JP2014043235A - 自動二輪車の燃料タンク支持構造 - Google Patents

自動二輪車の燃料タンク支持構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッドパイプから後方に延びるメインフレームが左右一対で構成される自動二輪車において、燃料タンクの容量を確保し易くすることができる自動二輪車の燃料タンクの支持構造を提供する。
【解決手段】左右のメインフレーム5L,5Rそれぞれに、車幅方向外側に延びる左右一対の外側延出部40L,40Rを設け、燃料タンク25から突出する左右一対のタンク支持ステー43L,43Rを、左右の前記外側延出部40L,40Rによって支持する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動二輪車の燃料タンク支持構造に関する。
ヘッドパイプから後方に延びるメインフレームに、車幅方向外側に延びるように軸部(以下、外側延出部という)が突設され、この外側延出部によって燃料タンクが支持される自動二輪車が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
この自動二輪車では、同文献の図3等に見られるように、上記メインフレームが車幅方向中央を前後に延びる一本の部材からなり、燃料タンクがメインフレームを上方及び両側方から覆うように縦断面視で逆U字状に形成されることで、その下面に凹部が形成され、上記外側延出部が、燃料タンクの上記凹部内で該燃料タンクを下方から支持する構造となっている。
特許第3489918号公報
ところで、近年、比較的大型の自動二輪車では、メインフレームを左右一対で構成するものが多くあるが、このような比較的大型の自動二輪車では、タンク容量を極力大きく確保することが望まれる。
そこで、本発明は、ヘッドパイプから後方に延びるメインフレームが左右一対で構成される自動二輪車において、特許文献1に開示されるような外側延出部を設け、燃料タンクの容量を確保し易くすることができる自動二輪車の燃料タンクの支持構造を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、ヘッドパイプ(4)から左右に分岐して後方に延びる左右一対のメインフレーム(5L,5R)に、燃料タンク(25)を支持するための自動二輪車の燃料タンク支持構造において、左右の前記メインフレーム(5L,5R)それぞれに、車幅方向外側に延びる左右一対の外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)を設け、前記燃料タンク(25)から突出する左右一対のタンク支持ステー(43L,43R)を、左右の前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)によって支持することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造において、前記タンク支持ステー(43L,43R)は、前記燃料タンク(25)の左右縁部から、前記メインフレーム(5L,5R)を跨ぐようにして車幅方向外側に延出して、それぞれ前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)に至るように形成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造において、前記メインフレーム(5L,5R)の前部は、前記ヘッドパイプ(4)から左右に分岐して車幅方向外側に延びつつ後方に延びるように形成され、前記外側延出部(40L,40R)は、前記メインフレーム(5L,5R)の前部に設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造において、前記外側延出部(40L’,40R’)は、左右の前記メインフレーム(5L,5R)の前部の間を連結する前側クロスフレーム(12’)の左右延長線上に、当該前側クロスフレーム(12’)と別体で、左右の前記メインフレーム(5L,5R)にそれぞれ設けられ、前記外側延出部(40L’,40R’)は、弾性部材(53)を介して前記タンク支持ステー(43L,43R)を支持することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造において、前記外側延出部(40L,40R)は、左右の前記メインフレーム(5L,5R)の前部の間を連結するとともに、前記各メインフレーム(5L,5R)の前部を貫通する前側クロスフレーム(12)の左右両端部に設定され、前記外側延出部(40L,40R)は、弾性部材(53)を介して前記タンク支持ステー(43L,43R)を支持することