JP2014026999A - 半導体装置、テンプレート基板、半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、テンプレート基板、半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】所望の性能を有する半導体装置、この半導体装置に使用されるテンプレート基板、半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体装置1は、下地基板11および下地基板11に加熱接合された閃亜鉛鉱型構造の単結晶から構成される半導体層12を含むテンプレート基板と、このテンプレート基板の半導体層12上に単結晶の半導体層131〜133を成長させることで得られたデバイス構造13とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置、テンプレート基板、半導体装置の製造方法に関する。
従来、シリコン基板等の下地基板上に化合物半導体デバイスを作製する方法としては、以下のような方法がある。
下地基板上に化合物半導体を気相成長法あるいは分子線エピタキシー法等の成長技術によって直接成長させ、デバイス作製を行う(特許文献1参照)。
なお、本願の背景技術を記載した文献としては、特許文献2,3もある。
特開2006−222362号公報 特開2006−210660号公報 特開2010−287731号公報
しかしながら、従来の方法で製造された半導体装置においては、以下のような課題が生じることがわかった。
下地基板と化合物半導体の格子定数差等の問題により、高品質な化合物半導体を得ることが困難である。
本発明によれば、
下地基板およびこの下地基板に加熱接合された閃亜鉛鉱型構造の第一の単結晶半導体層を含むテンプレート基板と、
前記テンプレート基板の前記第一の単結晶半導体層上で成長した、第二の単結晶半導体層を含むデバイス構造とを含む半導体装置が提供される。
このような半導体装置では、閃亜鉛鉱型構造の第一の単結晶半導体層は、下地基板に加熱接合されている。そのため、この第一の単結晶半導体層の下地基板側と反対側の表面には、下地基板と第一の単結晶半導体層との格子不整合に起因する歪等が発生しにくい。そのため、第一の単結晶半導体層上で成長したデバイス構造を所望の性能のものとすることができる。
なお、第二の単結晶半導体層は、第一の単結晶半導体層上に直接形成されていてもよく、また、他の半導体層等を介して形成されていてもよい。
また、本発明の半導体装置では、テンプレート基板において、加熱接合性のよい閃亜鉛鉱型構造の第一の単結晶半導体層を採用している。これにより、製造安定性に優れた半導体装置を提供できる。
さらに、本発明によれば、上述した半導体装置に使用されるテンプレート基板を提供することができる。
すなわち、本発明によれば、
単結晶半導体層を含むデバイス構造を積層するためのテンプレート基板であって、
下地基板と、
この下地基板に加熱接合された閃亜鉛鉱型構造の第一の単結晶半導体層とを備えるテンプレート基板を提供することができる。
また、本発明によれば、上述した半導体装置の製造方法も提供できる。
すなわち、本発明によれば、
下地基板を用意する工程と、
前記下地基板に、閃亜鉛鉱型構造の第一の単結晶半導体層を加熱接合し、前記下地基板と前記第一の単結晶半導体層とを含むテンプレート基板を得る工程と、
前記第一の単結晶半導体層上に、第二の単結晶半導体層を成長させて、デバイス構造を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法も提供できる。
本発明によれば、所望の性能を有する半導体装置、この半導体装置に使用されるテンプレート基板、半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の第一実施形態にかかる半導体装置を示す断面図である。 第一実施形態の変形例にかかる半導体装置を示す断面図である。 半導体装置のテンプレートの製造工程を示す工程断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図である 第二実施形態の半導体装置の製造工程を示す平面図であり、テンプレート基板上のマスクの配置を示す図である。 本発明の変形例にかかる半導体装置を示す斜視図である。 実施例1のテンプレート基板のInP層の表面および表面粗さの測定結果を示す図である。 実施例1の半導体装置のクラッド層の表面および表面粗さの測定結果を示す図である。 実施例1および参考例1の半導体装置のPL発光強度のピークを示す図である。 実施例2および参考例2の半導体装置のPL発光強度のピークを示す図である。 実施例3および参考例3の半導体装置のPL発光強度のピークを示す図である。 テンプレート基板表面のInP層の表面粗さ(RMS)とPL発光強度との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明は重複しないように適宜省略される。
(第一実施形態)
はじめに、図1を参照して本実施形態の半導体装置1の概要について説明する。図1は、半導体装置1の積層方向に沿った断面図である。
本実施形態の半導体装置1は、下地基板11および下地基板11に加熱接合された閃亜鉛鉱型構造の単結晶から構成される半導体層(第一の単結晶半導体層)12を含むテンプレート基板と、このテンプレート基板の半導体層12上に単結晶の半導体層131〜133を成長させることで得られたデバイス構造13とを含む。
ここでデバイス構造は、デバイスの機能を奏する半導体層を備える構造体である。デバイス構造としては、光デバイス構造または電子デバイス構造があげられる。光デバイス構造、たとえば発光デバイス構造の場合には、一対のクラッド層およびこれらのクラッド層間に挟まれた発光層を有する構造となる。また、電子デバイス構造としては、たとえば、電子走行層と、電子供給層とを有する構造となる。本実施形態では、デバイス構造13は発光デバイス構造である。
下地基板11は、半導体層12とは異種材料で構成される基板である。下地基板11としては、耐熱性の高いものが好ましく、たとえば、シリコン基板、SiO膜が設けられた基板、ガラス基板のいずれかを使用することができる。
