JP2011129765A - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サファイア基板から分割する際のチッピングの発生を抑制するとともに、チッピングが生じてもリークを抑制する半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】平面視形状が略長方形である複数の発光素子部40を基板10上にマトリックス状に形成する工程と、発光素子部40の長辺41が基板10の劈開容易面に沿うように、発光素子部40の長辺41同士の間に第1の分割溝61を形成する工程と、第1の分割溝61の幅よりも幅を広くした第2の分割溝62を、発光素子部40の短辺42同士の間に形成する工程と、第1の分割溝61及び第2の分割溝62に沿って基板10を分割して発光素子部40を切り出す工程と、を備えた半導体発光素子の製造方法を用いることにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図4
Description
近年、LEDチップの小型化・高性能化に伴い、スクライブ工程でLEDチップの発光素子部を傷付けずに、1枚の基板からいかに多くのLEDチップを切り出せるかが重要な課題となっている。
特許文献1には、化合物半導体ウエハの劈開方法が開示されている。連続線状の第一溝と破線状の第二溝を交差させるようにスクライブ溝を形成し、前記スクライブ溝で劈開することにより、角部の欠けなどの損傷を抑制している。
そして、前記サファイア基板から平面視長方形状のLEDチップを切り出す場合に、まず、前記LEDチップの短辺となるa軸方向に平行なスクライブ溝に沿って前記基板を劈開して、複数のバー状の基板を形成する。次に、前記バー状の基板からm軸方向に平行なスクライブ溝に沿って前記基板を劈開して、平面視長方形状のLEDチップを製造する。
(1) 平面視形状が略長方形である複数の発光素子部を基板上にマトリックス状に形成する工程と、前記発光素子部の長辺が前記基板の劈開容易面に沿うように、前記発光素子部の長辺同士の間に第1の分割溝を形成する工程と、前記第1の分割溝の幅よりも幅を広くした第2の分割溝を、前記発光素子部の短辺同士の間に形成する工程と、前記第1の分割溝及び前記第2の分割溝に沿って前記基板を分割して前記発光素子部を切り出す工程と、を備えたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
(2) 前記基板がサファイアからなることを特徴とする(1)に記載の半導体発光素子の製造方法。
(3) 前記第1の分割溝を、前記サファイアのa軸に平行となるように形成することを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体発光素子の製造方法。
(4) 前記第2の分割溝の幅を、前記第1の分割溝の幅の2倍以上とすることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
(5) 前記第1の分割溝及び前記第2の分割溝を、レーザー法、スクライブ法、ダイシング法及びドライエッチングからなる群より選ばれた一の手段で形成することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
(6) 前記基板が、前記第1の分割溝の中心線及び前記第2の分割溝の中心線に沿うように、基板のオモテ面(エピ面)又は背面からレーザーを照射して形成した変質部を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
(7) 前記レーザーを照射して形成した変質部の領域高さとして、前記第1の分割溝の中心線に沿うようにして形成した変質部の領域高さと前記第2の分割溝の中心線に沿うようにして形成した変質部の領域高さとが異なることを特徴とする(6)に記載の半導体発光素子の製造方法。
(8) 前記レーザーを照射して形成した変質部の領域高さとして、前記第2の分割溝の中心線に沿うようにして形成した変質部の領域高さが、前記第1の分割溝の中心線に沿うようにして形成した変質部の領域高さよりも高くしたことを特徴とする(6)に記載の半導体発光素子の製造方法。
(第1の実施形態)
本発明の実施形態である半導体発光素子の製造方法の一例について説明する。
本発明の実施形態である半導体発光素子の製造方法は、平面視形状が略長方形である複数の発光素子部を基板上にマトリックス状に形成する工程(第1工程)と、前記発光素子部の長辺が前記基板の劈開容易面に沿うように、前記発光素子部の長辺同士の間に第1の分割溝を形成する工程(第2工程)と、前記第1の分割溝の幅よりも幅を広くした第2の分割溝を、前記発光素子部の短辺同士の間に形成する工程(第3工程)と、前記第1の分割溝及び前記第2の分割溝に沿って前記基板を分割して前記発光素子部を切り出す工程(第4工程)と、を有する。
