JP7473801B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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本発明は、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域にシーラント層を備えた空気入りタイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、シーラント層を貼る際の皴の発生を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域にシーラント層を配設することが提案されている。このような空気入りタイヤでは、釘等の異物がトレッド部に突き刺さった際に、その貫通孔にシーラントが流入することにより、空気圧の減少を抑制し、走行を維持することが可能になる。
上述したセルフシールタイプの空気入りタイヤを製造する方法として、空気入りタイヤを加硫した後、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に紐状のシーラント材を貼り付け、その紐状のシーラント材をタイヤ周方向に沿って螺旋状に配列することにより、シーラント層をトレッド部の全域にわたって形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、紐状のシーラント材を用いてシーラント層を形成する場合、紐状のシーラント材をタイヤ内面に対して複数周にわたって精度良く貼り付ける必要があるため、空気入りタイヤの製造効率が悪いという欠点がある。
一方、紐状のシーラント材の替りに、トレッド部に相当する幅を有する帯状のシーラント層をタイヤ内面に貼り付けるようにした場合、シーラント層に皴が寄り易いという問題がある。そして、シーラント層に皴が寄ると、単に見栄えが悪くなるばかりでなく、シーラント層が本来の貼着位置からずれたり、或いは、皴が寄った部位においてセルフシール性能が局部的に低下したりする恐れがある。
特開2016-78442号公報
本発明の目的は、シーラント層を貼る際の皴の発生を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ外径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、膨張自在に構成された円筒状のブラダーの周囲に帯状又は紐状のシーラント部材を巻き付けて環状のシーラント層を成形し、前記空気入りタイヤの内側で前記シーラント層と共に前記ブラダーを膨らませてタイヤ内面の前記トレッド部に対応する領域に前記シーラント層を圧着することを特徴とするものである。
本発明では、空気入りタイヤの加硫後、膨張自在に構成された円筒状のブラダーの周囲に帯状又は紐状のシーラント部材を巻き付けて環状のシーラント層を成形し、空気入りタイヤの内側でシーラント層と共にブラダーを膨らませてタイヤ内面のトレッド部に対応する領域にシーラント層を圧着することにより、シーラント層を貼る際の皴の発生を抑制することができる。また、シーラント層の成形作業はブラダー上で行われるため、必要であれば、例えば、1つの加工ステーションに対して複数のブラダーを用意し、各ブラダー上でシーラント層の成形作業を行うことにより、空気入りタイヤの製造効率を改善することができる。
本発明において、幅が異なる複数種類のシーラント材をブラダー上でブラダー径方向に積層することでシーラント層を成形することが好ましい。この場合、タイヤ幅方向の部位に応じてシーラント層の厚さを任意に調整することができる。そのため、例えば、トレッド部におけるゴムゲージが薄くなる溝下部分でシーラント層を局所的に厚くすることにより、セルフシール性能を効果的に改善することができる。
また、シーラント層よりも幅が狭いシーラント材をブラダー上でブラダー周方向に沿って螺旋状に配列することでシーラント層を成形することが好ましい。この場合、シーラント層の幅を任意に調整することができる。特に、シーラント材のブラダー軸方向に隣り合う周回部分を互いに重ね合わせた場合、シーラント層としての一体性を良好に維持することができる。
シーラント層のタイヤ内面に対する平均圧着力は50kPa~300kPaとすることが好ましい。これにより、シーラント層を貼る際の皴の発生を効果的に抑制しながらシーラント層をタイヤ内面に対してしっかりと貼着することができる。
ブラダーの周方向伸び率は20%~90%であり、ブラダーの横方向伸び率は20%以下であることが好ましい。ブラダーの横方向伸び率を相対的に小さくする一方でブラダーの周方向伸び率を相対的に大きくすることにより、シーラント層の幅方向の変形が抑制されるので、シーラント層を貼る際の皴の発生を効果的に抑制することができる。
また、ブラダーの膨張時にブラダーの軸方向両端間の距離を縮めることが好ましい。これにより、ブラダーの横方向伸び率を相対的に小さくする一方でブラダーの周方向伸び率を相対的に大きくすることができる。その結果、シーラント層を貼る際の皴の発生を効果的に抑制することができる。
