JP2014069514A - 熱転写シート、及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成の用に供した使用済みの熱転写シートを順次巻き取っていったときの巻ずれの発生を防止することができる熱転写シート、及び巻きずれの発生を防止することのできる画像形成方法を提供すること。
【解決手段】基材の一方の面上に染料層が設けられ、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートであって、前記基材上には検知マークが更に設けられ、前記検知マークは、無機粒子としてアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子を含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シート、及び画像形成方法に関する。
プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置で用いられる長尺状の熱転写シートとして、基材の一方の面に熱溶融性インキ層、又は昇華性染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートが知られている。この熱転写シートによれば、熱転写受像シート等の被転写体と、熱転写シートの染料層とが対向するように重ねた後に、背面層とサーマルヘッド等の加熱デバイスとを接触させ、該加熱デバイスに画像情報に応じたエネルギーを印加しながら背面層上を擦るように移動させることで被転写体上に画像を形成することができる。
図4に示すように、このような長尺状の熱転写シート100は、通常、供給用ローラ101に巻き上げられ、巻き終わりの端と巻取り用ローラ102とが固着された一対の形態をとり、供給用ローラ101、巻取り用ローラ102は、それぞれ画像形成装置内の所定の位置に装着されている。なお、通常、供給用ローラ101、巻取り用ローラ102の軸方向長さは、熱転写シート100の幅方向長さよりも長いものが用いられている。供給用ローラに巻き上げられた熱転写シートは、画像形成時に、加熱デバイスの発熱部側に搬送され、加熱デバイスの発熱部を経由して駆動モータにより回転駆動される巻取り用ローラに巻き取られる。つまり、長尺状の熱転写シートは、画像形成後の使用済み部分から順次巻取り用ローラに巻き取られていく。
ところで、画像形成時において背面層の滑性が悪い場合には、背面層の加熱デバイスに対する摩擦係数は高くなり、背面層が加熱デバイスの発熱部等に溶融付着することによるスティッキングや、印画シワが発生することとなる。そこで、近時、背面層の滑性を向上させる各種の検討が行われており、滑剤成分として、例えば、リン酸エステル、金属石鹸、シリコーンオイル等を含有せしめた背面層が提案されている。例えば、特許文献1には、背面層にリン酸エステルが含有されてなる熱転写シートが提案されている。熱転写シートの背面層に良好な滑性を付与することで高速での画像形成が可能となる。
しかしながら、上記のように背面層に良好な滑性を付与した場合には、染料層との摩擦係数は低下することとなる。使用済みの熱転写シートが巻取り用ローラに巻き取られていくときには、背面層と染料層とが重なりあうように巻き取られることから、背面層と染料層との摩擦係数が小さい場合には、背面層と重なりあう染料層が背面層から滑り、巻き取られた熱転写シートに巻ずれが発生することとなる。具体的には、巻取り用ローラに巻き取られた熱転写シートのうち、巻取り用ローラに近い位置に存在する熱転写シート、すなわち、巻取り用ローラに巻き取られた内側部分の熱転写シートが、巻取り用ローラの一端側にずれていくタケノコ状の巻ずれが生ずることとなる。この巻ずれは、巻取り用ローラに使用済みの熱転写シートを巻取るとき、巻取りテンションが低い場合に特に顕著に生じうる。巻取り用ローラにおいてタケノコ状の巻ずれが発生した場合には、使用済みの熱転写シートが巻き取られた巻取り用ローラを画像形成装置から取出すときの支障となるばかりか、最悪の場合には、画像形成途中に巻取り不良を起こし熱転写シートの搬送エラーを引き起こす場合もある。
特開2009−56599号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、画像形成の用に供した使用済みの熱転写シートを順次巻き取っていったとき生じうる巻ずれの発生を防止することができる熱転写シート、及び巻きずれの発生を防止することのできる画像形成方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に染料層が設けられ、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートであって、前記基材上には検知マークが更に設けられ、前記検知マークは、無機粒子としてアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子を含有していることを特徴とする。
また、前記無機粒子が、1つ以上の角を有する形状の無機粒子であってもよい。また、前記検知マークの固形分総量に対し、前記無機粒子が0.5質量%以上の割合で含有されていてもよい。また、前記無機粒子の粒子径が、一次平均粒子径で0.1μm以上15μm以下の範囲内であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に染料層が設けられ、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、前記熱転写シートの前記基材上には検知マークが更に設けられ、前記検知マークは、無機粒子としてアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子を含有しており、画像形成時における印画所要時間が10秒/枚以下であることを特徴とする。
本発明の熱転写シートや、本発明の画像形成方法によれば、画像形成の用に供した使用済みの熱転写シートを順次巻き取っていったときに生じうる巻ずれの発生を防止することができる。特に、画像形成時の搬送速度を上げた場合であっても巻ずれの発生を防止することができる。
本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の画像形成方法で用いられる熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 供給用ローラに巻き上げられ、巻き終わりの端が巻取り用ローラに固着された熱転写シートの一例を示す図である。 実施例で用いた熱転写シートの1画面に対応する箇所を示す概略断面図である。
<<熱転写シート>>
以下に、本発明の熱転写シートについて詳細に説明する。本発明の熱転写シート10は、図1、図2に示すように基材1の一方の面上に染料層3が設けられ、基材1の他方の面上に背面層5が設けられた構成をとる。そして、本発明では、基材1上に検知マーク4が更に設けられ、この検知マークが、無機粒子として、アルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子を含有する点を特徴とする。