ここで、本発明の半導体発光素子の製造方法において適用される、平面視形状が略長方形である1つの発光素子は、長方形率(=長辺の長さn2/短辺の長さn1)が1を超える配置であって、さらに好ましくは長方形率が1.2〜3の配置であり、望ましくは長方形率が1.5〜2.5の配置である。
図1は、本発明の実施形態である半導体発光素子の製造方法で用いる基板の一例を示す模式図であって、図1(a)は平面図であり、図1(b)は側面図であり、図1(c)は図1(b)のA部の拡大図である。なお、以下の説明で用いる各図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1(a)に示すように、基板10には結晶方位の目印として、基板10の外周10cの一箇所を直線状にしたオリエンテーション・フラット(Orientation Flat;以下、オリフラ)部10dが形成されている。オリフラ部10dの方位は、m軸方向にほぼ平行とされ、a軸方向にほぼ垂直とされている。
図1(b)に示すように、基板10の厚さはl3とされている。基板10のc軸方向は、基板10の一面(主面)10aの垂線Pに対して角度αをなす方向とされている。
まず、図2に示すように、基板10の一面10a上にIII族窒化物半導体のエピタキシャル層37を形成する。
基板10上にエピタキシャル層37を形成する場合、基板10として250〜1000μmの厚みのものを用いることが好ましい。基板10の厚さが250μm未満であると、エピタキシャル層の成長の途中で基板10が反ってしまい不都合である。また1000μmを超える厚みの基板10は、エピタキシャル層37の成長後、研磨により基板10を薄くするのに労力を要する。
バッファ層は、III族窒化物半導体の柱状結晶の集合体からなり、基板10を高温における化学反応から守り、基板10とエピタキシャル層37との格子定数の違いを緩和するために設けられる。また、下地層は、III族窒化物半導体からなるものであり、下地層の材料はバッファと同じであっても異なっていても構わない。更にまた、下地層は、必要に応じてSi、GeおよびSn等のn型不純物をドープしても良いが、アンドープとすることもでき、アンドープの方が良好な結晶性の維持という点で好ましい。
nコンタクト層は、AlxGa1−xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。また、nコンタクト層にはn型不純物がドープされていることが好ましい。n型不純物としては、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeが挙げられる。
nコンタクト層と発光層33との間には、nクラッド層を設けることが好ましい。nクラッド層はAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。
pクラッド層としては、発光層33のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層33へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、好ましくはAlxGa1−xN(0<x≦0.4)からなるものが挙げられる。pクラッド層が、このようなAlGaNからなる場合、発光層へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。
pクラッド層のp型ドープ濃度は、1×1018〜1×1021/cm3が好ましく、より好ましくは1×1019〜1×1020/cm3である。
Al組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持およびpオーミック電極との良好なオーミック接触の点で好ましい。また、pコンタクト層は、p型不純物(ドーパント)を1×1018〜1×1021/cm3の濃度、好ましくは5×1019〜5×1020/cm3の濃度で含有していると、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えば好ましくはMgが挙げられる。
透光性正極25の材料としては、ITO(In2O3−SnO2)、AZnO(ZnO−Al2O3)、IZnO(In2O3−ZnO)、GZO(ZnO−GeO2)から選ばれる少なくとも一種などが用いられる。また、透光性正極25の構造としては、従来公知の構造を含めて如何なる構造のものも何ら制限なく用いることができる。
