JP2014050565A - ネイルプリント装置及び印刷制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】爪表面の色に関わらず、イメージ通りの発色で高品質の印刷を行うことのできるネイルプリント装置及び印刷制御方法を提供する。
【解決手段】印刷指の爪に画像を印刷する印刷ヘッド46と、画像の各色の濃度値と、爪の各色の濃度値と、に基づいて、画像の各色の濃度値を補正する印刷データ補正部515と、印刷データ補正部による補正が不可能と判断されたとき、爪Tに下地用インクを印刷するように印刷ヘッド46を制御する印刷制御部516と、を備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、ネイルプリント装置及び印刷制御方法に関するものである。
従来、人の指の爪部の表面に色や絵柄等のデザイン画像を印刷する印刷装置であるネイルプリント装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ネイルプリント装置では、光透過性のインクを用い、例えばイエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)等のインクを重ねて印刷することによって各種の色を表現している。
このような光透過性のインクは印刷対象の表面の色を透過させることから、光透過性のインクを用いた場合には、印刷対象の表面の色が印刷後の画像に影響する。紙等の印刷対象に印刷する一般的なプリント装置では、印刷対象である紙等の色は一般的に白色であるため、白色の上に印刷した場合に所望の発色となるように、各色のインクの濃度値が定められている。
この点、ネイルプリント装置では、例えば表示部等にデザイン画像を表示させ、その中からユーザが選択したデザイン画像をユーザの爪に印刷するようになっており、ユーザは、表示部に表示されたのと同等の色合いでデザイン画像が爪の上に印刷されることを期待している。
そこで、デザイン画像の印刷データは、一般的な爪の色として想定されている色(例えば白色や薄いピンク色等の爪)の上に印刷したときに目的とする色が発色するように、すなわち、表示部等に表示されたのとほぼ同じ色合いで爪の上に印刷されるように、各色の濃度値が定められている。
特表2003−534083号公報
しかしながら、一般的に表面が白色である紙等に印刷する場合と異なり、ネイルプリント装置の印刷対象である爪の色は、各人ごとに様々であり、また同一人物であっても、爪の色は健康状態等によって変化する。このため、必ずしも一般的な爪の色(例えば白色や薄いピンク色)と一致するとは限らない。また、爪の根元の爪半月部分とそれ以外の部分とで色が異なったり、爪の長さによって爪先端部の色が変化している場合等もある。さらに、既に爪にネイルプリントを施している場合もあり、この場合には、爪表面の色が自然の爪の色とは全く異なる色となっていることもある。
このように、ネイルプリント装置では、印刷対象である爪の色が一定でないため、予め設定されている濃度値のまま印刷を行うと、印刷された画像の発色が爪の色の状態に左右されてしまい、必ずしもユーザがイメージした通りの所望の発色とならないという不具合が生じていた。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、爪表面の色に関わらず、イメージ通りの発色で高品質の印刷を行うことのできるネイルプリント装置及び印刷制御方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明のネイルプリント装置は、
指の爪に画像を印刷する印刷ヘッドと、
前記画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、に基づいて、前記画像の各色の濃度値を補正する印刷データ補正部と、
前記印刷データ補正部による補正が不可能と判断されたとき、前記爪に下地用インクを印刷するように前記印刷ヘッドを制御する印刷制御部と、
を備えていることを特徴としている。
また、本発明の印刷制御方法は、
指の爪に印刷する画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、に基づいて、前記画像の各色の濃度値を補正し、
前記画像の補正が不可能と判断されたとき、前記爪に下地用インクを印刷するように前記印刷ヘッドを制御することを特徴としている。
本発明によれば、印刷対象である爪に印刷される画像の印刷データに含まれている各色の濃度値を取得するとともに、爪の各色の濃度値を取得して、印刷データの補正の可否を判断する。そして、印刷データの補正が可能である場合には、印刷データに含まれる各色の濃度値と爪の各色の濃度値とに基づいて、印刷データの各色の濃度値を補正して、補正後の印刷データに基づいて爪に色インクによる印刷を行い、印刷データの補正が不可能である場合には、色インクによる印刷に先立ち、爪に下地用インクによる印刷を行うようになっている。
このため、印刷対象である爪の表面の色が、個人差やその表面に既に何らかの印刷が施されて着色されている等により、爪の一般的な色として想定されている色とは異なっている場合でも、イメージ通りの発色の画像を印刷することができるとの効果を奏する。
本発明に係る色補正印刷装置であるネイルプリント装置の一実施形態を概念的に示した斜視図で、蓋体を開いた状態を示している。 図1のネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。 図1のネイルプリント装置の印刷指固定手段を示した断面図で、印刷指として人差し指から小指を印刷指挿入部に挿入した際の固定態様を示している。 図1のネイルプリント装置の正面側の断面図である。 図1のネイルプリント装置の側断面図である。 印刷指挿入部に挿入された指と撮影部、印刷部との関係を模式的に示す要部断面図である。 本実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 (A)は、濃度値の差分値の算出を概念的に示す説明図であり、(B)は、補正後の印刷データで実現される印刷画像の濃度値を概念的に示す説明図である。 本実施形態における印刷制御処理を示すフローチャートである。 (A)は、印刷前の爪と印刷後の爪の状態を模式的に示した図であり、(B)は、(A)に示すような印刷を行う場合の印刷データの補正例を模式的に示す説明図である。 (A)は、印刷前の爪と印刷後の爪の状態を模式的に示した図であり、(B)は、(A)に示すような印刷を行う場合の印刷データの例を模式的に示す説明図である。 (A)は、印刷前の爪と印刷後の爪の状態を模式的に示した図であり、(B)は、(A)に示すような印刷を行う場合の印刷データの補正例を模式的に示す説明図である。 (A)は、印刷前の爪と印刷後の爪の状態を模式的に示した図であり、(B)は、(A)に示すような印刷を行う場合の印刷データの例を模式的に示す説明図である。 (A)は、印刷前の爪と印刷後の爪の状態を模式的に示した図であり、(B)は、(A)に示すような印刷を行う場合の印刷データの例を模式的に示す説明図である。
図1から図14を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の一実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図であり、図2は、ネイルプリント装置の内部構成を示す斜視図である。
図1に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2及び蓋体4を備えている。蓋体4は、ケース本体2の上面(天板)の後端部に設けたヒンジ3を介して、ケース本体2に回動可能に連結されている。蓋体4は、ヒンジ3を支点として、ケース本体2の天板に重ねられた状態からケース本体2の天板に対して立てられた状態(図1参照)まで回動可能となっている。
上記ケース本体2は上方から平面視した場合にほぼ長円状に形成されている。このケース本体2の前側には開閉板2cが起倒可能に設けられている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面下端部に設けられたヒンジ(図示せず)を介して、ケース本体2に連結されている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面を開閉するためのものである。
なお、ケース本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。
