JP2014068859A - ウェットティシュー積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数枚のティシュー基材10aが連続的に積層された基材積層体10と、ティシュー基材10aに含浸された薬液20と、からなるウェットティシュー積層体1であって、一のティシュー基材10aの端部と、当該一のティシュー基材10aの折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材10aの端部と、の重なり部分Lは、ティシュー基材10aの積層方向に沿って並んでおり、重なり部分Lが配置されたティシュー基材10aの積層方向の一側から他側に亘る第1領域11における薬液20の含浸率が、当該第1領域11以外の第2領域12における薬液20の含浸率よりも低く設定されている。
【選択図】図1
Description
そこで、ウェットティシューの折り方として、ウェットティシューの不要な飛び出しを抑制することが可能な折り方が提案されている(特許文献1,2参照)。
ウェットティシュー積層体において、
一のティシュー基材を折り畳み、その折り返し部分に他のティシュー基材の端部を挟み込んだ状態で当該他のティシュー基材を折り畳むことによって、複数枚のティシュー基材が連続的に積層された基材積層体と、
前記ティシュー基材に含浸された薬液と、からなり、
一のティシュー基材の端部と、当該一のティシュー基材の折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材の端部と、の重なり部分は、前記ティシュー基材の積層方向に沿って並んでおり、
前記基材積層体は、前記重なり部分が配置された前記ティシュー基材の積層方向の一側から他側に亘る第1領域と、当該第1領域以外の第2領域と、に区分され、
前記第1領域における前記薬液の含浸率は、前記第2領域における前記薬液の含浸率よりも低いことを特徴とする。
請求項1に記載のウェットティシュー積層体において、
取出口が設けられた容器に収納可能であり、
前記容器に収納された場合に、前記第1領域が前記取出口からずれた位置に配置されることを特徴とする。
請求項1又は2に記載のウェットティシュー積層体を製造するための製造方法において、
一のティシュー基材を折り畳み、その折り返し部分に他のティシュー基材の端部を挟み込んだ状態で当該他のティシュー基材を折り畳むことによって、複数枚のティシュー基材が連続的に積層された基材積層体を形成する積層体形成ステップと、
前記基材積層体に薬液を塗布する薬液塗布ステップと、を有し、
前記積層体形成ステップでは、一のティシュー基材の端部と、当該一のティシュー基材の折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材の端部と、の重なり部分が、前記ティシュー基材の積層方向に沿って並ぶように、前記ティシュー基材を折り畳んで積層し、
前記薬液塗布ステップでは、前記第1領域における薬液の含浸率が、前記第2領域における薬液の含浸率よりも低くなるように、前記基材積層体に前記薬液を塗布することを特徴とする。
請求項3に記載のウェットティシュー積層体の製造方法において、
前記薬液塗布ステップでは、
前記薬液を噴出するための噴出孔が複数設けられているとともに、
当該薬液塗布ステップにて、前記第1領域の直上に配置される第1部分と、前記第2領域の直上に配置される第2部分と、を有する薬液塗布ノズルを用いて前記薬液を塗布することを特徴とする。
請求項4に記載のウェットティシュー積層体の製造方法において、
前記第1部分には、前記噴出孔が形成されていないことを特徴とする。
請求項4に記載のウェットティシュー積層体の製造方法において、
前記第1部分における前記噴出孔の占有率は、前記第2部分における前記噴出孔の占有率よりも低いことを特徴とする。
請求項6に記載のウェットティシュー積層体の製造方法において、
前記第1部分に形成された前記噴出孔の径は、前記第2部分に形成された前記噴出孔の径と略同一であり、
前記第1部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数は、前記第2部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数よりも少ないことを特徴とする。
請求項6に記載のウェットティシュー積層体の製造方法において、
前記第1部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数は、前記第2部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数と略同一であり、