正極ボンディングパッド24としては、Au、Al、NiおよびCu等を用いた各種構造が周知であり、これら周知の材料、構造を何ら制限無く用いることができる。
図3は、本発明の実施形態である半導体発光素子の製造方法の一工程を説明するための図であって、図3(a)は、第1の分割溝及び第2の分割溝を形成した時点のウェハーの平面図、図3(b)は図3(a)に示すウェハーの一部を示した拡大平面図、図3(c)は図3(b)のD−D’線の断面図である。なお、図3(a)では、図面を見やすくするために、発光素子部40、第1の分離溝61及び第2の分離溝62の記載を省略して示している。
正極ボンディングパッド24形成後、公知のフォトリソグラフィー技術および反応性イオンエッチング技術(本明細書では単に「エッチング法」と言う。)により、エピタキシャル層37をエッチングして、図3(b)に示すように、第1の分離溝61と第2の分離溝62を形成するとともに、第2の分離溝62に臨む所定の位置にn型層32のnコンタクト層を半円状に露出させる。
なお、第1の分割溝61及び第2の分割溝62を形成する手段として、前記エッチング法以外にも、レーザー法、ダイシング法及びスクライブ法など周知の手法を何ら制限なく用いることができる。
しかしながら、第1の分割溝61及び第2の分割溝62を形成する手段としては、ウェットエッチングおよびドライエッチングなどのエッチング方法を用いることが好ましい。例えば、ドライエッチングであれば、反応性イオンエッチング、イオンミリング、集束ビームエッチングおよびECRエッチングなどの手法を用いることができ、ウェットエッチングであれば、例えば硫酸とリン酸の混酸を用いることができる。但し、エッチングを行う前に、窒化ガリウム系化合物半導体表面に、所望のチップ形状となるように、所定のマスクを形成する。
また、レーザー法で第1の分割溝61及び第2の分割溝62を形成する場合、汚れが飛散して積層された半導体層の側面に付着し、電気特性が劣化する恐れがある。これを防ぐために、耐熱性に優れたレジストなどの保護膜を形成し、分割溝形成後に保護膜上の汚れと共に保護膜を洗浄で除去する方法がある。
また、ダイシング法やスクライブ法では、ブレードやダイヤモンド針の消耗および劣化による加工精度のバラツキが心配されるが、それらの刃先の交換などの交換頻度を高めることにより加工精度を上げることができる。
第1の分離溝61と第2の分離溝62は互いに交差するように設けられている。これにより、複数の平面視略長方形状の発光素子部40がマトリックス状に区画される。
複数の発光素子部40は、互いに、a軸方向にn2の間隔、m軸方向にn1の間隔で設けられている。
また、第2の分割溝62の幅d2は、第1の分割溝61の幅d1よりも広くすることが好ましい。具体的には、第2の分割溝62の幅d2を第1の分割溝61の幅d1の2倍以上とすることがより好ましい。
負極ボンディングパッド23としては、Ti、Auなどを用いた各種組成や構造が周知であり、これら周知の組成や構造を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
図4〜6は、本発明の実施形態である半導体発光素子の製造方法の一工程を説明するための図である。図4(a)はウェハーの平面図であり、図4(b)は図4(a)に示すウェハーの一部を示した拡大平面図である。図5(a)は図4(b)のE−E’線の断面図であり、図5(b)は図4(b)のF−F’ 線の断面図である。図6は、図4(b)のG部の拡大模式図である。
なお、図4(a)では、図面を見やすくするために、発光素子部40、第1の分離溝61及び第2の分離溝62の記載を省略して示し、図4(a)および図4(b)においては、保護膜26の記載を省略して示している。
これらの保護膜26は、塗布法、蒸着法およびスパッタリング法など周知の手段により形成することができる。
レーザーを照射されて形成した変質部13の領域幅として、第1の分割溝61の中心線61cに沿うようにして形成した変質部13の領域幅と前記第2の分割溝62の中心線62cに沿うようにして形成した変質部13の領域幅とが異なっていてもよく、また第2の分割溝62の中心線62cに沿うようにして形成した変質部13の領域幅が、前記第1の分割溝61の中心線61cに沿うようにして形成した変質部13の領域幅よりも、幅を広くするのが好ましい。
図5(a)は単なる概略図であり、その変質部13は図5(a)中、○印及びその近傍の限られた範囲とされる。
レーザースクライブに用いることができるレーザー加工機としては、CO2レーザー、YAGレーザー、エキシマ・レーザーおよびパルスレーザーなどが挙げられる。中でもパルスレーザーを用いることが好ましい。レーザースクライブは、加工精度のバラツキがなく、低コストである。
