JP2014024925A - 熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】特に低熱膨張性、耐熱性に優れる樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及び、プリント配線板を提供する。
【解決手段】リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)、分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)、酸性置換基を有するアミン化合物(c)及び分子構造中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)が配合されたものであることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板である。
【選択図】なし

Description

本発明は半導体パッケージやプリント配線板用に好適な熱硬化性樹脂組成物に関し、詳しくは特に耐熱性を維持しつつ、低熱膨張性に優れる熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板に関する。
近年の電子機器の小型化・高性能化により、プリント配線板では配線密度の高度化、高集積化が進展し、これに伴って配線用積層板の信頼性向上への要求が強まっている。このような用途においては、優れた耐熱性及び低熱膨張性を兼備することが要求される。
プリント配線板用積層板としては、エポキシ樹脂を主剤とした樹脂組成物とガラス織布とを硬化・一体成形したものが一般的である。
エポキシ樹脂は、絶縁性や耐熱性、コスト等のバランスに優れるが、近年のプリント配線板の高密度実装、高多層化構成にともなう耐熱性向上への要請に対応するには、どうしてもその耐熱性の向上には限界がある。
また、エポキシ樹脂は、熱膨張率が大きいため、芳香環を有するエポキシ樹脂の選択やシリカ等の無機充填材を高充填化することで低熱膨張化を図っている(例えば、特許文献1参照)。しかし、無機充填材の充填量を増やすことは、吸湿による絶縁信頼性の低下や樹脂−配線層の密着不足、プレス成形不良を起こすことが知られている。
高密度実装、高多層化積層板に広く使用されているポリビスマレイミド樹脂は、接着性に難点があり、低熱膨張性も十分ではない。
エポキシ樹脂及びフェノール樹脂と変性イミド樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。この変性イミド樹脂含有組成物は耐湿性や接着性が改良されるものの、メチルエチルケトン等の汎用性溶媒への可溶性確保のため水酸基とエポキシ基を含有する低分子化合物で変性するので、得られる変性イミド樹脂の耐熱性がポリビスマレイミド樹脂と比較すると、大幅に劣るという問題がある。
さらに、特に近年、半導体用パッケージ基板では、小型化、薄型化に伴い、部品実装時やパッケージ組み立て時において、チップと基板との熱膨張率の差に起因した反りが大きな課題となっている。
特開平5−148343号公報 特開平6−263843号公報
本発明の目的は、こうした現状に鑑み、特に耐熱性および低熱膨張性に優れる樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の硬化促進剤、マレイミド化合物及びアミン化合物が配合された樹脂組成物が上記目的に沿うものであることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供するものである。
1.リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)、分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)、酸性置換基を有するアミン化合物(c)及び分子構造中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)が配合されたものであることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
2.分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)、酸性置換基を有するアミン化合物(c)及び分子構造中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)、を反応させて得られる、アミノ基、イミド基及びN−置換マレイミド基を有するアミノ変性樹脂と、リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)とが配合されたものであることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
3.リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)がキノン類骨格を有する化合物である上記1又は2の熱硬化性樹脂組成物。
4.リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)のアルキル基がn−ブチル基である上記3の熱硬化性樹脂組成物。
5.さらに、エポキシ樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一種の熱硬化性樹脂(e)を含有する上記1〜4の熱硬化性樹脂組成物。
6.さらに、無機充填材を含有する上記1〜5いずれかの熱硬化性樹脂組成物。
7.上記1〜6いずれかの熱硬化性樹脂組成物を基材に含侵又は塗工した後、Bステージ化されていることを特徴とするプリプレグ。
8.絶縁樹脂層が上記7のプリプレグを用いて形成されたものであることを特徴とする積層板。
9.上記8の積層板における絶縁樹脂層の片面又は両面に配置された金属箔を回路加工して得られたものであることを特徴とするプリント配線板。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸、又は塗工して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した積層板、及び該積層板を用いて製造された多層プリント配線板は、従来の性能を維持しつつ、特に耐熱性、低熱膨張性などに優れており、高集積化された電子機器用プリント配線板として有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)、分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)、酸性置換基を有するアミン化合物(c)及び分子構造中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)、が配合されたものである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)を用いることにより、硬化が十分に進み、低熱膨張性化および耐熱性を向上することが出来る。
リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)としては、ブチルホスフィン、ジブチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、トリエチルホスフィンのようなアルキル基を有するホスフィンや、これらのホスフィン類のボロン錯体、これらのホスフィン類とキノン類との付加物などがあげられるが、これらのうちでも、ホスフィン類とキノン類との付加物であることが好ましい。
