以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置100を備えた画像形成装置400を正面から視た概略断面図である。
図1に示す画像形成装置400は、原稿Gの画像を読み取る画像読取装置100と、画像読取装置100により読み取られた原稿Gの画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で普通紙等の記録シートに記録形成する画像形成装置本体400dとを備えており、画像形成装置本体400dの上面に画像読取装置100が装着されている。
[画像形成装置の全体構成について]
画像形成装置本体400dは、露光装置1、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、像担持体として作用する感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、転写部として作用する中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)を含む中間転写ベルト装置8、定着装置12、シート搬送装置50、給紙部として作用する給紙トレイ10、及び、排紙部として作用する排紙トレイ15を備えている。
画像形成装置本体400dにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は、単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)は各色に応じた4種類の画像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれの末尾符号a〜dのうち、aがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションが構成されている。以下、末尾符号a〜dは省略して説明する。
感光体ドラム3は、画像形成装置本体400dの上下方向のほぼ中央に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャ型の帯電器が用いられる。
露光装置1は、ここでは、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニットであり、帯電された感光体ドラム3表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K,C,M,Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去及び回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ローラ6に加えて、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、テンションローラ23及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22、テンションローラ23等のローラ部材は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7を所定のシート搬送方向(図中矢印方向)に周回移動させる。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接されている。
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、各感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。
画像形成装置本体400dは、転写部として作用する転写ローラ11aを含む2次転写装置11をさらに備えている。転写ローラ11aは、中間転写ベルト7の中間転写ベルト駆動ローラ21とは反対側(外側)に接触している。
前述したように各感光体ドラム3表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、2次転写装置11によって記録シート上に転写される。
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録シートに転写させるための電圧(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。
また、2次転写装置11は、トナー像が記録シート上に完全に転写されずに中間転写ベルト7上に残留した残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられており、このクリーニングブレードで残留トナーを除去及び回収することができる。
給紙トレイ10は、記録シートを格納しておくためのトレイであり、画像形成装置本体400dの画像形成部110の下側に設けられている。また、画像形成部110の上側に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みの記録シートをフェイスダウンで載置するためのトレイである。
また、画像形成装置本体400dには、給紙トレイ10の記録シートを2次転写装置11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るためのシート搬送装置50が設けられている。シート搬送装置50は、Sの字形状のシート搬送路Sを有し、シート搬送路Sに沿って、ピックアップローラ16、第1分離ローラ14a、第2分離ローラ14b、各搬送ローラ13、レジスト前ローラ対19、レジストローラ対106、定着装置12及び排紙ローラ17等の搬送部材が配置されている。
