JP2008306224A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 Download PDF

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【課題】光取出し効率に優れ、発光出力の高い平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を提供すること。
【解決手段】基板および基板上に積層されたn型半導体層、発光層およびp型半導体層からなる窒化ガリウム系化合物半導体層を有し、n型半導体層上に負極、p型半導体層上に透明性正極および正極ボンディングパッドがそれぞれ設けられた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、該発光素子の平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形であり、該正極ボンディングパッドが矩形長辺の中心から±30%の範囲内にあり、該窒化ガリウム系化合物半導体層の矩形長辺側の側面が窒化ガリウム単結晶格子においてM面と平行であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
【選択図】図5

Description

本発明は窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に関し、特に平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に関する。
近年、短波長発光素子用の半導体材料として窒化ガリウム系化合物半導体材料が注目を集めている。窒化ガリウム系化合物半導体は、サファイア単結晶を始めとして、種々の酸化物基板やIII-V族化合物を基板として、その上に有機金属気層成長法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成されている。
窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に於いては、正極にAuNi透明電極を始め、ITO電極等の透明電極を用いて発光層よりの光を効率よく、外部に取り出す事が行われている。光取り出し効率を向上させるために、透明電極上のパッド電極およびn型層上に設けられた負極等の電極の配置を工夫したデザインにより様々なLEDチップが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、LEDチップのモジュール化に於いては、スペースを効率化するため、従来の正方形形状から、長方形形状に、特に異型形状へのニーズが高まっている。その理由として正方形形状では、横方向に光を照射するチップでは、実装上非効率的でありモジュール高さを低減できる長方形形状が望ましい。しかしながら、このような長方形形状のLEDチップは、電極間距離および電極形状の関係で、従来成し得ていたLEDチップの高光取出し効率が損なわれる事態が生じている。
例えば特許文献2では、電流の過度の集中を避けるために、本来光取り出しのために設けられている透明電極に不透明な拡散用電極を形成するなどして、発光素子全体としての発光出力が犠牲になっている。
特開2005−19646号公報 特開2004−221529号公報
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、光取出し効率に優れ、発光出力の高い平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を提供することである。
本発明は下記の発明を提供する。
(1)基板および基板上に積層されたn型半導体層、発光層およびp型半導体層からなる窒化ガリウム系化合物半導体層を有し、n型半導体層上に負極、p型半導体層上に透明性正極および正極ボンディングパッドがそれぞれ設けられた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、該発光素子の平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形であり、該正極ボンディングパッドが矩形長辺の中心から±30%の範囲内にあり、該窒化ガリウム系化合物半導体層の矩形長辺側の側面が窒化ガリウム単結晶格子においてM面と平行であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(2)窒化ガリウム系化合物半導体層の矩形長辺側の側面に沿って、光取出し効率向上のための構造が設けられている上記1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(3)長辺の長さが50μm〜2000μmである上記1または2に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