JP2014086555A - 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体発光素子は、通電により発光する発光層を含む積層半導体層を備え、積層半導体層は、下側半導体底面214と、下側半導体底面214の周縁から積層半導体層の上方且つ外方に立ち上がる半導体側面と、半導体側面の上方における周縁から積層半導体層の内方に向かって延びることで上方を向く下側半導体上面213とを有し、下側半導体上面213の周縁は、直線状に延びる第1直線部231および第2直線部232と、第1直線部231と第2直線部232とを接続する複数の接続部233とを有し、下側半導体上面213と垂直な方向から見た場合に、それぞれの接続部233は、接続部233に接続される第1直線部231および第2直線部232の延長線同士の交点よりも内側に位置することを特徴とする。
【選択図】図6
Description
このような半導体発光素子において、III族窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて狭くなるように、III族窒化物半導体層の側面を基板上面の法線に対して外側に傾斜させることで、半導体発光素子における光の取り出し効率を向上させる技術が存在する(特許文献1参照)。
本発明は、半導体層の割れを抑制した半導体発光素子を提供することを目的とする。
さらに、本発明の半導体発光素子は、前記複数の直線部は、前記半導体層を前記半導体上面と垂直な方向から見た場合に、第1方向に延びる第1直線部と、当該第1方向と垂直な第2方向に延び前記接続部を介して当該第1直線部に接続される第2直線部とを有し、前記半導体層を前記半導体上面と垂直な方向から見た場合に、前記第1直線部から前記第1の周縁までの最短距離をXとし、前記第2直線部から当該第1の周縁までの最短距離をYとし、当該第1直線部の延長線と当該第2直線部の延長線との交点から当該第1の周縁までの最短距離を結んだ直線と前記接続部との交点から、当該第1の周縁までの最短距離をLとした場合に、X、YおよびLは、L2=A×(X2+Y2) 0<A≦0.95の関係を有することを特徴とする。
さらにまた、前記接続部は、前記半導体層を前記半導体上面と垂直な方向から見た場合に、円弧形状を有することを特徴とする。
さらに、本発明の半導体発光素子の製造方法は、前記半導体除去工程では、前記半導体層の除去を妨げる除去抑制層を当該半導体層上に部分的に積層し、当該半導体層のうち当該除去抑制層が形成されていない領域を前記基板の反対側から除去することで、前記凹凸部を形成することを特徴とすることができる。
(半導体発光素子の構造)
図1は、本実施の形態が適用される半導体発光素子1の斜視図の一例であり、図2は、図1に示した半導体発光素子1の上面図の一例である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の半導体発光素子1は、基板100と、基板100上に積層された半導体層の一例としての積層半導体層200と、積層半導体層200上に積層された透明導電層300と、透明導電層300上に形成されたp電極350と、積層半導体層200上に形成されたn電極400とを有している。
本実施の形態においては、半導体発光素子1をp電極350およびn電極400が形成される側からみた場合に、長辺側に沿う方向を第1方向xとし、短辺側に沿う方向を第2方向yとする。また、第1方向xと第2方向yとに垂直、且つ、半導体発光素子1において基板100側から積層半導体層200側へ向かう方向を第3方向zとする。
また、本実施の形態においては、4つの基板側面のうち、第1方向xに沿う2つの長辺側の基板側面を、それぞれ第1基板側面111と称し、第2方向yに沿う2つの短辺側の基板側面を、それぞれ第2基板側面112と称する。
本実施の形態においては、基板100における基板上面113の面積よりも、下側半導体層210における下側半導体底面214の面積の方が小さく形成されている。また、基板上面113の面積よりも、下側半導体層210における下側半導体上面213の面積の方が小さく形成されている。したがって、基板100の基板上面113における周縁が外部に露出しており、図2に示すように、半導体発光素子1をp電極350およびn電極400が形成される側から見た場合に、外部に露出する基板上面113における周縁を視認することができる。
さらに、この例においては、下側半導体上面213の面積よりも、下側半導体底面214の面積の方が小さく形成されている。
ここで、上面周縁230は、第2の周縁の一例であり、本実施の形態では、第1直線部231と第2直線部232とにより直線部が構成されている。
なお、下側半導体層210の詳細な構造については後段にて説明する。
本実施の形態においては、2つの第1上側半導体側面251および2つの第2上側半導体側面252は、それぞれ、下側半導体層210における下側半導体上面213に対して略垂直に設けられている。
なお、透明導電層300はこのような形状に限定されるわけではなく、例えば透明導電層300を、隙間を開けた格子状や樹形状に形成してもよい。
図3は、本実施の形態が適用される基板100、積層半導体層200および透明導電層300の縦断面図の一例である。なお、本実施の形態においては、基板100の基板上面113と垂直な方向に沿った断面を縦断面と呼ぶことがある。
なお、基板100の基板上面113上には、必ずしも凸部113aを設ける必要はないが、基板100上に積層される積層半導体層200の結晶性および半導体発光素子1における発光効率を向上させる観点からは、基板上面113上に複数の凸部113aを設けることが好ましい。
そして、本実施の形態の積層半導体層200は、基板100上に積層される中間層201と、中間層201上に積層される下地層202と、下地層202上に積層されるn型半導体層203と、n型半導体層203上に積層される発光層204と、発光層204上に積層されるp型半導体層205とを備えている。
また、p型半導体層205は、発光層204上に積層されるpクラッド層205aと、pクラッド層205a上に積層されるpコンタクト層205bとから構成される。なお、pコンタクト層205bは、pクラッド層205aを兼ねることも可能である。
なお、以下の説明では、AlGaN、GaInNについて、各元素の組成比を省略した形で記述する場合がある。
<中間層>