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造において、前記メインフレーム(5L,5R)は断面視縦長の形状に形成され、前記メインフレーム(5L,5R)の車幅方向内側面には、フレーム剛性を補強する補強部材(70)が付設されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか1項に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造において、前記タンク支持ステー(43L,43R)は、前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)に締結部材によって締結されることで支持され、左右の前記タンク支持ステー(43L,43R)と前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)との間の少なくともいずれか一方に、電装品を支持する電装品ステー(60,60’)が、前記締結部材によって、前記タンク支持ステー(43L,43R)とともに、前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)に締結され、前記電装品ステー(60,60’)は、前記弾性部材(53)と前記外側延出部(40L,40R)との間に直接的に挟まれるようにして、前記外側延出部(40L,40R)に締結されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造において、前記燃料タンク(25)の後方にシート(26)が配置され、前記燃料タンク(25)の後部を支持する後方支持部(42)が、前記シート(26)の下方に配置されることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造において、前記燃料タンク(25)の前部が、車体カバー(31L,31R)によって車幅方向外側から覆われ、該車体カバー(31L,31R)によって、前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)及び前記タンク支持ステー(43L,43R)が覆われることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、メインフレームに設けられて車幅方向外側に延びる外側延出部で、燃料タンクから突出するタンク支持ステーを支持することで、凹部等の複雑な部位を形成することなく、燃料タンクを車幅方向に極力広げて形成して、燃料タンクを支持することができるので、燃料タンクの容量を確保し易くすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、燃料タンクの取り付けの際に、外側延出部とタンク支持ステーとの位置が視認し易く、また左右のメインフレームの上方からタンク支持ステーを外側延出部に至るようにして取り付けることができるため、取り付け易く、生産性を向上できる。
請求項3に記載の発明によれば、メインフレームの前部の車幅方向にすぼまる部分に外側延出部を設けることで、外側延出部の車幅方向外側への広がりを抑制できる。
請求項4に記載の発明によれば、外側延出部を別体でメインフレームに設ける構成とすることで、例えば、既存のメインフレームを利用する等して製造効率を向上できる。
請求項5に記載の発明によれば、メインフレームの剛性を確保しつつ、比較的剛性が高く確保されるクロスフレームによって燃料タンクが支持されることになり、燃料タンクの支持剛性を確保できる。また、弾性部材を介して、タンク支持ステーを支持することで走行時等にメインフレームから燃料タンクに伝わる振動を抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、メインフレームが断面視縦長である場合には、前側クロスフレームの連結によってメインフレームの断面における長手方向に生じる応力が大きくなり易くなり剛性確保が望まれるが、補強部材によってメインフレームの剛性を確保することができる。
請求項7に記載の発明によれば、電装品ステーが、例えばボルト等の締結部材によってタンク支持ステーとともに外側延出部に締結されることで、締結のための部品点数を削減できる。また、電装品ステーが、弾性部材と前側クロスフレームとの間に直接的に挟まれることになり、電装品ステーの熱が前側クロスフレームに効率的に伝達され、放熱効果を向上できる。
請求項8に記載の発明によれば、後方支持部をシートの下方に配置することで、後方支持部を外側から視認できなくして、外観性の向上を図ることができる。