(4)長辺の長さが200μm〜600μmである上記3項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(5)短辺と長辺との比が1:10から4:5である上記1〜4項のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(6)短辺と長辺との比が1:2から2:3である上記5項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(7)光取出し効率向上のための構造が、窒化ガリウム系化合物半導体層の側面を基板主面に対して傾斜させる構造である上記2〜6項のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(8)窒化ガリウム系化合物半導体層の側面と基板主面との角度θが90°より小さい上記7項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、発光素子の半導体層の側面を傾斜させることにより、側面での光の透過量あるいは側面で反射した光が他の面から外部に取り出される量が多くなり、光の取り出し効率が向上する。
さらに、主面がサファイアC面である基板を用い、半導体層の矩形長辺側の側面を窒化ガリウム単結晶格子においてM面以外の面方位にすることにより、光の取り出し効率が一段と向上する。
また、サファイアのような難加工基板上に形成された窒化ガリウム系化合物半導体層の側面加工をウェットエッチングで行なうことにより、ダメージの少ない発光素子が得られる。
本発明は、平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形である窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、半導体層の側面が基板の主面に対して垂直でない(以下傾斜という)素子構造とすることで光取り出し効率を飛躍的に高めたことが特徴である。また、窒化ガリウム系化合物半導体結晶の各結晶面の化学的エッチングの易難性の違いを利用して、長さの長い側面を光取出しに優位な形状に形づくることに特徴がある。
以下図面を参考にして具体的に説明する。
図1は本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図で、半導体層の側面と基板の主面との角度θが90°より小さい場合である。図2は本発明の別の態様の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図で、半導体層の側面と基板の主面との角度θが90°より大きい場合である。これらの図において、204は基板(201)の主面、205は窒化ガリウム系化合物半導体層(202)の側面で、これらのなす角度がθである。203は半導体層中のA点で発光した光の進路である。
図3は従来の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図で、半導体層の側面が基板の主面に対して垂直となっている場合である。図中番号は図1および2と同一である。
本発明のように半導体層の側面が基板の主面に対して傾斜していることにより、光の取り出し効率が上がる理由については定かでないが、次のように考えられる。
図3は従来の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であるが、例えばA点で発光した光が矢線のように進行した場合、半導体層の側面に入射した光が臨界角以上であると光はそこで反射し、さらに半導体層の上面でも臨界角以上となり反射する。その結果光の取り出し率は下がる。
これに対し図1の場合、光は半導体層の側面では反射するが、半導体層の上面では臨界角以内となるので光が透過し発光素子から取り出すことができる。図1において傾斜角θは90°より小さい。好ましくはθは10°以上80°以下、さらに好ましくは30°以上70°以下である。
また図2の場合、半導体層の側面で入射光が臨界角以内となるので、光は半導体層を透過する。
これらのことから図1および2のいずれの場合も光の取り出し効率が上がるが、図1のように半導体層の側面と基板の主面との角度θが90°より小さい場合は、半導体層の側面に向かった光が側面で反射して上方に向かう確率が図2の場合よりも多くなるので好ましい。
上述したように、本発明では発光素子の側面を利用して光取り出し効率の向上を図っている。従って、発光素子の面積(平面投影面積)が同じ場合、側面面積が大きいほうが有利である。要するに、発光素子の平面投影面積に対する周辺長さの比が大きいほうが有利である。
矩形の場合、面積に対する周辺長さの比は、辺の長さが全て等しい正方形よりも、相対する辺の長さが異なる長方形のほうが大きい。
従って、発光素子の半導体層側面を基板主面に対して傾斜させることによる光取り出し効率の向上効果は、発光素子の平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形、即ち長方形の場合に大きくなる。