中間層201は、基板100と下地層202との格子定数の違いを緩和するために設ける。中間層201は、特にC面を主面とするサファイア単結晶で基板100を構成した場合には、基板100のC面((0001)面)上にc軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、中間層201を形成することで、その上に積層する下地層202の結晶性を向上させることができる。
中間層201の厚さは、0.01μm〜0.5μmの範囲が好ましい。中間層201の厚みが0.01μm未満であると、中間層201により基板100と下地層202との格子定数の違いを緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、中間層201の厚みが0.5μmを超えると、中間層201としての機能には変化が無いのにも関わらず、中間層201の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下するおそれがある。
下地層202としては、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を用いることができる。
下地層202の厚さは、0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。下地層202の厚さを1μm以上にすることにより、結晶性の良好な下地層202を得やすくなる。
また、下地層202の結晶性を良くするためには、下地層202には不純物をドーピングしない方が望ましい。しかし、p型あるいはn型の導電性が必要な場合には、アクセプター不純物あるいはドナー不純物を添加することができる。
nコンタクト層203aは、n電極400を設けるための層である。
nコンタクト層203aは、AlxGa1-xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。
また、nコンタクト層203aにはn型不純物がドープされていることが好ましい。n型不純物を1×1017/cm3〜1×1020/cm3、好ましくは1×1018/cm3〜1×1019/cm3の濃度で含有すると、n電極400との良好なオーミック接触を維持できる点で好ましい。n型不純物としては、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeが挙げられる。
nクラッド層203bは、発光層204へのキャリアの注入とキャリアの閉じ込めとを行う層である。
nクラッド層203bはAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。nクラッド層203bをGaInNで形成する場合には、発光層204のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましい。
nクラッド層203bの厚さは、好ましくは5nm〜500nmであり、より好ましくは50nm〜200nmである。
また、nクラッド層203bは、n側第1層とn側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであってもよく、この場合には、GaInNとGaNとの交互構造又は組成の異なるGaInN同士の交互構造であることが好ましい。
nクラッド層203bの上に積層される発光層204としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などを採用することができる。
量子井戸構造の井戸層としては、所望の発光波長を得られるように調整したGa1-yInyN(0<y<0.4)からなるIII族窒化物半導体層が通常用いられる。また、多重量子井戸構造の発光層204を用いる場合は、上記Ga1-yInyNを井戸層とし、井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きいAlzGa1-zN(0≦z<0.3)を障壁層とする。井戸層および障壁層には、設計により不純物をドープしてもよく、不純物をドープしなくてもよい。
pクラッド層205aは、発光層204へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入とを行う層である。
pクラッド層205aとしては、発光層204のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層204へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、例えばAlxGa1-xN(0<x≦0.4)を用いることが望ましい。pクラッド層205aが、このようなAlGaNからなると、発光層204へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。
また、pクラッド層205aは、上述したnクラッド層203bと同様に超格子構造としてもよい。この場合には、組成比が異なるAlGaNと他のAlGaNとが交互に積層された構造または組成が異なるAlGaNとGaNとが交互に積層された構造であることが好ましい。
pクラッド層205aの厚さは、特に限定されないが、好ましくは1nm〜400nmであり、より好ましくは5nm〜100nmである。
pコンタクト層205bは、透明導電層300を介してp電極350を設けるための層である。pコンタクト層205bは、AlxGa1-xN(0≦x≦0.4)から構成されることが好ましい。Al組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持およびp電極350との良好なオーミック接触の維持が可能となる点で好ましい。
pコンタクト層205bのp型不純物濃度は、1×1018/cm3〜1×1021/cm3が好ましく、より好ましくは5×1019/cm3〜5×1020/cm3である。p型不純物濃度が上記範囲であると、良好なオーミック接触の維持、良好な結晶性の維持が可能となる点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えばMg等が挙げられる。
pコンタクト層205bの厚さは、特に限定されないが、10nm〜500nmが好ましく、より好ましくは50nm〜200nmである。pコンタクト層205bの厚さが上記範囲にあると、発光出力、動作電圧の点で好ましい。
さらに、上述したように、本実施の形態の積層半導体層200上(上側半導体上面253)には、透明導電層300が設けられている。
