JP5920186B2 - 半導体発光素子の製造方法および半導体発光素子 - Google Patents
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Description
このような半導体発光素子において、III族窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて狭くなるように、III族窒化物半導体層の側面を基板上面の法線に対して外側に傾斜させることで、半導体発光素子における光の取り出し効率を向上させる技術が存在する(特許文献1参照)。
本発明は、半導体層の割れを抑制した半導体発光素子を提供することを目的とする。
また、本発明の半導体発光素子の製造方法は、前記被覆部形成工程では、SiO 2 から構成される前記被覆部を形成するとともに、SiO 2 から構成され且つ前記半導体層上の当該被覆部とは異なる領域を被覆する他の被覆部を形成し、前記分割溝形成工程では、前記被覆部で交差し且つ前記他の被覆部を通過しない前記複数の分割溝を形成することを特徴とすることができる。
さらに、本発明の半導体発光素子の製造方法は、前記被覆部形成工程の前に、前記半導体積層基板に対して、前記基板とは反対側から前記半導体層の一部を局所的に除去し、当該半導体層が当該基板側に向かって凹むとともに互いに交差する複数の溝部を形成することで、当該半導体層における当該基板とは反対側を複数の領域に分離する半導体除去工程を更に含み、前記被覆部形成工程では、前記複数の溝部が交差する交差部に前記被覆部を形成し、前記分割溝形成工程では、前記複数の溝部に沿うとともに前記交差部にて交差する前記複数の分割溝を形成することを特徴とすることができる。
図1は、本実施の形態が適用される半導体発光素子1の斜視図の一例であり、図2は、図1に示した半導体発光素子1の上面図の一例である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の半導体発光素子1は、基板100と、基板100上に積層された半導体層の一例としての積層半導体層200と、積層半導体層200上に形成されたp電極300およびn電極400とを有している。
本実施の形態においては、半導体発光素子1をp電極300およびn電極400が形成される側からみた場合に、長辺側に沿う方向を第1方向xとし、短辺側に沿う方向を第2方向yとする。また、第1方向xと第2方向yとに垂直、且つ、半導体発光素子1において基板100側から積層半導体層200側へ向かう方向を第3方向zとする。
また、本実施の形態においては、4つの基板側面のうち、第1方向xに沿う2つの長辺側の基板側面を、それぞれ第1基板側面111と称し、第2方向yに沿う2つの短辺側の基板側面を、それぞれ第2基板側面112と称する。
また、基板100としては、サファイア単結晶以外のものを用いてもよい。例えば、GaN、SiC、シリコン等からなる基板100を用いることができる。
本実施の形態においては、基板100における基板上面113の面積よりも、下側半導体層210における下側半導体底面214の面積の方が小さく形成されている。また、基板上面113の面積よりも、下側半導体層210における下側半導体上面213の面積の方が小さく形成されている。したがって、基板100の基板上面113における周縁が外部に露出しており、図2に示すように、半導体発光素子1をp電極300およびn電極400が形成される側から見た場合に、外部に露出する基板上面113における周縁を視認することができる。
さらに、この例においては、下側半導体上面213の面積よりも、下側半導体底面214の面積の方が小さく形成されている。
ここで、上面周縁230は、第2の周縁の一例であり、本実施の形態では、第1直線部231と第2直線部232とが直線部に対応している。
さらに、本実施の形態の下側半導体底面214における底面周縁240は、第1の周縁の一例であり、図2に示すように、長方形形状を有している。
なお、下側半導体層210の詳細な構造については後段にて説明する。
本実施の形態においては、2つの第1上側半導体側面251および2つの第2上側半導体側面252は、それぞれ、下側半導体層210における下側半導体上面213に対して略垂直に設けられている。
また、図1および図2においては図示は省略するが、本実施の形態の上側半導体層250は、例えばSiO2等から構成される保護膜51(後述する図10等参照)により覆われている。具体的には、上側半導体層250の上側半導体上面253、第1上側半導体側面251および第2上側半導体側面252上には、保護膜51が積層されている。
図3は、本実施の形態が適用される基板100および積層半導体層200の縦断面図の一例である。なお、本実施の形態においては、基板100の基板上面113と垂直な方向(第3方向z)に沿った断面を縦断面と呼ぶことがある。
なお、基板100の基板上面113上には、必ずしも凸部113aを設ける必要はないが、基板100上に積層される積層半導体層200の結晶性および半導体発光素子1における発光効率を向上させる観点からは、基板上面113上に複数の凸部113aを設けることが好ましい。
そして、本実施の形態の積層半導体層200は、基板100上に積層される中間層201と、中間層201上に積層される下地層202と、下地層202上に積層されるn型半導体層203と、n型半導体層203上に積層される発光層204と、発光層204上に積層されるp型半導体層205と、p型半導体層205上に積層される透明導電層206とを備えている。