本発明の発光素子の平面形状は、縦横の辺の長さが異なる矩形、即ち長方形であれば特に制限をうけない。要するに、発光素子が組み込まれる電子機器等に合わせて任意の形状とすることができる。
長方形の短辺と長辺の比はなるべく大きいほうが好ましい。なぜならば、短辺と長辺の比が大きいほうが面積に対する周辺長さの比が大きくなるからである。しかし、この比が大きくなりすぎると、発光素子があまりにも細長くなり、その結果、正極および負極の配置が困難になったり、駆動電圧が上昇したりする。従って、本発明の発光素子の短辺と長辺の比は、1:10から4:5が好ましい。さらに好ましくは1:2から2:3である。
正極および負極の配置、発光素子製作の際の加工性および電流分布等を考慮すると、長辺の絶対長さとしては50〜2000μmが好ましく、さらに好ましくは200〜600μmである。また、短辺の絶対長さとしては40〜1000μmが好ましく、さらに好ましくは100〜300μmである。
窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の層構造としては、例えば図4に示したような層構造が周知であり、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の層構造もこのような周知の層構造を含め、如何なる層構造とすることができる。図4において、1は基板、2はバッファ層、3はn型半導体層である。n型半導体層は下地層(3c)、n型コンタクト層(3a)およびn型クラッド層(3b)から構成されている。4は発光層、5はp型半導体層である。p型半導体層はp型クラッド層(5b)およびp型コンタクト層(5a)から構成されている。10は正極であり、透光性正極(11)および正極ボンディングパッド(12)から構成されている。20は負極である。
本願発明において、基板1には、サファイア単結晶(Al23;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl24)、ZnO単結晶、LiAlO2単結晶、LiGaO2単結晶、MgO単結晶またはGa23単結晶などの酸化物単結晶基板、およびSi単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶またはZrB2などのホウ化物単結晶などの非酸化物単結晶基板から選ばれた公知の基板材料を何ら制限なく用いることができる。これらの中でもサファイア単結晶またはSiC単結晶が好ましい。また、ジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。
サファイア単結晶を基板に用いた場合、基板の上に成長させた窒化ガリウム系化合物半導体単結晶は、サファイア単結晶(Al23;A面、C面、M面、R面)に即した方位で結晶成長することが知られている。
サファイア単結晶のC面を基板として成長させた窒化ガリウム系化合物半導体単結晶のC面に垂直な面をC軸方向からエッチングする場合、M面以外の面、例えばA面は結晶頂点が露出しており、凹凸が形成され易く、M面は平坦になり易い。本発明においては、発光素子の側面を光取り出し効率の向上に利用することから、側面が凹凸であると側面の表面積が大きくなり、光取り出し効率もさらに向上する。従って、本発明の発光素子においては、矩形の長辺をM面以外の面、例えばA面にすることが好ましい。
バッファ層、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を構成する窒化ガリウム系化合物半導体としては、一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y<1,0≦x+y≦1)で表わされる各種組成の半導体が公知である。本発明におけるバッファ層、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を構成するIII族窒化物半導体においても、一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y<1,0≦x+y≦1)で表わされる各種組成の半導体を何ら制限なく用いることができる。
これらのIII族窒化物半導体を成長する方法としては、有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線エピタキシー成長法(MBE)、ハイドライド気相成長法(HVPE)などがある。望ましくは組成制御が容易であり、量産性を備えたMOCVD法が適しているが、必ずしも同法に限定されるものではない。