透明導電層300は、p型半導体層205(pコンタクト層205b)との接触抵抗が小さいものであることが好ましい。また、本実施の形態の半導体発光素子1では、発光層204から出力された光をp電極350が形成された側に取り出すことから、透明導電層300は、発光層204から出力される光に対する透過性に優れたものであることが好ましい。さらにまた、透明導電層300は、p型半導体層205の全面に亘って均一に電流を拡散させるために、優れた導電性を有したものであることが好ましい。
透明導電層300の厚さは、特に制限されないが、例えば10nm〜500nmの範囲が好ましい。
続いて、本実施の形態の半導体発光素子1における下側半導体層210の詳細な構造について説明する。
図4および図5は、本実施の形態が適用される半導体発光素子1の縦断面図の一例である。図4(a)は、図2におけるIVA−IVA断面図であり、図4(b)は、図2におけるIVB−IVB断面図である。また、図5は、図2におけるV−V断面図である。
また、下側半導体層210において、第1下側半導体側面211と下側半導体底面214とがなす角度をθ1bとする。本実施の形態では、θ1bは鈍角となっている(θ1b>90°)。
そして、図4(a)に示すように、下側半導体層210は、第2方向yに沿って、第1下側半導体側面211と下側半導体上面213との境界部(すなわち第1直線部231)に向かうにつれて、厚みが薄くなっている。
また、下側半導体層210において、第2下側半導体側面212と下側半導体底面214とがなす角度をθ2bとする。本実施の形態では、θ2bは鈍角となっている(θ2b>90°)。
そして、図4(b)に示すように、下側半導体層210は、第1方向xに沿って、第2下側半導体側面212と下側半導体上面213との境界部(すなわち第2直線部232)に向かうにつれて、厚みが薄くなっている。
ここで、図6(b)では、下側半導体底面214を下側半導体上面213に対して投影して記載しており、下側半導体上面213に投影した下側半導体底面214を一点鎖線で示している。なお、図6(b)においては、基板100および上側半導体層250の記載を省略している。
さらに、接続側面235の傾斜部235bと下側半導体底面214とがなす角度をθ3bとすると、θ3bは鈍角である(θ3b>90°)。なお、本実施の形態では、θ3bは、θ1bおよびθ2bよりも大きい(θ3b>θ1b、θ3b>θ2b)。
そして、図5に示すように、傾斜部235bは、基板上面113と垂直な平面に対して傾斜した形状を有している。また、傾斜部235bは、下側半導体底面214側から垂直部235a側に向かうにつれて、垂直部235aに倣って徐々に形状が変化している。
そして、図6(b)に示すように、下側半導体上面213をn電極400が形成される側から第3方向zに沿って見た場合に、接続部233は、第1直線部231の延長線と第2直線部232の延長線とが交差する交点よりも内側に位置している。これにより、接続部233は、第3方向zに沿って見た場合に、第1直線部231および第1直線部231の延長線と、第2直線部232および第2直線部232の延長線とに囲まれる長方形の内側に位置することになる(図2も参照)。
第1下側半導体側面211および第2下側半導体側面212が基板上面113と垂直な方向に対して傾斜した構造を有する従来の半導体発光素子1では、下側半導体層210における下側半導体上面213の周縁が略長方形の形状を有している。すなわち、従来の半導体発光素子1における下側半導体上面213は、図6(b)にて破線で示すように、接続部233を有しておらず、第1直線部231と第2直線部232とが交わっている。すなわち、従来の半導体発光素子1では、下側半導体上面213と第1下側半導体側面211と第2下側半導体側面212とが直接交わっており、下側半導体上面213と第1下側半導体側面211と第2下側半導体側面212との境界部には、下側半導体層210の外側に向けて尖った角(以下、尖端部と呼ぶ)が形成されている。
ここで、一般に、尖った形状を有する部材において、その尖った部分に対して外部からの力を受けた場合には、力が分散しにくく、尖った部分に力が集中しやすい傾向がある。例えば従来の半導体発光素子1では、下側半導体層210が他の部材等にぶつかって、下側半導体層210に対して外部から力が付加された場合には、その力は下側半導体層210の尖端部に集中しやすい。
そして、従来の半導体発光素子1では、上述したように下側半導体層210の尖端部の厚みが薄いため、外部から付加された力が集中した場合には、下側半導体層210が尖端部にて欠けやすくなる懸念がある。
すなわち、本実施の形態の半導体発光素子1では、下側半導体層210において、下側半導体上面213と第1下側半導体側面211と第2下側半導体側面212とが直接交わっておらず、従来例のような尖端部が形成されていない。
これにより、例えば従来例のように尖端部において下側半導体層210が厚さを有さない場合と比較して、下側半導体層210の強度を高めることが可能になる。これにより、本構成を採用しない場合と比較して、半導体発光素子1において下側半導体層210の割れや欠けの発生をより抑制することが可能になる。
垂直部235aの高さをこのような範囲に設定することで、例えば高さHが下側半導体層210の厚さの1/2よりも大きい場合と比較して、傾斜部235bの面積が大きくなる。これにより、本構成を採用しない場合と比較して、半導体発光素子1(図1参照)の発光層204(図3等参照)から出力された光が、傾斜部235bを介して半導体発光素子1の外部へと取り出されやすくなり、半導体発光素子1の出力の低下を抑制することが可能になる。
また、図6(b)に示すように、底面周縁240における第1直線部241と第2直線部242との交点から、上面周縁230における接続部233の中央部までの距離をLとする。なお、接続部233の中央部とは、この例では、底面周縁240の第1直線部241と第2直線部242との交点から、上面周縁230の第1直線部231の延長線と第2直線部232の延長線との交点へと延びる直線(すなわち、第1直線部231の延長線と第2直線部232の延長線との交点と、底面周縁240との最短距離を結ぶ直線)が、接続部233と交差する点をいう。
本実施の形態では、距離Lは、以下の式で表される範囲とすることが好ましい。
L2=A×(X2+Y2) 0<A≦0.95 …(1)
したがって、本実施の形態のように下側半導体層210の突出量を小さくすることで、本構成を採用しない場合と比較して、下側半導体層210の欠け・割れ等の発生を抑制することが可能になる。
したがって、下側半導体層210が、第1直線部231および第2直線部232において縦断面にて尖った形状を有している場合であっても、下側半導体層210における欠け・割れ等は発生しにくい。
