JP5025199B2 - Iii族窒化物半導体発光素子 - Google Patents

Iii族窒化物半導体発光素子 Download PDF

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本発明は、III族窒化物半導体発光素子、特に光の取り出し効率を向上させたIII族窒化物半導体発光素子に関する。
III族窒化物半導体(本発明では窒化物半導体と略す)は、可視光から紫外光領域に相当するエネルギーの直接遷移型のバンドギャップを持ち高効率な発光が可能であるため、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)としての製品化が成されている。特に蛍光体との組み合わせによる白色発光ダイオードの実現は発光ダイオード応用の新しい分野として期待されている。
発光ダイオードの出力はエピ構造、結晶性などが関係する内部量子効率と素子内での再吸収や素子形状が関係する光取出し効率との積で決まる。このうち光取出し効率に影響を与える素子内での再吸収は発光に対して不透明な基板や或いは発光層の中を再通過する際に発生する。また光取出し効率に大きな影響を与える要因として素子表面での全反射がある。よく知られているように屈折率の大きな層から小さな層に光が向かうとき、臨界角(θc)以上の光は界面で全反射を起こし屈折率の小さな層へ光は取り出されない。
例えば窒化ガリウム(GaN)の場合、屈折率は2.4であり表面への垂直方向に対して24°の頂角を持つEscape Coneの中に入る光だけが外部に取り出される。
この割合は27%でありこの効果により光取出し効率は大きく制限される。
界面での全反射による光取出しの制限を回避するには、界面を粗面化する方法(例えば特許文献1参照)や素子形状を加工して別の面のEscape Coneを利用する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
窒化物半導体の成長はMOCVD(有機金属気相法)が多く用いられている。MOCVDは基板上で有機金属と窒素源とを反応させ、窒化物半導体を成長させる方法である。しかし窒化物半導体の単結晶は未だ工業的には得られておらず、またSiやGaAs基板上にHVPE(ハイドライド気相エピタキシャル法)により厚膜エピ成長を行った擬似単結晶基板も市販されているが非常に高価であり発光ダイオード用の基板として、一般的には高温で安定なサファイア(Al23)や炭化珪素(SiC)、珪素(Si)等の異種基板が用いられる。
しかし安定な物質としてのサファイアやSiCは同時に硬く加工しにくい物質としても知られており、光取出し効率を上げる目的での各素子にするための分割加工が困難である問題がある。ダイシングによる機械的な方法による場合、素子の欠けや割れが多発し収率の向上をはかることが難しい。また機械的方法によらないドライエッチングなどの手段でも加工に長時間要するため生産性が著しく低下する問題がある。
また、ダイシングによる機械的加工法では加工表面に破砕層と呼ばれる層ができ光取出しを妨げ、ドライエッチングでもプラズマの高エネルギー粒子に曝されることにより電気的特性・光学的特性に影響を受けることが知られている。
ダメージの少ない加工法としてのウェットエッチングについても知られているが(例えば特許文献3および4参照)、これらの各素子の分割切断面は垂直となっている。
ところで、窒化物半導体よりなる発光素子においては、多くの場合透光性の電極が用いられる(例えば特許文献5参照)。これは、n型層に比較して、p型層における横方向の電流の拡散が悪いためである。
また、特に一辺を500μm程度以上とするような大きなチップに対して、くし型電極と呼ばれる、負極と正極が交互に入り組んだようなパターンが採用されることもある(例えば特許文献6参照)。更に、格子状、ドット状とすることも可能である。櫛形パターンとした正極を透光性の材料で作製する技術も公開されている(例えば特許文献7参照)。
特開2000−196152号公報 特許第2784537号公報 特開平10−190152号公報 特開2000−68608号公報 特開平10−308534号公報 特開平5−335622号公報 特開平2003−133589号公報
本発明は、上述したような窒化物半導体発光素子の光の全反射による光の取り出し効率低下に鑑み、窒化物半導体発光素子の光の取り出し効率を上げることを目的とする。
また、これを半導体層のほぼ全面に形成された透光性の電極を用いた場合だけではなく、櫛型や格子、ドット状の電極においても効果を発揮できるようにすることを目的とする。
本発明は、窒化物半導体発光素子を構成する窒化物半導体層の側面が基板に対して斜めになった形状であると、光取り出し効率に優れた発光素子が得られることに基づきなされたものである。
また、本発明は、光取り出し効率を向上させるための、基板に対して側面が斜めになった形状の溝を、発光素子の電極以外の領域に形成することで、光取り出し効率に優れた発光素子が得られることに基づきなされたものである。
さらに、本発明は、加工方法としてウェットエッチングを利用し、窒化物半導体素子における半導体層の側面を傾斜させる場合、半導体層内の転位密度の分布とウェットエッチングによる半導体層の除去速度は関連があり、転位密度が高いほど除去速度が速くなることを見出し、これを利用してダメージを与えないで半導体層に傾斜面を形成することが可能であり、しかも転位密度の分布を変えることにより、傾斜角度を制御することができ、この角度を最適化して光の取り出し効率を高めたものである。
即ち、本発明は以下の各項の発明からなる。
(1)基板と、基板上に積層された発光層を含む窒化物半導体層とを含む窒化物半導体発光素子であって、該窒化物半導体層の側面が基板主面の法線に対して傾斜していることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
(2)発光素子表面の電極が形成されていない領域の窒化物半導体層に溝が形成されており、該溝の側面の法線が基板主面の法線に対して垂直でない形状を持つことを特徴とする上記(1)に記載の窒化物半導体発光素子。
(3)窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて狭くなるように傾斜していることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の窒化物半導体発光素子。
(4)窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ1が100度以上175度以下であることを特徴とする上記(3)に記載の窒化物半導体発光素子。
