JP5908520B2 - 鞍乗り型車両のグラブレール構造 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、効率良くグラブレールの支持剛性を確保可能な鞍乗り型車両のグラブレール構造を提供することを目的としている。
また、上記構成において、前記クロスフレーム(53)は、前記シートフレーム(5)の端部よりも車体前位置に設けられるようにしても良い。この構成によれば、クロスフレームとシートレールの端部との間の隙間により、クロスフレームとシートレールの溶接をし易くし、且つ、溶接長の自由度を持たせることができる。
また、上記構成において、前記クロスフレーム(53)の端部は、前記シートフレーム(5)を貫通して前記シートフレーム(5)の車幅方向外側に露出していても良い。この構成によれば、シートレールの車幅方向内側と外側とにクロスフレームを溶接できる箇所を確保でき、溶接箇所の自由度を向上させることができる。
また、上記構成において、前記グラブレール支持ブラケット(61)は、前記前後延出部(62)から車体後方に向かって延出するグラブレール締結部(63)を備え、前記グラブレール締結部(63)は、前記前後延出部(62)よりも長い前後長を有し、前記シートフレーム(5)よりも後方に延出していても良い。この構成によれば、グラブレールの締結位置の自由度を確保できるとともに、グラブレールの位置の自由度が向上する。
この自動二輪車1の車体フレーム2は、前端を構成するヘッドパイプ3と、ヘッドパイプ3から後下がりに延出した後、湾曲して更に下方へ延出する一本のメインフレーム4と、メインフレーム4の湾曲部から後方へ延出する左右一対のシートレール5と、ヘッドパイプ3から車幅中央を下方に延出する一本のダウンフレーム6と、メインフレーム4の下部に取り付けられた左右一対のピボットプレート7と、ピボットプレート7から後上がりに延出し、シートレール5の車両前後方向略中央部に接続する左右一対のリアフレーム8とを備えている。
この三角形状の領域には、図2及び図3に示すように、エアクリーナ33、バッテリー37及びキャニスター38等が配置される。エアクリーナ33の上部には後方に向けて開口するダクト部33A(図2)が設けられ、このダクト部33Aを含むエアクリーナ33上半部が、左右両側を樹脂材料からなる左右一対のリアサイドカバー41(図3)で覆われる。
図4に示すように、メインフレーム4の後方にはキャニスター38が配置される。キャニスター38は、燃料タンク10からの蒸発燃料を貯留する部品であり、より具体的には、燃料タンク10からの蒸発燃料を吸着剤で吸着し、吸着した燃料を吸気系を構成するスロットルボディ32に供給する。このキャニスター38は円筒形状に形成され、長手方向(即ち、キャニスター38の軸線C1)をメインフレーム4の傾斜に沿う上下方向に指向させて配置される。これによって、キャニスター38をメインフレーム4に近接させて配置することができ、シートレール5、メインフレーム4及びリアフレーム8で囲まれる側面視で三角形状の領域を効率良く利用してキャニスター38を配置することができる。
左右一対のシートレール5は、車体前後方向に延出してシート12等を支持するシートフレームであり、金属製の円筒パイプで形成されている。左右のシートレール5は、車体中心線LC(図2)を基準にして左右対称に形成され、図5に示すように、シートレール5の後部は後輪WRの上方を後上がりに延び、その後端が後輪WRの最後端(図1及び図5中、符号RRを付して示している)よりも前側に位置する。
図6は左右一対のシートレール5を周辺構成と共に車体後方から見た図である。なお、図6では、説明の便宜上、テールランプユニット51やグラブレール71を外した状態を示している。図6に示すように、左右のシートレール5の間には、前後に間隔を空けて車幅方向に延びる複数のクロスフレーム52,53が設けられ、これらクロスフレーム52,53によってシートレール5が補強される。
図7は後側クロスフレーム53を周辺構成と共に示した斜視図である。図7に示すように、後側クロスフレーム53の背面には、テールランプ支持用の左右一対のステー53Aが溶接により接合され、後側クロスフレーム53の前面には、シートキャッチプレート53Bが溶接により接合される。左右一対のステー53Aには、ラバー部材54(図5)を介してテールランプユニット51が支持され、これによって、テールランプユニット51がラバーマウントされる。
グラブレール前部72は、側面視で、グラブレール支持ブラケット61との間に上下に隙間SAを空けて支持される。このため、同乗者がグラブレール前部72の裏側の隙間SAに指を入れることができ、グラブレール71を把持しやすい。しかも、グラブレール前部72は、側面視で、シート12よりも後方位置にて締結ボルト74によってグラブレール支持ブラケット61に固定されるので、シート12の左右領域に上記隙間SAが空き、これによっても同乗者がグラブレール71を把持しやすくなる。
図8は左側のグラブレール支持ブラケット61を周辺構成と共に左側から見た図である。図8に示すように、後側クロスフレーム53は、シートレール5の外径DA(シートフレーム幅に相当)よりも細い外径DBを有する一本の円筒パイプで形成され、左右のシートレール5には、後側クロスフレーム53が挿通される挿通孔5Hがそれぞれ形成される。