前記第1部分に形成された前記噴出孔の径は、前記第2部分に形成された前記噴出孔の径よりも小さいことを特徴とする。
請求項6に記載のウェットティシュー積層体の製造方法において、
前記第1部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数は、前記第2部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数よりも少なく、
前記第1部分に形成された前記噴出孔の径は、前記第2部分に形成された前記噴出孔の径よりも小さいことを特徴とする。
請求項1又は2に記載のウェットティシュー積層体を製造するための製造方法において、
ティシュー基材に薬液を塗布する薬液塗布ステップと、
前記薬液が塗布された一のティシュー基材を折り畳み、その折り返し部分に前記薬液が塗布された他のティシュー基材の端部を挟み込んだ状態で当該他のティシュー基材を折り畳むことによって、複数枚のウェットティシューが連続的に積層されたウェットティシュー積層体を形成する積層体形成ステップと、を有し、
前記積層体形成ステップでは、一のティシュー基材の端部と、当該一のティシュー基材の折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材の端部と、の重なり部分が、前記ティシュー基材の積層方向に沿って並ぶように、前記薬液が塗布されたティシュー基材を折り畳んで積層し、
前記薬液塗布ステップでは、前記第1領域における薬液の含浸率が、前記第2領域における薬液の含浸率よりも低くなるように、前記ティシュー基材に前記薬液を塗布することを特徴とする。
請求項10に記載のウェットティシュー積層体の製造方法において、
前記薬液塗布ステップでは、
外周面に所定パターンの凹凸を有するパターンロールと、
前記パターンロールの外周面に当接され、当該パターンロール外周面の凹凸へ押圧される外周面を有するプレスロールと、
前記パターンロールの外周面に当接される外周面を有する転写ロールと、
前記転写ロールの外周面に前記薬液を供給する薬液供給手段と、を用いて前記薬液を塗布し、
前記パターンロールは、前記ティシュー基材のうち前記重なり部分となる部分における単位面積あたりの前記薬液の塗布量が、当該重なり部分となる部分以外の部分における単位面積あたりの前記薬液の塗布量よりも少なくなるようなパターンの凹凸を有することを特徴とする。
まず、本実施形態のウェットティシュー積層体の構成について説明する。
ウェットティシュー積層体1は、例えば、図1に示すように、一のティシュー基材10aを折り畳み、その折り返し部分に他のティシュー基材10aの端部を挟み込んだ状態で当該他のティシュー基材10aを折り畳むことによって、複数枚のティシュー基材10aが連続的に積層された基材積層体10と、ティシュー基材10aに含浸された薬液20と、からなる。
すなわち、ウェットティシュー積層体1は、ティシュー基材10aと当該ティシュー基材10aに含浸された薬液20とからなるウェットティシュー1aが、ポップアップ方式で折り重ねられてなる積層体である。以下、ウェットティシュー1a(ティシュー基材10a)の積層方向を「上下方向」とする。
このウェットティシュー積層体1は、例えば、図2、図3に示すように、上面に取出口M1を有する容器M内に収納された状態で使用されるようになっている。
なお、ティシュー基材10aとしては、繊維集合体からなるものであれば特に限定されるものではなく、不織布の他に、例えば、紙や織布等も用いることができる。
また、ティシュー基材10aを構成する繊維として、繊維同士を相互に融着させる熱融着性繊維(バインダー繊維)を含有することが好ましい。熱融着性繊維としては、例えば、加熱によって溶融し相互に接着性を発現する任意の繊維を用いることができる。この熱融着性繊維は、単一繊維からなるものであってもよいし、2種以上の合成樹脂を組み合わせた複合繊維などであってもよい。
したがって、ティシュー基材10aは、折り線を境界として、2本の折り線に挟まれた中央部と、Z状に三つ折りされた状態で中央部よりも上側に位置する上部と、下側に位置する下部と、に区分することができる。
そして、Z状に三つ折りされた一のティシュー基材10aの中央部と下部との間に、Z状に三つ折りされた他のティシュー基材10aの上部の端部が挟みこまれている。
そのため、例えば、図1に示すように、一のティシュー基材10aの下部の端部(下端部)と、当該一のティシュー基材10aの折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材10aの上部の端部(上端部)と、の重なり部分Lは、上下方向(ティシュー基材10aの積層方向)に沿って並んでいる。