(5)窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ1が110度以上170度以下であることを特徴とする上記(4)に記載の窒化物半導体発光素子。
(6)窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ1が120度以上160度以下であることを特徴とする上記(5)に記載の窒化物半導体発光素子。
(7)窒化物半導体層内の転位密度が、基板から半導体層の成長方向に向けて減少していることを特徴とする上記(3)〜(6)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(8)窒化物半導体層内の転位密度が、基板に対して垂直方向において、基板から半導体層の成長方向に向けて厚さ1.0μm当たり10cm-2〜10000cm-2の割合で減少していることを特徴とする上記(7)に記載の窒化物半導体発光素子。
(9)窒化物半導体層内の転位密度が、基板に対して垂直方向において、基板から半導体層の成長方向に向けて厚さ1.0μm当たり100cm-2〜1000cm-2の割合で減少していることを特徴とする上記(8)に記載の窒化物半導体発光素子。
(10)窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて広くなるように傾斜していることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の窒化物半導体発光素子。
(11)窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ2が5度以上80度以下であることを特徴とする上記(10)に記載の窒化物半導体発光素子。
(12)窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ2が10度以上70度以下であることを特徴とする上記(11)に記載の窒化物半導体発光素子。
(13)窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ2が20度以上60度以下であることを特徴とする上記(12)に記載の窒化物半導体発光素子。
(14)窒化物半導体層内の転位密度が、基板から半導体層の成長方向に向けて増加していることを特徴とする上記(10)〜(13)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(15)窒化物半導体層内の転位密度が、基板に対して垂直方向において、基板から半導体層の成長方向に向けて厚さ1.0μm当たり10cm-2〜10000cm-2の割合で増加していることを特徴とする上記(14)に記載の窒化物半導体発光素子。
(16)窒化物半導体層内の転位密度が、基板に対して垂直方向において、基板から半導体層の成長方向に向けて厚さ1.0μm当たり100cm-2〜1000cm-2の割合で増加していることを特徴とする上記(15)に記載の窒化物半導体発光素子。
(17)上記溝が、2箇所以上であることを特徴とする上記(2)〜(16)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(18)上記溝の深さが、発光層を横切る深さであることを特徴とする上記(2)〜(17)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(19)上記溝の表面における面積が、電極面を含めた発光素子の表面の面積に対し3〜50%であることを特徴とする上記(2)〜(18)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(20)上記溝を挟んで、同じ極性の電極が形成されていることを特徴とする上記(2)〜(19)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(21)上記溝を挟んで形成された同じ極性の電極の更に外側には、溝に近い電極とは反対の極性の電極が形成されていることを特徴とする上記(2)〜(20)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(22)発光素子の表面での一辺の長さが、500μm以上であることを特徴とする上記(1)〜(21)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(23)基板がサファイア(Al23)であることを特徴とする上記(1)〜(22)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(24)基板が炭化珪素(SiC)であることを特徴とする上記(1)〜(22)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(25)基板が珪素(Si)であることを特徴とする上記(1)〜(22)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(26)基板と、基板上に積層された発光層を含む窒化物半導体層とを含む窒化物半導体発光素子の製造方法において、基板上に窒化物半導体層を積層する工程、次いで窒化物半導体層の表面側を所定のパターンをもったマスクで覆う工程と、各素子に分割する部位の窒化物半導体層を基板に達するまで除去する工程と、 除去後に窒化物半導体層をウェットエッチング処理する工程と、各素子に分割する工程とを含み、該窒化物半導体積層工程が、その後のウェットエッチング処理工程におけるエッチング速度に分布を持たせるように、窒化物半導体層内に基板に対して垂直方向に転位密度分布を持たせたことを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
(27)窒化物半導体積層工程が、基板から半導体層の成長方向に向けて転位密度を減少又は増加させるようにすることを特徴とする上記(26)に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
(28)マスクがフォトレジストであることを特徴とする上記(26)または(27)に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
(29)窒化物半導体層を除去する工程がレーザーによってなされることを特徴とする上記(26)〜(28)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
(30)窒化物半導体層を除去する工程がダイサーによってなされることを特徴とする上記(26)〜(28)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