請求項9に記載の発明によれば、外観性の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る構造が適用された自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車の車体フレームの上面図である。 上記自動二輪車の車両前部の左側面図である。 上記自動二輪車の車両前部の上面図である。 上記自動二輪車の車体フレームの前部の左側面図である。 上記自動二輪車の車体フレームの前部の上面図である。 上記自動二輪車の車両前部の斜視図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る構造が適用された自動二輪車の要部の左側面図である。 図9のB−B線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で用いる図面において、矢印FRは車両の前方を示し、矢印UPは車両の上方を示し、矢印LHは車両の左方を示している。
図1には本発明の第1の実施形態に係る自動二輪車1が示され、図2には自動二輪車1の車体フレーム2の上面図が示されている。この自動二輪車1の車体フレーム2は、左右一対のフロントフォーク3L,3Rを回転可能に支持するヘッドパイプ4と、ヘッドパイプ4から左右に分岐して後斜め下方に延びる左右一対のメインフレーム5L,5Rと、メインフレーム5L,5Rの後端から下方に延びる左右一対のピボットプレート6L,6Rと、メインフレーム5L,5Rの後方で、前後方向に延びるシートフレーム7L,7Rと、を備えている。なお、図1において、図中に表れない部材は、説明便宜上、括弧書きで符号を示している。
図2に示すように、メインフレーム5L,5Rは、ヘッドパイプ4から分岐して車幅方向外側に延びつつ後方に延びる前方延出部10L,10Rと、これら前方延出部10L,10Rの後端に連なって車幅方向内側に延びつつ後方に延びる後方延出部11L,11Rと、を有している。前方延出部10L,10Rの後部には、これら前方延出部10L,10Rの間を連結する前側クロスフレーム12が、車幅方向に延びて架け渡されている。また、後方延出部11L,11Rの後部には、これら後方延出部11L,11Rを連結する後側クロスフレーム13が架け渡され、この後側クロスフレーム13に上記シートフレーム7L,7Rの前端が接続されている。なお、シートフレーム7L,7Rは、後側クロスフレーム13から後斜め上方に延びている。
ヘッドパイプ4の下部からは、左右一対のガセットパイプ14L,14Rが後斜め上方に延びて、これらガセットパイプ14L,14Rの後端は、メインフレーム5L,5Rの前方延出部10L,10Rの後部に接続されている。ガセットパイプ14L,14Rにはそれぞれ、後斜め下方に延びる左右一対のダウンフレーム15L,15Rが接続されている。また、メインフレーム5L,5Rの後方延出部11L,11Rにおける前後方向略中央の部位には、下方に延びる左右一対のシリンダハンガ16L,16Rが固定されている。
ピボットプレート6L,6Rには、左右一対の補強パイプ17L,17Rが接続され、これら補強パイプ17L,17Rは、シートフレーム7L,7Rの下方で後斜め上方に延びて、シートフレーム7L,7Rの後端に接続している。図2に示すように、補強パイプ17L,17Rにおける前端から前後方向略中央に至る部位は、上面視で、シートフレーム7L,7Rよりも車幅方向外側に位置し、左右の補強パイプ17L,17Rは後方に向けて次第に車幅方向の互いの距離を狭めるようにして延びている。すなわち、本実施形態では、左右のシートフレーム7L,7Rの間の距離が、左右の補強パイプ17L,17Rの間の距離よりも小さく設定されている。
また、図1に示すように、補強パイプ17L,17Rの前部側にはそれぞれ、同乗者が足を載せるためのピリオンステップ18L,18Rを下端で支持するステップステー19L,19Rが下方に延びるように固定されている。
また、左のピボットプレート6Lの下部には、サイドスタンド9が設けられている。サイドスタンド9は、自動二輪車1を左方にやや傾けた状態で支える。
メインフレーム5L,5Rの下方には、エンジン20が支持され、本実施形態においてエンジン20は直列多気筒エンジンが採用されている。エンジン20は、クランクケース21と、クランクケース21の前側上部から前斜め上方に延びるシリンダ部22と、を備えている。
エンジン20は、上記ダウンフレーム15L,15Rの下部によってそのシリンダ部22の前部が支持されるとともに、上記シリンダハンガ16L,16Rの下部によってそのシリンダ部22の後部が支持されている。さらに、エンジン20は、ピボットプレート6L,6Rの下部に渡された支持シャフト23によって、クランクケース21の後部が支持されている。