また、p型半導体層205は、発光層204上に積層されるpクラッド層205aと、pクラッド層205a上に積層されるpコンタクト層205bとから構成される。なお、pコンタクト層205bは、pクラッド層205aを兼ねることも可能である。
なお、以下の説明では、AlGaN、GaInNについて、各元素の組成比を省略した形で記述する場合がある。
<中間層>
中間層201は、基板100と下地層202との格子定数の違いを緩和するために設ける。中間層201は、特にC面を主面とするサファイア単結晶で基板100を構成した場合には、基板100のC面((0001)面)上にc軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、中間層201を形成することで、その上に積層する下地層202の結晶性を向上させることができる。
中間層201の厚さは、0.01μm〜0.5μmの範囲が好ましい。中間層201の厚みが0.01μm未満であると、中間層201により基板100と下地層202との格子定数の違いを緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、中間層201の厚みが0.5μmを超えると、中間層201としての機能には変化が無いのにも関わらず、中間層201の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下するおそれがある。
下地層202としては、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を用いることができる。
下地層202の厚さは、0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。下地層202の厚さを1μm以上にすることにより、結晶性の良好な下地層202を得やすくなる。
また、下地層202の結晶性を良くするためには、下地層202には不純物をドーピングしない方が望ましい。しかし、p型あるいはn型の導電性が必要な場合には、アクセプター不純物あるいはドナー不純物を添加することができる。
nコンタクト層203aは、n電極400を設けるための層である。
nコンタクト層203aは、AlxGa1-xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。
また、nコンタクト層203aにはn型不純物がドープされていることが好ましい。n型不純物を1×1017/cm3〜1×1020/cm3、好ましくは1×1018/cm3〜1×1019/cm3の濃度で含有すると、n電極400との良好なオーミック接触を維持できる点で好ましい。n型不純物としては、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeが挙げられる。
nクラッド層203bは、発光層204へのキャリアの注入とキャリアの閉じ込めとを行う層である。
nクラッド層203bはAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。nクラッド層203bをGaInNで形成する場合には、発光層204のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましい。
nクラッド層203bの厚さは、好ましくは5nm〜500nmであり、より好ましくは50nm〜200nmである。
また、nクラッド層203bは、n側第1層とn側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであってもよく、この場合には、GaInNとGaNとの交互構造又は組成の異なるGaInN同士の交互構造であることが好ましい。
nクラッド層203bの上に積層される発光層204としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などを採用することができる。
量子井戸構造の井戸層としては、所望の発光波長を得られるように調整したGa1-yInyN(0<y<0.4)からなるIII族窒化物半導体層が通常用いられる。また、多重量子井戸構造の発光層204を用いる場合は、上記Ga1-yInyNを井戸層とし、井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きいAlzGa1-zN(0≦z<0.3)を障壁層とする。井戸層および障壁層には、設計により不純物をドープしてもよく、不純物をドープしなくてもよい。
pクラッド層205aは、発光層204へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入とを行う層である。
pクラッド層205aとしては、発光層204のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層204へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、例えばAlxGa1-xN(0<x≦0.4)を用いることが望ましい。pクラッド層205aが、このようなAlGaNからなると、発光層204へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。