(31)ウェットエッチング処理がオルトリン酸を用いて行なわれることを特徴とする上記(26)〜(30)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
本発明によれば、窒化物半導体発光素子の半導体層の側面を傾斜させることにより、側面での光の透過あるいは側面で反射した光が窒化物半導体素子層を通って外部に取り出されるのが多くなり、光の取り出し効率が向上する。
また、本発明によれば、窒化物半導体発光素子の表面に溝を形成し、その溝の側面を傾斜させることにより、側面での光の透過あるいは側面で反射した光が窒化物半導体素子層を通って外部に取り出されるのが多くなり、光の取り出し効率が向上する。このとき、溝の周囲に電極が形成されていないことにより、pn接合の側面が露出してしまうことによる電流のリークを防ぐことができる。また、溝の両側を同じ極性の電極とすることで、溝によって電流の広がりを阻害することなく、大面積で均一な発光を得ることができる。
さらに、本発明によれば、窒化物半導体発光素子において、窒化物半導体層内の基板に対して垂直方向の転位密度の分布を制御することにより、上記傾斜面の基板に対する角度が制御可能になり、前記光取り出し効率の最適化が容易になる。また、難加工基板上に形成された窒化物半導体層の側面加工をウェットエッチングで行うことにより、ダメージの少ない発光素子が得られる。
本発明は、基板上に積層された発光層を含む窒化物半導体発光素子において、窒化物半導体層の側面が傾斜している(窒化物半導体層の側面の法線が基板の主面の法線に対して垂直でない)ことを特徴とする。
以下図面を参考にして具体的に説明する。
図1は本発明の窒化物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図で、窒化物半導体層の側面が基板の主面に対して外側に傾斜している(窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて狭くなるように傾斜している)場合である。図2は本発明の別の態様の窒化物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図で、窒化物半導体層の側面が基板の主面に対して内側に傾斜している(窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて広くなるように傾斜している)場合である。図3は従来の窒化物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図で、半導体層の側面が基板の主面に対して垂直となっている場合である。
これらの図において、201が基板、202が窒化物半導体層、203が光の進行線、204が窒化物半導体層の側面207の法線、205が基板主面の法線、206が窒化物半導体層の側面208の法線である。図1における角度θ1が法線204と205とのなす角度(傾斜角度)であり、図2における角度θ2が法線206と205とのなす角度(傾斜角度)である。
本発明のように窒化物半導体層の側面が基板の主面に対して傾斜していることにより、光の取り出し効率が上がる理由については定かでないが、次のように考えられる。
図3は従来の窒化物半導体発光素子であるが、例えばA点で発光した光が矢線のように進行した場合、半導体層の側面に入射した光が臨界角以上であると光はそこで反射し、さらに半導体層と基板の界面でも反射する。その結果、光は何度も反射を繰り返して半導体層内を進行し、吸収されて減衰する。この結果、光の取り出し効率は下がる。
これに対し図1の場合、A点からの光は半導体層の側面207では反射するが、半導体層の表面では臨界角以内となるので、光の全反射が抑えられ、半導体層から取り出すことができる。図1において傾斜角θ1は180度より小さく、90度より大きい。好ましくは、θ1は100度以上175度以下、さらに好ましくは110度以上170度以下、特に好ましくは120度以上160度以下である。
また、図2の場合、窒化物半導体層の側面で入射光が臨界角以内となるので、光は半導体層を透過する。傾斜角度θ2は5〜80度が好ましく、さらに好ましくは10〜70度、特に好ましくは20〜60度である。
これらのことから図1、2のいずれの場合も光の取り出し効率が向上するが、図1のように窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて狭くなるように傾斜していることが好ましい。
さらに、本発明の窒化物半導体発光素子は、該発光素子表面の電極が形成されていない領域の窒化物半導体層の表面に溝が形成されており、該溝の側面が基板主面に垂直でなく、傾斜している形状であってもよい。このような溝を設けることにより、基板主面の法線に対して傾斜している窒化物半導体層の側面が形成される。
図4は発光素子の溝の一つの形状を示す断面図である。この図の溝は断面形状が基板方向(図で下面方向)に向けて広くなるように(窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて狭くなるように)側面が傾斜している。図4において、210が溝であり、220が窒化物半導体層である。201は基板である。窒化物半導体層220は、図1における窒化物半導体層202と同様の形状をしており、図1の場合と同様の理由で光取り出し効率が向上する。
図5は溝の別の形状を示すもので、溝の断面形状が基板方向に狭くなるように(窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて広くなるように)側面が傾斜している。図5において、211が溝であり、221が窒化物半導体層である。201は基板である。窒化物半導体層221は、図2における窒化物半導体層202と同様の形状をしており、図2の場合と同様の理由で光取り出し効率が向上する。
本発明において形成される溝は、半導体層の発光層を横切る深さで形成されることが望ましい。窒化物半導体を用いた発光素子においては、p層(p型層)は0.1μmから1μm程度と比較的薄く形成することが多いので、光取り出しの効果を充分に得るためには発光層を横切って形成されることで、深い溝とする。
しかしながら、露出したpn接合に導電性のあるものが付着すると、リークの原因となる。最も特性低下の原因となる可能性の高いものは、電極材料である。電極材料は導電性であり、小片化した電極材料が付着する場合が最も考えうる可能性である。また、バリ状にはみ出した電極が垂れ下がることでpn接合をリークさせる場合も考えられる。
そこで、溝の位置を電極が形成されている領域としないことが望ましい。これにより、電極材料によるリークを防ぐことができる。
