WO2011104748A1

WO2011104748A1 - 自動二輪車の後部構造

Info

Publication number: WO2011104748A1
Application number: PCT/JP2010/001214
Authority: WO
Inventors: 山倉裕; 廣瀬潤
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2010-02-23
Filing date: 2010-02-23
Publication date: 2011-09-01
Also published as: US20120320612A1; BR112012020868A2; ZA201207027B; BR112012020868B1; AU2010346914A1; ES2488617T3; AU2010346914B2; JP5307288B2; EP2540601A1; EP2540601A4; JPWO2011104748A1; EP2540601B1; US8499878B2

Abstract

　ホイールベースの違う複数の車種に対して、フェンダ本体部やフェンダ垂れ部の固定位置を変更することなく部品の共用化を図ることができると共に、外観形状を略同一にしつつ、後部構造の軽量化とコストの低減を図ることができる自動二輪車の後部構造を提供すること。　自動二輪車１の後部構造部１００は、車体フレーム５と、車体フレーム５の後部の下方に配置される後輪１７と、車体フレーム５の後部に固定され、後輪１７の上方に配置されるフェンダ本体部１１０と、フェンダ本体部１１０と別体に構成され、後輪１７の少なくとも一部を覆うフェンダ垂れ部１２０と、車体フレーム５の後端部（後端フレーム部５ａ）に固定され、該後端部から後方に向けて略水平に延びてフェンダ垂れ部１２０を支持する支持ステー１３０と、を備える。

Description

自動二輪車の後部構造

　本発明は、リアフェンダを備える自動二輪車の後部構造に関する。

　従来より、車体フレームの後部に固定され、後輪の上方に配置されるフェンダ本体部と、このフェンダ本体部と別体に構成され、後輪の一部を後方から覆うフェンダ垂れ部と、を備える自動二輪車の後部構造が知られている（例えば、特許文献１参照）。
　上記特許文献１に記載の自動二輪車の後部構造においては、フェンダ垂れ部は、フェンダ本体部と別体に構成され、車両後方に行くほど上方に傾斜する形状となっている。

特開２００２－２９４７５号公報

　ところで、近年、製造コストの低減等の観点から、ホイールベースの違う複数の車種に対して、フェンダ垂れ部等の後部の部品を共用化することが望まれている。
　しかし、上記特許文献１に記載の自動二輪車の後部構造においては、フェンダ垂れ部がフェンダ本体部と別体に構成されている。そのため、フェンダ垂れ部等の後部の部品を共用化する場合、フェンダ本体部とフェンダ垂れ部との固定位置をホイールベースに応じて変更する必要があった。このような固定位置の変更を行うと、無駄な構造変更を余儀なくされ、部品点数の増加等による後部構造の重量化とコストの増加を招いていた。

　また、上記特許文献１に記載の自動二輪車の後部構造においては、フェンダ本体部は、車両後方に行くほど上方に傾斜する形状となっている。そのため、ホイールベースに応じてフェンダ垂れ部の固定位置を前後方向に変更すると、フェンダ垂れ部の高さ方向の位置が大きく変化し、自動二輪車の外観形状が大きく変化してしまうという問題があった。

　本発明は、ホイールベースの違う複数の車種に対して、フェンダ本体部やフェンダ垂れ部の固定位置を変更することなく部品の共用化を図ることができると共に、外観形状を略同一にしつつ、後部構造の軽量化とコストの低減を図ることができる自動二輪車の後部構造を提供することを目的とする。

　請求項１に記載の発明は、車体フレームと、前記車体フレームの後部の下方に配置される後輪と、前記車体フレームの後部に固定され、前記後輪の上方に配置されるフェンダ本体部と、前記フェンダ本体部と別体に構成され、前記後輪の少なくとも一部を後方から覆うフェンダ垂れ部と、前記車体フレームの後端部に固定され、該後端部から後方に向けて略水平に延びて前記フェンダ垂れ部を支持する支持ステーと、を備えることを特徴とする。

　請求項２に記載の発明においては、請求項１に記載の構成に加えて、前記支持ステーの上方に設けられるテールライトと、前記フェンダ垂れ部の前部及び前記フェンダ本体部の後部に着脱自在に固定され、前記支持ステーを下方から覆うアンダーカバーと、を備えることを特徴とする。

　請求項３に記載の発明においては、請求項２に記載の構成に加えて、前記支持ステーは、その前部に車幅方向に離間して設けられ前記車体フレームに締結される一対の前締結部と、前記支持ステーにおける前後方向の略中間部に設けられ前記車体フレームに締結される中間締結部と、を有し、前記車体フレームは、前記一対の前締結部及び前記中間締結部により囲まれる領域に、メンテナンス用開口部を有することを特徴とする。

　請求項４に記載の発明においては、請求項２又は３に記載の構成に加えて、前記支持ステーは、前記テールライトを該支持ステーに取り付けるテールライト取付用ステー部を有することを特徴とする。

　請求項５に記載の発明においては、請求項４に記載の構成に加えて、前記フェンダ垂れ部に設けられる補助灯火器と、前記補助灯火器及び前記テールライトに電力を供給するハーネスと、を更に備え、前記支持ステーは、車幅方向に並列に配置され車両前後方向に延びる一対の棒状部材と、前記一対の棒状部材を連結する板状部材と、を有し、前記ハーネスの少なくとも一部は、前記一対の棒状部材の間に配置されることを特徴とする。

　請求項６に記載の発明においては、請求項５に記載の構成に加えて、前記フェンダ垂れ部の上面に当接するように前記テールライトと前記支持ステーとの間に配置され、前記テールライトの下部及び前記支持ステーの上部を覆うリアセンターカバーを備えることを特徴とする。

　請求項７に記載の発明においては、請求項６記載の構成に加えて、前記リアセンターカバーの車幅方向両端部に、前記テールライトの側面及び前記車体フレームの後部の側面を覆う一対のリアサイドカバーを備え、前記リアサイドカバーの後端部は、側面視で前記フェンダ垂れ部の上部に外側から重なるように配置されることを特徴とする。

　請求項１に記載の発明によれば、支持ステーによってフェンダ垂れ部の支持位置を変更することができる。そのため、ホイールベースの違う複数の車種に対して、フェンダ本体部やフェンダ垂れ部の固定位置を変更することなく、部品の共用化を図ることができる。
　また、フェンダ本体部に対してフェンダ垂れ部の固定位置の変更に対応するための複数の固定部位の形成が不要となるため、後部構造の軽量化とコストの低減を図ることができる。
　また、支持ステーは、車体フレームの後端部から後方に向けて略水平に延びてフェンダ垂れ部を支持する。そのため、ホイールベースの違う複数の車種に対して支持ステーの長さを変更しても、フェンダ垂れ部の高さ方向の位置は略同一となり、自動二輪車の外観形状を略同一にすることができる。

