JP2014070310A - セルロース系複合糸及び織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルロース系マルチフィラメントの優れたドライ感、ハリ・コシ感、ドレープ性を維持しつつ、ポリエステルマルチフィラメントの適度な膨らみ感、ヌメリ感、ソフト感を有する複合糸を提供する。
【解決手段】半延伸糸を弛緩熱処理して得られるポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)を含む複合糸(C)であって、(A):(B)の重量比率が20:80〜80:20であり、複合糸(C)の強度が0.5〜2.5cN/dtexであり、かつ沸水収縮率(SHW)が−1〜8%であることを特徴とするセルロース系複合糸。
【選択図】図1

Description

本発明は、強撚糸織編物でも膨らみ感、弾発感、ヌメリ感、ソフト風合、また特徴的にシボ表現が可能なインナー、ドレス、ブラウス、ジャケット、ブルゾン、パンツ、コートなどのアウター、スポーツウエア、アバヤ、チャドールなどの民族衣装、裏地等に適し、従来の春夏用途のみならず秋冬用途にも最適なセルロース系複合糸、及びそれらから構成される織編物に関する。
セルロース系マルチフィラメントは、凹凸断面形状によるドライ感、丸断面形状による滑り(ヌメリ)特性とともに清涼感、ドレープ性に富むものであるが、沸水収縮率や乾熱収縮率が低いことから染色加工工程を経ても生地がフラットで、膨らみ感、ソフト感に欠けるものである。また、原糸の熱収縮応力が弱く、撚り止めセット後に解撚トルクが発揮されにくいトリアセテート、ジアセテートでは、ポリエステルで容易に得られる強撚シボ織物が得らにくい欠点を有する。膨らみ感を付与する手段としては、セルロース系マルチフィラメントと高収縮ポリエステルフィラメントからなる複合糸が提案されている。
特許文献1では、高収縮ポリエステルマルチフィラメントとして共重合ポリエステル系マルチフィラメントが使用されるが、織物の場合、複合糸がサイジング等で熱履歴を受けると、低収縮率糸であるセルロース系繊維が複合糸から分離する糸割れが発生し、製織性を悪化させる。また、複合糸を無撚のまま、または甘撚糸として編物に使用すると、染色加工中に交絡していない箇所からセルロース系繊維が単体でループ状に飛び出すいわゆるピクツキが生じ、編物の外観を著しく悪化させてしまう。さらに、撚糸品においてはビリ止めセット時に高収縮ポリエステルが応力緩和を起こすため、染色加工において解撚トルクが十分発揮されず、フラットな織編物になってしまうという欠点を有する。
特許文献2では、アセテートフィラメントと、乾熱160℃における熱収縮率が負であるポリエステル系マルチフィラメントを含むアセテート・ポリエステル混繊交絡複合糸条が提案されているが、熱処理後は、ポリエステルサイドが伸長して、複合糸からポリエステル系マルチフィラメントが分離しやすく、特許文献1と同様に糸割れやピクツキが起りやすい。
特許文献3では、セルロース系マルチフィラメントと自発伸長性ポリエステルとの複合糸が提案されているが、収縮特性からポリエステルが織編物の表面に配される構造になるため、ポリエステル勝ちの風合になる嫌いがある。また、複合糸の表面に自発伸長ポリエステル糸が多く配され、内層部にセルロース系フィラメントが多く配される構造になるため、複合糸に負荷がかかると伸度の低い内層部のセルロース系フィラメントが先に切断されるため複合糸の強度は劣るものになる。このため細繊度の複合糸は実用性が薄いものになる。
特許文献4では、高トルク性付与のローカウントポリエステル仮撚糸とセルロース系マルチフィラメントとの複合糸が提案されているが、この複合糸では、ハリ、腰は強いが、糸割れが生じ易く、膨らみ感、ヌメリ感のあるソフトな織編物は得られにくい。
特許文献5では、セルロース系マルチフィラメントとローカウントのサイドバイサイド型コンジュゲートポリエステルマルチフィラメントとを混繊した後、仮撚加工する複合捲縮糸が提案されているが、この複合捲縮糸では、膨らみ感は得られるものの弾発性、ハリ腰に欠け、仮撚によるセルロース系繊維の損傷が避けられず、後工程での障害になること、高コストが障害である。