SiO膜が設けられた基板を使用する場合には、図2に示すような構造となる。基板111(たとえば、シリコン基板)上に厚さ2〜10μmのSiO膜112を形成する。SiO膜112は、基板111全面を被覆することが好ましい。そして、このSiO膜112上に半導体層12を加熱接合する。
半導体層12は、閃亜鉛鉱型構造の単結晶から構成される。半導体層12は、III-V族半導体層であることが好ましく、半導体層12は、III族元素として、Al、In、Gaからなる群から選択される1種以上を含み、V族元素として、AsおよびPのうち1種以上を含むことが好ましい。
たとえば、半導体層12としては、InP層、GaAs層、GaP層、InAs層、InGaAs層、InPGaAs層が挙げられる。
ここで、半導体層12のデバイス構造13側の表面粗さ(RMS(二乗平均粗さ))は、1〜30nmであることが好ましい。表面粗さ(RMS)は、より好ましくは、20nm以下、さらに好ましくは10nm以下である。
このようにすることで、デバイス構造13の発光特性を向上させることができる。半導体層12のデバイス構造13側の表面全面が上述した表面粗さであってもよく、その一部が上述した表面粗さであってもよい。
なお、表面粗さ(RMS:Root Mean Square)は、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、10μm角の領域を基準領域として測定することができ、測定曲線の平均線から測定曲線までの偏差の二乗を平均した値の平方根で示される値である。
半導体層12の厚さは、たとえば、500nm以上、2000nm以下である。なかでも、半導体装置の小型化の観点から、800nm以下であることが好ましい。
ここで本実施形態では、半導体層12はn型半導体層であり、前述したIII-V族半導体層にn型不純物が添加されている。
また、半導体層12上には、n型電極16が設けられている。
ここで、半導体層12の下地基板11と反対側の表面(デバイス構造13が設けられた表面)は、結晶面で構成されている。
デバイス構造13は、半導体層12上に設けられたものであり、本実施形態では、発光機能を有する光デバイス構造である。
デバイス構造13は、単結晶の閃亜鉛鉱型構造のIII-V族半導体層を積層した積層体であり、この積層体は、III族元素として、Al、In、Gaからなる群から選択される1種以上を含み、V族元素として、AsおよびPのうち1種以上を含む半導体層の積層体からなることが好ましい。
デバイス構造13は、クラッド層131となるn型InP層、活性層である量子井戸層132、クラッド層133となるp型InP層とを備える。
クラッド層131は、たとえば、厚みが0.1〜1μm程度であり、InP層にn型不純物が添加されている。
クラッド層133は、たとえば、厚みが0.05〜1μm程度であり、InP層にp型不純物が添加されている。クラッド層133上にはp型電極17が接続されている。
量子井戸層132は、たとえば、5〜10nmのGaInAs層と、5〜10nmのInP層とをこの順に交互に積層した層である。量子井戸層132は、たとえば、GaInAs層と、InP層とをそれぞれ10層交互に積層したものである。
なお、本実施形態では、電極16を半導体層12表面に設けたが、これに限らず、下地基板11にn型の不純物をドープし、n型の下地基板とし、下地基板11の裏面(半導体層12と反対側の面)に電極16を設けてもよい。
ここで、デバイス構造の最上層の半導体層であるクラッド層133の電極17側の表面の表面粗さ(RMS)は、1〜30nmであることが好ましい。より好ましくは、20nm以下、さらに好ましくは10nm以下である。
このような表面粗さのクラッド層133は、テンプレート基板の半導体層12の表面粗さを小さくすることにより、得られる。クラッド層133の表面全面が上述した表面粗さであってもよく、その一部が上述した表面粗さであってもよい。
以上のような半導体装置1は、次のようにして製造することができる。
はじめに、下地基板11および半導体層12からなるテンプレート基板を製造する。
まず、図3(a)に示すように、半導体層12を層20(基板21および下地層22で構成される)上にMOVPE法によりエピタキシャル成長させる。ここで、層20の下地層22は半導体層12を成長させるための成長面が結晶面で構成される。また、層20の基板21,下地層22は、閃亜鉛鉱型構造の単結晶から構成され、なかでも、III-V族半導体層であることが好ましく、III族元素として、Al、In、Gaからなる群から選択される1種以上を含み、V族元素として、AsおよびPのうち1種以上を含むことが好ましい。ただし、後述するエッチングのしやすさを考慮し、層20のうち半導体層12に当接する下地層22は、半導体層12とは異なる組成、なかでも、前述したIII族元素あるいはV族元素として異なる元素を構成元素として含むものであることが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、半導体層12と下地基板11とを加熱接合する。その後、層20をウェットエッチングにより除去し、半導体層12と下地基板11とで構成されるテンプレート基板を得る。
ここで、ウェットエッチングを行なう際、下地層22のエッチング速度を半導体層12のエッチング速度よりも大きくする。たとえば、ウェットエッチングの際の半導体層12と下地層22(下地層22のエッチング速度/半導体層12のエッチング速度で示されるエッチング速度比)を、10以上、好ましくは50以上とする。選択比の上限に限定はないが、たとえば200以下である。
なお、半導体層12から層20をウェットエッチングにより除去した後、半導体層12と下地基板11とを加熱接合してもよい。ただし、半導体層12は非常に薄い層であるため、製造効率の観点からは、本実施形態のように、層20および半導体層12からなる積層体を下地基板11に加熱接合した後、層20を除去する方法が好ましい。
以上のような製造方法によれば、下地基板11と反対側の表面が結晶面で構成され、かつ、厚みが2000nm以下と非常に薄い半導体層12を有するテンプレート基板を得ることができる。