MOCVD法を上記半導体層の成長方法として採用する場合は、III族であるGaの原料として、有機金属材料であるトリメチルガリウム(TMGa)またはトリエチルガリウム(TEGa)を、同じくIII族のAlの原料として、トリメチルアルミニウム(TMAl)またはトリエチルアルミニウム(TEAl)を主として用いる。また発光層の構成材料であるInについてはその原料としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)を用いる。V族のN源として、アンモニア(NH3)またはヒドラジン(N24)などを用いる。
n型半導体層にはドーパント材料として、SiあるいはGeを用いる。Si原料としてモノシラン(SiH4)またはジシラン(Si26)を、Ge原料としてゲルマン(GeH4)または有機ゲルマニウム化合物を用いる。p型半導体層では、ドーパントしてMgを使用する。その原料としては、例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム((EtCp)2Mg)を用いる。
上記の基板上に窒化ガリウム系化合物半導体を積層するために、特許第3026087号公報や特開平4−297023号公報に開示されている低温バッファ法や特開2003−243302号公報などに開示されているSeeding Process(SP)法と呼ばれる格子不整合結晶エピタキシャル成長技術を用いることができる。
低温バッファ法やSP法などの格子不整合結晶エピタキシャル成長技術を用いた場合、その上に積層する下地としての窒化ガリウム系化合物半導体は、アンドープかもしくは5×1017cm-3程度の低ドープのGaNであることが望ましい。下地層の膜厚は、1〜20μmであることが望ましく、5〜15μmであることが更に好適である。
下地層の上に負極と接触し、電流を供給するためn型GaNからなるn型コンタクト層を成長させる。n型GaNには1×1018cm-3〜1×1019cm-3になる様にn型ドーパントを供給しながら成長させる。n型ドーパントとしては一般的にはSiやGeが選ばれる。ドーピングに関して、一様にドープする場合や周期的に低ドープ層と高ドープ層を繰り返す構造をとる場合がある。特に後者の間歇ドープでは結晶成長中に発生するピットの抑制に有効である。
n型コンタクト層と発光層との間に、n型クラッド層を設けることが好ましい。n型クラッド層は、AlGaN、GaN、InGaNなどで形成することが可能であるが、InGaNとする場合には活性層のInGaNのバンドギャップよりも大きい組成とすることが望ましいことは言うまでもない。n型クラッド層のキャリア濃度は、n型コンタクト層と同じでも良いし、大きくても小さくても良い。
n型クラッド層上の発光層としては量子井戸構造とするのが好適である。井戸層が1つしかない単一量子井戸構造でも良いし、複数の井戸層を有する多重量子井戸構造でも良い。中でも、多重量子井戸構造は、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた素子の構造としては高出力と低駆動電圧を兼ね備えることができるので、好適である。なお、多重量子井戸構造の場合、井戸層(活性層)と障壁層を併わせた全体を本明細書では発光層と呼ぶ。
p型半導体層は通常0.01〜1μmの厚さで、発光層に接しているp型クラッド層と正極を形成するためのp型コンタクト層からなる。p型クラッド層とp型コンタクト層は兼ねることができる。p型クラッド層は、GaN、AlGaNなどを用いて形成し、pドーパントとしてMgをドープする。
負極は、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限なく用いることができる。n型コンタクト層と接する負極用のコンタクト材料としては、Al、Ti、Ni、Auなどのほか、Cr、W、Vなどを用いることができる。負極全体を多層構造としてボンディング性などを付与することができることは言うまでもない。特に、最表面をAuで覆うことは、ボンディングをしやすくするためには好ましい。
正極も、各種組成および構造の正極が周知であり、これら周知の正極を何ら制限なく用いることができる。
透光性の正極材料としては、Pt、Pd、Au、Cr、Ni、Cu、Coなどを含んでも良い。また、その一部が酸化されている構造とすることで、透光性が向上することが知られている。また、透明電極として一般的な、ITO、IZO、IWO等の導電性酸化物を使用する事もなんら問題ない。反射型の正極材料としては、上記の材料の他に、Rh、Ag、Alなどを用いることができる。
通常、光透過性または反射性正極を形成した後、その一部表面にボンディングパッド部を構成する正極ボンディングパッドを作製する。正極ボンディングパッドを併せて正極を構成することになる。正極ボンディングパッドの材料として、各種の構造のものが知られており、本発明においても、これら周知のものを特に制限されることなく用いることが可能である。負極材料に用いたAl、Ti、Ni、Auのほか、Cr、W、Vも何ら制限なく使用できる。しかしながら、用いた光透過性または反射性正極との密着性の良い材料を用いることが望ましい。厚さはボンディング時の応力に対して光透過性または反射性正極へダメージを与えないよう十分厚くする必要がある。また最表層はボンディングボールとの密着性の良い材料、例えばAuとすることが望ましい。