ピックアップローラ16は、給紙トレイ10のシート搬送方向において下流側端部に設けられ、給紙トレイ10から記録シートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。第1分離ローラ14aは、第2分離ローラ14bとの間に記録シートを通過させて1枚ずつ分離しつつシート搬送路Sへと搬送する。各搬送ローラ13及びレジスト前ローラ対19は、記録シートの搬送を促進補助するための小型のローラである。各搬送ローラ13は、シート搬送路Sに沿って複数箇所に設けられている。レジスト前ローラ対19は、レジストローラ対106のシート搬送方向上流側の直近に設けられており、記録シートをレジストローラ対106へと搬送するようになっている。
定着装置12は、ヒートローラ31及び加圧ローラ32を備えている。ヒートローラ31及び加圧ローラ32は、記録シートを挟み込んで搬送する。
ヒートローラ31は、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ32と共に記録シートを熱圧着することにより、記録シートに転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録シートに対して熱定着させる機能を有している。また、定着装置12には、ヒートローラ31を外部から加熱するための外部加熱ベルト33が設けられている。
各色のトナー像の定着後での記録シートは、排紙ローラ17によって排紙トレイ15上に排出される。
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置8の中間転写ベルト7に転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト7から記録シートに転写され、記録シート上に定着される。
また、記録シートの表(オモテ)面だけではなく、両面の画像形成を行う場合は、記録シートの表面の画像を定着装置12により定着した後に、記録シートをシート搬送路Sの排紙ローラ17により搬送する途中で、排紙ローラ17を停止させてから逆回転させ、記録シートを表裏反転経路Srに通して、記録シートの表裏を反転させてから、記録シートを再びレジストローラ対106へと導き、記録シートの表面と同様に、記録シートの裏面に画像を記録して定着し、記録シートを排紙トレイ15に排出する。
なお、図1に示す画像読取装置100において、付している参照符号のうち、説明していない参照符号の箇所については、後述する。
[画像読取装置の全体構成について]
図2は、図1に示す画像形成装置400に装着された画像読取装置100を上から視た概略平面図である。図3は、図1及び図2に示す画像読取装置100を正面から視た概略断面図である。
図2及び図3に示すように、画像読取装置100は、縮小光学系タイプの画像読取装置とされており、原稿固定方式により原稿G(例えば、一般的な通常の原稿に加えて、光沢性を有する原稿)を固定して原稿画像を読み取るように構成されている。画像読取装置100は、画像読取装置本体100dと、透明板の一例であるコンタクトガラス201aを有する原稿載置台201のコンタクトガラス201aに載置された複数種類の規定サイズ(ここでは、A3サイズ、B4サイズ、A4サイズ、B5サイズ、A5サイズ、2Lサイズ、B6サイズ、A6サイズ、Lサイズ)の原稿Gを押さえる原稿押さえ装置300と備えている。ここで、2Lサイズ及びLサイズは、主として写真原稿で用いられるサイズであり、2Lサイズは127mm(5インチ)×178mm(7インチ)とされ、Lサイズは89mm(3.5インチ)×127mm(5インチ)とされている。
画像読取装置本体100dは、図3に示すように、光源ユニット210を副走査方向Yの一方側Y1に移動させつつコンタクトガラス201a上に載置される原稿Gを、コンタクトガラス201aを介して照明し、光源ユニット210により照明された原稿Gからの反射光を副走査方向Y及び上下方向Zの双方に直交する主走査方向Xに走査して原稿画像を読み取る原稿読取部200を備えている。
詳しくは、原稿読取部200は、コンタクトガラス201a、走査体として作用する光源ユニット210、光源ユニット210を移動させる光学系駆動部(図示省略)、ミラーユニット203、集光レンズ204、及び、光電変換素子(ここではCCD)205を備えており、これらの部材は金属製の枠体202内に収容されている。光源ユニット210は、原稿Gへ向けて光を照射する光源211と、原稿Gからの反射光をミラーユニット203へ導く第1ミラー230とを有している。光源211は、複数の発光素子を主走査方向Xに列設した二つの発光素子列212a,212bと、二つの発光素子列212a,212bをそれぞれ搭載した光源基板213a,213bとを備えている。
原稿Gを載置するコンタクトガラス201aは、透明なガラス板からなり、主走査方向Xの両端部が枠体202に載置されている。原稿押さえ装置300は、開閉軸Q(後述する図4等参照)を備え、画像読取装置本体100d又は画像形成装置本体400d(ここでは画像読取装置本体100d)に対して一端側(具体的には画像読取装置本体100dの操作部101(図2参照)が設けられた操作側、手前側(正面側))が一端側とは反対側の他端側(具体的には開閉可能に操作側とは反対側、奥側(背面側))で開閉軸Qによって軸支されている。なお、原稿押さえ装置300についてはのちほど図4から図20を参照しながら詳しく説明する。
