JP2014058056A - 積層防湿フィルム、太陽電池用保護材、及び太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温から高温の広い温度範囲で良好な防湿性を維持できる積層防湿フィルム、該積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材、及び当該太陽電池用保護材を有する太陽電池を提供する。
【解決手段】耐候層、接着層1、及び、基材上に無機層を有する防湿層1をこの順に有する積層防湿フィルムであって、前記接着層1のガラス転移点が0℃以下である積層防湿フィルム、該積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材、及び該太陽電池用保護材を有する太陽電池である。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層防湿フィルム、該積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材、及び該太陽電池用保護材を有する太陽電池に関する。
プラスチックフィルム基材の表面に酸化珪素等の無機薄膜を形成した防湿フィルム(バリアフィルム)は、他のプラスチックフィルムと積層され、さまざまな包装用途に用いられてきた。近年は、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、有機TFT、有機半導体センサー、有機発光デバイス、電子ペーパー、フィルムコンデンサー、無機EL素子、カラーフィルター等で使用される基材フィルムや真空断熱材としての新しい用途にも使用されている。
これらの用途において、積層防湿フィルムは、より厳しい性能が求められるようになり、長期使用や高温及び低温条件下における防湿性の劣化が少ない優れた積層防湿性フィルムの開発がなされてきた。
例えば、特許文献1では、二軸延伸ポリエステルフィルムを基材とする防湿フィルムにポリウレタン系接着剤を使用して接着剤層を設け、順次フィルムを積層し太陽電池用表面保護材を製作し、85℃、85%湿度下で1000時間加速試験後の水蒸気透過率と層間強度を評価し、両特性の劣化防止の提案を行っている。
また、特許文献2では、同じく二軸延伸ポリエステルフィルムを基材とする防湿フィルムに二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いてPVFフィルムを貼り合わせた後、プレッシャークッカーテスト(PCT;高温高圧による過酷環境試験(105℃,92時間))前後の防湿性能と層間強度を評価、特性の劣化防止の提案を行っている。
特開2009−188072号公報 特開2009−49252号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2のいずれにおいても、高温(例えば85℃)及び低温(例えば−40℃)条件下における防湿性の劣化を十分に防止することはできなかった。このように、従来の発明においては、高温及び低温条件下、すなわち低温から高温の広い温度範囲で良好な防湿性を維持できる保護シートを実現するための具体的な提案は何らなされていないのが実情であった。
以上から、本発明の課題は、低温(例えば−40℃)から高温(例えば85℃)の広い温度範囲で良好な防湿性を維持できる積層防湿フィルム、該積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材、及び当該太陽電池用保護材を有する太陽電池を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、低温から高温の広い温度範囲で良好な防湿性を維持するためには、フィルム同士を接着する接着層のガラス転移点が重要なファクターであることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 耐候層、接着層1、及び、基材上に無機層を有する防湿層1をこの順に有する積層防湿フィルムであって、前記接着層1のガラス転移点が0℃以下である積層防湿フィルム。
[2] 前記耐候層と前記防湿層1との層間強度が結露凍結試験後において10N/15mm以上であり、かつ層間強度の劣化率が20%未満である[1]に記載の積層防湿フィルム。
[3] 前記接着層1がアクリル系粘着剤を含む[1]又は[2]に記載の積層防湿フィルム。
[4] 前記接着層1の0℃、周波数10Hz、歪0.1%における引張り貯蔵弾性率が、1.0×106〜1.0×108Paである[1]〜[3]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[5] 前記防湿層1の基材がポリエステル系フィルムである[1]〜[4]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[6] さらに、接着層2、及び、基材上に無機層を有する防湿層2を有する[1]〜[5]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[7] 前記耐候層が、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体フィルムである[1]〜[6]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[8] 前記防湿層1及び/又は防湿層2の温度40℃相対湿度90%における水蒸気透過率が0.1[g/(m2・日)]未満であり、結露凍結試験後における水蒸気透過率の劣化度が3未満である[1]〜[7]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[9] 前記防湿層1の基材の厚みが前記耐候層の厚みより薄い[1]〜[8]のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
[10] 上記[1]〜[9]のいずれかに記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材。
[11] 上記[10]に記載の太陽電池用保護材を有する太陽電池。
本発明によれば、低温から高温の広い温度範囲で良好な防湿性を維持できる積層防湿フィルム、該積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材、及び当該太陽電池用保護材を有する太陽電池を提供することができる。
<積層防湿フィルム及び太陽電池用保護材>
本発明の積層防湿フィルムは、耐候層と、接着層1と、基材上に無機層を有する防湿層1とをこの順に有する。以下に本発明を更に詳細に説明する。
[耐候層]
本発明において、耐候層としては、耐候性の樹脂組成物の塗布層や、耐候性フィルムからなるものが挙げられるが、耐候性フィルムからなるものが好ましい。
本発明において、耐候性フィルムは、耐加水分解性や耐候性を有するものが制限なく使用でき、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂;ポリアミド等の各種樹脂のフィルムを用いることができる。耐候性フィルムは、これらの樹脂の2種以上を含むものであってもよく、また、2枚以上のフィルムの積層フィルムであってもよい。
