[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係る車両用ミラー装置としての車両用ドアミラー装置10が車両後方から見た正面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両右方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示している。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置10は、車両のドアとしてのサイドドア(特にフロントサイドドア)の上下方向中間部かつ車両前側端に設けられて、車両外側に配置されている。
図1に示す如く、車両用ドアミラー装置10は、支持体を構成する設置部材としてのステー12を備えており、ステー12の車幅方向内側端がサイドドアに固定されることで、車両用ドアミラー装置10がサイドドアに設置されている。
ステー12の車幅方向外側部分の上側には、格納機構14(電動格納機構、リトラクタ)が支持されている。
図2及び図3にも示す如く、格納機構14には、支持体を構成する軸部材としての樹脂製又は金属製のスタンド16が設けられている。スタンド16の下端には、略円板状の固定部18が設けられており、固定部18がステー12に固定されることで、スタンド16がステー12に固定されて、格納機構14がステー12に支持されている。固定部18の上側には、円筒状の支持軸20が一体に設けられており、支持軸20の軸方向は、上下方向に配置されている。
支持軸20には、回動体を構成する駆動体22が回動可能に支持されている。
駆動体22の下側部分には、回動部材(規制部材)としての樹脂製で容器状のケース24が設けられており、ケース24の上面は、開放されている。ケース24の底壁の車幅方向内側部分には、スタンド16の支持軸20が貫通かつ嵌合されており、ケース24は、支持軸20に回動可能に支持されている。
図4及び図6に示す如く、ケース24の車両前側壁及び車両後側壁には、規制手段としての直方体状の規制孔26が形成されており、規制孔26の周面は、剛性を有している。規制孔26は、上側及びケース24の内側に開放されており、規制孔26のケース24外側の側面は、平面状の規制面26Aにされている。
図3及び図5に示す如く、ケース24の上部内には、支持部材としての樹脂製のモータベース28が設けられており、モータベース28は、ケース24に比し剛性が低くされている。
モータベース28の車幅方向外側部分には、略矩形板状の底壁30が設けられており、底壁30がケース24の底壁にスクリュウ締結により固定されることで、モータベース28がケース24に組付けられている(モータベース28のケース24に対する水平方向及び上下方向への移動が係止されている)。底壁30の車幅方向内側には、略円筒状の収容筒32が設けられており、収容筒32は、下端部が底壁30と一体にされると共に、内部にスタンド16の支持軸20が同軸上に収容されている。底壁30の上面には、組付部としての略楕円筒状の組付筒34が一体に設けられており、組付筒34は、底壁30から上側に突出されている。
底壁30の下面には、車両前側端部及び車両後側端部において、支持部としての矩形板状の支持板36が一体に設けられており、支持板36は、ケース24の規制孔26周面に比し剛性が低くされている。支持板36は、底壁30から下側に突出されており、支持板36は、ケース24の規制孔26に嵌入されている(図6参照)。
底壁30の下面には、各支持板36の底壁30内側において、補強部としての矩形板状の補強板38が一体に設けられており、補強板38は、底壁30から下側に突出されている。補強板38は、支持板36の上側部分と一体にされており、補強板38は、支持板36の上側部分を補強している。
支持板36の下側部分には、円状の支持孔40が貫通形成されており、一対の支持板36の支持孔40は、互いに対向されている。支持板36には、支持孔40の車幅方向内側において、断面矩形状の開口42が貫通形成されており、支持孔40は、開口42によって車幅方向内側に開口されている。また、抑制手段として、開口42の上下方向寸法が、支持孔40の内径に比し小さくされている。
図2及び図3に示す如く、ケース24及びモータベース28の上側には、被覆部材としての樹脂製で容器状のカバー44が設けられており、カバー44は、モータベース28に比し剛性が低くされている。カバー44は、下面が開放されて、下端がケース24の上端部外周に固定されており、カバー44は、ケース24及びモータベース28の上側を被覆している。
図3及び図4に示す如く、モータベース28の組付筒34内には、駆動手段としてのモータ46の本体部46Aが組付けられて固定されており、モータ46の出力軸46Bは、軸方向が上下方向に配置されて、モータベース28の底壁30を貫通することで、モータベース28の下側に延出されている。
ケース24内には、ギア機構としての回動機構48が設けられている。
回動機構48には、モータ46の下側において、ウォーム(初段ギア)としての樹脂製のウォームギア50が設けられており、ウォームギア50は、軸方向が上下方向に配置されている。ウォームギア50には、挿入孔52が同軸上に形成されており、挿入孔52は、内径がモータ46の出力軸46Bの外径に比し僅かに大きくされて、上側から出力軸46Bが挿入されている。ウォームギア50と出力軸46Bとは、相対回転不能にされており、格納機構14が作動されて、モータ46が駆動されることで、出力軸46Bが回転されて、ウォームギア50が出力軸46Bと一体回転可能にされている。