以上のようにセルロース系マルチフィラメントの特徴であるドライ感、ハリ・コシ感、ドレープ性、光沢感を維持し、ポリエステルとの複合素材として収束性がよく、従って工程通過性や生地品位がよく、染色加工後においても膨らみ感とソフトさを有する複合糸及び織編物は得られていない。また、フィブリル化したり、物性を著しく低下させることからアルカリ減量加工ができないキュプラやトリアセテート、ジアセテートの場合、ポリエステル複合糸において強撚糸によるソフトなシボ織編物は得られていない。更に、寸法安定性を得る目的でポリエステルとのレーヨン複合糸にした強撚シボ織編物の場合においてもシボは発現されるがアルカリ減量加工なしでは風合は硬いものになり、実用性がない。このようにソフトなセルロース系強撚シボ織編物が得られていないのが現状である。
特開平10−72741号公報 特開平10−140430号公報 W02007/004589号公報 特開2010−24598号公報 特開平8−170238号公報
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑みなされたものであり、その目的は、
(1)セルロース系マルチフィラメントの優れたドライ感、ハリ・コシ感、ドレープ性を維持しつつ、ポリエステルマルチフィラメントの適度な膨らみ感、ヌメリ感、ソフト感を有する複合糸、並びにそれらで構成された衣料用に最適なセルロース系織編物、
(2)工程通過中にセルロース系繊維とポリエステル繊維が分離する糸割れや、複合糸織編物の表面からセルロース系マルチフィラメントがループ状に飛び出す現象であるピクツキを解消させた複合糸、及びそれらで構成された高品位の織編物、
(3)撚り止めセット処理が必要な中強撚糸織編物でも染色後、フラットな風合にならず、膨らみ感、ソフト風合を維持する複合糸、及びそれらで構成された織編物、
(4)強撚糸によるシボ発現織編物が容易に得られ、アルカリ減量加工なしでも膨らみ、ソフト感が得られる複合糸、及びそれらで構成された織編物、
を提供することにある。
本発明者は、まずポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメントからなる複合糸において、ポリエステル繊維に膨らみ感、ヌメリ感、ソフト感を付与させるために、また撚り止めセット後でもその特性を維持するために、ポリエステルマルチフィラメント(A)として半延伸糸を弛緩熱処理した特定範囲の沸水収縮率(SHW)と熱応力値を有するものを用いた。そして、さらに糸割れやピクツキ解消の目的でセルロース系マルチフィラメント(B)とポリエステルマルチフィラメント(A)の沸水収縮率を近似させることによって本発明の目的は達成された。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)の構成を有するものである。
(1)半延伸糸を弛緩熱処理して得られるポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)を含む複合糸(C)であって、(A):(B)の重量比率が20:80〜80:20であり、複合糸(C)の強度が0.5〜2.5cN/dtexであり、かつ沸水収縮率(SHW)が−1〜8%であることを特徴とするセルロース系複合糸。
(2)ポリエステルマルチフィラメント(A)の沸水収縮率(SHW)が−1〜8%であり、160℃における乾熱収縮率が−2〜10%であり、80〜100℃における最大熱応力が0.02〜0.09cN/dtexであることを特徴とする(1)に記載のセルロース系複合糸。
(3)ポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)の沸水収縮率の差(△SHW)が6%未満であることを特徴とする(1)または(2)に記載のセルロース系複合糸。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の複合糸の混率が50%以上であることを特徴とするセルロース系織編物。
(5)複合糸(C)の撚り係数kが13,000≦k≦28,000であり、布面上に複合糸(C)のシボが発現していることを特徴とする(4)に記載のセルロース系織編物。
本発明によれば、特に従来の高収縮ポリエステルマルチフィラメント複合糸では得ることができない特性、即ち、糸割れがなく工程通過性がよい、ピクツキがない高品位の織編物外観、内外層染色差が少なく膨らみのあるチーズ染色糸、アルカリ減量加工なしでソフト感、膨らみ感のあるセルロース系複合糸、及び織編物、特に強撚シボ織編物を提供することができる。また、本発明によれば、セルロース繊維の用途をドライ感、清涼感主体の春夏織編物用途にシボ織編商品を新規に加え、更にソフト感、膨らみ感、ヌメリ感を活かした秋冬織編物用途にも拡大することができる。
図1は、本発明の織編物の製造工程の一実施形態の概略図である。
