JP2014029519A - マスクブランク収納ケース及びマスクブランク収納体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上方が開口したケース本体と、該ケース本体に被せる蓋体とを備えて、ケース本体及び蓋体のそれぞれに嵌合部を有して嵌め合わされ、マスクブランクを縦方向に収納するケースである。収納されたマスクブランクの上方角部を保持する保持手段を蓋体の内側に設ける。該保持手段は、収納されたマスクブランク1の上方端面における側壁面と面取面の稜線にて当接する第1の当接部12と、上方端面と隣接する側方端面における側壁面に当接する第2の当接部13を備えている。
【選択図】図9
Description
この収納ケースは、マスクブランク1を中ケース2に収納し、この中ケース2をケース本体3に収納し、このケース本体3の開口部側に蓋4を被せる構造である。
上記保持部材5は、図14に示すように、断面円形で直線状に延在した軸51と、その軸51の側面から断面において直交する方向に引き出した複数対の連結部52,53と、その連結部52,53の先端に断面略円形状に形成した複数対の当接部54,55とを備えている。複数対の連結部52,53と当接部54,55は、収納する複数枚のマスクブランクを適当な間隔で離間するように所定間隔で配列されている。そして、当接部54,55には、内側に凹状に窪ませた当接面56,57をそれぞれ互いに直交する方向に形成している。このような保持部材5を2本用意して、蓋体6の内側の一方の内側面に互いに対向させて取り付けられる。
(構成1)
上方が開口したケース本体と、該ケース本体に被せる蓋体とを備えて、前記ケース本体及び前記蓋体のそれぞれに嵌合部を有して嵌め合わされ、マスクブランクを縦方向に収納し、収納されたマスクブランクの上方角部を保持する保持手段を前記蓋体の内側に設けてなるマスクブランク収納ケースであって、前記マスクブランクは、対向する2つの主表面と、この2つの主表面間に介在する端面において、前記主表面と直交する方向の側壁面と、該側壁面と前記主表面との間に介在する面取面とを有しており、前記保持手段は、収納された前記マスクブランクの上方端面における前記側壁面と前記面取面の稜線にて当接する第1の当接部を備えていることを特徴とするマスクブランク収納ケースである。
前記保持手段は、さらに、前記マスクブランクの上方端面と隣接する側方端面における前記側壁面に当接する第2の当接部を備えていることを特徴とする構成1に記載のマスクブランク収納ケースである。
構成2にあるように、前記保持手段は、さらに、マスクブランクの上方端面と隣接する側方端面における側壁面に当接する第2の当接部を備えていることにより、前記第1の当接部によって保持されるマスクブランクの上方端面と隣接する側方端面における側壁面をも保持することができる。
前記第1の当接部及び前記第2の当接部はいずれも、直線状に延在した軸に沿って所定間隔で配列され、前記軸には前記第1の当接部及び第2の当接部に対応して複数の切欠きを設けていることを特徴とする構成2に記載のマスクブランク収納ケースである。
構成3にあるように、前記保持手段は、第1の当接部及び第2の当接部がいずれも直線状に延在した軸に沿って所定間隔で配列され、前記軸には前記第1の当接部及び前記第2の当接部に対応して複数の切欠きを設けていることにより、第1の当接部及び第2の当接部の各々の(一つ一つの)軸回りの動きの自由度を上げられるので、収納ケース内に収納された複数枚のマスクブランクのそれぞれをしっかりと保持することができる。
前記第1の当接部及び前記第2の当接部は、前記軸に対して断面視で互いが鋭角となる方向に配列されていることを特徴とする構成2又は3に記載のマスクブランク収納ケースである。
構成4にあるように、前記保持手段は、第1の当接部及び第2の当接部が、前記軸に対して断面視で互いが鋭角となる方向に配列されていることにより、ケース本体のマスクブランクを収納して、該ケース本体に蓋体を被せるときに、マスクブランクの上方端面を保持する第1の当接部は最初にその先端部がマスクブランクと接触し、続いてその他の部分がマスクブランクと接触するので、マスクブランクに対する保持力を向上でき、接触時の発塵も抑えられる。
前記保持手段は、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンから選択される樹脂材料からなることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク収納ケースである。