ここで、半導体層12がInP層である場合のテンプレート基板の製造方法について具体的に説明する。
はじめに、図3に示すように、InP基板21を用意し、このInP基板21の(100)面上に下地層となるGaInAs層22を、たとえば、TEG(tri-ethyl-gallium)、TMI(tri-methyl-indium)、TBA(tertiary-butyl-arsine)を原料としたMOVPE法により、エピタキシャル成長させる。その後、GaInAs層22上に半導体層12となるInP層12を形成する。InP層12は、TMI(tri-methyl-indium)、TBP(tertiary-butyl-phosphorus)を原料としたMOVPE法でエピタキシャル成長させることで得られる。
これにより、InP基板21、GaInAs層22およびInP層12からなる積層体を得る。
InP基板21の厚みは、たとえば、350〜500μmであり、GaInAs層22の厚みは100〜200nmであることが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、積層体のInP層12と下地基板11とを加熱圧着し、下地基板11とInP層12とを加熱接合する。
たとえば、InP基板21、GaInAs層22、InP層12、下地基板11からなる積層体を450〜500℃で加熱しながら、積層方向に沿って挟圧する。
これにより、下地基板11とInP層12とが溶融圧着することとなる。下地基板11とInP層12の界面には、数原子層の厚さの遷移層(下地基板11を構成する原子と、InP層12を構成する原子とが混ざり合った層)が形成されている。ただし、この遷移層以外の領域においては、遷移層は存在せず、InP層12本来の結晶格子の形状が維持されている。
次に、図3(b)のInP基板21をエッチャント(たとえば、塩酸)に浸漬して、InP基板21を除去する。ここで使用するエッチャントは、InP基板21をウェットエッチングするものの、GaInAs層22はほとんどウェットエッチングしない。GaInAs層22はエッチングストッパ層となる。InP基板21と、GaInAs層22との選択比(InP基板21のエッチング速度/GaInAs層22のエッチング速度で示されるエッチング速度比)は、5000以上であることが好ましい。これにより、InP基板21のみを選択的に除去できる。
次に、GaInAs層22をエッチャント(たとえば、硫酸)に浸漬して、GaInAs層22を除去する。エッチャントにより、GaInAs層22がウェットエッチングされるものの、InP層12はほとんどウェットエッチングされない。InP層12と、GaInAs層22との選択比(GaInAs層22のエッチング速度/InP層22のエッチング速度で示されるエッチング速度比)は10以上、好ましくは50以上とする。選択比の上限に限定はないが、たとえば200以下である。これにより、GaInAs層22のみを選択的に除去できる。
なお、前述したように、InP層12の下地基板11と反対側の面は結晶面となり、研磨がほどこされていない面となる。
以上により、下地基板11とInP層12とで構成されるテンプレート基板を得ることができる。
なお、半導体層12と、下地基板11とを加熱により接合する前段で、以下の工程を実施することが好ましい。
半導体層12の下地基板11に接合する面および下地基板11の半導体層12に接合する面を超音波洗浄する。その後、半導体層12の下地基板11に接合する面および下地基板11の半導体層12に接合する面をアンモニアおよび過酸化水素水を含有する溶液で、洗浄する。さらに、半導体層12の下地基板11に接合する面および下地基板11の半導体層12に接合する面を、硫酸および過酸化水素水を含有する溶液で洗浄する。
このようにすることで、下地基板11と半導体層12との接合強度を高めることができる。
その後、半導体層12上にデバイス構造13を形成する。たとえば、MOVPE法によりデバイス構造13を構成する半導体層を積層することができる。
たとえば、MOVPE法により、TMI(tri-methyl-indium)、TBP(tertiary-butyl-phosphorus)を原料とし、InP層131をエピタキシャル成長させる。
次に、このInP層131上にMOVPE法により、量子井戸層132をエピタキシャル成長させる。
この際、GaInAs層は、TEG(tri-ethyl-gallium)、TMI(tri-methyl-indium)、TBA(tertiary-butyl-arsine)を原料とし、InP層は、TMI(tri-methyl-indium)、TBP(tertiary-butyl-phosphorus)を原料とする。
その後、量子井戸層上に、MOVPE法により、TMI(tri-methyl-indium)、TBP(tertiary-butyl-phosphorus)を原料とし、InP層133をエピタキシャル成長させる。
以上のような本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
半導体装置1では、閃亜鉛鉱型構造の単結晶から構成される半導体層12は、下地基板11に加熱接合されている。下地基板11上に半導体層12を成長させて設ける場合には、下地基板11と半導体層12との格子不整合により、半導体層12に歪が生じやすい。
しかしながら、本実施形態では、半導体層12は、下地基板11に加熱接合されているため、半導体層12には、半導体層12と下地基板11との格子不整合に起因する歪が発生しにくい。そのため、半導体層12上で成長したデバイス構造13に、半導体層12と下地基板11との格子不整合に起因した影響が及び、たとえば、発光波長がずれてしまう等の現象の発生を防止することができる。すなわち、所望の性能のデバイス構造13を得ることができる。
また、下地基板11上に半導体層12を成長させて設ける場合には、半導体層12にアンチフェーズドメインが形成されて、半導体層12の結晶性が悪化することが懸念される。これに対し、本実施形態では、半導体層12を下地基板11に加熱接合しているため、このような問題が発生しない。そのため、所望の性能のデバイス構造13を得ることができる。
