JP6626773B2 - ドアミラー - Google Patents
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Description
セットプレートには、周方向において、使用位置、格納位置、及び前可倒位置のそれぞれに対応した部位に凹部が形成されている。固定支軸には、セットプレートに対向する面に、この凹部に嵌め合う凸部が設けられている。
ここで、使用位置、格納位置、前可倒位置のそれぞれで、凹部の深さを異ならせることで、それぞれの位置におけるミラーハウジングの姿勢の維持強度を異ならせることができる。つまり、凹部には、深さが互いに異なる複数種のものがある。
さらに、セットプレートには、ミラーベースに対するブラケットの回動範囲を規制するため、周方向に連続する溝が形成され、固定支軸側に設けられた突起が溝内に挿入されている。この溝は、凹部のさらに径方向外側に形成されている。
しかしながら、設置スペース等の問題から、セットプレートの大径化を実現出来るとは限らない。
すなわち、本発明のドアミラーは、ミラーを収納するミラーハウジングと、前記ミラーハウジングを支持するブラケットと、車両に固定されるステーと、前記ステーに固定され、前記ブラケットを前記車両の前後方向に回動可能に支持する支軸、及び配線が挿通される配線挿通孔を有したセットプレートと、を備え、前記セットプレートは、前記支軸及び前記配線挿通孔の径方向外側に形成され、前記ミラーハウジングを、前記支軸回りの回動方向における第一の位置と第二の位置とにそれぞれ位置拘束するための第一被係合部及び第二被係合部を有した第一位置拘束部と、前記第一位置拘束部に対して前記支軸の径方向で異なる位置に形成され、前記ミラーハウジングを前記回動方向における第三の位置に位置拘束するための第三被係合部、及び前記ミラーハウジングの前記回動方向への回動角度を規制する回動規制部を有した第二位置拘束部と、を備え、前記ブラケットは、前記第一位置拘束部の前記第一被係合部及び前記第二被係合部に選択的に係合する第一係合部と、前記第一係合部に対して前記径方向で異なる位置に形成され、前記第三被係合部に係合する第二係合部と、前記回動規制部に突き当たるストッパー部材と、を備え、前記第二位置拘束部は、周方向に一定長連続して形成され、前記第二係合部が前記第二位置拘束部と前記支軸の軸方向で互いに対向している状態では、前記第一被係合部及び前記第二被係合部と前記第一係合部とが前記軸方向に互いに離間することを特徴とする。
また、第一位置拘束部と第二位置拘束部とを径方向で異なる位置に形成すればよいので、配線挿通孔が大径化したとしても、セットプレートが大径化するのを抑えることができる。
また、第一の位置及び第二の位置から第三の位置に移行するときには、第二係合部が第二位置拘束部と支軸の軸方向で互いに対向することで、第一被係合部及び第二被係合部と第一係合部とが互いに係合することなく、互いに離間する。したがって、第一の位置及び第二の位置から第三の位置への移行動作をスムーズに行うことができる。
これに対し、一個所のみにおいて、位置決め部と被位置決め部とのクリアランスを小さくすれば、ステーの位置決め部とセットプレートの被位置決め部とを噛み合わせを容易に行いつつ、ステーとセットプレートとの位置決め精度を高めることができる。
図1は、本発明の実施形態におけるドアミラーを進行方向の後方から見た斜視図である。図2は、ドアミラーの内部構造を示す斜視図である。
尚、以下の説明において、説明を簡単にするために、車両の進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方、運転席側からみて車幅方向右方を単に右方、運転席側からみて車幅方向左方を単に左方、車両の鉛直方向上下を単に上方、及び下方などとして説明する場合がある。
図2に示すように、ブラケット6は、ミラーベース4に回動可能に支持される軸部21と、軸部21から延出する支持アーム部22とを一体に備える。
また、軸部21及び支持アーム部22には、外方に向けて延び、ミラーハウジング11が固定される固定部23が形成されている。
図3、図4に示すように、ステー30は、車両のドア(図示無し)にボルトや係合爪等によって固定される。ステー30には、配線ハーネス100(図2参照)を挿通させる挿通孔30hが形成されている。
ここで、位置決め凹部32A,32B,32Cのうち、二つの位置決め凹部32A,32Bは、取付面31に対向する側から見たときに、円形状をなしている。これに対し、位置決め凹部32A,32B,32Cのうちの残る一つの位置決め凹部32Cは、取付面31に対向する側から見たときに、位置決め凹部32A,32Bよりも大きな矩形状をなしている。
これら位置決め凹部32A,32B,32Cの底面には、ボルト挿通孔32hがそれぞれ形成されている。
図5、図6に示すように、セットプレート40は、円盤状のベース部41と、ベース部41の一面側から直交して突出する支軸42と、を一体に備える。また、セットプレート40には、ベース部41および支軸42を貫通し、配線ハーネス100(図2参照)を挿通させる挿通孔(配線挿通孔)40hが形成されている。