発光素子表面に溝を設けると、p型層およびn型層の平面的な形状が分断され、電流の平面方向の広がりが阻害されるために駆動電圧の上昇が懸念される。このような弊害を回避するためには、電極のパターンとして、櫛型と呼ばれる、負極と正極が交互に入り組んだパターンを採用することができる。櫛型電極を採用することで、電流の拡散を良好とし、駆動電圧を低減して均一な発光とすることが可能である。また、電極の合間に溝を入れることができ、電流の供給を妨げることがないので好都合である。この櫛型の電極は、負極だけではなく、透光性正極に電流をいきわたらせるためにも有効であるため、正極パッドから延びる形状のものを作ることも望ましい。櫛型電極パターンを採用した場合でも、正極、負極のどちらか、または両方を透光性とすることができる。
その他に、格子電極と呼ばれる、負極または正極のどちらかの電極を格子状に配置したパターンを採用しても良い。格子状としなかった方の電極は、格子状となった領域の周囲に配置してもよいし、格子の隙間の部分に配置しても良いが、周囲に配置した方が簡便である。この場合には、格子の隙間に当たる部分に、点または円形状の溝を形成することができる。
溝を挟んで、同じ極性の電極を配置することが望ましい。光取り出し性を考慮すると、溝を深く形成することが望ましい。このとき、溝を挟んで異なる極性の電極を配置すると、電極間を流れる電流を溝が阻害するため、電流の流通が悪くなり、均一な発光を妨げる。
特に、発光している領域が溝の近くにあることで、光の取出しが良くなるため、溝の周囲には正極を配置することが望ましい。
本発明の溝加工は、一辺が500μm程度以上などの所謂大型のチップに採用すると、駆動電圧の低減の効果と発光出力の増大の効果を得ることができる。電流の拡散が小さいという問題はn型層でも発生していて、小さいサイズのチップでは顕著でないが、大型のチップになるとn型層の電流拡散の問題が顕著となる。特に、一辺が500μm程度以上のチップにおいて顕著である。
その場合に、櫛型電極や格子電極を採用することで、駆動電圧の低減を実現できるため、本発明の溝加工を組み合わせることで、光の取り出しの効率をも増大させることが可能となる。
溝の形状は特に制限なく、四角、円形等のドット状、長方形、細長いスリット状などが用いられる。
溝は、複数箇所あることが望ましいことは言うまでもない。溝の密度が上がることで、光の取り出しの効果を増大することができる。しかし、溝を余りにもたくさん作製してしまうことは、電極の面積を圧迫し、発光それ自体を低下させてしまう可能性を持つ。
また溝の合計の面積で表すと、溝の面積(層表面での面積の合計)は、電極を含めた半導体層の表面積の3〜50%程度が好ましい。
溝の形成は、酸やアルカリを用いた湿式のエッチングや、レーザースクライブ、ダイシングなどの方法で行うことができる。この場合溝の形状を図4のようにするには例えば、レーザスクライバによって溝を形成しておき、その後リン酸を用いた湿式エッチングの方法で300℃などの高温で処理する条件を採用することで、一方、図5のようにするには例えば角度を持った回転刃を用いたダイシングなどの方法を用いることができる。
上記のような傾斜角度を有する窒化物半導体層の側面とするためには、転位密度が制御された窒化物半導体層を形成し、それをエッチング加工することによって、窒化物半導体層の側面角度を種々変えることが好ましい。
図6に示すように、一般に窒化物半導体層内には転位が数多く存在している。図中、301は基板、302は窒化物半導体層、303は転位である。上記の好ましい傾斜の度合いを表す角度θ1またはθ2は、前記窒化物半導体層内の転位密度を基板に対して垂直方向に厚さ1.0μmあたり10cm-2以上10000cm-2以下の割合で基板から半導体層の成長方向に向けて減少、又は増加させることにより制御よく実現可能である。
好ましくは窒化物半導体層内の転位密度を基板に対して垂直方向に厚さ1.0μmあたり100cm-2以上1000cm-2以下の割合で基板から半導体層の成長方向にむけて減少、又は増加させることで実現可能である。
半導体層の転位密度が半導体の成長方向に向けて減少している場合は、これをエッチング加工すると、転位密度が大きいほどエッチング速度が速いので、図4のような形状の側面となる。転位密度が半導体の成長方向に向けて増加している場合は図5のような側面形状となる。これらの場合において、転位密度の増加あるいは減少の度合いを変えることにより、傾斜角度を制御することができる。
窒化物半導体内に存在する転位密度は、窒化物半導体成長時の成長温度、成長速度、成長圧力、原料供給量比など成長の諸条件を変化することで基板に垂直方向に変化させることが出来る。また、基板に形成された凹凸の形状などの基板の性質によっても、窒化物半導体内に存在する転位密度を基板に垂直方向に変化させることが出来る。同様に、基板上もしくは窒化物半導体層上に例えばSiO2などのストライプ状のマスクを形成することにより、窒化物半導体の成長時の横方向成長速度を制御して窒化物半導体内に存在する転位密度を基板に垂直方向に変化させることが出来る。
また、例えばSi原子などのアンチサーファクタントで基板もしくは窒化物半導体上を覆うことにより、その被覆率を制御して窒化物半導体内に存在する転位密度を基板に垂直方向に変化させることが出来る。更に、窒化物半導体層中に複数のバッファ層を挿入し、その膜厚や組成や成長温度などを制御することにより、窒化物半導体内に存在する転位密度を基板に垂直方向に変化させることが出来る。
転位密度を成長方向に向けて、減少させたり、増加させるには、成長温度、成長速度、成長圧力、原料供給量比など成長の諸条件を変化させることで可能である。
このようにして窒化物半導体層の成長諸条件を任意に制御することにより、前記窒化物半導体層内に存在する転位の密度を任意に制御することが可能である。前記手法を用いれば、基板面から成長方向に沿って転位密度の変化率を任意に変えることも可能であり、基板面から窒化物半導体層成長方向に転位密度を減らすことも増やすことも可能である。後述する通り、転位密度が高い場合面方向へのエッチングレートが高くなり、転位密度が低い場合面方向へのエッチングレートが低くなるので、従って本発明を用いることにより、成長方向に沿って窒化物半導体層内の転位密度を一旦減らしてから増やすことで窒化物半導体の側面を真ん中が外側に膨らんだような傾斜加工したり、逆に成長方向に沿って窒化物半導体層内の転位密度を一旦増やしてから減らすことで真ん中が内側にへこんだような傾斜加工したりすることが可能になる。更に前記手法を繰り返し用いれば、容易に窒化物半導体側面を複数段の凹凸斜面形状となるように加工出来ることは言うまでもない。
窒化物半導体としては、例えば一般式AlXGaYInZ1-AA(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦A<1である。)で表わされる窒化物半導体が多数知られており、本発明においても、それら周知の窒化物半導体を含めて一般式AlXGaYInZ1-AA(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦A<1である。)で表わされる窒化物半導体を何ら制限なく用いることができる。
