JPWO2018123175A1 - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
基材1の一方の面上に転写層10が設けられた熱転写シート100であって、熱転写シート供給手段201、加熱手段202、熱転写シート巻取り手段203、加熱手段202と熱転写シート巻取り手段203との間に位置する測定手段204、加熱手段202と測定手段204との間に位置する剥離手段205を有するプリンタ200を用い、印加エネルギー0.177mJ/dot、熱転写シート100の搬送速度28.2mm/sec.とする条件にて、被転写体300上に転写層10を転写しながら、被転写体300上に転写された転写層10を、熱転写シート100から50°の剥離角度で剥離したタイミングにおいて、測定手段204により測定される引張強度が0.29N/cm以下となる熱転写シート100とすることで上記課題を解決している。
Description
以下、本発明の一実施形態の熱転写シート(以下、一実施形態の熱転写シートと言う場合がある)について詳細に説明する。図1〜図3は、一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。図1〜図3に示すように、一実施形態の熱転写シート100は、基材1と、当該基材1から剥離可能に設けられた転写層10とを備える。
印加エネルギー(mJ/dot)=W×L.S.×P.D.×エネルギー階調値・・・(1)
(式(1)中の[W]は印加電力、[L.S.]はライン周期(msec./line)、[P.D.]はパルスDutyを意味する)
印加電力(W/dot)=V2/R・・・(2)
(式(2)中の[V]は印加電圧、[R]は加熱手段の抵抗値を意味する。)
搬送速度(mm/sec.)=(25.4/(副走査方向の印字密度(dot/inch)×ライン周期(msec./line)))×1000・・・(3)
(式(3)中の25.4は、inchを、mmに換算するための数値である。)
次に、上記「特定の測定条件」にて、被転写体300上に転写層10を転写し、被転写体上に転写された転写層10を、熱転写シート100の基材1から剥離する際に用いられるプリンタについて説明する。
第1の手段は、転写層10に含有せしめる成分を適宜選択して、上記「特定の測定条件」における引張強度を0.29N/cm以下となるように調整する手段である。具体的には、転写層を構成する層のうち、転写界面に位置する層の剥離性を向上させる手段である。
第2の手段は、熱転写シートを構成する構成部材や、転写層10の厚み、例えば、基材1の厚み、転写層10の厚み、基材1の他方の面上に設けられる任意の層の厚み、例えば、背面層の厚みを適宜調整して上記「特定の測定条件」における引張強度を0.29N/cm以下となるように調整する手段である。具体的には、基材1、転写層10を構成する層、及び任意の層のうちの1つ、又は複数の層の厚みを厚くする手段である。第2の手段によれば、基材1の他方の面側から印加されるエネルギーが転写層10に伝達されるエネルギーの伝達効率を抑え、これにより、上記「特定の測定条件」における引張強度が0.29N/cm以下となるように調整できる。また、基材1や、基材1の他方の面上に設けられる任意の層の厚みを調整する方法にかえて、基材1や、基材1の他方の面上に設けられる任意の層の材料として、エネルギーの伝達効率が低い材料を用いることで、基材1の他方の面側に印加されたエネルギーが、転写層10に伝達されるまでのエネルギーの伝達効率を抑えることもできる。
第3の手段は、基材1と転写層10との間に、転写層10の転写性を向上させる任意の層を設け、上記「特定の測定条件」における引張強度を0.29N/cm以下に調整する手段である。任意の層としては、例えば、離型層等を挙げることができる。なお、第3の手段のみによって、上記「特定の測定条件」における引張強度を0.29N/cm以下に調整することは難しく、引張強度の調整の観点からは、第3の手段は、上記第1の手段や、第2の手段により引張強度を調整する補助的な手段として、或いは、後述する第4の手段と組合せて用いること好ましい。また、離型層の材料とともに、離型層の厚みを厚くする等の対策により引張強度の調整を図ることもできる。なお、離型層は、転写層10を構成しない層であり、転写層10の転写時に、熱転写シート側に残る層である。
第4の手段は、転写層10自体の耐熱性を考慮して、上記「特定の測定条件」における引張強度を0.29N/cm以下に調整する手段である。転写層の耐熱性を向上させる手段としては、例えば、硬化剤によって硬化された硬化樹脂を含有せしめる方法等を挙げることができる。なお、第4の手段のみによって、上記「特定の測定条件」における引張強度を0.29N/cm以下に調整することは難しく、引張強度の調整の観点からは、第4の手段は、上記第1の手段や、第2の手段により引張強度を調整する補助的な手段として、或いは上記第3の手段と組合せることが好ましい。
基材1は、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成であり、当該基材1の一方の面上に設けられる転写層10を保持するために設けられる。基材1の材料について特に限定はないが、転写層10を被転写体上に転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材1として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。
図1〜図3に示すように、基材1の一方の面上には、当該基材1から剥離可能な転写層10が設けられている。転写層10は、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成である。