　請求項２に記載の発明によれば、フェンダ垂れ部の前後方向の位置が変更される場合であっても、アンダーカバーによって、支持ステーを下方から容易に覆うことができる。また、アンダーカバーを該部分から取り外すことによって、テールライトのバルブの交換等のメンテナンスを行うことができる。従って、部品点数を増加することなく、フェンダの構造を共用化することができる。

　請求項３に記載の発明によれば、支持ステーは、一対の前締結部と中間締結部との３箇所（３点）において締結される。そのため、支持ステーの締結強度を向上させることができる。また、車体フレームは、その後部にメンテナンス用開口部を有する。そのため、車両後部の軽量化によるマス（質量）の集中化を図ることができる。また、メンテナンス用開口部を利用して、テールライトのバルブの交換等のメンテナンスを行うことができる。

　請求項４に記載の発明によれば、支持ステーのテールライト取付用ステー部にテールライトを予め小組みすることができる。そのため、支持ステーを、フェンダ垂れ部を含むアッセンブリ状態で、組立工程におけるメインラインを流れる車体フレームに組み付けることができ、組み付け工程を簡素化することができる。従って、自動二輪車の生産性を向上させることができる。

　請求項５に記載の発明によれば、支持ステーに形成される空間（一対の棒状部材の間）を効率的に利用してハーネスを配置することができる。そのため、自動二輪車の後部構造のコンパクト化を図ることができると共に、支持ステー、フェンダ垂れ部及びアンダーカバーによってハーネスを保護することができる。また、補助灯火器も含めてアッセンブリ状態にできるため、生産性を更に向上させることができる。

　請求項６に記載の発明によれば、ハーネス及び支持ステーの外観上の露出を抑制することができる。そのため、ハーネス及び支持ステーを保護することができる。また、リアセンターカバーとフェンダ垂れ部の上面は、締結されておらず、当接するのみである。そのため、フェンダ垂れ部の取り付け位置を変更しても、余計な締結部を形成することなく、リア周りの一体感を創出することができる。

　請求項７に記載の発明によれば、リアサイドカバーの後端部は、側面視でフェンダ垂れ部の上部に外側から重なるように配置される。そのため、リアセンターカバーとフェンダ垂れ部の上面との当接位置に生じる隙間（クリアランス）を隠すことができる。従って、リアセンターカバーとフェンダ垂れ部とを締結しなくても、外観性を向上させることができ、部品点数の削減と軽量化を図ることができる。

本発明の実施形態の自動二輪車を示す右側面図である。本発明の実施形態の自動二輪車を示す右側面図である。自動二輪車の後部構造部を示す右側面図である。自動二輪車の後部構造部を示す後面図である。支持ステーにフェンダ垂れ部等を小組みした状態を示す斜視図である。フェンダ垂れ部の上側リブ部及び下側リブ部を示す前面図である。フェンダ垂れ部の上側リブ部における垂直断面を示す断面図である。車体フレームの後部に取り付けられた支持ステーを示す左側面図である。車体フレームの後部に取り付けられた支持ステーを示す平面図である。支持ステーを示す平面図である。支持ステーを示す後面図である。フェンダ垂れ部等を小組みした支持ステーを車体フレームに組み付けた状態を示す平面図である。図１２に示した後部構造部にリアセンターカバーを取り付けた状態を示す平面図である。図１３に示した後部構造部にテールライトを取り付けた状態を示す平面図である。図１４に示した後部構造部の右側面図である。図１５に示した後部構造部に第１リアカウル及び第２リアカウルを取り付けた状態を示す斜視図である。図１６に示した後部構造部にリアアッパセンタカウル及びグリップを取り付けた状態を示す平面図である。アンダーカバーを取り外した後部構造部を示す斜視図である。アンダーカバーを取り外した後部構造部を示す底面図である。アンダーカバーを取り付けた後部構造部を示す斜視図である。アンダーカバーを取り付けた後部構造部を示す底面図である。図１０に示す支持ステーよりも短く形成された支持ステーを示す平面図である。図１０に示す支持ステーを備えた後部構造部を示す右側面図である。図２２に示す支持ステーを備えた後部構造部を示す右側面図である。フェンダ垂れ部に対するライセンスプレートの他の取り付け例を示す右側面図である。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図１及び図２は、本発明の実施形態の自動二輪車を示す右側面図である。図１においては、一部のカバー部材を取り外した状態を示す。図２は、車体に全てのカバー部材を取り付けた状態を示す。なお、以下の説明における前後、左右及び上下の方向の記載は、特に明記がない限り、自動二輪車に乗車する乗員（運転者）から見た方向に従う。また、図中、矢印ＦＲは車両の前方を示し、矢印ＬＨは車両の左方を示し、矢印ＵＰは車両の上方を示す。

　先ず、図１を参照しながら、本実施形態の自動二輪車１の全体構成について説明する。図１に示すように、本実施形態の自動二輪車１は、車体フレーム５と、前輪２と、前輪２を軸支するフロントフォーク３と、フロントフォーク３に連結されたハンドル４と、車体フレーム５に懸架されたエンジン２０と、駆動輪である後輪１７と、車体フレーム５にリアクッション（図示せず）を介して上下に揺動自在に取り付けられ且つ後輪１７を軸支するスイングアーム６０と、スイングアーム６０を車体フレーム５に上下に揺動自在に連結するピボットプレート１１と、燃料タンク５１と、乗員乗車用のシート８５と、ヘッドライト１８と、燃料タンク５１の一部を覆うタンクカバー６２（燃料タンク５１の前部を覆うフロントタンクカバー６３、燃料タンク５１の車幅方向の側面の一部を覆うフロントタンクサイドカバー６４及びサイドカバー６５）と、ボディカバー９０と、フロントフェンダ９７と、車体フレーム５の後部に固定され、後輪１７の上方を後方から覆うリアフェンダ９８を含んで構成される後部構造部１００と、を主体として構成される。

　車体フレーム５は、複数種の鋼材が溶接等により一体的に結合されて構成される。図１に示すように、車体フレーム５は、ヘッドパイプ６と、メインフレーム７と、シートレール８と、ダウンチューブ９と、リアステー１０と、ピボットプレート１１と、複数のクロスメンバ（図示せず）と、を備える。