ケース本体2の上面(天板)には操作部12が設置されている。
操作部12は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部12には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに印刷するデザイン画像D(図10等参照)を選択するデザイン選択釦、印刷開始を指示する印刷開始釦、その他各種の入力を行うための操作釦121が配置されている。
本実施形態では、例えば表示部13にデザイン画像Dを選択するための図示しないデザイン選択画面が表示されるようになっており、ユーザは、所望のデザイン画像Dを操作釦121によって選択することにより、印刷されるデザイン画像Dが選択される。
また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部13が設置されている。
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。本実施形態において、この表示部13には、例えば、印刷指U1を撮影した画像(以下「指画像」という。)、この指画像中に含まれる爪画像(爪Tの輪郭線等の画像)、爪Tに印刷すべき画像(すなわち、図10等における「デザイン画像D」)を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜に表示される。
なお、表示部13の表面にタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、図示しないスタイラスペンや指先等により表示部13の表面をタッチするタッチ操作によっても各種の入力を行うことができるように構成される。
また、ケース本体2にはネイルプリント装置1の装置本体10が収容されている。この装置本体10は、図2に示す印刷指固定部20、撮影部30、印刷部40及び制御装置50(図7参照)を備えている。これら印刷指固定部20、撮影部30、印刷部40及び制御装置50は機枠11に設けられている。
なお、機枠11は下部機枠11a及び上部機枠11bによって構成されている。そして、下部機枠11aは箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置され、上部機枠11bは下部機枠11aの上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている。
印刷指固定部20は、機枠11の中の下部機枠11aに設けられている。すなわち、下部機枠11aには、印刷指挿入部20a、非印刷指挿入部20b及び掴み部20cが設けられており、これらによって印刷指固定部20が構成されている。
ここで、印刷指挿入部20aは、印刷対象である爪Tに対応する指(以下「印刷指U1」という)を挿入するめための指挿入部である(図3参照)。
印刷指挿入部20aの底面(本実施形態では掴み部20cの上面)は、印刷指U1を載置する指載置部(印刷指載置面)として機能する。印刷指U1の撮影や印刷等は、印刷指U1がこの指載置部としての印刷指挿入部20aの印刷指載置面(掴み部20cの上面)に載置された状態で行われる。
また、非印刷指挿入部20bは、印刷指以外の指(以下「非印刷指U2」という。)を挿入するための指挿入部である。
また、掴み部20cは、印刷指挿入部20aに挿入された印刷指U1と、非印刷指挿入部20bに挿入された非印刷指U2とで挟持することが可能な部分である。本実施形態において、この掴み部20cは印刷指挿入部20aと非印刷指挿入部20bとを仕切る隔壁によって構成されている。
なお、この掴み部20cの指挿入側端部は、印刷指U1の腹全体が印刷指載置面に当接した状態で、印刷指U1と非印刷指U2とで掴み部20c(隔壁)を強く挟持することができるように、指挿入側端部の断面が、円形や楕円形、多角形等、印刷指U1及び非印刷指U2の付け根U3が突き当てられた際に自然に馴染む形状となっていることが好ましい。
例えば、左手の親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)が印刷指U1となる場合には、図3に示すように、ユーザは4本の印刷指U1(人差し指、中指、薬指及び小指)を印刷指挿入部20aに挿入し、非印刷指U2である親指を非印刷指挿入部20bに挿入する。この場合、ユーザが印刷指U1と非印刷指U2とで掴み部20cを挟持することにより、印刷指U1が掴み部20cの上で固定される。
また、図4は、本実施形態に係るネイルプリント装置1の正面側の断面図であり、図5は、ネイルプリント装置1の側断面図である。また、図6は、印刷指挿入部20aに載置された印刷指U1と、撮影部30、印刷部40との位置関係を模式的に示す要部断面図である。
図3及び図4に示すように、撮影部30は、機枠11の中の上部機枠11bに設けられている。
すなわち、上部機枠11bには基板31が設置されており、この基板31の中央部下面には、ドライバーを内蔵した200万画素程度以上の画素を有するカメラ32が設置されている。カメラ32の画素数等は特に限定されないが、カメラ32における解像度(分解能)は、後述する印刷ヘッド46の印刷解像度と同等か、それ以上であることが好ましい。例えば、印刷ヘッド46の印刷解像度が300dpi程度である場合には、カメラ32における解像度(分解能)も300dpi相当か、それ以上とする。
また、基板31には、カメラ32を囲むように白色LED等の照明灯33が設置されている。撮影部30は、このカメラ32及び照明灯33を備えて構成されている。
この撮影部30は、印刷指挿入部20a内に載置された印刷指U1を照明灯33によって照明し、カメラ32によってその印刷指U1を撮影して、印刷指U1の爪Tの画像である爪画像(爪画像を含む指画像)を得る撮影手段である。
本実施形態では、撮影部30によって取得された爪画像に基づいて、後述する印刷対象濃度値取得部513が、印刷対象である印刷指U1の爪Tの被印刷面(すなわち、爪Tの表面)の濃度値を取得するようになっている。すなわち、印刷対象濃度値取得部513は、カメラ32によって撮影された爪画像に基づいて、印刷指U1の爪Tの表面の各色(後述するように、本実施形態ではY,M,Cの3色)の濃度値を検出する。
この撮影部30は、後述する制御装置50の撮影制御部511(図7参照)に接続され、該撮影制御部511によって制御されるようになっている。
なお、撮影部30によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部52に記憶されてもよい。
また、印刷部40は、主に上部機枠11bに設けられている。すなわち、図4及び図5に示すように、上部機枠11bの両側板には、2本のガイドロッド41が平行に架設されている。このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。また、図5に示すように、主キャリッジ42の前壁42aおよび後壁42bには2本のガイドロッド44が平行に架設されている。このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。この副キャリッジ45の下面中央部には、印刷ヘッド46が搭載されている。
本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、印刷対象の被印刷面に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されない。
本実施形態において、印刷部40の印刷ヘッド46は、印刷データに基づいて印刷対象の被印刷面である印刷指U1の爪Tの表面に画像(デザイン画像D等)を印刷する。印刷ヘッド46は、後述する印刷データ補正部515によって画像の各色の濃度値が補正されたときは、補正後の印刷データに基づいて印刷対象の被印刷面である印刷指U1の爪Tの表面に画像を印刷する。
なお、印刷ヘッド46の印刷解像度は特に限定されないが、例えば300dpi程度である。
本実施形態における印刷部40には、印刷ヘッド46として、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクに対応する色インク用の3つの印刷ヘッド46と、白色(W;WHITE)のインクに対応する白インク用の印刷ヘッド46とが設けられている。
色インク用の印刷ヘッド46によって印刷されるイエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクは、光透過性インクである。