真空ラミネーション工程において、太陽電池用保護材を製造する積層工程で生じた耐候層の残留歪を軽減し、高温高湿時における保護シート内の残留応力を低減する効果を得るためには、真空ラミネーション時の温度付近に融点をもつフィルム、すなわち、融点が180℃以下のフィルムを用いることが好ましい。また、融点が上記の温度範囲内の耐候性フィルムを用いることで、真空ラミネーション時の温度で、それまでの工程で加えられた力の履歴や熱履歴によって生じたフィルム内の分子、結晶配向を緩和させ残留歪を低減させることができる。
また、耐候性フィルムとして、真空ラミネーション時や高温高湿時の温度・湿度変化においてもその特性変化が小さいことが好ましいことから、事前の熱処理等による低収縮率化等が行われたフィルムが好ましく使用される。
更に、耐候性フィルムは、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、光安定剤等の安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。また、これらの各種添加剤を含有する樹脂層を積層してもよい。
耐候層の厚さは、一般に20〜200μm程度であり、耐候性フィルムの場合は取り扱いやすさとコストの点から20〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
[防湿層]
本発明に係る防湿層1は、基材の少なくとも一方の面に無機層を少なくとも1層有する層であり、防湿性を有する層である。無機層により、湿気、水の透過による太陽電池等の内面側を保護することができる。
なお、防湿層1は後述する接着層1を介して既述の耐候層と接着される。また、防湿層1と以下に記載の防湿層2を合わせて「防湿層」ということがある。
防湿層の基材としては、樹脂フィルムが好ましく、その材料としては、通常の包装材料や電子デバイス等のパッケージ材料や、太陽電池用部材、電子ペーパー用部材、有機EL用部材に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン;環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド;エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリル樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。これらの中では、フィルム物性、コスト等の点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましい。中でも、フィルム物性の点から、ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が特に好ましい。
また、上記基材は、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
上記基材としての樹脂フィルムは、未延伸であってもよいし延伸したものであってもよい。
かかる基材は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、原料を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押出して、急冷することにより実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、多層ダイを用いることにより、1種の樹脂からなる単層フィルム、1種の樹脂からなる多層フィルム、多種の樹脂からなる多層フィルム等を製造することができる。
この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向又はフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延伸することにより、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムを製造することができる。延伸倍率は任意に設定できるが、100℃における熱収縮率が、0.01〜5%、更には0.01〜2%であることが好ましい。中でもフィルム物性の点から、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムや、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートの共押出二軸延伸フィルム、またはこれらの樹脂と他の樹脂の共押出二軸延伸フィルムが好ましい。
本発明において、上記基材の厚さは、保護シートの端面防湿性の観点から、30μm以下であり、好ましくは10〜30μm、より好ましくは12〜25μm、更に好ましくは12〜20μmである。
更に、防湿層1の基材の厚みが前記耐候層の厚みより薄いと、柔軟性に優れた太陽電池用保護材が得られ、太陽電池モジュールが曲げられた際に、太陽電池用保護材がその曲げに追従することができ、太陽電池用保護材と封止材とのデラミネーションが起こりにくいので、好ましい。特に防湿層1の基材の厚み及び防湿層2の基材の厚みのいずれもが前記耐候層の厚みより薄いことが、前述の理由より、より好ましい。
なお、上記基材には、無機層との密着性向上のため、アンカーコート剤を塗布することによりアンカーコート層を設けることが好ましい。アンカーコート剤としては、溶剤性又は水性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂等のアルコール性水酸基含有樹脂、ビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、メチレン基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、スチレン樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、アンカーコート層は必要に応じ、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルキルチタネート、紫外線吸収剤、耐候安定剤等の安定剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
アンカーコート層の形成方法としては、公知のコーティング方法が適宜採択される。例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター、スプレイを用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。また、基材を樹脂液に浸漬して行ってもよい。塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥等の加熱乾燥や、赤外線乾燥等の公知の乾燥方法を用いて溶媒を蒸発させることができる。また、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行うこともできる。また、アンカーコート層の形成は、基材の製造ラインの途中で行う方法(インライン)でも、基材製造後に行う方法(オフライン)でもよい。