また、正極ボンディングパッドの位置においては、正極ボンディングパッド下部での発光を横方向から最大限に取り出すために、矩形長辺の中心付近に形成することが望ましい。また、矩形長辺の中央部、例えば中心から±30%の位置に正極ボンディングパッドを配置することにより、電流拡散経路が短くなり、素子の駆動電圧も低下させる事ができる。
基板上に窒化ガリウム系化合物半導体、負極および正極を積層したウェーハを各発光素子に分割し、その半導体層の側面を傾斜させるため、前記正極、負極および露出したp型半導体層を覆う様に先ずレジストパターンを形成する。
その際に、側面の面方位を窒化ガリウム系化合物半導体結晶のM面にした場合、側面形状は平坦になる。一方、側面の面方位を窒化ガリウム系化合物半導体結晶のM面以外の面にした場合、側面形状は凸凹形状となる。矩形の長辺側をM面以外の面とすることにより、光の取り出し効率に優れた発光素子とすることができる。
レジストはポジ型でもネガ型でもよい。正極および負極を含む個々の素子の境界が露出されるように適当なパターンを持ったフォトマスクを用いて一般的な手続きに従ってリソグラフを行う。或いはレジストが上述した電極およびp型半導体層を覆って個々の素子が判別できればリソグラフは必ずしも必要ではない。膜厚は0.1μm〜20μmが好ましい。膜厚が薄いとウェットエッチングの際に膜が剥がれやすく、厚いとリソグラフの解像の問題が生じたり、下のパターンの認識が困難になる。好適には0.5μm〜10μmであり、更には1μm〜5μmであることが望ましい。
窒化ガリウム系化合物半導体の基板に達するまでの除去はレーザーによって行うことが望ましい。窒化ガリウム系化合物半導体の吸収端より短い波長のレーザーを選ぶことにより、窒化ガリウム系化合物半導体の105cm-1に及ぶ高い吸収係数の為、被加工位置がレーザー照射位置に限定される。レーザーの光学系を適当に選ぶことにより10μmより狭い幅での加工も可能であり、素子収率の向上が図れる。基板のレーザー加工深さは1μm以上の範囲で任意に選べるが、加工深さが小さいと後の分割処理の形状不良が発生しやすい。10μm以上であれば不良発生は抑制されるが、20μm以上であれば更に望ましい。
或は、機械的方法であるダイサーによる方法も可能である。この場合、切断に用いるブレードの選定を好適なものとし、基板への食い込み量をできるだけ小さくとどめることで素子の欠け、割れの発生を抑制することができる。1μm〜50μmの範囲で任意にえらべるが、1μm〜20μm、更に好ましくは1μm〜10μmで選べばよい。
次に分割部位にウェットエッチングを施し、凹部(割溝)を形成する。ウェットエッチングはオルトリン酸を用いて行われる。所定の加熱装置に納められたビーカーにオルトリン酸を加え、100℃〜400℃に加熱する。加熱温度が低いとエッチング速度が遅く、高すぎるとマスクに剥がれが生ずる。望ましくは150℃〜300℃、さらに望ましくは180℃〜240℃で、十分なエッチング速度とマスクの耐性の両立が得られる。このウェットエッチングによって、基板主面に対して傾斜した半導体層側面が得られる。
その後、各発光素子に分割される。
発光素子の形態としては、透明正極を用いて半導体側から発光を取り出す、いわゆるフェイスアップ(FU)型としても良いし、反射型の正極を用いて基板側から発光を取り出す、いわゆるフリップチップ(FC)型としても良い。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、例えば当業界周知の手段により透明カバーを設けてランプにすることができる。また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子と蛍光体を有するカバーを組み合わせて白色のランプを作製することもできる。
また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子から作製したランプは発光出力が高く、駆動電圧が低いので、この技術によって作製したランプを組み込んだ携帯電話、ディスプレイ、パネル類などの電子機器や、その電子機器を組み込んだ自動車、コンピュータ、ゲーム機、などの機械装置類は、低電力での駆動が可能となり、高い特性を実現することが可能である。特に、携帯電話、ゲーム機、玩具、自動車部品などの、バッテリ駆動させる機器類において、省電力の効果を発揮する。
以下に実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるわけではない。
(参考例1)