また、上述した第1直線部231および第2直線部232等は、厳密に完全な直線形状をなす必要はなく、一部に曲がった部分や凸凹が形成されていても、全体として実質的に直線に近似できる形態をなしていればよい。
例えば、下側半導体層210が上述のような接続部233および接続側面235を有していれば、半導体発光素子1をp電極350およびn電極400が形成された側から見た形状が正方形や平行四辺形に近似した形状であってもよく、また四角形以外の多角形(三角形や六角形等)に近似した形状であってもよい。
続いて、本実施の形態の半導体発光素子1の製造方法について説明する。なお、本実施の形態では、ウエハ状の基板100に積層半導体層200を積層するとともに、積層半導体層200上に複数の、透明導電層300、p電極350およびn電極400等をそれぞれ形成し、これを分割することで、複数の半導体発光素子1を得る。図7は、本実施の形態が適用される半導体発光素子1の製造方法の一例を示すフローチャートである。
次に、ステップ101で形成された半導体積層基板20の積層半導体層200上に、SiO2等から構成されるマスク51(後述する図8参照)を形成するマスク形成工程を実行する(ステップ102)。
次いで、ステップ102にてマスク51が形成された半導体積層基板20の積層半導体層200上に透明導電層300を形成する透明導電層形成工程を実行する(ステップ103)。
続いて、ステップ103にて透明導電層300が形成された半導体積層基板20の積層半導体層200上および透明導電層300上にレジスト61(後述する図9参照)を形成するレジスト形成工程を実行する(ステップ104)。
次に、ステップ104にてレジスト61が形成された半導体積層基板20に対して、積層半導体層200の一部をエッチングによって除去することで、複数の第1溝部71および複数の第2溝部72(ともに、後述する図10参照)等を形成する第1エッチング工程を実行する(ステップ105)。
なお、本実施の形態では、ステップ102のマスク形成工程、ステップ104のレジスト形成工程およびステップ105の第1エッチング工程が半導体除去工程に対応している。
続いて、ステップ106にてn電極400、p電極350および保護膜500が形成された半導体積層基板20に対して、n電極400およびp電極350が形成された半導体積層基板20の表面側から第1方向xおよび第2方向yに沿ってレーザ光を照射して、第1照射ライン81および第2照射ライン82(ともに、後述する図11参照)を形成する表面レーザ工程を実行する(ステップ107)。
次に、ステップ107にて第1照射ライン81および第2照射ライン82が形成された半導体積層基板20に対して、ウェットエッチング工程の一例としての第2エッチング工程を実行する(ステップ108)。
次いで、ステップ108にてウェットエッチングが施された半導体積層基板20を、第1照射ライン81および第2照射ライン82に沿って分割することで、個片化した複数の半導体発光素子1(図1参照)を得る分割工程を実行する(ステップ109)。
本実施の形態では、ステップ107の表面レーザ工程が分割溝形成工程に対応し、ステップ108の第2エッチング工程がウェットエッチング工程に対応している。
(半導体積層工程)
ステップ101の半導体積層工程では、まず、例えばC面を主面とするサファイア単結晶からなるウエハ状の基板100(図1参照)を用意し、表面加工を施す。表面加工としては、例えば、ウェットエッチングやドライエッチング、スパッタ法等を用いることで、ウエハ状の基板100における基板上面113(図1参照)に、複数の凸部113a(図3参照)を形成する。
これらの層の積層方法としては、MOCVD法(有機金属化学気相成長法)、HVPE法(ハイドライド気相成長法)、MBE法(分子線エピタキシー法)、スパッタ法等の方法を使用することができる。特に好ましい積層方法として、膜厚制御性、量産性の観点から、MOCVD法が挙げられる。
したがって、本実施の形態の下側半導体層210における中間層201、下地層202およびnコンタクト層203a等は、それぞれ、下側半導体底面214側から下側半導体上面213側に向かって、徐々にIII族窒化物の結晶性が良くなるように形成される。
これにより、下側半導体層210全体としても、下側半導体底面214側から下側半導体上面213側に向かって、徐々にIII族窒化物の結晶性が良くなるように形成されることになる。
続いて、ステップ102のマスク形成工程について説明する。
図8は、マスク形成工程を実行することにより得られたマスク51形成後の半導体積層基板20を示した図である。図8(a)は、マスク51形成後の半導体積層基板20を、マスク51が形成された側から見た上面図であり、図8(b)は、図8(a)の一部を拡大した拡大上面図であり、図8(c)は、図8(b)のVIIIC−VIIIC断面図である。
マスク51は、半導体積層基板20から形成される複数の半導体発光素子1(図1参照)の形成予定位置(以下、素子形成予定位置と呼ぶ)に対応して、積層半導体層200上の一部の領域に積層される。
マスク51は、素子形成予定位置の周囲を囲むように、第1方向xおよび第2方向yに沿って設けられている。そして、マスク51には、それぞれの素子形成予定位置に対応して設けられた複数の第1の孔52が形成されている。また、マスク51には、それぞれの素子形成予定位置の四隅であって、隣接する4つの素子形成予定位置の中心に、第2の孔53が形成されている。
図8(a)に示すように、それぞれの第1の孔52および第2の孔53からは、積層半導体層200が露出している。なお、素子形成予定位置のうち半導体露出面213a(図1参照)に対応する領域には、マスク51が形成されており、積層半導体層200は露出していない。
それぞれの第2の孔53は、図8(a)(b)に示すように、素子形成予定位置における四隅がそれぞれ円弧状となるように、中心角が90度の円弧における外周側が4つ向き合った形状となっている。これにより、それぞれの素子形成予定位置の四隅に、第1方向xおよび第2方向yに十字状に延びた形状(以下、十字型と呼ぶことがある)の第2の孔53が形成されている。
本実施の形態のマスク51としては、ステップ105の第1エッチング工程においてエッチングに用いられる酸等のエッチング液やエッチングガスによって、積層半導体層200とともに除去が可能な材質を用いることが好ましい。このようなマスク51に用いられる材質としては、例えば、SiO2等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
