の配置領域が小さいほど、サイド補強層9によるタイヤ重量の増加が抑制されて、タイヤの低転がり抵抗性能が向上する。したがって、上記の比H1/SH、H2/SHは、タイヤの操縦安定性能と低転がり抵抗性能との関係で適宜設定されることが好ましい。
また、サイド補強層9のタイヤ径方向の幅H2−H1と、タイヤ断面高さSHとが、0.2≦(H2−H1)/SH≦0.5の関係を有することが好ましい。これにより、サイド補強層9の設置範囲が適正化される。
また、サイド補強層9は、タイヤ全周に渡って一様に配置されることが好ましい。これにより、タイヤ全周の剛性が適正に確保される。
ここで、サイド補強層9は、単線部9Aと、撚り線部9Bとを有する(図2〜図5参照)。
単線部9Aは、図2に示すように、サイド補強層9の配置領域のうちタイヤ径方向内側の領域に配置される。また、単線部9Aは、図3に示すように、複数かつ単線のコード91Aをタイヤ周方向に配列して成る。具体的には、単線部9Aが、複数かつ単線のコード91Aをコートゴムで被覆して圧延加工して成るシート状部材であり、コード91Aの長手方向をタイヤ径方向に向けつつビード部5からサイドウォール部4に至る所定の領域に配置される。なお、単線のコード91Aとは、いわゆるモノフィラメントであり、図4に示すような1本の独立したコードをいう。
撚り線部9Bは、図2に示すように、単線部9Aよりもタイヤ径方向外側の領域に配置される。また、撚り線部9Bは、図3に示すように、複数かつ撚り線のコード91Bをタイヤ周方向に配列して成る。具体的には、撚り線部9Bが、複数かつ撚り線のコード91Bをコートゴムで被覆して圧延加工して成るシート状部材であり、コード91Bの長手方向をタイヤ径方向に向けつつビード部5からサイドウォール部4に至る所定の領域に配置される。また、コード91Bは、図5に示すように、複数のモノフィラメントを撚り合わせて成る。図5の構成では、3本のモノフィラメントが相互に撚り合わされて1本の撚り線のコード91Bが形成されている。しかし、これに限らず、2本あるいは4本以上のモノフィラメントが撚り合わされて1本の撚り線のコード91Bが形成されても良い(図示省略)。
単線部9Aのコード91Aおよび撚り線部9Bのコード91Bは、いずれもスチールコードから成ることが好ましい。また、単線のスチールコードの引張強度が3200[MPa]以上であることが好ましい。これにより、サイド補強層9による補強作用を効果的に得られる。
しかし、これに限らず、これらのコード91A、91Bが、有機繊維コードであっても良いし、スチール以外の金属コードから構成されても良い。また、撚り線部9Bのコード91Bが、スチールコードと有機繊維コードとを撚り合わせた構造を有しても良い。
また、単線部9Aのコード91Aがスチールコードである場合には、コード91Aの外径α(図4参照)が、0.1[mm]≦α≦0.3[mm]の反囲にあることが好ましい。これにより、単線部9Aの耐久性が適正に確保される。
また、撚り線部9Bのコード91Bが複数本のスチールコードを撚り合わせて成る構成では、コード91Bの直径β(図5参照)が、0.1[mm]≦β≦0.4[mm]の範囲にあることが好ましい。これにより、撚り線部9Bの耐久性が適正に確保される。
撚り線部9Bのコード91Bの外径は、図5に示すように、コード91Bの径方向断面視における外接円の直径として測定される。
また、単線部9Aおよび撚り線部9Bにおけるコード91A、91Bの断面積[mm^2]と、幅50[mm]あたりのモノフィラメントの打ち込み本数[本/50mm]との積が、5.0[mm^2/50mm]以上8.0[mm^2/50mm]以下の範囲にあることが好ましい。これにより、単線部9Aおよび撚り線部9Bにおけるコード91A、91Bの配置間隔が適正に確保される。
なお、図3の構成では、単線部9Aにおけるコード91Aの打ち込み本数と、撚り線部9Bにおけるコード91Bの打ち込み本数とが同一である。かかる構成では、単線部9Aと撚り線部9Bとの剛性差を低減できる点で好ましい。しかし、これに限らず、単線部9Aにおけるコード91Aの打ち込み本数と、撚り線部9Bにおけるコード91Bの打ち込み本数とが相異しても良い。
また、単線部9Aおよび撚り線部9Bにおけるコード91A、91Bのタイヤ周方向に対する傾斜角θ(図3参照)が、15[deg]≦θ≦70[deg]の範囲内にあることが好ましい。したがって、単線部9Aおよび撚り線部9Bは、コード91A、91Bの長手方向をタイヤ周方向に対して傾斜させて配置される。
コードの傾斜角θは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧の5[%]の内圧を付与すると共に無負荷状態としたときの、サイドウォール部の平面視におけるコードの中心線とタイヤ周方向とのなす角として測定される。