また、本実施形態では、半導体装置1のテンプレート基板において、閃亜鉛鉱型構造の半導体層12を採用している。特許文献2,3には、GaN層を下地基板に加熱接合することが開示されているがGaN層は、化学的安定性が非常に高いため、下地基板に対する加熱接合性が良好ではない。これに対して上述した半導体層12は、GaN層に比べて加熱接合性が良好である。従って、製造安定性に優れた半導体装置1を提供できる。
さらには、本実施形態では、テンプレート基板の半導体層12を、閃亜鉛鉱型構造のIII-V族半導体層であり、III族元素として、Al、In、Gaからなる群から選択される1種以上を含み、V族元素として、AsおよびPのうち1種以上を含むものとしている。そのためテンプレート基板の半導体層12の表面を平坦性に優れたものとすることができる。
この点について、以下により詳細に説明する。
前述したように、本実施形態では、半導体層12を、III族元素として、Al、In、Gaからなる群から選択される1種以上を含み、V族元素として、AsおよびPのうち1種以上を含む閃亜鉛鉱型構造のIII-V族半導体層としている。半導体層12に対する格子不整合を抑制する観点から、半導体層12をエピタキシャル成長させるための下地層22も、III族元素として、Al、In、Gaからなる群から選択される1種以上を含み、V族元素として、AsおよびPのうち1種以上を含む閃亜鉛鉱型構造のIII-V族半導体層となる。
そして、下地層22の構成元素を上述した条件内で適宜選択するとともに、エッチャント等のエッチング条件を適宜選択すれば、下地層22を半導体層12に対する選択比が大きくなる条件で、下地層22をウェットエッチングにより除去することが可能となる。そのため、研磨等で下地層22を除去する場合に比べて、平坦な表面を有する半導体層12を得ることができる。
これにより、半導体層12の表面粗さ(RMS)を1〜30nmとすることができ、量子井戸層の厚みにばらつきが生じることを抑制することができる。これにより所望の発光波長のデバイス構造13を得ることができる。
また、半導体層12の表面粗さ(RMS)を1〜30nmとすることができ、半導体層12上に形成されるデバイス構造13の各半導体層の結晶軸が大きく乱れてしまうことを抑制することができる。これにより、所望の発光特性を有するデバイス構造13を得ることができる。
なお、特許文献2,3には、下地基板上にGaN薄膜が形成されたテンプレート基板が開示されているが、特許文献2,3に開示されたテンプレート基板は、上述したようなウェットエッチングによる製造方法では製造することが非常に困難である。すなわち、上述したウェットエッチングにより、GaN薄膜が形成されたテンプレート基板を得ようとした場合には、GaN系の下地層上に、GaN薄膜を形成し、GaN薄膜を下地基板と接合した後、GaN系の下地層を除去することとなる。GaN系の下地層は、化学的安定性に非常に優れているため、ウェットエッチングすることが非常に困難である。従って、特許文献2,3のように、テンプレート基板表面をGaN薄膜とする場合には、平滑性に優れたテンプレート基板を得ることが困難である。
また、下地基板11は、半導体層12と加熱接合できるものであればよく、その材料は特に限定されない。そのため、シリコン基板、ガラス基板、さらには、SiO膜が形成された基板等を使用することができ、下地基板11の選択の幅が広がる。
また、本実施形態では、半導体層12は、III−V族半導体層であり、この半導体層12上に形成されるデバイス構造13もIII−V族半導体層であるので、格子不整合が生じにくく、所望の発光波長のデバイス構造13とすることができる。
特許文献2,3には、シリコン基板と、このシリコン基板上に設けられたGaN薄膜とを有するテンプレート基板が開示されている。
このテンプレート基板は、次のようにして製造される。
はじめにGaN基板を用意し、GaN基板の表面から数μmの深さにイオン注入を行い、イオン注入層を形成する。その後、GaN基板とシリコン基板とを熱処理して貼り合わせるが、このときの熱処理によりイオン注入層は亀裂層となる。そのため、GaN基板の一部が亀裂層で剥離されて、シリコン基板に残存したGaN基板の一部がGaN薄膜となる。
特許文献2,3では、亀裂層部分を熱処理して除去すると記載されている。熱処理を施して亀裂層部分を除去する工程では熱処理によりシリコン原子が再配列して平坦化すると考えられるが、このような平坦化方法では、シリコン基板に残存したGaN薄膜表面は比較的表面粗さが大きいものとなる。しかしながら、成長条件によってはGaNは、比較的横方向成長の速度が速くなるため、GaN薄膜をさらに成長させることで表面の凹凸を埋め込むことができる。
これに対し、閃亜鉛鉱型構造の単結晶、たとえば、InPから構成される半導体層12は、GaNに比べて横方向成長しにくいため、半導体層12の表面が比較的粗い面となった場合には、その上部に所望の特性を有するデバイス構造を形成することが困難となる。従って、特許文献2,3からは、本実施形態のような閃亜鉛鉱型構造の単結晶から構成される半導体層12と下地基板11とを有するテンプレート基板を作製することは、想定できない。
本実施形態では、半導体層12のデバイス構造13側の表面が結晶面で構成されている。
そのため、半導体層12上に半導体層12の結晶構造を引き継いだデバイス構造13を作製することができ、所望の発光特性を有するデバイス構造13を容易に得ることができる。
なお、特許文献2,3で開示された製造方法では、前述したようにGaN基板とシリコン基板とを貼り合わせ、GaN基板中で亀裂を生じさせてGaN薄膜を得ている。そのため、GaN薄膜の表面には、結晶面が現れない。
また、本実施形態では、半導体層12を下地基板11に貼り付ける前後において、半導体層12にイオン注入を行なう工程を実施していない。
そのため、半導体層12内の不純物量を正確にコントロールでき、不要な不純物が混入してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、半導体装置1のテンプレート基板において、閃亜鉛鉱型構造の半導体層12を採用し、さらにその上部に成長させるデバイス構造13も閃亜鉛鉱型構造の半導体層が使用されている。