また、pクラッド層205aは、上述したnクラッド層203bと同様に超格子構造としてもよい。この場合には、組成比が異なるAlGaNと他のAlGaNとが交互に積層された構造または組成が異なるAlGaNとGaNとが交互に積層された構造であることが好ましい。
pクラッド層205aの厚さは、特に限定されないが、好ましくは1nm〜400nmであり、より好ましくは5nm〜100nmである。
pコンタクト層205bは、透明導電層206を介してp電極300を設けるための層である。pコンタクト層205bは、AlxGa1-xN(0≦x≦0.4)から構成されることが好ましい。Al組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持およびp電極300との良好なオーミック接触の維持が可能となる点で好ましい。
pコンタクト層205bのp型不純物濃度は、1×1018/cm3〜1×1021/cm3が好ましく、より好ましくは5×1019/cm3〜5×1020/cm3である。p型不純物濃度が上記範囲であると、良好なオーミック接触の維持、良好な結晶性の維持が可能となる点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えばMg等が挙げられる。
pコンタクト層205bの厚さは、特に限定されないが、10nm〜500nmが好ましく、より好ましくは50nm〜200nmである。pコンタクト層205bの厚さが上記範囲にあると、発光出力、動作電圧の点で好ましい。
透明導電層206は、p型半導体層205(pコンタクト層205b)との接触抵抗が小さいものであることが好ましい。また、本実施の形態の半導体発光素子1では、発光層204から出力された光をp電極300が形成された側に取り出すことから、透明導電層206は、発光層204から出力される光に対する透過性に優れたものであることが好ましい。さらにまた、透明導電層206は、p型半導体層205の全面に亘って均一に電流を拡散させるために、優れた導電性を有したものであることが好ましい。
透明導電層206の厚さは、特に制限されないが、例えば10nm〜500nmの範囲が好ましい。
続いて、本実施の形態の半導体発光素子1における下側半導体層210の詳細な構造について説明する。
図4は、本実施の形態が適用される半導体発光素子1の縦断面図の一例である。図4(a)は、図2におけるIVA−IVA断面図であり、図4(b)は、図2におけるIVB−IVB断面図である。
なお、本実施の形態では、第1垂直面211aは、第3方向zに沿って設けられており、また、第1垂直面211aと第1傾斜面211bとがなす角は、鈍角となっている。
さらに、下側半導体底面214と第1下側半導体側面211の第1傾斜面211bとがなす角をθ1bとすると、θ1bは鈍角である(θ1b>90°)。すなわち、第1傾斜面211bは、基板上面113と垂直な平面に対して傾斜して設けられている。
なお、本実施の形態では、第2垂直面212aは、第3方向zに沿って設けられており、また、第2垂直面212aと第2傾斜面212bとがなす角は、鈍角となっている。
さらに、下側半導体底面214と第2下側半導体側面212の第2傾斜面212bとがなす角をθ2bとすると、θ2bは鈍角である(θ2b>90°)。すなわち、第2傾斜面212bは、基板上面113と垂直な平面に対して傾斜して設けられている。
なお、図6(b)においては、基板100および上側半導体層250の記載を省略している。
言い換えれば、接続側面235は、基板上面113から下側半導体層210の上方且つ外方に向けて立ち上がる逆傾斜面235bと、逆傾斜面235bの上端から下側半導体層210の上方且つ内方に向けて立ち上がる順傾斜面235aとを有している。なお、本実施の形態では、逆傾斜面235bが外方傾斜面に対応し、順傾斜面235aが内方傾斜面に対応する。
そして、接続側面235には、図6(a)に示すように、順傾斜面235aと逆傾斜面235bとの境界であって、下側半導体層210の外方に向けて突出する境界部235cが形成されている。
なお、本実施の形態の半導体発光素子1では、下側半導体層210における接続部233近傍に、後述する半導体発光素子1の製造工程において下側半導体層210上に積層したマスク55(後述する図9参照)の一部が残存し付着している場合がある。
また、下側半導体底面214と接続側面235の逆傾斜面235bとがなす角をθ3bとすると、θ3bは鈍角となっている(θ3b>90°)。
さらに、接続側面235において順傾斜面235aと逆傾斜面235bとがなす角をθ3cとすると、θ3cは鈍角となっている(θ3c>90°)。
そして、図6(b)に示すように、接続部233および境界部235cは、第3方向zから見た場合に、第1直線部231の延長線と第2直線部232の延長線とが交差する交点よりも内側に位置している。これにより、接続部233および境界部235cは、第3方向zに沿って見た場合に、第1直線部231および第1直線部231の延長線と、第2直線部232および第2直線部232の延長線とに囲まれる長方形の内側に位置することになる(図2も参照)。
これにより、接続側面235を第3方向zから見た場合に、図6(b)に示すように、接続部233は、境界部235cよりも内側に位置している。そして、接続側面235を第3方向zから見た場合には、接続側面235における順傾斜面235aおよび境界部235cのみが視認でき、逆傾斜面235bは視認することができない。