より具体的には、ブラケット後部63は、図7及び図8に示すように、ブラケット前部62から後上がりに延びるとともに車幅方向内側に向けて緩やかに屈曲し、その後端部に、上方に突出する筒部63Aを有する。この筒部63Aの上面に、グラブレール71の下面が当接し、この状態で締結ボルト74によってグラブレール71とブラケット後部63とが締結される。このブラケット後部63は、ブラケット前部62よりも長い前後長に形成され、前後に長いグラブレール71の前後略中心位置を支持する。上記筒部63Aの高さ調整によって上記隙間SA(グラブレール71とグラブレール支持ブラケット61との間の上下隙間)を容易に設定可能である。
ここで言う接触は、シートレール5に完全に接触する場合に限らず、微少な隙間を空けた状態も含む。これによって、左右の壁部62A,62Bによってシートレール5を両側から挟むように配置し、この状態で、左右の壁部62A,62Bの下縁を溶接することによって、各壁部62A,62Bをシートレール5及び後側クロスフレーム53に容易に接合できる。この場合の溶接によってできる溶接ビードを、図7及び図8に符号βを付して示す。
しかも、ブラケット前部62は、シートレール幅(シートフレーム幅)を規定する外径DAよりも長い前後長を有するので、長い溶接長を確保することができる。従って、シートレール5及び後側クロスフレーム53との接合剛性を高め、効率良くグラブレール支持ブラケット61の支持剛性を確保できる。これによっても、グラブレール71の支持剛性を効率良く確保可能になる。
しかも、本構成では、一般的な自動二輪車と比べてシートレール5が短く、テールランプユニット51が後輪WRの最後端RRよりも前側に位置する構成の下、ブラケット後部63がブラケット前部62よりも長い前後長を有し、シートレール5よりも後方に延出する構成としたので、シートレール5から後方に離れた位置にてグラブレール71を支持することができ、短いシートレール5に影響されることなく、グラブレール71の支持位置を設定できる。
例えば、上記実施形態では、図1に示す自動二輪車1に本発明を適用する場合を説明したが、これに限らず、公知の鞍乗り型車両のグラブレール構造に本発明を広く適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
2 車体フレーム
4 メインフレーム
5 シートレール(シートフレーム)
5H 挿通孔
53 後部クロスフレーム
61 グラブレール支持ブラケット
62 ブラケット前部(前後延出部)
62A,62B 壁部
62F 凹部
63 ブラケット後部(グラブレール締結部)
71 グラブレール
Claims (7)
- 一対のシートフレーム(5)間にクロスフレーム(53)を有する車体フレーム(2)を備え、前記車体フレーム(2)にグラブレール支持ブラケット(61)を介してグラブレール(71)を支持した鞍乗り型車両のグラブレール構造において、
前記クロスフレーム(53)は、前記シートフレーム(5)よりも細く形成されているとともに、前記シートフレーム(5)に設けた挿通孔(5H)を通って配設されており、
前記グラブレール支持ブラケット(61)は、前記シートフレーム(5)と前記クロスフレーム(53)とが配置される領域を前記シートフレーム(5)に沿って延出する前後延出部(62)を備え、前記前後延出部(62)は、前記シートフレーム(5)と前記クロスフレーム(53)とに溶接されていることを特徴とする鞍乗り型車両のグラブレール構造。 - 前記前後延出部(62)は、シートフレーム幅よりも長い前後長を有することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のグラブレール構造。
- 前記クロスフレーム(53)は、前記シートフレーム(5)の端部よりも車体前位置に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両のグラブレール構造。
- 前記クロスフレーム(53)の端部は、前記シートフレーム(5)を貫通して前記シートフレーム(5)の車幅方向外側に露出していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のグラブレール構造。
- 前記グラブレール支持ブラケット(61)は、車幅方向に離間する2つの壁部(62A,62B)を有する断面コ字状に形成されており、前記2つの壁部(62A,62B)は、前記シートフレーム(5)の車幅方向内側及び外側の外周面に接触しているとともに、前記シートフレーム(5)と前記クロスフレーム(53)との両方に溶接されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のグラブレール構造。
- 前記壁部(62A,62B)には、前記クロスフレーム(53)の外形に沿う凹部(62F)が設けられることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両のグラブレール構造。
- 前記グラブレール支持ブラケット(61)は、前記前後延出部(62)から車体後方に向かって延出するグラブレール締結部(63)を備え、前記グラブレール締結部(63)は、前記前後延出部(62)よりも長い前後長を有し、前記シートフレーム(5)よりも後方に延出していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のグラブレール構造。
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