ホスフィン類とキノン類との付加物に用いられるホスフィン類としては、少なくとも1個のアルキル基が結合したホスフィンであればよいが、例えば、メチルホスフィン、ジメチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、のような、ジアルキルモノアリールホスフィンやアルキルジアリールホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンのような脂環式の炭化水素が結合したホスフィンなどがあげられる。
また、ホスフィン類とキノン類との付加物に用いられるキノン類としてはo−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ジフェノキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノンなどが挙げられ、なかでもp−ベンゾキノンが耐湿性、保存安定性の点から好ましい。
ホスフィン類とキノン類との付加物の製造方法としては特に限定はされないが、原料となる第三級ホスフィンとキノン類がともに溶解する溶媒中で両者を撹拌混合する方法等が挙げられる。この場合の製造条件としては、室温から80℃の範囲で、原料の溶解度が高く生成した付加物の溶解度が低いメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類などの溶媒中で、1時間〜12時間撹拌し、付加反応させることが好ましい。
このようにして得られるホスフィン類とキノン類との付加物としては、例えば、下記一般式(I)で表されるものがあげられる。
Figure 2014024925
一般式(I)中のRは、水素原子または1価のアルキル基を表し、1価のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、これらは単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的な付加物としては、トリオクチルホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物、トリシクロへキシルホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物、トリ(n−ブチル)ホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物などがあり、これらのうちでも、トリ(n−ブチル)ホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物が好ましく、特に低熱膨張性の点で好ましく用いられる。これらは、単独でも2種以上併用して用いても良い。
配合量としては、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部に対して、0.1〜2.0質量部程度が好ましく、より好ましくは0.3〜0.7質量部程度である。この範囲で用いることで、低熱膨張性および耐熱性を向上することができる。
分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)は、市販品を用いることができ、例えば、両末端にアミノ基を有する「PAM−E」(官能基当量130)、「KF−8010」(官能基当量430)、「X−22−161A」(官能基当量800)、「X−22−161B」(官能基当量1500)、「KF−8012」(官能基当量2200)、「KF−8008」(官能基当量5700)〔以上、信越化学工業(株)製〕、「BY16−871」(官能基当量130)、「BY16−853U」(官能基当量460)〔以上、東レダウコーニング(株)製〕、ジアミノベンジジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル−6,6’−ジスルホン酸、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ビフェニルジオール、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、o−トリジンスルホン等が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
配合量としては、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部に対して、3〜50質量部程度が好ましく、より好ましくは5〜35質量部程度である。この範囲の配合量とすることで、低熱膨張性および銅箔接着性が向上するため好ましい。
酸性置換基を有するアミン化合物(c)は、例えば、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3,5−ジヒドロキシアニリン、3,5−ジカルボキシアニリン等が挙げられ、これらの中で、溶解性や合成の収率の点からm−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、及び3,5−ジヒドロキシアニリンが好ましく、耐熱性の点からm−アミノフェノール及びp−アミノフェノールがより好ましく、低熱膨張性の点からp−アミノフェノールが特に好ましい。
配合量としては、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部程度が好ましく、より好ましくは0.7〜3%質量部程度である。この範囲の配合量とすることで、耐熱性および低熱膨張性が向上するため好ましい。
1分子構造中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)としては、例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、反応率が高く、より高耐熱性化できるビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンが好ましく、溶剤への溶解性の点から、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンがより好ましく、安価である点からビス(4−マレイミドフェニル)メタンが特に好ましい。
なお、配合量としては、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部に対して、30〜80質量部程度が好ましく、より好ましくは35〜65質量部程度である。この範囲の配合量とすることで、弾性率および低熱膨張性が向上するため好ましい。
以上のような、分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)、酸性置換基を有するアミン化合物(c)及び1分子構造中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)は、それぞれ熱硬化性樹脂組成物に配合されていてもよいが、これらの化合物(b)、(c)および(d)を、必要により加熱・保温し、あらかじめ反応させてアミノ基、イミド基及びN−置換マレイミド基を有するアミノ変性樹脂として、配合することもできる。
この際のマレイミド化合物(d)の使用量は、ゲル化の防止と耐熱性の観点から、マレイミド化合物(d)のマレイミド基の当量が、アミン化合物(b)及び(c)の一級アミノ基の当量を超える範囲であることが望ましい。なお、アミン化合物(b)の量はアミン化合物(c)の量の7〜35倍程度であることが、耐熱性の点から好ましい。