本発明の熱転写シート10は、上記要件を具備するものであれば、図示する形態に限定されるものではない。例えば、染料層3に含まれる染料として昇華性染料を用いる場合には、基材1と染料層3との間に図示しない下引き層を設けることとしてもよい。また、染料層3に含まれる染料として熱溶融性インキを用いる場合には、基材1と染料層3との間に図示しない離型層を設けることとしてもよい。いずれにせよ、基材1上には、直接、又は間接的に、無機粒子としてアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子を含む検知マーク4が設けられている。以下、本発明の熱転写シート10の各構成について具体的に説明する。
(基材)
本発明の熱転写シート10に用いられる基材1としては、耐熱性と取り扱い上支障のない機械的特性を有するものであれば従来公知の基材を適宜選択して用いることができる。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組合せた積層体として使用してもよい。基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5μm〜100μm程度が一般的である。
また、基材1は、染料層3が形成される側の面に接着処理が施されていても良い。接着処理を施すことで、基材1と染料層3、或いは基材1と染料層3との間に設けられる任意の層との密着性を向上させることができる。
接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を二種以上併用することもできる。
(検知マーク)
本発明の熱転写シート10を構成する基材1上には、本発明の熱転写シート10と、熱転写受像シートと組合せて画像形成を行うときの開始位置を示すための検知マーク4が設けられている。
画像形成の用に供した使用済みの熱転写シートの巻取り時には、背面層と染料層とが重なるようにして巻き取られる。ここで、染料層と背面層との摩擦係数が小さい場合には、背面層の表面から染料層が滑りやすくなり、背面層の表面から染料層が滑る程度まで摩擦係数が小さくなっていった場合には、使用済みの熱転写シートを巻取り用ローラ等に順次巻き取っていったときに、巻取り用ローラ等に巻き取られた熱転写シートの内側が、巻取り用ローラの一端側にずれていくタケノコ状の巻ずれが発生する。特に、背面層の滑性が高いほど、染料層と背面層との摩擦係数は小さくなり巻ずれの発生頻度や巻ずれ量も大きくなる。
そこで、本発明では、基材1上に検知マーク4が設けられているとともに、この検知マーク4が、無機粒子としてのアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子を含有している。なお、図示しないが一実施形態の熱転写シート10は、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子の表面の一部分は、検知マーク4の表面から突出した形態をとっている。なお、説明の便宜上、図1、図2では、検知マーク4を誇張して示している。
基材1上に検知マーク4が設けられた本発明の熱転写シート10によれば、画像形成の用に供した使用済みの熱転写シート10を巻取り用ローラ等に巻き取っていくときに、背面層5と検知マーク4とが接することとなる。検知マーク4に含有される上記アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子は、背面層5との摩擦係数を上げる役割を果たすことから、画像形成の用に供した使用済みの熱転写シートの巻取り時に背面層5の表面から検知マーク4が滑ることが防止される。これにより、背面層5と染料層3との摩擦係数を小さくすることができ、画像形成の用に供した使用済みの熱転写シート10を巻取り用ローラ等に巻き取る際に背面層5の表面から染料層3が滑りやすいような状況においても、該検知マーク4の存在によって、背面層5の表面から染料層3が滑ることが防止され、これにより巻ずれの発生を防止することができる。換言すれば、検知マーク4は、背面層5の表面から染料層3が滑ることを防止するストッパーとしての機能を果たす。
熱転写シートの巻取り時に、染料層にシワや破断が発生することを防止するためには、巻取り時に、熱転写シートにかかるテンションを低くすることが好ましい。しかしながら、従来の染料層を備える熱転写シート、或いは染料層と検知マークを備える熱転写シートにおいて、巻取り時に当該熱転写シートにかかるテンションを低くしてしまうと、こんどは熱転写シートに巻ずれが発生しやすくなり、シワや破断を防止するために、単純に巻取り時におけるテンションを低くすることができないといった問題がある。本発明では、上記のように背面層5と接する検知マーク4にアルミナ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子が含有されていることから、染料層に生じうるシワや破断を防止すべく、巻取り時に熱転写シートにかかるテンションを低くした場合であっても、巻ずれの発生を防止することができる。
無機粒子としてのアルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子によって背面層5と検知マーク4との摩擦係数を上げることができる具体的なメカニズムは現在のところ必ずしも明らかではない。しかしながら、検知マーク4に無機粒子としてのアルミナ粒子又は炭酸カルシウム粒子が含まれない場合、或いは、検知マーク4にアルミナ粒子又は炭酸カルシウム粒子が含まれておらず、これ以外の他の粒子が含まれる場合には摩擦係数を上げることはできないことは確認済みであり、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子が、背面層と検知マーク4との摩擦係数を上げる役割を担っていることは明らかである。
検知マーク4の形成位置について特に限定はなく、検知マーク4は、画像形成の用に供した使用済みの本発明の熱転写シート10を巻き取っていったときに、背面層5と接することができる位置に設けられていればよい。例えば、図1に示すように、基材1の同一面上に染料層3と検知マーク4を面順次に設けた構成としてもよく、図2に示すように、基材1に設けられる染料層3上に検知マーク4を設けた構成としてもよい。また、図示する形態に限定されることはなく、任意の層、例えば、染料層3と図示しない保護層とを基材1の同一面上に面順次に設けた構成において、該保護層上に検知マーク4を設けた構成とすることもできる。なお、検知マーク4の一部が任意の層等によって覆われていてもよいが、少なくとも検知マーク4の表面の一部は露出している必要がある。