構成5にあるように、前記保持手段は、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンから選択される樹脂材料とすることが好ましい。上記構成1乃至4の何れかの構造を有する保持手段のうち、第1の当接部がマスクブランクの上方端面における側壁面と面取面の稜線で、さらには第2の当接部がマスクブランクの側壁面で接触し所定の圧力がかかった状態でマスクブランクを保持しても、上記に列記した樹脂材料は、所望の硬度と摺動性を兼ね備えているので、マスクブランクと保持手段との擦れによるパーティクルの発生を著しく抑制することができる。
前記保持手段は、ポリブチレンテレフタレートからなることを特徴とする構成5記載のマスクブランク収納ケースである。
構成6にあるように、上記保持手段は、ポリブチレンテレフタレートであるので、マスクブランクの上方端面及び側方端面への上記保持手段の摺動性が良好となるので、パーティクルの発生を著しく抑制することが可能であるとともに、化学成分ガスの放出が少なく、特に化学成分の影響を受けやすい化学増幅型レジスト膜を有するマスクブランクの保持手段として好適である。また、ポリブチレンテレフタレートは、成型しやすい樹脂材料であるので、上記構成1乃至4の何れかの構成を有する複雑な構造の保持手段を成型する場合に好適である。
表面に転写パターン形成用の薄膜を有するマスクブランクを収納することを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載のマスクブランク収納ケースである。
薄膜付きマスクブランクを収納する場合でも、本発明の収納ケースによれば、薄膜に上記保持手段が直接接触することがない。従って、収納ケースの上記保持手段とマスクブランク端面との接触によるパーティクルの発生を抑制することができ、その結果、マスクブランクの主表面へのパーティクル付着を抑制することができる。
転写パターン形成用薄膜の表面にレジスト膜を有するマスクブランクを収納することを特徴とする構成7に記載のマスクブランク収納ケースである。
構成8のようなレジスト膜を有するマスクブランクは、保管中のパーティクル付着を抑制し、できるだけ高い清浄度に維持する必要があるため、本発明の収納ケースは好適である。
構成1乃至8のいずれかに記載のマスクブランク収納ケースにマスクブランクが収納されたことを特徴とするマスクブランク収納体である。
構成9にあるように、上記マスクブランク収納ケースにマスクブランクが収納されたマスクブランク収納体によれば、収納時及び収納保管中における収納ケースの上記保持手段とマスクブランク端面との接触によるパーティクルの発生を著しく抑制することができ、その結果マスクブランクの主表面へのパーティクル付着を抑制することができる。
(構成10)
前記マスクブランクは、前記基板における前記側壁面と前記面取面の稜線の曲率半径が50μm以上であることを特徴とする構成9記載のマスクブランク収納体である。
構成10にあるように、上記マスクブランクは、上記基板における上記側壁面と上記面取面の稜線の曲率半径が50μm以上としているので、マスクブランクの稜線による上記保持手段の上記第1の当接部、第2の当接部へのダメージを抑えることができるので、上記保持手段欠落によるパーティクル発生を抑制することができる。
図1および図2は、本発明に係る収納ケースの一実施の形態を示すものであり、図1は、本発明に係る収納ケースのケース本体と蓋体の正面図であり、図2の(a)は、本発明に係る収納ケースの蓋体をケース本体に被せた状態の正面図、同図(b)はその側面図である。
なお、ケース本体7に蓋体6を被せた状態でケース本体7と蓋体6とを固定する方法としては、以上説明した方法に限定される必要はない。
具体的には、このような保持部材10を2本用意して、蓋体6の内側の一方の内側面に互いに対向させて取り付けられる。
図4は、本発明に係る収納ケースに用いる保持部材の一方向から見た正面図であり、図5は、上記保持部材の他方向から見た正面図である。また、図6は、上記保持部材における第1の当接部の拡大図であり、図6(a)は基板と当接する面側から見た正面図、図6(b)は図6(a)におけるB−B線断面図でアタッチメント121の断面図である。図7は、上記保持部材の側面断面図(図4におけるA−A線断面図)である。また、図8は、第1の当接部とマスクブランク端面とが接触した状態を示す図、図9は、上記保持部材とマスクブランク端面とが接触した状態を示す図である。さらに、図10は、上記保持部材の第2の当接部を示す正面図である。
そして、上記第1の当接部12及び上記第2の当接部13はそれぞれ同じ方向に向けて配列されており、また各第1の当接部12のアタッチメント121と各第2の当接部13のアタッチメント131は、基板1と当接する当接面側が互いに向い合う位置に配列されている。そして、互いに向かい合った1組の第1の当接部12と第2の当接部13が、基板1のコーナー部分を保持する。