また、マスク51に第1の孔52、第2の孔53を形成して、マスク51を上述した形状にするには、従来公知のフォトリソグラフィー法によりレジストのパターンを形成し、従来公知のエッチング法等により、レジストで覆われていない部分のマスク51を除去する方法が使用できる。
なお、マスク51の形成方法はこれに限られず、従来公知の方法を適宜用いることができる。
次に、ステップ103の透明導電層形成工程について説明する。
透明導電層300(後述する図9等参照)は、複数の素子形成予定位置のそれぞれに対応するように、ステップ102で形成したマスク51における複数の第1の孔52から露出する積層半導体層200上に設けられる。
そして、これらの材料を、この技術分野でよく知られた慣用の手段にて積層半導体層200上に設けることによって、透明導電層300を形成できる。なお、透明導電層300を積層半導体層200上に形成した後に、透明導電層300の透明化や低抵抗化等を目的とした熱アニール処理を施してもよい。
続いて、ステップ104のレジスト形成工程について説明する。
図9は、ステップ104のレジスト形成工程までを実行することにより得られた、透明導電層300およびレジスト61形成後の半導体積層基板20を示した図である。図9(a)は、透明導電層300およびレジスト61形成後の半導体積層基板20の一部を、透明導電層300およびレジスト61が形成された側から見た上面図である。また、図9(b)は、図9(a)のIXB−IXB断面図であり、図9(c)は、図9(a)のIXC−IXC断面図であり、図9(d)は、図9(a)のIXD−IXD断面図である。
レジスト61としては、従来公知の材料を用いることができる。また、レジスト61の形成方法としては、従来公知のフォトリソグラフィー法等を採用することができる。
続いて、ステップ105の第1エッチング工程について説明する。
図10は、ステップ105の第1エッチング工程を実行することにより得られた、第1溝部71、第2溝部72、凹部73および半導体露出面213a形成後の半導体積層基板20を示した図である。図10(a)は、第1溝部71および第2溝部72形成後の半導体積層基板20の一部を、第1溝部71、第2溝部72等が形成された側から見た上面図である。また、図10(b)は、図10(a)のXB−XB断面図であり、図10(c)は、図10(a)のXC−XC断面図であり、図10(d)は、図10(a)のXD−XD断面図である。
本実施の形態では、隣接する第1溝部71同士の間隔が、隣接する第2溝部72同士の間隔よりも狭くなっている。
また、半導体露出面213aは、複数形成される。この例では、複数の半導体露出面213aは、第2方向yに沿って並んで配置され、それぞれが第2溝部72と繋がって設けられている。
図10(a)に示すように、上側半導体層250を第3方向zから見た形状は、第1方向xに沿う方向を長辺、第2方向yに沿う方向を短辺とする長方形に近似している。
第3方向zから見た場合に凹部73の壁面は、図10(a)に示すように、4つの円弧が向き合った十字型の形状となっている。なお、凹部73を構成する円弧状の壁面それぞれが、半導体積層基板20から形成される半導体発光素子1における接続部233の形状に対応している。
エッチング法としては、ドライエッチングであれば、例えば、反応性イオンエッチング、イオンミリング、集束ビームエッチングおよびECRエッチングなどの手法を用いることができ、ウェットエッチングであれば、例えば、硫酸とリン酸との混酸を用いることができる。
ここで、本実施の形態では、上述したステップ102のマスク形成工程において、積層半導体層200上の一部の領域に、エッチングにより除去される積層半導体層200の厚さを調整するためのマスク51(図8、図9参照)を形成している。また、上述したステップ104のレジスト形成工程において、積層半導体層200上の一部の領域および透明導電層300上に、エッチングによる積層半導体層200および透明導電層300の除去を妨げるレジスト61(図9参照)を形成している。
また、積層半導体層200および透明導電層300のうちレジスト61が形成されている領域では、エッチングが進行せず、積層半導体層200および透明導電層300は除去されない。
一方、積層半導体層200のうちマスク51およびレジスト61の双方がともに形成されていない領域(第2の孔53から露出する領域)では、マスク51およびレジスト61に妨げられることなくエッチングが進行する。
これにより、半導体積層基板20においてマスク51を形成した領域には、エッチングによって積層半導体層200の一部が除去されることにより、nコンタクト層203aが露出する第1溝部71、第2溝部72および半導体露出面213aが形成される。
また、マスク51およびレジスト61の双方が形成されていない領域(第2の孔53から露出する領域)には、エッチングによって、積層半導体層200(nコンタクト層203a)が第2の孔53の形状に合わせて削られることで、nコンタクト層203aが露出する凹部73が形成される。なお、第2の孔53から露出する積層半導体層200上は、マスク51およびレジスト61の双方が形成されていないため、第1溝部71、第2溝部72および半導体露出面213aよりも積層半導体層200が多く削られることで、凹部73は第1溝部71および第2溝部72に対して凹んで形成される。
さらにまた、レジスト61が形成された積層半導体層200上および透明導電層300上では、積層半導体層200および透明導電層300は除去されずに残存する。
続いて、ステップ106の電極形成工程について説明する。
ステップ106の電極形成工程では、各透明導電層300上の所定の位置にp電極350(図1、後述する図11等参照)を形成するとともに、各半導体露出面213a上にn電極400(図1、後述する図11等参照)を形成する。
p電極350およびn電極400としては、各種の組成および構造が周知であり、これら周知の組成や構造を何ら制限なく用いることができる。
また、p電極350およびn電極400を形成する手段としては、真空蒸着法やスパッタ法等、周知の方法を何ら制限なく用いることができる。
さらに、ステップ106の電極形成工程では、p電極350およびn電極400のそれぞれの表面における一部の領域(開口部)と第1溝部71および第2溝部72上とを除いて、上側半導体層250、透明導電層300、p電極350およびn電極400の上面及び側面を覆うように、SiO2等からなる保護膜500(後述する図11参照)を形成する。
続いて、ステップ107の表面レーザ工程について説明する。