一実施形態の熱転写シートにおける実施形態Aの転写層10(以下、実施形態Aの転写層と言う)は、図1に示すように、基材1側から受容層2、接着層5がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。また、図1に示す形態にかえて、受容層2と接着層5との間に保護層(図示しない)を設けることもできる。また、図1に示す形態にかえて、受容層2のみからなる単層構成の転写層10とし、この受容層2自体に接着性を付与することもできる(図示しない)。実施形態Aの転写層10を備える熱転写シート100は、熱転写受像シートを形成するための熱転写シートである。接着層5としては、熱転写シートの分野において従来公知の接着層を適宜選択して用いることができる。また、第1の手段以外によって、上記「特定の測定条件」における引張強度を0.29N/cm以下に調整する場合には、受容層2として、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。
一実施形態の熱転写シートにおける実施形態Bの転写層10(以下、実施形態Bの転写層と言う)は、図2に示すように、基材1側から、剥離層4、受容層2がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。実施形態Bの転写層10を備える熱転写シート100は、当該熱転写シートの受容層に熱転写画像を形成し、熱転写画像が形成された受容層を含む転写層を被転写体上に転写して、印画物を得るための中間転写媒体としての機能を果たす。また、図2に示す形態にかえて、基材1の一方の面上に、基材1側から、剥離層(保護層と称される場合もある)、接着層がこの順で積層されてなる積層構成、或いは、基材1の一方の面上に、剥離層のみからなる単層構成の転写層を設けた熱転写シートとすることもできる。この形態の熱転写シートは、被転写体上に転写層を転写して、被転写体の耐久性を向上させる保護層転写シートとしての機能を果たす。
一実施形態の熱転写シートにおける実施形態Aの転写層10(以下、実施形態Aの転写層と言う)は、図3に示すように、熱溶融インキ層7から構成される単層構成を呈している。実施形態Cの転写層10を備える熱転写シート100は、被転写体上に熱溶融インキ層7を層ごと転写して被転写体上に熱転写画像を形成する機能を果たす。
不可視光線吸収材料含有層8は、不可視光線吸収材料を含有している。本願明細書で言う不可視光線吸収材料とは、可視光を吸収せず、或いは殆ど吸収せず、赤外光や紫外光等で励起される材料を意味する。
また、一実施形態の熱転写シート100は、転写層を構成しない任意の層を備えていてもよい。任意の層としては、基材1と転写層10との間に設けられ、転写層10の転写性を向上させるための離型層(図示しない)や、基材1の他方の面上に設けられ、耐熱性や、サーマルヘッド等の加熱部材の層構成を向上させるための背面層等を挙げることができる。これら任意の層は、上記第1の手段や、第2の手段による引張強度を調整するときの補助的な手段として設けることができる。
一実施形態の熱転写シート100の転写層10が転写される被転写体について特に限定はなく、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード、熱転写受像シート、任意の対象物上に中間転写媒体の転写層が転写されてなる印画物等を挙げることができる。
基材として、厚みが5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該基材の一方の面上に下記組成の受容層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1μmとなるように、塗布・乾燥し受容層を形成した。次いで、この受容層上に、下記組成の接着層用塗工液を、乾燥時の厚みが1μmとなるように、塗布・乾燥し接着層を形成した。また、基材の他方の面上に、下記組成の背面層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1μmとなるように、塗布・乾燥し、背面層を形成することで、基材の一方の面上に、当該基材側から受容層、接着層がこの順で積層されてなる転写層が設けられ、基材の他方の面上に背面層が設けられた実施例1の熱転写シートを得た。なお、厚みが5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、JIS−C−2151(2006)に準拠した方法により測定したときの熱収縮率は、2.95%であった。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 16.7部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・セルロースアセテートブチレート 1部
(CAB−381−0.5 イーストマンケミカル(株))
・有機変性シリコーン 1.8部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・有機変性シリコーン 0.5部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
・アクリル系樹脂 8部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 2部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・メチルエチルケトン 30部
・トルエン 30部
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 5.5部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル 1.6部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.35部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク(株))