ブラダーの外表面には離型処理が施されていることが好ましい。このようにブラダーの外表面に離型処理が施されていることにより、シーラント層の圧着後におけるブラダーとシーラント層との間の離型性が良好となる。
また、ブラダーとシーラント層との間には離型シートを挿入することが好ましい。これにより、シーラント層の圧着後におけるブラダーとシーラント層との間の離型性が良好となる。しかも、離型シートをシーラント層と共にタイヤ内面に残すことにより、シーラント層を備えた空気入りタイヤにおいて、シーラント層にごみや虫等の異物が付着するのを防止することができる。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法において、ブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程を示すタイヤ子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法において、タイヤ内面にシーラント層を圧着する工程を示すタイヤ子午線断面図である。 ブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程の変形例を示すタイヤ子午線断面図である。 ブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程の変形例を示すタイヤ子午線断面図である。 ブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程の変形例を示すタイヤ子午線断面図である。 ブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程の変形例を示すタイヤ子午線断面図である。 ブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程の変形例を示すタイヤ子午線断面図である。 本発明の他の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法において、ブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程を示すタイヤ子午線断面図である。 本発明の他の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法において、タイヤ内面にシーラント層を圧着する工程を示すタイヤ子午線断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法において、ブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程を示すタイヤ子午線断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法において、タイヤ内面にシーラント層を圧着する工程を示すタイヤ子午線断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法の各工程を示すものである。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、先ず、空気入りタイヤTの加硫を行う。図1及び図2に示すように、空気入りタイヤTは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
空気入りタイヤTにおいて、一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
空気入りタイヤTの加硫後、シーラント層10の成形工程と圧着工程を行う。図1において、円筒状のブラダー21の軸方向両端部にはそれぞれ管状の支持体22,22が連結されており、支持体22,22を通してブラダー21内の圧力が調整されるようになっている。ブラダー21の径方向の膨張量はブラダー21の内部圧力と支持体22,22の相互間隔に基づいて調整される。また、ブラダー21の内部圧力は、空気や窒素等の気体、又は、水等の液体を含む流体により調整されることが好ましい。
図1に示すように、膨張自在に構成された円筒状のブラダー21の周囲に帯状(又は紐状)のシーラント部材11を巻き付けて環状のシーラント層10を成形する。シーラント層10の成形作業は空気入りタイヤTの内側で行っても良いが、作業性の観点からは、空気入りタイヤTの外部でシーラント層10の成形作業を行い、しかる後に、シーラント層10と共にブラダー21を空気入りタイヤTの内側に挿入することが望ましい。なお、環状のシーラント層10は膨張前の状態でトレッド部1に相当する幅を有していると良い。より具体的には、シーラント層10の幅はベルト層7の最大幅の80%~120%の範囲に設定されていると良い。
次いで、図2に示すように、ブラダー21の内部圧力を高めると共に支持体22,22の相互間隔を縮めることにより、空気入りタイヤTの内側でシーラント層20と共にブラダー21を膨らませる。つまり、ブラダー21を基準状態から膨張状態に変形させる。これにより、タイヤ内面Sのトレッド部1に対応する領域に環状のシーラント層10を圧着する。