　ヘッドパイプ６は、車体フレーム５の前端部に配置され、前輪２を軸支する一対のフロントフォーク３を支持する。メインフレーム７は、左右に一対設けられている。一対のメインフレーム７は、側面視で、ヘッドパイプ６から斜め下後方に延びている。一対のメインフレーム７の下端部は、ピボットプレート１１に連結されている。

　シートレール８は、左右に一対設けられている。一対のシートレール８は、側面視で、一端側がメインフレーム７に連結されており、他端側が比較的急傾斜をなして斜め上後方に向かって延びている。シートレール８の後部の詳細については、後述する。

　ダウンチューブ９は、左右に一対設けられている。一対のダウンチューブ９は、側面視で、ヘッドパイプ６から斜め下後方に延びている。ダウンチューブ９の下部には、エンジン２０を支持するマウントプレート（図示せず）が固定されている。このマウントプレートからは、ボディカバー９０の一部を締結するカバー部材締結用ステー１４６が前方に延出している。

　リアステー１０は、左右に一対設けられている。一対のリアステー１０は、一端側が一対のピボットプレート１１の後端部に連結され、他端側が比較的急傾斜をなして斜め上後方に延びて一対のシートレール８の後部に連結されている。リアステー１０の後部の詳細については、後述する。

　クロスメンバ（図示せず）は、例えば、左右方向に延びるパイプ部材からなり、左右に一対のフレーム（メインフレーム７、ダウンチューブ９、シートレール８等）を左右方向に連結する。

　フロントフォーク３は、左右に一対設けられている。一対のフロントフォーク３の上端部は、ハンドル４の下端部に連結されている。一対のフロントフォーク３の上端部は、ヘッドパイプ６に回転自在に軸支されているステアリングステム（図示せず）と、このステアリングステムの上下端に固定されるブリッジ（図示せず）とにより支持される。一対のフロントフォーク３の下端部は、前輪２を回転自在に軸支する。

　ヘッドライト１８は、ヘッドパイプ６の前方かつフロントフェンダ９７の上方に配置され、車体の前方を照射する。ヘッドライト１８は、車体フレーム５に固定されるヘッドライト支持ステー（図示せず）に固定されている。

　エンジン２０は、自動二輪車１の原動機（例えば、４サイクル単気筒型水冷エンジン）であり、図１に示すように、車体フレーム５における前後方向の略中央部に搭載される。エンジン２０は、クランクシャフト（図示せず）を車体における左右方向に沿わせるように配置されている。エンジン２０には、排気ガスを排気する排気管２８が接続されている。排気管２８の後端部には、排気音を消音するマフラ３０が接続されている。

　燃料タンク５１は、エンジン２０に供給する燃料を貯留する。燃料タンク５１は、ヘッドパイプ６の後方かつシート８５の前方に配置され、車体フレーム５（メインフレーム７及びシートレール８）の上部に配置されている。
　乗員着座用のシート８５は、運転者が着座するメインシート８５ａと、後部同乗者が着座するピリオンシート８５ｂとからなる。乗員着座用のシート８５は、一対のシートレール８の上部に支持されている。

　次に、図１及び図２を参照しながら、ボディカバー９０について説明する。ボディカバー９０は、車体フレーム５を覆うものである。ボディカバー９０は、フロントセンタアッパカバー９１と、フロントアッパサイドカバー９５と、インナーカウル９２と、第１フロントサイドカウル９６と、第２フロントサイドカウル９９と、アンダーカウル９３と、リアカウル９４と、を備える。

　フロントセンタアッパカバー９１は、図１及び図２に示すように、ヘッドライト１８の上方かつヘッドパイプ６の前方に配置されると共に、フロントアッパサイドカバー９５（後述）に締結される。

　フロントアッパサイドカバー９５は、左右に一対設けられ、図１及び図２に示すように、ヘッドライト１８の側部に配置される。具体的には、フロントアッパサイドカバー９５は、側面視にて、ヘッドライト１８及び燃料タンク５１の間に配置されて、ヘッドパイプ６を側方から覆う。フロントアッパサイドカバー９５は、側面視で、前方から後方に向かって細くなる略三角形状に形成される。フロントアッパサイドカバー９５は、その前部がヘッドライト１８又はヘッドライト支持ステー（図示せず）に締結されると共に、その下端部が第１フロントサイドカウル９６に係止される。

　第１フロントサイドカウル９６は、左右に一対設けられ、図２に示すように、フロントアッパサイドカバー９５の下部に配置される。第１フロントサイドカウル９６は、車体フレーム５及びエンジン２０の側面を覆うように配置される。第１フロントサイドカウル９６は、側面視で、後方から前方に向かって細くなる略三角形状に形成され、かつ、後端部の一部が略三角形状に切り欠かれた形状となっている。

　第１フロントサイドカウル９６は、図２に示すように、その上部がフロントアッパサイドカバー９５の下部に係止されると共に、その下部がカバー部材締結用ステー１４６（図１参照）を介して車体フレーム５に締結される。第１フロントサイドカウル９６の後部は、第２フロントサイドカウル９９に締結される。
　また、第１フロントサイドカウル９６の上部における後端側の内面には、係止用突起（図示せず）が設けられている。第１フロントサイドカウル９６は、この係止用突起をフロントタンクサイドカバー６４（後述）の後部下端側に設けられた係止部６４ａ（図１参照）に、樹脂クリップ（図示せず）を介して挿入することで、フロントタンクサイドカバー６４に係止される。

　第２フロントサイドカウル９９は、左右に一対設けられ、図２に示すように、第１フロントサイドカウル９６の後方に連結され、車体フレーム５及びエンジン２０の側面を覆うように配置される。第２フロントサイドカウル９９は、側面視で略Ｌ字形状に形成される。第２フロントサイドカウル９９は、一端が第１フロントサイドカウル９６の上部における切り欠かれた下端縁に連結され、他端が第１フロントサイドカウル９６の下部に連結される。

　具体的には、第２フロントサイドカウル９９は、そのカウル整合面（図示せず）と、第１フロントサイドカウル９６のカウル整合面（図示せず）とを重合させ、この重合部分を締結部材（図示せず）によって締結することにより、第１フロントサイドカウル９６に連結される。第１フロントサイドカウル９６と一体となった第２フロントサイドカウル９９は、サイドカバー６５と共に、メインフレーム７の前後方向における略中央部に位置した締結部６５ａ（図１及び図２参照）において、共締め固定される。

