JP2014029311A - プリント基板の絶縁検査装置及び絶縁検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プリント基板1の回路パターンC1〜C4間に直流電圧を印加し、印加した電圧値と回路パターン間に流れる電流値とから算出される回路パターン間の抵抗値に基づいてプリント基板の絶縁状態の良否を判定するプリント基板の絶縁検査装置において、電圧の印加により回路パターン間に流れる電流を検出する電流検出部7と、電圧印加開始から電圧上昇完了時を起点として規定時間が経過するまでのスパーク検出時間内に、回路パターン間に発生するスパークに起因して電流検出部7により検出される電流値が所定値以上増加したか否かを検出する電流増加検出部9と、電流増加検出部により電流増加が検出された場合にプリント基板が不良品であると判定するスパーク判定部25と、前記規定時間を変更可能なスパーク検出時間設定部10とを有する。
【選択図】 図1
Description
この場合、特許文献1の図2に示されるように、試験電圧が回路パターン間に印加された時点からの経過時間をカウントして、回路パターンの電圧が定常状態となる所定の時刻で絶縁抵抗値を算出するとともに、その時刻までに回路パターン間にスパークが発生したか否かを検出し、スパークが発生しなかったと判定した場合に、測定した抵抗値と閾値との大小を比較することにより、回路パターン間の絶縁状態の良否判定を行う方法と、電圧印加後にスパークが発生したか否かをまず判定し、スパークが発生したときには、その基板が不良品であると判定し、一方、スパークが発生しなかった場合、所定時間経過後に、電圧値と電流を測定して抵抗値を算出し、その抵抗値により良否判定を行う方法とが示されている。
瞬間的に印加電圧をかけるとスパークが瞬時に発生して検出が難しい場合があるが、そのような状況においても、電圧上昇時間を変更できるようにすることで、確実にスパークの発生を検出することができ、正確に基板の不良品の判定を行うことができる。
本発明の絶縁検査方法においては、予め、電圧印加開始時から前記電圧上昇完了時までの時間を設定しておくとよい。
電流増加の検出に加えて、電流増加に要した時間が所定時間の範囲内であることを検出したときにプリント基板が不良品であると判定することで、ノイズによる誤判定を防止することができ、正確に基板の不良品の判定を行うことができる。
電圧印加開始直後は電気信号の不安定な状態が生じるため、誤判定防止のため、その時間を避けて電流検出を開始する。
第1実施形態におけるプリント基板の絶縁検査装置は、プリント基板1上の複数の回路パターンC1〜C4間の組み合わせについて絶縁検査を行うものであり、各回路パターンC1〜C4に接続される複数の切換スイッチA0〜A4,B0〜B4を有するスイッチ回路2、このスイッチ回路2の各切換スイッチA0〜A4,B0〜B4の開閉を制御するスイッチ切換制御部3、スイッチ回路2を介して回路パターンC1〜C4に電圧を印加する可変電圧源4、印加電圧制御部5、スイッチ回路2により可変電圧源4に接続状態とされた回路パターン間の電圧及び電流を検出する電圧検出部6及び電流検出部7、電圧印加後に電圧上昇が完了したことを検出する電圧上昇完了検出部8、電流値が所定値以上増加したか否かを検出する電流増加検出部9、後述するようにスパーク検出時間を設定するスパーク検出時間設定部10、主制御装置11及び表示装置12を有する。
そして、スイッチ切換制御部3により、図1に示す4個の回路パターンC1〜C4の場合、表1に示すように各切換スイッチA0〜A4,B0〜B4の開閉(ON/OFF)が制御される。表1において空欄はOFFの状態を示している。
検査3回目においては、回路パターンC3の+側切換スイッチA3が接続状態(ON)とされるとともに、回路パターンC4の−側切換スイッチB4が接続状態(ON)とされることにより、同様に両主切換スイッチA0,B0を−側から順に接続状態(ON)とすると、回路パターンC3と回路パターンC4との間の絶縁状態が検査される。
以上の各切換スイッチの操作により、4個の回路パターンC1〜C4のすべての組み合わせによる絶縁状態が検査される。
電圧検出部6及び電流検出部7は、電圧計13又は電流計14からのアナログの検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を備えており、その検出信号に基づき電圧又は電流を検出する。
電圧上昇完了検出部8は、電圧検出部6から出力される電圧信号を所定周期でサンプリングし、そのサンプリングした電圧信号が印加電圧制御部5で設定した規定電圧に達した場合に、印加電圧の上昇が完了したと検出し、上昇完了信号を出力する。