図11は、ステップ106の電極形成工程およびステップ107の表面レーザ工程を実行することにより得られた、第1照射ライン81および第2照射ライン82形成後の半導体積層基板20を示した図である。図11(a)は、第1照射ライン81および第2照射ライン82形成後の半導体積層基板20の一部を、第1照射ライン81および第2照射ライン82が形成された側から見た上面図である。また、図11(b)は、図11(a)のXIB−XIB断面図であり、図11(c)は、図11(a)のXIC−XIC断面図であり、図11(d)は、図11(a)のXID−XID断面図である。なお、図11(a)においては、保護膜500の記載を省略している。
同様に、第2照射ライン82は、図11(a)に示すように、第2溝部72に沿い且つ第2方向yに沿うように形成される。そして、第2照射ライン82は、図11(c)に示すように、積層半導体層200を分離するように形成されており、基板100の内部まで到達している。
これにより、下側半導体層210は、第1照射ライン81および第2照射ライン82によって複数の部分に分離される。
図12は、ステップ104の表面レーザ工程終了後の下側半導体層210における段差74近傍の構造を示した図である。なお、図12では、第1照射ライン81および第2照射ライン82により凹部73が分離されることで形成された複数(4つ)の段差74のうち1つの段差74を示している。
これにより、下側半導体層210では、全体として略直方体の形状を有するとともに、湾曲面74aによって、第3方向zから見た場合における四隅に、円弧形状の湾曲面74aを有する段差74が形成されることになる。
続いて、ステップ108の第2エッチング工程について説明する。
図13は、ステップ108の第2エッチング工程を実行することにより得られた半導体積層基板20を示した図である。図13(a)は、ウェットエッチング終了後の半導体積層基板20の一部を、p電極350およびn電極400が形成された側から見た上面図である。また、図13(b)は、図13(a)のXIIIB−XIIIB断面図であり、図13(c)は、図13(a)のXIIIC−XIIIC断面図であり、図13(d)は、図13(a)のXIIID−XIIID断面図である。なお、図13(a)においては、保護膜500の記載を省略している。
ウェットエッチングは、第1照射ライン81および第2照射ライン82が形成された半導体積層基板20を、保護膜500が形成されたままの状態で、所定の温度に加熱されたオルトリン酸等のエッチング液に浸漬することで行う。
一般に、本実施の形態の中間層201(図3参照)を構成するAlNは、本実施の形態の下地層202(図3参照)およびnコンタクト層203a(図3参照)を構成するAlGaN、GaN、InGaN等と比較して、オルトリン酸等のエッチング液により浸食されやすい性質を有している。
また、上述したように、本実施の形態においては、下側半導体層210を構成する中間層201、下地層202およびnコンタクト層203aは、それぞれ基板100に近い側から上側半導体層250に接する側に向かって、徐々に結晶性が良くなるように形成されている。
さらに、上述したように、本実施の形態における下側半導体層210を構成するIII族窒化物半導体は、N極性面が基板100の基板上面113を向くように成長する。そして一般に、III族窒化物半導体をウェットエッチングする場合には、N極性面側からエッチングが進行することが知られている。
したがって、下側半導体層210のうち、段差74を除く部分では、エッチングが進行することで、図13(c)(d)に示すように、下側半導体底面214側の方が下側半導体上面213側よりも大きく削られる。そして、図13(c)(d)に示すように、基板100の基板上面113と垂直な方向に対して傾斜した第1下側半導体側面211および第2下側半導体側面212が形成されることになる。
図14は、下側半導体層210の段差74近傍におけるウェットエッチングの進行を説明するための図である。図14(a)は、半導体積層基板20における下側半導体層210の段差74近傍を、下側半導体上面213側から見た上面図であり、図14(b)は、図14(a)におけるXIVB−XIVB断面図である。なお、図14においては、上側半導体層250および保護膜500の記載を省略している。
すなわち、図14(a)に示すように、湾曲面74aから下側半導体層210の内側に向かって、第3方向zから見た場合に円弧形状を呈するように下側半導体層210が除去されることになる。
これにより、図14(a)(b)および図1に示すように、第3方向zに沿って延びるとともに第3方向zから見た場合に円弧形状を呈する垂直部235aが形成され、下側半導体上面213と垂直部235aとの境界部には、円弧形状を呈する接続部233が形成される。
したがって、図14(b)に示すように、段差74において湾曲面74aよりも下側半導体底面214側の領域では、下側半導体底面214側の方が下側半導体上面213側よりも大きく削られる。これにより、基板100の基板上面113と垂直な方向および垂直部235aに対して傾斜した傾斜部235bが形成される。
ステップ109の分割工程では、ステップ108の第2エッチング工程により下側半導体層210が複数の領域に分離された半導体積層基板20を切断し、複数の半導体発光素子1に分割する。
なお、半導体積層基板20を複数の半導体発光素子1に分割する前に、半導体積層基板20における基板100が所定の厚さとなるように、基板100の基板底面114を研削および研磨する工程を設けてもよい。
研削・研磨後の基板100の厚みは、60μm〜300μm、好ましくは80μm〜250μm、より好ましくは100μm〜200μmとする。基板100の厚みを上記範囲とすることで、ステップ109の分割工程において効率良く半導体積層基板20を分割することが可能になる。
続いて、第1照射ライン81および第2照射ライン82に沿って形成された改質領域に沿うように、ウエハ状の基板100の基板底面114側からブレードを押し当てることにより、改質領域を起点として亀裂を生じさせ、ウエハ状の基板100を複数の基板100に分割する。このとき、分離された各基板100上には、下側半導体層210、上側半導体層250、透明導電層300、p電極350およびn電極400が存在することになる。
この分割により、基板100における第1基板側面111および第2基板側面112が形成される。
そして、以上の工程を経ることで、図1に示す半導体発光素子1を得ることができる。
本実施の形態の半導体積層基板20では、上述したように、ステップ107の表面レーザ工程及びステップ108の第2エッチング工程により複数の領域に分離された下側半導体層210は、第1下側半導体側面211と第2下側半導体側面212とを接続する部分に接続側面235が形成されており、下側半導体層210における角部分が丸まっていて突出量が少ない。