閃亜鉛鉱型構造の半導体層のバンド端波長は、種々のものがあり、たとえば、0.5μm(GaP)〜7μm(InSb)となっている。従って、閃亜鉛鉱型構造の半導体層を適宜選択することで、様々な波長に対応したデバイス構造を製造することができる。
(第二実施形態)
図4を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。
本実施形態の半導体装置3は、前記実施形態の半導体装置1とデバイス構造の形状が異なっている。他の点は、前記実施形態と同様である。
本実施形態のデバイス構造33は、前記実施形態と同様、クラッド層331となるn型InP層、量子井戸層332、クラッド層333となるp型InP層とを備える。量子井戸層332の層構成は、量子井戸層132と同様である。
さらに、デバイス構造33は、レーザ部33A、第一導波路部33B、第二導波路部33Cを備える。レーザ部33A、第一導波路部33B、第二導波路部33Cは、それぞれ半導体層12からの高さが異なっている。
具体的には、レーザ部33Aのクラッド層331の厚みは、1μm〜2μmであり、第二導波路部33Cのクラッド層331の厚みよりも厚い。第二導波路部33Cのクラッド層331の厚みは0.5〜1.2μmである。
さらに、レーザ部33Aの量子井戸層332の厚みは、0.2〜0.3μmであり、第二導波路部33Cの量子井戸層332の厚みよりも厚い。第二導波路部33Cの量子井戸層332の厚みは、0.1〜0.2μmである。
また、レーザ部33Aのクラッド層333の厚みは、1μm〜2μmであり、第二導波路部33Cのクラッド層333の厚みよりも厚い。第二導波路部33Cのクラッド層333の厚みは、0.5〜1.2μmである。
レーザ部33A、第二導波路部33Cは、それぞれ延在方向の厚みは均一であるが、第一導波路部33Bは、レーザ部33Aから第二導波路部33Cに向かって各層131,132,133の厚みが徐々に薄くなっている。第一導波路部33Bのレーザ部33A側のクラッド層331の厚みは、レーザ部33Aのクラッド層331の厚みと等しく、第一導波路部33Bの第二導波路部33C側のクラッド層331の厚みは、第二導波路部33Cのクラッド層331の厚みと等しい。
さらには、第一導波路部33Bのレーザ部33A側の量子井戸層332の厚みは、レーザ部33Aの量子井戸層332の厚みと等しく、第一導波路部33Bの第二導波路部33C側の量子井戸層332の厚みは、第二導波路部33Cの量子井戸層332の厚みと等しい。
さらには、第一導波路部33Bのレーザ部33A側のクラッド層333の厚みは、レーザ部33Aのクラッド層333の厚みと等しく、第一導波路部33Bの第二導波路部33C側のクラッド層333の厚みは、第二導波路部33Cのクラッド層333の厚みと等しい。
レーザ部33Aの量子井戸層332で発光した光は、第一導波路部33Bの量子井戸層332を介して、第二導波路部33Cまで伝搬し、第二導波路部33Cの量子井戸層332を通る。このように、光を伝搬することができる。
ここで、レーザ部33Aの量子井戸層332と、第二導波路部33Cの量子井戸層332とは厚みが異なるため、屈折率も異なっている。しかしながら、第一導波路部33Bは、レーザ部33Aから第二導波路部33Cに向かって量子井戸層332の厚みが徐々に薄くなっていることから、屈折率の急激な変化が抑制されている。従って、屈折率が変化することによる光の伝搬損失の発生を抑制することができ、伝搬損失が低減された半導体装置3とすることができる。
以上のような半導体装置3は、以下のようにして製造することができる。
前記実施形態と同様の方法で、下地基板11上に半導体層12を形成する。
次に、選択成長法により、デバイス構造33を形成する。はじめに、図5に示すように、半導体層12上にマスクMを形成する。マスクMは、たとえば、SiOマスクである。マスクMは、幅広部M1と、この幅広部M1に接続された幅狭部M2とを有する。この一対のマスクMを、半導体層12が露出した領域を挟んで、対向するように配置する。この一対のマスクMで挟まれた領域(A、B)上にデバイス構造33が形成されるが、マスクの幅広部で挟まれた領域Aにレーザ部33Aが形成され、マスクMの幅狭部で挟まれた領域Bに第一導波路部33B、第二導波路部33Cが形成されることとなる。
その後、マスクMが形成された半導体層12上にMOVPE法により、デバイス構造33を形成する。マスクM上での原料のマイグレーションと気相拡散との影響により、マスクM間の領域A,B内での結晶成長速度に差が生じる。すなわち、領域Aでは結晶成長が速くなり、領域Bでは結晶成長が遅くなる。これにより、厚さの異なるレーザ部33A、第一導波路部33B、第二導波路部33Cが形成されることとなる。
このような第二実施形態では、第一実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、本発明の半導体装置を、図6に示す半導体装置4としてもよい。
この半導体装置4は、波長分波器であり、前記各実施形態と同様の下地基板11と半導体層12とを備える。半導体層12上には、半導体層12からの厚みが異なるデバイス構造(導波路)13が複数配置されている。
図6左側から順に、デバイス構造13のクラッド層131、量子井戸層132、クラッド層133の各層の厚みが厚くなる。
このようにすることで、各デバイス構造13の量子井戸層132の屈折率が異なることとなる。従って、各デバイス構造13の量子井戸層132を伝搬する光の波長が異なることとなり、各デバイス構造13を伝搬する光に位相差が生じる。そして、スラブ導波路42を介して、各出力導波路41から光が出射することとなる。
このような半導体装置4のデバイス構造13は選択成長法により製造することができる。
さらに、第一実施形態では、半導体層12上にデバイス構造13として、クラッド層131、133、活性層132を形成しており、デバイス構造13は発光体であったが、これに限らず、デバイス構造を受光体としてもよい。たとえば、p型半導体層と、n型半導体層と、これらの間に配置された光吸収層とを備える構造としてもよい。
