JP2014036632A - コーヒー香味料、その製造法及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶解性が優れていると共に、飲食品へのコーヒー感を付与する効果や、ロブスタ種コーヒーに特有の不快なロブ臭を軽減する効果を有するコーヒー香味料を得ること。
【解決手段】下記の工程(a)〜(c)
(a)コーヒー豆を乾留し、ガスを発生させる工程、
(b)工程(a)で発生したガスの温度を下げ、その一部を液化させる工程、
(c)工程(b)で液化しなかった画分を温度の低い溶媒で回収する工程、
を含む方法で得られたコーヒー香味料およびその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶解性の優れたコーヒー香味料に関し、更に詳細には、飲食品への溶解性が優れていると共に、飲食品へのコーヒー感を付与する効果や、ロブスタ種コーヒーに特有の不快なロブ臭を軽減する効果を有するコーヒー香味料、その製造法及びその利用に関する。
コーヒー豆からコーヒー香味料を得る方法として、水蒸気蒸留法、圧搾法、超臨界流体抽出法、気液向流接触蒸留法等が知られている。また、食物原料を香気成分のみが発する温度に加熱し、キャリアガスと伴に香気溶解捕集液内に通過させて溶解捕集する方法(特許文献1参照)も知られている。しかし、これらの方法は、焙煎物から香気を回収する方法であり、これをコーヒーに適用しても焙煎過程にて発生した香気が十分に回収出来ず、得られた成分はコーヒー感に乏しいという問題があった。
また、密閉容器内にて、酸素含有ガスを通気しながらコーヒー豆を加熱し、発生するガスを冷却液化する方法(特許文献2参照)、コーヒー生豆を不活性ガス気流中で間接加熱により焙煎し、発生した香味成分を冷却捕集する方法(特許文献3参照)、豆類や穀類を減圧乾留する方法(特許文献4参照)などが知られている。しかし、これらの方法は、焙煎過程の香気を回収することは出来るが、溶解性が良くなく、コーヒー香味料として使用し難いという問題があった。
一方で、コーヒー飲料に使用される主な豆種には、アラビカ種とロブスタ種がある。このうち、アラビカ種は、病害虫などに弱いが、風味の良さから一般的には高品位なコーヒー豆として認識されている。これに対し、ロブスタ種は、病害虫に強く、低地でも栽培可能であるが、ロブ臭と表現される独特の土臭い不快風味を有するため、低品位なコーヒー豆とされている。
上記の理由から、ロブスタ種はアラビカ種と比較して低価格で取引されているが、前記不快な風味をなくすため、ロブ臭を抑える焙煎方法(特許文献5参照)等が開発されている。しかし、これらの方法ではロブ臭を十分に軽減出来ないという問題があった。
また、市販されている容器詰のコーヒーには、コーヒーフレーバーが使用されるものがある。一般的にこのコーヒーフレーバーは、特徴的な香気を増強、付与する目的や、殺菌中に生成する好ましくない香味をマスキングする目的で使用される(非特許文献1参照)。しかし、現在まで、ロブ臭に対してのマスキング効果の例は報告されていない。
特許第3217800号 特開平7−203898 特公平3−34896 特許第4154075号 特開2011−147401
周知・慣用技術集(香料)第II部 食品用香料 2000年 p447
本発明の課題は、溶解性が優れていると共に、飲食品へのコーヒー感を付与する効果や、ロブスタ種コーヒーに特有の不快なロブ臭を軽減する効果を有するコーヒー香味料を得ることである。
本発明者は、上記課題を解決するため、コーヒー焙煎物中から、優れた性質を有するコーヒー香味料を得るために鋭意研究を行っていたところ、コーヒー豆を乾留することにより発生するガスの温度を下げることにより、高沸点成分をトラップし、残った低沸点成分を温度の低い溶媒中に回収することで、溶解性が優れたコーヒー香気成分が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記の内容を要旨とするものである。
(1)下記の工程(a)〜(c)
(a)コーヒー豆を乾留し、ガスを発生させる工程、
(b)工程(a)で発生したガスの温度を下げ、その一部を液化させる工程、
(c)工程(b)で液化しなかった画分を温度の低い溶媒で回収する工程、