したがって、本構成を有さない場合と比較して、分割工程において、下側半導体層210同士が衝突しにくく、また、下側半導体層210同士が衝突した場合であっても、従来のように下側半導体層210の角が尖った形状を有する場合と比較して、割れや欠けの発生を抑制することができる。
続いて、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1とは異なる方法で半導体発光素子1(図1参照)を製造する。
以下、実施の形態2における半導体発光素子1の製造方法について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成、同様な工程等については同様の符号を用い、ここでは詳細な説明を省略する。
実施の形態2では、ステップ102のマスク形成工程において形成するマスク55(後述する図15参照)の形状、ステップ105の第1エッチング工程において除去される積層半導体層200の形状、ステップ108の第2エッチング工程における積層半導体層200のウェットエッチングの進行の仕方が実施の形態1とは異なる点以外は、実施の形態1とほぼ同様の方法で半導体発光素子1を形成する。
実施の形態2では、実施の形態1と同様に、ステップ102のマスク形成工程、ステップ104のレジスト形成工程およびステップ105の第1エッチング工程が半導体除去工程に対応し、ステップ107の表面レーザ工程が分割溝形成工程に対応し、ステップ108の第2エッチング工程がウェットエッチング工程に対応している。
なお、図15(c)(d)は、ステップ105の第1エッチング工程を実行した後の半導体積層基板20を示しており、詳細については後段にて説明する。
また、マスク55は、実施の形態1と同様に、従来公知のCVD法、蒸着法、スパッタリング法等で形成することができる。
図15(c)(d)は、上述したように、実施の形態2において、ステップ105の第1エッチング工程を実行することにより積層半導体層200の一部が除去された半導体積層基板20を示した図である。図15(c)は、積層半導体層200の一部が除去された半導体積層基板20の一部を、透明導電層300が形成された側から見た上面図であり、図15(d)は、図15(c)におけるXVD−XVD断面図である。
そして、本実施の形態におけるステップ105の第1エッチング工程では、積層半導体層200の一部を除去することにより、第1溝部71、第2溝部72、半導体露出面213a、第1溝部71および第2溝部72から突出する凹凸部の一例としての凸部75を形成する。
また、図15(c)に示すように、凸部75は、第1溝部71と第2溝部72とが交差する領域に複数形成されている。具体的には、凸部75は、上述のマスク55が形成された領域に形成され、第3方向zから見た場合に、半導体積層基板20から形成される半導体発光素子1の接続部233の位置に対応して、素子形成予定位置の四隅を囲むように設けられる。
実施の形態1と同様に、ステップ105の第1エッチング工程におけるエッチングは、積層半導体層200の上面側(基板100とは反対側)から進行し、上面側から積層半導体層200が除去される。
ここで、本実施の形態では、上述したステップ102のマスク形成工程において、積層半導体層200上の一部の領域に、マスク55を形成している。また、上述したステップ104のレジスト形成工程において、積層半導体層200上の一部の領域および透明導電層300上に、レジスト61を形成している。
また、積層半導体層200および透明導電層300のうちレジスト61が形成されている領域では、エッチングが進行せず、積層半導体層200および透明導電層300は除去されない。
一方、積層半導体層200のうちマスク55およびレジスト61の双方がともに形成されていない領域では、マスク55およびレジスト61に妨げられることなくエッチングが進行する。
これにより、半導体積層基板20において、マスク55およびレジスト61を形成していない領域では、nコンタクト層203aが露出する第1溝部71、第2溝部72および半導体露出面213aが形成される。
また、本実施の形態では、半導体積層基板20においてマスク55が形成された領域では、例えばマスク55が除去された時点でエッチングが終了され、積層半導体層200が除去されずに残存することで、第1溝部71および第2溝部72から突出する凸部75が形成される。
さらにまた、半導体積層基板20においてレジスト61が形成された積層半導体層200上および透明導電層300上では、積層半導体層200および透明導電層300は除去されずに残存する。
この場合、マスク55が形成された領域は、マスク55およびレジスト61の双方が形成されていない領域と比較して、除去される積層半導体層200の量が少ない。したがって、マスク55が形成された領域には、第1溝部71および第2溝部72から突出する凸部75が形成されることになる。
ここで、図16(a)〜(c)に示すように、ステップ108の第2エッチング工程を実行する前の半導体積層基板20における積層半導体層200では、素子形成予定位置の四隅に、基板上面113と垂直な方向(第3方向z)に沿って延びる凸部75が形成されている。実施の形態1で説明したように、積層半導体層200において第3方向zに延びる面が存在する場合、この面よりも内側(第1照射ライン81および第2照射ライン82から離れる側)では、ウェットエッチングによってこの面の形状に依存して積層半導体層200が除去される。
これにより、実施の形態1と同様に、第3方向zに沿って延びるとともに第3方向zから見た場合に円弧形状を呈する垂直部235aが形成され、下側半導体上面213と垂直部235aとの境界部には、円弧形状を呈する接続部233が形成される(図1等参照)。
これにより、図17(b)に示すように、凸部75の下に位置する下側半導体層210のうち下側半導体底面214側の領域では、垂直部235aに対して傾斜するとともに基板上面113と垂直な方向に対して傾斜した傾斜部235bが形成される。
また、下側半導体層210のうち凸部75が形成されていない領域では、実施の形態1と同様に、第1照射ライン81及び第2照射ライン82を介して侵入したエッチング液により下側半導体層210の一部が削られることで、基板上面113と垂直な方向に対して傾斜した第1下側半導体側面211および第2下側半導体側面212が形成される(図1等参照)。