　インナーカウル９２は、第１フロントサイドカウル９６の車幅方向内側に配置され、この第１フロントサイドカウル９６に固定される。インナーカウル９２の上部は、フロントアッパサイドカバー９５の下部に係止される。インナーカウル９２の下部は、カバー部材締結用ステー１４６（図１参照）に締結される。

　アンダーカウル９３は、エンジン２０の下方に位置する排気管２８を車体の両側から覆う。アンダーカウル９３は、側面視で、前方から後方に向かって広がる略三角形状に形成される。アンダーカウル９３の前方側の上部は、カバー部材締結用ステー１４６（図１参照）に締結される。アンダーカウル９３の後部は、車体フレーム５の後部に締結される。
　リアカウル９４の詳細については、後述する。

　フロントフェンダ９７は、フロントフォーク３に固定され、前輪２の上方を覆う。リアフェンダ９８は、シートレール８に固定され、後輪１７の上方を後方から覆う。リアフェンダ９８の詳細については、後述する。

　次に、本実施形態の特徴部分である自動二輪車１の後部構造としての後部構造部１００について、図３から図２１を参照しながら具体的に説明する。図３は、自動二輪車の後部構造部を示す右側面図である。図４は、自動二輪車の後部構造部を示す後面図である。図５は、支持ステーにフェンダ垂れ部等を小組みした状態を示す斜視図である。図６は、フェンダ垂れ部の上側リブ部及び下側リブ部を示す前面図である。図７は、フェンダ垂れ部の上側リブ部における垂直断面を示す断面図である。図８は、車体フレームの後部に取り付けられた支持ステーを示す左側面図である。図９は、車体フレームの後部に取り付けられた支持ステーを示す平面図である。図１０は、支持ステーを示す平面図である。図１１は、支持ステーを示す後面図である。

　図１２は、フェンダ垂れ部等を小組みした支持ステーを車体フレームに組み付けた状態を示す平面図である。図１３は、図１２に示した後部構造部にリアセンターカバーを取り付けた状態を示す平面図である。図１４は、図１３に示した後部構造部にテールライトを取り付けた状態を示す平面図である。

　図１５は、図１４に示した後部構造部の右側面図である。図１６は、図１５に示した後部構造部に第１リアカウル及び第２リアカウルを取り付けた状態を示す斜視図である。図１７は、図１６に示した後部構造部にリアアッパセンタカウル及びグリップを取り付けた状態を示す平面図である。

　図１８は、アンダーカバーを取り外した後部構造部を示す斜視図である。図１９は、アンダーカバーを取り外した後部構造部を示す底面図である。図２０は、アンダーカバーを取り付けた後部構造部を示す斜視図である。図２１は、アンダーカバーを取り付けた後部構造部を示す底面図である。

　本実施形態の自動二輪車１における後部構造としての後部構造部１００は、図３から図２１に示すように、車体フレーム５の後部に固定され、後輪１７の上方に配置されるフェンダ本体部１１０と、フェンダ垂れ部１２０と、支持ステー１３０と、支持ステー１３０の上方に設けられバルブ１５０ａを有するテールライト１５０と、テールライト１５０のバルブ１５０ａに電力を供給するハーネス１６７と、支持ステー１３０を下方から覆うアンダーカバー１５５と、フェンダ垂れ部１２０に設けられる補助灯火器１６０と、補助灯火器１６０に電力を供給するハーネス１６８と、リアセンターカバー１７０と、一対のリアサイドカバー１８０と、を備える。

　先ず、フェンダ本体部１１０について説明する。フェンダ本体部１１０は、図１５から図１９に示すように、上方が開放された有底の箱状に形成されている。
　詳細な図示を省略するが、フェンダ本体部１１０は、側面視で、車体の略中央部からマフラ３０の後端部の上方まで延びている。フェンダ本体部１１０は、車体フレーム５の後部に固定され、一対のシートレール８及び一対のリアステー１０間に配置される。フェンダ本体部１１０は、締結部１１１（図１８及び図１９参照）及びフェンダ本体部１１０の前部において車体フレーム５に固定されている。フェンダ本体部１１０の後部には、図１８及び図１９に示すように、車幅方向に一対の下穴１１０ａが開けられている。下穴１１０ａには、樹脂クリップ１５５ａ（図２０及び図２１参照）が差し込まれる。フェンダ本体部１１０の後端部付近における車体フレーム５には、乗員等が把持するグリップ１９０が設けられている。

　次に、フェンダ垂れ部１２０について主に図３から図５を参照しながら説明する。
　フェンダ垂れ部１２０は、図３に示すように、後輪１７の後部の上方を後方から覆う。フェンダ垂れ部１２０は、合成樹脂等により成形される。フェンダ垂れ部１２０は、フェンダ本体部１１０と別体に構成されている。

　フェンダ垂れ部１２０には、図３及び図４に示すように、補助灯火器１６０、ライセンスプレート１２１及び反射板１２４ａ，１２４ｂが設けられる。
　補助灯火器１６０は、左右一対のリアウィンカ１６１と、ライセンスライト１６３とから構成される。リアウィンカ１６１は、点滅可能に構成され、自動二輪車１の進路変更等を周囲に報知する。ライセンスライト１６３は、フェンダ垂れ部１２０の車幅方向中央部に配置され、ライセンスプレート１２１を照らす。
　このように構成される補助灯火器１６０は、車体に搭載されたバッテリ（図示せず）からハーネス１６８（図１２及び図１３参照）を介して電力を供給される。ハーネス１６８は、図１２に示すように、支持ステー１３０の外側とアンダーカバー１５５の内側との間に形成される隙間に配置される。

　フェンダ垂れ部１２０について更に詳しく説明する。図５に示すように、フェンダ垂れ部１２０は、上側垂れ部１２５と、この上側垂れ部１２５から下方かつ斜め後方に延びる下側垂れ部１２７と、を備える。
　上側垂れ部１２５は、図５及び図１２に示すように、平面視で略矩形状に形成されると共に、図５及び図１５に示すように、側面視で略三角形状に形成される。

　図４及び図５に示すように、一対のリアウィンカ１６１は、上側垂れ部１２５の車幅方向の側面に固定される。ライセンスライト１６３は、上側垂れ部１２５の後面の中央部に、ライセンスライト用スペーサ１６４（図５においては図示せず）を介して固定される。反射板１２４ａは、ライセンスライト１６３の下方に、反射板用スペーサ１６５（図５においては図示せず）を介して固定される。