軸11は、上記第1の当接部12のそれぞれの両側に切欠き14を、上記第2の当接部13の両側に切欠き15をそれぞれ設けている。これらの切欠きの大きさは適宜設定することができる。上記第1の当接部12及び上記第2の当接部13に対応した複数の切欠き14,15を設けているので、後述する第1の当接部12及び第2の当接部13の各々の(一つ一つの)軸回りの動きの自由度が向上する。ゆえに、収納ケース内に収納された複数枚のマスクブランクの1枚1枚をしっかりと保持することができる。
さらに、切欠き14,15が形成されていると、第1の当接部12,第2の当接部13は、弾性変形しやすくなる。このため、マスクブランクを保持部材10に保持させるときに保持部材10に強く圧力をかけなくても、保持することができる。これにより、収納時のマスクブランク1と保持部材10の摺動接触によるパーティクルの発生も抑制することができる。
図5に示すように、第1の当接部12は、上記軸11の側面から伸びるアーム122と、アーム122の先端にアタッチメント121を備えている。
図5,図7等に示すように、アーム122は矩形型のプレートである。アーム122の厚みkは、軸11の厚みhよりも薄く、マスクブランク1を保持する方向に向かって緩やかに傾斜するように延出している。これにより、保持部材10がマスクブランク1を保持するとき、アーム122はわずかに弾性変形し、その弾性変形に伴う慣性力によりマスクブランク1を保持・固定することができる。なお、アーム122は、軸11の傾斜面19から延出しており、マスクブランク1を保持したときに接続部分に負荷がかりにくい。
領域121cは、隣接する領域121b,121dよりも当接面の曲率が小さい曲面で構成されている。領域121cの中央部には、アーム122からの延伸方向に沿って、条状の突起123が形成されている。保持部材10がマスクブランク1を保持するときには、突起123の頂部先端(P2)が図3におけるマスクブランク1のP2に当接する。
なお、このとき、アーム122及びアタッチメント121がわずかに弾性変形し、その慣性力がマスクブランク1に当接している箇所に集中する。アーム122とアタッチメント121が傾斜しているため、当接時に第1の当接部12がマスクブランク1に加える力は、第2の当接部13のアタッチメント131の方に向くように作用する。したがって、突起123と後述する第2の当接部13の突起133がマスクブランク1のコーナー部を挟持するように保持することができる。結果、ケースに収納したマスクブランクは、上下方向の振動と側壁面1bの長手方向に平行な方向の振動が抑制される。これにより、突起123と側壁面1bとの擦れも抑制されるので、発塵のリスクも軽減される。
領域121b,121dは、マスクブランク1を保持するときに当接面が面取面1cの稜線P1,P3と接触する領域であり、当接面の曲率が最も大きい。マスクブランク1を保持・固定するとき、面取面1cの稜線は領域121b,121dに摺動するが、領域121b,121dの曲率を最適化することで、摺動時に生じる摩擦を最小限にすることができる。
アタッチメント121は、前述の突起123と領域121b、121dの3個所でマスクブランク1を固定する。結果、保持部材10は、マスクブランク1が主表面1aに垂直な方向で振動する動きを抑制する。
また、アタッチメント131の断面は、先端に向けて徐々に薄くなるテーパー形状であり、マスクブランク1を保持したときにアタッチメント131の当接面とマスクブランク1の側端面の間に形成される隙間が徐々に幅広になるように形成されている。これによって、マスクブランク1を保持するとき、アタッチメント131は、後述する突起133以外の領域がマスクブランク1の側壁面1dに接触しない。
なお、前述のアタッチメント121の当接面側の突起123がマスクブランクと接触する面を「側壁面1b」とし、上記アタッチメント131の当接面側の突起133がマスクブランクと接触する面を「側壁面1d」とした。
上記保持部材10を構成する樹脂材料としては、特に限定はされないが、雰囲気の温度、気圧等の変動があっても化学成分ガスの放出が少ない材料が特に好ましく、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー(COP)、フッ素系樹脂から選択される1以上の樹脂が好ましく挙げられる。
上記保持部材10は、特に、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンから選択される樹脂材料とすることが好ましい。上記保持部材10のうち、上記第1の当接部12がマスクブランクの上方端面における側壁面1bと面取面1cの稜線P1,P3で、さらには上記第2の当接部13がマスクブランクの側壁面1bのP2で接触し、所定の圧力がかかった状態でマスクブランクを保持しても、これらの樹脂材料は、所望の硬度と摺動性を兼ね備えているので、マスクブランクと保持部材10との擦れによるパーティクルの発生を著しく抑制することができる。