を含む方法によって製造されるコーヒー香味料。
(2)工程(b)におけるガスの温度が、40〜100℃である(1)記載のコーヒー香味料。
(3)工程(c)における溶媒の温度が、−20〜30℃である(1)または(2)記載のコーヒー香味料。
(4)前記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載のコーヒー香味料を添加したことを特徴とする香料組成物。
(5)前記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載のコーヒー香味料、もしくは前記(4)に記載の香料組成物を添加したことを特徴とする飲食品。
(6)下記の工程(a)〜(c)
(a)コーヒー豆を乾留し、ガスを発生させる工程、
(b)工程(a)で発生したガスの温度を下げ、その一部を液化させる工程、
(c)工程(b)で液化しなかった画分を温度の低い溶媒で回収する工程、
を含むコーヒー香味料の製造方法。
本発明により、焙煎過程で発生する香気中の高沸点成分が除去され、溶解性の優れたコーヒー香味料が得られる。このコーヒー香味料は、飲食品へコーヒー感を付与する効果、または不快なロブ臭を軽減する効果のいずれか一方、もしくは両方の効果を有する。
本発明方法に使用しうる乾留装置の一例を模式的に示した図面である。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明のコーヒー香味料は、以下の工程(a)〜(c)を含む方法により製造される。
(a)コーヒー豆を乾留し、ガスを発生させる工程、
(b)工程(a)で発生したガスの温度を下げ、その一部を液化させる工程、
(c)工程(b)で液化しなかった画分を温度の低い溶媒で回収する工程、
上記のうち、工程(a)は、コーヒー豆を乾留し、コーヒーの香味成分を含むガスを発生させる工程である。この乾留温度条件は、特に限定されるものではないが、通常は100℃以上であり、好ましくは140ないし260℃である。この乾留は、一般には空気が流入しない条件下で行うことが好ましく、また、処理されるコーヒーは、ゆっくりとした機械撹拌により撹拌されることが好ましい。
この工程(a)において原料として用いられるコーヒー豆としては、生豆であっても焙煎した豆であっても良いが、得られるコーヒー香味料の香りの力価や、質において優れているため、コーヒー生豆の利用が好ましい。また、現在コーヒー栽培種としては、主にアラビカ種とロブスタ種の2種が知られているが、何れを使用しても良く、それら産地にも特段の制約はなく、ブラジル、コロンビア、グァテマラ、ケニア、タンザニア、エチオピア、インドネシア、ベトナムなどで生産したものと利用でき、これら数種を組み合わせて利用しても良い。
なお、ロブスタ種には、前記したようにロブ臭の問題が存在するが、ロブスタ種単独を使用しても、アラビカ種ほどではないにしてもマスキング効果がある。そして、コーヒー香味料の原料として、アラビカ種を使用しても、またロブスタを使用しても、ブラックよりミルク有の生地に対するがマスキング効果が大きい。
次に工程(b)は、工程(a)にて発生したコーヒー香味成分を含むガスの温度を下げ、これに含まれる高沸点成分を液化、除去する工程である。この工程(b)の温度としては、発生したガスの一部の高沸点成分が液化し、コーヒー香味料の回収量が極端に減らない程度で、最終的なコーヒー香味料の溶解性が高く保たれるような温度である。このような温度は、コーヒー豆種類、産地等により、若干変化するが定めることができるが、一般には30〜100℃の範囲であり、好ましくは50〜80℃である。
最後の工程(c)は、工程(b)で液化しなかった画分(低沸点成分)を温度の低い溶媒(回収溶媒)にて回収する工程である。この工程(c)で用いられる回収溶媒としては、特に限定されるものではないが、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、水、エタノール、糖アルコール、食用油脂等が挙げられる。特に、水溶性の香味料を作りたい場合はエタノール、プロピレングリコール、エタノールーグリセリン混合液が好ましく、油溶性の香味料を作りたい場合は食用油脂やグリセリン脂肪酸エステルを用いることが好ましい。また、この回収溶媒は、必要により、その2種以上の混合物を用いても良い。