検知マーク4の形状について特に限定はなく、センサー等の検知器によって検出可能な形状であればよい。検知マーク4の形状としては、例えば、1本線、或いは2本線以上のストライプ形状や、四角形状、丸形状等を挙げることができる。検知マーク4は、隣接する染料層3間に設けられていてもよく、染料層3上に設けられていてもよく、任意の層と染料層との間や、任意の層上に設けられていてもよいが、染料層3や、任意の層上に検知マーク4を設ける場合には、画像形成に影響を与えない領域、例えば、染料層3の外周部近傍等に設けられていることが好ましい。また、検知マーク4は、画像形成の開始位置を示すものであるため、1区画に相当する長さ毎に設けられていることが好ましい。例えば、染料層3が面順次に設けられた構成をとる場合には、各染料層3の先頭位置、具体的には、先頭の染料層3と隣接する染料層や任意の層との間、或いは先頭の染料層3上に設けられていることが好ましい。なお、図1に示す形態では、各染料層間に検知マーク4が設けられており、図2に示す形態では、各染料層上に検知マークが設けられている。
検知マーク4は、アルミナ粒子、及び炭酸カルシウム粒子の何れか一方の粒子を含有していてもよく、双方の粒子を含有していてもよい。また、これらの粒子とともに、他の成分を含有していてもよい。他の成分について特に限定はなく、検知マーク4が何れの方式の検知器によって検出されるマークであるかに応じて、検知マーク4に含まれる他の成分は異なる。以下、検知マーク4が、光透過型検知器によって検出されるマークである場合を中心に説明を行うが、検知マーク4は、背面層5との摩擦係数を上げるための必須の成分であるアルミナ粒子、及び/又は炭酸カルシウム粒子を含有し、従来公知の検知器によって検出が可能な構成となっていればよく、光透過型検知器以外の他の方式の検知器によって検出可能な検知マーク4、例えば、光反射型検知器によって検出される検知マーク4や、これ以外の方式の検出器によって検出可能な検知マーク4とすることもできる。
検知マーク4が光透過型検知器によって検出されるマークである場合には、該検知マーク4は、必須の成分であるアルミナ粒子、及び/又は炭酸カルシウム粒子と、該検知器によって検出可能な色材、及びバインダー樹脂を含有する。
光透過型検知器によって検出可能な色材としては、例えば、カーボンブラックや、酸化チタン等が挙げられる。また、バインダー樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が挙げられる。
以下、検知マーク4に含有される無機粒子としてのアルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子について更に具体的に説明する。
検知マーク4に含有される無機粒子としてのアルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子の形状について特に限定はないが、1つ以上の角を有する形状であることが好ましい。このような形状のアルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子を検知マーク4に含ませることで、検知マーク4と背面層5との摩擦係数を更に上げることができ、高速での画像形成に対応すべく背面層5の滑性を高くした場合等に特に有効である。
また、アルミナ粒子、炭酸カルシウムの形状が上記形状である場合に、1つ以上の角を有する部分が、検知マーク4の表面の一部から突出していることが好ましい。なお、1つ以上の角を有する形状としては、多角形状、多面体、不定形などの形状を挙げることができ、角を有しない形状、例えば、形形状、鱗片形状等は、1つ以上の角を有する形状には含まれない。なお、このことは、検知マーク4に、球形状等のアルミナ粒子や、球形状等の炭酸カルシウム粒子が含まれることを除外するものではなく、1つ以上の角を有しない形状のアルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子を検知マーク4に含ませた場合であっても、摩擦係数を上げることができる。
検知マーク4に含有されるアルミナ粒子や、炭酸カルシウム粒子は、画像形成時に直接的な影響を与えないことから、その粒子径について特に限定はないが、一次平均粒子径が0.1μm未満である場合には、検知マーク4の厚みによっては、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子を検知マーク4の表面から突出させることができず、検知マーク4と背面層5との摩擦係数を十分に上げることができない場合が生じうる。また、一次平均粒子径が15μmを超えると、検知マーク4の厚みによっては、検知マーク4の表面からの突出量が多くなり、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子が、検知マーク4から脱落する虞が生じうる。この点を考慮すると、検知マーク4に含有されるアルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子は、一次平均粒子径で、0.1μm以上15μm以下の範囲内であることが好ましい。
検知マーク4の固形分総量に対する、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子の含有量について特に限定はないが、アルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子の含有量が0.5質量%未満である場合には、検知マーク4と背面層5との摩擦係数を十分に上げることができない場合がある。したがって、この点を考慮すると、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子は、検知マーク4の固形分総量に対し、0.5質量%以上の割合で含有されていることが好ましい。含有量の上限について特に限定はなく、検知マーク4を検出させるための任意の成分の含有量に応じて適宜設定すればよい。
検知マーク4の厚みについても特に限定はないが、染料層3と同一面上に設ける場合には、染料層3の厚みと略同一、或いは染料層の厚みよりも厚くすることが好ましい。一方、染料層3、或いは任意の層上に検知マーク4を設けた場合には、染料層3と染料受容層とを対向するように重ね合わせる画像形成時において、検知マーク4の厚み分、画像形成時に検知マーク4近傍の染料層3と、染料受容層との距離が離れることとなる。したがって、この場合には、染料受容層へ染料層の染料を移行させるときの妨げとならないような範囲となるような厚み、例えば、0.3μm〜3μm程度とすることが好ましい。
アルミナ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子を含有する検知マーク4の形成方法についても特に限定はなく、アルミナ粒子及び/又は炭酸カルシウム粒子と、検知器によって検知を可能にするための成分や、必要に応じて含有されるバインダー樹脂等を適当な溶媒に分散、或いは溶解した塗工液を、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の従来公知の塗工手段により、基材1上、或いは染料層3や任意の層上に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。