・ポリエチレンワックス 0.3部
・メチルエチルケトン 18.5部
・トルエン 18.5部
厚みが5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに変更した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。なお、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、JIS−C−2151(2006)に準拠した方法により測定したときの熱収縮率は、5.5%であった。
厚みが5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに変更し、受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液2に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。なお、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、JIS−C−2151(2006)に準拠した方法により測定したときの熱収縮率は、5.5%であった。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15.7部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・セルロースアセテートブチレート 2部
(CAB−381−0.5 イーストマンケミカル(株))
・有機変性シリコーン 1.8部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・有機変性シリコーン 0.5部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
厚みが5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、厚みが4.3μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに変更した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを得た。なお、厚みが4.3μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、JIS−C−2151(2006)に準拠した方法により測定したときの熱収縮率は、3.15%であった。
厚みが5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、厚みが5.7μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに変更し、受容層用塗工液1を、上記組成の受容層用塗工液2に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを得た。なお、厚みが5.7μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、JIS−C−2151(2006)に準拠した方法により測定したときの熱収縮率は、2.8%であった。
厚みが5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに変更し、受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液Aに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを得た。なお、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、JIS−C−2151(2006)に準拠した方法により測定したときの熱収縮率は、5.5%であった。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 1部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
厚みが5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに変更し、受容層用塗工液1を、上記組成の受容層用塗工液Aに変更して受容層を形成し、背面層用塗工液1を、下記組成の背面層用塗工液Aに変更して背面層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを得た。なお、厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、JIS−C−2151(2006)に準拠した方法により測定したときの熱収縮率は、5.5%であった。
・ポリビニルブチラール樹脂 6部
(#3000−4 デンカ(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 8部
(バーノック(登録商標)D750−45 DIC(株))
・ステアリルリン酸亜鉛 3部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株))
・ステアリン酸亜鉛 3部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・タルク 1.5部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク(株))
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株))
・メチルエチルケトン 62.92部
・トルエン 12.58部
