JP2014076728A - 車両前部構造 - Google Patents

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Chu Kuroda
宙 黒田
Shigenori Koga
成徳 古賀
Akihiko Ishikawa
彰彦 石川
Taro Yamashita
太郎 山下
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Abstract

【課題】前輪の操舵を考慮した車両の空力特性を設定する。
【解決手段】車両前部構造Sが適用された車両10では、エアダクト26の内壁34が、接線Fに沿って排出口30の車両幅方向内側の縁部30Aから車両前側へ延びている。そして、この接線Fは、平断面視において、所定角度(0°より大きく10°以下)に操舵されたタイヤ20の角部20Aに接すると共に、排出口30の縁部30Aを通過している。これにより、エアダクト26の内壁34に沿って流れる空気流Aが、エアダクト26から排出されて、所定角度に操舵されたタイヤ20の角部20Aに接するように流れる。したがって、車両10の空力特性仕様に合わせて空気流Aが接するタイヤ20の所定角度を設定することで、タイヤ20の操舵を考慮した車両10の空力特性を設定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の前輪の車両前側に配置されたダクトを備えた車両前部構造に関する。
下記の特許文献1に記載された車両の空力特性向上装置は、前輪の車両前側に配置されると共に、第1の空気ダクトと第2の空気ダクトとを含んで構成されている。そして、車両の走行時には、第1の空気ダクト内及び第2の空気ダクト内に導入された空気が、第1の空気ダクト及び第2の空気ダクトの各々の排出口から排出されて、前輪の車両幅方向外側面の領域に噴射される。これにより、前輪の当該領域における空気の剥離の発生及び渦流の発生が抑制される。したがって、車両の空気抵抗が低減されて車両の操縦安定性を向上させることができる。
特開2005−170304号公報
しかしながら、この空力特性向上装置では、前輪が車両幅方向外側へ操舵された際における車両の空力特性(車両の空気抵抗の低減性能及び車両の操縦安定性)については、考慮されていない。このため、この空力特性向上装置では、前輪の操舵を考慮して車両の空力特性を設定する点において改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮し、前輪の操舵を考慮した車両の空力特性を設定できる車両前部構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両前部構造は、車両前端部に設けられると共に内部に空気を導入する導入口と、車両の前輪の車両前側に設けられた排出口と、前記導入口と前記排出口とを連通する連通路と、を含んで構成されたダクトと、前記連通路の車両幅方向内側部分を構成すると共に、平断面視において、車両幅方向外側へ0°より大きく10°以下の範囲内の所定角度に操舵された前記前輪の車両幅方向外側の角部に接し且つ前記排出口の車両幅方向内側の縁部を通過する接線に沿って当該縁部から車両前側へ延びる内壁と、を備えた車両前部構造。
請求項1に記載の車両前部構造では、前輪の車両前側にダクトが設けられている。このダクトは、車両前端部に設けられた導入口と、前輪の車両前側に設けられた排出口と、を含んで構成されており、導入口と排出口とは連通路によって連通されている。また、この連通路の車両幅方向内側部分は、内壁によって構成されている。そして、車両の走行時には、導入口から連通路内に空気が導入されて、ダクト内に生じる空気流が、内壁に沿って車両後側へ流れて排出口から排出される。
ここで、平断面視において、車両幅方向外側へ0°より大きく10°以下の範囲内の所定角度に操舵された前輪の車両幅方向外側の角部に接し且つ排出口の車両幅方向内側の縁部を通過する接線に沿って、内壁が当該縁部から車両前側へ延びている。すなわち、平断面視において、内壁に沿って車両後側へ延びる延長線が、車両幅方向外側へ0°より大きく10°以下の範囲内の所定角度に操舵された前輪の角部に接するようになっている。これにより、ダクトの内壁を沿って流れる空気流が、ダクトから排出されて、当該所定角度に操舵された前輪の角部に接する。