中でも特に、ポリブチレンテレフタレートは、上述の硬度と摺動性に加え、化学成分ガスの放出が少なく、特に化学成分の影響を受けやすい化学増幅型レジスト膜を有するマスクブランクの保持部材10として好適である。また、ポリブチレンテレフタレートは、成型しやすく、上記説明した複雑な構造の保持部材10を成型する場合に好適である。
このような保持部材10(保持手段)を蓋体6の内側に設けていることにより、例えば輸送、搬送中の振動を緩和でき、マスクブランクをしっかりと固定して発塵を防ぐことができる。
上記基板としては、マスクブランクがバイナリマスクブランクや位相シフト型マスクブランク等の透過型マスクブランクの場合、露光光に対して透光性を有する基板材料を使用し、例えば合成石英ガラス基板が使用される。また、マスクブランクがEUV露光用等の反射型マスクブランクの場合、低熱膨張の特性を有する基板材料を使用し、SiO2−TiO2系ガラス(2元系(SiO2−TiO2)及び3元系(SiO2−TiO2−SnO2等))や、例えばSiO2−Al2O3−Li2O系の結晶化ガラスの基板が使用される。また、マスクブランクがナノインプリントプレート用マスクブランクの場合、例えば合成石英ガラス基板が使用される。また、基板及びマスクブランク1の形状は、矩形状、円形状何でもよい。
上記遮光膜は、単層でも複数層(例えば遮光層と反射防止層との積層構造)としてもよい。また、遮光膜を遮光層と反射防止層との積層構造とする場合、この遮光層を複数層からなる構造としてもよい。また、上記位相シフト膜、エッチングマスク膜、吸収体膜についても、単層でも複数層としてもよい。
また、上記保護膜の材料としては、例えば、Ru、Ru−(Nb、Zr、Y、B、Ti、La、Mo)、Si−(Ru、Rh、Cr、B)、Si、Zr、Nb、La、B等の材料から選択される。これらのうち、Ruを含む材料を適用すると、多層反射膜の反射率特性がより良好となる。
(実施例1)
合成石英ガラス基板(6インチ×6インチの大きさ)上にスパッタ法で、表層に反射防止機能を有するクロム膜(遮光膜)を形成し、その上にスピンコート法でポジ型の化学増幅型レジストである電子線描画用レジスト膜を形成してレジスト膜付きマスクブランクを製造した。なお、合成石英ガラス基板の側壁面及び面取面は、酸化セリウムの研磨剤を使用したブラシ研磨により所望の平滑性が得られるように精密研磨され、側壁面と面取面との間の稜線の曲率半径は、350μm以上750μm以下の範囲の合成石英ガラス基板を使用した。なお、稜線の曲率半径は、ミツトヨ社製 輪郭形状測定機CV−3100により測定した。
振動強度:20m/s2(rms)
加振時間:3時間
周波数:5〜500Hz(ランダム試験)
振動方向:1方向(Z方向)
振動試験後、クリーンルーム内で収納ケースからマスクブランクを取り出し、欠陥検査装置(レーザーテック社製:M2350)を用いて、マスクブランク主表面上の付着異物による欠陥(90μm以上の大きさの欠陥)個数を測定した。なお、評価は、収納ケースに収納する前の欠陥個数を予め上記と同様に測定しておき、これに対する上記振動試験後の欠陥個数の増加個数で行った。その結果、本実施例では、増加欠陥個数は、0個であり、輸送、保管中の発塵によるマスクブランクへのパーティクル付着を効果的に抑制することが可能であることを確認できた。
実施例1と同様に製造したマスクブランクを収納するケースとして、前述の図14に示す従来構造の保持部材を用いたこと以外は実施例1と同様の収納ケースにマスクブランクの収納を行った。なお、従来構造の保持部材の材質は、実施例1と同様のポリブチレンテレフタレート(PBT)を用いた。
実施例1において、収納ケースに収納するマスクブランクを1ケースに3枚にした以外は実施例1と同様にして、収納ケースにマスクブランクを収納した。実施例1と同様の振動試験を実施した後、収納ケースからマスクブランクを取り出し、欠陥検査装置(レーザーテック社製:M2350)を用いて、マスクブランク主表面上の付着異物による欠陥(90μm以上の大きさの欠陥)個数を測定した。その結果、増加欠陥個数は、0個であった。収納ケース内に収納するマスクブランクの枚数が変わっても、本発明の保持部材10により、マスクブランクの1枚1枚をしっかり保持することができ、輸送、保管中の発塵によるマスクブランクへのパーティクル付着を効果的に抑制することが可能であることを確認できた。