ウォームギア50の下部には、円筒状の軸支部50Aが同軸上に形成されており、軸支部50Aは、外径がケース24の下壁に形成された円柱状の軸支凹部54の内径に比し僅かに小さくされて、上側から軸支凹部54に挿入されている。これにより、軸支部50Aが軸支凹部54に回転自在に軸支されると共に、ウォームギア50の下側への移動が軸支凹部54の下面によって係止されている。
回動機構48には、ウォームギア50の車幅方向内側において、ギア体(中間ギア)としてのウォームシャフト56が設けられており、ウォームシャフト56は、軸方向が水平方向に配置されている。図6にも示す如く、ウォームシャフト56には、金属製で円軸状のギア軸58が設けられており、ギア軸58の両端部の外径は、モータベース28の支持板36の支持孔40の内径に比し僅かに小さくされると共に、支持板36の開口42の上下方向寸法に比し大きくされている。ギア軸58の両端部は、支持板36の支持孔40周囲部分が弾性変形されて、開口42を介して支持孔40に挿入されており、これにより、ウォームシャフト56が、ギア軸58の両端部において、一対の支持板36によって回転可能に支持(軸支)されている。また、ギア軸58の両端面は、平面状にされて、ケース24の規制孔26の規制面26Aに当接可能にされており、これにより、ウォームシャフト56の軸方向両側への移動を規制面26Aによって規制可能にされている。
ギア軸58の一端側部分(車両後側部分)には、ウォームホイールとしての樹脂製のヘリカルギア部60が固定されており、ギア軸58の他端側部分(車両前側部分)には、ウォームとしての金属製のウォームギア部62が固定されている。ヘリカルギア部60は、ウォームギア50に噛合(係合)されており、ウォームギア50が回転されることで、ヘリカルギア部60、ギア軸58及びウォームギア部62が一体回転されて、ウォームシャフト56が回転される。
回動機構48には、ウォームシャフト56の車幅方向内側において、制限ギア(最終ギア)としての金属製のギアプレート64(ウォームホイールギア)が設けられている。ギアプレート64には、支持体16の支持軸20が同軸上に貫通されており、ギアプレート64は、軸方向が上下方向に配置されてウォームシャフト56の軸方向に対し垂直(非平行)にされると共に、支持軸20に対する回転が制限されている。ギアプレート64には、ウォームシャフト56のウォームギア部62が噛合(連絡)されており、ウォームギア部62が回転されることで、ウォームギア部62がギアプレート64の回りを回動される。これにより、駆動体22がウォームギア部62と一体に支持軸20の回りを回動可能にされている。また、ウォームギア部62が回転される際には、ウォームギア部62がギアプレート64に対する車幅方向外側への離間力を作用される。なお、ギアプレート64に所定荷重以上の回転荷重が作用された際には、ギアプレート64の支持軸20に対する回転が許容される。
図1に示す如く、駆動体22は、回動体を構成する収容部材としての略直方体形容器状のバイザ66の車幅方向内側部分内に収容されており、バイザ66の車両後側面は、開放されている。バイザ66内には、車両後側面(開放部分)近傍において、回動体を構成する略矩形板状のミラー68が配置されており、バイザ66は、ミラー68の全周及び車両前側面を被覆している。ミラー68の鏡面68Aは、車両後側へ向けられており、ミラー68によって車両の乗員(特に運転手)が車両後側を視認可能にされている。
バイザ66及びミラー68は、駆動体22に連結されて支持されており、バイザ66及びミラー68は、駆動体22と一体に支持軸20の回りを回動可能にされている。このため、モータ46が駆動されて出力軸46Bが一方向へ回転されることで、バイザ66及びミラー68が駆動体22と一体に車両後側かつ車幅方向内側へ回動される。これにより、バイザ66及びミラー68が、サイドドアに対する突出を解除されて、格納される。一方、モータ46が駆動されて出力軸46Bが他方向へ回転されることで、バイザ66及びミラー68が駆動体22と一体に車両前側かつ車幅方向外側へ回動される。これにより、バイザ66及びミラー68が、サイドドアに対して突出されて、起立(展開、復帰)される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
以上の構成の車両用ドアミラー装置10では、格納機構14が作動されて、モータ46が駆動されることで、出力軸46Bが回転される。このため、回動機構48において、ウォームギア50が出力軸46Bと一体に回転されて、ウォームシャフト56(ヘリカルギア部60、ギア軸58及びウォームギア部62)が回転されることで、ウォームギア部62がギアプレート64の回りを回動されて、駆動体22がウォームギア部62と一体に支持軸20の回りを回動される。これにより、バイザ66及びミラー68が、駆動体22と一体に回動されて、格納又は起立される。
また、ウォームシャフト56のギア軸58の両端部が、モータベース28の支持板36の支持孔40に挿入されており、ウォームシャフト56が、ギア軸58の両端部において、一対の支持板36によって回転可能に支持されている。
ここで、支持板36の支持孔40がギアプレート64側(車幅方向内側)に開口42によって開口されており、ウォームシャフト56のギア軸58の端部がギアプレート64の軸方向両側(上下方向両側)において支持板36によって支持されると共に、ギア軸58の中心軸線のギアプレート64軸方向両側に支持孔40の周面が配置される。このため、支持板36によってウォームシャフト56をギアプレート64の軸方向両側において効果的に支持でき、ウォームシャフト56が回転される際に、ウォームシャフト56がギアプレート64の軸方向(上下方向)へ大きく振動することを効果的に抑制できて、格納機構14の作動音が不安定になることを抑制できる。