光透過性インクは、印刷対象の被印刷面である印刷指U1の爪Tの表面の色及び爪Tの表面に既に印刷されている色を透過させ、その色と重なり合うことによって各種の色を表現する。本実施形態では、色インク用の印刷ヘッド46によって、イエロー(Y;YELLOW)、ピンクに近い紫色のマゼンタ(M;MAGENTA)、濃い水色のシアン(C;CYAN)のインクを適宜重ねて印刷することにより、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、その他これらの色が重なり合い混色することによって生じる各種の色を表現するようになっている。
白色(W)のインクは、後述するように、被印刷面である爪Tの表面の色を補正する下地として印刷される下地用インクである。下地用インクである白インクは、光を透過させないインクであり、これを印刷することで、被印刷面の色を、色インクを印刷するのに適した白色にリセットすることができる。
また、白色(W)のインクは、爪Tの表面にデザイン画像Dとして白色を印刷したい場合にも用いられる。すなわち、デザイン画像Dの色が下地用インクの色と同じである場合(本実施形態では、デザイン画像Dが白色だけで構成されている場合)には、下地用インク自体がデザイン画像Dを印刷するインクとして用いられる。
なお、本実施形態では、印刷部40が、ここに例示した4色のインクに対応した4つの印刷ヘッド46を備えている場合を例として説明するが、印刷部40の印刷ヘッド46により吐出されるインクはこの4色のインクに限定されない。その他の色のインクを吐出させる印刷ヘッド46をさらに備えていてもよい。
主キャリッジ42は動力伝達部(図示せず)を介してモータ43に連結され、モータ43の正逆回転によって、ガイドロッド41に沿って左右方向に移動するように構成されている。また、副キャリッジ45は動力伝達部(図示せず)を介してモータ47に連結され、モータ47の正逆回転によって、ガイドロッド44に沿って前後方向に移動するように構成されている。
また、下部機枠11aには、印刷ヘッド46にインクを供給するためのインクカートリッジ48が設けられている。インクカートリッジ48は、図示しないインク供給管を介して印刷ヘッド46と接続されており、適宜印刷ヘッド46にインクを供給するようになっている。なお、印刷ヘッド46自体にインクカートリッジを搭載する構成としてもよい。
印刷部40は、これらガイドロッド41、主キャリッジ42、モータ43、ガイドロッド44、副キャリッジ45、印刷ヘッド46、モータ47及びインクカートリッジ48等を備えて構成されている。この印刷部40のモータ43、印刷ヘッド46、モータ47は、後述する制御装置50の印刷制御部516に接続され、該印刷制御部516によって制御されるようになっている。
また、制御装置50は、例えば上部機枠11bに配置された基板31等に設置されている。図7は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置50は、図7に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)等によって構成されている制御部51と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成される記憶部52とを備えるコンピュータである。
記憶部52には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部52には、例えば、爪Tの表面に印刷されるデザイン画像Dの印刷データに含まれる各色の濃度値を取得するための画像濃度値取得プログラム、爪Tの表面の各色の濃度値を取得するための印刷対象濃度値取得プログラム、爪Tの表面の濃度値と爪Tに印刷すべき画像の濃度値とに基づいて、画像の各色の濃度値を補正するための印刷データ補正プログラム、画像の補正の可否を判断するための補正可否判断プログラム、印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されており、制御装置50はこれらのプログラムを実行してネイルプリント装置1の各部を制御するようになっている。
また、本実施形態において記憶部52には、撮影部30によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの爪画像を記憶する爪画像記憶領域521、及び、爪画像から取得された爪Tの表面の各色(本実施形態ではイエローY,マゼンタM,シアンCの3色。なお、以下の記載及び図面においてY,M,Cは、それぞれイエロー,マゼンタ,シアンの各色を表す。)の濃度値(これを「爪Tの色情報」という。)等が記憶される爪色情報記憶領域522が設けられている。記憶部52には、爪Tの位置、範囲等を示す情報(例えば、爪Tの輪郭を示す点をxy座標で示す情報)等が記憶されており、爪色情報記憶領域522には、爪Tの各色の濃度値(爪Tの色情報)が、例えば、爪Tの位置情報(xy座標等で表される位置情報)と対応付けられて記憶されている。これにより、爪T内の位置により色が異なる場合に、位置ごとの各色の濃度値が把握できるようになっている。
さらに、記憶部52には、爪Tに印刷されるデザイン画像Dの印刷データを記憶するデザイン画像記憶領域523が設けられている。このデザイン画像Dの印刷データには、各色(本実施形態ではイエローY,マゼンタM,シアンCの3色。)の濃度値がデザイン画像Dの色情報として含まれている。
制御部51は、機能的に見た場合、撮影制御部511、画像濃度値取得部512、印刷対象濃度値取得部513、補正可否判断部514、印刷データ補正部515、印刷制御部516等の機能部を含んでいる。これら撮影制御部511、画像濃度値取得部512、印刷対象濃度値取得部513、補正可否判断部514、印刷データ補正部515、印刷制御部516等としての機能は、制御部51のCPUと記憶部52のROM等に記憶されたプログラムとの共働によって実現される。なお、制御部51に含まれる機能部はここに挙げたものに限定されず、例えば、指画像から爪Tの領域を検出する爪領域検出部等、その他の機能部を備えていてもよい。
撮影制御部511は、撮影部30を制御してユーザの印刷指U1を撮影させ、爪Tの爪画像(爪画像を含む指画像)を取得させるものである。
撮影部30によって取得された爪画像は、記憶部52の爪画像記憶領域521に記憶される。
画像濃度値取得部512は、印刷対象の被印刷面であるユーザの印刷指U1の爪Tの表面に印刷される画像(デザイン画像D)の印刷データに含まれる各色(すなわち、Y,M,C)の濃度値(デザイン画像Dの色情報)を取得するものである。画像濃度値取得部512によって取得された濃度値は、記憶部52に記憶される。
本実施形態では、画像濃度値取得部512は、画像(デザイン画像D)の印刷データについて、画像全体としての濃度値を取得する。
印刷対象濃度値取得部513は、撮影部30によって撮影された指画像に含まれる爪画像(すなわち、指画像のうちの爪Tの領域の画像)から、印刷対象の被印刷面であるユーザの印刷指U1の爪Tの表面の各色の濃度値(爪Tの色情報)を取得する。
印刷対象濃度値取得部513は、爪画像について、その全体を走査(スキャン)し、例えば、Y=20,M=10,C=0のように各色の濃度値を検出するようになっている。印刷対象濃度値取得部513が爪画像を走査する走査解像度は、印刷ヘッド46の印刷解像度と同等であることが好ましい。例えば、印刷ヘッド46の印刷解像度が300dpiである場合には、印刷対象濃度値取得部513は300dpiに相当する細かさの走査解像度で爪画像全体を走査する。
印刷対象濃度値取得部513によって取得された濃度値(爪Tの色情報)は、当該濃度値が取得された位置の情報(例えばxy座標で示される位置情報)と対応付けられて記憶部52の爪色情報記憶領域522に記憶される。
補正可否判断部514は、印刷データ補正部515による印刷データの補正の可否を判断する機能部である。本実施形態において、補正可否判断部514は、画像濃度値取得部512によって取得された画像の濃度値(デザイン画像Dの色情報)と印刷対象濃度値取得部513によって取得された濃度値(爪Tの色情報)とに基づいて、爪Tに印刷される画像として選択されたデザイン画像Dを印刷対象である爪Tの表面(被印刷面)に印刷する場合に、本来予定されている発色を得るために、印刷データを補正することによって対応することができるか否かを判断する。