基板10の一辺の厚み方向に形成された複数の変質部13の合計の高さをh1とし、基板の厚みをhとすると、比h1/hは、0.1〜0.7であることが好ましく、0.15〜0.6とすることがより好ましく、0.2〜0.5とすることが特に好ましい。比h1/hが0.15以上であると、分割後に得られる化合物半導体素子の形状を精度よく制御できる。比h1/hが0.1未満であるとウェハー30を各発光素子部40毎に分割する際に断面が斜めになり、分割後に得られる半導体発光素子の形状が不揃いなり原因となる。
次に、ウェハー30を構成する基板10の一面10aと反対側の面を研磨して、基板10の厚みを薄くした後、鏡面に研磨する。
基板10の厚みは、40μm〜250μm、好ましくは50μm〜150μm、より好ましくは60μm〜90μmとすることが好ましい。基板10の厚さを上記範囲とすることで、ウェハー30の分割が容易になり、効率よく綺麗にウェハー30を分割することができる。
なお、基板10の厚みが250μmを超えると、サファイアなどからなる非常に硬い基板10を精度良く分割することが困難となる。また、基板10の厚みが80μm未満であると、基板10とエピタキシャル層37との間の格子定数や熱膨張率の違いに起因する反りが顕著となり、基板10を精度良く分割することが困難となる。
基板10の厚みを薄くした後、分割後に得られる半導体発光素子がバラバラにならないように、ウェハー30の発光素子部40側の表面にシートを貼りつける。
なお、発光素子部40を形成して変質部13を設け、研磨により基板10を所定の厚みとしたウェハー30で、外径が2インチ以上のものは、図6の符号Hで示すように反っている。
劈開ブレード20としては、例えば、Zrなどからなり、四角柱の側面の一辺が山状に隆起してなる線状の刃を有するものなどを用いる。
劈開ブレード20をウェハー30に押し込む深さは、10μm〜150μmとするのが好ましく、10μm〜40μmとするのがより好ましい。
劈開ブレード20をウェハー30に押し込む深さが10μm未満であると、未分割となる場合がある。また、劈開ブレード20をウェハー30に押し込む深さが150μmを超えると、変質部13に歪みが生じて、分割された素子の配列が不良となったり、素子に亀裂が生じたりする場合があるとともに、分割工程前にウェハー30の発光素子部40側の表面に貼りつけられたシートまで切断されて、分割後に得られる半導体発光素子がバラバラになってしまう場合がある。
これにより、a軸方向に平行な第1の分割溝61に沿って、ウェハー30を分割して、バー状のウェハーとする。
第1の分割溝61の分割と同様に、劈開ブレード20の刃をウェハー30に僅かに押し込んだ後、劈開ブレード20を基板10に押し当てて、第2の分割溝62の変質部13からクラックを生じさせることによってウェハー30を分割する。
これにより、m軸方向に平行な第2の分割溝62に沿って、バー状のウェハーを分割して、発光素子部40を有し、平面視略長方形状の半導体発光素子とする。半導体発光素子は、長辺41の長さがn2であり、短辺42の長さがn1である複数の平面視略長方形状であり、長辺41は、劈開容易面に沿って形成される。
(実施例1)
以下に示すようにして、窒化ガリウム系化合物半導体を備えた発光素子部を有するIII族窒化物半導体発光素子を作製した。
次に、公知のフォトリソグラフィー技術を用い、半導体側からTi/Al/Ti/Au層構造よりなる正極ボンディングパッドを形成した。
次に、露出させたnコンタクト層にTi/Au二層構造の負極ボンディングパッドを周知の方法で形成した。
以上の工程により、第1の分割溝及び第2の分割溝で分離された複数の発光素子部を有する発光素子用のウェハーを形成した。
次に、ウェハーをパルスレーザー加工機のステージ上に真空チャックで固定した。ステージはX軸(左右)およびY軸(前後)方向に移動することができ、回転可能な構造となっているものを用いた。
次に、ステージを90°回転させ、a軸方向に直交するm軸方向に、同様の変質部を第2の分割溝の底面に形成した。変質部形成後、真空チャックを解放し、ウェハーをステージから剥ぎ取った。
次に、ウェハーのサファイア基板側をラッピングおよびポリッシングすることで、エピタキシャル層の厚みと基板の厚みとを合わせた総厚が80μmとなるようにサファイア基板を薄板化した。基板背面(発光素子部が形成されていない面)のRaは0.005μmとした。得られたウェハーの表面には、目視検査で汚れは全く観察されなかった。