上述した空気入りタイヤTの製造方法によれば、空気入りタイヤTの加硫後、膨張自在に構成された円筒状のブラダー21の周囲に帯状(又は紐状)のシーラント部材11を巻き付けて環状のシーラント層10を成形し、空気入りタイヤTの内側でシーラント層10と共にブラダー21を膨らませてタイヤ内面Sのトレッド部1に対応する領域にシーラント層10を圧着することにより、シーラント層10を貼る際の皴の発生を抑制することができる。その結果、シーラント層10の外観を改善すると共に、シーラント層10の貼着位置の精度を高めることができ、更には、皴に起因するセルフシール性能の局部的な低下を回避することができる。また、シーラント層10の成形作業はブラダー21上で行われるため、必要であれば、例えば、1つの加工ステーションに対して複数のブラダー21を用意し、各ブラダー21上でシーラント層10の成形作業を行うことにより、空気入りタイヤの製造効率を改善することができる。
図3はブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程の変形例を示すものである。図3においては、膨張自在に構成された円筒状のブラダー21の周囲に帯状のシーラント部材11を複数周巻き付けることで環状のシーラント層10を成形している。このような巻き付け形態において、単一のシーラント部材11をブラダー21の周囲に複数周巻き付けて積層構造を形成しても良く、或いは、複数枚のシーラント部材11をブラダー21の周囲において積層しても良い。この場合、シーラント部材11の積層数に応じて、シーラント層10の厚さを調整することができるという利点がある。
図4~図7はそれぞれブラダーの周囲にシーラント層を成形する工程の変形例を示すものである。図4~図7においては、膨張自在に構成された円筒状のブラダー21の周囲にシーラント層10よりも幅が狭い紐状のシーラント部材11を巻き付け、その紐状のシーラント材11をブラダー周方向に沿って螺旋状に配列することで環状のシーラント層10を成形している。この場合、シーラント層10の幅を任意に調整することができる。
図4においては、紐状のシーラント材11のブラダー軸方向に隣り合う周回部分を互いに重ね合わせずに配列することで単層構造のシーラント層10を成形している。図5においては、紐状のシーラント材11のブラダー軸方向に隣り合う周回部分を互いに重ね合わせずに配列し、それを複数周繰り返すことで積層構造のシーラント層10を成形している。図6においては、紐状のシーラント材11のブラダー軸方向に隣り合う周回部分を互いに重ね合わせながら配列することで単層構造のシーラント層10を成形している。図7においては、紐状のシーラント材11のブラダー軸方向に隣り合う周回部分を互いに重ね合わせながら配列し、それを複数周繰り返すことで積層構造のシーラント層10を成形している。特に、シーラント材11のブラダー軸方向に隣り合う周回部分を互いに重ね合わせた場合、シーラント層10としての一体性を良好に維持することができる。
図8及び図9は本発明の他の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法の各工程を示すものである。図8において、膨張自在に構成された円筒状のブラダー21の周囲に帯状又は紐状のシーラント部材11を巻き付けて環状のシーラント層10を成形するにあたって、幅が異なる複数種類のシーラント材11A,11Bをブラダー21上でブラダー径方向に積層している。即ち、ブラダー21上に幅が狭いシーラント材11Aを巻き付けてシーラント層10の1層目を形成した後、その上に幅が広いシーラント材11Bを巻き付けてシーラント層10の2層目を形成する。その後、図9に示すように、空気入りタイヤTの内側でシーラント層20と共にブラダー21を膨らませることにより、タイヤ内面Sのトレッド部1に対応する領域に環状のシーラント層10を圧着する。この場合、タイヤ幅方向の部位に応じてシーラント層10の厚さを任意に調整することができる。この例では、シーラント層10の厚さをトレッド部1のショルダー領域において相対的に小さくすることができる。
図10及び図11は本発明の更に他の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法の各工程を示すものである。図10において、膨張自在に構成された円筒状のブラダー21の周囲に帯状又は紐状のシーラント部材11を巻き付けて環状のシーラント層10を成形するにあたって、幅が異なる複数種類のシーラント材11C,11Dをブラダー21上でブラダー径方向に積層している。即ち、トレッド部1の溝位置に対応する複数個所においてブラダー21上に幅が狭いシーラント材11Cを巻き付けてシーラント層10の1層目を形成した後、その上に幅が広いシーラント材11Dを巻き付けてシーラント層10の2層目を形成する。その後、図11に示すように、空気入りタイヤTの内側でシーラント層20と共にブラダー21を膨らませることにより、タイヤ内面Sのトレッド部1に対応する領域に環状のシーラント層10を圧着する。この場合も、タイヤ幅方向の部位に応じてシーラント層10の厚さを任意に調整することができる。この例では、トレッド部1におけるゴムゲージが薄くなる溝下部分でシーラント層10を局所的に厚くすることにより、セルフシール性能を効果的に改善することができる。