本発明の窒化物半導体発光素子の基板には、サファイア単結晶(Al23;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl24)等の酸化物単結晶、SiC単結晶、Siなどの公知の基板材料を何ら制限なく用いることができる。これらの中でもサファイア単結晶またはSiC単結晶が好ましい。なお、基板の面方位は特に限定されない。また、ジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。
上記の基板上に窒化物半導体を積層するために、特許第3026087号公報や特開平4−297023号公報に開示されている低温バッファ法や特開2003−243302号公報などに開示されているSeeding Process(SP)法と呼ばれる格子不整合結晶エピタキシャル成長技術を用いることができる。
低温バッファやSP法などの格子不整合結晶エピタキシャル成長技術を用いた場合、その上に積層する下地としてのIII族窒化物半導体は、アンドープかもしくは5×1017cm-3程度の低ドープのGaNであることが望ましい。下地層の膜厚は、1〜20μmであることが望ましく、5〜15μmであることが更に好適である。
下地層の上に電極と接触し、電流を供給するためn型GaNコンタクト層を成長させる。n型GaNコンタクト層には1×1018cm-3〜1×1019cm-3になる様にn型ドーパントを供給しながら成長させる。n型ドーパントとしては一般的にはSiやGeが選ばれる。ドーピングに関して一様にドープする場合や周期的に低ドープ層と高ドープ層を繰り返す構造をとる場合がある。特に後者の間歇ドープでは結晶成長中に発生するピットの抑制に有効である。
n型コンタクト層と発光層との間に、n型クラッド層を設けることが好ましい。n型クラッド層は、AlGaN、GaN、InGaNなどで形成することが可能であるが、InGaNとする場合には発光層のInGaNのバンドギャップよりも大きい組成とすることが望ましいことは言うまでもない。n型クラッド層のキャリア濃度は、n型コンタクト層と同じでも良いし、大きくても小さくても良い。
n型クラッド層上の発光層としては量子井戸構造とするのが好適である。井戸層が1つしかない単一量子井戸構造でも良いし、複数の井戸層を有する多重量子井戸構造でも良い。中でも、多重量子井戸構造は、III族窒化物半導体を用いた素子の構造としては高出力と低駆動電圧を兼ね備えることができるので、好適である。なお、多重量子井戸構造の場合、井戸層(活性層)と障壁層を併わせた全体を本明細では発光層と呼ぶ。
p型層は通常0.01〜1μmの厚さで、発光層に接しているp型クラッド層と正極を形成するためのp型コンタクト層からなる。p型クラッド層とp型コンタクト層は兼ねることができる。p型クラッド層は、GaN、AlGaNなどを用いて形成し、p型ドーパントとしてMgをドープする。
負極は、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限なく用いることができる。n型コンタクト層と接する負極用のコンタクト材料としては、Al、Ti、Ni、Auなどのほか、Cr、W、Vなどを用いることができる。負極全体を多層構造としてボンディング性などを付与することができることは言うまでもない。特に、最表面をAuで覆うことは、ボンディングをしやすくするためには好ましい。
正極も、各種組成および構造の正極が周知であり、これら周知の正極を何ら制限なく用いることができる。
透光性の正極材料としては、Pt、Pd、Au、Cr、Ni、Cu、Coなどを含んでも良い。また、その一部が酸化されている構造とすることで、透光性が向上することが知られている。反射型の正極材料としては、上記の材料の他に、Rh、Ag、Alなどを用いることができる。
また、金属を一切含まず、導電性の酸化物で電極を形成することも可能である。ITOなどの導電性の酸化物による透明電極などは、接触抵抗を下げることが可能で、望ましい。
基板上に積層した窒化物半導体(ウェハ)を各発光素子に分割し、その半導体層の側面を基板主面の法線に対して傾斜させるため、先ず、正極、負極、及び露出したp型層を覆う様に先ずレジストパターンを形成する。レジストはポジ型でもネガ型でもよい。正極および負極を含む個々の発光素子の境界が露出されるように適当なパターンを持ったフォトマスクを用いて一般的な手続きに従ってリソグラフを行う。或いはレジストが上述した電極およびp型層を覆って個々の素子が判別できればリソグラフは必ずしも必要ではない。膜厚は0.1μm〜20μmであるのが好ましい。膜厚が薄いとウェットエッチングの際に膜が剥がれやすく、厚いとリソグラフの解像の問題が生じたり、下のパターンの認識が困難になる。好適には0.5μm〜10μmであり、更には1μm〜5μmであるのが望ましい。
次に、各発光素子の外形に沿って窒化物半導体層の基板に達するまでの除去を行なう。除去は、レーザーによって行うのが望ましい。窒化物半導体の吸収端より短い波長のレーザーを選ぶことにより窒化物半導体の105cm-1に及ぶ高い吸収係数の為、被加工位置がレーザー照射位置に限定される。レーザーの光学系を適当に選ぶことにより10μmより狭い幅での加工も可能であり、素子収率の向上が図れる。基板のレーザー加工深さは1μm以上の範囲で任意に選べるが、加工深さが小さいと後の分割処理の形状不良が発生しやすい。10μm以上であれば不良発生は抑制されるが、20μm以上であれば更に望ましい。
或は、機械的方法であるダイサーによる方法も可能である。この場合、切断に用いるブレードの選定を好適なものとし、基板への食い込み量をできるだけ小さくとどめることで素子の欠け、割れの発生を抑制することができる。基板への食い込み量は1μm〜50μmの範囲が適しており、1μm〜20μmが好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
次に形成され溝部にウェットエッチングを施し、凹部(割溝)を形成する。ウェットエッチングはオルトリン酸を用いて行われる。所定の加熱装置に納められたビーカーにオルトリン酸を加え、100℃〜400℃に加熱する。加熱温度が低いとエッチング速度が遅く、高すぎるとマスクに剥がれが生ずる。望ましくは150℃〜300℃、さらに望ましくは180℃〜240℃で、十分なエッチング速度とマスクの耐性の両立が得られる。