マレイミド化合物(d)の反応の温度は70〜200℃とすることが好ましく、反応時間は0.5〜10時間とすることが好ましい。
以上の反応で使用される有機溶媒は、特に制限されないが、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチルエステルやγ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶剤、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、溶解性の点からシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、γ−ブチロラクトンが好ましく、低毒性であることや揮発性が高くプリプレグの製造時に残溶剤として残りにくい点から、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルアセトアミドが特に好ましい。
有機溶媒の使用量は、溶解性と反応時間の観点から、分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)、酸性置換基を有するアミン化合物(c)及び1分子構造中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)の合計量100質量部当たり、25〜1000質量部とすることが好ましく、40〜700質量部とすることがより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、さらに熱硬化性の樹脂を配合してもよく、このような熱硬化性樹脂(e)としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。これらの中で、成形性や電気絶縁性の点からエポキシ樹脂、シアネート樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、トリフェノールフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノール類及びアントラセン等の多環芳香族類のジグリシジルエーテル化合物およびこれらにリン化合物を導入したリン含有エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの中で、耐熱性、難燃性の点からビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。これらは1種又は2種以上を混合して使用できる。
また、シアネート樹脂としては、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂などのビスフェノール型シアネート樹脂およびこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどを挙げることができる。これらの中で耐熱性、難燃性の点からノボラック型シアネート樹脂が好ましい。これらは1種又は2種以上を混合して使用できる。
なお、これらの熱硬化性樹脂の配合量としては、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部に対して、5〜50質量部程度が好ましく、10〜40質量部程度であることがより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、任意に無機充填材を配合することができる。無機充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、EガラスやTガラス、Dガラス等のガラス粉や中空ガラスビーズ等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
無機充填材としては、誘電特性、耐熱性、低熱膨張性の点からシリカが特に好ましい。シリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられ、乾式法シリカとしてはさらに、製造法の違いにより破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融球状シリカが挙げられる。これらの中で、低熱膨張性及び樹脂に充填した際の高流動性から溶融球状シリカが好ましい。
無機充填材として溶融球状シリカを用いる場合、その平均粒子径は0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜8μmであることがより好ましい。該溶融球状シリカの平均粒子径を0.1μm以上にすることで、樹脂に高充填した際の流動性を良好に保つことができ、さらに10μm以下にすることで、粗大粒子の混入確率を減らし粗大粒子起因の不良の発生を抑えることができる。ここで、平均粒子径とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、ちょうど体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
無機充填材の配合量は、熱硬化性樹脂組成物中の固形分換算樹脂成分合計量100質量部当たり20〜300質量部であることが好ましく、50〜200質量部であることがより好ましい。無機充填材の配合量を20〜300質量部にすることで、プリプレグの成形性と低熱膨張性を良好に保つことができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、樹脂組成物として熱硬化性の性質を損なわない程度に、熱可塑性樹脂、エラストマー、有機充填材、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び接着性向上剤等を使用できる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
有機充填材の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等よりなる均一構造の樹脂フィラー、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、共役ジエン系樹脂等よりなるゴム状態のコア層と、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、シアン化ビニル系樹脂等よりなるガラス状態のシェル層を持つコアシェル構造の樹脂フィラーが挙げられる。
難燃剤の例としては、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、赤リン等のリン系難燃剤、スルファミン酸グアニジン、硫酸メラミン、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、シクロホスファゼン、ポリホスファゼン等のホスファゼン系難燃剤、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤が挙げられる。
その他、紫外線吸収剤の例としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化防止剤の例としてはヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系酸化防止剤、光重合開始剤の例としてはベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系の光重合開始剤、蛍光増白剤の例としてはスチルベン誘導体の蛍光増白剤、接着性向上剤の例としては尿素シラン等の尿素化合物やシラン系、チタネート系、アルミネート系等のカップリング剤が挙げられる。