第1下側半導体側面211および第2下側半導体側面212が基板上面113と垂直な方向に対して傾斜した構造を有する従来の半導体発光素子1では、下側半導体層210における下側半導体上面213の周縁が略長方形の形状を有している。すなわち、従来の半導体発光素子1における下側半導体上面213は、図6(b)にて破線で示すように、接続部233を有しておらず、第1直線部231と第2直線部232とが交わっている。すなわち、従来の半導体発光素子1では、下側半導体上面213と第1下側半導体側面211と第2下側半導体側面212とが直接、接続されており、下側半導体上面213と第1下側半導体側面211と第2下側半導体側面212との境界部には、下側半導体層210の外側に向けて尖った角(以下、尖端部と呼ぶ)が形成されている。
ここで、一般に、尖った形状を有する部材において、その尖った部分に対して外部からの力を受けた場合には、力が分散しにくく、尖った部分に力が集中しやすい傾向がある。例えば従来の半導体発光素子1では、下側半導体層210が他の部材等にぶつかって、下側半導体層210に対して外部から力が付加された場合には、その力は下側半導体層210の尖端部に集中しやすい。
そして、従来の半導体発光素子1では、上述したように下側半導体層210の尖端部の厚みが薄いため、外部からの力が集中した場合には、下側半導体層210が尖端部にて欠けやすくなる懸念がある。
すなわち、本実施の形態の半導体発光素子1では、下側半導体層210において、下側半導体上面213と第1下側半導体側面211と第2下側半導体側面212とが直接交わっておらず、従来の半導体発光素子1のような尖端部が形成されていない。そして、本実施の形態の半導体発光素子1では、従来の半導体発光素子1と比較して、下側半導体上面213と第1下側半導体側面211と第2下側半導体側面212との境界部において、下側半導体層210の突出量が小さくなっている。
これにより、本実施の形態の半導体発光素子1では、接続部233が境界部235cよりも下側半導体層210の外側に位置する場合と比較して、接続部233が他の部材等にぶつかるのをより抑制できる。その結果、本構成を採用しない場合と比較して、積層半導体層200(下側半導体層210)の割れや欠けの発生をより抑制することが可能になる。
これにより、本実施の形態では、例えば接続部233または境界部235c近傍に外部から力が付加された場合であっても、本構成を採用しない場合と比較して、接続部233または境界部235cに力が集中するのを抑制することができる。その結果、本実施の形態の半導体発光素子1では、下側半導体層210の接続部233または境界部235cに対して他の半導体発光素子1や他の部材等がぶつかってしまった場合であっても、本構成を採用しない場合と比較して、積層半導体層200(下側半導体層210)の割れや欠けの発生を抑制することが可能になる。
これにより、本実施の形態の半導体発光素子1では、例えば第1下側半導体側面211が第1垂直面211aを有さずに第1傾斜面211bと下側半導体上面213とが直接、接続され、第2下側半導体側面212が第2垂直面212aを有さずに第2傾斜面212bが下側半導体上面213と直接、接続されているような場合と比較して、第1直線部231および第2直線部232における下側半導体層210の厚さが厚くなっている。
その結果、本実施の形態の半導体発光素子1では、本構成を採用しない場合と比較して、第1直線部231および第2直線部232近傍における下側半導体層210の強度を高めることが可能になり、下側半導体層210の割れや欠けの発生をより抑制することが可能になる。
同様に、境界部235cを第3方向zから見た形状についても、円弧形状に限られず例えば直線形状、曲線形状、折れ線形状等又はこれらの組み合わせ等であってもよい。
また、上述した第1直線部231および第2直線部232等は、厳密に完全な直線形状をなす必要はなく、一部に曲がった部分や凹凸が形成されていても、全体として実質的に直線に近似できる形態をなしていればよい。
例えば、下側半導体層210が上述のような接続部233および接続側面235を有していれば、半導体発光素子1をp電極300およびn電極400が形成された側から見た形状が正方形や平行四辺形に近似した形状であってもよく、また四角形以外の多角形(三角形や六角形等)に近似した形状であってもよい。
続いて、本実施の形態の半導体発光素子1の製造方法について説明する。なお、本実施の形態では、ウエハ状の基板100に積層半導体層200を積層するとともに、積層半導体層200上に複数のp電極300およびn電極400等をそれぞれ形成し、これを複数に分割することで、複数の半導体発光素子1を得る。図7は、本実施の形態が適用される半導体発光素子1の製造方法の一例を示すフローチャートである。
次に、ステップ101で形成された半導体積層基板20に対して、積層半導体層200の一部を除去することで複数の第1溝部71および複数の第2溝部72(ともに、後述する図8参照)を形成するとともに、積層半導体層200上に複数のp電極300および複数のn電極400を形成する半導体除去工程を実行する(ステップ102)。
続いて、ステップ102にて複数の第1溝部71および複数の第2溝部72が形成された半導体積層基板20に対して、第1溝部71と第2溝部72とに囲まれる積層半導体層200の上面に保護膜51(後述する図9参照)を形成するとともに、第1溝部71と第2溝部72とが交差する交差部73(図8、図9参照)にマスク55を形成する被膜形成工程を実行する(ステップ103)。
続いて、ステップ104にて第1照射ライン81および第2照射ライン82が形成された半導体積層基板20に対して、ウェットエッチングを施すウェットエッチング工程を実行する(ステップ105)。