実施例2において、マスクブランクを収納するケースとして、前述の図14に示す従来構造の保持部材を用いたこと以外は実施例2と同様の収納ケースにマスクブランクの収納を行った。
そして、実施例1と同様の振動試験を実施した後、収納ケースからマスクブランクを取り出し、欠陥検査装置(レーザーテック社製:M2350)を用いて、マスクブランク主表面上の付着異物による欠陥(90μm以上の大きさの欠陥)個数を測定した。その結果、上記振動試験後の増加欠陥個数は、平均して1.8個と多く、輸送、保管中の発塵によるマスクブランクへのパーティクル付着を抑制することができない。これは、従来構造の収納ケースの場合、蓋体の内側に取り付けた保持部材とマスクブランク端面との接触、擦れに伴う発塵の多いこと、マスクブランクの1枚1枚をしっかり保持することができていないことが要因であると考えられる。
実施例1において、使用する合成石英ガラス基板の側壁面及び面取面のブラシ研磨の研磨時間を短くして、側壁面と面取面との間の稜線の曲率半径を、100μm以上300μm以下の範囲の合成石英ガラス基板を使用した以外は、実施例1と同様にして収納ケースにマスクブランクを収納した。実施例1と同様の振動試験を実施した後、収納ケースからマスクブランクを取り出し、欠陥検査装置(レーザーテック社製:M2350)を用いて、マスクブランク主表面上の付着異物による欠陥(90μm以上の大きさの欠陥)個数を測定した。その結果、増加欠陥個数は、平均して0.2個であり、輸送、保管中の発塵によるマスクブランクへのパーティクル付着を効果的に抑制することが可能であることが確認できた。
2 中ケース
3 ケース本体
4 蓋
5 保持部材
6 蓋体
7 ケース本体
8 固定部材
10 保持部材
11 軸
12 第1の当接部
13 第2の当接部
14,15 切欠き
Claims (10)
- 上方が開口したケース本体と、該ケース本体に被せる蓋体とを備えて、前記ケース本体及び前記蓋体のそれぞれに嵌合部を有して嵌め合わされ、マスクブランクを縦方向に収納し、収納されたマスクブランクの上方角部を保持する保持手段を前記蓋体の内側に設けてなるマスクブランク収納ケースであって、
前記マスクブランクは、対向する2つの主表面と、この2つの主表面の間に介在する端面において、前記主表面と直交する方向の側壁面と、該側壁面と前記主表面との間に介在する面取面とを有しており、
前記保持手段は、収納された前記マスクブランクの上方端面における前記側壁面と前記面取面の稜線にて当接する第1の当接部を備えていることを特徴とするマスクブランク収納ケース。 - 前記保持手段は、さらに、前記マスクブランクの上方端面と隣接する側方端面における前記側壁面に当接する第2の当接部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランク収納ケース。
- 前記第1の当接部及び前記第2の当接部はいずれも、直線状に延在した軸に沿って所定間隔で配列され、前記軸には前記第1の当接部及び第2の当接部に対応して複数の切欠きを設けていることを特徴とする請求項2に記載のマスクブランク収納ケース。
- 前記第1の当接部及び前記第2の当接部は、前記軸に対して断面視で互いが鋭角となる方向に配列されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のマスクブランク収納ケース。
- 前記保持手段は、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンから選択される樹脂材料からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク収納ケース。
- 前記保持手段は、ポリブチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項5記載のマスクブランク収納ケース。
- 表面に転写パターン形成用の薄膜を有するマスクブランクを収納することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマスクブランク収納ケース。
- 転写パターン形成用の薄膜の表面にレジスト膜を有するマスクブランクを収納することを特徴とする請求項7に記載のマスクブランク収納ケース。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載のマスクブランク収納ケースにマスクブランクが収納されたことを特徴とするマスクブランク収納体。
- 前記マスクブランクは、前記基板における前記側壁面と前記面取面の稜線の曲率半径が50μm以上であることを特徴とする請求項9記載のマスクブランク収納体。
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