また、配合時、無機充填材をシラン系、チタネート系等のカップリング剤、シリコーンオリゴマー等の表面処理剤で前処理、あるいはインテグラルブレンド処理することも好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、通常、希釈溶媒として有機溶媒を使用し、ワニスとして使用される。該有機溶媒は特に制限されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メチルセロソルブ等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
最終的に得られるワニス中の樹脂組成物は、ワニス全体の40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。ワニス中の樹脂組成物の含有量を40〜90質量%にすることで、塗工性を良好に保ち、適切な樹脂組成物付着量のプリプレグを得ることができる。
本発明のプリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工した後、Bステージ化してなるものである。すなわち、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は、吹付け、押出し等の方法で塗工した後、加熱等により半硬化(Bステージ化)して本発明のプリプレグを製造する。以下、本発明のプリプレグについて詳述する。
本発明のプリプレグに用いられる基材として、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。その材質の例としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレン等の有機繊維、並びにそれらの混合物等が挙げられる。
これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。
基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。
該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。
本発明の積層板は、絶縁樹脂層が本発明のプリプレグを用いて形成されたものであり、前述のプリプレグを用いて、積層成形して、本発明の積層板を形成することができる。例えば、前述のプリプレグを、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅及びアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより積層板を製造することができる。金属箔は、電気絶縁材料用積層板で用いるものであれば特に制限されない。また、成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPa、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと内層用配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
本発明のプリント配線板は、本発明の積層板における絶縁樹脂層の片面又は両面に配置された金属箔を回路加工して得られたものである。すなわち、本発明の積層板の導体層を通常のエッチング法によって配線加工し、前述のプリプレグを介して配線加工した積層板を複数積層し、加熱プレス加工することによって一括して多層化した後、ドリル加工又はレーザ加工によるスルーホール又はブラインドビアホールの形成と、メッキ又は導電性ペーストによる層間配線の形成を経て多層プリント配線板を製造することができる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
なお、以下の実施例で得られた銅張積層板は、以下の方法で性能を測定・評価した。
(1)ガラス転移温度(Tg)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用いて圧縮法で熱機械分析をおこなった。評価基板を前記装置にX方向に装着後、荷重5g、昇温速度10℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における熱膨張曲線の異なる接線の交点で示されるTgを求め、耐熱性を評価した。
(2)熱膨張率
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用いて圧縮法で熱機械分析をおこなった。評価基板を前記装置にX方向に装着後、荷重5g、昇温速度10℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における30℃から100℃までの平均熱膨張率を算出し、これを熱膨張率の値とした。
(3)曲げ弾性率の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた50mm×25mmの評価基板を作製し、オリエンテック社製5トンテンシロンを用い、クロスヘッド速度1mm/minスパン間距離20mmで測定した。なお、配線板としては、通常、28GPa程度以上の曲げ弾性率が求められる。
(4)銅箔接着性(銅箔ピール強度)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより3mm幅の銅箔を形成して評価基板を作製し、引張り試験機を用いて銅箔の接着性(90°ピール強度)を測定した。なお、配線板としては、通常、0.6KN/m程度以上のピール強度が求められる。
(5)耐デスミア性の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた40mm×40mmの評価基板を、下記の表1に示す工程によりデスミア処理した。薬液はアトテック社製を用いた。耐デスミア性の評価は、デスミア処理前の乾燥重量に対するデスミア処理後の重量差から算出した。この量が少ないほど、耐デスミア性に優れるものであるが、配線板としては、通常、3.0g/m2程度以下であることが求められる。
Figure 2014024925
実施例1〜10、比較例1〜4
以下に示す各成分を表2〜表4に示した配合割合(質量部)で混合し、溶媒にメチルエチルケトンを用いて樹脂分65質量%の均一なワニスを作製した。次に、このワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量48質量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを4枚重ね、12μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力2.5MPa、温度240℃で60分間プレスを行って、銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の試験・評価した結果を表2〜表4に示す。
第三ホスフィンとキノン類との付加物(a)
(a−1)トリオクチルホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物
(a−2)トリシクロへキシルホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物
(a−3)トリ(n−ブチル)ホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物