前輪WFは、ヘッドパイプ4に回転可能に支持された左右のフロントフォーク3L,3Rの下部間に回転可能に支持され、フロントフォーク3L,3Rの上部には、操向ハンドル24が設けられている。また、ヘッドパイプ4の後方においてメインフレーム5L,5Rの上部には、燃料タンク25が支持されている。また、燃料タンク25の後方には、乗員が着座するシート26が配置され、シート26は、シートフレーム7L,7Rに沿って前後に延びて、これらシートフレーム7L,7Rに支持されている。
ピボットプレート6L,6Rの上下方向略中央の部位には、ピボット軸27が架け渡され、ピボット軸27にはスイングアーム28が上下に揺動可能に支持されている。スイングアーム28の後端には後輪WRが回転可能に支持されている。また、スイングアーム28と後側クロスフレーム13との間にはリヤクッション29が設けられている。
車体カバーとしては、ヘッドパイプ4の前方に、車幅方向に一定の幅を有して、後斜め上方に延びるフロントカバー30が配置されている。ヘッドパイプ4の側方に、フロントカバー30の左右縁部に連なって後方に延びる左右一対のタンクシュラウド31L,31Rが配置されている。さらに、タンクシュラウド31L,31Rの下方に、タンクシュラウド31L,31Rに連なって下方に延びる左右一対のフロントサイドカバー32L,32Rが配置されている。
タンクシュラウド31L,31Rはそれぞれ、フロントカバー30の左右縁部の上下方向全体に連なる上下方向に長い前側連続部31LF,31RFと、前側連続部31LF,31RFの上下方向略中央の位置から後方に延びて後端が先細り形状に形成される後側延部31LE,31REと、を一体に有して形成されている。後側延部31LE,31REの後端は、燃料タンク25の前部側面に至り、それぞれ燃料タンク25の前部側面を覆っている。
フロントサイドカバー32L,32Rはそれぞれ、その上縁を、タンクシュラウド31L,31Rにおける前側連続部31LF,31RF及び後側延部31LE,31REの下縁に跨がるようにして連ねて、下方に延びている。フロントサイドカバー32L,32Rは、その上縁の前端から下方に延びる前縁が前輪WFに沿うように弧状に形成され、上記上縁の後端から下方に延びる後縁が、ダウンフレーム15L,15Rに沿うように下方に延びている。
また、フロントサイドカバー32L,32Rの下部には、左右一対のアンダカウル33L,33Rが連なり、これらアンダカウル33L,33Rは後方に延びて、ピボットプレート6L,6Rの下部まで至り、クランクケース21の下部を覆っている。
車両後部においては、シート26の下方に、収納ボックス34が配置され、収納ボックス34はシートフレーム7L,7Rに沿って前後方向に延び、そして収納ボックス34は、車幅方向外側から左右一対のシートサイドカバー35L,35Rによって覆われている。シートサイドカバー35L,35Rはそれぞれ、シート26の下方で、シートフレーム7L,7R及び補強パイプ17L,17Rに沿って後斜め上方に延びている。
シートサイドカバー35L,35Rの前端部は、シートフレーム7L,7Rの前部から上方に突出して延びて、燃料タンク25の後部側面を覆うように形成されている。また、シートサイドカバー35L,35Rの後端部は、シート26の後端下方まで延びている。
なお、この自動二輪車1では、シート26を取り外すことで、収納ボックス34が上方に向けて開放し、この状態で、収納ボックス34に上方から物品を収納することが可能となっている。
以下、燃料タンク25の支持構造について説明する。図2〜図4を参照し、本実施形態では、メインフレーム5L,5Rの前方延出部10L,10Rに架け渡された前側クロスフレーム12がそれぞれ、前方延出部10L,10Rに貫通して車幅方向外側に突出しており、メインフレーム5L,5Rから車幅方向外側に突出する前側クロスフレーム12の左右端部に、燃料タンク25の前部を支持する左右一対の外側延出部40L,40Rが設定されている。一方で、左右のシートフレーム7L,7Rの前部には、シート側クロスフレーム41が渡して設けられ、このシート側クロスフレーム41に、燃料タンク25の後部を支持するための後方支持部42が設けられている。
そして、本実施形態では、燃料タンク25の前部下面の左右縁部から、メインフレーム5L,5Rを跨ぐようにして車幅方向外側に延出した後、下方に延出する左右一対のタンク支持ステー43L,43Rが、燃料タンク25に設けられている。そして、燃料タンク25は、タンク支持ステー43L,43Rの下部に車幅方向外側から通されるボルト44L,44Rが外側延出部40L,40Rに締結されることで、外側延出部40L,40Rに支持されている。
また、後方支持部42は、シート側クロスフレーム41に溶着されて上方に延出しており、図4に示すように、その先端に車幅方向に軸方向を沿わせる筒部42Aを有している。一方、燃料タンク25は、その後部に、後方に延出して筒部42Aの左右端部の側方に配置される一対の板体を有するステー部45を有している。そして、後方支持部42は、ステー部45の上記板体及び筒部41Aにボルト46を通して、ステー部45を締結することで、燃料タンク25の後部を支持している。ここで、後方支持部42とステー部45との間には、弾性部材を介在させるのが好ましい。