さらには、デバイス構造を電子デバイス構造としてもよい。たとえば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)としてもよい。この場合には、テンプレート基板上に電子走行層と、電子供給層とを積層した構造となる。
上述したいずれの場合にも、デバイス構造は、III-V族半導体の閃亜鉛鉱型構造の単結晶層の積層体で構成されることが好ましい。
さらに、前記各実施形態では、半導体層12上にデバイス構造を一つ形成したが、これに限らず、複数形成してもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
第一実施形態と同様の半導体装置を製造した。
はじめに、下地基板11として、直径2インチの単結晶シリコン基板(Si(100)基板)を用意した。
次に、InP層からなる半導体層12を用意した。半導体層12は、以下のようにして製造した。前記各実施形態と同様に、InP基板(InP(100)基板)21を用意し、このInP基板21の(100)面上に100nmのGaInAs層22を、MOVPE法により、エピタキシャル成長させた。その後、GaInAs層22上に780nmの半導体層12となるInP層12をMOVPE法により、エピタキシャル成長させた。これにより、InP基板21、GaInAs層22およびInP層12からなる積層体を得た。
GaInAs層22の製造条件は、以下の通りである。
・原料:TEG(tri-ethyl-gallium)5.38μmol/min、TMI(tri-methyl-indium)3.93μmol/min、TBA(tertiary-butyl-arsine)53.5μmol/min
・温度:630℃
・圧力:60Torr
・キャリアガス:水素ガス
また、InP層12の製造条件は、以下の通りである。
・原料:TMI(tri-methyl-indium)3.93μmol/min、TBP(tertiary-butyl-phosphorus)992μmol/min
・温度:630℃
・圧力:60Torr
・キャリアガス:水素ガス
・ドーパント:DTBSi(di-tertiary-butyl-silane)
次に、シリコン基板表面((100)面)と、InP基板21、GaInAs層22およびInP層12からなる積層体のInP層12表面とを超音波洗浄し、各表面に付着しているパーティクルを除去した。
その後、シリコン基板をHF溶液に浸し、表面の酸化膜を除去した。
次に、シリコン基板表面と前記積層体のInP層12の表面を、アンモニア、過酸化水素、水を含む溶液(アンモニア:過酸化水素:水=1:4:20(重量比))で洗浄した。さらに、前記各表面を硫酸、過酸化水素、水を含む溶液(硫酸:過酸化水素:水=3:1:1(重量比))で洗浄し、さらに、脱イオン水で洗浄することで、各表面を親水性とした。
その後、脱イオン水中で、シリコン基板表面とInP層12表面とを接触させた。次に、脱イオン水中からシリコン基板、前記積層体を取り出し、窒素還流下で常温で乾燥した。
この乾燥後、シリコン基板表面と、InP層12表面とは、ファンデルワールス力、あるいは、水素架橋構造により密着している。
その後、窒素雰囲気下で、積層体のInP層12と下地基板11とを加熱圧着し、下地基板11とInP層12とを加熱接合した。積層体のInP層12と下地基板11とを加熱圧着する際の圧力は、8.3N/cmとした。また、加熱温度は、450℃であり、前記加圧力をかけながら、1時間加熱した。
これにより、下地基板11とInP層12とが溶融し、圧着接合された。下地基板11とInP層12の界面には、数原子層の厚さの遷移層(下地基板11を構成する原子と、InP層12を構成する原子とが混ざり合った層)が形成されていることが確認できた。ただし、この遷移層以外の領域においては、遷移層は存在せず、InP層12本来の結晶格子の形状が維持されている。
その後、InP基板21を25℃のエッチャント(具体的には塩酸)に浸漬して、InP基板21を除去した。ここで使用するエッチャントは、InP基板21をエッチングするものの、GaInAs層22はほとんどエッチングしない。選択比(InP基板21のエッチング速度/GaInAs層22のエッチング速度で示されるエッチング速度比)は、5000以上であった。
次に、GaInAs層22を25℃のエッチャント(具体的には硫酸)に浸漬して、GaInAs層22を除去した。ここで使用するエッチャントは、GaInAs層22をエッチングするものの、InP層12はほとんどエッチングしない。InP層12と、GaInAs層22との選択比(GaInAs層22のエッチング速度/InP層12のエッチング速度で示されるエッチング速度比)は、10以上であった。
以上により、下地基板11とInP層12とで構成されるテンプレート基板を得ることができた。このようにして得られたテンプレート基板のInP層12の厚さは、780nmであった。InP層12の下地基板11と反対側の表面は結晶面((100)面)で構成されていた。さらに、AFMで計測したテンプレート基板のInP層12表面の表面粗さの測定結果を図7に示す。InP層12の中央部の10μm角の基準領域の表面粗さ(RMS)は2.040nmであった。なお、図7は、RMSを計測した10μm角の基準領域を示す図であり、A-B,C-Dは、基準領域内の一部を計測した例を示している。
さらに、X線回折により、テンプレート基板のInP層12と、InP基板とにかかる圧縮歪を計測した。InP層12には、InP基板の1.25倍の圧縮歪がかかっていることがわかった。
次に、InP層12上に、前記第一実施形態と同様のクラッド層131、量子井戸層132、クラッド層133を形成した。
クラッド層131は、InP層であり、MOVPE法で作製した。製造条件は以下の通りである。
・原料:TMI(tri-methyl-indium)3.93μmol/min、TBP(tertiary-butyl-phosphorus)992μmol/min
・温度:630℃
・圧力:60Torr
・キャリアガス:水素ガス