無機層を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、酸化炭化物、酸化窒化物、酸化炭化窒化物、ダイヤモンドライクカーボンまたはこれらの混合物等が挙げられるが、太陽電池に適用した場合に電流がリークする等の恐れがない点から、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム及び酸化窒化アルミニウム等の無機酸化物、窒化珪素及び窒化アルミニウム等の窒化物、ダイヤモンドライクカーボン並びにこれらの混合物が好ましい。特に、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化アルミニウム及びこれらの混合物は、高い防湿性が安定に維持できる点で好ましい。
無機層の形成方法としては、蒸着法、コーティング法等の方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、物理気相蒸着(PVD)、あるいは化学気相蒸着(CVD)等の方法が含まれる。物理気相蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられ、化学気相蒸着法としては、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。
また、上記無機層は、無機層は単層の他、多層であってもよく、上記に挙げられる種々の成膜法を用い多層成膜し、防湿性を高めることが可能である。その場合、同一の成膜法を用いてもよいし、各層ごとに異なる成膜法を用いてもよいが、何れも減圧下で連続して行うことが、効率的な防湿性向上、生産性の点で好ましい。
また、無機層が多層の場合、各層は同じ無機物質からなっていても、異なる無機物質からなっていてもよい。
無機層の厚さは、高い防湿性能の発現と透明性の点から、10〜1000nmであることが好ましく、20〜800nmがより好ましく、30〜600nmがさらに好ましい。
防湿層の水蒸気透過率の調整は、前記のとおり、前記無機層を構成する無機物質の選択、無機層の厚さ、防湿層の厚さ及び無機層の酸化数等を適宜調整することにより行うことができる。
防湿層の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は、防湿性の観点から、好ましくは0.1[g/(m2・日)]未満、より好ましくは0.05[g/(m2・日)]以下、更に好ましくは、0.03[g/(m2・日)]以下である。
防湿層の水蒸気透過率の調整は、基材の選択、無機層を構成する無機物質の選択、無機層の厚さ、防湿層の厚さ及び無機層の酸化数等を適宜調整することにより行うことができる。
防湿層1及び/又は防湿層2は、結露凍結試験後における初期水蒸気透過率からの水蒸気透過率の劣化度が3未満であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
水蒸気透過率の測定方法は、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に順じ、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
[接着層1]
本発明において、接着層1のガラス転移点は0℃以下とする。接着層1のガラス転移点が0℃を超えると低温(例えば−40℃)から高温(例えば85℃)の広い温度範囲で防湿層による良好な防湿性を維持できなくなってしてしまう。ガラス転移点は、接着剤および粘着剤層の脆弱化を防ぐ理由で、−40〜0℃であることがより好ましい。
上記接着層1のガラス転移点は、具体的には実施例に記載の方法で求められる。
また、接着層1の0℃、周波数10Hz、歪0.1%における引張り貯蔵弾性率は、1.0×106〜1.0×108Paであることが好ましく、更に接着層1の100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引張り貯蔵弾性率が、5.0×104〜5.0×105Paであることがより好ましい。0℃、周波数10Hz、歪0.1%における引張り貯蔵弾性率が上記範囲内であると、低温において、フィルムの収縮等により発生する応力を粘着剤層で十分に吸収することができ、防湿性の劣化を防止することができる。また、
100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引張り貯蔵弾性率が上記範囲であると、高温において、フィルムの収縮等により発生する応力を粘着剤層で十分に吸収することができ、防湿性の劣化を防止することができる。
接着層1は、粘着剤又は接着剤で構成される。粘着剤は、Pressure−sensitive Adhesive(感圧性接着剤)とも呼ばれ、水、溶剤、熱などを使用せず、常温で短時間、わずかな圧力を加えるだけで接着できるものである。溶液型接着剤、熱硬化型接着剤、ホットメルト接着剤などの接着剤が化学反応、溶媒揮散、温度変化などによって固化するのに対し、粘着剤は半固体であり、接合形成後もその状態が変わらず、固化の過程が必要でなく、接合形成後もその状態が変わらないものである。以下、本明細書においては接着剤と区別する。
本発明に係る粘着剤としては、アクリル系粘着剤を含むものが好ましく、アクリル系粘着剤を主成分とするものがさらに好ましい。ここで、主成分とは、本発明の効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨であり、具体的な含有率を制限するものではないが、一般に接着層1の構成成分全体を100質量部とした場合、50質量部以上であり、好ましくは65質量部以上、さらに好ましくは80質量部以上であって100質量部以下の範囲を占める成分である。
アクリル系粘着剤としては、粘着性を与える低ガラス転移点(Tg)の主モノマー成分、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分、及び架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体又は共重合体(以下、「アクリル系(共)重合体」という。)よりなるものが好ましい。
アクリル系粘着剤の主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
アクリル系粘着剤のコモノマー成分としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
アクリル系粘着剤の官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
アクリル系粘着剤のモノマー成分の重合に使用する開始剤の例としては、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。また、前記アクリル系粘着剤の主成分となるアクリル系(共)重合体の共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
また、アクリル系粘着剤が上述のアクリル系(共)重合体である場合の分子量としては、重量平均分子量で30万〜150万であるものが好ましく、40万〜100万であることがさらに好ましい。重量平均分子量を上記範囲にすることによって被着体に対する密着性や接着耐久性を確保し、浮きや剥がれ等を抑制することができる。