ウェハーの分割は、Zrからなる劈開ブレードをウェハーの基板側から第1の分割溝に沿って当接させ、劈開ブレードを基板に押し当ててウェハーに40μmの深さで押し込み、第1の分割溝の変質部からクラックを生じさせて行なった。
なお、長辺がa軸方向に平行となるようなLEDチップの配置を縦型と呼称し、長辺がa軸方向に垂直となるようなLEDチップの配置を横型と呼称する。
実施例1において得られたLEDチップのLED特性は、電圧Vfが3.18Vのとき、発光波長が451nmであり、発光出力が16.9mWであった。
半導体発光素子の長辺及び短辺サイズ、サファイア基板における半導体発光素子の配置、分割溝幅を変えた他は実施例1と同様にして、実施例2、比較例1、2に記載の半導体発光素子を製造した。表1に、各半導体発光素子の製造条件、不良率及びLED特性をまとめた。
比較例1、2の半導体発光素子のワレ不良率が13〜16%であるのに対し、実施例1、2の半導体発光素子のワレ不良率は2〜4%と向上させることができた。ここで、ワレ不良率とは所定の長辺及び短辺サイズに関する合否判定基準に照らし、割れや欠けが原因で不良品となった発生率であり、当該不良数を1枚のサファイア基板上に設計された半導体発光素子数で除した値である。なお、1枚のサファイア基板の端面付近に設計配置された不完全な素子形状の半導体発光素子は、合否判定対象からはずされている。
実施例3の半導体発光素子は、半導体発光素子の総厚が140μmとなるようにサファイア基板を薄板化した以外は、長辺及び短辺サイズ、サファイア基板における半導体発光素子の配置、分割溝幅を実施例1と同じにした。また、実施例4の半導体発光素子は、総厚が140μmとなるようにサファイア基板を薄板化した以外は、半導体発光素子の長辺及び短辺サイズ、サファイア基板における半導体発光素子の配置、分割溝幅を実施例2と同じにした。
なお、実施例3及び実施例4で用いた基板は、それぞれ、発光素子部が形成されているオモテ面(基板主面)側から40μmおよび120μmの深さに所定のレーザー(波長532nm)により変質部の中心が形成されたものを用いた。この時、変質部の領域高さは、第1の分割溝が20μm、第2の分割溝が30μmであった。
実施例3、4の半導体発光素子のワレ不良率は0%と向上させることができた。
Claims (8)
- 平面視形状が略長方形である複数の発光素子部を基板上にマトリックス状に形成する工程と、
前記発光素子部の長辺が前記基板の劈開容易面に沿うように、前記発光素子部の長辺同士の間に第1の分割溝を形成する工程と、
前記第1の分割溝の幅よりも幅を広くした第2の分割溝を、前記発光素子部の短辺同士の間に形成する工程と、
前記第1の分割溝及び前記第2の分割溝に沿って前記基板を分割して前記発光素子部を切り出す工程と、を備えたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 前記基板がサファイアからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第1の分割溝を、前記サファイアのa軸に平行となるように形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第2の分割溝の幅を、前記第1の分割溝の幅の2倍以上とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第1の分割溝及び前記第2の分割溝を、レーザー法、スクライブ法、ダイシング法及びドライエッチングからなる群より選ばれた一の手段で形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記基板が、前記第1の分割溝の中心線及び前記第2の分割溝の中心線に沿うように、基板のオモテ面(エピ面)又は背面からレーザーを照射して形成した変質部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記レーザーを照射して形成した変質部の領域高さとして、前記第1の分割溝の中心線に沿うようにして形成した変質部の領域高さと前記第2の分割溝の中心線に沿うようにして形成した変質部の領域高さとが異なることを特徴とする請求項6に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記レーザーを照射して形成した変質部の領域高さとして、前記第2の分割溝の中心線に沿うようにして形成した変質部の領域高さが、前記第1の分割溝の中心線に沿うようにして形成した変質部の領域高さよりも高くしたことを特徴とする請求項6に記載の半導体発光素子の製造方法。
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