　次に、下側垂れ部１２７の後面の構成について図４及び図５を参照しながら説明する。下側垂れ部１２７は、図４及び図５に示すように、後面視で略逆三角形状に形成される。図５に示すように、下側垂れ部１２７の上部には、後面視で左右一対の取付穴１２６が設けられる。下側垂れ部１２７の高さ方向の中央部には、取付穴１２６ａが設けられる。一対の取付穴１２６の間には、ねじ１４１を取り付ける取付穴（図示せず）が設けられる。

　取付穴１２６には、左右一対のステー上部取付ボルト１２２ａ（図４参照）が挿通される。取付穴１２６ａには、ステー下部取付ボルト１２２ｂ（図４参照）が挿通される。ステー上部取付ボルト１２２ａは、取付穴１２６の位置において、ナット（図示せず）と螺合することにより、ライセンスプレートステー１２２の上部を下側垂れ部１２７の上部に締結する。ステー下部取付ボルト１２２ｂは、取付穴１２６ａの位置において、ナット（図示せず）と螺合することにより、ライセンスプレートステー１２２の下部を下側垂れ部１２７の高さ方向の中央部に締結する。ねじ１４１は、フェンダ垂れ部１２０を支持ステー１３０の連結ステー部１３５（後述）に締結する。

　このように構成される下側垂れ部１２７の後面には、ライセンスプレートステー１２２を介して、ライセンスプレート１２１及び左右一対の反射板１２４ｂが固定される。ライセンスプレートステー１２２は、図４及び図１５に示すように、下側垂れ部１２７に対するライセンスプレート１２１の取付角度を調整する。具体的には、図１５に示すように、ライセンスプレートステー１２２の上部は、側面視で後方に大きく突出する。ライセンスプレートステー１２２の下部は、側面視で後方に小さく突出する。ライセンスプレート１２１の上部は、左右一対のライセンスプレート取付ボルト１２２ｃによってライセンスプレートステー１２２に取り付けられる。これにより、ライセンスプレート１２１は、鉛直面からやや前傾した姿勢でライセンスプレートステー１２２に支持される。

　図４に示すように、後面視で、ライセンスプレートステー１２２の中央の下部には、防振ラバー１２３が取り付けられる。防振ラバー１２３は、ライセンスプレート１２１の下部の裏面（前面）に当接するように配置される。防振ラバー１２３は、ライセンスプレート１２１の振動を抑制する。

　次に、下側垂れ部１２７の裏面（前面）の構成について図６、図７及び図１８を参照しながら説明する。図６、図７及び図１８に示すように、下側垂れ部１２７の裏面には、前方に突出する上側リブ部１２８及び一対の下側リブ部１２９を有する。
　上側リブ部１２８は、板状に形成され、下側垂れ部１２７の裏面の車幅方向中央部に配置される。一対の下側リブ部１２９は、車幅方向における断面が略Ｔ字状に形成され、上側リブ部１２８の下方に左右に離間して配置される。アンダーカバー１５５の後端部は、この上側リブ部１２８及び一対の下側リブ部１２９によって形成される隙間に差し込まれ、係止される。

　次に、支持ステー１３０について図５から図１３を参照しながら説明する。図８、図９及び図１２に示すように、支持ステー１３０は、車体フレーム５の後端部としての後端フレーム部５ａに固定される。支持ステー１３０は、後端フレーム部５ａから後方に向けて略水平に延びて、フェンダ垂れ部１２０を支持する。後端フレーム部５ａは、図９に示すように、平面視において、略台形状かつ環状に形成されている。後端フレーム部５ａは、例えば、鋼製の板材から形成される。

　支持ステー１３０は、図１０に示すように、車幅方向に並列に配置され、車両前後方向に延びる一対の棒状部材１３１と、一対の棒状部材１３１を連結する板状部材１３２と、テールライト１５０（図１４参照）を支持ステー１３０に取り付ける一対のテールライト取付用ステー部１３３と、フェンダ垂れ部１２０を支持する一対のフェンダ垂れ部用ステー部１３４と、一対のフェンダ垂れ部用ステー部１３４を連結する連結ステー部１３５と、を有する。

　図１０及び図１１に示すように、棒状部材１３１は、例えば、中空の鋼製パイプから形成されている。棒状部材１３１は、平面視で略く字状に曲げて形成されている。一対の棒状部材１３１は、平面視で、後方に向かって互いに近づくように傾斜した後、後方に向かって平行に延びている。この一対の棒状部材１３１の間には、テールライト１５０のバルブ１５０ａに電力を供給するハーネス１６７が配置され、空きスペースの有効利用を図っている。

　図１０及び図１１に示すように、板状部材１３２は、例えば、鋼製の帯板から形成されている。板状部材１３２は、棒状部材１３１の前後方向における略中央付近を溶接等により連結している。板状部材１３２は、中間締結用貫通穴１３２ａを有する。中間締結用貫通穴１３２ａには、中間締結用ボルト１３９（図９参照）が挿通される。中間締結用ボルト１３９には、ナット１３９ａ（図１８参照）が螺合する。中間締結用貫通穴１３２ａは、中間締結用ボルト１３９及びナット１３９ａと共に、中間締結部１３８（図９参照）を構成する。

　図１０及び図１１に示すように、テールライト取付用ステー部１３３は、例えば、鋼製の板材を略直角に折曲されてなり、棒状部材１３１の前端部に設けられている。テールライト取付用ステー部１３３は、係止穴１３３ａと、前締結用貫通穴１３３ｂと、を有する。

　係止穴１３３ａには、弾性部材１４９（図５参照）が装着される。この弾性部材１４９には、テールライト１５０の係止突起部１５１（図１４参照）が嵌め込まれる。これにより、テールライト１５０の前部が係止される。
　前締結用貫通穴１３３ｂには、前締結用ボルト１３６（図９参照）が挿通される。前締結用ボルト１３６は、ナット１３６ａ（図１８参照）と螺合する。前締結用貫通穴１３３ｂは、前締結用ボルト１３６及びナット１３６ａと共に、前締結部１３７（図９参照）を構成する。

　フェンダ垂れ部用ステー部１３４は、図８から図１１に示すように、棒状部材１３１の後端部から車幅方向外側に延びた後に下方に延び、更に車幅方向内側に延びた後に下方に延びて形成される。フェンダ垂れ部用ステー部１３４は、例えば、鋼板を折り曲げて形成される。