・ドーパント:なし
次に、量子井戸層132をMOVPE法で製造した。量子井戸層132は、GaInAs層と、InP層とをこの順にそれぞれ10層、交互に積層したものである。本実施例では、GaInAs層の厚みは、2.5nmであり、InP層の厚みは、10nmであった。
GaInAs層の製造条件は以下の通りである。
・原料:TEG(tri-ethyl-gallium)5.38μmol/min、TMI(tri-methyl-indium)3.93μmol/min、TBA(tertiary-butyl-arsine)53.5μmol/min
・温度:630℃
・圧力:60Torr
・キャリアガス:水素ガス
InP層の製造条件は、以下の通りである。
・原料:TMI(tri-methyl-indium)3.93μmol/min、TBP(tertiary-butyl-phosphorus)992μmol/min
・温度:630℃
・圧力:60Torr
・キャリアガス:水素ガス
次に、量子井戸層132上にクラッド層133を形成した。
クラッド層133は、InP層であり、MOVPE法で作製した。製造条件は以下の通りである。
・原料:TMI(tri-methyl-indium)3.93μmol/min、TBP(tertiary-butyl-phosphorus)992μmol/min
・温度:630℃
・圧力:60Torr
・キャリアガス:水素ガス
・ドーパント:なし
クラッド層133表面の表面粗さをAFMで計測した。結果を図8に示す。クラッド層133の中央部の10μm角の基準領域の表面粗さ(RMS)は2.008nmであった。なお、クラッド層133の中央部は、前述したInP層12の中央部の直上の領域である。
また、図8は、RMSを計測した10μm角の基準領域の一部を示す図であり、A-B,C-Dは、基準領域内の一部を計測した例を示している。
(実施例2)
下地基板として、4μmのSiO膜が形成されたシリコン基板を使用した。SiO膜は、シリコン基板の表面全面を被覆している。
SiO膜は、熱酸化法によってシリコン基板上に形成した。
本実施例では、シリコン基板上に形成されたSiO膜と、InP層12とを接合した。また、量子井戸層132のGaInAs層の厚みを6.1nmとした。
他の点は実施例1と同様である。
テンプレート基板のInP層の厚さは、780nmであった。テンプレート基板のInP層表面の中央部の10μm角の基準領域の表面粗さ(RMS)は2.040nmであった。
また、クラッド層133表面の表面粗さをAFMで計測した。クラッド層133の中央部の10μm角の基準領域の表面粗さ(RMS)は2.008nmであった。
(実施例3)
下地基板として、ホウ珪酸ガラスからなるガラス基板を使用した。また、量子井戸層132のGaInAs層の厚みを6.1nmとした。
他の点は実施例1と同様である。
テンプレート基板のInP層の厚さは、780nmであった。テンプレート基板のInP層表面の表面粗さ(RMS)は2.040nmであった。
また、クラッド層133表面の表面粗さをAFMで計測した。クラッド層133の中央部の10μm角の基準領域の表面粗さ(RMS)は2.008nmであった。
(参考例1)
InP基板上に、実施例1と同様のデバイス構造を作製した。参考例1では、実施例1においてデバイス構造を形成する際に、実施例1のテンプレート基板と同じチャンバ内にInP基板を入れ、実施例1でデバイス構造を成長させるのと同時に、InP基板上にデバイス構造を成長させている。
(参考例2)
InP基板上に、実施例2と同様のデバイス構造を作製した。参考例2では、実施例2においてデバイス構造を形成する際に、実施例2のテンプレート基板と同じチャンバ内にInP基板を入れ、実施例2でデバイス構造を成長させるのと同時に、InP基板上にデバイス構造を成長させている。
(参考例3)
InP基板上に、実施例3と同様のデバイス構造を作製した。参考例3では、実施例3においてデバイス構造を形成する際に、実施例3のテンプレート基板と同じチャンバ内にInP基板を入れ、実施例3でデバイス構造を成長させるのと同時に、InP基板上にデバイス構造を成長させている。
図9に、実施例1の半導体装置のPL発光強度の測定結果を示す。同様に、図9に参考例1の半導体装置のPL発光強度の測定結果を示す。測定は25℃で実施され、532nmの波長の光を量子井戸層に照射した。なお、PL発光強度を計測した領域は、半導体装置を平面視した際の中央部の領域(半導体層12の表面粗さを計測した領域上)である。図10、11においても同様である。
点線のグラフが実施例1の結果であり、実線のグラフが参考例1の結果である。実施例1では、参考例1のようにInP基板上に直接デバイス構造を形成した場合と同様の結果を得ることができた。すなわち、実施例1の半導体装置のPL発光強度のピーク位置は、参考例1の半導体装置のPL発光強度の位置とほぼ同じであった。さらに、実施例1の半導体装置のピーク強度は、参考例1の半導体装置のピーク強度の91.8%であった。
さらに、図10に、実施例2および参考例2の半導体装置のPL発光強度の測定結果を示す。測定は25℃で実施され、532nmの波長の光を量子井戸層に照射した。点線のグラフが実施例2の結果であり、実線のグラフが参考例2の結果である。
実施例2の半導体装置のPL発光強度のピーク位置は、参考例2の半導体装置のPL発光強度のピーク位置から50nm程度ずれていた。さらに、実施例2の半導体装置のピーク強度は、参考例2の半導体装置のピーク強度の97.6%であった。
また、図11に、実施例3および参考例3の半導体装置のPL発光強度の測定結果を示す。測定は25℃で実施され、532nmの波長の光を量子井戸層に照射した。点線のグラフが実施例3の結果であり、実線のグラフが参考例3の結果である。
実施例3の半導体装置のPL発光強度のピーク位置は、参考例3の半導体装置のPL発光強度のピーク位置から100nm程度ずれていた。さらに、実施例3の半導体装置のピーク強度は、参考例3の半導体装置のピーク強度の115%程度であった。
