JP7448785B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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本発明は、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域にシーラント層を備えた空気入りタイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、帯状のシーラント層を貼る際の皴の発生を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域にシーラント層を配設することが提案されている。このような空気入りタイヤでは、釘等の異物がトレッド部に突き刺さった際に、その貫通孔にシーラントが流入することにより、空気圧の減少を抑制し、走行を維持することが可能になる。
上述したセルフシールタイプの空気入りタイヤを製造する方法として、空気入りタイヤを加硫した後、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域にストリップ状のシーラント材を貼り付け、そのストリップ状のシーラント材をタイヤ周方向に沿って螺旋状に配列することにより、シーラント層をトレッド部の全域にわたって形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ストリップ状のシーラント材を用いてシーラント層を形成する場合、ストリップ状のシーラント材をタイヤ内面に対して複数周にわたって精度良く貼り付ける必要があるため、空気入りタイヤの製造効率が悪いという欠点がある。
一方、ストリップ状のシーラント材の替りに、トレッド部に相当する幅を有する帯状のシーラント層をタイヤ内面に貼り付けるようにした場合、シーラント層に皴が寄り易いという問題がある。そして、シーラント層に皴が寄ると、単に見栄えが悪くなるばかりでなく、シーラント層が本来の貼着位置からずれたり、或いは、皴が寄った部位においてセルフシール性能が局部的に低下したりする恐れがある。
特開2016-78442号公報
本発明の目的は、帯状のシーラント層を貼る際の皴の発生を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ外径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、前記トレッド部に埋設されたベルト層の最大幅の90%~110%の幅を有する帯状のシーラント層をタイヤ内面に供給し、該タイヤ内面の前記トレッド部に対応する領域に前記帯状のシーラント層を押圧部材により圧着し、前記シーラント層の幅方向中央部での圧着力と前記シーラント層の幅方向端部での圧着力との差を30kPa以下とすることを特徴とするものである。
本発明者は、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に帯状のシーラント層を圧着する作業について鋭意研究を重ねた結果、湾曲したプロファイルを有するタイヤ内面に対して帯状のシーラント層を圧着する際に、シーラント層の幅方向に沿って圧着力が不均一になり、その不均一な圧着力に起因して帯状のシーラント層に皴が発生することを知見し、本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、空気入りタイヤの加硫後、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に帯状のシーラント層を押圧部材により圧着するにあたって、シーラント層の幅方向中央部での圧着力とシーラント層の幅方向端部での圧着力との差を30kPa以下とすることにより、帯状のシーラント層を貼る際の皴の発生を抑制することができる。
本発明において、シーラント層のタイヤ内面に対する平均圧着力を50kPa~300kPaとすることが好ましい。これにより、帯状のシーラント層を貼る際の皴の発生を抑制しながらシーラント層をタイヤ内面に対してしっかりと貼着することができる。
押圧部材としては、トレッド部の内面形状に対応する外周面形状を有するプロファイルローラー、トレッド部の内面形状に対応する押圧面形状を有するプロファイル中子、スポンジローラー、又は、流体入りのブラダーを用いることが好ましい。このような押圧部材を用いることにより、シーラント層の幅方向中央部での圧着力とシーラント層の幅方向端部での圧着力との差を効果的に低減することができる。
シーラント層の幅方向中央部での厚さとシーラント層の幅方向端部での厚さとの差は1mm以下であることが好ましい。シーラント層の圧着力を均一化することに加えて、シーラント層の厚さを均一化することにより、皴の発生を効果的に抑制することができる。
また、シーラント層の幅方向の端末をトレッド部に埋設されたベルト層の幅方向の端末と同一位置又はそれよりもタイヤ幅方向外側に配置し、シーラント層のベルト層からの突き出し量を20mm以下とすることが好ましい。このようにシーラント層の幅方向の端末をベルト層に対して適切に配置することで良好なセルフシール性能を発揮することが可能になるが、そのような広幅のシーラント層を採用する場合においても、シーラント層を貼る際の皴の発生を抑制することができる。
また、シーラント層の貼着面とは反対側の面にはフィルム又は離型紙が積層された状態でシーラント層の圧着を行うことが好ましい。これにより、圧着時にシーラント層が押圧部材に対して付着すること、又は、それによってシーラント層に皴が生じるのを抑制することができる。しかも、シーラント層を備えた空気入りタイヤにおいて、シーラント層にごみや虫等の異物が付着するのを防止することができる。