　フェンダ垂れ部用ステー部１３４には、図１８及び図１９に示すように、フェンダ垂れ部１２０が、ねじ１４１（後述）によって固定される。また、図１１に示すように、フェンダ垂れ部用ステー部１３４の車幅方向の側面には、リアウィンカ１６１が固定される。図１１においては、説明の便宜上、フェンダ垂れ部１２０の図示を省略している。リアウィンカ１６１は、ねじ部１６１ａによってフェンダ垂れ部用ステー部１３４に締結される。

　連結ステー部１３５は、図８から図１１に示すように、一対のフェンダ垂れ部用ステー部１３４の下端部を連結する。連結ステー部１３５は、例えば、鋼板等の薄板を略コ字状に折り曲げて形成されている。
　連結ステー部１３５は、図１０及び図１１に示すように、貫通穴１３５ａを有する。この貫通穴１３５ａには、ねじ１４１（図５及び図１８参照）が挿通される。ねじ１４１は、フェンダ垂れ部１２０（下側垂れ部１２７）を連結ステー部１３５に締結する。

　図１０において、支持ステー１３０の前締結用貫通穴１３３ｂの中心と貫通穴１３５ａの中心との距離をＫ１とする。

　また、図９に示すように、支持ステー１３０は、一対の前締結部１３７及び中間締結部１３８において、後端フレーム部５ａ（車体フレーム５）に締結される。一対の前締結部１３７は、支持ステー１３０の前部に車幅方向に離間して設けられる。中間締結部１３８は、支持ステー１３０における前後方向の略中間部に設けられる。

　車体フレーム５の後端フレーム部５ａは、図９に示すように、一対の前締結部１３７及び中間締結部１３８により囲まれる領域に、メンテナンス用開口部１４０を有する。このメンテナンス用開口部１４０は、テールライト１５０のバルブ１５０ａ（図１９参照）等に臨んで配置されている。

　テールライト１５０は、図１４から図１６に示すように、支持ステー１３０の上方に設けられる。テールライト１５０の前部には、係止突起部１５１，１５２が設けられる。係止突起部１５１は、テールライト取付用ステー部１３３の係止穴１３３ａに弾性部材１４９（図５参照）を介して嵌め込まれる。係止突起部１５２は、図１６に示すように、リアサイドカバー１８０の係止片部１８０ｂに係止される。係止片部１８０ｂは、リアサイドカバー１８０の内面に突設される。このように、テールライト１５０は、支持ステー１３０及びリアサイドカバー１８０に容易に係止することができる。

　次に、アンダーカバー１５５について説明する。図１２、図２０及び図２１に示すように、アンダーカバー１５５は、支持ステー１３０を下方から覆う。アンダーカバー１５５は、平面視で略台形状に形成され、かつ、車体後方に向かって次第に幅狭となっている。アンダーカバー１５５は、側面視で、その後端部が下方かつ斜め後方に延びている。

　アンダーカバー１５５は、図１２、図２０及び図２１に示すように、フェンダ垂れ部１２０の前端部及びフェンダ本体部１１０の後端部に着脱自在に固定される。具体的には、図２０及び図２１に示すように、アンダーカバー１５５の前部は、フェンダ本体部１１０の後部の下穴１１０ａに樹脂クリップ１５５ａを差し込むことによって、フェンダ本体部１１０の後部に固定される。アンダーカバー１５５の後部は、図２０及び図２１に示すように、支持ステー１３０のフェンダ垂れ部用ステー部１３４，１３４に差し込まれる。このようにして、アンダーカバー１５５は、フェンダ垂れ部１２０の前部及びフェンダ本体部１１０の後部に連結される。補助灯火器１６０のハーネス１６８は、図１２に示すように、支持ステー１３０の外側かつアンダーカバー１５５（後述）の内側に形成される隙間に配置される。

　次に、リアセンターカバー１７０について説明する。リアセンターカバー１７０は、図１５に示すように、フェンダ垂れ部１２０の上面に当接するように、テールライト１５０と支持ステー１３０との間に配置される。リアセンターカバー１７０は、テールライト１５０の下部及び支持ステー１３０の上部を覆う。
　リアセンターカバー１７０は、図１３及び図１４に示すように、車幅方向の両側に締結部１７１を有する。締結部１７１は、リアサイドカバー１８０（後述）の所定箇所に対して締結される。

　次に、リアサイドカバー１８０について説明する。リアサイドカバー１８０は、図３、図４及び図１６に示すように、外側リアサイドカバー１８１と共に、リアカウル９４の一部をなす。リアサイドカバー１８０は、リアセンターカバー１７０の車幅方向両端部に取り付けられ、テールライト１５０の側面及び車体フレーム５の後部の側面を覆う。
　リアサイドカバー１８０は、図１６に示すように、車幅方向両端部における上面に係止穴１８０ａを有する。リアサイドカバー１８０は、締結部１７１（図１３及び図１４参照）によってリアセンターカバー１７０と締結される。

　このように構成されたリアサイドカバー１８０は、図３及び図１６に示すように、側面視で、その後端部がフェンダ垂れ部１２０の上部に外側から重なるように配置される。また、一対のリアサイドカバー１８０の間には、図４及び図１７に示すように、リアアッパセンタカバー１８２（後述）が設けられる。

　次に、リアアッパセンタカバー１８２について説明する。リアアッパセンタカバー１８２は、図３及び図１７に示すように、テールライト１５０の上面を覆う。リアアッパセンタカバー１８２は、車幅方向の両端部における裏面側に係止爪（図示せず）を有する。この係止爪は、リアサイドカバー１８０の係止穴１８０ａ（図１６参照）に係止される。
　また、リアアッパセンタカバー１８２は、図１７に示すように、その前端部における締結部１８０ｃにおいて、リアサイドカバー１８０と締結される。これにより、リアアッパセンタカバー１８２は、リアサイドカバー１８０に固定される。

　次に、前後方向の長さが、図１０に示す支持ステー１３０よりも短い支持ステー１３０Ａを備えた後部構造部１００Ａについて、図２２から図２４を参照しながら説明する。図２２は、図１０に示す支持ステー１３０よりも短く形成された支持ステー１３０Ａを示す平面図である。図２３は、図１０に示す支持ステー１３０を備えた後部構造部１００を示す右側面図である。

　図２３は、例えば、ホイールベースの長い車種に対して、距離Ｋ１が大きい支持ステー１３０を適用した後部構造部１００を示している。図２４は、図２２に示す支持ステー１３０Ａを備えた後部構造部１００Ａを示す右側面図である。図２４は、例えば、ホイールベースの短い車種に対して、距離Ｋ２（後述）が小さい支持ステー１３０Ａを適用した後部構造部１００Ａを示している。