電流増加検出部9は、電流検出部7から出力される電流信号を所定周期でサンプリングし、前回電流信号と今回電流信号とを比較して、電流値が所定値以上増加した場合に電流増加信号を出力する。
スパーク検出時間設定部10は、電圧上昇完了検出部8で電圧上昇完了時を検出してからの規定時間を設定するものであり、操作者により規定時間を変更することができる機能を有している。スパーク検出時間は、電圧印加開始してから所定時間経過後に開始し、電圧上昇完了時から規定時間経過後に終了するまでの時間であり、その間に電流増加検出部9により所定値以上の電流増加が検出される。
これらの図において、t0は電圧印加開始時であり、このt0から所定時間経過後の時刻t1から電流検出が開始される。このt0からt1までの時間は電圧印加直後の電気信号の不安定な期間であり、誤判定防止のため、この時間経過を待って電流検出される。そして、図2では電圧上昇中にスパークが発生することにより、電圧降下が生じるとともに電流値が瞬間的に増加している。
なお、前述の電流増加検出部9は、図2及び図3に示すように、所定周期でサンプリングした前回電流信号I1と今回電流信号I2とを比較して、これらの差(I2−I1)が所定値以上増加した場合に電流増加信号を出力する。
絶縁状態判定部26は、電圧検出部6及び電流検出部7からの検出信号をもとに絶縁抵抗値を算出し、この絶縁抵抗値が予め定めた判定抵抗値以下である場合に絶縁不良であると判定する。
まず、印加電圧制御部5により印加すべき電圧を設定するとともに、スパーク検出時間設定部10によりスパーク検出時間(実際には電圧上昇完了時t2からt3までの規定時間)を設定する(ステップS1)。
そして、−側主切換スイッチB0をONにした(ステップS4)後、+側主切換スイッチA0をONにする(ステップS5)。その後、所定時間(t1−t0)経過を待って(ステップS6)から、電流検出部7により電流検出を開始する(ステップS7)。
ステップS16で全ての回路パターンの組み合わせについての検査が終了したと判定した場合(YESの場合)には、記憶していた絶縁不良箇所があるか否かを判定し(ステップS17)、絶縁不良箇所があると判定した場合(YESの場合)はその基板は不良品であると判定され(ステップ18)、絶縁不良箇所があると判定できない場合(NOの場合)は基板が良品であると判定される(ステップS19)。
最後に、全切換スイッチA0〜A4,B0〜B4をOFFの状態にして(ステップS20)、検査処理を終了する。
また、特許文献1記載の発明のように電圧降下ではなく、所定値以上の電流増加を検出してスパーク発生の有無を検出しているとともに、ステップS7までの間で切換スイッチをONにしてから所定時間(t1−t0)経過した後に電流検出を開始しており、電圧印加直後の電流が不安定な状態の影響を受けることなく、スパーク発生を検出することができる。
本実施形態では、電圧印加直後の不安定期を避けて図2及び図3に示す時刻t1から電流増加を検出するようにしたので、誤判定を生じることなく、確実にスパーク発生を検出することができる。
ステップS32で電流増加に要した時間が判定時間の範囲内であると判定できない場合(NOの場合)は、ステップS9に進み、以降、図4の第1実施形態と同様の処理がなされる。
このように、電流増加の検出に加えて、電流増加に要した時間が所定の判定時間の範囲内であることを検出したときにプリント基板が不良品であると判定することで、ノイズによる誤判定を防止することができ、正確に基板の不良品の判定を行うことができる。
この実施形態では、印加電圧制御部5は、回路パターン間に印加する電圧を、スパーク発生を検出するためのスパーク検出電圧と、絶縁抵抗を算出するための絶縁抵抗検出電圧とのいずれかに設定する。スパーク検出電圧は絶縁抵抗検出電圧より高圧に設定され、例えば、スパーク検出電圧が200V、絶縁抵抗検出電圧が100Vに設定される。
そして、ステップS37で全ての検査(スパーク検出検査)が終了したと判定された場合(YESの場合)には、印加電圧を絶縁抵抗検出電圧Viに設定し(ステップS38)、各回路パターン間の絶縁状態が検査される。
この第4実施形態においては、スパーク検出電圧と絶縁抵抗検出電圧とに分けたので、それぞれの検査に応じて最適な電圧を設定することができ、また、スパーク検出電圧を絶縁抵抗検出電圧より高圧に設定して、より確実にスパーク発生を検出することができる。
例えば、各実施形態では、ステップS13で抵抗値Rと判定抵抗値Rjとを比較して、算出した抵抗値Rが判定抵抗値Rj以上でないと判定した場合(NOの場合)に、ステップS14で絶縁不良箇所を記憶し、全ての検査終了後に、記憶した絶縁不良箇所があったら不良品と判定したが、ステップS13の判定結果がNOの場合には、全ての検査終了まで処理を実行することなく、不良品であると判定するようにしてもよい。