なお、図3及び図4には、説明便宜上、二点鎖線でシート26を示している。後方支持部42及びステー部45は、シート26の下方に配置され、シート26によって上方から覆われるようになっている。
図5〜図8を参照し、燃料タンク25の前部の支持構造について詳述するが、以下では、左の外側延出部40Lにおける左のタンク支持ステー43Lの支持構造について説明し、右の外側延出部40R及びタンク支持ステー43Rの支持構造は左側と基本的に同様の構造のため、説明を省略する。なお、図5〜図7では、タンクシュラウド31Lを省略している。
図5〜図7に示すように、タンク支持ステー43Lは、メインフレーム5Lを跨ぐようにして車幅方向外側に延出した後、外側延出部40Lに至るように下方に延出するアーム部50Lと、アーム部50Lの下端に溶着された筒部51Lと、を有しており、外側延出部40Lの軸方向に、その軸方向を沿わせて配置された筒部51Lに車幅方向外側から上記ボルト44Lを挿入され、このボルト44Lが外側延出部40Lに締結されることで支持されている。外側延出部40Lには、ボルト44Lが螺合される締結孔52Lが、車幅方向内側に延びるように穿設されている(図8参照)。
図8に示すように、筒部51Lの内側には、弾性部材である円筒状のグロメット53が嵌入され、グロメット53の内側には金属材料等からなる円筒状のカラー54が配置されている。そして、カラー54の内側に上記ボルト44Lが挿通されている。すなわち、本実施形態では、外側延出部40Lがボルト44Lを介して燃料タンク25の荷重を支持し、ボルト44Lと筒部51Lとの間にグロメット53を介在させることで、燃料タンク25が弾性支持されている。
グロメット53の軸方向における両端部にはそれぞれ、グロメット53の径方向の外側に張り出す、車幅方向外側に位置するフランジ部56及び車幅方向内側に位置するフランジ部57が形成されている。これらフランジ部56,57は、グロメット53の外周面に挿入された筒部51Lを挟み込むようにして、筒部51Lの移動を規制している。また、カラー54の車幅方向外側の端部には、カラー54の径方向の外側に張り出す鍔部58が形成され、鍔部58には、車幅方向外側からボルト44Lの頭部が当接している。
鍔部58の外径寸法は、グロメット53のフランジ部56,57の外径寸法と略同一とされている。これにより、グロメット53は、カラー54の鍔部58によって車幅方向の移動を規制され、筒部51Lも車幅方向の移動を規制されることになる。また、カラー54は、鍔部58がグロメット53のフランジ部56に軸方向で接した状態で、カラー54の車幅方向内側の端部が、グロメット53のフランジ部57の端部と略面一となるように形成されている。
また、本実施形態では、フランジ部57及びカラー54の車幅方向内側の端部と、外側延出部40Lとの間に、電装品ステー60が直接的に挟まれるようにして配置されており、電装品ステー60は、ボルト44Lによって、タンク支持ステー43Lとともに外側延出部40Lに締結されている。図5〜図7を参照し、電装品ステー60は、外側延出部40Lから前方に延びるように形成されており、その前部に、電圧の制御のためのレギュレータ61を支持している。レギュレータ61は、その長手方向を、前方延出部10Lに沿わせるように電装品ステー60に支持されている。
また、図3及び図4を参照し、本実施形態では、燃料タンク25がメインフレーム5L、5Rに搭載された状態において、タンクシュラウド31Lの後側延部31LEの後部によって、外側延出部40L及びタンク支持ステー43Lが車幅方向外側及び上方から覆われている。また、後側延部31LEの後部は、レギュレータ61の上部も覆っている。
ここで、外側延出部40Lに対するタンク支持ステー43Lの締結作業の一例について説明すると、先ず、本実施形態では、タンク支持ステー43Lの筒部51Lの内側にグロメット53を嵌入する。そして、上方からタンク支持ステー43Lを、外側延出部40Lに沿わせるように配置して、この際、筒部51Lと外側延出部40Lとの間に電装品ステー60を配置する。次に、グロメット53内にカラー54を挿入し、次に、カラー54及び電装品ステー60にボルト44Lを通して、ボルト44Lを外側延出部40Lの締結孔52Lに締結する。上記手順を右側でも行う。これにより、燃料タンク25の前部がメインフレーム5L,5Rに締結支持される。
なお、右の外側延出部40Rは、右のタンク支持ステー43Rを上記と同様に支持するが、本実施形態では、右の外側延出部40Rと右のタンク支持ステー43Rとの間に電装品ステー60のような部材が共締めされていない。しかしながら、右の外側延出部40Rと右のタンク支持ステー43Rとの間において、電装品ステー60のような部材を設けてもよい。