具体的には、補正可否判断部514は、デザイン画像Dの濃度値(色情報)から爪Tの濃度値(色情報)を減算して、両者の濃度値の差分値を求め、差分値がマイナスとならない場合には補正が可能(すなわち、印刷データを補正することによって対応可能)と判断する。この場合には、差分値の濃度値(色情報)のY,M,Cの各色のデータが爪Tに印刷される。これに対して、差分値がマイナスとなる場合、すなわち、爪Tの色が濃い場合や、既に爪Tの表面に濃い色のマニキュア等が塗られている場合のように、爪Tの濃度値の方がデザイン画像Dの濃度値よりも大きい場合には、光透過性インクを塗り重ねても既にある下地の色を消すことはできないため、デザイン画像Dの印刷データを補正することによっては、所望の発色を得ることはできない。このため、差分値がマイナスとなる場合には、補正可否判断部514は補正が不可能(すなわち、デザイン画像Dの印刷データを補正することによっては対応不可能)と判断する。
なお、本実施形態では、補正可否判断部514は、1画素又は所定の単位領域毎に差分値を求めて、当該1画素又は所定の単位領域毎に補正の可否を判断するようになっている。
例えば、図10及び図11では、爪T全体にデザイン画像Dを印刷する場合であって、当該デザイン画像Dの印刷データについて画像濃度値取得部512によって取得された画像の濃度値(デザイン画像Dの色情報)がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=30、M=0、C=0、である場合を例として示している。
この場合、図10に示す例のように、印刷対象濃度値取得部513によって取得された爪Tの表面の濃度値のうち、爪半月部分(すなわち、爪の根元にある半月型の白っぽい部分。ルヌラ、ハーフムーンとも言う。)の濃度値がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=0、M=0、C=0(すなわち、白色)であり、それ以外の部分の濃度値がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=20、M=0、C=0、であった場合には、爪半月部分の両者の各色の濃度値の差分値は、Yは30−0=30、Mは0−0=0、Cは0−0=0となり、Y,M,Cいずれの色についても差分値がマイナスとならない。したがって、所望の発色を得るには画像の印刷データを補正することによって対応可能であるため、補正可否判断部514は補正可能と判断する。この場合には、爪半月部分の差分値の濃度値(色情報)のY,M,Cの各色のデータは、(Y,M,C)=(30,0,0)であるから、Y=30の画像データのみが爪Tの爪半月部分に印刷される。また、爪半月以外の部分の両者の各色の濃度値の差分値は、Yは30−20=10、Mは0−0=0、Cは0−0=0となり、Y,M,Cいずれの色についても差分値がマイナスとならない。したがって、この部分についても、所望の発色を得るには画像の印刷データを補正することによって対応可能であるため、補正可否判断部514は補正可能と判断する。この場合、爪半月以外の部分の差分値の濃度値(色情報)のY,M,Cの各色のデータは、(Y,M,C)=(10,0,0)であるから、爪Tの爪半月以外の部分にはY=10の画像データのみが印刷される。
なお、爪半月は一般的に白っぽい部分であるが、爪半月部分の色は人により異なり、常に色インクを発色させる下地として十分な程度に白色であるとは限らないため、この部分についても補正可否判断部514により補正の可否が判断される。
これに対して、図11に示す例のように、印刷対象濃度値取得部513によって取得された爪Tの表面の濃度値のうち、爪半月以外の部分の濃度値がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=20、M=10、C=0、であった場合には、爪半月以外の部分の両者の各色の濃度値の差分値は、Yは30−20=10、Mは0−10=−10、Cは0−0=0となり、Mについて差分値がマイナスとなってしまう。このため、この部分については、画像の印刷データを補正することによっては対応不可能であるため、補正可否判断部514は補正不可能と判断する。なお、爪半月部分については、各色の濃度値の差分値は、図10の場合と同様に、いずれもマイナスとならないため、補正可否判断部514は補正可能と判断する。したがって、この場合には、まず爪Tの爪半月以外の部分に白インクによる印刷が行われ、その後、爪半月部分を含む爪T全体にY=30の画像データが印刷される。
なお、図12及び図13に示すように、爪Tのほぼ中央部分(爪半月でも爪先端部でもない部分)にワンポイント柄としてのデザイン画像Dを印刷する場合には、補正可否判断部514は、爪Tの表面のうち、当該デザイン画像Dが印刷される部分に相当する領域の濃度値をデザイン画像Dの濃度値と比較して補正の可否を判断する。
すなわち、図12では、印刷対象濃度値取得部513によって取得された爪Tの表面の濃度値のうち、爪先端部の濃度値がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=0、M=30、C=0、であり、爪半月及び爪先端部以外の部分の濃度値がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=10、M=10、C=10、である場合を例示している。
この場合、デザイン画像Dの印刷データについて画像濃度値取得部512によって取得された画像の濃度値(デザイン画像Dの色情報)がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=30、M=10、C=10、である場合には、爪先端部についてはMの濃度値の差分値がマイナスとなるが、デザイン画像Dが印刷される部分に相当する領域については、各色の濃度値の差分値は、Yは30−10=20、Mは10−10=0、Cは10−10=0となり、いずれも差分値がマイナスとならないため、画像の印刷データを補正することによって対応可能である。このため、補正可否判断部514は補正可能と判断する。この場合には、デザイン画像Dが印刷される部分に相当する領域の差分値の濃度値(色情報)のY,M,Cの各色のデータは、(Y,M,C)=(20,0,0)であるから、当該領域にY=20の画像データが印刷される。
また、図13に示す例では、印刷対象濃度値取得部513によって取得された爪Tの表面の濃度値のうち、爪半月以外の部分の濃度値がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=10、M=20、C=0、となっている。
この場合、デザイン画像Dの印刷データについて画像濃度値取得部512によって取得された画像の濃度値(デザイン画像Dの色情報)がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=20、M=10、C=10、である場合には、デザイン画像Dが印刷される部分に相当する領域(すなわち、爪半月以外の部分)における各色の濃度値の差分値は、Yは20−10=10、Mは10−20=−10、Cは10−0=10となり、Mについて差分値がマイナスとなってしまう。このため、この部分については、画像の印刷データを補正することによっては対応不可能であるため、補正可否判断部514は補正不可能と判断する。この場合には、デザイン画像Dが印刷される領域における差分値の濃度値(色情報)のY,M,Cの各色のデータが(Y,M,C)=(10,−10,0)となる領域全体に、まず白インクによる印刷が行われる。次に、当該白インクが印刷された領域に、デザイン画像Dの画像の濃度値(デザイン画像Dの色情報)であるY=20、M=10、C=10が印刷される。
また、デザイン画像Dが爪Tの一部に白色を印刷するものである場合には、補正可否判断部514は当該デザイン画像Dが印刷される部分に相当する領域の濃度値をデザイン画像Dの濃度値と比較して補正の可否を判断する。
例えば、図14に示すように、デザイン画像Dが爪先端部のみを白色とするフレンチネイルである場合には、画像濃度値取得部512によって取得された画像の濃度値(デザイン画像Dの色情報)は、Y,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=0、M=0、C=0、である。
この場合、印刷対象濃度値取得部513によって取得された爪Tの表面の濃度値のうち、デザイン画像Dが印刷される部分である爪先端部の濃度値がY,M,Cの各色についてそれぞれ、Y=10、M=10、C=10、であれば、当該領域(爪先端部)における各色の濃度値の差分値は、Yは0−10=−10、Mは0−10=−10、Cは0−10=−10となり、全ての色について差分値がマイナスとなる。このため、補正可否判断部514は補正不可能と判断する。そして、この場合には、爪先端部に白インクによる印刷が行われる。