次いで、ステップ105にてウェットエッチングが施された半導体積層基板20を、第1照射ライン81および第2照射ライン82に沿って分割することで、個片化した複数の半導体発光素子1(図1参照)を得る分割工程を実行する(ステップ106)。
なお、本実施の形態では、ステップ103の被膜形成工程が、被覆部形成工程および変質領域形成工程に対応し、ステップ104の表面レーザ工程が、分割溝形成工程に対応する。
(半導体積層工程)
ステップ101の半導体積層工程では、まず、例えばC面を主面とするサファイア単結晶からなるウエハ状の基板100(図1参照)を用意し、表面加工を施す。表面加工としては、例えば、ウェットエッチングやドライエッチング、スパッタ法等を用いることで、ウエハ状の基板100における基板上面113(図1参照)に、複数の凸部113a(図3参照)を形成する。
これらの層の積層方法としては、MOCVD法(有機金属化学気相成長法)、HVPE法(ハイドライド気相成長法)、MBE法(分子線エピタキシー法)、スパッタ法等の方法を使用することができる。特に好ましい積層方法として、膜厚制御性、量産性の観点から、MOCVD法が挙げられる。
したがって、本実施の形態の下側半導体層210における中間層201、下地層202およびnコンタクト層203a等は、それぞれ、下側半導体底面214側から下側半導体上面213側に向かって、徐々にIII族窒化物の結晶性が良くなるように形成される。
これにより、下側半導体層210全体としても、下側半導体底面214側から下側半導体上面213側に向かって、徐々にIII族窒化物の結晶性が良くなるように形成されることになる。
続いて、ステップ102の半導体除去工程について説明する。
図8は、ステップ102の半導体除去工程を実行することにより得られた第1溝部71、第2溝部72、p電極300およびn電極400形成後の半導体積層基板20を示した図である。図8(a)は、第1溝部71、第2溝部72、p電極300およびn電極400形成後の半導体積層基板20を、p電極300およびn電極400が形成された側から見た上面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIB−VIIIB断面図である。
本実施の形態では、第1溝部71および第2溝部72が、溝部に対応する。
さらにまた、図8(a)に示すように、半導体露出面213aは、複数形成される。この例では、複数の半導体露出面213aは、第2方向yに沿って並んで配置され、それぞれが第2溝部72と繋がって設けられている。
この例では、隣接する第1溝部71同士の間隔は、270μmであり、隣接する第2溝部72同士の間隔は、700μmである。また、本実施の形態では、それぞれの第1溝部71およびそれぞれの第2溝部72の幅は、20μmである。すなわち、複数の領域に分離されたそれぞれの上側半導体層250は、第3方向zから見た場合に、短辺が250μm、長辺が680μmの長方形となっている。
エッチング法としては、ドライエッチングであれば、例えば、反応性イオンエッチング、イオンミリング、集束ビームエッチングおよびECRエッチングなどの手法を用いることができ、ウェットエッチングであれば、例えば、硫酸とリン酸との混酸を用いることができる。ただし、エッチングを行う前に、所望のチップ形状となるように、積層半導体層200の表面に所定のレジスト等を形成する。
また、本実施の形態では、第1溝部71および第2溝部72を形成するのと同時に半導体露出面213aを形成したが、これらを別工程で形成しても良い。
p電極300およびn電極400としては、各種の組成および構造が周知であり、これら周知の組成や構造を何ら制限なく用いることができる。
また、p電極300およびn電極400を形成する手段としては、例えば真空蒸着法やスパッタ法等の周知の方法を何ら制限なく用いることができる。
続いて、ステップ103の被膜形成工程について説明する。
図9は、ステップ103の被膜形成工程を実行することにより得られた、マスク55および保護膜51形成後の半導体積層基板20を示した図である。図9(a)は、マスク55および保護膜51形成後の半導体積層基板20(図8参照)の一部を、マスク55および保護膜51が形成された側から見た上面図である。また、図9(b)は、図9(a)のIXB−IXB断面図であり、図9(c)は、図9(a)のIXC−IXC断面図であり、図9(d)は、図9(a)のIXD−IXD断面図である。
図9(a)(b)に示すように、マスク55は、第1溝部71と第2溝部72とが交差する交差部73に設けられる。
本実施の形態では、それぞれのマスク55は、第3方向zから見た場合に円形状を有している。それぞれのマスク55の直径は、例えば12μmである。なお、マスク55の形状および大きさはこれに限られない。マスク55の形状や大きさについては、後段にて説明する。また、この例では、マスク55の厚さは87nmである。マスク55の厚さとしては、例えば、2nm〜5μmの範囲であることが好ましく、10nm〜1μmの範囲であることがより好ましい。
この例では、隣接する保護膜51同士の間隔は、14μmとなっている。
なお、本実施の形態では、それぞれのマスク55と保護膜51とは繋がっておらず、互いに独立して設けられている。
ここで、ステップ103の被膜形成工程において交差部73にマスク55を形成することで、マスク55が積層された交差部73における下側半導体層210が変質する。これにより、交差部73には、下側半導体層210が変質した変質領域210a(後述する図14参照)が形成される。