さらに、アクリル系(共)重合体において、官能基含有モノマー成分単位の含有量は、1〜25質量%の範囲が好ましい。この含有量を範囲内にすることにより、被着体との密着性及び架橋度を確保し、接着層1の0℃、周波数10Hz、歪0.1%における低温領域での引張り貯蔵弾性率を、1.0×106〜1.0×107Paに制御することができる。
本発明に係る粘着剤としては、カルボキシル基及び/又はアミノ基を含むことが好ましい。カルボキシル基及び/又はアミノ基を含むことで、粘着剤自体の凝集力が増加し、さらに粘着剤層が接する基材フィルムとの界面との相溶性も向上するため接着強度を高めることができる。このような粘着剤は、例えば、粘着剤を構成するアクリル系(共)重合体のモノマー成分としてカルボキシル基及び/又はアミノ基を有するモノマーを用いることにより得ることができる。
本発明に係る接着剤としては、前述したように、溶液型接着剤、熱硬化型接着剤、ホットメルト接着剤などの接着剤が挙げられ、これらは化学反応、溶媒揮散、温度変化などによって固化する。接着剤としては、ポリウレタン系接着剤を含むものが好ましく、ポリウレタン系接着剤を主成分とするものがさらに好ましい。ここで、主成分とは、本発明の効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨であり、具体的な含有率を制限するものではないが、一般に接着層1の構成成分全体を100質量部とした場合、50質量部以上であり、好ましくは65質量部以上、さらに好ましくは80質量部以上であって100質量部以下の範囲を占める成分である。
ポリウレタン系接着剤としては、主剤と硬化剤とが化学反応して固化するタイプのものが好ましい。この主剤としては、塗膜形成性と硬化時の反応性のバランスを考慮し、分子量400〜20000のポリオールを使用するのが好ましく、更に分子量600〜10000のポリオールを使用するのがより好ましい。
接着剤の主剤としては、具体的には、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリウレタンポリオールあるいはポリエステルポリオールを含む組成物等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、例えば、ジフェニルカーボネートと、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(NPG)、シクロヘキサンジオール等のジオールとを共重合させて得ることができる。また、ポリカプロラクトンポリオールとポリカーボネートジオールとを共重合させて得ることもできる。
ポリエーテルポリオールは、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドを、アルカリ触媒又は酸触媒を触媒として開環重合を行うことで得ることができる。開環重合の出発物質となる活性水素含有化合物としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール等の多価アルコールを用いることができる。
ポリアクリルポリオールは、水酸基をもった(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとを共重合させて得ることができる。水酸基をもった(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートが挙げられる。また他のモノマーとしては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、脂環式構造を有するシクロヘキシルメタクリレート等を挙げることができる。
ポリウレタンポリオールは、ジオールとジイソシアネートを、イソシアネート基に対する水酸基の比が1以上の割合でウレタン化反応させることにより得ることができる。ジオール成分、ジイソシアネート成分は、ポリウレタンポリオールの流動性や溶剤への溶解性等を考慮して選択することができる。ジオール成分として好ましくは、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の1級水酸基を有するジオールが挙げられる。また、ジイソシアネート成分としては、脂肪族ジイソシアネート、脂環系ジイソシアネート、芳香族イソシアネートが挙げられる。
ポリエステルポリオールは、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イソフタル酸(IPA)、テレフタル酸(TPA)等のジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール等のジオール、又はポリテトラメチレングリコール等とを共重合させて得ることができる。
ポリエステルポリオールを原料とする接着剤は被着体との密着性が高いという点で好ましいが、エステル結合の加水分解による熱劣化を抑制する観点から、加水分解点となり得るエステル結合基数が少ないポリエステルポリオールを選択することが望ましい。例えばネオペンチルグリコール(NPG)等のアルキル鎖の長いグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環構造をもつグリコールを有することが望ましい。
さらに、例えばポリテトラメチレングリコール(PTMG)のように主鎖構造にポリエーテル構造を含む、耐加水分解ポリエステルポリオールを選択することが望ましい。このようなポリエステルポリオールのエステル基1個当たりの分子量は、好ましくは100〜5,000、より好ましくは120〜3,000である。
ポリオールとしては、熱安定性、湿度安定性等の観点から、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリウレタンポリオールから選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。
更に、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリウレタンポリオールから選ばれる少なくとも1種を30質量%以上含有するものがより好ましく、30〜70質量%含有するものが特に好ましく使用できる。
また、他の成分を0〜30質量%加えることが好ましく、当該他の成分として密着性を向上させるためのアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン等が好ましい。更に、高耐寒性、耐加水分解性に優れたスチレンーブタジエンゴム等を好ましく使用できる。
硬化剤としては、ジイソシアネートが好ましく、脂肪族系ジイソシアネート、芳香族系ジイソシアネート及び脂環系ジイソシアネートのいずれも好ましく使用できる。脂肪族系ジイソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。芳香族系ジイソシアネートの具体例としては、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等が挙げられる。脂環系ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)等が挙げられる。
ポリウレタン系接着剤としては、熱安定性、湿度安定性等の観点から、ポリカーボネートポリオールと、ジイソシアネートとを反応させて得られるポリカーボネート系ポリウレタン接着剤がより好ましい。特に、硬化時においても十分な架橋密度が得られる観点から、ジイソシアネートとして、柔軟なメチレン鎖を有するHDIを用いるのが好ましい。