(染料層)
図1、図2に示すように、基材1の一方の面上には染料層3が設けられている。なお、図1、図2に示す形態の熱転写シート10は、基材1上に単一の染料層3が設けられた構成をとっているが、基材1の一方の面上に、各色の染料層、例えば、イエロー染料を含むイエロー染料層と、マゼンタ染料を含むマゼンタ染料層と、シアン染料を含むシアン染料層とを面順次に設けた構成とすることもできる。これ以外にも、昇華性の染料を含有する染料層と、熱溶融性のインクを含有する染料層とを連続した1枚の基材上に面順次に設けた構成とすることもできる。
染料層3には、染料、バインダー樹脂が含まれる。染料層3に含まれる染料について特に限定はなく、例えば、本発明の熱転写シート10が、昇華型の熱転写シートである場合には、染料層3には昇華性の染料が含まれる。また、本発明の熱転写シート10が熱溶融型の熱転写シートである場合には、染料層3には熱溶融性インキが含まれる。以下、本発明の熱転写シートが、昇華型の熱転写シートである場合を中心に説明を行う。
<染料>
昇華性の染料としては、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂について特に限定されることはなく、従来公知のバインダー樹脂を適宜選択して用いることができる。好ましいバインダー樹脂としては、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、染料の移行性等の観点から、ポリビニルアセタール樹脂や、ポリビニルブチラール樹脂を特に好適に使用することができる。
昇華性染料は、染料層3のバインダー樹脂の固形分総量に対し、50質量%以上350質量%以下、好ましくは80質量%以上300質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。昇華性染料の含有量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を越えると保存性等が低下することがある。
熱溶融型の熱転写シート10の染料層3に含まれる熱溶融性インキとしては、公知の有機または無機の顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができ、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、退色しないものが好ましい。熱溶融性インキの色としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに限定されるものではなく、種々の色の着色剤を使用することができる。
熱溶融型の熱転写シートの染料層3に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等を使用可能である。
また、熱溶融型の染料層3には、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等が含まれていてもよい。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等のワックス成分が含まれていてもよい。
(他の成分)
また、染料層3には、染料、バインダー樹脂、無機粒子としてのアルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子に加え、これ以外の他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、例えば、アルミニウム、二硫化モリブデン等、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、リン酸エステル等を挙げることができる。
染料層3の形成方法としては、上記で説明した染料、バインダー樹脂、必要に応じて含有される他の成分を、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒に分散或いは溶解させた塗工液を、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の従来公知の塗工手段により、基材1上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。染料層の厚みについて特に限定はなく、0.1μm〜3μm程度が一般的である。
(下引き層)
本発明の熱転写シートが昇華型の熱転写シートである場合には、基材1と染料層3との間に下引き層(図示しない)が設けられていることが好ましい。下引き層を設けることで基材1と染料層3との密着性を向上させ、画像形成時に染料層3が異常転写されることを防止することができる。
下引き層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
また、下引き層をコロイド状無機顔料超微粒子から構成することもできる。これにより熱転写時の熱転写受像シートへ染料層3の異常転写を防止できるだけでなく、画像形成時の染料層3から下引き層への染料の移行を防止し、熱転写受像シートの受容層側への染料拡散を有効に行なうことができ、印画濃度を高めることができる。
コロイド状無機顔料超微粒子として、従来公知の化合物が使用できる。例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、一次平均粒径で100nm以下、好ましくは50nm以下で用いることが好ましい。
下引き層は、上記で例示した樹脂や、コロイド状無機顔料超微粒子を適当な溶媒に溶解或いは分散した下引き層用塗工液をグラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来から公知の形成手段により、塗布・乾燥して形成することができる。下引き層用塗工液の塗工量は、0.02g/m2〜1.0g/m2程度であることが好ましい。
本発明の熱転写シートが熱溶融型の熱転写シートである場合には、基材1と染料層3との間に離型層(図示しない)が設けられていることが好ましい。離型層を形成する樹脂としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。また、離型層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また離型層は、離型性樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。離型層の厚みは0.5μm〜5μm程度が一般的である。離型層の形成方法としては、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、これを基材1上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
(転写性保護層)