ところで、操舵された前輪にダクトから排出される空気流が接する際の当該操舵角度に対する車両の空気抵抗の低減性能と操縦安定性とは、トレードオフの関係になる。そして、6°〜7°の範囲内の操舵角度において空気抵抗の低減性能及び操縦安定性のいずれもが良好になり、6°より小さい操舵角度において空気抵抗の低減性能が良好になり、7°より大きい操舵角度において操縦安定性が良好になることを判明した。
これにより、例えば、6°以上7°以下の範囲内の任意の角度に所定角度を設定することで、車両の空力特性を空気抵抗の低減性能及び操縦安定性を両立させた仕様にできる。
また、例えば、0°より大きく6°未満の範囲内の任意の角度に所定角度を設定することで、車両の空力特性を空気抵抗の低減性能を優先した仕様にできる。
また、例えば、7°より大きくかつ10°以下の範囲内の任意の角度に所定角度を設定することで、車両の空力特性を操縦安定性を優先した仕様にできる。なお、車両の空気抵抗の低減性能の効果が得られる操舵角度の範囲を考慮して、所定角度が10°以下に設定されている。
以上により、前輪の操舵を考慮した車両の空力特性を設定できる。
請求項2に記載の車両前部構造は、請求項1に記載の車両前部構造において、前記ダクトは、前記連通路の車両後側部分を構成する整流路を有し、前記整流路は、平断面視で前記内壁の車両幅方向外側において前記内壁と平行に配置された外壁と、前記内壁と、を含んで構成されており、前記整流路の長さが10mm以上100mm以下に設定されている。
請求項2に記載の車両前部構造では、連通路の車両後側部分が整流路によって構成されており、整流路は、内壁と外壁とを含んで構成されている。この外壁は、平断面視で内壁の車両幅方向外側において内壁と平行に配置されている。そして、整流路の長さが10mm以上に設定されている。これにより、流通路内に生じる空気流が整流路によって整流されて、当該空気流の方向が外壁によっても規制される。
また、整流路内の内壁と外壁とは、平行に配置されているため、内壁及び外壁から空気流が剥離されることが抑制され、排出口から排出される空気流の乱れを抑制できる。さらに、整流路が100mm以下に設定されているため、ダクトの大型化を抑制でき、ひいては車両前部における大型化を抑制できる。
請求項3に記載の車両前部構造は、請求項1又は請求項2に記載の車両前部構造において、前記導入口の開口面積と前記排出口の開口面積とが同じ面積に設定されている。
請求項3に記載の車両前部構造では、導入口の開口面積と排出口の開口面積とが、同じ面積に設定されているため、ダクト内の空気を効率よく排出口に送ることができ、車両の空気抵抗を効率よく低減できる。
すなわち、仮に導入口の開口面積を排出口の開口面積に比して大きくすると、ダクト内における空気の圧力損失が増加する。これに対して、導入口の開口面積と排出口の開口面積とが同じ面積に設定されているため、ダクト内における空気の圧力損失の増加が抑制され、ダクト内の空気を効率よく排出口に送ることができる。
また、仮に導入口の開口面積を排出口の開口面積に比して小さくすると、排出口から排出される空気流の速度が低下する。これに対して、導入口の開口面積と排出口の開口面積とが同じ面積に設定されているため、排出口から排出される空気流の速度の低下を抑制でき、車両の空気抵抗を効率よく低減できる。
請求項1に記載の車両前部構造によれば、前輪の操舵を考慮した車両の空力特性を設定できる。
請求項2に記載の車両前部構造によれば、空気流の方向を規制でき、排出口から排出される空気流の乱れを抑制できる。
請求項3に記載の車両前部構造によれば、ダクト内の空気を効率よく排出口に送ることができ、車両の空気抵抗を効率よく低減できる。
本実施の形態に係る車両前部構造が適用された車両の前部を示す車両下方から見た断面図(図2の1−1線断面図)である。 図1に示される車両の前部を示す車両左斜め前方から見た斜視図である。 図1に示される、エアダクトの排出口を車両後方から見た一部破断した断面図(図2の3−3線断面図)である。 (A)は、図1に示されるエアダクトの側面を説明するための模式図であり、(B)は、(A)に示されるエアダクトの導入口の面積を説明するための模式図(図4(A)の4Bの矢視図)であり、(C)は、(A)に示されるエアダクトの排出口の面積を説明するための模式図(図4(A)の4Cの矢視図)である。 図1に示されるエアダクトが省略された場合を説明するための説明図である。 図1に示されるエアダクトから排出される空気流の向きを設定するためのタイヤの操舵角度に対する空気抵抗の低減性能と操縦安定性との関係を示すグラフである。 図1に示されるエアダクトの排出口内にフランジが形成された場合を説明するための説明図である。