また、より熱的に安定な接着剤層を得るために、主剤にエポキシ系化合物を含んだものを用いることが好ましい。
接着剤硬化時に架橋反応が十分に進行するためには、主剤のポリオールの水酸基と硬化剤のイソシアネート基が十分近づかなくてはならない。すなわち、主剤のポリオールのポリマー鎖間に硬化剤が浸透する必要がある。そのためには硬化剤の分子量はポリオールより小さい方が好ましく、硬化剤に含まれるジイソシアネートの分子量は300〜10000が好ましく、より好ましくは分子量1000〜5000である。
十分な架橋密度を得、かつ残存する官能基数を抑えるために、異なる分子量の主剤と硬化剤を用いるという考え方に基づいて、例えば、主剤として分子量の異なるポリオールを複数種混合して用いる方法が好ましい。
以上のような接着剤の物性としては、(主剤の粘度/硬化剤の粘度)もしくは(硬化剤の粘度/主剤の粘度)が5以上であることが好ましく、より好ましくは10以上である。また主剤の粘度は、100〜1500(mPa・s25℃)が好ましく、より好ましくは400〜1300(mPa・s25℃)である。硬化剤の粘度としては30〜3000(mPa・s25℃)が好ましい。
本発明における接着剤の主剤と硬化剤の好ましい配合比は、質量比で主剤/硬化剤=5〜25、官能基のモル比で−NCO基/−OH基=0.8〜9である。
この配合比を前記範囲内にすることにより、被着体との密着性及び架橋度を確保し、接着剤層1の0℃、周波数10Hz、歪0.1%における低温領域での引張り貯蔵弾性率を、1.0×106〜1.0×108Pa、好ましくは1.0×107〜1.0×108Paに制御することができる。
本発明に係る接着層1には、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。使用し得る紫外線吸収剤としては、配合後ブリードアウト等が生じにくい、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール等のトリアジン系;P−tert−ブチルフェニルサリシレート、フェニルサリシレート等のサリシレート系紫外線吸収剤のうち、1種類または2種類以上を混合して使用することが可能である。紫外線吸収剤の配合については、粘着剤または接着剤100質量部に対して、固形分換算で0.1〜10質量部であることが好ましく、さらに1〜7質量部であることがより好ましい。0.1質量部未満では満足する紫外線吸収性能が得られず、10質量部以上では、得られる紫外線吸収性能に向上がないことに加えて、接着性能または粘着性能や耐久性が極度に低下する。
接着層1のガラス転移点の調整は、接着剤または粘着剤の種類や分子量等を適宜調整することにより行うことができる。
本発明において、接着層1は、耐候層または防湿層の無機層に粘着剤又は接着剤の塗工液を直接塗工することにより形成してもよいし、また、粘着剤又は接着剤の塗工液を、剥離処理された剥離シートの剥離処理面に塗工し、これを耐候層または防湿層の無機層に貼り合わせた後に剥離シートを剥離することにより形成することができる。
塗工する際に使用される塗工液は、既述の粘着剤又は接着剤を、有機溶剤に溶解させたもの、水に溶解または分散させたもの等を使用することが好ましいが、耐水性が問われる太陽電池部材等の用途には有機溶剤に溶解させたものが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
塗工液は、塗工の利便さから、これらの有機溶剤を使用して、固形分濃度が10〜50質量%の範囲になるように調製するのが好ましい。
塗工液の塗工は、例えば、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、エアドクターコート法、ドクターブレードコート法等、従来公知の塗工方法により行うことができる。
塗工後、通常70〜110℃の温度で1〜5分程度乾燥処理することにより、接着層1が形成される。
接着層1の厚さは、接着剤を用いる場合は十分な接着力を得る観点から4μm以上であるのが好ましく、より好ましくは6μm以上である。また、防湿層の無機層面への応力が増大して防湿性能が劣化するのを防止する観点から、厚さは12μm以下であるのが好ましく、より好ましくは10μm以下である。粘着剤を用いる場合は、十分な接着力を得る観点から13μm以上であり、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上である。また、高温高湿の使用において接着層1に発生する構造変化により防湿層の無機層への応力が増大して防湿性能が劣化するのを防止する観点から、上記厚さは45μm以下であるのが好ましく、30μm以下であるのがより好ましい。
以上のような本発明の積層防湿フィルムは、耐候層と防湿層との層間強度が結露凍結試験後において10N/15mm以上、かつ初期層間強度からの層間強度の劣化率が20%未満であることが好ましい。該層間強度は8N/15mm以上であることがより好ましい。
上記結露凍結試験及び劣化率については後述する。
本発明においては、さらに、接着層2、及び、基材上に無機層を有する防湿層2をこの順に防湿層1上に有していてもよい(防湿層1/接着層2/防湿層2)。かかる構成を有することでさらに防湿性を高めることができる。
接着層2としては既述の接着層1と同様な構成が好ましく例示される。また、防湿層2についても既述の防湿層1と同様な構成が好ましく例示される。
本発明の積層防湿シートは、太陽電池用部材や、有機EL用部材、電子ペーパーの表面保護部材等の用途、特に太陽電池用保護材に用いることが、湿気の透過による発電素子の劣化防止、内部の導線や電極の発錆を防止することができ、環境変動に影響されず長期に渡る起電力の保持を達成できることから好ましい。
<太陽電池>
本発明の太陽電池は、既述の本発明の太陽電池用保護材を有する構成である。すなわち、本発明の太陽電池用保護材を、封止材や太陽電池用セル等の他の太陽電池用部材と積層されたものである。本発明の太陽電池は、本発明の太陽電池用保護材を使用することで、良好な外観を実現することができるのみならず、発電効率の低下を防止できる。
本発明の太陽電池用保護材は、封止材を積層してなる封止材・前面保護材一体型であってもよい。予め封止材をさらに積層することにより、真空ラミネーション工程における裏面保護材、封止材、発電素子、封止材、前面保護材それぞれを個々に積層する作業を低減でき、太陽電池モジュール製造の効率化を図ることができる。
本発明の太陽電池用保護材を太陽電池用フロントシート、バックシート等の表面保護部材の層構成に使用し、太陽電池素子を封止材とともに固定することにより太陽電池モジュールを製作することができる。このような太陽電池としては、種々のタイプのものを例示することができ、好ましくは、本発明の太陽電池用保護材を前面保護材として使用した場合、封止材と、太陽電池素子と、裏面保護材とを用いて作製された太陽電池モジュールが挙げられ、具体的には、前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)/封止材(封止樹脂層)/太陽電池素子/封止材(封止樹脂層)/裏面保護材の構成のもの、裏面保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子上に封止材と前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)を形成させるような構成のもの、前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)の内周面上に形成させた太陽電池素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス太陽電池素子をスパッタリング等で作製したものの上に封止材と裏面保護材を形成させるような構成のもの等を挙げることができる。前面保護材として本発明の太陽電池用保護材の外側にガラス板を貼り合わせることは任意である。