(a)の製造方法は、原料となる第三級ホスフィンとp−ベンゾキノンとがともに溶解する溶媒中で両者を撹拌混合する方法で合成できる。製造条件としては、室温から80℃の範囲で、原料の溶解度が高く生成した付加物の溶解度が低いメチルイソブチルケトン中で、1時間〜12時間撹拌する条件である。
分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)
(b−1)両末端ジアミン変性シロキサン
〔信越化学工業(株)製;商品名:X−22−161A〕
(b−2)両末端ジアミン変性シロキサン
〔信越化学工業(株)製;商品名:X−22−161B〕
(b−3)3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
〔日本化薬 製;商品名:KAYAHARD A−A〕
(b−4)2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
〔和歌山精化 製;商品名:BAPP〕
酸性置換基を有するアミン化合物(c)
(c−1)芳香族アミン
〔関東化学(株)製;p−アミノフェノール〕
(c−2)芳香族アミン
〔関東化学(株)製;m−アミノフェノール〕
少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)
(d−1)ビス(4−マレイミドフェニル)メタン
〔ケイ・アイ化成(株)製;商品名:BMI〕
(d−2)2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン
〔大和化成工業(株) 製;商品名:BMI−4000〕
製造例1:アミノ変性樹脂(X−1)
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、X−22−161A:99.2gと、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン:54.4gと、p−アミノフェノール:4.8gと、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:125.3g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:250.0gを入れ、100℃で3時間反応させて、酸性置換基を有するアミノ変性樹脂(X−1)含有溶液を得た。
製造例2:アミノ変性樹脂(X−2)
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器にX−22−161B:23.8gと、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン:15.0gと、p−アミノフェノール:4.7gと、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン:123.2g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:250.0gを入れ、115℃で3時間反応させて、酸性置換基を有するアミノ変性樹脂(X−2)含有溶液を得た。
熱硬化性樹脂(e)
(e−1)α−ナフトール/クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
〔日本化薬(株)製;商品名:NC−7000L〕
(e−2)ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂
〔日本化薬(株)製;商品名:NC−3000H〕
硬化促進剤(f)
(f−1)1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール
〔四国化成(株)製;商品名:2MZ−CN〕
(f−2) 2−フェニル−イミダゾール
〔四国化成(株)製;商品名:2PZ〕
無機充填材:溶融シリカ((株)アドマテックス製:商品名:SC2050−KNK)
Figure 2014024925
Figure 2014024925
Figure 2014024925
表2〜表3から明らかなように、本発明の実施例では、ガラス転移温度(Tg)、低熱膨張性、弾性率、銅箔接着性および耐デスミア性の全てに優れている。一方、表4から明らかなように、比較例では、ガラス転移温度(Tg)、低熱膨張性、弾性率、銅箔接着性および耐デスミア性の全ての特性を同時に満たすものはなく、特に低熱膨張率および耐熱性の特性に劣っている。従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、弾性率、銅箔接着性や耐デスミア性などの性能を有しながら、特に低熱膨張率および耐熱性に優れた積層板が得られていることがわかる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、特に低熱膨張率および耐熱性に優れた積層板が得られることから、高密度化、高多層化されたプリント配線板を製造することができ、大量のデータを高速で処理するコンピュータや情報機器端末等の用いられる電子機器の配線板に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)、分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)、酸性置換基を有するアミン化合物(c)及び分子構造中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)が配合されたものであることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)、酸性置換基を有するアミン化合物(c)及び分子構造中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(d)、を反応させて得られる、アミノ基、イミド基及びN−置換マレイミド基を有するアミノ変性樹脂と、リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)とが配合されたものであることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  3. リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)がキノン類骨格を有する化合物である請求項1又は2の熱硬化性樹脂組成物。
  4. リン原子に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物(a)のアルキル基がn−ブチル基である請求項3の熱硬化性樹脂組成物。
  5. さらに、エポキシ樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一種の熱硬化性樹脂(e)を含有する請求項1〜4の熱硬化性樹脂組成物。
  6. さらに、無機充填材を含有する請求項1〜5いずれかの熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれかの熱硬化性樹脂組成物を基材に含侵又は塗工した後、Bステージ化されていることを特徴とするプリプレグ。
  8. 絶縁樹脂層が請求項7のプリプレグを用いて形成されたものであることを特徴とする積層板。
  9. 請求項8の積層板における絶縁樹脂層の片面又は両面に配置された金属箔を回路加工して得られたものであることを特徴とするプリント配線板。
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