本発明のセルロース系複合糸は、ポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)を含み、ポリエステルマルチフィラメント(A)は、半延伸糸を弛緩熱処理して得られるものであることを特徴とする。
本発明のポリエステルマルチフィラメント(A)で使用される半延伸糸は通常、高配向未延伸糸とも言われ、エチレングリコールとテレフタル酸との重合体で実質的にポリエチレンテレフタレート単独からなるポリエステルを使用し、例えば引取速度2,200〜5,000m/分で得られる糸であり、偏向顕微鏡で測定した複屈折率(Δn)が40×10−3以上90×10−3未満で、かつ破断伸度が90〜200%、沸水収縮率(SHW)が20〜50%の糸である。一方、完全延伸糸は、同複屈折率(Δn)が100×10−3以上でかつ破断伸度が20〜50%である。半延伸糸を得る際に、例えば引き取り速度500m/分で得られる未延伸糸を弛緩熱処理するまでの工程で延伸し、半延伸糸としてもよい。
上記の半延伸糸になされる弛緩熱処理は、半延伸糸を高温雰囲気中に弛緩させて収縮させ、低収縮率化させる処理であり、通常の延伸糸では、結晶分子はほとんど繊維軸方向に沿って配向しているが、弛緩熱処理した糸では結晶分子の配向性が低下するとともに、個々の結晶が成長し、結晶分子がランダムに配向し、これが特有のふくらみ感とヌメリ感をもたらす。その効果は低収縮糸ほど大きい傾向がある。本発明では、弛緩熱処理は、例えば半延伸糸を180〜230℃の非接触型ヒーター中に15〜50%のオーバーフィード率で0.05〜0.3秒間連続的に処理することによって行うことができる。本発明の弛緩熱処理ポリエステルフィラメントの好ましい複屈折率(Δn)の範囲は54×10−3〜80×10−3であり、更には56×10−3〜76×10−3が好ましい。Δnが54×10−3未満では、ソフトな弛緩熱処理糸になるが、強度が弱く、実用的でない。Δnが80×10−3を超えると、弛緩熱処理糸の配向、結晶化が進み過ぎ、本発明の意図するソフトな弛緩熱処理糸が得られにくい。
本発明では、ポリエステルマルチフィラメント(A)及びセルロース系マルチフィラメント(B)の沸水収縮率(SHW)は重要な指標になる。沸水収縮率は、染色加工後のフィラメントの織物中での寸法変化をイメージしている。本発明では、ポリエステルマルチフィラメント(A)のSHWは−1〜8%が好ましく、0〜7.5%がより好ましく、更には1〜6%が好ましい。SHWが8%より大きいと、繊維種による収縮力の差が大きくなり、ポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)のSHWを合わせたとしても、結果的に染色加工中に片方の繊維の収縮が大きくなり、繊維長差が生じて、本発明の求める風合が得られにくくなる。例えば弛緩熱処理後のポリエステルマルチフィラメント(A)のSHWを8%超えて設定すると、乾熱処理時の熱応力が高いものになり、熱収縮力が強くなってしまう。複合糸にした後、保管中や後工程における経時変化により糸割れやピクツキが発生しやすくなる。また、弛緩熱処理後のポリエステルマルチフィラメント(A)のSHWが−1%より低いと弛緩熱処理糸の強力低下が著しくなるとともに、かつポリエステルが複合糸や生地表面に多く出てしまい、本発明の求める風合が得られにくくなる。
本発明では、セルロース系マルチフィラメント(B)と弛緩熱処理後のポリエステルマルチフィラメント(A)のSHW範囲はできるだけ近似させることが好ましい。複合する両マルチフィラメントのSHWの差(ΔSHW)は6%未満が好ましく、より好ましくは4%以下、更に好ましくは3%以下である。ΔSHWが6%以上では、所望の風合を得られ難く、糸割れやピクツキにもなりやすい。
また、ポリエステルマルチフィラメント(A)は、80〜100℃における最大熱応力が0.02〜0.09cN/dtexであることが好ましく、更には0.03〜0.08cN/dtexであることが好ましい。0.02cN/dtex未満になると、ポリエステルマルチフィラメント(A)の強度低下が激しく、0.09cN/dtexを超えると高収縮糸になり、本発明の効果が得られにくくなる。ポリエステルマルチフィラメント(A)の断面形状は丸断面、三角断面のほか、弛緩熱処理後の異型度(外接円の径/内接円の径)が1.3〜1.8のY型、十字型、不規則な複数の凹凸部を有する糸でもよい。また、中空率(中空部面積/総面積x100)10〜30%の中空糸や扁平度(長辺の長さ/短辺の長さ)が2.0〜6.0の扁平糸でもよい。更には0.2〜3.0重量%の酸化チタン、カオリナイト、顔料等が含有されていてもよく、常圧カチオン可染糸やマテリアル、及びケミカルリサイクル原料やバイオエタノール由来のポリエステルであってもよい。