このとき、エッチングした側面の角度は、窒化物半導体層内に存在する転位密度により変化する。転位密度が高い場合、面方向へのエッチングレートが高くなり、転位密度が低い場合、面方向へのエッチングレートが低くなる。したがって、窒化物半導体層内に存在する転位密度を基板面から漸進的に減少させた場合、エッチングにより形成される傾斜面を容易に図1に示すように基板側に傾斜させることが出来る。逆に、窒化物半導体層内に存在する転位密度を基板面から漸進的に増加させた場合、エッチングにより形成される傾斜面を容易に図2に示すように窒化物半導体層表面側に傾斜させることが出来る。更に、窒化物半導体層内の転位密度の分布の基板に対して垂直方向の変化の割合を変化させることにより、傾斜面が複数の傾斜角度を持つように制御することも可能である。
最後に、形成した凹部(割溝)に沿ってウェハを各発光素子に分割する。
また、各発光素子表面の電極が形成されていない領域の窒化物半導体層の表面に前記溝を形成する場合は、レーザー等による窒化物半導体層の上記除去工程において、所望の位置に所望の深さまで除去した後、次のウェットエッチング工程に移ればよい。勿論、割溝と同等の深さおよび幅にしてもよい。
(実施例1)
本発明による実施例を以下に示す。本実施例で作製した発光素子のウェハの平面模式図を図7に示す。図中、10は発光素子の集合体(ウェハ)、101は正極パッド、102は透光性の正極、103は負極、104は個々の発光素子の境界、105は窒化物半導体層を除去するラインである。
基板としてサファイア(Al23)C面基板を用い、その上に特開2003−243302号公報にある方法に従って形成されたAlNバッファ層を介してアンドープのGaN層を6μm、Geを周期的にドープして平均のキャリア濃度が1×1019cm-3となるようにしたn型コンタクト層を4μm、In0.1Ga0.9Nからなる厚さ12.5nmのn型クラッド層、GaNからなる厚さ16nmの障壁層とIn0.2Ga0.8Nからなる厚さ2.5nmの井戸層を交互に5回積層させた後、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層、Mgドープ(濃度8×1019/cm3)Al0.03Ga0.97Nからなる厚さ0.15μmのp型コンタクト層を順次積層して基板上の窒化物半導体層とした。
以上のように積層した窒化物半導体層を縦方向に薄膜状に加工し、透過電子顕微鏡にて観察した結果、窒化物半導体層内の転位密度は、基板に対して垂直方向に厚さ1.0μmあたり100cm-2の割合で半導体層の成長方向に向けて減少していた。
窒化物半導体層の表面に公知のリソグラフとRIEを用いて、個々の素子の境界部分および負極形成部分のn型コンタクト層を露出させた。
この窒化物半導体層のp型コンタクト層上の所定の位置に公知のリソグラフおよびリフトオフ法を用いて、p型コンタクト層側から順にPtおよびAuよりなる透光性の正極を形成した。続いて公知のリソグラフとリフトオフにより、透光性の正極上にボンディング用正極パッドを形成した。次に、露出したn型コンタクト層の負極形成部分にコンタクト層側から順にCr、TiおよびAuからなる負極を形成した。
個々の素子への電極作製工程が終了した図7に示すウェハにリソグラフに用いたフォトレジストを塗布した。再度リソグラフにより発光素子の境界部分のみを露出させた。
窒化物半導体層を基板に達するまで除去する手段としてはレーザーを用いた。レーザーの波長は266nm、周波数は50kHz、出力は1.6W、加工スピードは70mm/秒で基板に20μmに達する割溝を作製した。ステージを90°回転させ、Y軸方向に同様にして割溝を形成した。
割溝作製後の基板を、加熱装置を用いて180℃に熱したオルトリン酸の入った石英ビーカー中に20分間浸漬してウェットエッチングを行った。窒化物半導体層のエッチング量は5.2μmであった。ウェットエッチングの終了した基板及び窒化物半導体層は超音波中で水洗を行い、更に有機洗浄によりレジストからなるエッチングマスクの除去を行った。
エッチング処理後の基板と窒化物半導体層(ウェハ)はさらに基板側の研磨により、80μmになるまで薄くし、その後ブレーキング装置により個々の発光素子に分離した。このようにして、350μm角のサイズの発光素子を作製した。
分離した発光素子の出力を積分球で評価したところ、20mAの電流を流した時に8.0mWであった。また素子側面をSEMにより観察したところ、窒化物半導体層の側面は垂直に割れたサファイア基板側面に対して図1に示すように傾いており、窒化物半導体層側面の法線の基板主面の法線に対する傾き角度(θ1)は130度であった。
(実施例2)
条件を変更した本発明の実施例について示す。
基板上の窒化物半導体層の成長においてn型層の成長温度を実施例1より50℃高くする事で、窒化物半導体層内の転位密度を基板に対して垂直方向に厚さ1.0μmあたり10cm-2の割合で半導体の成長方向に向けて減少させた。その他の成長条件は実施例1と同じである。尚、本実施例では成長温度を変化させる事で、転位密度分布を制御したが、原料供給量比や成長速度、成長圧力など成長に関する諸条件を変化させることで、同様に転位密度分布を制御することが出来る。その後の電極の形成と窒化物半導体層の除去と素子分離と評価は実施例1と同様に行った。
分離した素子の出力を評価したところ7.0mWであった。形成された窒化物半導体層側面の法線の基板主面の法線に対する傾き角度(θ1)は100度であった。
(比較例1)
比較のためにウェットエッチングを実施しない場合の例を示す。
実施例1と同じ条件で窒化物半導体層の成長と窒化物半導体層の除去を行った。割溝作成後、ウェットエッチングを実施しないで素子分離を行った。分離した発光素子の基板側面は基板主面に対し垂直であった。
分離した発光素子の出力を評価したところ5.1mWであった。また素子の窒化物半導体層側面の角度は垂直に割れた基板側面と略同じ法線を持っていた。
(実施例3)
本発明による実施例を以下に示す。本実施例においては、図8に示す1mm角の平面に4本の溝を有する発光素子を作製した。図中、210が溝であり、212は負極、214は正極透明電極、215は正極パッドである。
基板としてサファイア(Al23)C面基板を用い、実施例2と同一条件で窒化物半導体層を形成した。
窒化物半導体層の表面に公知のリソグラフとRIEを用いて、発光素子表面の4本の溝部分、個々の発光素子の境界部分および負極形成部分のn型コンタクト層を露出させた。
この窒化物半導体層のp型コンタクト層上の所定の位置に公知のリソグラフおよびリフトオフ法を用いて、ITOよりなる透光性の正極を形成した。続いて公知のリソグラフとリフトオフにより、透光性の正極上にボンディング用正極パッドを形成した。次に、露出したn型コンタクト層の負極形成部分にn型コンタクト層側から順にCr、TiおよびAuからなる負極を形成した。
個々の発光素子への電極作製工程が終了した図8に示す発光素子が多数形成されているウェハにリソグラフに用いたフォトレジストを塗布した。再度リソグラフにより、発光素子表面の溝を形成する部分と各発光素子の境界部分を露出させた。