図2には、本実施の形態に係る車両前部構造Sが適用された車両10の前部が車両左斜め前方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両左方(車両幅方向一側)を矢印LHで示し、車両上方を矢印UPで示す。また、車両前部構造Sでは、車両幅方向において左右対称に構成されているため、車両左方における車両前部構造Sについて説明して、車両右方における車両前部構造Sについての説明は省略する。
この図に示されるように、車両10は、車両10の車体の一部を構成するフェンダパネル12を備えている。このフェンダパネル12にはホイールアーチ14が形成されており、ホイールアーチ14は、側面視で車両下方へ開放された略半円形状に形成されている。
フェンダパネル12の内側にはフェンダライナ16が結合されており、フェンダライナ16は側面視でホイールアーチ14に沿うように車両下方へ開放された略半円形状に湾曲されている。これにより、フェンダライナ16の内側にホイールハウス18が形成されている。このホイールハウス18内には、「前輪」としてのタイヤ20が配置されており、タイヤ20の車両上側部分がフェンダライナ16によって覆われている。図1に示されるように、このタイヤ20は、操作されることによって、矢印G方向及び矢印H方向に操舵されるようになっている。なお、図1では、タイヤ20が車両幅方向外側(図1の矢印G方向)へ操舵された状態(タイヤ20の車両前側部が車両幅方向外側へ変位された状態)が示されており、タイヤ20が車両幅方向外側へ操舵された際の車両前後方向に対するタイヤ20の角度が操舵角度δとされている。
また、ホイールハウス18の車両前方には、フロントバンパ22が設けられており、フロントバンパ22は、車両幅方向に延びている。そして、フロントバンパ22の車両幅方向両端部が、フェンダライナ16の車両前側部分に結合されている。なお、図1では、便宜上、各部材の結合部分が図示省略されている。
図1及び図2に示されるように、フロントバンパ22の車両幅方向両端部には、ダクト本体24が設けられており、ダクト本体24は、車両前方から見て車両幅方向外側に開放された断面U字形に形成されて、フロントバンパ22に結合されている。これにより、「ダクト」としてのエアダクト26が、フロントバンパ22とダクト本体24とによって構成されており、エアダクト26は略車両前後方向に開放された略筒状に形成されている。
このエアダクト26は、導入口28と、排出口30と、連通路32と、を含んで構成されている。導入口28は、フロントバンパ22の車両幅方向両端部に形成されると共に、車両前側へ開放されている。また、導入口28は、車両前方から見て、略矩形状に形成されると共に、長手方向を車両上下方向にして配置されている。
排出口30は、ホイールハウス18の車両前側部分に形成されると共に、タイヤ20における上部の車両前側に配置されて、車両後側へ開放されている。また、図3に示されるように、排出口30は、車両後側から見て、長手方向を車両上下方向にして配置されると共に、タイヤ20の外形に沿って湾曲されている。
そして、図4(B)及び(C)に示されるように、排出口30の幅寸法W1は、導入口28の幅寸法W2の1/2に設定されており、排出口30の高さH1は、導入口28の高さ寸法H2の2倍に設定されている。これにより、排出口30の開口面積と導入口28の開口面積とが同じに設定されており、図4(A)に示すように、後述する連通路32の高さ寸法が側面視で車両後側へ向かうに従い大きくなるように設定されている。なお、図4(C)では、説明の便宜上、排出口30の形状が矩形状に記載されている。
図2に示されるように、連通路32は、略筒状に形成されて、導入口28と排出口30とを連通している。これにより、車両10の走行時には、エアダクト26の導入口28から空気が導入されて、エアダクト26の連通路32内に空気流Aが生じると共に、当該空気流Aが排出口30から排出されるように構成されている(図1参照)。