ポリエステルマルチフィラメント(A)は、乾熱160℃における寸法変化が少ないことが好ましい。ポリエステルマルチフィラメントは、染色加工時の沸水、乾熱処理によっても、セルロース系マルチフィラメントとの糸長差が少なく、前述の作用効果を良好に発揮できるからである。具体的には、ポリエステルマルチフィラメント(A)の160℃における乾熱収縮率は−2〜+10%が好ましく、−1〜+8%がより好ましく、0〜+6%がさらに好ましい。
160℃における乾熱収縮率が−2%より小さいと、熱処理したときにセルロース系マルチフィラメントとの糸長差が大きくなりすぎ、目的の風合が得られず、ふかついた風合いになるおそれがある。また、乾熱160℃の熱収縮率が10%より大きい場合もセルロース系マルチフィラメントとの糸長差が大きくなり、ソフトな風合いが得られにくい。また、再生セルロース系マルチフィラメントの織編物の表面に現れる割合が大きくなりすぎ、湿潤快適性が低下しやすい。
ポリエステルマルチフィラメント(A)の単糸繊度は好ましくは1.0〜8.0dtex、より好ましくは1.5〜6.0dtexである。1.0dtex未満では、ソフトになるが弾発性に欠け、8.0dtexを超えると硬さが強調される傾向になる。また弛緩熱処理後のポリエステルマルチフィラメント(A)の繊度は20〜180dtexが好ましく、更には30〜150dtexが好ましい。20dtex未満では、複合糸の強力やヌメリ風合が低下し、180dtexを超えると、複合糸が太く、肌理の細かい織編物に不適になりやすい。本発明においては、これら単糸繊度、断面形状や含有物による風合効果が弛緩熱処理糸のヌメリ、膨らみ感に付加され、従来の異収縮複合糸の手法では得られない効果を容易に得ることができる。
本発明のセルロース系マルチフィラメント(B)としては、レーヨン、キュプラ、リヨセル、ジアセテート、トリアセテート、セルロースエステル等が挙げられ、特に限定されるものではないが、沸水収縮率(SHW)が1.0〜6.0%の低収縮糸が良い。公定水分率は3.0〜13.0%のものが好適に用いられる。本発明においては、キュプラとトリアセテートといった異種類を混用することも可能であり、複合糸の吸湿率、風合、光沢などを得る目的で適宜組合せることができる。
本発明のセルロース系マルチフィラメント(B)の単糸繊度は好ましくは0.8〜6.0dtex、より好ましくは1.0〜5.0dtexである。0.8dtex未満では、織り編み工程での毛羽立ち、糸切れが多く、6.0dtexを超えると、混繊時の交絡不良や硬風合になりやすい。総繊度は30〜180dtexが好ましく、30tex未満では強力が弱くなり、180dtexを超えると肌理の細かい織編物になりにくい。
本発明の複合糸(C)は、半延伸ポリエステルマルチフィラメントを弛緩熱処理する際にセルロース系マルチフィラメント(B)を引き揃えてエア混繊するか、または別工程で弛緩熱処理したポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)とを引き揃えてエア混繊、また引き揃えて合撚することで得られる。
複合糸(C)の総繊度は好ましくは40〜360dtexであり、より好ましくは50〜300dtexである。40dtex未満では、強度が低下し、また高コストになり好ましくない。360dtexを超えると、肌理の細かい織編物には不適になりやすい。
複合糸(C)の交絡度は好ましくは20〜80個/mである。80個/mを超えると、高いエア混繊ノズル圧のため、ポリエステルマルチフィラメント(A)、セルロース系マルチフィラメント(B)とも損傷を受け易く、毛羽立ち、強力が低下の原因になりやすい。また、20個/m未満では、不規則な交絡複合糸の形態となり、工程通過中のシゴキによる毛羽立ち等の原因になりやすい。セルロース系マルチフィラメント(B)は、混繊する場合は甘撚糸より開繊し易い無撚糸のものが望ましく、引き揃え合撚する場合は甘撚糸でも構わない。
複合糸(C)におけるポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)の重量比率は20:80〜80:20であり、好ましくは30:70〜70:30である。(B)の混率が20%未満ではセルロース系繊維の特徴が薄れ、80%を超えるとポリエステル糸の膨らみ、ヌメリ効果が薄れ、好ましくない。その割合は風合、光沢、寸法変化率などの観点から設定される。