さらに、ウォームシャフト56のギア軸58の端部の外径が支持孔40の内径に比し僅かに小さくされて、ギア軸58の端部の周面と支持孔40の周面との間にギアプレート64の軸方向(上下方向)における僅かな隙間が設けられている。このため、ウォームシャフト56が回転される際に、ウォームシャフト56がギアプレート64の軸方向へ僅かに振動でき、ウォームシャフト56に作用される回転抵抗を小さくできて、ウォームシャフト56が良好に回転できる。
しかも、上述の如く、ウォームシャフト56のギア軸58の端部がギアプレート64の軸方向両側(上下方向両側)において支持板36によって支持される。このため、ウォームシャフト56のギア軸58の端部がギアプレート64の軸方向両側において別部材によって支持される(例えばケース24とモータベース28との間に支持される)場合と異なり、当該別部材毎の公差や当該別部材間の組付誤差がギア軸58の端部の周面と支持孔40の周面との間のギアプレート64軸方向における隙間寸法に影響を与えることを抑制できて、当該隙間寸法に誤差が発生することを抑制できる。
また、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されることで、支持板36の支持孔40周囲部分の弾性変形が規制されて、ウォームシャフト56のギア軸58の端部の支持孔40からの脱落が規制されている。このため、支持板36によってウォームシャフト56を安定して支持できる。
さらに、上述の如く支持孔40がギアプレート64側(車幅方向内側)に開口42によって開口されており、ウォームシャフト56のギア軸58の端部がギアプレート64とは反対側(車幅方向外側)において支持板36によって効果的に支持される。このため、ウォームシャフト56が回転される際に、ウォームシャフト56のウォームギア部62がギアプレート64に対する車幅方向外側への離間力を作用されても、ウォームシャフト56がギアプレート64に対し車幅方向外側へ離間されることを支持板36によって規制できる。
また、開口42の上下方向寸法がウォームシャフト56のギア軸58の端部の外径に比し小さくされており、ギア軸58の端部がギアプレート64側(車幅方向内側)においても支持板36によって支持される。このため、支持板36がギア軸58の端部をギアプレート64の軸方向両側(上下方向両側)、ギアプレート64側(車幅方向内側)及びギアプレート64とは反対側(車幅方向外側)において支持でき、ウォームシャフト56が回転される際に、ウォームシャフト56に作用される回転抵抗が変動することを効果的に抑制できて、ウォームシャフト56の回転を効果的に安定させることができる。
さらに、上述の如く開口42の上下方向寸法がウォームシャフト56のギア軸58の端部の外径に比し小さくされており、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されない際でも、ギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することが抑制される。このため、ギア軸58の端部が支持孔40に挿入された状態でケース24にモータベース28が組付けられる際に、ギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することを抑制でき、モータベース28からウォームシャフト56が脱落することを抑制できて、ケース24にモータベース28を容易に組付けることができる。
[第2実施形態]
図7には、本発明の第2実施形態に係る車両用ミラー装置としての車両用ドアミラー装置80における格納機構14の主要部が車両後側から見た断面図(図4の6−6線断面図)にて示されている。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置80は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図7に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置80では、格納機構14のモータベース28において、支持板36に弾性手段としての長尺のスリット82が貫通形成されており、スリット82は、車幅方向内側に開口されている。スリット82は、支持孔40の車幅方向外側部分から車幅方向内側における上側に配置されており、支持板36の支持孔40及び開口42とスリット82との間の部分は、弾性部84にされて、弾性変形可能にされている。
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
さらに、モータベース28の支持板36に支持孔40及び開口42の上側においてスリット82が設けられており、支持板36の支持孔40及び開口42とスリット82との間の弾性部84がウォームシャフト56のギア軸58端部によって弾性変形可能にされている。このため、ウォームシャフト56が回転される際に、ウォームシャフト56が弾性部84の弾性変形によって効果的にギアプレート64の軸方向(上下方向)へ僅かに振動でき、ウォームシャフト56に作用される回転抵抗を効果的に小さくできて、ウォームシャフト56が一層良好に回転できる。