ミラーユニット203は、第2ミラー203a、第3ミラー203b及び支持部材(図示せず)を備えている。支持部材は、第2ミラー203aを、光源ユニット210における第1ミラー230からの光を反射して第3ミラー203bに導くように支持している。また、支持部材は、第3ミラー203bを、第2ミラー203aからの光を反射して集光レンズ204に導くように支持している。集光レンズ204は、第3ミラー203bからの光を光電変換素子205の受光面205dに集光するものである。光電変換素子205は、集光レンズ204からの光(原稿画像光)を繰り返し主走査方向Xに走査し、その度に、1走査ラインのアナログ信号を出力する。
また、光学系駆動部は、ここでは、図示しないスキャナモータ及び図示しないプーリー及びワイヤー等の移動機構を備えており、これらスキャナモータ及び移動機構によって、光源ユニット210を一定の速度で副走査方向Yに移動させると共に、ミラーユニット203を光源ユニット210の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向Yに移動させるように構成されている。
以上説明した画像読取装置100では、光源ユニット210は、原稿載置台201におけるコンタクトガラス201aに載置された原稿Gに対して光源211からの光を、コンタクトガラス201aを介して照射しながら一定の速度で副走査方向Yの一方側Y1に移動して原稿Gの画像を走査し、それと同時にミラーユニット203は光源ユニット210の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向Yの一方側Y1に移動する。
光源ユニット210にて照明されて原稿Gから反射された反射光は、光源ユニット210に設けられた第1ミラー230で反射されたのち、ミラーユニット203の第2ミラー203a及び第3ミラー203bによって180°光路変換される。第3ミラー203bから反射された光は、集光レンズ204を介して光電変換素子205の受光面205dに結像し、ここで原稿画像光が読み取られてアナログ信号に変換される。
なお、本実施の形態では、画像読取装置本体100dは、原稿押さえ装置300に代えて、原稿Gを自動的に搬送して原稿押さえ装置を兼用する自動原稿送り装置が装置されることで、原稿移動方式により原稿Gを移動させて原稿画像を読み取るようになっている。この場合、画像読取装置100は、自動原稿送り装置で原稿読取ガラス201b上を通過するように副走査方向Yの一方側Y1に搬送される原稿Gを、原稿読取部200において読取位置(原稿読取ガラス201bの下方位置)に位置する光源ユニット210にて原稿読取ガラス201bを介して照明しつつ光源ユニット210により照明された原稿Gからの反射光を主走査方向に走査して原稿画像を読み取ることができる。
[原稿押さえ装置]
原稿押さえ装置300は、複数種類の規定サイズ(ここでは、A3、B4、A4、B5、A5、2L、B6、A6、Lの各サイズ)の原稿Gを覆って押圧保持する押圧部材360を備えている。押圧部材360は、原稿押さえ部材(具体的には原稿押さえ板)310と、原稿押さえ部材310の原稿押さえ側に設けられて複数種類の規定サイズの原稿Gを押圧する弾性部材320とを備えている。
なお、図2及び図3に示す原稿押さえ装置300において、付している参照符号のうち、説明していない参照符号の箇所については、後述する。
図4から図20は、画像読取装置100における原稿押さえ装置300を説明するための模式図である。
図4から図20に示す原稿押さえ装置300において、原稿押さえ部材310は、板状のハウジング部材とされており、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)などの樹脂材料で形成されている。原稿押さえ部材310は、弾性部材320を支持するようになっており、コンタクトガラス201aに載置される原稿Gの最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも大きめの寸法とされている。具体的には、原稿押さえ部材310は、原稿押さえ部材本体311と、原稿押さえ部材本体311から原稿押さえ側に立設した複数のリブ312〜312(図9等参照)とを備えている。各リブ312〜312は、副走査方向Yに沿って延びており、各リブ312〜312に弾性部材320が設けられている。原稿押さえ部材本体311及び各リブ312〜312は一体形成されている。
原稿押さえ部材310は、手前側が開閉可能に奥側で開閉軸Qによって軸支されるようになっている。
本実施の形態では、原稿押さえ装置300は、原稿押さえ部材310を開閉可能に支持する回動支持部として作用するヒンジ部330をさらに備えている。
ヒンジ部330は、副走査方向Yの一方側Y1と他方側Y2とに設けられた一対のものとされており、それぞれ、画像読取装置本体100dの奧側(背面側)に設けられる本体側部材331と、原稿押さえ部材310の奧側(背面側)に設けられて本体側部材331に対して開閉方向W(図7等参照)に回動する原稿押さえ側部材332とを備えている。
原稿押さえ部材310は、開閉軸Qが上下方向に移動自在に画像読取装置本体100dに設けられている。
詳しくは、本体側部材331は、画像読取装置本体100dに対して挿脱自在に設けられている。原稿押さえ側部材332は、副走査方向Yに沿った開閉軸Qによって回動可能に本体側部材331に軸支されている。具体的には、本体側部材331は、画像読取装置本体100dに上下方向Zに沿って設けられた挿入穴206に挿通される棒状の部材とされている。原稿押さえ側部材332は、原稿押さえ部材310に固定されて設けられている。原稿押さえ側部材332及び原稿押さえ部材310は、一体形成されていてもよい。