また、図1に示されるように、連通路32の車両幅方向内側部分は、内壁34とされている。この内壁34は、排出口30の車両幅方向内側の縁部30Aから車両前側へ向けて延びると共に、車両下方から見た平断面視で車両後側へ向かうに従い車両幅方向外側へ傾斜されている。具体的には、平断面視において、0°より大きく10°以下の範囲内の操舵角度δにおける所定角度(本実施の形態では7°)にタイヤ20が操舵された際に、タイヤ20の前部における車両幅方向外側の角部20Aに接し且つ排出口30の縁部30Aを通過する接線Fに沿って、内壁34が縁部30Aから車両前側へ延びている。すなわち、平断面視において、タイヤ20が操舵された際のタイヤ20の包絡線に接する接線Fが排出口30の縁部30Aを通過するように設定されており、内壁34から車両後側へ延びる延長線が所定角度に操舵されたタイヤ20の角部20Aに接している。
また、連通路32の車両後側部分には、外壁36が設けられている。この外壁36は、内壁34よりも車両幅方向外側に配置されて、フロントバンパ22に結合されている。そして、外壁36の車両後側部分は、平断面視において、内壁34と平行に配置されており、連通路32における内壁34と外壁36とが平行に配置された部分が、整流路38とされている。この整流路38は、平断面視において車両後側へ向かうに従い車両幅方向外側へ傾斜して配置されており、整流路38の長さLが、10mm以上100mm以下に設定されている。
また、上述したように、内壁34の車両後側端が排出口30の車両幅方向内側の縁部30Aを構成し、外壁36の車両後側端が排出口30の車両幅方向外側の縁部30Bを構成しており、排出口30の縁部30A,30Bには、排出口30内へ突出されるフランジ等は形成されていない。
次に本実施の形態の作用及び効果について説明する。
上記のように構成された車両10では、車両10が走行する際にエアダクト26の導入口28から空気が導入されて、エアダクト26の連通路32内に排出口30へ向かう空気流Aが生じる。そして、空気流Aは、エアダクト26の連通路32内における整流路38を通過して、排出口30から車両後側へ排出される(図1及び図2参照)。
ここで、平断面視において、内壁34が、接線Fに沿って排出口30の車両幅方向内側の縁部30Aから車両前側へ延びている。そして、この接線Fは、平断面視において、所定角度(7°)に操舵されたタイヤ20の角部20Aに接すると共に、排出口30の縁部30Aを通過している。すなわち、平断面視において、内壁34に沿って車両後側へ延びる延長線が、所定角度(7°)に操舵されたタイヤ20の角部20Aに接するようになっている。
これにより、エアダクト26の内壁34に沿って流れる空気流Aが、エアダクト26から排出されて、所定角度(7°)に操舵されたタイヤ20の角部20Aに接するように流れる。したがって、所定角度(7°)未満にタイヤ20が操舵される際には、タイヤ20の車両幅方向外側における領域で、車両10の外側を流れる走行風B(図1及び図2参照)の乱れが抑制されて、車両10の空気抵抗が低減される。また、所定角度(7°)未満にタイヤ20が操舵される際には、エアダクト26から排出される空気流Aがタイヤ20に当たることが抑制されて、車両10の操縦安定性が良好になる。
一方、図5に示されるように、車両10においてエアダクト26を仮に省略した場合には、ホイールハウス18から車両幅方向外側へ排出される排出空気流C及びタイヤ20が装着されるホイールから車両幅方向外側へ排出される排出空気流Dが、車両の外側を流れる走行風Bに当たり、車両10の空気抵抗が増加する。また、この場合には、タイヤ20が車両幅方向外側へ操舵されて、車両の外側を流れる走行風Bがタイヤ20に仮に当たると、ホイールハウス18内の圧力が上昇して、揚力が発生することで、車両10の操縦安定性が悪化する傾向にある。
ところで、空気流Aによる車両10の空気抵抗の低減性能は図6の実線で示されるようになる。この図6に示されるグラフの横軸は、空気流Aの向きを設定するためのタイヤ20の操舵角度δを示している。また、このグラフにおける紙面左側の縦軸は、Δcd値(車両10においてエアダクト26が省略された場合の空気抵抗係数からの変化量)を示している。