マスク55としては、下側半導体層210を変質させて変質領域210aを形成することができる材料を用いる。本実施の形態では、マスク55としてSiO2を用いている。ただし、マスク55を構成する材料としてはこれに限られず、例えば金属薄膜等を用いてもよい。
保護膜51としては、絶縁性を有する材料を用いる。さらに、半導体発光素子1として所謂フェイスアップ型の半導体発光素子1を製造する場合には、保護膜51として、発光層204(図3参照)から出力された光に対する透過性を有する材料を用いることが好ましい。本実施の形態では、保護膜51として、マスク55と同様にSiO2を用いている。
マスク55と保護膜51とを同一の材料で構成することにより、マスク55と保護膜51とを同一の工程で形成することができ、本構成を採用しない場合と比較して、半導体発光素子1の製造工程を簡略化することが可能になる。
具体的には、半導体積層基板20の積層半導体層200の全面にSiO2を形成した後、従来公知のフォトリソグラフィー法によりSiO2上にレジストのパターンを形成し、従来公知のエッチング法等により、レジストで覆われていない部分のSiO2を除去することで、上述の形状のマスク55および保護膜51を形成することができる。
なお、マスク55および保護膜51の形成方法はこれに限られず、従来公知の方法を適宜用いることができる。
続いて、ステップ104の表面レーザ工程について説明する。
図10は、ステップ104の表面レーザ工程を実行することにより得られた、第1照射ライン81および第2照射ライン82形成後の半導体積層基板20を示した図である。図10(a)は、第1照射ライン81および第2照射ライン82形成後の半導体積層基板20(図8参照)の一部を、第1照射ライン81および第2照射ライン82が形成された側から見た上面図である。また、図10(b)は、図10(a)のXB−XB断面図であり、図10(c)は、図10(a)のXC−XC断面図であり、図10(d)は、図10(a)のXD−XD断面図である。
本実施の形態では、第1照射ライン81および第2照射ライン82が分割溝に対応する。
同様に、第2照射ライン82は、図10(a)に示すように、第2溝部72に沿い且つ第2方向yに沿うように複数形成される。また、それぞれの第2照射ライン82は、図10(c)に示すように、積層半導体層200を分離するように形成されており、基板100の内部まで到達している。
これにより、下側半導体層210は、複数の第1照射ライン81および複数の第2照射ライン82によって、第3方向zから見た場合のそれぞれが長方形状を呈する複数の領域に離される。
なお、図10(a)に示すように、複数の領域に分離されたマスク55は、それぞれ、長方形状を呈する複数の領域に分離された各下側半導体層210の四隅に位置している。
続いて、ステップ105のウェットエッチング工程について説明する。
図11は、ステップ105のウェットエッチング工程を実行することにより得られた半導体積層基板20を示した図である。図11(a)は、ウェットエッチング終了後の半導体積層基板20(図8参照)の一部を、保護膜51が形成された側から見た上面図である。また、図11(b)は、図11(a)のXIB−XIB断面図であり、図11(c)は、図11(a)のXIC−XIC断面図であり、図11(d)は、図11(a)のXID−XID断面図である。
第1照射ライン81および第2照射ライン82が形成された半導体積層基板20をエッチング液に浸漬すると、エッチング液は、第1照射ライン81および第2照射ライン82内に浸入する。第1照射ライン81および第2照射ライン82内においては、下側半導体層210が露出している。したがって、第1照射ライン81および第2照射ライン82内に浸入したエッチング液により、露出した下側半導体層210が浸食される。一方、保護膜51に覆われる上側半導体層250は、エッチング液によっては浸食されない。
一般に、本実施の形態の中間層201(図3参照)を構成するAlNは、本実施の形態の下地層202(図3参照)およびnコンタクト層203a(図3参照)を構成するAlGaN、GaN、InGaN等と比較して、オルトリン酸等のエッチング液により浸食されやすい性質を有している。
また、上述したように、本実施の形態においては、下側半導体層210を構成する中間層201、下地層202およびnコンタクト層203aは、それぞれ基板100に近い側から上側半導体層250に接する側に向かって、徐々に結晶性が良くなるように形成されている。
さらに、上述したように、本実施の形態における下側半導体層210を構成するIII族窒化物半導体は、N極性面が基板100の基板上面113を向くように成長する。そして一般に、III族窒化物半導体をウェットエッチングする場合には、N極性面側からエッチングが進行することが知られている。
また、図13(a)は、図12(a)におけるXIIIA−XIIIA断面図であり、図13(b)は、図12(b)におけるXIIIB−XIIIB断面図である。
さらに、図14(a)は、図12(a)におけるXIVA−XIVA断面図であり、図14(b)は、図12(b)におけるXIVB−XIVB断面図である。
上述したように、下側半導体層210は、下側半導体上面213側と比較して、下側半導体底面214側の方がエッチング液による浸食がされやすくなっている。したがって、半導体積層基板20をエッチング液に浸漬し、第1照射ライン81にエッチング液が浸入した場合には、第1照射ライン81にて露出する下側半導体層210において、下側半導体底面214を起点としてウェットエッチングが進行する。