厚み35μmの多孔質ポリオレフィンフィルム(SP−U 三井化学東セロ(株))上に、下記組成のプライマー層用塗工液を、乾燥時の厚みが1.5μmとなるように塗布・乾燥してプライマー層を形成し、次いで、プライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液(i)をバーコーターにより、乾燥時の厚みが4μmとなるように塗布・乾燥して受容層を形成し、多孔質ポリオレフィンフィルム上に、プライマー層、受容層がこの順で積層された積層体を得た。次いで、厚み400μm(坪量310g/m2)の芯材紙(OKLカード 王子製紙(株))の一方の面上に、上記で得られた積層体を、貼合した。また、上記芯材紙の他方の面も同様に、多孔質ポリオレフィンフィルム上に、プライマー層、受容層がこの順で積層された積層体を貼合した。なお、芯材紙と積層体との添合は、下記組成の接着層用塗工液(i)(厚み4μm)により行った。これにより、芯材紙の両面に、当該芯材紙側から、多孔質ポリオレフィンフィルム、プライマー層、受容層が設けられた被転写体を得た。
・ポリエステル樹脂 4.2部
(ポリエスター(登録商標)WR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 8.4部
(TCA−888 堺化学工業(株))
・蛍光増白剤 0.07部
(ユビテックス(登録商標)BAC BASFジャパン社)
・イソプロピルアルコール 7.2部
・水 21部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・シリコーンオイル 1部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・トルエン 20部
・酢酸エチル 20部
・ポリオール樹脂 30部
(タケラック(登録商標)A−969V 三井化学(株))
・イソシアネート 10部
(タケネート(登録商標)A−5 三井化学(株))
・酢酸エチル 60部
上記で作成した各実施例、及び比較例の熱転写シートと、上記で作成した被転写体とを組合せ、下記熱時剥離タイプのテストプリンタ1を用いて被転写体上に、熱転写シートの転写層を転写しながら、当該転写された転写層を基材から剥離することで、被転写体上に転写層が設けられた各実施例、及び比較例の印画物を得た。この印画物を得るにあたり、被転写体上に転写された転写層を、基材から50°の剥離角度で剥離するタイミングにおける、熱転写シートの応力を、プリンタ内において、熱転写シートの巻取ロールと、加熱手段(サーマルヘッド)との間に設けられたテンションメータ(ASK−1000型 大倉インダストリー(株))により測定した。次いで、テンションメータにて測定された応力を、熱転写シートの加熱幅(エネルギーの印加幅)で除することで引張強度の値を算出した。また、上記テストプリンタ1において、印加エネルギーが、0.177mJ/dotから、0.169mJ/dotとなるように、テストプリンタ1の条件を変更(印加電圧を18.7Vから18.3Vに変更)したときの引張強度の値についても同様にして算出を行った。表1に引張強度の算出結果を示す。なお、テストプリンタ1の条件において、引張強度が0.29N/cm以下となる熱転写シートを実施例の熱転写シートとし、0.29N/cmより大きい熱転写シートを比較例の熱転写シートとしている。
・発熱体平均抵抗値:5045(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi)
・副走査方向印字密度:300(dpi)
・印加電圧:18.7(V)
・ライン周期:3(msec.)
・パルスDuty:85(%)
・印画開始温度:29.0〜36.0(℃)
・発熱ポイントから剥離板までの距離:4.5(mm)
・印圧:3.5〜4.0(kgf)(34.3〜39.2(N))
・評価画像(エネルギー階調):255/255階調画像
・上式(1)により算出される印加エネルギー:0.177(mJ/dot)
・上式(3)により算出される搬送速度:28.2(mm/sec.)
各実施例、及び比較例の熱転写シートと、上記で作成した被転写体との組合せにおいて、以下の評価基準に基づいて、上記熱時剥離タイプのテストプリンタ1を用いて、印加エネルギー0.177(mJ/dot)の条件で被転写体上に転写層を転写したときの熱融着の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
A:熱融着、及び剥離音の発生がなく、基材から転写層を良好に剥離できる。
B:熱融着の発生がなく、基材から転写層を良好に剥離できるが、剥離音が発生している。
NG:転写層の一部又は全部で熱融着が発生し、基材から転写層の一部又は全部を剥離できない。
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、上記組成の背面層用塗工液1を乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥して背面層を形成した。次いで、基材の他方の面に、下記組成の染料プライマー層用塗工液を乾燥時の厚みが0.15μmになるように塗布・乾燥して染料プライマー層を形成した。この染料プライマー層上に、下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン染料層用塗工液を、乾燥時の厚みが0.7μmとなるように面順次に塗布・乾燥して、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を形成し染料層を有する熱転写シートを得た。
・コロイダルアルミナ(固形分10.5%) 3.5部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体 1.5部
(PVP/VA E−335 アイエスピー・ジャパン社)
・水 47.5部
・イソプロピルアルコール 47.5部