なお、本実施形態では、ウォームシャフト56のギア軸58の端部の外径を支持孔40の内径に比し僅かに小さくして、ギア軸58の端部の周面と支持孔40の周面との間にギアプレート64の軸方向(上下方向)における僅かな隙間を設けた。しかしながら、ウォームシャフト56のギア軸58の端部の外径を支持孔40の内径に対し僅かに大きく又は同一にして、ギア軸58の端部の周面と支持孔40の周面との間にギアプレート64の軸方向(上下方向)における隙間を設けなくてもよい。
[第3実施形態]
図8(A)には、本発明の第3実施形態に係る車両用ミラー装置としての車両用ドアミラー装置90における格納機構14の主要部が車両後側から見た断面図(図4の6−6線断面図)にて示されている。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置90は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図8の(A)及び(B)に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置90では、格納機構14のモータベース28において、支持板36に支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側にて平板状の規制部92が設けられており、支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側は、規制部92によって閉塞されている。開口42の上下方向寸法は、支持孔40の内径と同一にされており、抑制手段として、開口42が、車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されて、支持孔40を車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に開口させている。
このため、ウォームシャフト56のギア軸58の両端部は、支持板36の支持孔40周囲部分が弾性変形されずに、開口42を介して支持孔40に挿入されており、ウォームシャフト56は、ギア軸58の両端部において、一対の支持板36及びケース24における一対の規制孔26の車幅方向内側面によって回転可能に支持(軸支)されている。また、ギア軸58の両端面は、支持板36の規制部92に当接可能にされており、これにより、規制部92によって、ウォームシャフト56を軸方向両側において支持可能にされて、ウォームシャフト56の軸方向両側への移動を規制可能にされている。
ここで、本実施形態でも、支持板36の開口42の上下方向寸法がウォームシャフト56のギア軸58の端部の外径に比し小さくされることによる作用及び効果を除き、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
特に、モータベース28の支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されることで、ウォームシャフト56のギア軸58の端部の支持孔40からの脱落が規制孔26の車幅方向内側面によって規制されている。このため、支持板36及びケース24によってウォームシャフト56を安定して支持できる。
さらに、支持板36の規制部92がウォームシャフト56を軸方向において支持する。このため、支持板36がウォームシャフト56を径方向及び軸方向において支持することで、ウォームシャフト56が回転される際に、ウォームシャフト56に作用される回転抵抗が変動することを効果的に抑制でき、ウォームシャフト56の回転を効果的に安定させることができる。
また、支持板36の開口42が車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されており、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されない際でも、ウォームシャフト56のギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することが抑制される。このため、ギア軸58の端部が支持孔40に挿入された状態でケース24にモータベース28が組付けられる際に、ギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することを抑制でき、モータベース28からウォームシャフト56が脱落することを抑制できて、ケース24にモータベース28を容易に組付けることができる。
なお、本実施形態では、支持板36の支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側を規制部92によって閉塞した。しかしながら、上記第1実施形態と同様に、支持板36に支持孔40及び開口42を貫通形成して、支持板36の支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側を閉塞しなくてもよい。さらに、この場合、上記第1実施形態と同様に、開口42の上下方向寸法をギア軸58の端部の外径に比し小さくしてもよい。
また、本実施形態において、上記第2実施形態と同様に、支持板36の支持孔40及び開口42の上側にスリット82及び弾性部84を設けてもよい。
[第4実施形態]