複合糸(C)には(A)、(B)のマルチフィラメント以外に第3成分が入っていてもよく、その際の第3成分の混率は最大40%であることが好ましい。第3成分としては、シルク、ポリエステル糸、ポリエステル仮撚加工糸、ナイロン(6,66)、ナイロン(6,66)仮撚加工糸、スパンデックス、サイドバイサイド型や偏芯型の潜在捲縮糸、ポリブチレンテレフタレート糸、ポリトリメチレンテレフタレート糸などが挙げられ、本発明の目的を損なわない限り特に限定されるものではない。
複合糸(C)の強度は0.5〜2.5cN/dtexである。0.5cN/dtex未満では、ポリエステルの弛緩熱処理が行き過ぎ、強度的に実用性が不足し、また2.5cN/dtexを超えると、ポリエステルの弛緩熱処理が不十分で複合糸の収縮が大きく、好ましくない。
複合糸(C)の沸水収縮率(SHW)は0〜8%であり、好ましくは0.5〜6%であり、更に好ましくは3〜6%である。0%未満では、ポリエステルの弛緩熱処理が行き過ぎ、セルロース系マルチフィラメント(B)との収縮差が拡大し、かつ複合糸の強度が低下するため好ましくない。8.0%を超えると、ポリエステルの弛緩熱処理が不十分になって所望の風合が得られにくくなり、処理後の保管環境によっては、セルロース系マルチフィラメント(B)との糸長差が発生し、工程通過性や織編物品位が不安定なものになり好ましくない。また、強撚糸にした場合、撚り止めセットによりポリエステルが応力緩和を起こし、その結果、解撚トルク力が減じ、良好なシボ織編物が得られにくくなるため好ましくない。
本発明の複合糸では、構成するポリエステルマルチフィラメント(A)のSHWが高すぎないこと、そしてポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)とのSHWが近似し、両者のΔSHWが小さいことにより以下の特徴を有する。
(1)織物の場合、複合糸(C)のまま、または400t/m以下の甘撚糸として普通ポリエステルに準じた温度管理、またセルロース系繊維に準じた張力、速度管理によるサイジング工程でよく、高収縮ポリエステル複合糸に不可欠な低温、低速条件による非効率的なサイジング条件は不要になり、経済的である。
(2)特に編物において高収縮ポリエステル複合糸が使えなかった理由である染色後に交絡不良部からセルロース系繊維が飛び出すピクツキがなくなり、外観品位はきれいである。
(3)複合糸をチーズ染色する場合、低収縮糸であるためチーズ内外層の染色差が少なく、かつ、高収縮ポリエステル複合糸では不可能であった膨らみ感、ソフト感、ヌメリ感を維持できる。
(4)複合糸(C)に施撚し、撚り止めセットを行う場合、高収縮ポリエステル複合糸の場合のように収縮特性を殺ぐことはなく、通常の高温セット条件、例えば85℃40分の湿熱セット処理でも複合糸(C)の膨らみ感は維持可能である。セルロース系繊維は低収縮率糸であるが、強度が弱いため強撚糸にしても解撚トルクが弱く、従って染色加工において、殆ど加工収縮を起こせず、膨らみのないフラットな織編物に仕上がってしまう。一方、本発明の複合糸(C)は、低収縮糸であっても、織編物中でポリエステルの解撚トルクが作用するためシボが発現されやすく、見掛けの加工収縮が大きくなる。このため弛緩熱処理糸の有する膨らみ感、ソフト感に加えて織編物全体の膨らみ、ソフト風合が増すことになる。本発明の効果は強撚糸織編物において特徴的に発揮される。このシボとは、強撚糸を使った織物の布面に波状や粒状に現れた凹凸をいう。
本発明の複合糸(C)を施撚する場合、好ましい撚係数kは930〜28,000であり、更に好ましくは3,000〜27,000である。強撚シボ織編物においては、撚係数kは13,000〜28,000であり、更に好ましくは14,000〜27,000である。
撚係数k=撚数x√T (Tはデシテックス)
撚係数kが930未満では、複合糸の集束性が弱く、工程通過性が良くない。28,000を超えると、複合糸(C)が単糸切れや二重撚りになり、また粗硬風合になり好ましくない。シボ織編物においては、13,000以下では解撚トルクによる十分なシボが得られにくい。
本発明の複合糸を使用して織編物にする場合、複合糸(C)を単独で使用してもよいし、他の繊維と複合、交編織してもよい。交編織する場合は、複合糸(C)の特徴を活かすため複合糸(C)の混率を50%以上にするのが好ましい。他の繊維としては、セルロース系マルチフィラメント(B)以外の綿、麻、レーヨン、リヨセル、モダール等のセルロース系紡績糸、シルク、ナイロン(6、66)、ポリエステル、スパンデックス、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレートの偏芯や貼り合せ型コンジュゲート繊維等が挙げられ、組合せる素材に特に制約はない。