また、ヒンジ部330は、コイルバネ等の付勢部材によって原稿押さえ部材310を原稿押さえ側に付勢するようになっている。なお、原稿押さえ部材310を原稿押さえ側に付勢する構成については、従来公知の構成を用いることができ、ここでは、詳しい説明を省略する。
かかる構成を備えた原稿押さえ装置300は、原稿押さえ部材310における本体側部材331が画像読取装置本体100dにおける挿入穴206(図5等参照)に挿通されて画像読取装置本体100dに装着されることにより、画像読取装置本体100dに装着された状態で原稿押さえ側部材332に対して本体側部材331が回動することで、原稿押さえ部材310が画像読取装置本体100dに対して手前側で開閉することができる。そして、原稿押さえ装置300は、ヒンジ部330による原稿押さえ部材310の原稿押さえ側への付勢力によって原稿押さえ部材310及び弾性部材320で構成される押圧部材360を原稿載置台201におけるコンタクトガラス201aに向けて押圧することができる。
また、本実施の形態では、原稿載置台201は、コンタクトガラス201aに載置された規定サイズの原稿Gにおける第1辺(短辺)G1と、第1辺G1に直交する第2辺(長辺)G2とを支持する支持部340をさらに備えている。
支持部340には、原稿Gのサイズ(ここでは、A3、B4、A4、B5、A5、2L、B6、A6、Lの各サイズ)を示す位置において該サイズを示す文字(図4等中の符号S1参照)が設けられている。なお、図4等において、B列のサイズ表示については図示を省略している。
また、支持部340には、第1辺(短辺)G1及び第2辺(長辺)G2の交点を示す位置において該交点を示す矢印(図4等中の符号S2参照)が設けられている。
詳しくは、支持部340は、原稿Gの第1辺G1を当接させて第2辺G2に沿った方向の一方側、具体的には副走査方向Yの他方側Y2(ここでは原稿読み取り開始側)への移動を規制する第1支持部341と、原稿Gの第2辺G2を当接させて第1辺G1に沿った方向の一方側、具体的には主走査方向Xの他方側X2(ここでは奥側)への移動を規制する第2支持部342とを備えている。これにより、支持部340は、副走査方向Yの他方側Y2(ここでは原稿読み取り開始側)及び主走査方向Xの他方側X2(ここでは奥側)基準で原稿Gを支持することができる。
そして、第1支持部341及び第2支持部342に、原稿Gのサイズを示す文字S1が設けられており、第1支持部341に、第1辺(短辺)G1及び第2辺(長辺)G2の交点を示す矢印S2が設けられている。
本実施の形態では、第1支持部341は、原稿Gの第2辺G2に沿った方向の一方側への移動を規制するだけでなく、コンタクトガラス201aの第1辺を当接させて第1辺に直交する第2辺に沿った方向の一方側への移動を規制する支持部を兼ねており、第2支持部342は、原稿Gの第1辺G1に沿った方向の一方側への移動を規制するだけでなく、コンタクトガラス201aの第2辺を当接させて第1辺に沿った方向の一方側への移動を規制する支持部を兼ねている。また、支持部340は、コンタクトガラス201aの第1辺に相対する第3辺を当接させて第2辺に沿った方向の他方側、具体的には副走査方向Yの一方側Y1(ここでは原稿読み取り終了側)への移動を規制する第3支持部343と、コンタクトガラス201aの第2辺に相対する第4辺を当接させて第1辺に沿った方向の他方側、具体的には主走査方向Xの一方側X1(ここでは手前側)への移動を規制する第4支持部344とを備えている。
また、本実施の形態では、原稿押さえ装置300は、弾性部材320の原稿Gへの押圧時において、コンタクトガラス201aに載置された原稿Gと接するシート状の接触部材350をさらに備えている。接触部材350は、予め定めた所定色を有する部材とされてり、ここでは、白色部材とされている。
接触部材350は、ポリプロピレン等の樹脂フィルム材で形成されている。弾性部材320は、原稿押さえ部材310の原稿押さえ側に設けられ(具体的には貼り付けられ)ており、弾性部材320と同程度の寸法とされている。接触部材350の厚み(ここでは0.1mm)は、均一とされている。
また、原稿押さえ部材310、弾性部材320及び接触部材350の形状は、原稿Gの形状と同じ矩形形状(長方形状)とされている。
そして、弾性部材320は、原稿Gへの押圧時において、複数種類の規定サイズのうち最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも小さい予め定めた所定サイズ(ここでは2Lサイズ)の原稿Gを押圧する第1押圧領域α1(図4等参照)での第1押圧力(単位面積あたりにかかる力)F1(図5等参照)が、第1押圧領域α1以外の第2押圧領域α2(図4等参照)のうち少なくとも第1押圧領域α1の外側近傍領域βでの第2押圧力(単位面積あたりにかかる力)F2(図5等参照)よりも小さくなるように構成されている。
かかる構成を備えた原稿押さえ装置300は、次の第1実施形態から第3実施形態の構成とすることができる。
次に、第1実施形態に係る原稿押さえ装置300(300A1〜300A3)の詳細について図4から図11を参照しながら説明し、第2実施形態に係る原稿押さえ装置300(300B1,300B2)の詳細について図12から図15を参照しながら説明し、また、第3実施形態に係る原稿押さえ装置300(300C1,300C2)の詳細について図16から図19を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る原稿押さえ装置300(300A1〜300A3)において、弾性部材320(320A1〜320A3)は、複数種類の規定サイズの原稿Gを押圧するベース部材321と、原稿押さえ部材310及びベース部材321の間において外側近傍領域βに設けられた補助部材322とを備えている。