続いて、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2とは異なる方法で、半導体発光素子1(図1参照)を製造する。なお、実施の形態1および実施の形態2と同様な構成、同様な工程等については同様の符号を用い、ここでは詳細な説明を省略する。
実施の形態3では、ステップ104のレジスト形成工程およびステップ105の第1エッチング工程が、半導体除去工程に対応し、ステップ107の表面レーザ工程が分割溝形成工程に対応し、ステップ108の第2エッチング工程がウェットエッチング工程に対応している。
なお、本実施の形態において、ステップ104のレジスト形成工程にて形成するレジスト65の形状は、実施の形態1および実施の形態2にて形成するレジスト61の形状とは異なっている。
なお、図18(c)(d)は、ステップ105の第1エッチング工程実行後の半導体積層基板20を示した図であり、詳細については後段にて説明する。
第1レジスト65aは、実施の形態1および実施の形態2におけるレジスト61と同様の形状を有している。
また、第2レジスト65bは、実施の形態2におけるマスク55と同様の形状を有している。具体的には、第2レジスト65bは、図18(a)に示すように、第3方向zから見た場合に、半導体積層基板20から形成される半導体発光素子1(図1参照)における接続部233(図1参照)の位置に対応して、半導体発光素子1の形成予定位置における四隅を囲むように設けられる。
図18(c)(d)は、実施の形態3において、ステップ105の第1エッチング工程を実行することにより積層半導体層200の一部が除去された半導体積層基板20を示した図である。図18(c)は、積層半導体層200の一部が除去された半導体積層基板20の一部を、透明導電層300が形成された側から見た上面図であり、図18(d)は、図18(a)におけるXVIIID−XVIIID断面図である。
本実施の形態において、ステップ105の第1エッチング工程では、積層半導体層200の一部を除去することにより、実施の形態2と同様に、第1溝部71、第2溝部72、半導体露出面213a、第1溝部71および第2溝部72から突出する凸部75を形成する。
実施の形態1および実施の形態2で説明したように、ステップ105の第1エッチング工程におけるエッチングは、積層半導体層200の上面側(基板100とは反対側)から進行し、上面側から積層半導体層200が除去される。
ここで、本実施の形態では、上述したステップ104のレジスト形成工程において、積層半導体層200上の一部の領域に、レジスト65(第1レジスト65a、第2レジスト65b)を形成している。
ここで、本実施の形態では、エッチングは、積層半導体層200のうちレジスト65が形成されていない領域において、積層半導体層200の一部が除去されてnコンタクト層203aが露出した時点で終了する。
さらに、半導体積層基板20において、第2レジスト65bが形成された領域では、積層半導体層200が除去されずに残存することで、第1溝部71および第2溝部72から突出する凹凸部の一例としての凸部75が形成される。
また、半導体積層基板20において第1レジスト65aが形成された積層半導体層200上および透明導電層300上では、積層半導体層200および透明導電層300は除去されずに残存する。
したがって、実施の形態2と同様に、ステップ106の電極形成工程、ステップ107の表面レーザ工程、ステップ108の第2エッチング工程およびステップ109の分割工程を実行することにより、図1に示す半導体発光素子1を得ることができる。
Claims (6)
- 通電により発光する発光層を含む半導体層を備える半導体発光素子であって、
前記半導体層は、半導体底面と、当該半導体底面の第1の周縁から当該半導体層の上方且つ外方に立ち上がる半導体側面と、当該半導体側面の上方における第2の周縁から当該半導体層の内方に向かって延びることで上方を向く半導体上面とを有し、
前記第2の周縁は、直線状に延びる複数の直線部と、隣接する当該直線部同士を接続する複数の接続部とを有し、前記半導体上面と垂直な方向から見た場合に、それぞれの接続部は、当該接続部に接続される2つの直線部の延長線同士の交点よりも内側に位置することを特徴とする半導体発光素子。 - 前記半導体層は、前記接続部における厚さが、前記直線部における厚さと比較して厚いことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
- 前記複数の直線部は、前記半導体層を前記半導体上面と垂直な方向から見た場合に、第1方向に延びる第1直線部と、当該第1方向と垂直な第2方向に延び前記接続部を介して当該第1直線部に接続される第2直線部とを有し、
前記半導体層を前記半導体上面と垂直な方向から見た場合に、前記第1直線部から前記第1の周縁までの最短距離をXとし、前記第2直線部から当該第1の周縁までの最短距離をYとし、当該第1直線部の延長線と当該第2直線部の延長線との交点から当該第1の周縁までの最短距離を結んだ直線と前記接続部との交点から、当該第1の周縁までの最短距離をLとした場合に、X、YおよびLは、
L2=A×(X2+Y2) 0<A≦0.95
の関係を有することを特徴とする請求項1または2記載の半導体発光素子。 - 前記接続部は、前記半導体層を前記半導体上面と垂直な方向から見た場合に、円弧形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体発光素子。
- 基板上に、通電により発光する発光層を含みIII族窒化物半導体から構成される半導体層が積層された半導体積層基板に対して、当該基板とは反対側から当該半導体層の一部を局所的に除去することで、当該半導体層が部分的に凹みまたは部分的に突出した凹凸部を形成する半導体除去工程と、
前記凹凸部が形成された前記半導体積層基板に対して、前記基板とは反対側から前記半導体層の一部を局所的に当該基板に到達するまで除去することで、当該凹凸部にて交差し且つ当該半導体層を複数の領域に分割する複数の分割溝を形成する分割溝形成工程と、
前記凹凸部および前記複数の分割溝が形成された前記半導体積層基板に対して、ウェットエッチングを施すウェットエッチング工程と
を含む半導体発光素子の製造方法。 - 前記半導体除去工程では、前記半導体層の除去を妨げる除去抑制層を当該半導体層上に部分的に積層し、当該半導体層のうち当該除去抑制層が形成されていない領域を前記基板の反対側から除去することで、前記凹凸部を形成することを特徴とする請求項5記載の半導体発光素子の製造方法。
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