印刷データ補正部515は、印刷対象濃度値取得部513により取得された被印刷面であるユーザの爪Tの表面の各色の濃度値と画像濃度値取得部512により取得された画像の印刷データに含まれる各色の濃度値(画像の各色の濃度値)とに基づいて、画像の印刷データの各色の濃度値を補正するものである。
本実施形態では、印刷データ補正部515は、印刷対象濃度値取得部513により取得された爪Tの表面の各色の濃度値と画像濃度値取得部512により取得された画像の各色の濃度値との差分値に基づいて画像の印刷データの濃度値を補正する。
爪Tの表面の各色の濃度値と画像の各色の濃度値との差分値は、補正可否判断部514により取得された差分値を用いることができる。
なお、本実施形態では、印刷データ補正部515は、補正可否判断部514によって補正可能な範囲内であると判断されたときに、画像の印刷データの各色の濃度値を補正する。
例えば、画像の印刷データの各色の濃度値がY=30、M=10、C=10であり、ユーザの爪Tの各色の濃度値がY=20、M=0、C=0である場合に、画像の印刷データを補正せずに印刷を行うと、爪Tの表面にすでにあるY20の上にさらにY30を重ねて印刷することになるため、印刷後のYの濃度は50となり、もともと予定されていたYの濃度値を大きく超えてしまう。実際の印刷対象であるユーザの爪Tの色を考慮すると、図8(A)及び図8(B)に示すように、もともと予定されていた濃度値(本実施形態ではY30)とするのに足りない濃度は、爪TのYの濃度値(本実施形態ではY20)ともともと予定されていた濃度値(Y30)との差分であるY10である。このため、印刷データ補正部515は、画像の印刷データの各色の濃度値を、ユーザの爪Tの各色の濃度値と印刷すべき画像の各色の濃度値との差分値とする補正を行う。
すなわち上記の例では、各色の濃度値の差分値は、Yは30−20=10、Mは10−0=10、Cは10−0=10となるため、補正後の画像の印刷データの各色の濃度値は、Y=10、M=10、C=10となり、この補正後の画像の印刷データに基づいて印刷が行われる。
印刷制御部516は、画像の印刷データを印刷部40の印刷ヘッド46に出力し、この画像の印刷データにしたがって爪Tに印刷を施すように印刷部40を制御するものである。
印刷制御部516は、印刷データ補正部515によって画像の印刷データが補正された場合には、補正後の画像の印刷データを印刷ヘッド46に出力し、補正後の画像の印刷データにしたがって印刷ヘッド46による印刷を行わせる。
また、本実施形態では、補正可否判断部514によって画像の印刷データの補正によっては対応できないと判断された場合に、印刷制御部516は、下地用インクである白インク用の印刷ヘッド46に画像の印刷データを出力して白インクによる印刷を行わせる。
この場合、印刷制御部516は、印刷すべきデザイン画像Dの印刷データのうち、補正可否判断部514によってデザイン画像Dの印刷データの補正によっては対応できないと判断された領域を抽出して、この領域を示すデータを白インク用の印刷データとして白インク用の印刷ヘッド46に出力する。なお、この白インク用の印刷データは、印刷制御部516によって生成されてもよいし、別途白インク用の印刷データを生成せずに、デザイン画像Dの印刷データから何らかのインクにより印刷を施す部分を抽出し、抽出された部分の位置データ等を白インク用の印刷データとしてもよい。
このように、デザイン画像Dの印刷データに基づいて、デザイン画像Dが印刷される領域と同じ領域に白インクを印刷することにより、白インクによる下地が必要な部分にだけ無駄なく白インクを印刷することができる。
次に、図9から図14を参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置1による印刷制御方法について説明する。
なお、図10(A)、図11(A)、図12(A)、図13(A)、図14(A)は、それぞれ印刷対象であるユーザの爪Tの状態(爪Tの表面の色等)を表したものであり、図10(B)、図11(B)、図12(B)、図13(B)、図14(B)は、それぞれ爪Tに印刷されるデザイン画像Dの印刷データを示している。
このネイルプリント装置1により印刷を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置50を起動させる。
制御部51は、表示部13にデザイン選択画面を表示させ、ユーザは操作部12の操作釦121等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のデザイン画像Dの中から所望のデザイン画像Dを選択することにより、操作部12から選択指示信号が出力されて一つのデザイン画像Dが選択される。
印刷すべきデザイン画像Dが選択されると、図9に示すように、画像濃度値取得部512は、当該デザイン画像Dの印刷データを記憶部52のデザイン画像記憶領域523から読み出して取得し(ステップS1)、当該印刷データに含まれる各色の濃度値(デザイン画像Dの色情報)を取得する(ステップS2)。画像濃度値取得部512により取得された各色の濃度値(デザイン画像Dの色情報)は記憶部52に記憶される。
次に、ユーザは、印刷指U1を印刷指挿入部20aに挿入し、非印刷指U2を非印刷指挿入部20bに挿入して、印刷指U1を固定した上で、印刷スイッチを操作する。
例えば、左手の人差し指、中指、薬指及び小指の爪Tに印刷を施したい場合には、図3に示すように、印刷指挿入部20aに人差し指、中指、薬指及び小指を平面的に並べて挿入し、非印刷指挿入部20bに親指を挿入する。そして、印刷指挿入部20aに挿入した人差し指、中指、薬指及び小指と非印刷指挿入部20bに挿入した親指とで掴み部20cを挟持する。これによって、印刷指U1である人差し指、中指、薬指及び小指が固定される。
制御装置50は、印刷スイッチから指示が入力されると、印刷動作を開始する前に、まず撮影制御部511が撮影部30を制御して、印刷指U1全体を撮影させる。これにより、印刷指U1の爪Tの爪画像が取得される(ステップS3)。爪画像が取得されると、印刷対象濃度値取得部513は、爪画像全体を走査(スキャン)して、この爪画像から爪Tの表面の各色の濃度値を取得する(ステップS4)。印刷対象濃度値取得部513により取得された爪Tの各色の濃度値(爪Tの色情報)は記憶部52の爪色情報記憶領域522に記憶される。
次に、補正可否判断部514は、デザイン画像Dの濃度値(色情報)から爪Tの濃度値(色情報)を減算して、両者の濃度値の差分値を算出する(ステップS5)。そして、補正可否判断部514は、デザイン画像Dを爪Tに印刷したとき、所望の発色を得るためにデザイン画像Dの印刷データを補正することにより対応可能か否か、すなわち、補正可能範囲内か否かを判断する(ステップS6)。具体的には、補正可否判断部514は、デザイン画像Dの濃度値(色情報)と爪Tの濃度値(色情報)との差分値がマイナスとならない場合には補正が可能と判断し、差分値がマイナスとなる場合には、補正可否判断部514は補正が不可能と判断する。なお、本実施形態では、前述のように、補正可否判断部514は、1画素又は所定の単位領域毎に差分値を求めて、当該1画素又は所定の単位領域毎に補正の可否を判断する。
例えば、図10(B)の左側に示すように、デザイン画像Dの各色の濃度値(色情報)がY=30,M=0,C=0であって、図10(A)の左側に示すように、爪Tの各色の濃度値(色情報)が爪半月の部分でY=0,M=0,C=0であり、爪半月の以外の部分でY20,M0,C0である場合には、爪半月部分及びそれ以外の部分ともに、濃度値の差分値はマイナスとならない。よって、補正可否判断部514は、全領域について補正可能(すなわち、デザイン画像Dの印刷データの補正により対応可能)と判断する。
また、例えば、図11(B)に示すように、デザイン画像Dの各色の濃度値(色情報)がY=30,M=0,C=0であって、図11(A)の左側に示すように、爪Tの各色の濃度値(色情報)が爪半月の部分でY=0,M=0,C=0であり、爪半月の以外の部分でY=20,M=10,C=0である場合には、爪半月部分は濃度値の差分値がマイナスとならず、補正可能であるが、それ以外の部分は、濃度値の差分値がマイナスとなる。よって、補正可否判断部514は、爪半月以外の部分について補正不可能(すなわち、当該部分についてはデザイン画像Dの印刷データの補正によって対応することが不可能)と判断する。