図示しないが、本発明の熱転写シート、及び本発明の画像形成方法に用いられる熱転写シート10は、基材1上に染料層3と転写性保護層とを面順次に設けられた構成をとることもできる。転写性保護層は、画像に各種の耐久性を付与するための層である。転写性保護層は、多層構造をとっていてもよいし、単層構造をとっていてもよい。染料層3と転写性保護層とが面順次に設けられた熱得転写シートによれば、被転写体上に画像を形成すること、及びこの画像に耐久性を付与することを1つの熱転写シートによって達成することができる。
転写性保護層は、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成することができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を挙げることができる。
単層構造の転写性保護層又は多層構造の転写性保護層を構成する主保護層は、保護層形成用樹脂の種類にもよるが、通常は0.5μm〜10μm程度の厚さであることが好ましい。
転写性保護層と基材との間に離型層が設けられてもよい。離型層を構成する樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等を挙げることができる。
(背面層)
図1に示すように、基材1の他方の面に、耐熱性、及び画像形成時における滑性を向上させるための背面層5が設けられている。
背面層5は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂に硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、背面層の塗膜強度や耐熱性を向上させる。
また、背面層5には、上記熱可塑性樹脂に加え、サーマルヘッド等の加熱デバイスとの滑性を向上させるための滑剤成分が含有されていることが好ましい。滑剤成分について特に限定はなく、従来公知の滑剤、例えば、リン酸エステル、金属石鹸、グラファイトパウダー、フッ素系グラフトポリマー、シリコーンオイル、シリコーン系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体、脂肪酸エステル等を適宜選択して用いることができる。上記滑剤成分の中でも、本発明では、リン酸エステルや金属石鹸を特に好適に使用することができる。なお、本発明では、検知マーク4に、検知マーク4と背面層5との摩擦係数を上げるためのアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子が含有されていることから、背面層5に滑剤成分を含有させ、背面層5の滑性を向上させた場合であっても、使用済みの熱転写シートを巻き取っていく際に、巻ずれが発生することを防止することができる。
金属石鹸としては、例えば、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等が挙げられる。上記アルキルリン酸エステルの多価金属塩としては、プラスチック用添加剤として公知のものを使用することができる。上記アルキルリン酸エステルの多価金属塩は、一般に、アルキルリン酸エステルのアルカリ金属塩を多価金属で置換することによって得られ、種々のグレードのものが入手可能である。
リン酸エステルとしては、例えば、(1)炭素数6〜20の飽和又は不飽和高級アルコールのリン酸モノエステル又はジエステル、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルのリン酸モノエステル又はジエステル、(3)上記飽和又は不飽和高級アルコールのアルキレンオキシド付加物(平均付加モル数1〜8)のリン酸モノエステル又はジエステル、(4)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルフェノール又はアルキルナフトールのリン酸モノエステル又はジエステル等が挙げられる。上記(1)及び(3)における飽和又は不飽和高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。上記(3)におけるアルキルフェノールとしては、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニルフェノール等が挙げられる。
滑剤成分の含有量について特に限定はないが、背面層5の固形分総量に対し、滑剤成分の含有量が5質量%未満である場合には、背面層5の滑性が不十分となり、形成される画像の光沢感が低下し、また、印画シワの発生が生ずる場合がある。一方、滑剤成分の含有量が50質量%を超えると、滑剤の削りカスがサーマルヘッドへ付着しやすくなり、印画不良を引き起こす可能性がある。このような点を考慮すると、滑剤成分の含有量は、背面層5の固形分総量に対し、5質量%以上50質量%以下の範囲内であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下の範囲内であることが特に好ましい。滑剤成分の含有量を、背面層5の固形分総量に対し、5質量%以上50質量%以下の範囲内とすることで、画像形成時における熱転写シート10の画像形成時における印画所要時間を、10秒/枚以下とした場合であっても、印画シワや、スティッキングの発生を防止することができる。また、上記検知マーク4に含まれるアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子の存在によって、使用済みの熱転写シートを上記印画所要時間の条件で巻き取った時でも巻ずれが発生することを防止することができる。なお、ここでいう印画所要時間とは、PCサイズ(4×6インチ:印画方向に4インチ)1枚をプリントアウト(プリンターのサーマルヘッドが加熱され印画物形成を開始したポイントから印画物がプリンター外部へ排出されるまでの工程)するまでに要する時間のことを意味する。
背面層5は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1の染料層3の反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層5の塗工量は、乾燥後塗工量が3g/m2以下であることが好ましく、0.1g/m2〜2g/m2にすることがより好ましい。
(背面プライマー層)
また、基材1と背面層5との間に背面プライマー層(図示しない)を設けることとしても良い。背面プライマー層は、基材1と、背面層5との密着性を向上させるために設けられる層であり、任意の層である。背面プライマー層として、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。
以上、本発明の熱転写シート10について説明したが、本発明の熱転写シート10は、本発明の趣旨を妨げない範囲内で各種の変更が可能である。例えば、図1、図2に示す形態では、隣接する染料層3間、或いは染料層3上に検知マーク4が設けられた構成としているが、染料層3と同一面上に転写性保護層を設け、この転写性保護層上、或いは転写性保護層と染料層3との間に検知マーク4を設けた構成とすることもでき、これらの形態の熱転写シートも本発明の範囲に含まれる。