シーラント層は架橋されたシーラントを含むことが好ましい。このようにシーラントが架橋されていることにより、シーラント層をタイヤ内面に圧着する際にシーラント層が幅方向又は周方向に変形し難くなるので、帯状のシーラント層を貼る際の皴の発生を抑制することができる。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法を示す空気入りタイヤの子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤの製造方法を示す空気入りタイヤの一部切り欠き側面図である。 押圧部材の変形例を示すタイヤ子午線断面図である。 押圧部材の他の変形例を示すタイヤ子午線断面図である。 押圧部材の更に他の変形例を示すタイヤ子午線断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの製造方法で得られる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法を示すものである。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、先ず、空気入りタイヤTの加硫を行う。図1及び図2に示すように、空気入りタイヤTは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
空気入りタイヤTにおいて、一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
空気入りタイヤTの加硫後、シーラント層10の圧着工程を行う。図2において、帯状のシーラント層10は、空気入りタイヤTの内径側に配置されたドラム11の周囲に巻回された状態で保持されており、このドラム11から巻き解かれてタイヤ内面Sに供給されるようになっている。但し、シーラント層10の供給手段は特に限定されるものではない。タイヤ内面Sに近接する位置には押圧部材20が配設されており、この押圧部材20によりシーラント層10がタイヤ内面Sに対して押圧されるようになっている。帯状のシーラント層10はトレッド部1に相当する幅を有している。より具体的には、シーラント層10の幅はベルト層7の最大幅の90%~110%の範囲に設定されていると良い。
シーラント層10の圧着工程では、タイヤ内面Sのトレッド部1に対応する領域に帯状のシーラント層10を押圧部材20によりタイヤ周方向に沿って圧着するが、その際、シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faとシーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbとの差を30kPa以下(|Fa-Fb|≦30kPa)とする。ここで、シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faはシーラント層10の幅方向中心位置で測定され、シーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbはシーラント層10の幅方向端末位置から20mm内側の位置で測定されるものとする。また、圧着力とは単位面積当たりの押し付け力(N/m2)を意味するものであるが、このような圧着力は、例えば、タイヤ内面Sとシーラント層10との間にシーラント層10の幅方向の全域にわたって配設された感圧センサにより測定することができる。
上述した空気入りタイヤTの製造方法によれば、空気入りタイヤTの加硫後、タイヤ内面Sのトレッド部1に対応する領域に帯状のシーラント層10を押圧部材20により圧着するにあたって、シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faとシーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbとの差を30kPa以下とすることにより、帯状のシーラント層10を貼る際の皴の発生を抑制することができる。その結果、シーラント層10の外観を改善すると共に、シーラント層10の貼着位置の精度を高めることができ、更には、皴に起因するセルフシール性能の局部的な低下を回避することができる。また、帯状のシーラント層10を使用するので、ストリップ状のシーラント材を用いる場合に比べて空気入りタイヤTの製造効率を改善することができる。
シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faとシーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbとの差は30kPa以下とすることが必要であるが、この差が30kPaよりも大きいと、それに起因してシーラント層10に皴が発生し易くなる。特に、シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faとシーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbとの差は10kPa以下であることが望ましい。
上述した空気入りタイヤTの製造方法において、シーラント層10のタイヤ内面Sに対する平均圧着力は50kPa~300kPaであると良い。これにより、帯状のシーラント層10を貼る際の皴の発生を抑制しながらシーラント層10をタイヤ内面Sに対してしっかりと貼着することができる。シーラント層10のタイヤ内面Sに対する平均圧着力が50kPaより小さいとシーラント層10が剥離し易くなり、逆に300kPaよりも大きいと圧着時に空気入りタイヤTが変形し、シーラント層10に皴が発生し易くなる。また、圧着時において、シーラント層10の温度は40℃以上80℃以下であると良い。これにより、圧着時におけるシーラント層10の幅方向又は周方向の変形を抑制しながら柔軟性を改善することができる。圧着時におけるシーラント層10の温度が40℃よりも低いと柔軟性の改善効果が低下し、逆に80℃よりも高いと圧着時にシーラント層10の幅方向又は周方向の変形を生じ易くなる。