図9(B)には、本発明の第4実施形態に係る車両用ミラー装置としての車両用ドアミラー装置100における格納機構14の主要部が車両後側から見た断面図(図4の6−6線断面図)にて示されている。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置100は、上記第3実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図9の(A)及び(B)に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置100では、格納機構14のモータベース28において、支持板36の開口42が傾斜されずに支持孔40を車幅方向内側に開口させている。支持板36には、抑制手段としての矩形平板状の開閉板102が形成されており、開閉板102の下端(基端)は、支持板36の開口42の車幅方向内側かつ下側の端部に連結されて、弾性変形可能にされている。開閉板102は、車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されており(図9(A)参照)、開閉板102は、開口42の一部を開放させている。
ウォームシャフト56のギア軸58の端部は、開閉板102が一時的に下端の弾性変形により車幅方向内側かつ下側へ回動されて開口42を開くことで、開口42を介して支持孔40に挿入される。さらに、図9(B)に示す如く、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されることで、規制孔26の車幅方向内側面によって、開閉板102が下端の弾性変形により車幅方向外側かつ上側へ回動されて開口42を閉じると共に、開閉板102の車幅方向内側かつ下側へ回動が規制される。これにより、ウォームシャフト56が、ギア軸58の両端部において、一対の支持板36によって回転可能に支持(軸支)されている。
ここで、本実施形態でも、支持板36の開口42が車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されることによる作用及び効果を除き、上記第3実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
特に、モータベース28の支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されて、規制孔26の車幅方向内側面によって支持板36の開閉板102が開口42を閉じることで、ウォームシャフト56のギア軸58の端部の支持孔40からの脱落が開閉板102及び規制孔26の車幅方向内側面によって規制されている。このため、支持板36によってウォームシャフト56を安定して支持できる。
さらに、上述の如く支持板36の開閉板102が開口42を閉じており、ギア軸58の端部がギアプレート64側(車幅方向内側)においても支持板36によって支持される。このため、支持板36がギア軸58の端部をギアプレート64の軸方向両側(上下方向両側)、ギアプレート64側(車幅方向内側)及びギアプレート64とは反対側(車幅方向外側)において支持でき、ウォームシャフト56が回転される際に、ウォームシャフト56に作用される回転抵抗が変動することを効果的に抑制できて、ウォームシャフト56の回転を効果的に安定させることができる。
また、モータベース28の支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されない際でも、支持板36の開閉板102が開口42を一部のみ開放させて、ウォームシャフト56のギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することが開閉板102によって抑制される。このため、ギア軸58の端部が支持孔40に挿入された状態でケース24にモータベース28が組付けられる際に、ギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することを開閉板102によって抑制でき、モータベース28からウォームシャフト56が脱落することを抑制できて、ケース24にモータベース28を容易に組付けることができる。
なお、本実施形態では、支持板36の支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側を規制部92によって閉塞した。しかしながら、上記第1実施形態と同様に、支持板36に支持孔40及び開口42を貫通形成して、支持板36の支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側を閉塞しなくてもよい。さらに、この場合、上記第1実施形態と同様に、開口42の上下方向寸法をギア軸58の端部の外径に比し小さくしてもよい。
また、本実施形態において、上記第2実施形態と同様に、支持板36の支持孔40及び開口42の上側にスリット82及び弾性部84を設けてもよい。
さらに、本実施形態では、支持板36の開口42が傾斜されずに支持孔40を車幅方向内側に開口させる。しかしながら、上記第3実施形態と同様に、支持板36の開口42が、車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されて、支持孔40を車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に開口させてもよい。
[第5実施形態]