位置決めボス43A,43B,43Cには、雌ネジ孔43hがそれぞれ形成されている。
ここで、位置決め凹部32A,32B及び位置決めボス43A,43Bが円形であるのに対し、位置決め凹部32C及び位置決めボス43Cが略矩形状であるので、ステー30に対するセットプレート40の周方向における取付方向を誤ることがない。
位置拘束部材45の上面45tには、周方向に間隔を空けて、それぞれ下方に窪む第一凹部(第一被係合部)47Aと第二凹部(第二被係合部)47Bとが形成されている。この実施形態において、第一凹部47Aと第二凹部47Bとは、位置拘束部材45の周方向に等間隔に例えば三組が設けられている。
第一凹部47A、第二凹部47Bは、それぞれ下方に向かって周方向長さが漸次縮小する逆台形状に形成されている。また、第一凹部47Aと第二凹部47Bとは、位置拘束部材45の上面45tからの深さが互いに異なり、第一凹部47Aは、第二凹部47Bよりも深さが大きく設定されている。
この外周突起46の上面46tには、周方向において所定の位置に下方に窪む第三凹部(第三被係合部)48が形成されている。第三凹部48は、下方に向かって周方向長さが漸次縮小する逆台形状に形成されている。
図7に示すように、ブラケット6の軸部21において、セットプレート40に対向する端部21sには、挿通孔21hの径方向外側に形成された噛合部24と、噛合部24のさらに径方向外側に設けられた係合爪(第二係合部)25及びストッパー突起(ストッパー部材)26とを備えている。
係合爪25及びストッパー突起26は、サブ対向面29から、下方(セットプレート40に接近する側)に突出して形成されている。
係合爪25は、サブ対向面29から離間するにしたがって、周方向長さが漸次小さくなる台形状に形成されている。
ストッパー突起26は、挿通孔21hの中心軸に直交するよう形成された下端面26bと、挿通孔21hに平行な側端面26cと、を備えている。
ここで、使用位置とは、ドアミラー1が、ミラーハウジング11が車幅方向の外側に向かうに従い後方に向けて傾斜し、車両の運転者がミラー13によって後方を視認できる状態の位置である。格納位置は、ドアミラー1が、駐車時等にミラーハウジング11を車体側面に沿うよう、使用位置から車体後方側に傾倒した状態の位置である。前可倒位置は、例えば車両を後退させているときにドアミラー1を障害物等に衝突させてしまった場合に、その衝撃を緩和するため、使用位置からミラーハウジング11が前方に傾倒した状態の位置である。
同図に示すように、使用位置では、セットプレート40の位置拘束部材45に形成された第一凹部47Aに、ブラケット6の軸部21に形成された凸部28が係合することで、ミラーハウジング11の姿勢が維持されている。ここで、凸部28及び第一凹部47Aは、それぞれ周方向3個所に設けられており、ミラーハウジング11の姿勢を維持する拘束力が確実に発揮される。
同図に示すように、格納位置では、セットプレート40の位置拘束部材45に形成された第二凹部47Bに、ブラケット6の軸部21に形成された凸部28が係合することで、ミラーハウジング11の姿勢が維持されている。
ここで、第二凹部47Bは、第一凹部47Aよりも浅く形成されている。また、凸部28は、位置拘束部材45に形成された第二凹部47Bから僅かに浮き上がった状態になる。このため、格納位置におけるミラーハウジング11の姿勢を維持する拘束力は、使用位置における拘束力よりも弱く、より軽い力でミラーハウジング11を回動させることができる。
また、同図に示すように、前可倒位置では、セットプレート40に形成された外周突起46の側端面46sにブラケット6の軸部21に形成されたストッパー突起26が周方向から突き当たることで、ミラーハウジング11の前方への回動角度が規制される。この状態で、外周突起46に形成された第三凹部48に、軸部21に形成された係合爪25が係合することで、ミラーハウジング11の姿勢が維持される。
このように、本実施形態では、ドアミラー1は、ミラー13を収納するミラーハウジング11と、ミラーハウジング11を支持するブラケット6と、車両に固定されるステー30と、ステー30に固定され、ブラケット6を車両の前後方向に回動可能に支持する支軸42、及び配線が挿通される挿通孔40hを有したセットプレート40と、を備える。セットプレート40は、支軸42及び挿通孔40hの径方向外側に形成され、ミラーハウジング11を、支軸42回りの回動方向における使用位置と格納位置とにそれぞれ位置拘束するための第一凹部47A及び第二凹部47Bを有した位置拘束部材45と、位置拘束部材45に対し、支軸42の径方向で異なる位置に形成され、ミラーハウジング11を回動方向における前可倒位置に位置拘束するための第三凹部48、及びミラーハウジング11の回動方向への回動角度を規制する側端面46sを有した外周突起46と、を備える。ブラケット6は、位置拘束部材45の第一凹部47A及び第二凹部47Bに選択的に係合する凸部28と、凸部28に対して径方向で異なる位置に形成され、第三凹部48に係合する係合爪25と、側端面46sに突き当たるストッパー突起26と、を備える。