したがって、基材積層体10は、重なり部分Lが配置された上下方向の一側から他側に亘る第1領域11と、当該第1領域11以外の第2領域12と、に区分することができる。本実施形態の場合、前後方向の長さ及び左右方向の長さが重なり部分Lの前後方向の長さ及び左右方向の長さと同一であり、上下方向の長さが基材積層体10の上下方向の長さと同一である略直方体形状の第1領域11の左右両側に、略直方体形状の第2領域12が配置されている。
ウェットティシュー1a同士の貼り付き、特に重なり部分Lの貼り付き(すなわち、一のウェットティシュー1aの端部(下端部)と、これに挟み込まれていた他のウェットティシュー1aの端部(上端部)と、の貼り付き)が強い場合には、最上層のウェットティシュー1aを取出口M1から容器Mの外側へ引き出したときに、最上層のウェットティシュー1aと次層のウェットティシュー1aとが離れ難くなる。最上層のウェットティシュー1aと次層のウェットティシュー1aとが離れ難いと、次層のウェットティシュー1aの飛び出し長さ(取出口M1から突出した部分の長さ)が必要以上に長くなったり、複数枚のウェットティシュー1aが連なって引き出されたりしてしまう。
これに対し、本実施形態の場合、重なり部分Lが配置された第1領域11における薬液の含浸率が、当該第1領域11以外の第2領域12における薬液の含浸率よりも低く設定されている。したがって、薬液の粘度や薬液の含浸率(この場合、第2領域12における薬液20の含浸率)に関する制限を設けなくても、重なり部分Lの貼り付きを弱めることができるので、ウェットティシュー1aの不要な飛び出しを抑制することが可能となる。なお、第1領域11における薬液20の含浸率は、制限を設ける必要があり、薬液20の粘度やティシュー基材10aの組成等に応じて適宜設定される。
また、第1領域11に薬液20が全く含浸されていないと、第1領域11に位置していた部分と、第2領域12に位置していた部分と、の間の含浸ムラがより顕著になって、使用感や防腐効果などの悪化を招いてしまう場合がある。本実施形態における折り方の場合、ウェットティシュー1aを広げたときに、第1領域11に位置していた部分(折り線に直交する方向の両端部及び中央部)と、第2領域12に位置していた部分と、が交互に出現することになるので、ウェットティシュー1aを広げて使用する場合に特に、含浸ムラを感じやすくなる。
第1領域11に薬液20を含浸させる場合、第1領域12に均一に薬液20を含浸させてもよいし、第1領域12の一部のみ(例えば、第1領域12の左右方向の両端部のみや、左右方向の中央部のみ)に薬液20を含浸させてもよい。
第2領域12には、均一に薬液20を含浸させる方が好ましい。
したがって、重なり部分Lがウェットティシュー積層体1(基材積層体10)の左右方向の中央部にある場合には、例えば、図2(b)に示すように、最上層のウェットティシュー1aを引き出すときに、最上層のウェットティシュー1aと次層のウェットティシュー1aとの重なり部分Lが、取出口M1の縁部に接触しない。あるいは、接触したとしても当該重なり部分Lに大きな抵抗は付与されない。
一方、例えば、重なり部分Lがウェットティシュー積層体1(基材積層体10)の左右方向の中央部からずれた位置にある場合には、例えば、図3(b)に示すように、最上層のウェットティシュー1aを引き出すときに、最上層のウェットティシュー1aと次層のウェットティシュー1aとの重なり部分Lが、取出口M1の縁部に接触して、当該重なり部分Lに大きな抵抗が付与される。すなわち、次層のウェットティシュー1aが不要に飛び出さないように、取出口M1の縁部で次層のウェットティシュー1aを押さえることができる。
ここで、「第1領域11が取出口M1からずれた位置に配置されている」とは、取出口M1の左右方向中心線(取出口M1の左右方向中心を通って前後方向に延在する線)と、第1領域11の左右方向中央線(第1領域11の左右方向中心を通って前後方向に延在する線)と、が上下方向に重ならないことであり、取出口M1を介して第1領域11を視認不能であってもよいし、視認可能であってもよい。
無論、容器Mに設けられた取出口M1が、容器Mの平面視略中央部に設けられていない場合もある。したがって、第1領域11の位置は、取出口M1の位置に応じて適宜任意に変更可能である。
次に、本実施形態のウェットティシュー積層体の製造方法の一例について、図4〜図6を参照して説明する。
まず、一のティシュー基材10aを折り畳み、その折り返し部分に他のティシュー基材10aの端部(本実施形態の場合、上端部)を挟み込んだ状態で当該他のティシュー基材10aを折り畳むことによって、複数枚のティシュー基材10aが連続的に積層された基材積層体10を形成する(積層体形成ステップ)。