ベース部材321は、マット状の部材とされており、ウレタンフォームなどの発泡状(フォーム状)の発泡樹脂材料又は多孔質形状の多孔質樹脂材料で形成されている。ここでは、ベース部材321として、F−2(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いている。ベース部材321は、原稿押さえ部材310の原稿押さえ側に付設され(具体的には貼り付けられ)ており、原稿押さえ部材310の寸法より小さめで、かつ、コンタクトガラス201aに載置される原稿Gの最大サイズ(ここではA3サイズ)程度或いは最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも大きめの寸法とされている。ベース部材321の厚みは、均一とされている。
補助部材322は、所定サイズ(ここでは2Lサイズ)の原稿Gの辺に沿って設けられている。補助部材322は、ウレタンフォームなどの発泡状(フォーム状)の発泡樹脂材料又は多孔質形状の多孔質樹脂材料で形成することができる。ここでは、補助部材322として、SM−55(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いている。補助部材322は、第1辺(短辺)G1に相対する第3辺(短辺)G3及び第2辺(長辺)G2に相対する第4辺(長辺)G4の少なくとも一方の辺に沿って設けられている。補助部材322の厚みは、均一とされている。補助部材322は、原稿Gの辺に沿って複数設けられていてもよい。
ここで、外側近傍領域βは、所定サイズ(ここでは2Lサイズ)の原稿Gの外側の予め定めた所定の幅を有する領域とされている。詳しくは、外側近傍領域βは、第1押圧領域α1の第3辺(短辺)G3から外側への予め定めた所定の幅m1(図4参照、ここでは45mm程度)と、第1押圧領域α1の第4辺(長辺)G4から外側への予め定めた所定の幅m2(図4参照、ここでは45mm程度)とを有している。
(第1実施形態の実施例1)
図4及び図5は、第1実施形態の実施例1に係る原稿押さえ装置300(300A1)を説明するための模式図である。図4は、第1実施形態の実施例1に係る原稿押さえ装置300(300A1)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。図5は、図4に示す原稿押さえ装置300(300A1)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図であって、図4に示すA方向から視た状態を示している。
図4及び図5に示す第1実施形態の実施例1では、補助部材322(322a)は、所定サイズ(ここでは2Lサイズ)の原稿Gの第1辺(短辺)G1に相対する第3辺(短辺)G3に沿って設けられている。
補助部材322(322a)は、ここでは、長尺状の部材(具体的には矩形状の部材)とされており、長手方向が第3辺(短辺)G3に沿っている。補助部材322(322a)の寸法は、予め定めた所定のサイズ(ここでは80mm×35mm)とすることができる。補助部材322(322a)は、第2支持部342から予め定めた所定の距離d1(図4参照、ここでは25mm)だけ離間した位置に設けられている。補助部材322(322a)は、第1支持部341から予め定めた所定の距離d2(図4参照、ここでは185mm)だけ離間した位置に設けられている。また、補助部材322(322a)の厚みは、予め定めた所定の厚み(ここでは2mm〜3mm程度)とされている。
(第1実施形態の実施例2)
図6及び図7は、第1実施形態の実施例2に係る原稿押さえ装置300(300A2)を説明するための模式図である。図6は、第1実施形態の実施例2に係る原稿押さえ装置300(300A2)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。図7は、図6に示す原稿押さえ装置300(300A2)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図であって、図6に示すB方向から視た状態を示している。
図6及び図7に示す第1実施形態の実施例2では、補助部材322(322b)は、第2辺(長辺)G2に相対する第4辺(長辺)G4に沿って設けられている。
補助部材322(322b)は、ここでは、長尺状の部材(具体的には矩形状の部材)とされており、長手方向が第4辺(長辺)G4に沿っている。補助部材322(322b)の寸法は、予め定めた所定のサイズ(ここでは112mm×35mm)とすることができる。補助部材322(322b)は、第1支持部341から予め定めた所定の距離d3(図6参照、ここでは32mm)だけ離間した位置に設けられている。補助部材322(322b)は、第2支持部342から予め定めた所定の距離d4(図6参照、ここでは 134mm)だけ離間した位置に設けられている。また、補助部材322(322b)の厚みは、予め定めた所定の厚み(ここでは2mm〜3mm程度)とされている。
(第1実施形態の実施例3)
図8及び図9は、第1実施形態の実施例3に係る原稿押さえ装置300(300A3)を説明するための模式図である。図8は、第1実施形態の実施例3に係る原稿押さえ装置300(300A3)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。図9は、図8に示す原稿押さえ装置300(300A3)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図である。図9(a)は、図8に示すA方向から視た状態を示しており、図9(b)は、図8に示すB方向から視た状態を示している。