図10には、本発明の第5実施形態に係る車両用ミラー装置としての車両用ドアミラー装置110における格納機構14の主要部が車両後側から見た断面図(図4の6−6線断面図)にて示されている。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置110は、上記第3実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図10に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置110では、格納機構14のモータベース28において、支持板36の開口42が傾斜されずに支持孔40を車幅方向内側に開口させている。
ここで、本実施形態でも、支持板36の開口42が車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されることによる作用及び効果を除き、上記第3実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、支持板36の支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側を規制部92によって閉塞した。しかしながら、上記第1実施形態と同様に、支持板36に支持孔40及び開口42を貫通形成して、支持板36の支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側を閉塞しなくてもよい。
また、本実施形態において、上記第2実施形態と同様に、支持板36の支持孔40及び開口42の上側にスリット82及び弾性部84を設けてもよい。
[第6実施形態]
図11には、本発明の第6実施形態に係る車両用ミラー装置としての車両用ドアミラー装置120における格納機構14の主要部が車両後側から見た断面図(図4の6−6線断面図)にて示されている。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置120は、上記第3実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図11に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置120では、格納機構14のモータベース28において、支持板36の支持孔40が矩形状にされており、支持板36の開口42は、傾斜されずに、支持孔40を車幅方向内側に開口させている。支持孔40及び開口42の上面及び下面には、それぞれ抑制手段としての三角柱状の突部122が複数形成されており、複数の突部122は、それぞれ軸方向を支持孔40の開口42による開口方向に対し垂直に配置されると共に、当該開口方向に並べられて、支持孔40及び開口42の上面及び下面に当該開口方向における凹凸を形成している。
ウォームシャフト56のギア軸58の両端部の外径は、支持孔40及び開口42の最小上下方向寸法に比し僅かに小さくされており、ギア軸58の両端部は、開口42を介して支持孔40に挿入されている。ウォームシャフト56は、ギア軸58の両端部において、一対の支持板36及びケース24における一対の規制孔26の車幅方向内側面によって回転可能に支持(軸支)されている。
ここで、本実施形態でも、支持板36の開口42が車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されることによる作用及び効果を除き、上記第3実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
さらに、ウォームシャフト56のギア軸58の端部が支持板36における支持孔40の上面及び下面の突部122の頂部及び支持孔40の車幅方向外側面に線接触可能にされる。このため、ウォームシャフト56に作用される回転抵抗を一層小さくできて、ウォームシャフト56が一層良好に回転できる。
また、支持板36における支持孔40及び開口42の上面及び下面に突部122が形成されており、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されない際でも、ウォームシャフト56のギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することが突部122によって抑制される。このため、ギア軸58の端部が支持孔40に挿入された状態でケース24にモータベース28が組付けられる際に、ギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することを抑制でき、モータベース28からウォームシャフト56が脱落することを抑制できて、ケース24にモータベース28を容易に組付けることができる。
なお、本実施形態では、支持板36の支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側を規制部92によって閉塞した。しかしながら、上記第1実施形態と同様に、支持板36に支持孔40及び開口42を貫通形成して、支持板36の支持孔40及び開口42のウォームシャフト56とは反対側を閉塞しなくてもよい。さらに、この場合、上記第1実施形態と同様に、開口42の最小上下方向寸法をギア軸58の端部の外径に比し小さくしてもよい。
また、本実施形態において、上記第2実施形態と同様に、支持板36の支持孔40及び開口42の上側にスリット82及び弾性部84を設けてもよい。
さらに、本実施形態では、支持板36の開口42が傾斜されずに支持孔40を車幅方向内側に開口させる。しかしながら、上記第3実施形態と同様に、支持板36の開口42が、車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されて、支持孔40を車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に開口させてもよい。