基板としてサファイア(Al23)C面基板を用い、その上に特開2003−243302号公報にある方法に従ってAlNからなるバッファ層を積層した。次いで、バッファ層上に、アンドープGaNからなる下地層を6μm、Geを周期的にドープして平均のキャリア濃度が1×1019cm-3となるようにしたGaNからなるn型コンタクト層を4μm、In0.1Ga0.9Nからなる厚さ12.5nmのn型クラッド層、GaNからなる厚さ16nmの障壁層とIn0.2Ga0.8Nからなる厚さ2.5nmの井戸層を交互に5回積層させた後、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層、Mgドープ(濃度8×1019/cm3)Al0.03Ga0.97Nからなる厚さ0.15μmのp型コンタクト層を順次積層して基板上の窒化ガリウム系化合物半導体層とした。
これらの積層は通常のMOCVD法によって行なった。
発光素子の作製においては、窒化ガリウム系化合物半導体層の表面にスパッター装置を用いて厚さ0.25μmの酸化インジウム錫(ITO)膜を形成し、透明電極とした。その後公知のリソグラフ技術とITOエッチング技術を用いて酸化インジウム錫(ITO)膜部分を所定の長方形状とした。その際、長方形形状各辺の方向に於いては、発光素子の縦横方向をサファイアC面基板の面方位に即し、長方形の長辺がGaN結晶のA面(11−20)に平行になるように方位を揃えた。
続いて公知のリソグラフ技術により、長方形に形成した透明導電膜を保護する目的でレジスト保護膜を形成した。
その後、RIE装置を用いて、個々の発光素子の境界部分および負極形成領域(レジストで保護されていない部分)のn型コンタクト層を露出させた。
続いて公知のリソグラフ技術により、負極形成領域のn型コンタクト層に負極を形成した。同様に公知のリソグラフ技術により、透明電極上に正極ボンディングパッドを形成した。負極および正極ボンディングパッドは、共に、半導体層側からCr(400Å)/Ti(1000Å)/Au(10000Å)が積層された構造であり、これらの積層は公知の蒸着技術により行なった。
図5は本実施例で作製した発光素子の電極の平面配置を示した模式図である。発光素子の外形は短辺が250μm、長辺が500μmの矩形であり、正極ボンディングパッドの位置は長辺の中央部であり、また負極との距離を235μmとした。正極ボンディングパッドの大きさは直径95μmである。
個々の発光素子への電極作製工程が終了した後、ウェーハにリソグラフに用いたフォトレジストを塗布する。その後、再度リソグラフにより個々の発光素子の境界部分のみ、基板を露出させた。
窒化ガリウム系化合物半導体層を基板に達するまで除去する手段としてはレーザーを用いた。レーザーの波長は266nm、周波数は50kHz、出力は1.6W、加工スピードは70mm/秒で基板に深さ20μmに達する割溝を先ずX軸方向に形成した。ステージを90°回転させ、Y軸方向に同様にして割溝を形成した。割溝の幅は2μmとした。
割溝形成後の基板を、加熱装置を用いて240℃に熱したオルトリン酸の入った石英ビーカー中に20分間浸漬してウェットエッチングを行った。窒化ガリウム系化合物半導体層のエッチング量は5.2μmであった。ウェットエッチングの終了した基板及び窒化ガリウム系化合物半導体層は超音波中で水洗を行い、更に有機洗浄によりレジストからなるエッチングマスクの除去を行った。
エッチング処理後の基板と窒化ガリウム系化合物半導体層はさらに基板側の研磨により、基板の厚さが80μになるまで薄くし、その後ブレーキング装置により個々の発光素子に分離した。
分離した発光素子の出力を積分球で評価したところ、20mA印加した場合7.1mWであった。また駆動電圧を測定したところ、20mA印加した場合の電圧は3.35Vであった。
発光素子側面をSEMにより観察したところ、窒化ガリウム系化合物半導体層の側面は、垂直に割れたサファイア基板側面に対して、図1に示すように側面と基板主面との角度(θ)は70°であった。また、発光素子側面の形状は、図6に示したように、短辺側はほぼ平坦であったが、長辺側は凹凸が形成されていた。
(参考例2)
正極ボンディングパッドの位置を変えたことを除いて参考例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製し、得られた発光素子を参考例1と同様に評価して、正極ボンディングパッド−負極間距離と発光素子特性との関係を検討した。
結果を図7に示す。この図から、正極ボンディングパッド−負極間距離を大きくするにつれて、発光出力が徐々に上昇することが判る。一方、駆動電圧も正極ボンディングパッド−負極間距離を大きくするにつれて上昇し、特に250μmを越えると上昇幅が大きくなることが判る。従って、発光出力と駆動電圧のバランスから、正極ボンディングパッドの位置は、発光素子長辺の中央部付近が好ましい。
(実施例1)
長方形の長辺がGaN結晶のM面(10−10)に平行になるように方位を揃えたことを除いて、参考例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
得られた発光素子を参考例1と同様に評価したところ、20mA印加時の出力は6.4mWであり、駆動電圧は3.30Vであった。発光素子側面をSEMにより観察したところ、窒化ガリウム系化合物半導体層の側面は、図1に示すように側面と基板主面との角度(θ)が70°であった。また、窒化ガリウム系化合物半導体層側面の形状は、短辺側は凹凸が形成されていたが、長辺側はほぼ平坦であった。