図8及び図9に示す第1実施形態の実施例3では、補助部材322(322a,322b)は、第3辺(短辺)G3と第4辺(長辺)G4との双方に沿って設けられている。
図8及び図9に示す第1実施形態の実施例3は、図4及び図5に示す第1実施形態の実施例1と、図6及び図7に示す第1実施形態の実施例2とを組み合わせたものである。図8及び図9に示す第1実施形態の実施例3において、図4及び図5に示す第1実施形態の実施例1並びに図6及び図7に示す第1実施形態の実施例2と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
なお、本第1実施形態において、第3辺(短辺)G3に沿った補助部材322(322a)と第4辺(長辺)G4に沿った補助部材322(322b)とが連結(具体的には一体形成)されていてもよい。また、補助部材322は、外側近傍領域βにおいて全面に設けられていてもよい。
(第1実施形態の実施例1〜3共通の構成)
本第1実施形態の実施例1〜3では、第1押圧領域α1は、所定サイズ(ここでは2Lサイズ)よりも小さいサイズ(ここではLサイズ)の原稿Gを押圧する押圧領域を含んでいる。
そして、補助部材322(322a)及び/又は補助部材322(322b)は、第1押圧領域α1で押圧される全サイズ、ここではLサイズ及び2Lサイズ)の原稿Gに対応してオーバーラップするように設けられている。
詳しくは、補助部材322(322a)は、所定サイズ(ここでは2Lサイズ)よりも小さいサイズ(ここではLサイズ)の第2支持部342とは反対側の第4辺(長辺)を間にして内側と外側とで跨るように設けられている。補助部材322(322b)は、所定サイズ(ここでは2Lサイズ)よりも小さいサイズ(ここではLサイズ)の第1支持部341とは反対側の第3辺(短辺)を間にして内側と外側とで跨るように設けられている。
また、本第1実施形態の実施例1〜3では、補助部材322(322a,322b)は、ベース部材321に対して接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされていてもよいし、ベース部材321及び補助部材322が一体形成されていてもよい。なお、補助部材322(322a,322b)は、原稿押さえ部材310に対して、固定されて(具体的には接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされて)いてもよいし、フリーの状態になっていてもよい。
図10は、第1実施形態の実施例1〜3におけるベース部材321と補助部材322(322a,322b)との物性値の違いによって補助部材322(322a,322b)によるベース部材321の凹み量e1〜e4の変化を示す拡大断面図である。図10(a)は、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が同じ場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧前の状態を示している。図10(b)は、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が同じ場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧状態を示している。図10(c)は、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が互いに異なる場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧前の状態を示している。また、図10(d)は、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が互いに異なる場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧状態を示している。
図10に示すように、本第1実施形態の実施例1〜3では、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とは、物性値が同じ場合での原稿Gへの押圧時において補助部材322(322a,322b)によるベース部材321の凹み量e1(図10(b)参照)に比べて、原稿Gへの押圧時において補助部材322(322a,322b)によるベース部材321の凹み量e2(図10(d)参照)が大きくなるように、物性値が互いに異なっている。
詳しくは、物性値は、密度、或いは、硬度とされている。物性値としては、密度や硬度の他、発泡樹脂材料の発泡倍率や弾性率などを例示できる。ここで、硬度として、日本ゴム協会標準規格(SRIS0101)に規定された硬度を示すアスカーC(ASKER C)の値を例示できる。また、発泡倍率は、発泡性材料の発泡前の体積に対する発泡後の体積の比率とすることができる。これらのことは、後述する他の実施形態についても同様である。
そして、ベース部材321の硬度、密度、弾性率の少なくとも一つをそれに対応する補助部材322(322a,322b)の物性値よりも小さくすることができる。或いは/さらに、ベース部材321の発泡倍率を補助部材322(322a,322b)の発泡倍率よりも大きくすることができる。例えば、ベース部材321の密度を23kg/m3〜27kg/m3とし、補助部材322(322a,322b)の密度を52kg/m3〜62kg/m3とすることができる。