また、本実施形態において、上記第4実施形態と同様に、支持板36に開閉板102を設けてもよい。
[第7実施形態]
図12(B)には、本発明の第7実施形態に係る車両用ミラー装置としての車両用ドアミラー装置130における格納機構14の主要部が車両後側から見た断面図(図4の6−6線断面図)にて示されている。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置130は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図12の(A)及び(B)に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置130では、格納機構14のモータベース28において、支持板36に開口42が形成されていない。支持板36は、上側の本体部36Aと下側の分割部36Bとに分割されており、本体部36Aには、支持孔40の上側部分が形成されると共に、分割部36Bには、支持孔40の下側部分が形成されている。
本体部36Aの車幅方向内側かつ下側の端部と分割部36Bの車幅方向内側かつ上側の端部とは、板状の連結部132によって連結されており、本体部36Aに対し分割部36Bが連結部132の弾性変形によって回動可能にされて、支持孔40を開放及び閉鎖可能にされている。本体部36Aの車幅方向外側面の下部には、抑制手段を構成する被係合部としての凹部134が形成されると共に、分割部36Bの車幅方向外側かつ上側の端部には、抑制手段を構成する係合部としての爪部136が一体に形成されており、凹部134に爪部136が係合されることで、本体部36Aに分割部36Bが係合されて、支持孔40の閉鎖状態を維持可能にされる。
図12(A)に示す如く、ウォームシャフト56のギア軸58の両端部は、支持板36における本体部36Aに対する分割部36Bの回動によって支持孔40が開放されて、支持孔40に挿入される。さらに、図12(B)に示す如く、本体部36Aに対する分割部36Bの回動によって支持孔40が閉鎖された後に、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されることで、規制孔26の周面によって、本体部36Aに対する分割部36Bの回動が規制される。これにより、ウォームシャフト56が、ギア軸58の両端部において、一対の支持板36によって回転可能に支持(軸支)されている。
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
特に、モータベース28の支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されることで、支持板36における本体部36Aに対する分割部36Bの回動が規制されて、ウォームシャフト56のギア軸58の端部の支持孔40からの脱落が規制されている。このため、支持板36によってウォームシャフト56を安定して支持できる。
また、支持板36に開口42が設けられていないため、ウォームシャフト56のギア軸58の端部がギアプレート64側(車幅方向内側)においても支持板36によって支持される。このため、支持板36がギア軸58の端部をギアプレート64の軸方向両側(上下方向両側)、ギアプレート64側(車幅方向内側)及びギアプレート64とは反対側(車幅方向外側)において支持でき、ウォームシャフト56が回転される際に、ウォームシャフト56に作用される回転抵抗が変動することを効果的に抑制できて、ウォームシャフト56の回転を効果的に安定させることができる。
さらに、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されない際でも、本体部36Aの凹部134に分割部36Bの爪部136が係合されることで、支持孔40の閉鎖状態が維持されて、ウォームシャフト56のギア軸58の端部が支持孔40から脱落することが抑制される。このため、ギア軸58の端部が支持孔40に挿入された状態でケース24にモータベース28が組付けられる際に、ギア軸58の端部が支持孔40から脱落することを抑制でき、モータベース28からウォームシャフト56が脱落することを抑制できて、ケース24にモータベース28を容易に組付けることができる。
なお、本実施形態において、上記第2実施形態と同様に、支持板36の支持孔40の上側にスリット82及び弾性部84を設けてもよい。
また、本実施形態において、上記第3実施形態と同様に、支持板36の支持孔40のウォームシャフト56とは反対側を規制部92によって閉塞してもよい。この場合、規制部92が本体部36A側と分割部36B側とに分割される。
さらに、本実施形態において、上記第6実施形態と同様に、支持板36における支持孔40の周面に突部122を形成してもよい。
[第8実施形態]
図13(A)には、本発明の第8実施形態に係る車両用ミラー装置としての車両用ドアミラー装置140における格納機構14の主要部が車両後斜め上方から見た斜視図にて示されている。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置140は、上記第3実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図13の(A)及び(B)に示す如く、に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置140では、格納機構14のモータベース28において、支持板36の規制部92に抑制手段としての凹状の支持面92Aが形成されており、支持面92Aは、支持孔40のウォームシャフト56とは反対側の面を構成すると共に、球面状に湾曲されている。さらに、支持板36の規制部92には、傾斜面92Bが形成されており、傾斜面92Bは、開口42のウォームシャフト56とは反対側の面を構成すると共に、車幅方向内側へ向かうに従いウォームシャフト56とは反対側へ向かう方向に傾斜されている。