ここで、積層体形成ステップでは、一のティシュー基材10aの端部(本実施形態の場合、下端部)と、当該一のティシュー基材10aの折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材10aの端部(本実施形態の場合、上端部)と、の重なり部分Lが、上下方向(ティシュー基材10aの積層方向)に沿って並ぶように、ティシュー基材10aを折り畳んで積層して、基材積層体10を形成するようになっている。
ここで、薬液塗布ステップでは、基材積層体10の第1領域11における薬液20の含浸率が、基材積層体10の第2領域12における薬液20の含浸率よりも低くなるように、基材積層体10に薬液20を塗布するようになっている。
この薬液塗布ノズルNは、薬液20を噴出するための噴出孔Naが複数設けられているとともに、薬液塗布ステップにて、基材積層体10の第1領域11の直上に配置される第1部分N1と、基材積層体10の第2領域12の直上に配置される第2部分N2と、を有している。本実施形態の場合、噴出孔Naは、一列に並んで配置されていることとする。
また、図6に示す薬液塗布ノズルNは、第1部分N1における単位長さあたりの噴出孔Naの個数が、第2部分N2における単位長さあたりの噴出孔Naの個数と略同一であり、第1部分N1に形成された噴出孔Naの径が、第2部分N2に形成された噴出孔Naの径よりも小さくなるよう構成されている。
また、図4〜図6では、第1領域11(重なり部分L)が左右方向の中央部に設けられている基材積層体10に薬液20を塗布するための薬液塗布ノズルNを示したが、前述したように、第1領域11(重なり部分L)は左右方向の中央部に設けられていなくてもよい。したがって、薬液塗布ノズルNの第1部分N1及び第2部分N1の位置や長さは、第1領域11及び第2領域12の位置や幅(左右方向の長さ)に応じて、適宜任意に変更可能である。
なお、ウェットティシュー積層体1を包装するための包装体に開口(ウェットティシュー1aを取り出すための開口)が設けられている場合、ウェットティシュー積層体1の第1領域11は、当該開口からずれた位置に配置されていてもよいし、当該開口からずれない位置に配置されていてもよいが、容器Mの取出口M1と同様、ウェットティシュー1aの不要な飛び出しをより効果的に抑制するという観点から、当該開口からずれた位置に配置されている方が好ましい。
まず、ティシュー基材10aとして、組成が、レーヨン50%、PET繊維30%、バインダー繊維20%であり、寸法が、MD方向150mm、CD方向175mmである不織布を準備した。
次いで、基材積層体10として、図7(a)に示すような積層体、具体的には、基材積層体10の左右方向の長さが80mm、第1領域11の左右方向の長さが15mm、第1領域11の右側にある第2領域12の左右方向の長さが10mmである積層体を作製した。すなわち、重なり部分Lが左右方向の中央部からずれた位置にある基材積層体10を作製した。
ここで、薬液20がノンアルコール処方である場合、ノンアルコール処方でない場合と比較して、薬液20の表面張力が増すので、ウェットティシュー1a同士がより強く貼り付くことになる。
ここで、図7(a)に示すように、第1領域11においては、左右方向の両端部分(各部分の左右方向の長さは1mm)のみに薬液20を塗布し、それ以外の部分(左右方向の長さが13mmとなる部分)には薬液20を塗布しないようにした。薬液20を塗布する部分(第2領域12,12及び第1領域11の左右方向の両端部分)には、均一に薬液20を塗布した。
ここで、実施例のウェットティシュー積層体の重なり部分Lは当該ウェットティシュー積層体の左右方向の中央部からずれた位置に設けられているので(図7(a)参照)、実施例のウェットティシュー積層体を容器Mに収納した状態において、第1領域11の位置は、取出口M1からずれている。
また、比較例として、薬液の含浸率が均一であるウェットティシュー積層体、すなわち第1領域11における薬液20の含浸率が、第2領域12における薬液20の含浸率と同一であるウェットティシュー積層体を作製した。なお、比較例のウェットティシュー積層体は、薬液の含浸率が均一である点以外は、実施例のウェットティシュー積層体と同一である。
そして、比較例のウェットティシュー積層体を、実施例のウェットティシュー積層体を入れた包装体と同一の包装体に入れて、実施例のウェットティシュー積層体を収納した容器Mと同一の容器に収納した。
そして、実施例のウェットティシュー積層体のポップアップ性の評価を行った。具体的には、ウェットティシュー1aを取出口M1から真上に1枚ずつ取り出す動作を45回行う作業を3回繰り返し行って、連なり回数と落ち込み回数の平均(繰り返し平均)を算出した。また、ウェットティシュー1aを1枚取り出した際の次層のウェットティシュー1aの頭出し長さ(飛び出し長さ)を測定し、その平均も算出した。