(参考例3)
ウェットエッチングを実施しないことを除いて、参考例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
得られた発光素子を参考例1と同様に評価したところ、20mA印加時の出力は5.1mWであり、駆動電圧は3.32Vであった。発光素子側面をSEMにより観察したところ、窒化ガリウム系化合物半導体層の側面は、基板の側面と同様、基板主面に対し垂直であった。また、窒化ガリウム系化合物半導体層側面の形状は、短辺側も長辺側もほぼ平坦であった。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、発光出力が高く、かつ、その平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形であるから、各種電子機器への組み込みが効率的に行なわれ、産業上の利用価値は極めて大きい。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の別の態様の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図である。 従来の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子における光の進行の一例を模式的に示す断面図である。 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の一般的な層構造を模式的に示した図である。 実施例1で作製した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の電極の平面配置を示した模式図である。 実施例1で作製した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の側面形状を説明する模式図である。 実施例2で得られた、正極ボンディングパッド−負極間距離と発光素子特性との関係を示した図である。
符号の説明
1 基板
2 バッファ層
3 n型半導体層
4 発光層
5 p型半導体層
10 正極
11 透光性正極
12 正極ボンディングパッド
20 負極
201 基板
202 窒化ガリウム系化合物半導体層
203 半導体層中のA点で発光した光の進路
204 基板の主面
205 窒化ガリウム系化合物半導体層の側面

Claims (8)

  1. 基板および基板上に積層されたn型半導体層、発光層およびp型半導体層からなる窒化ガリウム系化合物半導体層を有し、n型半導体層上に負極、p型半導体層上に透明性正極および正極ボンディングパッドがそれぞれ設けられた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、該発光素子の平面形状が縦横の辺の長さが異なる矩形であり、該正極ボンディングパッドが矩形長辺の中心から±30%の範囲内にあり、該窒化ガリウム系化合物半導体層の矩形長辺側の側面が窒化ガリウム単結晶格子においてM面と平行であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  2. 窒化ガリウム系化合物半導体層の矩形長辺側の側面に沿って、光取出し効率向上のための構造が設けられている請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  3. 長辺の長さが50μm〜2000μmである請求項1または2に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  4. 長辺の長さが200μm〜600μmである請求項3に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  5. 短辺と長辺との比が1:10から4:5である請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  6. 短辺と長辺との比が1:2から2:3である請求項5に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  7. 光取出し効率向上のための構造が、窒化ガリウム系化合物半導体層の側面を基板主面に対して傾斜させる構造である請求項2〜6のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  8. 窒化ガリウム系化合物半導体層の側面と基板主面との角度θが90°より小さい請求項7に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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