実施例1においては、下地基板と半導体層12とを加熱接合する際に発生する半導体層12中の圧縮歪が非常に小さかったものの、量子井戸層に格子不整合による歪がわずかに存在し、PL発光強度のピーク位置が参考例1のPL発光強度のピーク位置からわずかであるが、ずれてしまったと考えられる。
実施例2,3においては、下地基板と半導体層12とを加熱接合する際に、下地基板と半導体層12との線膨張係数差に起因して発生する半導体層12中の圧縮歪が大きくなり、量子井戸層に歪がかかり、PL発光強度のピーク位置が参考例2,3のPL発光強度のピーク位置からずれてしまったと考えられる。
ただし、いずれの実施例においても、所定の発光強度を得ることができ、下地基板の種類によらず、所望のデバイス構造を得ることができることが確認できた。
さらに、図12に、半導体層12の表面粗さと、量子井戸層のPL発光強度との関係を示す。実施例2で得られた半導体装置では、半導体層12の表面粗さ(RMS)が面内で異なっている。半導体層12の周縁部は中央部よりも表面粗さが粗くなっている。実施例2で得られた半導体装置を、半導体層12の表面粗さRMSが異なる領域ごとに計測した結果を図12に示している。
図12から、半導体層12の表面粗さが小さいほど、PL発光強度が大きくなることがわかり、半導体層12の表面粗さ(RMS)が1〜30nm、特には1〜20nm、さらには、10nm以下であることが好ましいことがわかる。
1 半導体装置
3 半導体装置
4 半導体装置
11 下地基板
12 半導体層
13 デバイス構造
16 電極
17 電極
20 層
21 基板
22 下地層
33 デバイス構造
33A レーザ部
33B 第一導波路部
33C 第二導波路部
41 出力導波路
42 スラブ導波路
111 基板
112 SiO
131 クラッド層
132 量子井戸層
133 クラッド層
331 クラッド層
332 量子井戸層
333 クラッド層
A 領域
B 領域
M マスク
M1 幅広部
M2 幅狭部

Claims (15)

  1. 下地基板およびこの下地基板に加熱接合された閃亜鉛鉱型構造の第一の単結晶半導体層を含むテンプレート基板と、
    前記テンプレート基板の前記第一の単結晶半導体層上で成長した、第二の単結晶半導体層を含むデバイス構造とを含む半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記テンプレート基板の前記第一の単結晶半導体層は、III-V族半導体の単結晶層である半導体装置。
  3. 請求項2に記載の半導体装置において、
    前記テンプレート基板の前記第一の単結晶半導体層は、III族元素として、Al、In、Gaからなる群から選択される1種以上を含み、
    V族元素として、AsおよびPのうち1種以上を含む半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記テンプレート基板の前記第一の単結晶半導体層の前記デバイス構造が形成された側の表面が、結晶面で構成された半導体装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記デバイス構造の最上層の半導体層は、表面粗さRMSが1nm以上、30nm以下である領域を含む半導体装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記第一の単結晶半導体層の厚みが500nm以上、2000nm以下である半導体装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記デバイス構造は、前記第二の単結晶半導体層を含むIII-V族半導体単結晶層の積層体である半導体装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記下地基板は、シリコン基板、前記第一の単結晶半導体層側にSiO膜が設けられた基板、ガラス基板のいずれかである半導体装置。
  9. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第一の単結晶半導体層上には、複数の前記デバイス構造が設けられている半導体装置。
  10. 単結晶半導体層を含むデバイス構造を積層するためのテンプレート基板であって、
    下地基板と、
    この下地基板に加熱接合された閃亜鉛鉱型構造の第一の単結晶半導体層とを備えるテンプレート基板。
  11. 請求項10に記載のテンプレート基板において、
    前記第一の単結晶半導体層の前記下地基板と反対側の表面が結晶面であるテンプレート基板。
  12. 請求項10または11に記載のテンプレート基板において、
    前記第一の単結晶半導体層の前記下地基板と反対側の表面に表面粗さRMSが1nm以上、30nm以下である領域を有するテンプレート基板。
  13. 下地基板を用意する工程と、
    前記下地基板に、閃亜鉛鉱型構造の第一の単結晶半導体層を加熱接合し、前記下地基板と前記第一の単結晶半導体層とを含むテンプレート基板を得る工程と、
    前記第一の単結晶半導体層上に、第二の単結晶半導体層を成長させて、デバイス構造を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法。
  14. 請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
    テンプレート基板を得る前記工程では、
    イオン注入されていない前記第一の単結晶半導体層を前記下地基板に対して加熱圧着する半導体装置の製造方法。
  15. 請求項13または14に記載の半導体装置の製造方法において、
    テンプレート基板を得る前記工程では、
    前記第一の単結晶半導体層を、下地層の結晶面上にエピタキシャル成長させ、
    前記下地層付きの前記第一の単結晶半導体層を前記下地基板に対して加熱圧着した後、前記下地層のエッチングレートが前記第一の単結晶半導体層のエッチングレートよりも大きくなる条件下で、前記下地層をウェットエッチングすることにより、前記下地層を除去する半導体装置の製造方法。







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