また、比較例のウェットティシュー積層体も同様の方法で、ポップアップ性の評価を行った。
その結果を、図7(b)に示す。
これに対し、実施例のウェットティシュー積層体においては、45回の取り出し動作のうち1.3回の取り出し動作で次層のウェットティシューが連なって出てきた。
これにより、第1領域11における薬液の含浸率を、第2領域12における薬液の含浸率よりも低くすることで、連なり回数を改善できることが分かった。
これに対し、実施例のウェットティシュー積層体において、次層のウェットティシュー1aの飛び出し長さは、平均で45mmであった。
これにより、第1領域11における薬液の含浸率を、第2領域12における薬液の含浸率よりも低くすることで、頭出し長さを改善できることが分かった。
これに対し、実施例のウェットティシュー積層体においては、45回の取り出し動作のうち0.7回の取り出し動作で次層のウェットティシューが取出口M1から突出せずに容器M内に落ち込んだ。
これにより、第1領域11における薬液の含浸率を、第2領域12における薬液の含浸率よりも低くしても、落ち込み回数は悪化しないことが分かった。
このように構成することによって、ウェットティシュー1aの不要な飛び出しを効果的に抑制することが可能となる。
第1部分N1における噴出孔Naの占有率が第2部分N2における噴出孔Naの占有率よりも低い薬液塗布ノズルNとしては、第1部分N1に形成された噴出孔Naの径が、第2部分N2に形成された噴出孔Naの径と略同一であり、第1部分N1における単位長さあたりの噴出孔Naの個数が、第2部分N2における単位長さあたりの噴出孔Naの個数よりも少ないノズル(図5参照)や、第1部分N1における単位長さあたりの噴出孔Naの個数が、第2部分N2における単位長さあたりの噴出孔Naの個数と略同一であり、第1部分N1に形成された噴出孔Naの径が、第2部分N2に形成された噴出孔Naの径よりも小さいノズル(図6参照)、第1部分N1における単位長さあたりの噴出孔Naの個数が、第2部分N2における単位長さあたりの噴出孔Naの個数よりも少なく、第1部分N1に形成された噴出孔Naの径が、第2部分N2に形成された噴出孔Naの径よりも小さいノズル等を用いることができる。
また、本実施形態の製造方法は、薬液塗布ノズルNを用いる方法に限ることはなく、第1領域11における薬液20の含浸率が、第2領域12における薬液20の含浸率よりも低くなるように、基材積層体10に薬液20を塗布できる方法であれば、適宜任意に変更可能である。
次に、ウェットティシュー積層体の製造方法の変形例について、図8〜図11を参照して説明する。
まず、ティシュー基材10a(所定の大きさに切断前のティシュー基材)に薬液20を塗布する(薬液塗布ステップ)。
ここで、薬液塗布ステップでは、基材積層体10の第1領域11における薬液20の含浸率が、基材積層体10の第2領域12における薬液20の含浸率よりも低くなるように、ティシュー基材10aに薬液20を塗布するようになっている。
なお、所定の大きさに切断されたティシュー基材10aに、薬液20を塗布することも可能である。すなわち、薬液塗布ステップの前に切断ステップを行ってもよい。
ここで、積層体形成ステップでは、一のティシュー基材10a(一のウェットティシュー1a)の端部と、当該一のティシュー基材10aの折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材10a(他のウェットティシュー1a)の端部と、の重なり部分Lが、上下方向(ティシュー基材10a(ウェットティシュー1a)の積層方向)に沿って並ぶように、薬液20が塗布されたティシュー基材10aを折り畳んで積層して、ウェットティシュー積層体1を形成するようになっている。
このロール転写装置RのパターンロールR1は、ティシュー基材10aのうち重なり部分Lとなる部分L*における単位面積あたりの薬液20の塗布量が、重なり部分Lとなる部分L*以外の部分における単位面積あたりの薬液20の塗布量よりも少なくなるようなパターンの凹凸を有している。ここで、「ティシュー基材10aのうち重なり部分Lとなる部分L*における単位面積あたりの薬液20の塗布量」とは、一のティシュー基材10aのうちの各部分L*に塗布する薬液20の総量(本変形例の場合、一方の部分L*に塗布する薬液20の量と、他方の部分L*に塗布する薬液20の量と、の和)を、当該一のティシュー基材10aのうちの各部分L*の面積の総和(本変形例の場合、一方の部分L*の面積と、他方の部分L*の面積と、の和)で割った値である。無論、「部分L*に塗布する薬液20の量」は0(ゼロ)である場合もある。