ここで、空気流Aの向きと走行風Bの向きとが近づくにしたがって、空気流Aによる走行風Bの乱れの抑制効果が高くなるため、車両10の空気抵抗の低減性能が良好になる(Δcd値が小さくなる)。そして、操舵角度δが0°のタイヤ20の角部20Aに空気流Aが当接される際に、空気流Aの向きが走行風Bの向きに最も近づく。このため、空気流Aの向きを設定するタイヤ20の操舵角度δが小さくなるほど、車両10の空気抵抗が低減されて、車両10の空気抵抗の低減性能が良好になる。
また、空気流Aによる車両10の操縦安定性は図6の点線で示されるようになる。このグラフにおける紙面右側の縦軸は、操縦安定性を示しており、この縦軸の紙面上側へ行くに従い、車両10の操縦安定性が良好とされるようになっている。そして、例えば、操舵角度が0°の際に空気流Aがタイヤ20の角部20Aに接するように空気流Aの向きが設定されると、0°(0°を含まず)と最大操舵角度との間の範囲内に操舵されたタイヤ20に空気流Aが当たる。一方、例えば、操舵角度が6°の際に空気流Aがタイヤ20の角部20Aに接するように空気流Aの向きが設定されると、6°(6°を含まず)と最大操舵角度との間の範囲内に操舵されたタイヤ20に空気流Aが当たる。換言すると、タイヤ20が6°未満に操舵された際には、空気流Aがタイヤ20に当たらない。すなわち、空気流Aの向きを設定するタイヤ20の操舵角度δが大きくなるほど、空気流Aがタイヤ20に当たるタイヤ20の操舵角度範囲が小さくなるため、車両10の操縦安定性が良好になる。そして、空気流Aの向きを設定するタイヤ20の操舵角度δが6°以上になると、車両10の操縦安定性に対する空気流Aによる影響の変化が少なくなる傾向になる。
以上のことをまとめると、図6に示されるグラフになり、このグラフから、6°〜7°の範囲内の操舵角度δ(空気流Aの向きを設定するタイヤ20の操舵角度)において空気抵抗の低減性能及び操縦安定性のいずれもが良好になり、6°より小さい操舵角度δにおいて空気抵抗の低減性能が良好になり、7°より大きい操舵角度δにおいて操縦安定性が良好になることが判明された。これにより、所定角度を7°に設定することで、車両10の空力特性を空気抵抗の低減性能及び操縦安定性を両立させた仕様にできる。したがって、タイヤ20の操舵を考慮した車両10の空力特性を設定できる。
また、エアダクト26の整流路38における外壁36は、平断面視で内壁34の車両幅方向外側において内壁34と平行に配置されている。そして、整流路38の長さが10mm以上に設定されている。これにより、エアダクト26内に生じる空気流Aが整流路38によって整流されて、空気流Aの方向が外壁36によっても規制できる。
また、整流路38内の内壁34と外壁36とは、平断面視において平行に配置されている。このため、整流路38の内壁34及び外壁36において空気流Aが剥離されることが抑制され、排出口30から排出される空気流Aの乱れを抑制できる。
さらに、整流路38が100mm以下に設定されている。このため、エアダクト26の大型化を抑制でき、ひいては車両10の前部における大型化を抑制できる。
また、エアダクト26の排出口30の縁部30A,30Bには、排出口30の内側へ突出されたフランジ等が設けられていない。これにより、排出口30から排出される空気流Aの乱れを一層抑制できる。すなわち、図7に示されるように、車両10において、外壁36を削除すると共に、フロントバンパ22の剛性を確保するために排出口30の縁部30Bに排出口30内へ突出されるフランジを仮に形成すると、当該フランジで空気流Aが乱れて(図7の矢印E参照)、空気流Aがタイヤ20へ向けて偏向される。これにより、ホイールハウス18の車両前方のエリア(図7の斜線で示されるエリア)の圧力が上昇されて、車両10の空気抵抗の低減及び操縦安定性に悪影響を与える可能性がある。これに対して、図1に示されるように、本実施の形態では、エアダクト26の排出口30にフランジ等が設けられていないため、排出口30から排出される空気流Aの乱れを一層抑制できる。
また、導入口28の開口面積と排出口30の開口面積とが、同じ面積に設定されている。このため、連通路32内の空気を効率よく排出口30に送ることができ、車両10の空気抵抗を効率よく低減できる。