染色加工においては、アルカリ減量加工なしで膨らみ感とソフト風合が得られるため、セルロース系繊維とポリエステル繊維の交編織品に準じた染色加工条件でよく、特に制約はない。強撚シボ織編物においては、ワッシャー、液流染色機等によるシボ立てが好ましく、シュリンクサーファーなどによる熱風緩和処理があってもよい。強撚糸織編物の場合でも減量加工なしでソフト、かつ膨らみ感のある風合が得られるのが本発明の大きな特徴である。
本発明の複合糸及び織編物の効果を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例における特性値の評価は以下のように行なった。
<沸水収縮率(SHW)>
JIS−L−1013.8.18.1の熱水収縮率 b)フィラメント収縮率B法に準拠して測定した。熱水の温度は98℃とした。
<沸水収縮率の差(ΔSHW)>
各フィラメントの沸水収縮率(SHW)を求め、以下の式によりΔSHWを求めた。
ΔSHW=ポリエステルフィラメントの沸水収縮率(SHW)−セルロース系フィラメントの沸水収縮率(SHW)
<160℃における乾熱収縮率(SHD)>
まず試料に1/30(cN/dtex)の荷重を掛け、その長さL0(mm)を測定する。次いで上記荷重を取り除き、試料を乾燥機に入れて乾熱160℃で30分間乾燥する。その後冷却し、再度1/30(cN/dtex)の荷重を掛けてその長さL1(mm)を測定する。上記L0、L1を下記式に代入し、乾熱収縮率(SHD)を算出する。なお、測定は5回行い、その平均値を以て乾熱収縮率とする。
SHD(%)={(L0−L1)/L0}×100
<強度>
JIS−L−1013.8.5.1の引張り強さ(標準時試験)に準拠して東洋ボールドウィン社製テンシロンを使用して、つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分,環境温度20℃±2℃でS−S曲線を測定し、破断強度を算出した。
<熱応力>
ポリエステルフィラメント100mmに対して0.002cN/dtexの初荷重を与えて、熱応力試験機KE−2S(カネボウエンジニアリング製)にて120℃/分の昇温速度で室温から250℃まで昇温した際の温度に対する収縮応力の曲線を描き、その最大熱応力と最大ピーク温度を求めた。
<繊維の複屈折率>
ニコン社製偏向顕微鏡POH型とライツ社製Berekコンペンセータを使用し、光源として東芝社製SLS−3−B型スペクトル光源用起動装置(Na光源)を用いた。
まず、繊維長5〜6mmの繊維軸に対して45°の角度に切断した単糸の試料を作成した。切断面を上にしてスライドグラス上に試料を載せた後、このスライドグラスを回転載物台に載せ、試料が偏向子に対して45°に位置する様に回転載物台を回転させて調節した。次に、アナライザを挿入して暗視野とした後、コンペンセータを30にして縞数を数えた(n個)。コンペンセータを右螺子方向に回して試料が最初に暗くなる点のコンペンセータの目盛[a]、コンペンセータを左螺子方向に回して試料が最初に一番暗くなる点のコンペンセータの目盛[b]を測定した後(何れも1/10目盛り迄読む)、コンペンセータを30に戻してアナライザを外してから試料の直径dを測定し、下記式に基づき複屈折率[Δn]を算出した。この試験を10回行い、その平均値を、本実施例における複屈折率とした。
Δn=r/d(r:レターデーション=nλ+ε)
式中、λ:589.3mμε:コンペンセータの説明書に記載のC/10000とi(コンペンセータの読みの差:a−b)に基づいて算出した。
<交絡度>
JIS−L−1013.8.15の交絡度に準拠して測定した。
<編立性>
編機28ゲージ、複合糸48本仕掛、天竺組織、編成速度20m/分で編地として100m編んだ時の糸切れ回数を評価し、以下の基準で表示した。
A:なし、B:2回以下、C:3回以上
<編地の外観品位>
上記編地を液流染色機で98℃15分リラックス処理後、130℃、30分の液流処理し、脱水乾燥セットを行い、140cm幅で仕上げた。長さ50m中に発生しているピクツキ欠点(生地表面に飛び出しているループ状欠点)の発生数を評価し、以下の基準で表示した。
A:なし、B:2個以下、C:3個以上
<編地の風合>
ベテラン5人による官能評価で、膨らみ感、弾発性、ドライ感、キシミ感、ヌメリ感、ソフト感の各項目について評価し、以下の基準で表示した。
5:極めて優れる、4:やや優れる、3:良、2:やや劣る、1:極めて劣る
<シボ感>
生地外観を拡大鏡で覗き、布面上に現れた糸の捩れ(波状や粒状に現れた凹凸)の度合を評価し、以下の基準で表示した。
5:大、4:やや大、3:中、2:小、1:捩れなし(直線状)