また、位置拘束部材45と外周突起46とを径方向で異なる位置に形成すればよいので、挿通孔40hが大径化したとしても、セットプレート40が大径化するのを抑えることができる。
このようにして、セットプレート40の大径化を抑えつつ、可倒式のドアミラー1としての所要の機能を実現することが可能となる。
これに対し、第三凹部48は、第一凹部47A、第二凹部47Bよりも浅く形成され、さらに、第三凹部48及び係合爪25は、周方向一個所のみに設けられている。さらに、係合爪25は、外周突起46に形成された第三凹部48から浮き上がった状態になる。このため、ミラーハウジング11は、前可倒位置における位置拘束力を、使用位置や格納位置に比較し、大幅に低減することができる。
このような構成によれば、使用位置及び格納位置から前可倒位置に移行するときには、係合爪25が外周突起46と支軸42の軸方向で互いに対向することで、第一凹部47A及び第二凹部47Bと凸部28とが互いに係合することなく離間する。したがって、使用位置及び格納位置から前可倒位置への移行動作をスムーズに行うことができる。
これに対し、一個所のみにおいて、位置決め凹部32Cと位置決めボス43Cとのクリアランスを小さくすれば、ステー30の位置決め凹部32A,32B,32Cとセットプレート40の位置決めボス43A,43B,43Cとを噛み合わせを容易に行いつつ、ステー30とセットプレート40との位置決め精度を高めることができる。
このような構成によれば、他の個所とは形状が異なる一個所の位置決め凹部32Cと位置決めボス43Cとを組み合わせることで、ステー30とセットプレート40との周方向の向きを容易に合わせることができる。
このような構成によれば、位置決め凹部32Cと位置決めボス43Cとを円形とした場合に比較すると、位置決め凹部32Cと位置決めボス43Cを矩形状とすることで、位置決め凹部32Cと位置決めボス43Cとが点接触ではなく直線的に接触するため、位置決め凹部32Cと位置決めボス43Cとの位置決めを安定的に行うことができる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
また、上記実施形態において、支軸42の径方向外側に位置拘束部材45を設け、外周突起46を位置拘束部材45のさらに径方向外側に形成したが、外周突起46を位置拘束部材45の内周側に形成してもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
Claims (4)
- ミラーを収納するミラーハウジングと、
前記ミラーハウジングを支持するブラケットと、
車両に固定されるステーと、
前記ステーに固定され、前記ブラケットを前記車両の前後方向に回動可能に支持する支軸、及び配線が挿通される配線挿通孔を有したセットプレートと、を備え、
前記セットプレートは、
前記支軸及び前記配線挿通孔の径方向外側に形成され、前記ミラーハウジングを、前記支軸回りの回動方向における第一の位置と第二の位置とにそれぞれ位置拘束するための第一被係合部及び第二被係合部を有した第一位置拘束部と、
前記第一位置拘束部に対して前記支軸の径方向で異なる位置に形成され、前記ミラーハウジングを前記回動方向における第三の位置に位置拘束するための第三被係合部、及び前記ミラーハウジングの前記回動方向への回動角度を規制する回動規制部を有した第二位置拘束部と、を備え、
前記ブラケットは、
前記第一位置拘束部の前記第一被係合部及び前記第二被係合部に選択的に係合する第一係合部と、
前記第一係合部に対して前記径方向で異なる位置に形成され、前記第三被係合部に係合する第二係合部と、
前記回動規制部に突き当たるストッパー部材と、
を備え、
前記第二位置拘束部は、周方向に一定長連続して形成され、前記第二係合部が前記第二位置拘束部と前記支軸の軸方向で互いに対向している状態では、前記第一被係合部及び前記第二被係合部と前記第一係合部とが前記軸方向に互いに離間することを特徴とするドアミラー。 - 前記ステーには、前記支軸回りの周方向複数個所に、前記ステーに対する前記セットプレートの周方向位置を位置決めする位置決め部が形成され、
前記セットプレートには、前記支軸回りの周方向複数個所に、前記位置決め部に係合する被位置決め部が形成され、
周方向複数個所において互いに係合する位置決め部と前記被位置決め部のうち、一個所の前記位置決め部と前記被位置決め部との前記周方向におけるクリアランスが、他の個所の前記位置決め部と前記被位置決め部とのクリアランスよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のドアミラー。 - 一個所の前記位置決め部と前記被位置決め部とが、他の個所の前記位置決め部と前記被位置決め部と形状が異なる請求項2に記載のドアミラー。
- 一個所の前記位置決め部と前記被位置決め部とが、略矩形状であることを特徴とする請求項3に記載のドアミラー。
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