また、本実施形態の補正可否判断部514は、デザイン画像Dを印刷する位置に相当する領域についてだけ補正の可否を判断する。例えば、図12(A)の左側に示す例では、爪Tのうち、爪半月及び爪先端部以外の部分の各色の濃度値(色情報)はY=10,M=10,C=10であるが、爪先端部の各色の濃度値(色情報)がY=0,M=30,C=0となっている。この場合、爪先端部のみ、Mの濃度値の差分値がマイナスとなるが、デザイン画像Dが図12(B)に示すようなワンポイント柄であり、その印刷位置が爪半月及び爪先端部以外の部分であって、この爪先端部にかからない場合には、補正可否判断部514は、補正可能と判断する。
また、図14(B)に示すように、デザイン画像Dが白色(すなわち、各色の濃度値がY=0,M=0,C=0)のみで構成されている場合であって、図14(A)の左側に示すように、爪Tの各色の濃度値(色情報)がY=10,M=10,C=10である場合には、このデザイン画像Dの印刷位置において、各色の濃度差はY=−10,M=−10,C=−10となる。このため、このような場合には、補正可否判断部514は、補正不可能と判断する。
補正可否判断部514が補正可能範囲内であると判断した場合(ステップS6;YES)には、印刷データ補正部515は、補正可否判断部514によって算出された差分値(すなわち、印刷すべき画像の各色の濃度値とユーザの爪Tの各色の濃度値との差分値)を画像の印刷データの各色の濃度値とするように、画像の印刷データを補正する(ステップS7)。
例えば、図10(A)及び図10(B)に示す例では、印刷すべき画像の各色の濃度値とユーザの爪Tの各色の濃度値との差分値は、爪半月部分では、Y=30,M=0,C=0であり、爪半月以外の部分では、Y=10,M=0,C=0である。したがって、印刷データ補正部515は、爪半月部分では、Y,M,Cの各色をY=30,M=0,C=0の濃度で印刷し、爪半月以外の部分では、Y,M,Cの各色をY=10,M=0,C=0の濃度で印刷するように画像の印刷データを補正する。
また、図12(A)及び図12(B)に示す例では、デザイン画像Dが印刷される領域における印刷すべき画像の各色の濃度値とユーザの爪Tの各色の濃度値との差分値は、Y=20,M=0,C=0である。したがって、印刷データ補正部515は、Y,M,Cの各色をY=20,M=0,C=0の濃度で印刷するように画像の印刷データを補正する。
そして、印刷制御部516は、印刷部40の印刷ヘッド46のうち色インク(すなわち、Y,M,Cのインク)を印刷する印刷ヘッド46に、印刷データ補正部515によって補正された画像の印刷データを出力し、色インク用の印刷ヘッド46は、この補正後の画像の印刷データに基づいて爪Tの表面にデザイン画像Dを印刷する(ステップS8)。これにより、ネイルプリント装置1による印刷処理が終了する。
他方、補正可否判断部514が補正可能範囲内ではないと判断した場合(ステップS6;NO)には、印刷制御部516は、下地用インクである白インクを印刷する印刷ヘッド46を動作させて、補正可否判断部514によって補正不可能と判断された領域について白インクによる印刷を行わせる(ステップS9)。
例えば、図11(A)及び図11(B)に示す例では、補正可否判断部514によって、爪Tのうち、爪半月以外の部分について補正不可能(すなわち、この部分に対応する画像の印刷データを補正することによっては対応することが不可能)と判断される。このため、印刷制御部516は、白インクを印刷する印刷ヘッド46を動作させて、爪半月以外の部分に白インクを印刷させる(図11(A)の中央の図参照)。これにより、デザイン画像D(図11(B)参照)が印刷される領域である爪Tの全領域が白色(Y=0,M=0,C=0の状態)の状態にリセットされ、デザイン画像Dを印刷するのに適した下地が形成される。
また、図13(A)及び図13(B)に示す例では、補正可否判断部514によって、デザイン画像Dを所定の印刷位置に印刷した場合に補正不可能(すなわち、画像の印刷データの補正によっては対応不可能)と判断されている。この場合には、印刷制御部516は、白インクを印刷する印刷ヘッド46を動作させて、爪Tのうち、デザイン画像Dが印刷される印刷位置に相当する領域(すなわち、図13(A)の中央の図に白抜きハート型で示される領域)に、白インクを印刷させる(図13(A)の中央の図参照)。これにより、デザイン画像D(図13(B)参照)が印刷される領域であるハート型の領域が白色の状態(Y=0,M=0,C=0の状態)にリセットされ、デザイン画像Dを印刷するのに適した下地が形成される。
さらに、図14(A)及び図14(B)に示す例では、補正可否判断部514によって、デザイン画像Dを爪Tの爪先端部(すなわち、図14(A)に示す爪Tの爪先端部)に印刷する場合に補正不可能と判断される。このため、印刷制御部516は、白インクを印刷する印刷ヘッド46を動作させて、デザイン画像Dの印刷位置である当該爪Tの爪先端部に白インクを印刷させる(図14(A)の右側の図参照)。これにより、爪Tの爪先端部にデザイン画像Dである白色(Y=0,M=0,C=0)のフレンチネイルデザインが印刷された状態となる(図14(B)参照)。
白インクによる印刷が完了すると、印刷制御部516は、印刷部40の印刷ヘッド46のうち色インク(すなわち、Y,M,Cのインク)を印刷する印刷ヘッド46に、補正されないもとのままの画像の印刷データを出力し、色インク用の印刷ヘッド46は、当該印刷データに基づいて爪Tの表面にデザイン画像Dを印刷する(ステップS10)。これにより、ネイルプリント装置1による印刷処理が終了する。
すなわち、例えば、図11(A)に示す例では、色インク用の印刷ヘッド46により、爪Tの全領域に、図11(B)に示すもとの画像の印刷データのままの濃度(すなわち、Y=30,M=0,C=0の濃度)でY,M,Cの各色が印刷される。
また、図13(A)に示す例では、色インク用の印刷ヘッド46により、爪Tの所定の領域(すなわち、図13(A)の中央の図に白抜きハート型で示される領域)に、図13(B)に示すもとの画像の印刷データのままの濃度(すなわち、Y=20,M=10,C=10の濃度)でY,M,Cの各色が印刷される。
なお、図14(A)及び図14(B)に示す例では、図14(B)に示すように、もとの画像の印刷データは白色(Y=0,M=0,C=0)のフレンチネイルデザインのみであり、デザイン画像Dを印刷する色と下地用インクの色とが同じであるため、ステップS10の色インクによる印刷は行われない。
以上のように、本実施形態のネイルプリント装置1によれば、印刷対象の被印刷面であるユーザの印刷指U1の爪Tの表面に印刷されるデザイン画像Dの印刷データに含まれている各色の濃度値を取得するとともに、爪Tの各色の濃度値を取得して、補正可否判断部514により印刷データの補正の可否を判断する。そして、デザイン画像Dの印刷データの補正が可能である場合には、印刷データ補正部515により、デザイン画像Dの印刷データに含まれる各色の濃度値と爪Tの各色の濃度値とに基づいて、デザイン画像Dの印刷データの各色の濃度値を補正し、補正後のデザイン画像Dの印刷データに基づいて爪Tに色インクによる印刷を行う。また、デザイン画像Dの印刷データの補正が不可能である場合には、色インクによる印刷に先立ち、爪Tに下地用インクである白インクによる印刷を行うようになっている。
このため、印刷対象の被印刷面であるユーザの印刷指U1の爪Tの表面の色が、個人差やその表面に既に何らかの印刷が施されて着色されている等により、爪Tの一般的な色として想定されている色(例えば、白色等)とは異なっている場合でも、イメージ通りの発色のデザイン画像Dを印刷することができる。
また、補正可否判断部514は、画像濃度値取得部512により取得された画像の印刷データに含まれる各色の濃度値と、印刷対象濃度値取得部513により取得された爪Tの各色の濃度値と、の差分値に基づいて、印刷データ補正部515による補正の可否(すなわち、画像の印刷データを補正することで対応できるか否か)を判断する。そして、補正可否判断部514により補正不可能と判断された部分、すなわち、画像の印刷データの補正では対応できない部分についてのみ白インクを印刷して下地を形成する。このため、地用のインクを印刷する範囲を必要最小限度に抑えることができ、下地の形成に要する時間を最小限度に短縮できるとともに、下地用の白インクの消費量を必要最小限度に抑えることができる。