このパターンロールR1を使用して薬液20を塗布したティシュー基材10a(所定の大きさに切断後のティシュー基材)を、例えば、図9(b)に示すように、Z状に三つ折して、Z状に三つ折りされた一のティシュー基材10a(一のウェットティシュー1a)の中央部と下部との間に、Z状に三つ折りされた他のティシュー基材10a(他のウェットティシュー1a)の上部の端部が挟み込まれるよう折り重ねると、基材積層体10の第1領域11における薬液20の含浸率が、基材積層体10の第2領域12における薬液20の含浸率よりも低いウェットティシュー積層体1を製造することが可能となる。
このパターンロールR1を使用して薬液20を塗布したティシュー基材10a(所定の大きさに切断後のティシュー基材)を、例えば、図10(b)に示すように、Z状に三つ折して、Z状に三つ折りされた一のティシュー基材10a(一のウェットティシュー1a)の中央部と下部との間に、Z状に三つ折りされた他のティシュー基材10a(他のウェットティシュー1a)の上部の端部が挟み込まれるよう折り重ねると、基材積層体10の第1領域11における薬液20の含浸率が、基材積層体10の第2領域12における薬液20の含浸率よりも低いウェットティシュー積層体1を製造することが可能となる。
このパターンロールR1を使用して薬液20を塗布したティシュー基材10a(所定の大きさに切断後のティシュー基材)を、例えば、図11(b)に示すように、Z状に三つ折して、Z状に三つ折りされた一のティシュー基材10a(一のウェットティシュー1a)の中央部と下部との間に、Z状に三つ折りされた他のティシュー基材10a(他のウェットティシュー1a)の上部の端部が挟み込まれるよう折り重ねると、基材積層体10の第1領域11における薬液20の含浸率が、基材積層体10の第2領域12における薬液20の含浸率よりも低いウェットティシュー積層体1を製造することが可能となる。
また、図11(a)には、重なり部分Lとなる部分L*である左右方向の両端部に、薬液20が塗布される部分と、薬液20が塗布されない部分と、の両方が形成されるようなパターンの凹凸を有するパターンロールR1で薬液20を塗布した場合の例を示したが、これに限ることはなく、例えば、重なり部分Lとなる部分L*である左右方向の両端部の一方に、薬液20が塗布される部分と、薬液20が塗布されない部分と、の両方が形成され、当該両端部の他方には、薬液20が塗布される部分のみ(あるいは、薬液20が塗布されない部分のみ)が形成されるようなパターンの凹凸を有するパターンロールR1で薬液20を塗布することも可能である。
また、変形例1の製造方法は、パターンロールR1と、プレスロールR2と、転写ロールR3と、薬液供給手段R4と、を用いる方法に限ることはなく、第1領域11における薬液20の含浸率が、第2領域12における薬液20の含浸率よりも低くなるように、ティシュー基材10aに薬液20を塗布できる方法であれば、適宜任意に変更可能である。
1a ウェットティシュー
10 基材積層体
10a ティシュー基材
11 第1領域
12 第2領域
20 薬液
L 重なり部分
M 容器
M1 取出口
N 薬液塗布ノズル
Na 噴出孔
N1 第1部分
N2 第2部分
Claims (11)
- 一のティシュー基材を折り畳み、その折り返し部分に他のティシュー基材の端部を挟み込んだ状態で当該他のティシュー基材を折り畳むことによって、複数枚のティシュー基材が連続的に積層された基材積層体と、
前記ティシュー基材に含浸された薬液と、からなり、
一のティシュー基材の端部と、当該一のティシュー基材の折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材の端部と、の重なり部分は、前記ティシュー基材の積層方向に沿って並んでおり、
前記基材積層体は、前記重なり部分が配置された前記ティシュー基材の積層方向の一側から他側に亘る第1領域と、当該第1領域以外の第2領域と、に区分され、
前記第1領域における前記薬液の含浸率は、前記第2領域における前記薬液の含浸率よりも低いことを特徴とするウェットティシュー積層体。 - 取出口が設けられた容器に収納可能であり、
前記容器に収納された場合に、前記第1領域が前記取出口からずれた位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のウェットティシュー積層体。 - 請求項1又は2に記載のウェットティシュー積層体を製造するための製造方法において、
一のティシュー基材を折り畳み、その折り返し部分に他のティシュー基材の端部を挟み込んだ状態で当該他のティシュー基材を折り畳むことによって、複数枚のティシュー基材が連続的に積層された基材積層体を形成する積層体形成ステップと、