すなわち、仮に導入口28の開口面積を排出口30の開口面積に比して大きくすると、連通路32内における空気の圧力損失が増加する。これに対して、本実施の形態では、導入口28の開口面積と排出口30の開口面積とが同じ面積に設定されているため、連通路32内における空気の圧力損失の増加が抑制されて、連通路32内の空気を効率よく排出口30に送ることができる。
また、仮に導入口28の開口面積を排出口30の開口面積に比して小さくすると、排出口30から排出される空気流Aの速度が低下する。これに対して、導入口28の開口面積と排出口30の開口面積とが同じ面積に設定されているため、排出口30から排出される空気流Aの速度の低下が抑制されて、車両10の空気抵抗を効率よく低減できる。
なお、本実施の形態では、所定角度が7°に設定されているが、所定角度を0°より大きく10°以下の範囲内における任意の角度に設定してもよい。例えば、所定角度を6°以上7°以下の任意の角度に設定した場合には、図6のグラフから明らかなように、車両10の空力特性を空気抵抗の低減性能及び操縦安定性を両立させた仕様にできる。また、例えば、所定角度を0°より大きく6°未満の任意の角度に設定した場合には、図6のグラフから明らかなように、車両10の空力特性を空気抵抗の低減性能を優先した仕様にできる。さらに、例えば、所定角度を7°より大きくかつ10°以下の任意の角度に設定した場合には、図6のグラフから明らかなように、車両10の空力特性を操縦安定性を優先した仕様にできる。なお、図6に示されるように、操舵角度δに対する空気抵抗の低減性能の効果が得られる操舵角度δの範囲を考慮して、所定角度を10°以下に設定した。以上説明したように、車両10の空力特性仕様に合わせて空気流Aが接するタイヤ20の所定角度を設定することで、タイヤ20の操舵を考慮した車両10の空力特性を設定できる。
さらに、所定角度が小さい場合でも、車両10の操縦安定性を確保するために、例えば、所定角度を2°以上10°以下の範囲内の任意の角度に設定してもよい。すなわち、所定角度が2°以上に設定されているため、例えば、車両10の高速走行時においてタイヤ20を2°未満に操舵させた場合には、エアダクト26から排出される空気流Aとタイヤ20との当たりが抑制されて、車両10の操縦安定性を確保できる。
また、本実施の形態では、導入口28及び排出口30は略矩形状に形成されているが、導入口28及び排出口30はこれに限らない。例えば、導入口28及び排出口30を略トラック形状に形成してもよい。
さらに、本実施の形態では、導入口28の開口面積と排出口30の開口面積とが、同じ面積に設定されているが、車両10における空力特性を考慮して、導入口28の開口面積と排出口30の開口面積とを異なる面積に設定してもよい。
また、本実施の形態では、エアダクト26がダクト本体24とフロントバンパ22とによって構成されている。これに替えて、エアダクト26をダクト本体24のみで構成して、当該エアダクト26をフロントバンパ22に結合するように構成してもよい。
10 車両
20 タイヤ(前輪)
20A 角部
26 エアダクト(ダクト)
28 導入口
30A 縁部
30 排出口
32 連通路
34 内壁
36 外壁
38 整流路
F 接線
S 車両前部構造

Claims (3)

  1. 車両前端部に設けられると共に内部に空気を導入する導入口と、車両の前輪の車両前側に設けられた排出口と、前記導入口と前記排出口とを連通する連通路と、を含んで構成されたダクトと、
    前記連通路の車両幅方向内側部分を構成すると共に、平断面視において、車両幅方向外側へ0°より大きく10°以下の範囲内の所定角度に操舵された前記前輪の車両幅方向外側の角部に接し且つ前記排出口の車両幅方向内側の縁部を通過する接線に沿って当該縁部から車両前側へ延びる内壁と、
    を備えた車両前部構造。
  2. 前記ダクトは、前記連通路の車両後側部分を構成する整流路を有し、
    前記整流路は、平断面視で前記内壁の車両幅方向外側において前記内壁と平行に配置された外壁と、前記内壁と、を含んで構成されており、前記整流路の長さが10mm以上100mm以下に設定された請求項1に記載の車両前部構造。
  3. 前記導入口の開口面積と前記排出口の開口面積とが同じ面積に設定された請求項1又は請求項2に記載の車両前部構造。
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