また、本発明の熱転写シート10は、例えば、図4に示すように、その一端を供給用ローラに巻き上げ、巻き終わりの端と巻取り用ローラとを固着させた一対の形態として画像形成装置内に装置着することで使用することができる。
<<画像形成方法>>
次に、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、基材の一方の面上に染料層が設けられ、基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、熱転写シートの基材上には、検知マークが更に設けられ、該検知マークは、無機粒子としてアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子を含有しており、画像形成時における熱転写シートの印画所要時間が10秒/枚以下であることを特徴とする。本発明の画像形成方法によれば、高速での画像形成を可能としつつ、使用済みの熱転写シートを巻き取っていった際に生じうる巻ずれの発生を防止することができる。巻ずれの発生が防止できる理由は、上記本発明の熱転写シート10で説明した通りである。
(熱転写シート)
本発明の画像形成方法で用いられる熱転写シートは、上記本発明の熱転写シート10をそのまま用いることができる。なお、本発明の画像形成方法では、画像形成時における熱転写シートの印画所要時間が10秒/枚以下に規定されていることから、この印画所要時間の条件において印画シワや、スティッキングの発生が生じないように、背面層に十分な滑性が付与されていることが好ましい。背面層に十分な滑性を付与する方法としては、背面層に滑剤成分を含有する方法等を挙げることができる。滑剤成分については、上記本発明の熱転写シートの背面層で説明した通りである。
(熱転写受像シート)
次に、本発明の画像形成方法に用いられる熱転写受像シートについて説明する。図3に示すように、本発明で用いられる熱転写受像シート30は、他の基材21の一方面に染料受容層22が設けられた構成をとる。他の基材21、染料受容層22についていかなる限定もされることはなく、従来公知の構成をそのまま用いることができる。
たとえば、染料受容層22が、水系の染料受容層22、具体的には、水系溶媒に溶解或いは分散可能な樹脂、例えば水溶性樹脂、水溶性高分子、若しくは水系樹脂等を、水系溶媒に溶解或いは分散させた水系塗工液を用いて形成された染料受容層である場合には、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等からなるものや、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単独重合体系エマルジョン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−スチレン共重合体系エマルジョン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、セメントフィラーエマルジョン等の成分を含む図示しない目止め層が設けられていることが好ましい。また、他の基材21と染料受容層22との間に、断熱性やクッション性を付与する機能を有する中空粒子等を含む図示しない断熱層が設けられていてもよい。
(画像の形成)
本発明の画像形成方法では、画像形成時における前記熱転写シートの印画所要時間が10秒/枚以下に規定されている。画像形成時における前記熱転写シートの印画所要時間が10秒/枚以下である本発明の画像形成方法によれば、高速での画像形成が可能となる。また、画像形成時の速度は、画像形成の用に供した使用済みの熱転写シートを巻き取るときの速度と同じ速度となるが、上記のように、本発明の画像形成方法に用いられる熱転写シートには、基材上に設けられる検知マークにアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子が含有されていることから、高速での画像形成を行った場合であっても、使用済みの熱転写シートを巻き取っていった際に巻ずれが発生することを防止することができる。印画所要時間の下限について特に限定はないが、3秒/枚未満の条件では、印画シワや、スティッキングが発生しやすくなることから、3秒/枚以上であることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。また、粒子径は一次平均粒子径である。
(実施例1)
基材として、幅160mm、長さ:225m、厚み:5μmの長尺状の易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを準備し、この基材の一方の全面に、下記組成の背面層用塗工液1を乾燥時0.8g/m2になるように塗布し、背面層を形成した。次いで、基材の他方の面の全面に、下記組成の下引き層用塗工液を、乾燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布、乾燥して下引き層を形成することで、背面層/基材/下引き層がこの順で積層された積層体を得た。この積層体の下引き層上に、1画面が図5に示す形態となるようにイエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1をそれぞれ、乾燥時塗工量が0.6g/m2となるように塗工して、Y染料層、M染料層、C染料層を形成した。また、図5に示す形態となるように離型層用塗工液1、転写性保護層用塗工液1、検知マーク用塗工液1を用いてそれぞれの乾燥塗布量が0.6g/m2、1.0g/m2、0.6g/m2となるように離型層、転写性保護層、検知マークを形成した。上記積層体上に400画面分繰り返して形成し、DS40プリンター用純正リボンと同じ形態に加工することで実施例1の熱転写シートを作製した。
<背面層用塗工液1>
・ポリビニルブチラール樹脂 40部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(固形分100% NCO=17.3質量%) 35部
(バーノックD750−45 大日本インキ化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・タルク 5部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株)製)
・メチルエチルケトン 450部
・トルエン 450部
<下引き層用塗工液1>
・コロイダルシリカ(粒子径4〜6nm、固形分10%) 30部
(スノーテックスOXS、日産化学工業(株)製)
・ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP社製) 3部
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
<イエロー染料層用塗工液1>