また、単線部9Aにおけるコード91Aの傾斜角θと、撚り線部9Bにおけるコード91Bの傾斜角θとの差Δθが、−5[deg]≦Δθ≦5[deg]の範囲内にある。したがって、単線部9Aのコード91Aと撚り線部9Bのコード91Bとが略平行に配置される。
また、図2において、単線部9Aの幅WAおよび撚り線部9Bの幅WBが、タイヤ断面高さSH(図1参照)に対して、0.1≦WA/SH≦0.3かつ0.1≦WB/SH≦0.3の関係を有することが好ましい。また、単線部9Aの幅WAと、撚り線部9Bの幅WBとが、0.25≦WB/WA≦1.00の関係を有することが好ましい。これらにより、単線部9Aの幅WAおよび撚り線部9Bの幅WBが適正化される。すなわち、単線部の幅WAが、前述のH2−H1の条件(0.2≦(H2−H1)/SH≦0.5)を満たし、且つ、WA>WBの関係を有することにより、タイヤの軽量化、耐久性能および低転がり抵抗性能を両立できる。
単線部9Aの幅WAは、単線部9Aのタイヤ径方向内側の端部とタイヤ径方向外側の端部とのタイヤ径方向の距離として測定される。同様に、撚り線部9Bの幅WBは、撚り線部9Bのタイヤ径方向内側の端部とタイヤ径方向外側の端部とのタイヤ径方向の距離として測定される。
また、図2の構成では、単線部9Aと撚り線部9Bとが、相互に独立した部材から成り、図3に示すように、タイヤ径方向に相互にラップして配置される。具体的には、複数かつ単線のコード91Aをコートゴムで被覆して圧延加工して成るシート状の単線部9Aと、複数かつ撚り線のコード91Bをコートゴムで被覆して圧延加工して成るシート状の撚り線部9Bとが、所定のラップ幅Wをもってタイヤ径方向にラップして配置されて、1つのサイド補強層9が構成されている。
このとき、単線部9Aと撚り線部9Bとのラップ幅Wが、5.0[mm]≦W≦15[mm]の範囲にあることが好ましい。ラップ幅Wは、図2に示すように、単線部9Aのタイヤ径方向外側の端部と撚り線部9Bのタイヤ径方向内側の端部とのタイヤ径方向の距離として測定される。
また、図2に示すように、単線部9Aと撚り線部9Bとの境界部が、ビードフィラー52の径方向外側の端部521からオフセットして配置されることが好ましい。すなわち、単線部9Aと撚り線部9Bとのラップ部が、ビードフィラー52の径方向外側の端部521に対して離間して配置される。これにより、単線部9Aと撚り線部9Bとの境界部を起点とした故障の発生を抑制できる。
このとき、単線部9Aと撚り線部9Bとの境界部が、ビードフィラー52の径方向外側の端部521に対してタイヤ径方向外側にオフセットしても良いし(図2参照)、タイヤ径方向内側にオフセットしても良い(図示省略)。前者の場合には、単線部9Aの幅WAを大きくでき、後者の場合には、撚り線部9Bの幅WBを大きくできる。
上記のオフセット量(図中の寸法記号省略)は、5.0[mm]以上であることが好ましい。これにより、単線部9Aと撚り線部9Bとの境界部を起点とした故障の発生を効果的に抑制できる。オフセット量が5[mm]未満であると、単線部9Aの端部と撚り線部9Bの端部との配置位置が集中して、この部分のひずみが大きくなり耐久性が悪化するため好ましくない。
一般に、サイド補強層9の配置領域のうち、タイヤ径方向外側の領域では、タイヤ転動時における繰り返し変形が大きく、タイヤ径方向内側の領域では、繰り返し変形が比較的小さい。また、撚り線のコードから成る補強層は、繰り返し変形に対する耐久性が高い。一方で、単線のコードから成る補強層は、撚り線のコードから成る補強層よりも単位長さあたりの重量が軽い。
この点において、この空気入りタイヤ1では、上記のように、タイヤ転動時における繰り返し変形が大きいタイヤ径方向外側の領域に、撚り線のコード91Bから成る撚り線部9Bが配置される。かかる撚り線部9Bは、繰り返し変形に対する追従性に優れる。したがって、サイド補強層9の破損が抑制されて、タイヤの耐久性能が向上する。一方で、タイヤ転動時における繰り返し変形が比較的小さいタイヤ径方向内側の領域に、単線のコード91Aから成る単線部9Aが配置される。かかる単線部9Aは、撚り線部9Bと比較して、単位長さあたりの重量が小さい。したがって、サイド補強層の全域が撚り線部から成る構成と比較して、サイド補強層9が軽量化されて、タイヤの低転がり抵抗性能が向上する。
[変形例]
図6〜図9は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。これらの図において、図6は、タイヤ側面から見たサイド補強層9の平面図を示している。図7は、サイド補強層9の単線部9Aにおけるコード91Aの断面図を示し、図8は、サイド補強層9の撚り線部9Bにおけるコード91Bの断面図を示している。図9は、ビード部5およびサイドウォール部4の拡大子午断面図を示している。