この結果、図13(b)に示すように、下側半導体層210のうち下側半導体底面214側には、下側半導体底面214に向かって下側半導体層210の内方に傾斜して延びる第1傾斜面211bが形成される。
この結果、下側半導体層210のうち下側半導体上面213側では、ウェットエッチング処理により下側半導体層210が略一律に削られ、図13(b)に示すように、第1傾斜面211bの上端から下側半導体上面213に向かって第3方向zに沿って延びる第1垂直面211aが形成される。
以上より、第1照射ライン81を介して、下側半導体底面214側に第1傾斜面211bを有し、下側半導体上面213側に第1垂直面211aを有する第1下側半導体側面211が形成されることになる。
したがって、図13(b)に示した第1下側半導体側面211と同様に、ウェットエッチング処理によって第2照射ライン82にエッチング液が浸入し、第2照射ライン82を介して下側半導体層210が浸食されることで、下側半導体上面213側に第2垂直面212aを有し、下側半導体底面214側に第2傾斜面212bを有する第2下側半導体側面212が形成されることになる。
図14(a)に示すように、下側半導体層210のうちマスク55が積層された領域には、変質領域210aが形成されている。ここで、変質領域210aでは、下側半導体層210が変質されることで、他の領域の下側半導体層210と比較してエッチング液によって浸食されやすくなっている。
これにより、ステップ105のウェットエッチング工程において第1照射ライン81内および第2照射ライン82内にエッチング液が浸入した場合には、下側半導体底面214に加えて、変質領域210aが形成された下側半導体上面213を起点として、ウェットエッチングが進行する。
一方、下側半導体層210における下側半導体上面213側の領域では、図14(a)に示すように、下側半導体上面213(変質領域210a)に近づくほど下側半導体層210が大きく削られる。
また、下側半導体層210のうち下側半導体上面213側には、図14(b)に示すように、下側半導体上面213から逆傾斜面235bの上端に向かって下側半導体層210の外方に傾斜して延びる順傾斜面235a、および、順傾斜面235aと逆傾斜面235bとの境界となる境界部235cが形成される。
そして、マスク55が形成された領域では、図12(b)に示すように、下側半導体層210は円弧状に削られる。この結果、順傾斜面235aおよび境界部235cは、第3方向zから見た場合に円弧状に湾曲した形状となり、また、下側半導体上面213と順傾斜面235aとの境界には、円弧形状を有する接続部233(図12参照)が形成される。
ステップ106の分割工程では、ステップ105のウェットエッチング工程により下側半導体層210に第1下側半導体側面211、第2下側半導体側面212および接続側面235が形成された半導体積層基板20を切断し、複数の半導体発光素子1に分割する。
なお、半導体積層基板20を複数の半導体発光素子1に分割する前に、半導体積層基板20における基板100が所定の厚さとなるように、基板100の基板底面114(図3参照)を研削および研磨する工程を設けてもよい。
研削・研磨後の基板100の厚みは、60μm〜300μm、好ましくは80μm〜250μm、より好ましくは100μm〜200μmとする。基板100の厚みを上記範囲とすることで、ステップ106の分割工程において効率よく半導体積層基板20を分割することが可能になる。
続いて、第1照射ライン81および第2照射ライン82に沿って形成された改質領域に沿うように、ウエハ状の基板100の基板底面114側からブレードを押し当てることにより、改質領域を起点として亀裂を生じさせ、ウエハ状の基板100を複数の基板100に分割する。このとき、分割された各基板100上には、下側半導体層210、上側半導体層250、p電極300およびn電極400が存在することになる。
この分割により、基板100における第1基板側面111および第2基板側面112(ともに図1参照)が形成される。
そして、以上の工程を経ることで、図1に示す半導体発光素子1を得ることができる。
本実施の形態の半導体積層基板20では、上述したように、ステップ104の表面レーザ工程及びステップ105のウェットエッチング工程により複数の領域に分離された下側半導体層210は、第1下側半導体側面211と第2下側半導体側面212とを接続する部分に接続側面235が形成されており、下側半導体層210の突出量が少ない。
したがって、本構成を有さない場合と比較して、ステップ106の分割工程において、下側半導体層210同士が衝突しにくく、また、下側半導体層210同士が衝突した場合であっても、従来のように下側半導体層210の尖った尖端部を有する場合と比較して、下側半導体層210の割れや欠けの発生を抑制することができる。
図15は、本実施の形態の半導体発光素子1の製造工程において、ステップ103の被膜形成工程にて形成するマスク55の他の形状を示した図であり、マスク55を第3方向zから見た図である。なお、図15に示したマスク55の形状は例であって、マスク55の形状をこれらに限るものではない。
また、マスク55を第3方向zから見た形状は、図15(b)に示すように、各対角線が第1方向xまたは第2方向yに沿う四角形(正方形)であってもよい。