押圧部材20としては、シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faとシーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbとの差が小さくなるような構造を有するものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、図1に示すように、トレッド部1の内面形状に対応する外周面形状を有するプロファイルローラー21は押圧部材20として好適である。プロファイルローラー21は、シーラント層10の幅方向の全域にわたって延在すると共に、タイヤ軸方向に対して平行となる回転軸を有し、シーラント層10を押圧しながらシーラント層10上を転動するように構成されている。プロファイルローラー21の外周面はトレッド部1のタイヤ子午線断面での内面形状と一致又は近似するようにタイヤ軸方向に沿って湾曲している。このような外周面形状を有するプロファイルローラー21によれば、シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faとシーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbとの差が小さくなる。
図3~図5はそれぞれ押圧部材の変形例を示すものである。図3では、押圧部材20として、トレッド部1の内面形状に対応する押圧面形状を有するプロファイル中子22が使用されている。プロファイル中子22は、シーラント層10の幅方向の全域にわたって延在し、シーラント層10を押圧しながらシーラント層10上を摺動するように構成されている。プロファイル中子22の押圧面はトレッド部1のタイヤ子午線断面での内面形状と一致又は近似するようにタイヤ軸方向に沿って湾曲している。このような押圧面形状を有するプロファイル中子22によれば、シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faとシーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbとの差が小さくなる。
図4では、押圧部材20として、スポンジローラー23が使用されている。スポンジローラー23は、シーラント層10の幅方向の全域にわたって延在すると共に、タイヤ軸方向に対して平行となる回転軸を有し、シーラント層10を押圧しながらシーラント層10上を転動するように構成されている。スポンジローラー23は圧着時に柔軟に変形し、シーラント層10の幅方向の全域に密着する。このようなスポンジローラー23によれば、シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faとシーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbとの差が小さくなる。スポンジローラー23は、円筒状の外周面形状を有していても良いが、プロファイルローラー21と同様にトレッド部1の内面形状に対応する外周面形状を有していても良い。
図5では、押圧部材20として、流体入りのブラダー24が使用されている。流体入りのブラダー24は、シーラント層10の幅方向の全域にわたって延在し、シーラント層10を押圧しながらシーラント層10上を摺動又は転動するように構成されている。ブラダー24の内部には、水、空気、オイル等の流体が充填されている。そのため、ブラダー24は圧着時に柔軟に変形し、シーラント層10の幅方向の全域に密着する。このような流体入りのブラダー24によれば、シーラント層10の幅方向中央部Paでの圧着力Faとシーラント層10の幅方向端部Pbでの圧着力Fbとの差が小さくなる。
図6は本発明に係る空気入りタイヤの製造方法で得られる空気入りタイヤを示すものである。図6に示すように、タイヤ内面Sに供給されるシーラント層10の幅方向中央部での厚さGaとシーラント層10の幅方向端部での厚さGbとの差は1mm以下(0mm≦Ga-Gb≦1mm)であると良い。厚さGaと厚さGbとの差の理想値は0mmである。ここで、シーラント層10の幅方向中央部での厚さGaはシーラント層10の幅方向中心位置で測定され、シーラント層10の幅方向端部での厚さGbはシーラント層10の幅方向端末位置から20mm内側の位置で測定されるものとする。このようにシーラント層10の圧着力を均一化することに加えて、シーラント層10の厚さを均一化することにより、皴の発生を効果的に抑制することができる。シーラント層10の幅方向中央部での厚さGaとシーラント層10の幅方向端部での厚さGbはいずれも2mm~8mmの範囲にあると良い。
上述した空気入りタイヤTの製造方法において、図6に示すように、シーラント層10の幅方向の端末をトレッド部1に埋設されたベルト層7の幅方向の端末と同一位置又はそれよりもタイヤ幅方向外側に配置し、シーラント層10のベルト層7からの突き出し量Lを20mm以下とすると良い。このようにシーラント層10の幅方向の端末をベルト層7に対して適切に配置することで良好なセルフシール性能を発揮することが可能になるが、そのような広幅のシーラント層10を採用する場合においても、帯状のシーラント層10を貼る際の皴の発生を抑制することができる。
上述した空気入りタイヤTの製造方法において、シーラント層10の貼着面とは反対側の面(タイヤ径方向内側の面)にはフィルム12(又は離型紙)が積層された状態でシーラント層10の圧着を行うと良い。これにより、圧着時にシーラント層10が押圧部材20に対して付着すること、又は、それによってシーラント層10に皴が生じることを抑制することができる。しかも、シーラント層10の貼着面とは反対側の面にはフィルム12が積層されている場合、シーラント層10を備えた空気入りタイヤTにおいて、シーラント層10にごみや虫等の異物が付着するのを防止することができる。
また、上述した空気入りタイヤTの製造方法において、シーラント層10は架橋されたシーラントを含むことが好ましい。そして、シーラントの粘度は、0℃で2kPa・s~100kPa・sの範囲にあり、40℃で1kPa・s~80kPa・sの範囲にあり、80℃で0.5kPa・s~30kPa・sの範囲にあると良い。このようにシーラントが架橋されていることにより、シーラント層10をタイヤ内面Sに圧着する際にシーラント層10が幅方向又は周方向に変形し難くなるので、帯状のシーラント層10を貼る際の皴の発生を抑制することができる。
シーラントとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)等のゴムを使用することができ、特に天然ゴム(NR)が好適である。また、シーラントにはゴム100重量部に対して50重量部~300重量部のオイルが混練されていることが好ましい。オイル配合量に基づいてシーラントの流動性を調整することができる。