図1の構成では、図2および図3に示すように、単線部9Aと撚り線部9Bとが、相互に独立した部材から成る。かかる構成では、相互に異なる構造をもつ単線部9Aと撚り線部9Bとを個別に製造できるので、サイド補強層9の成形工程を容易化できる点で好ましい。
しかし、これに限らず、図6に示すように、単線部9Aのコード91Aが、中途から撚り合わされて撚り線部9Bのコード91Bを構成しても良い。すなわち、単線部9Aと撚り線部9Bとが、コード91A、91Bを共有しても良い。例えば、図6の構成では、複数のコード91Aが単線部9Aにて相互に独立して配置され、中途から1本のコード91Bに撚り合わされて撚り線部9Bを構成している。したがって、共通のコード91A(91B)が、単線部9Aおよび撚り線部9Bの双方に渡って連続的に延在する。これにより、単線部9Aと撚り線部9Bとが一体化されて、サイド補強層9の剛性が高まる。また、単線部9Aと撚り線部9Bとのラップ部を省略できるので(ラップ幅W=0[mm])、サイド補強層9を軽量化できる。
なお、図6の構成においても、単線部9Aと撚り線部9Bとの境界部が、ビードフィラー52の径方向外側の端部521からオフセットして配置されることが好ましい。また、単線部9Aにおけるモノフィラメント(コード91A)の打ち込み本数と、撚り線部9Bにおけるモノフィラメントの打ち込み本数とが相異しても良い。
また、図1の構成では、図4および図5に示すように、単線部9Aのコード91Aおよび撚り線部9Bのコード91Bが、いずれも円形断面を有している。かかる構成では、コード91A、91Bの加工成形が容易な点で好ましい。
しかし、これに限らず、図7および図8に示すように、単線部9Aのコード91Aおよび撚り線部9Bのコード91Bを構成するモノフィラメントが、タイヤ幅方向に幅狭な偏平断面形状を有しても良い。かかる構成では、単線部9Aおよび撚り線部9Bのタイヤ幅方向の高さα’、β’を小さくできる。これにより、サイド補強層9の剛性を確保しつつ、サイド補強層9を薄型化できる。特に、撚り線部9Bのコード91Bが上記のように複数のモノフィラメントを撚り合わせて成るため、撚り線部9Bを薄型化できることは有益である。
なお、図7および図8の構成では、単線部9Aのコード91Aおよび撚り線部9Bのコード91Bを構成するモノフィラメントが、いずれも楕円形断面を有している。しかし、これに限らず、これらが偏平した多角形断面形状を有しても良い(図示省略)。
また、図1の構成では、単線部9Aと撚り線部9Bとが、タイヤ径方向に相互にラップして配置されている。かかる構成では、サイド補強層9がタイヤ径方向に連続的に延在するので、タイヤの剛性が効果的に補強される点で好ましい。
しかし、これに限らず、図9に示すように、単線部9Aと撚り線部9Bとが、タイヤ径方向に相互に離間して配置されても良い。したがって、サイド補強層9が、タイヤ径方向に分割された構造を有しても良い。なお、単線部9Aと撚り線部9Bとが離間している場合のラップ幅Wは、マイナス(W<0)となる。
このとき、単線部9Aのタイヤ径方向外側の端部および撚り線部9Bのタイヤ径方向内側の端部と、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側の端部521とが、相互にオフセットして配置されることが好ましい。これにより、単線部9Aの端部および撚り線部9Bの端部を起点とした周辺ゴムのセパレーションが抑制される。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、一対のビードコア51、51と、一対のビードコア51、51の径方向外側に配置される一対のビードフィラー52、52と、ビードコア51およびビードフィラー52に架け渡されるカーカス層6と、ビード部5からサイドウォール部4に渡って配置されるサイド補強層9とを備える(図1参照)。また、サイド補強層9が、複数かつ単線のコード91Aをタイヤ周方向に配列して成る単線部9Aと、複数かつ撚り線のコード91Bをタイヤ周方向に配列して成ると共に単線部9Aよりもタイヤ径方向外側に配置される撚り線部9Bとを有する(図2および図3参照)。
かかる構成では、(1)サイド補強層9がビード部5からサイドウォール部4に渡って配置されるので、サイド補強層9の配置領域の剛性が確保されて、タイヤの操縦安定性能が向上する利点がある。