さらに、マスク55を第3方向zから見た形状は、図15(c)(d)に示すように、第1方向xおよび第2方向yに沿って延びる十字形状であってもよい。
さらにまた、マスク55は、保護膜51と同一の材料で構成する場合には、図15(e)(f)に示すように、保護膜51とつながって形成されていてもよい。
すなわち、マスク55がこのような形状であると、例えばステップ104の表面レーザ工程において第1照射ライン81または第2照射ライン82を形成する位置が、予め定めた予定位置からずれてしまった場合であっても、第1照射ライン81と第2照射ライン82とがマスク55上で交差しやすくなるからである。
したがって、マスク55を上述の形状にすることが好ましい。
また、マスク55の形状が、各辺が第1方向xまたは第2方向yに沿った正方形(図15(a)参照)の場合、マスク55の各辺の長さは、例えば、第1照射ライン81および第2照射ライン82の幅よりも大きく、また、隣接する保護膜51同士の距離以下の範囲であることが好ましい。
さらにまた、マスク55の形状が、各対角線が第1方向xまたは第2方向yに沿った正方形(図15(b)参照)の場合、マスク55の各対角線の長さは、例えば、第1照射ライン81および第2照射ライン82の幅よりも大きく、また、隣接する保護膜51同士の距離の2倍以下の範囲であることが好ましい。
接続部233や順傾斜面235aの曲率が大きくなった場合には、曲率が小さい場合と比較して、例えば下側半導体層210に対して他の部材等がぶつかった場合に、接続部233等に力が集中しやすくなり、下側半導体層210に割れや欠け等が発生しやすくなる懸念がある。
Claims (5)
- 基板上に、通電により発光する発光層を含みIII族窒化物により構成される半導体層が積層された半導体積層基板に対して、SiO 2 もしくは金属薄膜から構成され当該半導体層上の一部の領域に積層されて当該一部の領域を被覆する被覆部を形成する被覆部形成工程と、
前記被覆部が形成された前記半導体積層基板に対して、前記半導体層を当該被覆部が形成された側から前記基板に到達するように局所的に除去することで、当該被覆部にて交差し且つ当該半導体層を複数の領域に分割する複数の分割溝を形成する分割溝形成工程と、
前記被覆部および前記分割溝が形成された前記半導体積層基板に対して、ウェットエッチングを施すウェットエッチング工程と
を含む半導体発光素子の製造方法。 - 前記被覆部形成工程では、SiO 2 から構成される前記被覆部を形成するとともに、SiO 2 から構成され且つ前記半導体層上の当該被覆部とは異なる領域を被覆する他の被覆部を形成し、
前記分割溝形成工程では、前記被覆部で交差し且つ前記他の被覆部を通過しない前記複数の分割溝を形成すること
を特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。 - 前記被覆部形成工程の前に、前記半導体積層基板に対して、前記基板とは反対側から前記半導体層の一部を局所的に除去し、当該半導体層が当該基板側に向かって凹むとともに互いに交差する複数の溝部を形成することで、当該半導体層における当該基板とは反対側を複数の領域に分離する半導体除去工程を更に含み、
前記被覆部形成工程では、前記複数の溝部が交差する交差部に前記被覆部を形成し、
前記分割溝形成工程では、前記複数の溝部に沿うとともに前記交差部にて交差する前記複数の分割溝を形成することを特徴とする請求項1または2記載の半導体発光素子の製造方法。 - 基板上に、通電により発光する発光層を含みIII族窒化物により構成される半導体層が積層された半導体積層基板に対して、当該半導体層の一部の領域をSiO 2 もしくは金属薄膜により被覆し、または当該半導体層の一部の領域に酸化処理もしくは還元処理を施すことで、当該半導体層の一部の領域を変質させた変質領域を形成する変質領域形成工程と、
前記変質領域が形成された前記半導体積層基板に対して、前記半導体層を当該変質領域が形成された側から前記基板に到達するまで局所的に除去することで、当該変質領域にて交差し且つ当該半導体層を複数の領域に分割する複数の分割溝を形成する分割溝形成工程と、
前記変質領域および前記複数の分割溝が形成された前記半導体積層基板に対して、ウェットエッチングを施すウェットエッチング工程と
を含む半導体発光素子の製造方法。 - 通電により発光する発光層を含む半導体層を備える半導体発光素子であって、
前記半導体層は、半導体底面と、当該半導体底面の第1の周縁から当該半導体層の上方に立ち上がる半導体側面と、当該半導体側面の上方における第2の周縁から当該半導体層の内方に向かって延びることで上方を向く半導体上面とを有し、
前記第2の周縁は、直線状に延びる複数の直線部と、隣接する当該直線部同士を接続する複数の接続部とを有するとともに、それぞれの接続部は、前記半導体上面と垂直な方向から見た場合に、当該接続部により接続される2つの直線部の延長線同士の交点よりも内側に位置し、
前記半導体側面は、前記第1の周縁から前記第2の周縁における前記直線部へ向けて立ち上がる直線部側面と、当該第1の周縁から当該第2の周縁における前記接続部へ向けて立ち上がる接続側面とを有し、
前記接続側面は、前記第1の周縁から前記半導体層の上方且つ外方に傾斜する外方傾斜面と、当該外方傾斜面の上端から前記第2の周縁における前記接続部に向けて、当該半導体層の上方且つ内方に傾斜する内方傾斜面とを有することを特徴とする半導体発光素子。
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