シーラントの架橋剤としては、硫黄、オキシム類及び有機過酸化物を使用することができる。特に硫黄が好適である。
オキシム類としては、p-ベンゾキノンジオキシム、p-キノンジオキシム、p-キノンジオキシムジアセテート、p-キノンジオキシムジカプロエート、p-キノンジオキシムジラウレート、p-キノンジオキシムジステアレート、p-キノンジオキシムジクロトネート、p-キノンジオキシムジナフテネート、p-キノンジオキシムスクシネート、p-キノンジオキシムアジペート、p-キノンジオキシムジフロエート、p-キノンジオキシムジベンゾエート等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ブチルヒドロパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
また、シーラントの架橋助剤としては、グアニジン系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系及びチアゾール系の加硫促進剤を使用することができる。特に、チウラム系の加硫促進剤が好適である。
グアニジン系の加硫促進剤としては、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン等を挙げることができる。チウラム系の加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。特に、テトラメチルチウラムジスルフィドは加硫促進効果が高い。ジチオカルバミン酸塩系の加硫促進剤としては、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム等を挙げることができる。チアゾール系の加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等を挙げることができる。
タイヤサイズ235/40R18で、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に帯状のシーラント層を押圧部材により圧着するにあたって、圧着条件を表1のように種々異ならせて、シーラント層を備えた空気入りタイヤを製造した(従来例1,2及び実施例1~5)。なお、シーラント層の幅は220mmであり、シーラント層の幅方向中央部での厚さGaは3mmである。
圧着条件としては、シーラント層の幅方向中央部での圧着力Faとシーラント層の幅方向端部での圧着力Fbとの差(Fa-Fb)、平均圧着力、押圧部材の種類、シーラント層の幅方向中央部での厚さGaとシーラント層の幅方向端部での厚さGbとの差(Ga-Gb)を異ならせた。
従来例1,2及び実施例1~5により得られた空気入りタイヤについて、目視により皴の発生状況を評価し、その評価結果を表1に併せて示した。皴の発生状況の評価において、皴が全く無い場合を「A」で示し、3mm以下の皴がある場合を「B」で示し、3mm超かつ5mm以下の皴がある場合を「C」で示し、5mm超の皴がある場合を「D」で示した。
Figure 0007448785000001
この表1から判るように、シーラント層の幅方向中央部での圧着力Faとシーラント層の幅方向端部での圧着力Fbとの差を小さくすることにより、帯状のシーラント層に生じる皴を微小化することができた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
10 シーラント層
12 フィルム
20 押圧部材
21 プロファイルローラー
22 プロファイル中子
23 スポンジローラー
24 流体入りのブラダー
T 空気入りタイヤ

Claims (7)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ外径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、前記トレッド部に埋設されたベルト層の最大幅の90%~110%の幅を有する帯状のシーラント層をタイヤ内面に供給し、該タイヤ内面の前記トレッド部に対応する領域に前記帯状のシーラント層を押圧部材により圧着し、前記シーラント層の幅方向中央部での圧着力と前記シーラント層の幅方向端部での圧着力との差を30kPa以下とすることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記シーラント層のタイヤ内面に対する平均圧着力を50kPa~300kPaとすることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記押圧部材として、前記トレッド部の内面形状に対応する外周面形状を有するプロファイルローラー、前記トレッド部の内面形状に対応する押圧面形状を有するプロファイル中子、スポンジローラー、又は、流体入りのブラダーを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記シーラント層の幅方向中央部での厚さと前記シーラント層の幅方向端部での厚さとの差が1mm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記シーラント層の幅方向の端末を前記トレッド部に埋設されたベルト層の幅方向の端末と同一位置又はそれよりもタイヤ幅方向外側に配置し、前記シーラント層の前記ベルト層からの突き出し量を20mm以下とすることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記シーラント層の貼着面とは反対側の面にフィルム又は離型紙が積層された状態で前記シーラント層の圧着を行うことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記シーラント層が架橋されたシーラントを含むことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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