上述した空気入りタイヤTの製造方法において、シーラント層10のタイヤ内面Sに対する平均圧着力は50kPa~300kPaであると良い。これにより、シーラント層10を貼る際の皴の発生を抑制しながらシーラント層10をタイヤ内面Sに対してしっかりと貼着することができる。シーラント層10のタイヤ内面Sに対する平均圧着力が50kPaより小さいとシーラント層10が剥離し易くなり、逆に300kPaよりも大きいと圧着時に空気入りタイヤTが変形し、シーラント層10に皴が発生し易くなる。平均圧着力とは単位面積当たりの押し付け力(N/m2)の平均値を意味するものであるが、このような平均圧着力は、例えば、タイヤ内面Sとシーラント層10との間にシーラント層10の幅方向の全域にわたって配設された感圧センサにより測定することができる。
上述した空気入りタイヤTの製造方法において、ブラダー21の周方向伸び率Ecは20%~90%であり、ブラダー21の横方向伸び率Elは20%以下であると良い。図1及び図2に示すように、ブラダー21の基準状態での外径をC1(mm)とし、ブラダー21の膨張状態での外径をC2(mm)とし、ブラダー21の基準状態での子午線断面長さをL1(mm)とし、ブラダー21の膨張状態での子午線断面長さをL2(mm)としたとき、ブラダー21の周方向伸び率Ec及び横方向伸び率Elは以下の式から算出される。
Ec=((C2/C1)-1)×100%
El=((L2/L1)-1)×100%
このようにブラダー21の横方向伸び率Elを相対的に小さくする一方でブラダー21の周方向伸び率Ecを相対的に大きくすることにより、シーラント層10の幅方向の変形が抑制されるので、シーラント層10を貼る際の皴の発生を効果的に抑制することができる。ここで、ブラダー21の周方向伸び率Ecが20%よりも小さいとシーラント層10の圧着力を十分に確保することが困難になり、逆に90%よりも大きいとシーラント層10の厚さを十分に確保することが困難になる。また、ブラダー21の横方向伸び率Elが20%よりも大きいとシーラント層10の幅方向の変形が過大になるので、皴の発生を抑制する効果が低下する。
上述した空気入りタイヤTの製造方法において、ブラダー21の膨張時にブラダー21の軸方向両端間の距離を縮めることが好ましい。これにより、ブラダー21の横方向伸び率Elを相対的に小さくする一方でブラダー21の周方向伸び率Ecを相対的に大きくすることができる。その結果、シーラント層10を貼る際の皴の発生を効果的に抑制することができる。
上述した空気入りタイヤTの製造方法において、ブラダー21の外表面には離型処理が施されていると良い。このようにブラダー21の外表面に離型処理が施されていることにより、シーラント層10の圧着後におけるブラダー21とシーラント層10との間の離型性が良好となる。離型処理としては、例えば、ブラダー21の外表面にシリコーンコーティングのような離型層を形成すること、ブラダー21の外表面にタルク等の離型剤を塗布すること、又は、ブラダー21の外表面に微細な凹凸を形成することが挙げられる。
また、上述した空気入りタイヤTの製造方法において、ブラダー21とシーラント層10との間に離型シートを挿入することも可能である。この場合、シーラント層10の圧着後におけるブラダー21とシーラント層10との間の離型性が良好となる。しかも、離型シートをシーラント層10と共にタイヤ内面Sに残すことにより、シーラント層10を備えた空気入りタイヤTにおいて、シーラント層10にごみや虫等の異物が付着するのを防止することができる。離型シートとしては、例えば、ポリエチレン、塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン又は加硫ゴムからなるシートが挙げられる。
上述した空気入りタイヤTの製造方法において、シーラント層10は架橋されたシーラントを含むことが好ましい。そして、シーラントの粘度は、0℃で2kPa・s~100kPa・sの範囲にあり、40℃で1kPa・s~80kPa・sの範囲にあり、80℃で0.5kPa・s~30kPa・sの範囲にあると良い。このようにシーラントが架橋されていることにより、シーラント層10をタイヤ内面Sに圧着する際にシーラント層10が幅方向又は周方向に変形し難くなるので、シーラント層10を貼る際の皴の発生を抑制することができる。
シーラントとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)等のゴムを使用することができ、特に天然ゴム(NR)が好適である。また、シーラントにはゴム100重量部に対して50重量部~300重量部のオイルが混練されていることが好ましい。オイル配合量に基づいてシーラントの流動性を調整することができる。
シーラントの架橋剤としては、硫黄、オキシム類及び有機過酸化物を使用することができる。特に硫黄が好適である。
