JP6855276B2 - 鞍乗り型車両の車体フレーム構造 - Google Patents
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Description
即ち、本発明に係る鞍乗り型車両の車体フレーム構造は、ステアリングシャフト(5)を回動自在に支持するヘッド部(11)と、前記ヘッド部(11)から車体後方に延出する左右一対のメインフレーム(12L,12R)と、前記一対のメインフレーム(12L,12R)を通過する空気をエアクリーナ(19)に導く吸気ダクト(21)と、を備えた鞍乗り型車両において、前記吸気ダクト(21)が炭素繊維強化樹脂から成り、該吸気ダクト(21)が、前記ヘッド部(11)を車体前後方向に貫通した状態で当該ヘッド部(11)に一体に設けられ、前記吸気ダクト(21)は、炭素繊維強化樹脂の炭素繊維が車体前後方向に揃うように配向されることを特徴とする。
この場合、吸気ダクト(21)の炭素繊維強化樹脂に含まれる炭素繊維が車体前後方向に沿うように配向されているため、凹凸路走行時やブレーキ制動時等にステアリングシャフト(5)を通してヘッド部(11)に入力される車体前後方向の大きな入力荷重を、吸気ダクト(21)の炭素繊維によって効率良く受け止めることができる。また、吸気ダクト(21)の炭素繊維強化樹脂に含まれる炭素繊維が一方向にのみ配向される構造であるため、使用する炭素繊維量を少なくして製品コストを削減することができる。
この場合、ステアリングシャフト(5)を支持すためのヘッドパイプを、吸気ダクト(21)内を上下に横断して設ける必要がなくなるため、吸気ダクト(21)内の吸気のための開口面積をその分大きく確保することができる。
この場合、吸気ダクト(21)がエアクリーナ(19)から走行風取入口(17)近傍まで前方に向けて延出されているため、吸気側のダクトを複数部材で構成するときのような接続部位を無くすことができる。このため、吸気側のダクト内の凹凸を可及的に減らし、吸気の円滑化を図ることができる。また、吸気系の部品点数を削減し、製品コストを削減することができる。
本実施形態に係る鞍乗り型車両は、前輪Wfと後輪Wrを各一つずつ有し、エンジン2によって後輪Wrが駆動される自動二輪車である。以下、本実施形態の鞍乗り型車両については、「自動二輪車1」と呼ぶものとする。
なお、上記の部材のうち紙面前後で重なって隠れている部材(例えば、メインフレーム12R)は、図示都合上括弧書きで符号を付している。以下の説明では、紙面前後で重なって隠れている部材については同様に扱っている。
また、ボトムブリッジ10には、ヘッド部11の前方を覆うフロントカウル16が取り付けられている。フロントカウル16の前面の略中央には走行風取入口17が形成されている。走行風取入口17には、後述する吸気ダクト21の前端部が接続されている。
左右のメインフレーム12L,12Rの前部寄りの下縁には、後斜め下方に延出するハンガー部30が一体に設けられている。エンジン2の一部は、そのハンガー部30に支持されている。
また、排気管7は、シリンダ部2aの下方から車体後方側に引き回され、その後端部にマフラー6が接続されている。
なお、スイングアーム34の前縁部とシートフレーム14L,14Rの間にはクッションユニット38が介装されている。
車体フレームFは、図2,図3に示すように、ヘッド部11と左右のメインフレーム12L,12Rの前部領域の一部と、左右のメインフレーム12L,12Rの中間部領域と、左右のピボットプレート13L,13Rとメインフレーム12L,12Rの後部領域とが、それぞれアルミニウム合金等の金属材料によって鋳造されている。これらの金属ブロックの主要部は中空に形成されている。また、これらの金属ブロックは鋳造後に相互に溶接等によって接合されている。
なお、ヘッド部11を前方に貫通した吸気ダクト21の先端部は、フロントカウル16の走行風取入口17近傍まで延出している。即ち、吸気ダクト21は、エアクリーナ19からフロントカウル16の走行風取入口17近傍まで前方に向いて延出している。本実施形態の自動二輪車1では、走行風取入口17から吸気ダクト21を通して車体中央領域からエンジン2の吸気部に走行風Wを取り込むことができる。高速走行時には、走行風圧を加給圧として利用するラム圧加給が可能とされている。
よって、この車体フレーム構造を採用した場合には、ヘッド部11の剛性低下を抑制しつつ、ヘッド部11での吸気開口面積を充分に確保して、エンジン2の吸気効率を高めることができる。
さらに、本実施形態では、ヘッド部本体11Aに吸気ダクト21が挿通されているが、ヘッド部本体とヘッドパイプを鋳造し、吸気ダクトが挿通できるようにヘッドパイプを切除した構造としても良い。
また、本発明に係る鞍乗り型車両は、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)に限らず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の小型車両も含まれる。
5…ステアリングシャフト
11…ヘッド部
12L,12R…メインフレーム
16…フロントカウル
17…走行風取入口
19…エアクリーナ
21…吸気ダクト
23…軸受
24…挿通孔
Claims (3)
- ステアリングシャフト(5)を回動自在に支持するヘッド部(11)と、
前記ヘッド部(11)から車体後方に延出する左右一対のメインフレーム(12L,12R)と、
前記一対のメインフレーム(12L,12R)を通過する空気をエアクリーナ(19)に導く吸気ダクト(21)と、を備えた鞍乗り型車両において、
前記吸気ダクト(21)が炭素繊維強化樹脂から成り、該吸気ダクト(21)が、前記ヘッド部(11)を車体前後方向に貫通した状態で当該ヘッド部(11)に一体に設けられ、
前記吸気ダクト(21)は、炭素繊維強化樹脂の炭素繊維が車体前後方向に揃うように配向されることを特徴とする鞍乗り型車両の車体フレーム構造。 - 前記ヘッド部(11)には、前記ステアリングシャフト(5)が回動自在に支持される軸受(23)が設けられるとともに、前記吸気ダクト(21)に前記ステアリングシャフト(5)が挿通される挿通孔(24)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
- 前記吸気ダクト(21)は、前記エアクリーナ(19)から、車両前方を覆うフロントカウル(16)に形成される走行風取入口(17)近傍まで前方に向けて延出されることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム構造。
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