前記基材積層体に薬液を塗布する薬液塗布ステップと、を有し、
前記積層体形成ステップでは、一のティシュー基材の端部と、当該一のティシュー基材の折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材の端部と、の重なり部分が、前記ティシュー基材の積層方向に沿って並ぶように、前記ティシュー基材を折り畳んで積層し、
前記薬液塗布ステップでは、前記第1領域における薬液の含浸率が、前記第2領域における薬液の含浸率よりも低くなるように、前記基材積層体に前記薬液を塗布することを特徴とするウェットティシュー積層体の製造方法。 - 前記薬液塗布ステップでは、
前記薬液を噴出するための噴出孔が複数設けられているとともに、
当該薬液塗布ステップにて、前記第1領域の直上に配置される第1部分と、前記第2領域の直上に配置される第2部分と、を有する薬液塗布ノズルを用いて前記薬液を塗布することを特徴とする請求項3に記載のウェットティシュー積層体の製造方法。 - 前記第1部分には、前記噴出孔が形成されていないことを特徴とする請求項4に記載のウェットティシュー積層体の製造方法。
- 前記第1部分における前記噴出孔の占有率は、前記第2部分における前記噴出孔の占有率よりも低いことを特徴とする請求項4に記載のウェットティシュー積層体の製造方法。
- 前記第1部分に形成された前記噴出孔の径は、前記第2部分に形成された前記噴出孔の径と略同一であり、
前記第1部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数は、前記第2部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数よりも少ないことを特徴とする請求項6に記載のウェットティシュー積層体の製造方法。 - 前記第1部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数は、前記第2部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数と略同一であり、
前記第1部分に形成された前記噴出孔の径は、前記第2部分に形成された前記噴出孔の径よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載のウェットティシュー積層体の製造方法。 - 前記第1部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数は、前記第2部分における単位長さあたりの前記噴出孔の個数よりも少なく、
前記第1部分に形成された前記噴出孔の径は、前記第2部分に形成された前記噴出孔の径よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載のウェットティシュー積層体の製造方法。 - 請求項1又は2に記載のウェットティシュー積層体を製造するための製造方法において、
ティシュー基材に薬液を塗布する薬液塗布ステップと、
前記薬液が塗布された一のティシュー基材を折り畳み、その折り返し部分に前記薬液が塗布された他のティシュー基材の端部を挟み込んだ状態で当該他のティシュー基材を折り畳むことによって、複数枚のウェットティシューが連続的に積層されたウェットティシュー積層体を形成する積層体形成ステップと、を有し、
前記積層体形成ステップでは、一のティシュー基材の端部と、当該一のティシュー基材の折り返し部分に挟み込まれた他のティシュー基材の端部と、の重なり部分が、前記ティシュー基材の積層方向に沿って並ぶように、前記薬液が塗布されたティシュー基材を折り畳んで積層し、
前記薬液塗布ステップでは、前記第1領域における薬液の含浸率が、前記第2領域における薬液の含浸率よりも低くなるように、前記ティシュー基材に前記薬液を塗布することを特徴とするウェットティシュー積層体の製造方法。 - 前記薬液塗布ステップでは、
外周面に所定パターンの凹凸を有するパターンロールと、
前記パターンロールの外周面に当接され、当該パターンロール外周面の凹凸へ押圧される外周面を有するプレスロールと、
前記パターンロールの外周面に当接される外周面を有する転写ロールと、
前記転写ロールの外周面に前記薬液を供給する薬液供給手段と、を用いて前記薬液を塗布し、
前記パターンロールは、前記ティシュー基材のうち前記重なり部分となる部分における単位面積あたりの前記薬液の塗布量が、当該重なり部分となる部分以外の部分における単位面積あたりの前記薬液の塗布量よりも少なくなるようなパターンの凹凸を有することを特徴とする請求項10に記載のウェットティシュー積層体の製造方法。
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