また、(2)タイヤ転動時における繰り返し変形が大きいタイヤ径方向外側の領域に、撚り線のコード91Bから成る撚り線部9Bが配置される。かかる撚り線部9Bは、繰り返し変形に対する追従性に優れる。したがって、サイド補強層9の破損が抑制されて、タイヤの耐久性能が向上する。一方で、タイヤ転動時における繰り返し変形が比較的小さいタイヤ径方向内側の領域に、単線のコード91Aから成る単線部9Aが配置される。かかる単線部9Aは、撚り線部9Bと比較して、単位長さあたりの重量が小さい。したがって、サイド補強層の全域が撚り線部から成る構成と比較して、サイド補強層9が軽量化されて、タイヤの低転がり抵抗性能が向上する。以上により、タイヤの耐久性能と低転がり抵抗性能が両立する利点がある。
特に、高いタイヤ断面高さSHを有するタイヤでは、サイドウォール部におけるフレックスゾーン(低い剛性を有する領域)が広い。このため、サイドウォール部の剛性を確保するために、サイド補強層をより径方向外側の領域まで延在させる必要がある。しかしながら、サイド補強層の延在領域が広いほど、タイヤ重量が増加して、タイヤの転がり抵抗が悪化する。この点において、上記の構成では、サイド補強層9が撚り線のコード91Bから成る撚り線部9Bを有することにより、サイド補強層9の配置領域を狭めつつ、サイドウォール部(特に、タイヤ径方向外側の領域)の剛性を高め得る点で好ましい。
また、この空気入りタイヤ1では、コード91A、91Bのタイヤ周方向に対する傾斜角θが、15[deg]≦θ≦70[deg]の範囲内にある(図3参照)。かかる構成では、コードの傾斜角がタイヤ周方向あるいはタイヤ径方向に対して略平行となる構成と比較して、サイド補強層9による剛性の補強作用を効果的に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、コード91A、91Bが、スチールコードである。かかる構成では、コードが有機繊維コードなどから成る構成と比較して、サイド補強層9による剛性の補強作用を効果的に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、単線部9Aと、撚り線部9Bとが、タイヤ径方向に相互にラップして配置される(図2および図3参照)。かかる構成では、単線部と撚り線部とがタイヤ径方向に離間する構成と比較して、サイド補強層9による剛性の補強作用を効果的に得られる利点がある。また、相互に異なる構造を有する単線部と撚り線部とをそれぞれ別々に成形できるので、サイド補強層9の製造工程が容易となる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、単線部9Aと撚り線部9Bとのラップ幅W(図2および図3参照)が、5.0[mm]≦W≦15[mm]の範囲にある。これにより、単線部9Aと撚り線部9Bとのラップ幅Wが適正化される利点がある。すなわち、5.0[mm]≦Wであることにより、単線部9Aと撚り線部9Bとのラップ部を起点とした故障の発生が抑制される。また、W≦15[mm]であることにより、ラップ部における摩擦の発生が抑制されて、タイヤの耐久性が向上する。
また、この空気入りタイヤ1では、単線部9Aのコード91Aが、中途から撚り合わされて撚り線部9Bのコード91Bを構成する(図6参照)。かかる構成では、コード91A(91B)が単線部9Aから撚り線部9Bに渡って連続的に延在するので、サイド補強層9による剛性の補強作用を効果的に得られる利点がある。また、別部材である単線部9Aと撚り線部9Bとが相互にラップして配置される構成(図3参照)と比較して、サイド補強層9を軽量化できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、単線部9Aにおけるコード91Aのタイヤ周方向に対する傾斜角θ(図3参照)と、撚り線部9Bにおけるコード91Bのタイヤ周方向に対する傾斜角θとの差Δθが、−5[deg]≦Δθ≦5[deg]の範囲内にある。かかる構成では、単線部9Aのコード91Aと撚り線部9Bのコード91Bとが平行に配置されるので、タイヤ転動時におけるコード間の摩擦が低減されて、サイド補強層9の耐久性が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、サイド補強層9が、少なくとも、ビードヒール5aを基準としたタイヤ断面高さSHの40[%]の位置から50[%]の位置までの領域を覆って配置される。これにより、サイド補強層9による剛性の補強作用を効果的に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、単線部9Aと撚り線部9Bとの境界部(図2および図3におけるラップ幅Wの領域、図6における撚り線部9Bのコード91Bの撚り合わせ開始点、ならびに、図9における単線部9Aのタイヤ径方向の外側の端部および撚り線部9Bのタイヤ径方向の内側の端部)が、ビードフィラー52の径方向外側の端部521からオフセットして配置される(図2、図3、図6および図9参照)。