以下の(i)〜(iv)の糸を実施例、比較例のために用意した。
(i)半延伸糸として、エチレングリコールとテレフタル酸との重合体で実質的にポリエチレンテレフタレート単独からなるポリエステル(酸化チタン0.2重量%含有、丸断面)を引取速度3,400m/分で巻き取った50T24fの糸を用意した。この糸は、複屈折率(Δn)が40×10−3、破断伸度が98.6%、強度が2.84cN/dtex、沸水収縮率(SHW)が24.1%であった。
(ii)セルロース系マルチフィラメント(B)として、三菱レイヨン(株)社製トリアセテート繊維61T15fと50T34fの2銘柄(いずれもブライト、強度1.2cN/dtec、沸水収縮率(SHW)2.1%)と、旭化成せんい(株)社製キュプラ繊維33T24f(ブライト、強度2.0cN/dtex、沸水収縮率(SHW)4.2%)を用意した。
(iii)完全延伸ポリエステル繊維として、エチレングリコールとテレフタル酸との重合体で実質的にポリエチレンテレフタレート単独からなるポリエステルを延伸速度3,500m分で巻き取った56T24f(セミダル丸断面、強度4.21cN/dtex、沸水収縮率(SHW)4.0%)、11T24f(セミダル丸断面、強度4.02cN/dtex、沸水収縮率(SHW)5.1%)、及び84T72f(セミダル丸断面、強度4.3cN/dtex,沸水収縮率(SHW)5.8%)を用意した。
(iv)ポリエステル高収縮糸としてエチレングリコールとテレフタル酸との重合体でイソフタル酸テレフタレート8%owfを含む完全延伸ポリエステル56T24f(セミダル丸断面、強度3.85cN/dtex、沸水収縮率(SHW)28.1%)と、上記(i)の半延伸糸を用意した。
実施例1
図1の製造工程に従って、上記(i)半延伸糸(図中の1)を図中4、5の間のオーバーフィードゾーン内に設置された220℃に保持された非接触型ヒーター(図中8)内に36%のオーバーフィード率で走行させ、0.20秒間の弛緩熱処理を施した。そのまま巻き取った糸(図中3)は表1に示す糸質であった。
弛緩熱処理した糸を巻き取る際に上記(ii)のトリアセテート繊維61T15f(図中の2)をフィードローラー(図中5)に給し、弛緩熱処理した糸と引き揃えてフィードローラ(図中5、6)間でオーバーフィード率0.3%、エア圧0.29MPaのインターレーサー(図中9)でエア混繊処理を行いながら巻き取った(図中3)。得られた複合糸(C)の糸質は表1に示す通りであった。実施例1のものは、比較例1より弛緩熱処理糸及び複合糸の強度において優れるものであった。
実施例2〜4及び比較例1、2
上記(i)半延伸糸を用い、実施例1の弛緩熱処理条件を変化させて、表1に示すような実施例2〜4及び比較例1の弛緩熱処理ポリエステルを得た。実施例1と同様に上記(ii)トリアセテート繊維61T15Fを引き揃え、同様のエア混繊条件で表1に示す複合糸(C)をそれぞれ得た。実施例2〜4のものはともに弛緩熱処理糸及び複合糸の強度において比較例1より優れるものであった。
比較例3
上記(i)半延伸糸50T24fを弛緩熱処理することなく、上記(ii)トリアセテート繊維61T15fを図中5のフィードローラで引き揃えて実施例と同様のエア混繊処理を行った。構成糸及び複合糸の糸質は表1に示す通りであった。
比較例4
半延伸糸の代わりに上記(iii)完全延伸ポリエステル56T24fを用い、弛緩熱処理することなく、上記(ii)トリアセテート繊維61T15fを図中5のフィードローラで引き揃えて実施例1と同様のエア混繊処理を行った。構成糸及び複合糸の糸質は表1に示す通りであった。
比較例5
半延伸糸の代わりに上記(iv)完全延伸ポリエステル56T24fを用い、弛緩熱処理することなく、(ii)トリアセテート繊維61T15fを図中5のフィードローラで引き揃えて実施例1と同様のエア混繊処理を行った。構成糸及び複合糸の糸質は表1に示す通りであった。
比較例6
上記(ii)トリアセテート繊維61T15fを図中5のフィードローラ上で2本引き揃えて実施例1と同様のエア混繊処理を行った。構成糸及び複合糸の糸質は表1に示す通りであった。
実施例5
実施例1において、(ii)トリアセテートとして50T34fを用い、更にフィードローラ(図中5)上で上記(iii)完全延伸ポリエステル11T24fを供給し、3素材を引き揃えて同様のエア混繊処理を行い、3素材で構成された複合糸(C)を得た。構成糸及び複合糸の糸質は表2に示す通りであった。実施例5のものは、トリアセテートの混率をそれほど下げずに実施例1〜4より複合強度の高いものが得られた。
実施例6