なお、使用する回収溶媒の温度は、溶媒の種類により異なるが、一般には−20〜30℃であり、好ましくは−5〜15℃の範囲である。また、この回収溶媒の量は、工程(a)で乾留処理されるコーヒー豆の量により定めることができるが、一般には、原料コーヒー豆100gに対し、10ないし50g程度が好ましい。
次に、本発明方法を実施するために使用しうる乾留装置の一例を挙げ、更に説明を続ける。
図1は、乾留装置の一例を模式的に示した図面である。図中、1は乾留容器、2は攪拌機、3はヒーター、4は温度計、5はウォーターバス、6はトラップ部、7は冷却槽、8は回収部をそれぞれ示す。
図1の乾留装置は、乾留容器1、トラップ部6および回収部8より構成されており、乾留容器1とトラップ部6、トラップ部6と回収部8は、それぞれガラス管等で連通されている。また、乾留容器1は、発生したガスの出口以外は密閉状態であり、更に、攪拌機2および温度計4が取り付けられている。この乾留容器1下部は、ヒーター3で覆われ、乾留のために加熱できるようになっている。前記攪拌機2は、トルクの大きなモーターであり、そのシャフトを介した先端には、プロペラが取り付けられている。また、温度計4は、乾留原料試と接しない容器内空間に設置され、空間温度を測定し、温度を維持する。
一方、乾留容器1とガラス管等で連通されているトラップ部6は、ウォーターバス5中に入れられており、トラップ部6の温度を前記工程(b)の好ましい温度範囲に維持し、高沸点成分をここで液化させる。このため、乾留容器1から連通するガラス管により送り込まれる乾留ガスは、トラップ部6の中央ないし下部において放出される。そして、このトラップ部6で液化しなかった画分(低沸点画分)は、トラップ管上部から、連通したガラス管を通じ、回収部8に送り込まれる。
この回収部8は、冷却槽7に入れられており、予め、回収溶媒が充填されている。そして、低沸点画分は、ガラス管を通じて回収溶媒中に吹き込まれるので、コーヒー香味料となる成分が回収溶媒中に回収される。なお、上記冷却槽7は、回収溶媒を所望の温度に維持するよう管理されている。
以上のようにして得られるコーヒー香味料には、以下のような特徴を有する。すなわち、工程(b)を行わない場合、得られるコーヒー香味料(従来品)は、コーヒー様の香味を有するが、同時に焦げ様の不快臭も強いが、工程(b)を行う本発明のコーヒー香味料(本発明品)は、コーヒー様の甘く香ばしい香味であり、焦げ臭は認められない。また、従来品は多量の沈殿を含む状態で得られ、例えば、2倍量のエタノールを加えても溶解しないが、本発明品は、回収溶媒中において完全に溶解した状態で得られる。
更に、従来品では、濾紙での濾過により不溶物を除去してもすぐに新しい沈殿が発生するが、本発明品は、常温でも冷蔵でも沈殿は生じない。更にまた、従来品は、常温に6時間置くと外観色が黄褐色から黒に変色し、香味も著しく劣化するが、本発明品では常温で2週間以上置いても黄色の外観にあまり変化はない。
以上説明した本発明コーヒー香味料は、上記した性質を有するため、コーヒー抽出液、粉末コーヒー、インスタントコーヒーやコーヒー飲料等のコーヒー製品に配合することによりコーヒー本来の香味が強化されると共に味覚を向上させることができる。この場合、コーヒー製品に対する配合量は特に制限はないが、それぞれの製品で要求される香味の程度や、その水分含量を考慮して決めるとよい。
また、本発明のコーヒー香味料は、広範囲の食品もしくは嗜好品に対し、添加・配合できる。このような食品や嗜好品の例としては、パン類、焼菓子類、洋菓子類、米菓、スナック菓子、チョコレート、チューインガム、ジャム、キャンデー、乳飲料、清涼飲料水、アイスクリーム、ココア等を挙げることができる。
この場合のコーヒー香味料の添加量は、食品ないし嗜好品中、0.0001〜10%、好ましくは、0.001〜1%であり、これにより食品、嗜好品本来の香気、風味あるいは香味の増強、補強や、それの中の不快な香気、風味あるいは香味の抑制等を行うことができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