また、印刷データ補正部515は、印刷対象濃度値取得部513により取得された爪Tの表面の各色の濃度値と、画像濃度値取得部512により取得されたデザイン画像Dの各色の濃度値と、の差分値に基づいて、デザイン画像Dの印刷データの濃度値を補正するようになっている。このため、ユーザの印刷指U1の爪Tの表面の色を考慮して印刷するインクの濃度を調整することができ、爪Tの表面既に何らかの着色がなされているような場合には、その色を生かして印刷を行うことによりインクを無駄に重ね打ちすることを防止して効率よく所望の発色を実現することができる。
また、本実施形態では、印刷データ補正部515は、補正可否判断部514によって取得された差分値に基づいて画像の印刷データの補正を行うため、差分値を算出する算出処理の重複がなく、処理時間を短縮することができる。
また、本実施形態の印刷ヘッド46は、色インクを印刷する色インク用の印刷ヘッド46と、下地用インクを印刷する下地用の印刷ヘッド46と、を含んでおり、色インクは、光透過性インクである。このように光透過性インクを用いることで、インク同士の重なり合いにより多彩な色を表現することができる。また、爪Tの色に応じて適宜画像の印刷データを補正し、画像の印刷データの補正によっては対応しきれない場合には、下地用インクを印刷することにより下地を形成するため、被印刷面である爪Tの色を透過させる光透過性インクを用いた場合でも、爪Tの色の影響を受けることなく、高精細な印刷を行うことができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、補正可否判断部514によって補正可能な範囲内であると判断された場合(すなわち、濃度値の差分値がマイナスとならない場合)には、常に印刷データ補正部515が画像の印刷データの各色の濃度値を補正する場合を例としたが、画像の印刷データの補正は常に行われる場合に限定されない。
例えば、ユーザの爪Tの各色の濃度値と印刷すべき画像の各色の濃度値との差分値が印刷結果に影響を及ぼさないほどにごく僅かである場合には、画像の印刷データの補正を行わずに印刷するようにしてもよい。
この場合には、ユーザの爪Tの各色の濃度値と印刷すべき画像の各色の濃度値との差分がどの程度であれば印刷結果に影響を及ぼさないほどにごく僅かであるといえるのか、その許容限度を閾値として予め設定して、記憶部52等に記憶させておき、印刷データ補正部515は、濃度値の差分値がこの閾値を超える場合にのみ画像の印刷データを補正する。
なお、印刷結果に影響を及ぼすレベルは、色によって異なると考えられるため、この閾値は各色に応じてそれぞれ異なる値であってもよい。
また、本実施形態では、下地用インクが白インクである場合を例示したが、下地用インクは、色インクを本来予定されていた色に発色させることができるものであればよく、白インクに限定されない。下地用インクは、光を透過させないインクであって、これを印刷することで、被印刷面の色を色インクの印刷に適した色にリセットすることができるものであれば、各種のものを適用することができる。
例えば、もとの画像の印刷データにおける色インク(すなわち、Y,M,Cのインク)の濃度値が、薄いピンク色の爪Tの上に印刷したときに所望の発色となるように調整されているような場合であれば、下地用インクも本来の爪Tの色として予定されている薄いピンク色のものを用いる。
また、本実施形態では、被印刷面である爪Tの表面の各色の濃度値を取得する手法として、撮影部30のカメラ32で撮影された爪画像全体を、印刷対象濃度値取得部513が走査(スキャン)することにより各色の濃度値を取得する場合を例示したが、爪Tの表面の各色の濃度値を取得する手法はこれに限定されない。
例えば、カメラ32に代えて各種スキャナを用いて各色の濃度値を取得してもよいし、測色計等を用いて爪Tの表面の色を測定し、その濃度値を取得してもよい。
また、本実施形態では、印刷対象濃度値取得部513が爪画像全体を走査(スキャン)することにより、爪Tの全領域について各色の濃度値を取得する場合を例示したが、各色の濃度値を取得する範囲は必ずしも爪Tの全領域でなくてもよい。
例えば、爪Tを爪半月部分、爪先端部、及びこれら以外の部分に領域を分けて、それぞれの領域について1又は複数個所で各色の濃度値を取得するようにしてもよい。また、爪Tの全領域についてランダムに1又は複数個所で各色の濃度値を取得するようにしてもよい。
また、本実施形態では、画像濃度値取得部512が、画像(デザイン画像D)の印刷データについて、画像全体としての濃度値を取得する場合を例示したが、濃度値は、画像全体として取得される場合に限定されない。
例えば、画像濃度値取得部512は、画像(デザイン画像D)を構成する各画素について各色の濃度値を取得してもよい。また、画像(デザイン画像D)が、絵柄(ワンポイント柄等)の領域と背景の領域等、ある領域ごとに分けることのできるデザインである場合には、領域ごとに各色の濃度値を取得してもよい。
このように、各色の濃度値が画素ごとや領域ごとに取得される場合には、濃度値の差分値の算出を、画素ごとや領域ごと等、より細かく部分を分けて行い、画素ごとや領域ごとに、補正可否判断部514による補正の可否の判断や、印刷データ補正部515による画像の印刷データの補正を行うようにしてもよい。
このようにした場合には、白インクを印刷する範囲や、画像の印刷データを補正する範囲をより必要最小限度とすることができ、処理時間の無駄等を省くことができる。
また、本実施形態では、補正可否判断部514が補正不可能と判断した領域のみに下地用インク(白インク)を印刷する場合を例示したが、例えば、爪Tの表面に一部でも補正不可能と判断される部分がある場合には、爪Tの全体について下地用インク(白インク)を印刷するようにしてもよい。
この場合には、下地用インク(白インク)を印刷する領域と下地用インクを印刷せずに画像の印刷データの補正のみで対応する領域とを分ける必要がないため、処理を単純化することができる。
また、本実施形態では、補正可否判断部514が各色の濃度値の差分値を算出する場合を例示したが、各色の濃度値の差分を算出する機能部は補正可否判断部514に限定されない。
また、本実施形態では、画像の印刷データに含まれる各色の濃度値と爪Tの各色の濃度値との差分値に基づいて、補正可否判断部514が補正の可否を判断し、印刷データ補正部515が画像の印刷データを補正する場合を例示したが、補正可否判断部514による補正の可否の判断や、印刷データ補正部515による画像の印刷データの補正は、画像の印刷データに含まれる各色の濃度値と爪Tの各色の濃度値とに基づいて行われればよく、両者の差分値を求めて、この差分値に基づいて行われる場合に限定されない。また、印刷ヘッド46として、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクに対応する色インク用の3つの印刷ヘッド46と、白色(W;WHITE)のインクに対応する白インク用の印刷ヘッド46とが設けられているとしたが、更に、ブラックのインクに対応する色インク用の印刷ヘッドを備えるようにしても良い。
また、本実施形態では、印刷の度に印刷対象濃度値取得部513により爪Tの各色の濃度値(色情報)を取得する場合を例としたが、爪Tの色情報は、印刷の度に毎回取得しなくてもよい。
例えば、ネイルプリント装置1を使用するユーザの爪Tについて1回爪Tの色情報が取得されると、この色情報を記憶部52等に記憶させておき、次回の印刷の際には、当該ユーザの色情報として記憶されている爪Tの各色の濃度値を記憶部52等から読み出して、補正可否の判断や、画像の印刷データの補正に用いてもよい。
このように、ユーザ毎に爪Tの色情報を登録しておけば、2回目の印刷時からは爪Tの各色の濃度値(色情報)を取得する処理を行わずに済むため、処理時間の短縮を図ることができる。なお、同一人でも、体調やネイルプリントの有無等によって爪Tの色は変化するため、既登録の色情報(爪Tの各色の濃度値)を用いて印刷処理を行うか否かはユーザによって選択できるようにすることが好ましい。
また、本実施形態では、爪画像記憶領域521、爪色情報記憶領域522、デザイン画像記憶領域523が制御装置50の記憶部52内に設けられている場合を例としたが、爪画像記憶領域521、爪色情報記憶領域522、デザイン画像記憶領域523は制御装置50の記憶部52に設けられている場合に限定されず、別途記憶部が設けられていてもよい。
また、本実施形態では、4本の指に対して同時に印刷を行うことのできるネイルプリント装置1を例としたが、指を1本ずつ装置に挿入して順次印刷を行う装置に本発明を適用することも可能である。
その他、本発明が本実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
指の爪に画像を印刷する印刷ヘッドと、