かかる構成を備えた弾性部材320(320A1〜320A3)では、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が互いに異なる場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧前後の圧縮率は、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が同じ場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧前後の圧縮率よりも大きくなっている。図10に示す例では、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が互いに異なる場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧前の補助部材322(322a,322b)によるベース部材321の凹み量e4(図10(c)参照)は、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が同じ場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧前の補助部材322(322a,322b)によるベース部材321の凹み量e3(図10(a)参照)よりも小さくなっている。それにも拘わらず、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が互いに異なる場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧後の補助部材322(322a,322b)によるベース部材321の凹み量e2(図10(d)参照)は、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで物性値が同じ場合での弾性部材320(320A1〜320A3)のコンタクトガラス201aへの押圧後の補助部材322(322a,322b)によるベース部材321の凹み量e1(図10(b)参照)よりも大きくなっている。
また、本第1実施形態の実施例1〜3では、図11に示すように、補助部材322(322a,322b)は、ベース部材321と接触部材350との間に設けられていてもよい。
図11は、第1実施形態の実施例1に係る原稿押さえ装置300(300A1)の補助部材322(322a)をベース部材321と接触部材350との間に設けた一例を示す概略断面図であって、図4に示すB方向から視た状態を示している。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る原稿押さえ装置300(300B1,300B2)において、弾性部材320(320B1,320B2)は、マット状の部材とされている。弾性部材320(320B1,320B2)は、原稿押さえ部材310の原稿押さえ側に設けられ(具体的には貼り付けられ)ており、原稿押さえ部材310の寸法より小さめで、かつ、コンタクトガラス201aに載置される原稿Gの最大サイズ(ここではA3サイズ)程度或いは最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも大きめの寸法とされている。弾性部材320の厚みは、均一とされている。
そして、弾性部材320(320B1,320B2)は、第1押圧領域α1と、第2押圧領域α2のうち少なくとも外側近傍領域β(ここでは第2押圧領域α2の全域)とで物性値が互いに異なっている。
詳しくは、物性値は、密度、或いは、硬度とされている。物性値としては、密度や硬度の他、発泡樹脂材料の発泡倍率や弾性率などを例示できる。
具体的には、第1押圧領域α1の硬度、密度、弾性率の少なくとも一つをそれに対応する第2押圧領域α2の物性値よりも小さくすることができる。或いは/さらに、第1押圧領域α1の発泡倍率を第2押圧領域α2の発泡倍率よりも大きくすることができる。例えば、第1押圧領域α1の密度を18kg/m3〜22kg/m3とし、第2押圧領域α2の密度を52kg/m3〜62kg/m3とすることができる。
(第2実施形態の実施例1)
図12及び図13は、第2実施形態の実施例1に係る原稿押さえ装置300(300B1)を説明するための模式図である。図12は、第2実施形態の実施例1に係る原稿押さえ装置300(300B1)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。図13は、図12に示す原稿押さえ装置300(300B1)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図である。図13(a)は、図12に示すA方向から視た状態を示しており、図13(b)は、図12に示すB方向から視た状態を示している。
図12及び図13に示す第2実施形態の実施例1では、弾性部材320(320B1)は、第1押圧領域α1を構成する第1押圧領域部320aと、第2押圧領域α2のうち少なくとも外側近傍領域β(ここでは第2押圧領域α2の全域)を構成する第2押圧領域部320bとからなっている。
第1押圧領域部320a及び第2押圧領域部320bは、ウレタンフォームなどの発泡状(フォーム状)の発泡樹脂材料又は多孔質形状の多孔質樹脂材料で形成することができる。ここでは、第1押圧領域部320aとして、UEI−3(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いており、第2押圧領域部320bとして、SM−55(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いている。第1押圧領域部320aの硬度、密度、弾性率の少なくとも一つをそれに対応する第2押圧領域部320bの物性値よりも小さくすることができる。或いは/さらに、第1押圧領域部320aの発泡倍率を第2押圧領域部320bの発泡倍率よりも大きくすることができる。例えば、第1押圧領域部320aの密度を18kg/m3〜22kg/m3とし、第2押圧領域部320bの密度を52kg/m3〜62kg/m3とすることができる。