コーヒー香味料の調製:
図1に示す乾留装置を用い、本発明のコーヒー香味料を調製した。まず、コーヒー生豆(コロンビア・スプレモ)100gを、500ml容のセパラブルフラスコ(乾留容器)に入れ、この容器を170℃まで昇音し、この温度にて攪拌機により撹拌しながら乾留し、ガスを発生させた。
一方、100ml容のトラップ容器(トラップ部)の内部温度をウォーターバスで60℃に維持し、乾留容器で発生した乾留ガスをその中央部分に導入した。このトラップ容器で液化しない乾留ガスは、トラップ容器上部から、冷95%エタノール20gを充填し、冷却槽により4℃に維持した100ml容の回収容器(回収部)に導出し、冷エタノール中でバブリングさせた。
セパラブルフラスコ内の温度が下がり、ガスが発生しなくなるまでのすべての流出ガスを回収し、コーヒー香味料のエタノール溶液を得た。
実 施 例 2
コーヒー香味評価(1):
実施例1にて得られたコーヒー香味料について、以下のようにその香味を評価した。まず、表1の配合の焙煎したコーヒー豆48gを、12倍量の熱水576gでドリップし、コーヒー抽出液(Bx.2.2)を480g得た。この抽出液に重曹0.8gを加え、水にて全量を1000gに調整し、ブラックコーヒー生地を調整した。このブラックコーヒー生地に、実施例1にて得られたコーヒー香味料を、0.02%の割合で添加し、121℃10分間レトルト殺菌して缶コーヒーを作製した。
この缶コーヒーを常温にて1週間保存した後、習熟した6名のパネルにより、コーヒー感についての官能評価を行った。コントロールとしては、コーヒー香味料の無添加品を用い、評価は、下記評価基準により、「コーヒー感」の強さについて評価した。パネルの評価結果を表2に示した。
(配合1)
Figure 2014036632
(評価基準1)
コントロールと比べて非常に強い :5点
コントロールと比べてやや強い :4点
コントロールと同等 :3点
コントロールと比べてやや弱い :2点
コントロールと比べて非常に弱い :1点
Figure 2014036632
表2の結果より、本発明品はコントロールと比べて明らかに高いレベルでコーヒー感が付与されていることが示された。
実 施 例 3
コーヒー香味評価(2):
実施例1にて得られたコーヒー香味料について、以下のようにその香味を評価した。まず、表3の配合の焙煎したコーヒー豆40gを、12倍量の熱水480gでドリップし、コーヒー抽出液(Bx.2.5)を410g得た。この抽出液に牛乳100g、砂糖55g、脱脂粉乳8.8g、重曹0.8g、カゼインナトリウム0.5g、乳化剤0.5gを加え、水にて全量を1000gに調整し、ミルクコーヒー生地を調整した。このミルクコーヒー生地に、実施例1にて得られたコーヒー香味料を、0.02%の割合で添加し、121℃30分間レトルト殺菌して缶コーヒーを作製した。
この缶コーヒーを常温にて1週間保存した後、習熟した6名のパネルにより、コーヒー感についての官能評価を行った。コントロールとしては、コーヒー香味料の無添加品を用い、評価は、下記評価基準により、「ロブ臭」が抑えられた程度について評価した。パネルの評価結果を表4に示した。
(処方2)
Figure 2014036632
(評価基準2)
コントロールと比べて明らかに抑えられている :5点
コントロールと比べてやや抑えられている :4点
コントロールと同等 :3点
コントロールと比べてやや増強されている :2点
コントロールと比べて明らかに増強されている :1点
Figure 2014036632
表4の結果より、本発明品はコントロールと比べて明らかにロブ臭が抑えられ、ロブ臭に対してマスキング効果が高いことが示された。
実 施 例 4
コーヒー香味料の調製における乾留温度の影響:
乾留温度を170℃から、180℃、190℃および200℃に代える以外は、実施例1と同様にしてコーヒー香味料を調製した。何れの温度による乾留であってもコーヒー香味料が得られ、温度が高いほど回収量が増えるが、180℃を超えると焦げ臭が強くなる傾向があった。従って、用途や目的を考慮し、香味のバランスを取るよう、乾留温度を決定することが必要になる。
実 施 例 5
コーヒー香味料の調製におけるトラップ部温度の影響:
トラップ部の温度を60℃から、40℃、80℃および90℃に代える以外は、実施例1と同様にしてコーヒー香味料を調製した。トラップ部温度を何れにしてもコーヒー香味料が得られ、温度を挙げるほど呈味感が増えるが、80℃を超えると焦げ臭が強くなる傾向があり、また、回収溶媒への溶解性が低下する。従って、用途や目的を考慮し、香気と溶解性のバランスを考えて、トラップ温度を決定することが必要になる。一般には、50〜80℃が好ましいトラップ温度と判断できる。
実 施 例 6
コーヒー香味料の調製における回収部温度の影響:
回収部の温度を4℃から、30℃、15℃、−10℃および−18℃に代える以外は、実施例1と同様にしてコーヒー香味料を調製した。回収部温度を何れにしてもコーヒー香味料が得られるが、30℃を超えると劣化臭が発生することがある。回収部温度が低いほど香気力価が強いが、あまり温度を低下させることはコスト面から問題である。従って、用途や目的を考慮し、回収部温度を決定することが必要になるが、一般には、−5〜15℃の範囲が好ましい回収部温度と判断できる。
実 施 例 7
コーヒー香味料の調製における回収溶媒の影響:
回収溶媒を95%エタノールから、グリセリン、プロピレングリコール(PG)単独、あるいはこれらと水の混液に代える以外は、実施例1と同様にしてコーヒー香味料を調製した。また、グリセリン−エタノール混液を用い、同様にコーヒー香味料を調製した。回収溶媒を何れにしてもコーヒー香味料が得られるが、水の含量が増えると溶解性が低下する傾向がある。従って、回収溶媒としては、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等を単独で用いるか、これらを少ない量の水との混液で使用することが望ましく。また、グリセリン−エタノール混液も好ましい。
本発明のコーヒー香味料は、溶解性が優れたものであり、更に、飲食品へのコーヒー感を付与する効果が優れ、また、ロブスタ種コーヒーに特有の不快なロブ臭を軽減する効果にも優れたものである。
従って、本発明のコーヒー香味料は、コーヒー抽出液、粉末コーヒー、インスタントコーヒーやコーヒー飲料等のコーヒー製品に対し、コーヒー本来の香味を付与したり、その味覚を向上させたりすることができる。また、それに留まらず、広範囲の食品もしくは嗜好品、例えば、パン類、焼菓子類、洋菓子類、米菓、スナック菓子、チョコレート、チューインガム、ジャム、キャンデー、乳飲料、清涼飲料水、アイスクリーム、ココア等に添加・配合でき、これら食品、嗜好品にコーヒー風味や、コーヒーの味覚を付与できるものである。
1 … … 乾留容器
2 … … 攪拌機
3 … … ヒーター
4 … … 温度計
5 … … ウォーターバス
6 … … トラップ部
7 … … 冷却槽
8 … … 回収部

Claims (6)

  1. 下記の工程(a)〜(c)
    (a)コーヒー豆を乾留し、ガスを発生させる工程、
    (b)工程(a)で発生したガスの温度を下げ、その一部を液化させる工程、
    (c)工程(b)で液化しなかった画分を温度の低い溶媒で回収する工程、
    を含む方法によって製造されるコーヒー香味料。
  2. 工程(b)におけるガスの温度が、40〜100℃である請求項1記載のコーヒー香味料。
  3. 工程(c)における溶媒の温度が、−20〜30℃である請求項1または請求項2記載のコーヒー香味料。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコーヒー香味料を添加したことを特徴とする香料組成物。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコーヒー香味料または請求項4に記載の香料組成物を添加したことを特徴とする飲食品。
  6. 下記の工程(a)〜(c)
    (a)コーヒー豆を乾留し、ガスを発生させる工程、
    (b)工程(a)で発生したガスの温度を下げ、その一部を液化させる工程、
    (c)工程(b)で液化しなかった画分を温度の低い溶媒で回収する工程、
    を含むコーヒー香味料の製造方法。

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