これにより、単線部9Aと撚り線部9Bとの境界部を起点とした周辺ゴムのセパレーションが抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、撚り線部9Bのコード91Bを構成するモノフィラメントの断面形状が、タイヤ幅方向に幅狭な偏平形状を有する(図8参照)。これにより、撚り線部9Bのコード91Bの径βを小さくできる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、単線部9Aの幅WAおよび撚り線部9Bの幅WBと、タイヤ断面高さSHとが、0.1≦WA/SH≦0.3かつ0.1≦WB/SH≦0.3の関係を有する(図2参照)。これにより、単線部9Aの幅WAおよび撚り線部9Bの幅WBが、適正化される利点がある。すなわち、幅WA/SH、WB/SHの下限が上記の範囲にあることにより、単線部9Aの幅WAおよび撚り線部9Bの幅WBが適正に確保されて、サイド補強層9による剛性の補強作用が適正に得られる。また、幅WA/SH、WB/SHの上限が上記の範囲にあることにより、サイド補強層9の重量増加が抑制されて、タイヤの低転がり抵抗性能が維持される。
また、この空気入りタイヤ1では、単線部9Aの幅WAと、撚り線部9Bの幅WBとが、0.25≦WB/WA≦1.00の関係を有する(図2参照)。これにより、単線部9Aの幅WAと撚り線部9Bの幅WBとの関係が適正化される利点がある。すなわち、比WB/WAの下限が上記の範囲にあることにより、撚り線部9Bの機能が適正に確保されて、タイヤの操縦安定性能が向上する。また、比WB/WAの上限が上記の範囲にあることにより、撚り線部9Bによるサイド補強層9の重量の増加が抑制されて、タイヤの低転がり抵抗性能が維持される。
また、この空気入りタイヤ1では、サイド補強層9のタイヤ径方向の幅H2−H1と、タイヤ断面高さSHとが、0.2≦(H2−H1)/SH≦0.5の関係を有する(図2参照)。これにより、サイド補強層9の設置範囲が適正化される利点がある。すなわち、比(H2−H1)/SHの下限が上記の範囲にあることにより、サイド補強層9の機能が適正に確保されて、タイヤの操縦安定性能が向上する。また、比(H2−H1)/SHの上限が上記の範囲にあることにより、サイド補強層9の重量の増加が抑制されて、タイヤの低転がり抵抗性能が維持される。
図10は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)耐久性能および(2)タイヤ重量に関する評価が行われた。
(1)耐久性能に関する評価では、鋼性かつ平滑なドラム表面を有する直径1707[mm]のドラム試験機が用いられる。また、周辺温度が38±3[℃]に維持される。また、タイヤサイズ225/60R18の試験タイヤがリムサイズ17×7.5JJのリムに装着され、内圧180[kPa]が試験タイヤに付与される。また、走行速度81[km/h]の試験条件下にて、負荷荷重をJATMA規定の最大負荷の88[%]から2時間毎に13[%]ずつ増加させて、試験タイヤが破壊するまでの総走行距離が測定される。そして、この測定結果に基づいて、従来例1を基準(100)とする指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど荷重耐久性が優れており、好ましい。
(2)タイヤ重量に関する評価では、タイヤサイズ225/60R18の試験タイヤの新品時の重量が測定され、この測定結果に基づいて、従来例1を基準(100)とする指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど低転がり抵抗性能が優れており、好ましい。
実施例1の試験タイヤは、図1〜図5に記載した構造を有する。また、サイド補強層9のコード91A、91Bが円形断面を有するスチールワイヤから成り、タイヤ径方向に対する傾斜角θがθ=0[deg]である。また、サイド補強層9のタイヤ径方向内側の端部の位置H1が、H1=20[mm]である。また、サイド補強層9の単線部9Aの幅WAと、撚り線部9Bの幅WBとの比WB/WAが、WB/WA=1.0である。また、単線部9Aと撚り線部9Bとの境界と、ビードフィラー52の端部521との距離(オフセット量)が、10[mm]以上である。実施例2〜6は、実施例1の変形例である。
また、図10において、単線部9Aの構造「1×1×0.28」との記載は、1本のスチールコードからなり、コード91Aの外径αがα=0.28[mm]であることを意味する。また、撚り線部9Bの構造「1×3×0.28」との記載は、1本のスチールコードを3本撚り合わせ、コード91Bを構成するスチールワイヤの外径が0.28[mm]であることを意味する。また、撚り線部9Bの構造「2+1×0.25」との記載は、2本のスチールコードの組と1本のスチールコードを撚り合わせ、コード91Bを構成するスチールワイヤの外径が0.25[mm]であることを意味する。