前記画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、に基づいて、前記画像の各色の濃度値を補正する印刷データ補正部と、
前記印刷データ補正部による補正が不可能と判断されたとき、前記爪に下地用インクを印刷するように前記印刷ヘッドを制御する印刷制御部と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
<請求項2>
前記画像の前記各色の濃度値は画像濃度値取得部により取得され、
前記爪の前記各色の濃度値は印刷対象濃度値取得部により取得され、
前記印刷データ補正部による補正の可否は補正可否判断部により判断され、
取得する前記各色の濃度値は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、の色インクのうちの少なくとも何れかを含み、
前記印刷制御部は、前記爪の前記補正が不可能と判断された領域に、白インクを含む前記下地用インクを印刷した後、前記色インクの少なくとも何れかにより、前記画像の印刷を行うように前記印刷ヘッドを制御することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項3>
前記補正可否判断部は、前記画像濃度値取得部により取得された前記画像に含まれる前記各色の濃度値と、前記印刷対象濃度値取得部により取得された前記爪の前記各色の濃度値と、の差分値に基づいて、前記印刷データ補正部による補正の可否を判断することを特徴とする請求項2に記載のネイルプリント装置。
<請求項4>
前記印刷制御部は、前記印刷データ補正部による補正が可能と判断されたとき、前記画像に含まれる前記各色の濃度値と、前記爪の前記各色の濃度値と、の差分値に基づいて、前記画像の濃度値を補正することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項5>
前記印刷ヘッドは、前記色インクを印刷する色インク用の印刷ヘッドと、下地用インクを印刷する下地用の印刷ヘッドと、を含み、
前記色インクは、光透過性インクであることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項6>
指の爪に印刷する画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、に基づいて、前記画像の各色の濃度値を補正し、
前記画像の補正が不可能と判断されたとき、前記爪に下地用インクを印刷するように前記印刷ヘッドを制御することを特徴とする印刷制御方法。
<請求項7>
取得する前記各色の濃度値は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、の色インクのうちの少なくとも何れかを含み、
前記爪の前記補正が不可能と判断された領域に、白インクを含む前記下地用インクを印刷した後、前記色インクの少なくとも何れかにより、前記画像の印刷を行うように制御することを特徴とする請求項6に記載の印刷制御方法。
<請求項8>
前記画像の補正の可否の判断は、前記画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、の差分値に基づいて行われることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の印刷制御方法。
<請求項9>
前記画像の補正が可能と判断されたとき、前記画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、の差分値に基づいて、前記画像の濃度値を補正することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の印刷制御方法。
<請求項10>
前記色インクは、光透過性インクであることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の印刷制御方法。
1 ネイルプリント装置
2 ケース本体
20a 印刷指挿入部
30 撮影部
46 印刷ヘッド
50 制御装置
51 制御部
52 記憶部
512 画像濃度値取得部
513 印刷対象濃度値取得部
514 補正可否判断部
515 印刷データ補正部
521 爪画像記憶領域
522 爪色情報記憶領域
523 デザイン画像記憶領域
T 爪
U1 印刷指
U2 非印刷指

Claims (10)

  1. 指の爪に画像を印刷する印刷ヘッドと、
    前記画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、に基づいて、前記画像の各色の濃度値を補正する印刷データ補正部と、
    前記印刷データ補正部による補正が不可能と判断されたとき、前記爪に下地用インクを印刷するように前記印刷ヘッドを制御する印刷制御部と、
    を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
  2. 前記画像の前記各色の濃度値は画像濃度値取得部により取得され、
    前記爪の前記各色の濃度値は印刷対象濃度値取得部により取得され、
    前記印刷データ補正部による補正の可否は補正可否判断部により判断され、
    取得する前記各色の濃度値は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、の色インクのうちの少なくとも何れかを含み、
    前記印刷制御部は、前記爪の前記補正が不可能と判断された領域に、白インクを含む前記下地用インクを印刷した後、前記色インクの少なくとも何れかにより、前記画像の印刷を行うように前記印刷ヘッドを制御することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
  3. 前記補正可否判断部は、前記画像濃度値取得部により取得された前記画像に含まれる前記各色の濃度値と、前記印刷対象濃度値取得部により取得された前記爪の前記各色の濃度値と、の差分値に基づいて、前記印刷データ補正部による補正の可否を判断することを特徴とする請求項2に記載のネイルプリント装置。
  4. 前記印刷制御部は、前記印刷データ補正部による補正が可能と判断されたとき、前記画像に含まれる前記各色の濃度値と、前記爪の前記各色の濃度値と、の差分値に基づいて、前記画像の濃度値を補正することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
  5. 前記印刷ヘッドは、前記色インクを印刷する色インク用の印刷ヘッドと、下地用インクを印刷する下地用の印刷ヘッドと、を含み、
    前記色インクは、光透過性インクであることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
  6. 指の爪に印刷する画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、に基づいて、前記画像の各色の濃度値を補正し、
    前記画像の補正が不可能と判断されたとき、前記爪に下地用インクを印刷するように前記印刷ヘッドを制御することを特徴とする印刷制御方法。
  7. 取得する前記各色の濃度値は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、の色インクのうちの少なくとも何れかを含み、
    前記爪の前記補正が不可能と判断された領域に、白インクを含む前記下地用インクを印刷した後、前記色インクの少なくとも何れかにより、前記画像の印刷を行うように制御することを特徴とする請求項6に記載の印刷制御方法。
  8. 前記画像の補正の可否の判断は、前記画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、の差分値に基づいて行われることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の印刷制御方法。
  9. 前記画像の補正が可能と判断されたとき、前記画像の各色の濃度値と、前記爪の各色の濃度値と、の差分値に基づいて、前記画像の濃度値を補正することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の印刷制御方法。
  10. 前記色インクは、光透過性インクであることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の印刷制御方法。
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