以上に記載したように本実施形態の自動二輪車1は、左右のメインフレーム5L,5Rそれぞれに、車幅方向外側に延びる左右一対の外側延出部40L,40Rを設け、燃料タンク25から突出する左右一対のタンク支持ステー43L,43Rを、左右の外側延出部40L,40Rによって支持する構造を有する。このような構造では、凹部等の複雑な部位を形成することなく、燃料タンク25を車幅方向に極力広げて形成して、燃料タンク25を支持することができるので、燃料タンク25の容量を確保し易くすることができる。
また、本実施形態では、タンク支持ステー43L,43Rが、燃料タンク25の左右縁部から、メインフレーム5L,5Rを跨ぐようにして車幅方向外側に延出して、それぞれ外側延出部40L,40Rに至るように形成される。これによれば、燃料タンク25の取り付けの際に、外側延出部40L,40Rとタンク支持ステー43L,43Rとの位置が視認し易く、また左右のメインフレーム5L,5Rの上方からタンク支持ステー43L,43Rを外側延出部40L,40Rに至るようにして取り付けることができるため、取り付け易く、生産性を向上できる。
また、本実施形態では、メインフレーム5L,5Rの前部が、ヘッドパイプ4から左右に分岐して車幅方向外側に延びつつ後方に延びるように形成され、外側延出部40L,40Rが、メインフレーム5L,5Rの前部に設けられる。これによれば、メインフレーム5L,5Rの前部(前方延出部10L,10R)の車幅方向にすぼまる部分に外側延出部40L,40Rを設けることで、外側延出部40L,40R部の車幅方向外側への広がりを抑制できる。
また、本実施形態では、外側延出部40L,40Rが、左右のメインフレーム5L,5Rの前部の間を連結するとともに、各メインフレーム5L,5Rの前部を貫通する前側クロスフレーム12の左右両端部に設定され、外側延出部40L,40Rが、弾性部材であるグロメット53を介してタンク支持ステー43L,43Rを支持するようになっている。これによれば、メインフレーム5L,5Rの剛性を確保しつつ、比較的剛性が高く確保される前側クロスフレーム12によって燃料タンク25が支持されることになり、燃料タンク25の支持剛性を確保できる。また、弾性部材であるグロメット53を介して、タンク支持ステー43L,43Rを支持することで走行時等にメインフレーム5L,5Rから燃料タンク25に伝わる振動を抑制できる。
また、本実施形態では、タンク支持ステー43L,43Rが、外側延出部40L,40Rに締結部材であるボルトによって締結されることで支持され、左のタンク支持ステー43Lと左の外側延出部40Lとの間に、電装品を支持する電装品ステー60が、上記締結部材によって、タンク支持ステー43Lとともに、外側延出部40Lに締結され、電装品ステー60が、グロメット53と外側延出部40Lとの間に直接的に挟まれるようにして、外側延出部40Lに締結されるようになっている。
これによれば、締結のための部品点数を削減できる。また、電装品ステー60が、グロメット53と前側クロスフレーム12との間に直接的に挟まれることになり、電装品ステー60の熱が前側クロスフレーム12に効率的に伝達され、放熱効果を向上できる。
また、本実施形態では、燃料タンク25の後方にシート26が配置され、燃料タンク25の後部を支持する後方支持部42が、シート26の下方に配置されるが、これによれば、後方支持部42をシート26の下方に配置することで、後方支持部42を外側から視認できなくして、外観性の向上を図ることができる。また、燃料タンク25の前部が、タンクシュラウド31L,31Rによって車幅方向外側から覆われ、タンクシュラウド31L,31Rによって、外側延出部40L,40R及びタンク支持ステー43L,43Rが覆われるが、これによれば、外側延出部40L,40R及びタンク支持ステー43L,43Rを隠して外観性の向上を図ることができる。
次に、図9及び図10を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における第1の実施形態と同一の構成要素については、同一符号で示し、説明を省略する。
本実施形態では、外側延出部40L’,40R’が、メインフレーム5L,5Rにおける前方延出部10L,10R間を左右方向に延びて連結する前側クロスフレーム12’の左右延長線上に、前側クロスフレーム12’と別体で、左右のメインフレーム5L,5Rにそれぞれ設けられている。外側延出部40L’,40R’は、左右のメインフレーム5L,5Rにおける車幅方向外側を向く面に溶接されて、前側クロスフレーム12’の左右延長線上に沿って車幅方向外側に突出している。なお、図9、図10においては、外側延出部40R’を省略している。また、図10において符号110は、外側延出部40L’の基端部とメインフレーム5Lの車幅方向外側を向く面とに跨って形成された溶接金属からなる溶接部を示している。溶接部110は、外側延出部40L’の基端部の外周面の全周にわたって形成されてもよいし、周方向に間隔を空けて複数形成されるものでもよい。