・Solvent Yellow 93 2.0部
・Disperse Yellow 231 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<マゼンタ染料層用塗工液1>
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液1>
・Solvent Blue 63 2.0部
・Disperse Blue 354 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<離型層用塗工液1>
・シリコーン変性アクリル系樹脂(固形分50%) 16部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株)製)
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 8部
・トルエン 8部
<転写性保護層用塗工液1>
・アクリル樹脂 20部
(ダイヤナールBR87、三菱レイヨン(株)製)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
<検知マーク用塗工液1>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形アルミナ粒子 1.4部
(SA32 日本軽金属(株)製 粒子径:1μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例2)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液2に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液2>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形アルミナ粒子 14部
(SA32 日本軽金属(株)製 粒子径:1μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例3)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液3に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液3>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形アルミナ粒子 28部
(SA32 日本軽金属(株)製 粒子径:1μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例4)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液4に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液4>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形アルミナ粒子 14部
(SA34 日本軽金属(株)製 粒子径:4μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例5)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液5に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液5>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・球形アルミナ粒子 14部
(AX3−15 新日鉄マテリアルズ(株)マイクロン社製 粒子径:2.5μm〜4.5μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例6)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液6に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液6>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形炭酸カルシウム粒子 1.4部
(ホワイトシールWS−K 竹原化学工業(株)製 粒子径:5μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例7)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液7に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液7>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形炭酸カルシウム粒子 14部
(ホワイトシールWS−K 竹原化学工業(株)製 粒子径:5μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例8)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液8に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液8>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形炭酸カルシウム粒子 28部
(ホワイトシールWS−K 竹原化学工業(株)製 粒子径:5μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例9)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液9に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液9>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形炭酸カルシウム粒子 14部
(ACE−35 林化成(株)製 粒子径:0.7μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例10)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液10に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例10の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液10>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形炭酸カルシウム粒子 14部