その他、電流増加検出部9において、電流検出部7からの電流信号をサンプリングする間隔を変更できるようにしてもよく、これにより、ノイズ状態に合わせて検出間隔を設定することで確実にスパークの発生を検出することができ、より正確に不良品の判定を行うことができる。
また、電圧印加開始t0から電流検出開始t1までの時間を適宜に変更できるようにしてもよく、これにより、電圧印加開始直後の電気信号の不安定時間が変化しても、確実にスパークの発生を検出でき、正確に基板の不良品の判定を行うことができる。
Claims (9)
- プリント基板の回路パターン間に直流電圧を印加し、印加した電圧値と前記回路パターン間に流れる電流値とから算出される絶縁抵抗値に基づいて前記回路パターン間の絶縁状態の良否を判定するプリント基板の絶縁検査装置において、印加電圧を制御する印加電圧制御部と、電圧印加開始から電圧上昇完了時を起点として規定時間が経過するまでのスパーク検出時間内に、前記回路パターン間に発生するスパークに起因して前記回路パターン間に流れる電流値が所定値以上増加したか否かを検出する電流増加検出部と、該電流増加検出部により前記所定値以上の電流増加が検出された場合に前記プリント基板が不良品であると判定するスパーク判定部と、前記規定時間を設定可能なスパーク検出時間設定部とを有することを特徴とするプリント基板の絶縁検査装置。
- 前記印加電圧制御部は、前記印加電圧を、前記絶縁抵抗値を求めるための絶縁抵抗検出電圧又は該絶縁抵抗検出電圧よりも高いスパーク検出電圧のいずれかに制御するものであり、前記絶縁状態の良否を判定する絶縁状態判定部は、前記スパーク検出時間経過後に印加される前記絶縁抵抗検出電圧により前記回路パターン間の前記絶縁抵抗値を算出して絶縁状態の良否を判定するものであり、前記電流増加検出部は、前記スパーク検出時間内に印加された前記スパーク検出電圧による電流増加を検出するものであることを特徴とする請求項1記載のプリント基板の絶縁検査装置。
- 前記印加電圧制御部は、さらに電圧印加開始時から前記電圧上昇完了時までの時間を設定することができる電圧上昇時間設定部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のプリント基板の絶縁検査装置。
- 前記電流増加検出部は、さらに前記所定値以上の電流増加に要した時間を検出するものであり、前記スパーク判定部は、前記電流増加検出部により前記所定値以上の電流増加が検出された場合に、該電流増加に要した時間が予め定めた電流増加判定時間の範囲内であることを検出したときにプリント基板が不良品であると判定するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のプリント基板の絶縁検査装置。
- 前記スパーク判定部は、さらに前記電流増加判定時間を変更することができる電流増加判定時間設定部を有していることを特徴とする請求項4記載のプリント基板の絶縁検査装置。
- プリント基板の回路パターン間に直流電圧を印加し、印加した電圧値と前記回路パターン間に流れる電流値とから算出される絶縁抵抗値に基づいて前記回路パターン間の絶縁状態の良否を判定するプリント基板の絶縁検査方法において、予め、電圧印加開始から電圧上昇完了時を起点として規定時間が経過するまでのスパーク検出時間を設定しておき、該スパーク検出時間内に、前記回路パターン間に流れる電流値が所定値以上増加したことが検出された場合に前記プリント基板が不良品であると判定することを特徴とするプリント基板の絶縁検査方法。
- 前記印加電圧を、前記絶縁抵抗値を求めるための絶縁抵抗検出電圧又は該絶縁抵抗検出電圧よりも高いスパーク検出電圧のいずれかに制御するとともに、前記スパーク検出時間内に前記スパーク検出電圧による電流値が所定値以上増加したことが検出された場合に前記プリント基板が不良品であると判定することを特徴とする請求項6記載のプリント基板の絶縁検査方法。
- 予め、電圧印加開始時から前記電圧上昇完了時までの時間を設定しておくことを特徴とする請求項6又は7記載のプリント基板の絶縁検査方法。
- 電流値が所定値以上増加したことが検出された場合に、さらに電流値が所定値以上増加するまでに要した時間を検出し、その時間が予め定めた電流増加判定時間の範囲内であることを検出したときにプリント基板が不良品であると判定することを特徴とする請求項6から8のいずれか一項記載のプリント基板の絶縁検査方法。
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