窒化物半導体層を除去して溝および割溝を形成する手段としてはレーザーを用いた。レーザーの波長は266nm、周波数は50kHz、出力は1.6W、加工スピードは70mm/秒で基板に20μmに達する溝および割溝を作製した。レーザーの点滅と、ステージの移動速度を制御することで、発光素子表面の溝と各発光素子境界部分の割溝を望む位置に形成することができた。
溝および割溝作製後の基板を、溝および割溝の側面を傾斜させるため、加熱装置を用いて180℃に熱したオルトリン酸の入った石英ビーカー中に20分間浸漬してウェットエッチングを行った。窒化物半導体層のエッチング量は5.2μmであった。ウェットエッチングの終了した基板及び窒化物半導体層は超音波中で水洗を行い、更に有機洗浄によりレジストからなるエッチングマスクの除去を行った。
エッチング処理後の基板と窒化物半導体層はさらに基板側の研磨により、80μmになるまで薄くし、その後ブレーキング装置により個々の発光素子として分離した。
分離した発光素子の出力を積分球で評価したところ350mAの通電に対して200mWであった。また断面を形成して、溝および割溝側面をSEMにより観察したところ、窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線との図1に示す傾き角度(θ1)は100度であった。
(実施例4)
発光素子の平面形状を図9に示したようなパターンとしたほかは、実施例3と同様にして発光素子を作製した。図中、210が溝であり、212は負極、214は正極透明電極、215は正極パッドである。
個々に分離した発光素子の出力を積分球で評価したところ350mAの通電に対して220mWであった。また断面を形成して、溝および割溝側面をSEMにより観察したところ、窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線との図1に示す傾き角度(θ1)は110度であった。
(比較例2)
比較のためにウェットエッチングを実施しない場合の例を示す。
実施例3と同じ条件で窒化物半導体層の成長と窒化物半導体層の除去を行った。
溝および割溝作製後、ウェットエッチングを実施しないで素子分離を行った。分離した素子の溝および割溝の側面は基板主面に対し垂直であった。
分離した素子の出力を評価したところ実施例3と同じ電流量の通電で、120mWであった。また窒化物半導体層側面の角度は垂直に割れた基板側面と略同じ法線を持っていた。
(実施例5〜10)
これらの実施例ではさらに色々な形状の窒化物半導体発光素子を作製して特性を比較した。これらのチップデザインは、350μm角のチップの4倍の面積のチップを狙った。図10、11および12は、それぞれ実施例5、7および9で作製した発光素子の平面模式図である。図中、210が溝であり、212は負極、214は正極透明電極、215は正極パッドである。実施例6、8および10は溝210を形成しなかったことを除いて、それぞれ実施例5、7および9と同一である。
窒化物半導体層構造は以下のとおりである。基板としてサファイア(Al23)C面基板を用い、その上に特開2003−243302号公報にある方法に従って形成されたAlNバッファ層を介してアンドープのGaN層を6μm、Siをドープして平均のキャリア濃度が1×1019cm-3となるようにしたn型コンタクト層を2μm、In0.1Ga0.9NからなりSiをドープした厚さ12.5nmのn型クラッド層、GaNからなる厚さ16nmの障壁層とIn0.2Ga0.8Nからなる厚さ2.5nmの井戸層を交互に5回積層させた後、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層、Mgドープ(濃度1×1020/cm3)Al0.08Ga0.92Nからなる厚さ20nmのp型クラッド層およびMgドープ(濃度8×1019/cm3)Al0.03Ga0.97Nからなる厚さ0.2μmのp型コンタクト層を順次積層して基板上の窒化物半導体層とした。
得られた窒化物半導体積層構造体を用いて、実施例3と同様の手順により、正極、負極、溝および割溝を作製した後、各発光素子に分割した。
得られた発光素子を実施例3と同様に評価し、結果を表1に示した。実施例5と6、実施例7と8および実施例9と10をそれぞれ比較すると、いずれの場合も、発光素子表面に溝を形成することによって、発光出力が5%前後も増加していることが判る。
Figure 0005025199
本発明の窒化物半導体発光素子は割溝加工におけるダメージが少なく、光の取り出し効率が高いので、高輝度の発光ダイオードとして利用することができる。
本発明の窒化物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の別の態様の窒化物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図である。 従来の窒化物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の窒化物半導体発光素子表面の溝の形状を示す断面図である。 本発明の窒化物半導体発光素子表面の溝の別の形状を示す断面図である。 一般的な窒化物半導体内の転位分布を示す模式図である。 実施例1で作製した窒化物半導体発光素子のウェハの平面模式図である。 実施例3で作製した窒化物半導体発光素子の平面模式図である。 実施例4で作製した窒化物半導体発光素子の平面模式図である。 実施例5で作製した窒化物半導体発光素子の平面模式図である。 実施例7で作製した窒化物半導体発光素子の平面模式図である。 実施例9で作製した窒化物半導体発光素子の平面模式図である。
符号の説明
10 発光素子の集合体(ウェハ)
101 正極パッド
102 透光性の正極
103 負極
104 個々の素子の境界
105 窒化物半導体層を除去するライン
201 基板
202 窒化物半導体層
203 光の進行矢線
204、206 窒化物半導体層の側面の法線
205 基板主面の法線
207、208 窒化物半導体層の側面
210、211 溝
212 負極
214 正極透明電極
215 正極パッド
301 基板
302 窒化物半導体層
303 転位

Claims (23)

  1. 基板と、基板上に積層された発光層を含むIII族窒化物半導体層とを含むIII族窒化物半導体発光素子であって、該III族窒化物半導体層の側面が基板主面の法線に対して傾斜しており、発光素子表面の電極が形成されていない領域のIII族窒化物半導体層に溝が形成されており、該溝の側面の法線が基板主面の法線に対して垂直でない形状を持ち、電極は負極と正極が交互に入り組んだ櫛型電極であり、該溝を挟んで負極または正極のいずれか一方の同じ極性の電極が形成されており、その更に外側には該溝に近い電極とは反対の極性の電極が形成されていることを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子。