なお、前述の封止材・前面保護材一体型の前面保護材を用いる場合は、前記の封止材は用いなくてもよい場合がある。
太陽電池素子としては、例えば、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、銅−インジウム−ガリウム−セレン、カドミウム−テルル等のIII−V族やII−VI族化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型等が挙げられる。
本発明の太陽電池を構成する他の各部材については、特に限定されるものではなく、例えば、封止材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリエチレンを挙げられる。
本発明の太陽電池用保護材を前面保護材として使用する場合、裏面保護材としては、公知のものがいずれも使用可能であるが、例えば、無機材料や各種熱可塑性樹脂フィルム等の単層もしくは多層のシートが挙げられる。無機材料としては、例えば、錫、アルミ、ステンレス等の金属やガラス等が挙げられ、熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、無機物蒸着ポリエステルフィルム、フッ素含有樹脂フィルム、ポリオレフィンフィルム等が挙げられる。また、本発明の太陽電池用保護材を裏面保護材として使用する場合、前面保護材としては、公知のものがいずれも使用可能であり、例えば、ガラスや熱可塑性樹脂フィルム等の単層もしくは多層シートまたはこれらの積層シートが挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、無機物蒸着ポリエステルフィルム、フッ素系樹脂フィルム、ポリオレフィンフィルム及びこれらの積層シートが挙げられる。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、上述の上部及び/又は下部の各部材や、本発明の太陽電池用保護材の表面には、封止材や他の部材との接着性を向上させるためにプライマー処理やコロナ処理等公知の表面処理を施すことができる。
本発明の太陽電池用保護材を用いて作製された太陽電池を前述した前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)/封止材/太陽電池素子/封止材/裏面保護材のような構成のものを例として説明する。太陽光受光側から順に、本発明の太陽電池用保護材、封止材、太陽電池素子、封止材、裏面保護材が積層されてなり、さらに、裏面保護材の下面にジャンクションボックス(太陽電池素子から発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)が接着されてなる。太陽電池素子は、発電電流を外部へ電導するために配線により連結されている。配線は、バックシートに設けられた貫通孔を通じて外部へ取り出され、ジャンクションボックスに接続されている。
なお、上記で、例えば、A/B/Cの表記は、下から(あるいは上から)A、B、Cの順に積層していることを示す。
太陽電池の製造方法としては、公知の製造方法が適用でき、特に限定されるものではないが、一般的には、本発明の太陽電池用保護材、封止材、太陽電池素子、封止材、裏面保護材の順に積層する工程と、それらを真空吸引し加熱圧着する工程を有する。具体的には、上記の各部材を順に積層し、常法に従って、真空ラミネーターで、温度が好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜150℃、脱気時間が2〜15分、プレス圧力が0.05〜0.1MPa、プレス時間が好ましくは8〜45分、より好ましくは10〜40分で加熱加圧圧着することにより容易に製造することができる。
上記の製造方法においては、バッチ式の製造設備やロール・ツー・ロール式の製造設備等も適用することができる。
本発明の太陽電池用保護材を用いて作製された太陽電池は、適用される太陽電池のタイプとモジュール形状によらず、モバイル機器に代表される小型太陽電池、屋根や屋上に設置される大型太陽電池等、屋内、屋外に関わらず各種用途に適用することができる。特に、電子デバイスの中でも、化合物系発電素子太陽電池やアモルファスシリコン系等のフレキシブル太陽電池への使用においては、高防湿性が要求されることから、好ましく用いられる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例及び比較例により本発明は制限を受けるものではない。なお、種々の物性の測定及び評価は次のようにして行った。
[結露凍結試験およびダンプヒート試験サンプルの作製方法]
実施例及び比較例で作製した積層防湿フィルムを、150mm×150mm角に切り出し、これに、封止材、厚み3mmの白板ガラス(サイズ:150mm×150mm)を順次積層し、これを真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM30×30)を用いて、150℃、11分、圧力0.1MPaの条件で積層プレスしたサンプルを作製した。
[加速試験]
(1)結露凍結試験(HF)
JIS C 8990−2004に準拠した方法により、超低温恒温恒湿機(エスペック(株)製、商品名:PSL−2KPH)を用いて、温度85℃、相対湿度85%環境下でサンプルを20時間保持し、次に1.5時間かけて温度を−40℃とし、温度−40℃環境下でサンプルを1時間保持し、これを1サイクルとして、再度1.5時間かけて温度を85℃に戻し前記サイクルを20回繰り返した。
(2)ダンプヒート試験(DH)
JIS C 60068−3−4に準拠した方法により、恒温恒湿機(エスペック(株)製、商品名:PH−3KT)を用いて温度85℃、相対湿度85%環境下で400時間保持した。
[物性評価]
(3)積層防湿フィルムの層間強度および層間強度劣化率
作製された積層防湿フィルムを測定幅15mmの短冊状に切り出し、引っ張り試験機(ORIENTIC製、商品名:STA−1150)を用いて300mm/minで、引っ張り方向は180度で、耐候性フィルムと防湿フィルム1(耐候性フィルム側からみて1層目の防湿フィルム)との層間強度(N/15mm)を測定した。
測定は、積層防湿フィルム作製直後、結露凍結試験後、及びダンプヒート試験後のそれぞれについて行った。
また、積層防湿フィルム作製直後の層間強度(初期層間強度)に対して、結露凍結試験後またはダンプヒート試験後の層間強度がどれだけ劣化したかを層間強度劣化率(%)として次式により求めた。
層間強度劣化率(%)=[1−(結露凍結試験またはダンプヒート試験後の積層防湿フィルムの層間強度)/(初期の積層防湿フィルムの層間強度)]×100