　図１０及び図２２に示すように、支持ステー１３０Ａは、支持ステー１３０に対して、主として前後方向の長さが異なり、その他の構成は略同様である。また、後部構造部１００Ａの構成は、後部構造部１００の構成と同様である。そのため、支持ステー１３０Ａ及び後部構造部１００Ａにおいて、支持ステー１３０及び後部構造部１００と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。

　図２２において、支持ステー１３０Ａの前締結用貫通穴１３３ｂの中心と貫通穴１３５ａの中心との距離をＫ２（＜Ｋ１）とする。また、図２３に示す後部構造部１００において、リアサイドカバー１８０の後端部からのフェンダ垂れ部１２０の突出距離をＬとする。更に、図２４に示す後部構造部１００Ａにおいて、リアサイドカバー１８０の後端部からのフェンダ垂れ部１２０の突出距離をＳとする。

　図２２に示す支持ステー１３０Ａにおける距離Ｋ２は、図１０に示す支持ステー１３０における距離Ｋ１よりも短くなっている。前述したように、支持ステー１３０Ａ及び支持ステー１３０は、車体フレーム５の後端フレーム部５ａに固定され、この後端フレーム部５ａから後方に向けて略水平に延びることによって、フェンダ垂れ部１２０を支持する。そのため、図２４に示す後部構造部１００Ａにおける突出距離Ｓは、図２３に示す後部構造部１００における突出距離Ｌよりも短くなる。

　また、図２３に示す後部構造部１００と図２４に示す後部構造部１００Ａにおいて、リアサイドカバー１８０に対するフェンダ垂れ部１２０の配置角度（後方かつ斜め下方に傾斜する角度）をそれぞれ比較すると、両者は略同一である。つまり、後部構造部１００及び後部構造部１００Ａの外観形状は、略同一であることが分かる。

　このように、長さの異なる支持ステー１３０，１３０Ａを、ホイールベースの違う複数の車種に対して使用することにより、フェンダ本体部１１０やフェンダ垂れ部１２０の固定位置を変更することなく部品の共用化を図ることができ、外観形状を略同一にすることができる。

　以上に説明した第１実施形態の自動二輪車１の後部構造部１００によれば、以下に示す各効果が奏される。
　本実施形態の自動二輪車１の後部構造部１００は、車体フレーム５と、車体フレーム５の後部の下方に配置される後輪１７と、車体フレーム５の後部に固定され、後輪１７の上方に配置されるフェンダ本体部１１０と、フェンダ本体部１１０と別体に構成され、後輪１７の少なくとも一部を後方から覆うフェンダ垂れ部１２０と、車体フレーム５の後端部に固定され、該後端部から後方に向けて略水平に延びてフェンダ垂れ部１２０を支持する支持ステー１３０と、を備える。

　そのため、支持ステー１３０によってフェンダ垂れ部１２０の支持位置を変更することができる。従って、ホイールベースの違う複数の車種に対して、フェンダ本体部１１０やフェンダ垂れ部１２０の固定位置を変更することなく、部品の共用化を図ることができる。また、フェンダ本体部１１０に対してフェンダ垂れ部１２０の固定位置の変更に対応するための複数の固定部位の形成が不要となるため、後部構造部１００の軽量化とコストの低減を図ることができる。

　また、支持ステー１３０は、車体フレーム５の後端部から後方に向けて略水平に延びてフェンダ垂れ部１２０を支持する。そのため、ホイールベースの違う複数の車種に対して支持ステー１３０の長さを変更しても、フェンダ垂れ部１２０の高さ方向の位置は略同一となり、自動二輪車１の外観形状を略同一にすることができる。

　また、本実施形態の自動二輪車１の後部構造部１００においては、支持ステー１３０の上方に設けられるテールライト１５０と、フェンダ垂れ部１２０の前部及びフェンダ本体部１１０の後部に着脱自在に固定され、支持ステー１３０を下方から覆うアンダーカバー１５５と、を備える。

　そのため、フェンダ垂れ部１２０の前後方向の位置が変更される場合であっても、アンダーカバー１５５によって、支持ステー１３０を下方から容易に覆うことができる。また、アンダーカバー１５５を該部分から取り外すことによって、テールライト１５０のバルブ１５０ａの交換等のメンテナンスを行うことができる。従って、部品点数を増加することなく、フェンダ垂れ部１２０等の構造を共用化することができる。

　また、本実施形態の自動二輪車１の後部構造部１００においては、支持ステー１３０は、その前部に車幅方向に離間して設けられ車体フレーム５に締結される一対の前締結部１３７と、支持ステー１３０における前後方向の略中間部に設けられ車体フレーム５に締結される中間締結部１３８と、を有する。車体フレーム５は、一対の前締結部１３７及び中間締結部１３８により囲まれる領域に、メンテナンス用開口部１４０を有する。

　そのため、支持ステー１３０は、一対の前締結部１３７と中間締結部１３８との３箇所（３点）において締結される。従って、支持ステー１３０の締結強度を向上させることができる。また、車体フレーム５は、その後部にメンテナンス用開口部１４０を有する。そのため、車両後部の軽量化によるマス（質量）の集中化を図ることができる。また、メンテナンス用開口部１４０を利用して、テールライト１５０のバルブ１５０ａの交換等のメンテナンスを行うことができる。

　また、本実施形態の自動二輪車１の後部構造部１００においては、支持ステー１３０は、テールライト１５０を支持ステー１３０に取り付けるテールライト取付用ステー部１３３を有する。

　そのため、支持ステー１３０のテールライト取付用ステー部１３３にテールライト１５０を予め小組みすることができる。これにより、支持ステー１３０を、フェンダ垂れ部１２０を含むアッセンブリ状態で、組立工程におけるメインラインを流れる車体フレーム５に組み付けることができる。従って、組み付け工程を簡素化することができ、自動二輪車１の生産性を向上させることができる。

　また、本実施形態の自動二輪車１の後部構造部１００においては、フェンダ垂れ部１２０に設けられる補助灯火器１６０と、補助灯火器１６０及びテールライト１５０に電力を供給するハーネス１６７，１６８と、を更に備える。支持ステー１３０は、車幅方向に並列に配置され車両前後方向に延びる一対の棒状部材１３１と、一対の棒状部材１３１を連結する板状部材１３２と、を有する。ハーネス１６７は、一対の棒状部材１３１の間に配置される。