ウォームシャフト56のギア軸58の両端面は、凸状の接触面58Aにされており、接触面58Aは、球面状に湾曲されている。
ウォームシャフト56のギア軸58の両端部は、ギア軸58の接触面58Aが支持板36の傾斜面92Bに接触されることにより支持板36がウォームシャフト56とは反対側へ弾性変形されて、開口42を介して支持孔40に挿入される。さらに、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されることで、規制孔26の規制面26Aによって、支持板36のウォームシャフト56とは反対側への弾性変形が規制される。これにより、ウォームシャフト56が、ギア軸58の両端部において、一対の支持板36によって回転可能に支持(軸支)されている。
ギア軸58の接触面58Aは、支持板36の支持面92A内に挿入されて、支持面92Aに接触されており、これにより、支持面92Aによって、ウォームシャフト56を軸方向両側において支持可能にされて、ウォームシャフト56の軸方向両側への移動を規制可能にされている。
ここで、本実施形態でも、上記第3実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
特に、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されることで、支持板36のウォームシャフト56とは反対側への弾性変形が規制されて、ウォームシャフト56のギア軸58の端部の支持孔40からの脱落が規制されている。このため、支持板36によってウォームシャフト56を安定して支持できる。
また、ギア軸58の接触面58Aが支持板36の支持面92A内に挿入されることで、ギア軸58の端部がギアプレート64側(車幅方向内側)においても支持板36によって支持される。このため、支持板36がギア軸58の端部をギアプレート64の軸方向両側(上下方向両側)、ギアプレート64側(車幅方向内側)、ギアプレート64とは反対側(車幅方向外側)及びウォームシャフト56の軸方向において支持でき、ウォームシャフト56が回転される際に、ウォームシャフト56に作用される回転抵抗が変動することを効果的に抑制できて、ウォームシャフト56の回転を効果的に安定させることができる。
さらに、支持板36の開口42が車幅方向内側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されると共に、上述の如くギア軸58の接触面58Aが支持板36の支持面92A内に挿入されており、支持板36がケース24の規制孔26に嵌入されない際でも、ギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することが抑制される。このため、ギア軸58の端部が支持孔40に挿入された状態でケース24にモータベース28が組付けられる際に、ギア軸58の端部が支持孔40から開口42を介して脱落することを抑制でき、モータベース28からウォームシャフト56が脱落することを抑制できて、ケース24にモータベース28を容易に組付けることができる。
なお、本実施形態において、上記第2実施形態と同様に、支持板36の支持孔40及び開口42の上側にスリット82及び弾性部84を設けてもよい。
また、本実施形態では、上記第3実施形態において、支持面92A、傾斜面92B及び接触面58Aを適用した。しかしながら、上記第4実施形態〜第7実施形態において、支持面92A、傾斜面92B及び接触面58Aの少なくとも1つを適用してもよい。但し、第7実施形態では、規制部92が設けられる場合において、支持面92A及び接触面58Aが適用される。
さらに、上記第1実施形態〜第6実施形態及び第8実施形態では、支持孔40のギアプレート64側(車幅方向内側)を開口42によって開口した。しかしながら、これに代えて、又は、これと共に、支持孔40のギアプレート64とは反対側(車幅方向外側)を開口42によって開口してもよい。
また、上記第1実施形態〜第8実施形態では、モータベース28を支持部材にして、モータベース28に支持板36(支持孔40)を設けると共に、ケース24に規制孔26を設けた。しかしながら、ケース24を支持部材にして、ケース24に支持板36(支持孔40)を設けると共に、モータベース28に規制孔26を設けてもよい。
さらに、上記第1実施形態〜第8実施形態では、モータベース28がケース24に比し剛性を低くされると共に、カバー44がモータベース28に比し剛性を低くされる。しかしながら、モータベース28がケース24に比し剛性を高くされてもよく、また、カバー44がモータベース28に比し剛性を高くされてもよく、さらに、カバー44がケース24に比し剛性を高くされてもよい。
また、上記第1実施形態〜第8実施形態では、本発明の車両用ミラー装置を車両用ドアミラー装置10、80、90、100、110、120、130、140に適用した。しかしながら、本発明の車両用ミラー装置を車両外部の他の車両用アウタミラー装置(例えば車両用フェンダミラー装置)又は車両内部の車両用インナミラー装置に適用してもよい。