従来例1の試験タイヤは、図1の構成において、サイド補強層9が、図3の撚り線部9Bのみから成る。従来例2の試験タイヤは、図1の構成において、サイド補強層9が、図3の単線部9Aのみから成る。従来例3の試験タイヤは、図1の構成において、サイド補強層9を備えていない。
試験結果が示すように、実施例1〜3の試験タイヤでは、タイヤの耐久性能とタイヤ重量(低転がり抵抗性能)とが両立することが分かる。
1:空気入りタイヤ、2:トレッド部、21:トレッド面、22:主溝、23:陸部、3:ショルダー部、4:サイドウォール部、5:ビード部、5a:ビードヒール、51:ビードコア、52:ビードフィラー、521:端部、6:カーカス層、7:ベルト層、71,72:ベルト、8:ベルト補強層、9:サイド補強層、9A:単線部、9B:撚り線部、91A、91B:コード

Claims (13)

  1. 一対のビードコアと、前記一対のビードコアの径方向外側に配置される一対のビードフィラーと、前記ビードコアおよび前記ビードフィラーに架け渡されるカーカス層と、ビード部からサイドウォール部に渡って配置されるサイド補強層とを備える空気入りタイヤであって、
    前記サイド補強層が、複数かつ単線のコードをタイヤ周方向に配列して成る単線部と、複数かつ撚り線のコードをタイヤ周方向に配列して成ると共に前記単線部よりもタイヤ径方向外側に配置される撚り線部とを有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記コードのタイヤ周方向に対する傾斜角θが、15[deg]≦θ≦70[deg]の範囲内にある請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記コードが、スチールコードである請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記単線部と、前記撚り線部とが、タイヤ径方向に相互にラップして配置される請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記単線部と前記撚り線部とのラップ幅Wが、5.0[mm]≦W≦15[mm]の範囲にある請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記単線部の複数の前記コードが、中途から撚り合わされて前記撚り線部の前記コードを構成する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記単線部における前記コードのタイヤ周方向に対する傾斜角と、前記撚り線部における前記コードのタイヤ周方向に対する傾斜角との差Δθが、−5[deg]≦Δθ≦5[deg]の範囲内にある請求項1〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記サイド補強層が、少なくとも、ビードヒールを基準としたタイヤ断面高さSHの40[%]の位置から50[%]の位置までの領域を覆って配置される請求項1〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記単線部と前記撚り線部との境界部が、前記ビードフィラーの径方向外側の端部からオフセットして配置される請求項1〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記撚り線部の前記コードを構成するモノフィラメントの断面形状が、タイヤ幅方向に幅狭な偏平形状を有する請求項1〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記単線部の幅WAおよび前記撚り線部の幅WBと、タイヤ断面高さSHとが、0.1≦WA/SH≦0.3かつ0.1≦WB/SH≦0.3の関係を有する請求項1〜10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記単線部の幅WAと、前記撚り線部の幅WBとが、0.25≦WB/WA≦1.00の関係を有する請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記サイド補強層のタイヤ径方向の幅(H2−H1)と、タイヤ断面高さSHとが、0.2≦(H2−H1)/SH≦0.5の関係を有する請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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