・ソルベントイエロー93 2.5部
・ディスパースイエロー201 2.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・有機変性シリコーンオイル 0.04部
・トルエン 50部
・メチルエチルケトン 50部
・ディスパースレッド60 3部
・ディスパースバイオレット26 3部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・有機変性シリコーンオイル 0.05部
・トルエン 50部
・メチルエチルケトン 50部
・ソルベントブルー63 3部
・ディスパースブルー354 4部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・有機変性シリコーンオイル 0.05部
・トルエン 50部
・メチルエチルケトン 50部
上記熱融着評価で得られた、各実施例、及び比較例の印画物の転写層上(各実施例、及び比較例の熱転写シートの転写層を構成する受容層上)に、上記で作成した染料層を有する熱転写シートのイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を用いて、ブラック画像(0/255階調)を形成した。形成したブラック画像を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて、染料染着性の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。なお、画像に濃淡ムラが発生していないということは、転写層を剥離するときの剥離性が良好であり、受容層の表面の平滑性が高い(受容層が正常に転写されている)ことを意味する。
A:ブラック画像に濃淡ムラが発生していない。
NG:ブラック画像に濃淡ムラが発生している。
2…受容層
4…剥離層
5…接着層
7…熱溶融インキ層
8…不可視光線吸収材料含有層
10…転写層
100…熱転写シート
200…プリンタ
201…熱転写シート供給手段
202…加熱手段
203…熱転写シート巻取り手段
204…測定手段
205…剥離手段
300…被転写体
また、上記の熱転写シートは、前記受容層が、シリコーンオイルをさらに含有していてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に転写層が位置する熱転写シートであって、前記転写層は、受容層のみからなる単層構成、又は転写界面に位置する受容層を含む積層構成を呈しており、前記受容層が、セルロースアセテートブチレート、及びセルロースアセテートプロピオネートの何れか一方、又は双方を含有しており、前記熱転写シートと被転写体とを重ね合わせ、熱転写シート供給手段、加熱手段、熱転写シート巻取り手段、前記加熱手段と前記熱転写シート巻取り手段との間に位置し搬送経路に沿って搬送される熱転写シートの引張強度を測定する測定手段、前記加熱手段と前記測定手段との間に位置する剥離手段を有する熱時剥離タイプのプリンタを用い、印加エネルギー0.177mJ/dot、熱転写シートの搬送速度28.2mm/sec.とする条件にて、前記被転写体上に前記転写層を転写しながら、前記被転写体上に転写された前記転写層を、前記熱転写シートから50°の剥離角度で剥離したタイミングにおいて、前記測定手段により測定される引張強度が0.29N/cm以下であり、前記引張強度が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を10質量部、シリコーンオイルを1質量部の割合で含有する被転写体を用いて測定したときの引張強度である。
また、上記の熱転写シートは、前記条件にて測定される前記引張強度と、前記条件のうち前記印加エネルギーを0.177mJ/dotから0.169mJ/dotに変更したときに測定される引張強度との差の絶対値が、0.25N/cm以下であってもよい。
また、上記の熱転写シートは、前記条件にて測定される前記引張強度と、前記条件のうち前記印加エネルギーを0.177mJ/dotから0.169mJ/dotに変更したときに測定される引張強度との差の絶対値が、0.25N/cm以下であってもよい。
また、上記の熱転写シートは、前記受容層が、シリコーンオイルをさらに含有していてもよい。
Claims (3)
- 基材の一方の面上に転写層が位置する熱転写シートであって、
前記熱転写シートは、
前記熱転写シートと被転写体とを重ね合わせ、熱転写シート供給手段、加熱手段、熱転写シート巻取り手段、前記加熱手段と前記熱転写シート巻取り手段との間に位置し搬送経路に沿って搬送される熱転写シートの引張強度を測定する測定手段、前記加熱手段と前記測定手段との間に位置する剥離手段を有するプリンタを用い、印加エネルギー0.177mJ/dot、熱転写シートの搬送速度28.2mm/sec.とする条件にて、前記被転写体上に前記転写層を転写しながら、前記被転写体上に転写された前記転写層を、前記熱転写シートから50°の剥離角度で剥離したタイミングにおいて、前記測定手段により測定される引張強度が0.29N/cm以下であることを特徴とする熱転写シート。 - 前記条件にて測定される前記引張強度と、前記条件のうち前記印加エネルギーを0.177mJ/dotから0.169mJ/dotに変更したときに測定される引張強度との差の絶対値が、0.25N/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記転写層は、受容層のみからなる単層構成、又は受容層を含む積層構成を呈しており、
前記転写層が前記積層構成を呈する場合には、前記受容層は、前記基材から最も近くに位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
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