オキシム類としては、p-ベンゾキノンジオキシム、p-キノンジオキシム、p-キノンジオキシムジアセテート、p-キノンジオキシムジカプロエート、p-キノンジオキシムジラウレート、p-キノンジオキシムジステアレート、p-キノンジオキシムジクロトネート、p-キノンジオキシムジナフテネート、p-キノンジオキシムスクシネート、p-キノンジオキシムアジペート、p-キノンジオキシムジフロエート、p-キノンジオキシムジベンゾエート等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ブチルヒドロパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
また、シーラントの架橋助剤としては、グアニジン系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系及びチアゾール系の加硫促進剤を使用することができる。特に、チウラム系の加硫促進剤が好適である。
グアニジン系の加硫促進剤としては、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン等を挙げることができる。チウラム系の加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。特に、テトラメチルチウラムジスルフィドは加硫促進効果が高い。ジチオカルバミン酸塩系の加硫促進剤としては、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム等を挙げることができる。チアゾール系の加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等を挙げることができる。
タイヤサイズ235/40R18で、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、膨張自在に構成された円筒状のブラダーの周囲に帯状又は紐状のシーラント部材を巻き付けて環状のシーラント層を成形し、空気入りタイヤの内側でシーラント層と共にブラダーを膨らませてタイヤ内面のトレッド部に対応する領域にシーラント層を圧着するにあたって、その圧着条件を表1のように種々異ならせて、シーラント層を備えた空気入りタイヤを製造した(実施例1~7)。
圧着条件としては、シーラント層のタイヤ内面に対する平均圧着力、ブラダーの周方向伸び率Ec、ブラダーの横方向伸び率Elを異ならせた。
実施例1~7により得られた空気入りタイヤについて、目視により皴の発生状況を評価し、その評価結果を表1に併せて示した。皴の発生状況の評価において、皴が全く無い場合を「A」で示し、3mm以下の皴がある場合を「B」で示し、3mm超かつ5mm以下の皴がある場合を「C」で示し、5mm超の皴がある場合を「D」で示した。
Figure 0007473801000001
この表1から判るように、実施例1~7においては、いずれもシーラント層に生じる皴が微小であった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
10 シーラント層
11 シーラント材
21 ブラダー
22 支持体
T 空気入りタイヤ

Claims (8)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ外径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、膨張自在に構成された円筒状のブラダーの周囲に帯状又は紐状のシーラント材を巻き付けて環状のシーラント層を成形し、前記空気入りタイヤの内側で前記シーラント層と共に前記ブラダーを膨らませてタイヤ内面の前記トレッド部に対応する領域に前記シーラント層を圧着することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 幅が異なる複数種類のシーラント材を前記ブラダー上でブラダー径方向に積層することで前記シーラント層を成形することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記シーラント層よりも幅が狭いシーラント材を前記ブラダー上でブラダー周方向に沿って螺旋状に配列することで前記シーラント層を成形することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記シーラント層のタイヤ内面に対する平均圧着力を50kPa~300kPaとすることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記ブラダーの周方向伸び率が20%~90%であり、前記ブラダーの横方向伸び率が20%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記ブラダーの膨張時に前記ブラダーの軸方向両端間の距離を縮めることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記ブラダーの外表面に離型処理が施されていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記ブラダーと前記シーラント層との間に離型シートを挿入することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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