　そのため、支持ステー１３０に形成される空間（一対の棒状部材１３１の間）を効率的に利用してハーネス１６７を配置することができる。従って、自動二輪車１の後部構造部１００のコンパクト化を図ることができると共に、支持ステー１３０、フェンダ垂れ部１２０及びアンダーカバー１５５によってハーネス１６７を保護することができる。また、補助灯火器１６０も含めてアッセンブリ状態にできるため、生産性を更に向上させることができる。

　また、本実施形態の自動二輪車１の後部構造部１００においては、フェンダ垂れ部１２０の上面に当接するようにテールライト１５０と支持ステー１３０との間に配置され、テールライト１５０の下部及び支持ステー１３０の上部を覆うリアセンターカバー１７０を備える。

　そのため、ハーネス１６７，１６８及び支持ステー１３０の外観上の露出を抑制することができる。従って、ハーネス１６７，１６８及び支持ステー１３０を保護することができる。また、リアセンターカバー１７０とフェンダ垂れ部１２０の上面は、締結されておらず、当接するのみである。そのため、フェンダ垂れ部１２０の取り付け位置を変更しても、余計な締結部を形成することなく、リア周りの一体感を創出することができる。

　また、本実施形態の自動二輪車１の後部構造部１００においては、リアセンターカバー１７０の車幅方向両端部に、テールライト１５０の側面及び車体フレーム５の後部の側面を覆う一対のリアサイドカバー１８０を備える。リアサイドカバー１８０の後端部は、側面視でフェンダ垂れ部１２０の上部に外側から重なるように配置される。

　そのため、リアセンターカバー１７０とフェンダ垂れ部１２０の上面との当接位置に生じる隙間（クリアランス）を隠すことができる。従って、リアセンターカバー１７０とフェンダ垂れ部１２０とを締結しなくても、外観性を向上させることができ、部品点数の削減と軽量化を図ることができる。

　以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
　前記実施形態においては、下側垂れ部１２７に対するライセンスプレート１２１の取付角度を調整するために、ライセンスプレート１２１は、ライセンスプレートステー１２２（図１５参照）を介して下側垂れ部１２７に固定されるものとして説明したが、これに制限されない。

　例えば、図２５に示すように、ライセンスプレート１２１は、ライセンスプレートステー１２２を介さずに、下側垂れ部１２７に直接固定されてもよい。ここで、図２５は、フェンダ垂れ部１２０に対するライセンスプレート１２１の他の取り付け例を示す右側面図である。この場合、下側垂れ部１２７の取付穴１２６ａ（図５参照）には、防振ラバー１２３ａが取り付けられる。ライセンスプレート１２１の上部は、下側垂れ部１２７の取付穴１２６（図５参照）において、ライセンスプレート取付ボルト１２２ｃ及びナット（図示せず）によって締結することにより、下側垂れ部１２７に固定される。

　そのため、ライセンスプレート１２１を、図１５に示したライセンスプレート１２１よりも前傾した状態で下側垂れ部１２７に固定することができる。また、防振ラバー１２３ａによってライセンスプレート１２１の振動を抑制することができる。

　また、前記実施形態においては、本発明を鞍乗型車両としてのいわゆるフルカウル型の自動二輪車に適用したが、これに制限されない。例えば、本発明を三輪の鞍乗型車両や四輪の不整地走行車両に適用してもよく、また、フルカウル型の自動二輪車以外の自動二輪車等に適用してもよい。つまり、鞍乗型車両とは、車体にまたがって乗車する車両全般を含む。

　１　自動二輪車
　５　車体フレーム
　１７　後輪
　１００，１００Ａ　後部構造部（後部構造）
　１１０　フェンダ本体部
　１２０　フェンダ垂れ部
　１３０，１３０Ａ　支持ステー
　１３１　棒状部材
　１３２　板状部材
　１３３　テールライト取付用ステー部
　１３７　前締結部
　１３８　中間締結部
　１４０　メンテナンス用開口部
　１５０　テールライト
　１５５　アンダーカバー
　１６０　補助灯火器
　１６７，１６８　ハーネス
　１７０　リアセンターカバー
　１８０　リアサイドカバー

Claims

　車体フレームと、
　前記車体フレームの後部の下方に配置される後輪と、
　前記車体フレームの後部に固定され、前記後輪の上方に配置されるフェンダ本体部と、
　前記フェンダ本体部と別体に構成され、前記後輪の少なくとも一部を後方から覆うフェンダ垂れ部と、
　前記車体フレームの後端部に固定され、該後端部から後方に向けて略水平に延びて前記フェンダ垂れ部を支持する支持ステーと、
　を備える自動二輪車の後部構造。
　前記支持ステーの上方に設けられるテールライトと、
　前記フェンダ垂れ部の前部及び前記フェンダ本体部の後部に着脱自在に固定され、前記支持ステーを下方から覆うアンダーカバーと、
　を備える請求項１に記載の自動二輪車の後部構造。
　前記支持ステーは、その前部に車幅方向に離間して設けられ前記車体フレームに締結される一対の前締結部と、前記支持ステーにおける前後方向の略中間部に設けられ前記車体フレームに締結される中間締結部と、を有し、
　前記車体フレームは、前記一対の前締結部及び前記中間締結部により囲まれる領域に、メンテナンス用開口部を有する請求項２に記載の自動二輪車の後部構造。
　前記支持ステーは、前記テールライトを該支持ステーに取り付けるテールライト取付用ステー部を有する請求項２又は３に記載の自動二輪車の後部構造。
　前記フェンダ垂れ部に設けられる補助灯火器と、
　前記補助灯火器及び前記テールライトに電力を供給するハーネスと、
　を更に備え、
　前記支持ステーは、車幅方向に並列に配置され車両前後方向に延びる一対の棒状部材と、前記一対の棒状部材を連結する板状部材と、を有し、
　前記ハーネスの少なくとも一部は、前記一対の棒状部材の間に配置される請求項４に記載の自動二輪車の後部構造。
　前記フェンダ垂れ部の上面に当接するように前記テールライトと前記支持ステーとの間に配置され、前記テールライトの下部及び前記支持ステーの上部を覆うリアセンターカバーを備える請求項５に記載の自動二輪車の後部構造。
　前記リアセンターカバーの車幅方向両端部に、前記テールライトの側面及び前記車体フレームの後部の側面を覆う一対のリアサイドカバーを備え、
　前記リアサイドカバーの後端部は、側面視で前記フェンダ垂れ部の上部に外側から重なるように配置される請求項６に記載の自動二輪車の後部構造。