そして、外側延出部40L’,40R’は、弾性部材53を介してタンク支持ステー43L,43Rを支持している。外側延出部40L’,40R’のタンク支持ステー43L,43Rの支持構造は、図10から明らかなように、第1の実施形態と同様である。
また、第2の実施形態では、メインフレーム5L,5Rが断面視縦長の中空形状に形成され、メインフレーム5L,5Rにおける車幅方向内側を向く面に、フレーム剛性を補強する矩形板状の金属製の補強部材(パッチ)70(左右にある)が付設(詳細には溶接)され、補強部材70の車幅方向内側を向く面に、前側クロスフレーム12’の端部が溶接されている。
前側クロスフレーム12’の端部は、メインフレーム5L,5Rの上下方向略中央の位置に補強部材70を介して接続され、補強部材70は、前側クロスフレーム12’の端部との接続位置を挟んで上側の部位が、下側の部位よりも長く延び、上側の部位で接合する面積を確保している。図10において、符号120は、前側クロスフレーム12’の端部の外周面と補強部材70とに跨って形成された溶接金属からなる溶接部を示している。溶接部120は、前側クロスフレーム12’の端部の外周面の全周にわたって形成されてもよいし、周方向に間隔を空けて複数形成されるものでもよい。
また、符号121は、補強部材70の外周縁とメインフレーム5Lの車幅方向内側を向く面とに跨って形成された溶接金属からなる溶接部を示している。溶接部121は、補強部材70の外周縁の全域にわたって形成されてもよいし、外周縁の全域において間隔を空けて複数形成されるものでもよい。
さらに、符号122は、ガセットパイプ14Lの端部の外周面とメインフレーム5Lの下面とに跨って形成された溶接金属からなる溶接部を示している。溶接部122は、ガセットパイプ14Lの端部の外周面の全周にわたって形成されてもよいし、周方向に間隔を空けて複数形成されるものでもよい。
また、電装品ステー60’は、第1の実施形態のものと形状が異なり、外側延出部40L’から前方に延びる部位でレギュレータ61を支持する一方で、下方に延びてダウンフレーム15Lに連結する下方延出部を有している。このような電装品ステー60’は、第1の実施形態の構成に適用してもよい。
以上のような第2の実施形態の構成では、外側延出部40L’,40R’を別体でメインフレーム5L,5Rに設ける構成とすることで、例えば、既存のメインフレームを利用する等して当該支持構造を構成することで、製造効率を向上できる。また、メインフレーム5L,5Rが断面視縦長である場合には、前側クロスフレーム12’の連結によってメインフレーム5L,5Rの断面における長手方向に生じる応力が大きくなり易くなり剛性確保が望まれるが、補強部材70によってメインフレーム5L,5Rの剛性を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記第1の実施形態では、外側延出部40L,40Rが、メインフレーム5L,5Rにおける前部に設けられる構成を説明したが、後部に設けてもよい。
また、上記実施形態では、タンク支持ステー43L,43Rが車幅方向外側からボルト等の締結部材によって、外側延出部40L,40Rに締結される構成を説明したが、タンク支持ステー43L,43Rと外側延出部40L,40Rとを上下方向で重ねて締結するような構成でもよい。
また、上記第1の実施形態では、電装品ステー60が、外側延出部40Lにタンク支持ステー43Lとともに共締めされる例を説明したが、電装品ステー60は、タンク支持ステー43Lと共締めされない態様であってもよい。この場合、電装品ステー60の配置自由度を向上できる。
1 自動二輪車
2 車体フレーム
4 ヘッドパイプ
5L,5R メインフレーム
12,12’ 前側クロスフレーム
25 燃料タンク
26 シート
31L,31R タンクシュラウド(車体カバー)
35L,35R シートサイドカバー
40L,40R,40L’,40R’ 外側延出部
42 後方支持部
43L,43R タンク支持ステー
44L ボルト(締結部材)
60,60’ 電装品ステー

Claims (9)

  1. ヘッドパイプ(4)から左右に分岐して後方に延びる左右一対のメインフレーム(5L,5R)に、燃料タンク(25)を支持するための自動二輪車の燃料タンク支持構造において、
    左右の前記メインフレーム(5L,5R)それぞれに、車幅方向外側に延びる左右一対の外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)を設け、