(4)防湿性(水蒸気透過率)および水蒸気透過率劣化度
実施例および比較例記載の防湿フィルム及び積層防湿フィルムの防湿性は、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に順じ、次の手法で水蒸気透過率を求め、評価した。
(防湿フィルムの水蒸気透過率)
厚さ60μmの延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製 P1146)の表面に、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製AD900とCAT−RT85を10:1.5の割合で配合したもの)を塗布、乾燥し、厚さ約3μmの接着剤層を形成し、この接着剤層上に防湿フィルムの無機層側をラミネートし、積層体を得た。
次に、該積層体からなる透湿面積10.0cm×10.0cm角の積層体各2枚用い、延伸ポリプロピレンフィルムが内側になるようにして、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、72時間以上の間隔でおよそ200日目まで質量測定し、4日目以降の経過時間と袋質量との回帰直線の傾きから水蒸気透過率[g/(m2・日)]を算出した。
(積層防湿フィルムの水蒸気透過率および水蒸気透過率劣化度)
厚さ60μmの延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製 P1146)の表面に、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製AD900とCAT−RT85を10:1.5の割合で配合したもの)を塗布、乾燥し、厚さ約3μmの接着剤層を形成し、この接着剤層上に作製直後の積層防湿フィルムの防湿フィルムの無機層背面側をラミネートし、積層体を得た。
次に、該積層体からなる透湿面積10.0cm×10.0cm角の積層体各2枚用い、延伸ポリプロピレンフィルムが内側になるようにして、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、72時間以上の間隔でおよそ200日目まで質量測定し、4日目以降の経過時間と袋質量との回帰直線の傾きから水蒸気透過率[g/(m2・日)]を算出し、積層防湿フィルムの初期の水蒸気透過率とした。結露凍結試験またはダンプヒート試験後の防湿性評価についても、各試験後のガラスサンプルから積層防湿フィルムを取り出し、これを用いて上記と同様に積層体を作成し、該積層体からなる透湿面積10.0cm×10.0cm角の積層体各2枚を用い、上記と同様の方法で評価を行なった。
得られた水蒸気透過率を用いて、防湿性劣化度を次式により求めた。
防湿性劣化度=(結露凍結試験後またはダンプヒート試験後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率)/(積層防湿フィルムの初期の水蒸気透過率)
(5)外観
結露凍結試験後またはダンプヒート試験後の積層防湿フィルムを目視で確認し、以下の評価基準に従って評価した。
○:初期の状態と比較して変化していない
×:初期の状態と比較して接着層が白化している
(6)接着層の引張り貯蔵弾性率およびガラス転移点の測定
調製された各接着剤塗液または粘着剤塗液を、シリコーン離型PETフィルム上に塗布し、40℃で5日間養生し、さらにその後100℃、30分保持し接着層を形成した。その後、当該接着層のみを取り出し、厚み200μmとなるよう複数層重ね、縦4mm、横60mm、厚み200μmの各サンプルを作成した。粘弾性測定装置(アイティ計測(株)製、商品名「粘弾性スペクトロメーターDVA−200」)を用いて、振動周波数10Hz、歪0.1%、昇温速度3℃/分、チャック間25mmで横方向について、−100℃から100℃までサンプルに印加される歪に対する応力を測定し、得られたデータから0℃における引張り貯蔵弾性率(Pa)を求めた。また、得られた損失正接(tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率)曲線においてピークを示す温度をガラス転移点(Tg)として求めた。なお、ピークが複数ある場合は、一番高い温度をガラス転移点とする。
[構成フィルム]
<耐候性フィルム>
耐候性フィルムとして、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)フィルム(旭硝子(株)製、商品名:アフレックス50MW1250DCS、厚み50μm)を使用した。
<粘着剤塗液、接着剤塗液>
(粘着剤塗液1)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、アクリル酸n−ブチル60重量部、アクリル酸メチル40重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート5重量部、重合開始剤として、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部と酢酸エチル200重量部を投入し、1時間窒素置換した後、窒素気流下で撹拝しながら60℃付近に保って9時間重合反応を行い、重量平均分子量30万のアクリル系ポリマー溶液(1)を調製した。ポリマー溶液(1)の固形分100重量部に対して架橋剤として0.2重量部のイソシアネート架橋剤(トリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加物;三井武田ケミカル社製、D−160N)とを均一に混合撹搾し、粘着剤塗液1を調製した。して粘着剤塗液1を調製した。なお、粘着剤塗液1からなる接着層のガラス転移点(Tg)は−8.7℃であった。
(粘着剤塗液2)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、アクリル酸n−ブチル100重量部、アクリル酸3重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート2重量部、重合開始剤として、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部と酢酸エチル200重量部を投入し、1時間窒素置換した後、窒素気流下で撹拝しながら60℃付近に保って9時間重合反応を行い、重量平均分子量40万のアクリル系ポリマー溶液(2)を調製した。ポリマー溶液(2)の固形分100重量部に対して架橋剤として0.2重量部のイソシアネート架橋剤(トリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加物;三井武田ケミカル社製、D−160N)とを均一に混合撹搾し、粘着剤塗液2を調製した。なお、粘着剤塗液2からなる接着層のガラス転移点(Tg)は−30℃であった。
(接着剤塗液1)