実施例1において、セルロース系繊維として上記(ii)トリアセテート繊維61T15f(公定水分率3.5%)とキュプラ33T24f(公定水分率11.0%)をフィードローラ(図中5)上で引き揃えて同様のエア混繊処理を行い、3素材で構成された複合糸(C)を得た。構成糸及び複合糸の糸質は表2に示す通りであった。実施例6のものは実施例1〜4より強度、吸湿率の高いものが得られた。
実施例1〜6及び比較例1〜6で得られた複合糸を上記<編立性>、<編地の外観品位>、<編地の風合>の評価方法に従って評価した。その結果は表1、表2に示す通りであった。比較例1は、強度、編立性、編地の風合がともに実施例に劣るものであり、実施例1〜6のみが編立性(複合糸形状が均一で編立て時の糸切れがない)、編地外観の品位(ピクツキがない)、風合(膨らみ感、ソフト感に富む)を同時に満足させるものであった。
実施例7〜10、比較例7〜11
実施例1〜4及び比較例1〜5の複合糸にそれぞれ2,200t/m(撚り係数k=22,650〜24,987)をダブルツイスターで施撚した(実施例7は実施例1の複合糸を撚糸したもの、比較例7は比較例1の複合糸を撚糸したもの)。撚り止めとして85℃40分(比較例9、11は高収縮糸の収縮率を殺がないよう75℃40分でセット)の湿熱セットを施した。経緯にSZ2本交互に用い、ヒラ組織とし、加工収縮を考慮して表3の密度で織り上げ、液流染色機でリラックス、シボを発現させた。その後脱水し、表3の仕上げ密度を想定した乾燥セットを行った後、アルカリ減量加工を施すことなく液流染色機で分散染料を用い、120℃40分の染色を行い、還元洗浄、脱水後、表3の仕上げ密度で仕上げセットを行った。評価結果は表3に示す通りであった。実施例7〜10に対する全体の風合において比較例7は劣り、比較例8〜11は明らかに劣るものであった。強撚糸織物においても十分なシボを有し、膨らみ感、弾発感、ヌメリ感、ソフト感を併せ持つのは実施例のみであった。
実施例11
経糸に実施例1の複合糸126T39fをダブルツイスターでS800t/m施撚後、75℃40分の湿熱セットを行った糸を用いた。 緯糸に(iv)完全延伸ポリエステル84T72fにダブルツイスターで2,500t/m施撚した糸をSZ2本交互に用いた。これらを表3に示す密度のヒラ組織の織物を織り、液流染色機でリラックス処理し、脱水、乾燥セットした。次いでアルカリ減量加工することなく液流染色機を用い、分散染料で120℃40分の染色を行い、還元洗浄、脱水、仕上げセットを行い、表4に示す密度に仕上げた。複合糸の混率、風合評価は表4に示すように十分なものであった。
Figure 2014070310
Figure 2014070310
Figure 2014070310
Figure 2014070310
本発明によれば、セルロース系マルチフィラメントの優れたドライ感、ハリ・コシ感、ドレープ性を維持しつつ、ポリエステルマルチフィラメントの適度な膨らみ感、ヌメリ感、ソフト感を有する複合糸、並びにそれらで構成された衣料用に最適なセルロース系織編物が得られるので、産業上極めて有用である。

Claims (5)

  1. 半延伸糸を弛緩熱処理して得られるポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)を含む複合糸(C)であって、(A):(B)の重量比率が20:80〜80:20であり、複合糸(C)の強度が0.5〜2.5cN/dtexであり、かつ沸水収縮率(SHW)が−1〜8%であることを特徴とするセルロース系複合糸。
  2. ポリエステルマルチフィラメント(A)の沸水収縮率(SHW)が−1〜8%であり、160℃における乾熱収縮率が−2〜10%であり、80〜100℃における最大熱応力が0.02〜0.09cN/dtexであることを特徴とする請求項1に記載のセルロース系複合糸。
  3. ポリエステルマルチフィラメント(A)とセルロース系マルチフィラメント(B)の沸水収縮率の差(△SHW)が6%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロース系複合糸。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合糸の混率が50%以上であることを特徴とするセルロース系織編物。
  5. 複合糸(C)の撚り係数kが13,000≦k≦28,000であり、布面上に複合糸(C)のシボが発現していることを特徴とする請求項4に記載のセルロース系織編物。
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