    前記燃料タンク(25)から突出する左右一対のタンク支持ステー(43L,43R)を、左右の前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)によって支持することを特徴とする自動二輪車の燃料タンク支持構造。
  2. 前記タンク支持ステー(43L,43R)は、前記燃料タンク(25)の左右縁部から、前記メインフレーム(5L,5R)を跨ぐようにして車幅方向外側に延出して、それぞれ前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)に至るように形成されることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造。
  3. 前記メインフレーム(5L,5R)の前部は、前記ヘッドパイプ(4)から左右に分岐して車幅方向外側に延びつつ後方に延びるように形成され、
    前記外側延出部(40L,40R)は、前記メインフレーム(5L,5R)の前部に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造。
  4. 前記外側延出部(40L’,40R’)は、左右の前記メインフレーム(5L,5R)の前部の間を連結する前側クロスフレーム(12’)の左右延長線上に、当該前側クロスフレーム(12’)と別体で、左右の前記メインフレーム(5L,5R)にそれぞれ設けられ、
    前記外側延出部(40L’,40R’)は、弾性部材(53)を介して前記タンク支持ステー(43L,43R)を支持することを特徴とする請求項3に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造。
  5. 前記外側延出部(40L,40R)は、左右の前記メインフレーム(5L,5R)の前部の間を連結するとともに、前記各メインフレーム(5L,5R)の前部を貫通する前側クロスフレーム(12)の左右両端部に設定され、
    前記外側延出部(40L,40R)は、弾性部材(53)を介して前記タンク支持ステー(43L,43R)を支持することを特徴とする請求項3に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造。
  6. 前記メインフレーム(5L,5R)は断面視縦長の形状に形成され、
    前記メインフレーム(5L,5R)の車幅方向内側面には、フレーム剛性を補強する補強部材(70)が付設されることを特徴とする請求項4に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造。
  7. 前記タンク支持ステー(43L,43R)は、前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)に締結部材によって締結されることで支持され、
    左右の前記タンク支持ステー(43L,43R)と前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)との間の少なくともいずれか一方に、電装品を支持する電装品ステー(60,60’)が、前記締結部材によって、前記タンク支持ステー(43L,43R)とともに、前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)に締結され、
    前記電装品ステー(60,60’)は、前記弾性部材(53)と前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)との間に直接的に挟まれるようにして、前記外側延出部(40L,40R)に締結されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造。
  8. 前記燃料タンク(25)の後方にシート(26)が配置され、
    前記燃料タンク(25)の後部を支持する後方支持部(42)が、前記シート(26)の下方に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造。
  9. 前記燃料タンク(25)の前部が、車体カバー(31L,31R)によって車幅方向外側から覆われ、該車体カバー(31L,31R)によって、前記外側延出部(40L,40R;40L’,40R’)及び前記タンク支持ステー(43L,43R)が覆われることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の自動二輪車の燃料タンク支持構造。
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