(ネオライトSP−100 竹原化学工業(株)製 粒子径:0.08μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例11)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液11に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例11の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液11>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形アルミナ粒子 56部
(SA32 日本軽金属(株)製 粒子径:1μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例12)
背面層用塗工液1を下記組成の背面層用塗工液2に変更し、検知マーク用塗工液1を、上記組成の検知マーク用塗工液2に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例12の熱転写シートを作製した。
<背面層用塗工液2>
・ポリビニルアセタール樹脂 35部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(固形分45%) 30部
(バーノックD750−45 大日本インキ化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・リン酸エステル 10部
(プライサーフA−208N、第一工業製薬(株)製)
・タルク 5部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株)製)
・メチルエチルケトン 450部
・トルエン 450部
(実施例13)
背面層用塗工液1を上記組成の背面層用塗工液2に変更し、検知マーク用塗工液1を、上記組成の検知マーク用塗工液7に変更した以外は全て実施例1と同様にして実施例13の熱転写シートを作製した。
(比較例1)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液Aに変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液A>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(比較例2)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液Bに変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液B>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形酸化チタン粒子 14部
(TTO−D2 石原産業(株)製 粒子径:0.25μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(比較例3)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液Cに変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液C>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形シリカ粒子 14部
(サイリシア310P 富士シリシア化学(株)製 粒子径:2.7μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(比較例4)
検知マーク用塗工液1を、下記組成の検知マーク用塗工液Dに変更した以外は全て実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを作製した。
<検知マーク用塗工液D>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・不定形タルク粒子 14部
(ミクロエースP−3 日本タルク(株)製 粒子径:5μm)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(巻ずれ評価)
上記で得られた各実施例、及び比較例の熱転写シートを、昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS−40)にセットし、DS−40純正受像紙に400画面連続印画を行い、巻取り側リボンの巻きズレを確認した。また、ここで使用するDS−40は巻取りテンションを通常の80%に設定したプリンター、60%に設定したプリンターを用意し、それぞれのプリンターで評価した。また、DS−40の印画所要時間は8秒/枚である。
(評価基準)
◎:巻きズレなし
○:わずかにずれるが画像障害もなく、容易に取り外し可能
×:巻きズレ発生し取り外し困難
Figure 2014069514
10、100…熱転写シート
1…基材
3…染料層
4…検知マーク
5…背面層
30…熱転写受像シート
21…他の基材
22…染料受容層
101…供給用ローラ
102…巻取り用ローラ

Claims (5)

  1. 基材の一方の面上に染料層が設けられ、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートであって、
    前記基材上には検知マークが更に設けられ、
    前記検知マークは、無機粒子としてアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子を含有していることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記無機粒子が、1つ以上の角を有する形状の無機粒子であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記検知マークの固形分総量に対し、前記無機粒子が0.5質量%以上の割合で含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記無機粒子の粒子径が、一次平均粒子径で0.1μm以上15μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写シート。
  5. 基材の一方の面上に染料層が設けられ、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面上に染料受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、
    前記熱転写シートの前記基材上には検知マークが更に設けられ、
    前記検知マークは、無機粒子としてアルミナ粒子、又は炭酸カルシウム粒子を含有しており、
    画像形成時における前記熱転写シートの印画所要時間が10秒/枚以下であることを特徴とする画像形成方法。
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