  2. 基板と、基板上に積層された発光層を含むIII族窒化物半導体層とを含むIII族窒化物半導体発光素子であって、該III族窒化物半導体層の側面が基板主面の法線に対して傾斜しており、発光素子表面の電極が形成されていない領域のIII族窒化物半導体層に溝が形成されており、該溝の側面の法線が基板主面の法線に対して垂直でない形状を持ち、電極は負極または正極どちらかの電極を格子状に配置した格子電極であり、該溝が該格子電極の隙間に当たる部分に形成されており、該格子電極の外側には反対の極性の電極が形成されていることを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子。
  3. III族窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて狭くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  4. III族窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ1が100度以上175度以下であることを特徴とする請求項3に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  5. III族窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ1が110度以上170度以下であることを特徴とする請求項4に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  6. III族窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ1が120度以上160度以下であることを特徴とする請求項5に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  7. III族窒化物半導体層内の転位密度が、基板から半導体層の成長方向に向けて減少していることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  8. III族窒化物半導体層内の転位密度が、基板に対して垂直方向において、基板から半導体層の成長方向に向けて厚さ1.0μm当たり10cm-2〜10000cm-2の割合で減少していることを特徴とする請求項7に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  9. III族窒化物半導体層内の転位密度が、基板に対して垂直方向において、基板から半導体層の成長方向に向けて厚さ1.0μm当たり100cm-2〜1000cm-2の割合で減少していることを特徴とする請求項8に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  10. III族窒化物半導体層の断面形状が基板側に向けて広くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  11. III族窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ2が5度以上80度以下であることを特徴とする請求項10に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  12. III族窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ2が10度以上70度以下であることを特徴とする請求項11に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  13. III族窒化物半導体層の側面の法線と基板主面の法線とのなす角度θ2が20度以上60度以下であることを特徴とする請求項12に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  14. III族窒化物半導体層内の転位密度が、基板から半導体層の成長方向に向けて増加していることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  15. III族窒化物半導体層内の転位密度が、基板に対して垂直方向において、基板から半導体層の成長方向に向けて厚さ1.0μm当たり10cm-2〜10000cm-2の割合で増加していることを特徴とする請求項14に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  16. III族窒化物半導体層内の転位密度が、基板に対して垂直方向において、基板から半導体層の成長方向に向けて厚さ1.0μm当たり100cm-2〜1000cm-2の割合で増加していることを特徴とする請求項15に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  17. 上記溝が、2箇所以上であることを特徴とする請求項〜16のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  18. 上記溝の深さが、発光層を横切る深さであることを特徴とする請求項〜17のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  19. 上記溝の表面における面積が、電極面を含めた発光素子の表面の面積に対し3〜50%であることを特徴とする請求項〜18のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  20. 発光素子の表面での一辺の長さが、500μm以上であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  21. 基板がサファイア(Al 2 3 )であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  22. 基板が炭化珪素(SiC)であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  23. 基板が珪素(Si)であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
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