ポリカーボネートポリオール成分を含む主剤として、平均分子量2000のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセル210N」)、平均分子量500のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルCD CD205」)を使用し、ポリカプロラクトンポリオール/ポリカーボネートジオールの質量比が60/40となるように混合し、酢酸エチルに溶解させ、固形分約50質量%、粘度400[mPa・s]のポリオール溶液とした。このポリオール溶液に、硬化成分としてスミジュールN3300(住化バイエルウレタン(株)製)を、質量比が10/0.5となるように配合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液1を調製した。なお、接着剤塗液1からなる接着層のガラス転移点(Tg)は−2℃であった。
<接着剤塗液2>
ポリエステルポリオール成分を含む主剤として東洋インキ製造(株)製IS801(エステル基1つあたりの分子量は105、粘度1700[mPa・sec])を用い、ヘキサメチレンジイソシアネート成分とイソホロンジイソシアネートを含む硬化剤として東洋インキ製造(株)製CR001を使用し、質量比で10:1となるように混合し、固形分濃度が30質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液2を調製した。なお、接着剤塗液2からなる接着層のガラス転移点(Tg)は32℃であった。
<基材上に無機層を有する防湿フィルム(防湿層)>
基材として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:「Q51C」)を用い、そのコロナ処理面に、下記のコート液を塗布乾燥して厚さ0.1μmのアンカーコート層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して1.33×10-3Pa(1×10-5Torr)の真空下でSiOを加熱蒸発させ、アンカーコート層上に厚さ50nmのSiOx(x=1.5)無機層を有する防湿フィルムを得た。作製した防湿フィルムの温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
(コート液)
ポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学(株)製、商品名:「ゴーセノール」、ケン化度:97.0〜98.8mol%、重合度:2400)220gをイオン交換水2810gに加え加温溶解した水溶液に、20℃で撹拌しながら35mol%塩酸645gを加えた。次いで、10℃でブチルアルデヒド3.6gを撹拌しながら添加し、5分後に、アセトアルデヒド143gを撹拌しながら滴下し、樹脂微粒子を析出させた。次いで、60℃で2時間保持した後、液を冷却し、炭酸水素ナトリウムで中和し、水洗、乾燥し、ポリビニルアセトアセタール樹脂粉末(アセタール化度75mol%)を得た。
また、架橋剤としてイソシアネート樹脂(住友バイエルウレタン(株)製、商品名:「スミジュールN−3200」)を用い、水酸基に対するイソシアネート基の当量比が1:2になるように混合した。
<封止材>
封止材として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(ブリヂストン(株)製、商品名:EVASKY S11、厚み:500μm)を使用した。
実施例1
耐候性フィルムに粘着剤塗液1を固形分20g/m2となるよう塗布乾燥し、形成した厚み20μmの接着層と防湿フィルムの無機層面とを貼合し、その後40℃で5日間養生し、厚み82μmの積層防湿フィルムを作製し、各種の評価を行った。結果を下記表2に示す。なお、積層防湿フィルムの温度40℃、相対湿度90%における初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
実施例2及び3
下記表1に示す粘着剤塗液又は接着剤塗液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み82μmの積層防湿フィルムを作製した。作製した積層防湿フィルムを用い、実施例1と同様にして各種の評価を行った。結果を下記表2に示す。なお、各積層防湿フィルムの温度40℃、相対湿度90%における初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
Figure 2014058056
実施例4,5及び比較例1
下記表1に示す粘着剤塗液又は接着剤塗液に変更して実施例1と同様にして、耐候性フィルムと接着層と防湿フィルムとからなる積層防湿フィルムを作製し、さらに、防湿フィルム上に下記表1に示す粘着剤塗液又は接着剤塗液を固形分20g/m2となるよう塗布乾燥し、形成した厚み20μmの接着層と防湿フィルムの無機層面とを貼合し、その後40℃で5日間養生し、厚み164μmの積層防湿フィルムを作製した(耐候性フィルム/接着層/防湿フィルム/接着層/防湿フィルム)。作製した積層防湿フィルムを用い、実施例1と同様にして各種の評価を行った。結果を下記表2に示す。なお、各積層防湿フィルムの温度40℃、相対湿度90%における初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
Figure 2014058056

Claims (11)

  1. 耐候層、接着層1、及び、基材上に無機層を有する防湿層1をこの順に有する積層防湿フィルムであって、前記接着層1のガラス転移点が0℃以下である積層防湿フィルム。
  2. 前記耐候層と前記防湿層1との層間強度が、結露凍結試験後において10N/15mm以上であり、かつ層間強度の劣化率が20%未満である請求項1に記載の積層防湿フィルム。
  3. 前記接着層1がアクリル系粘着剤を含む請求項1又は2に記載の積層防湿フィルム。
  4. 前記接着層1の0℃、周波数10Hz、歪0.1%における引張り貯蔵弾性率が、1.0×106〜1.0×108Paである請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  5. 前記防湿層1の基材がポリエステル系フィルムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  6. さらに、接着層2、及び、基材上に無機層を有する防湿層2を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  7. 前記耐候層が、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体フィルムである請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  8. 前記防湿層1及び/又は防湿層2の、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が0.1[g/(m2・日)]未満であり、結露凍結試験後における水蒸気透過率の劣化度が3未満である請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  9. 前記防湿層1の基材の厚みが前記耐候層の厚みより薄い請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層防湿フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池用保護材。
  11. 請求項10に記載の太陽電池用保護材を有する太陽電池。
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