なお、第2実施形態の実施例1では、第1押圧領域α1と、第2押圧領域α2とで物性値を互いに異ならせるが、第1押圧領域α1と外側近傍領域βとで物性値を互いに異ならせ、第2押圧領域α2のうち外側近傍領域β以外の領域を第1押圧領域α1と同じ物性値(同じ部材)にしてもよい。第1押圧領域部320aと第2押圧領域部320bとは、一体形成されていてもよいし、接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされて形成されていてもよい。
(第2実施形態の実施例2)
図14及び図15は、第2実施形態の実施例2に係る原稿押さえ装置300(300B2)を説明するための模式図である。図14は、第2実施形態の実施例2に係る原稿押さえ装置300(300B2)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。図15は、図14に示す原稿押さえ装置300(300B2)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図である。図15(a)は、図14に示すA方向から視た状態を示しており、図15(b)は、図14に示すB方向から視た状態を示している。
図14及び図15に示す第2実施形態の実施例2は、図12及び図13に示す第2実施形態の実施例1において、第1押圧領域部320aを複数層(ここでは2層)の層構造としたものである。
図14及び図15に示す第2実施形態の実施例2において、図12及び図13に示す第2実施形態の実施例1と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
第1押圧領域部320aは、原稿G側に配設された第1押圧層320a1と、原稿押さえ部材310側に配設された第2押圧層320a2とを備えている。
第1押圧層320a1及び第2押圧層320a2は、互いに異なる物性値(互いに異なる部材)とされており、ウレタンフォームなどの発泡状(フォーム状)の発泡樹脂材料又は多孔質形状の多孔質樹脂材料で形成することができる。ここでは、第1押圧層320a1として、UEI−3(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いており、第2押圧層320a2として、SM−55(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いている。第1押圧層320a1の硬度、密度、弾性率の少なくとも一つをそれに対応する第2押圧領域部320b及び第2押圧層320a2の物性値よりも小さくすることができる。或いは/さらに、第1押圧層320a1の発泡倍率を第2押圧領域部320b及び第2押圧層320a2の発泡倍率よりも大きくすることができる。例えば、第1押圧層320a1の密度を18kg/m3〜22kg/m3とし、第2押圧領域部320b及び第2押圧層320a2の密度を52kg/m3〜62kg/m3とすることができる。
なお、第2押圧層320a2と第2押圧領域部320bとを一体形成することができる。第1押圧層320a1と第2押圧層320a2とは、一体形成されていてもよいし、接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされて形成されていてもよい。また、第1押圧層320a1と第2押圧領域部320bとは、一体形成されていてもよいし、接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされて形成されていてもよい。第2押圧層320a2と第2押圧領域部320bとを互いに異なる物性値(互いに異なる部材)にしてもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る原稿押さえ装置300(300C1,300C2)において、弾性部材320(320C1,320C2)は、マット状の部材とされている。弾性部材320(320C1,320C2)は、原稿押さえ部材310の原稿押さえ側に設けられ(具体的には貼り付けられ)ており、原稿押さえ部材310の寸法より小さめで、かつ、コンタクトガラス201aに載置される原稿Gの最大サイズ(ここではA3サイズ)程度或いは最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも大きめの寸法とされている。
そして、弾性部材320(320C1,320C2)は、第1押圧領域α1の厚みh1が第2押圧領域α2のうち少なくとも第1押圧領域α1の外側近傍領域β(ここでは第2押圧領域α2の全域)の厚みh2よりも小さくなっている。
(第3実施形態の実施例1)
図16及び図17は、第3実施形態の実施例1に係る原稿押さえ装置300(300C1)を説明するための模式図である。図16は、第3実施形態の実施例1に係る原稿押さえ装置300(300C1)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。図17は、図16に示す原稿押さえ装置300(300C1)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図である。図17(a)は、図16に示すA方向から視た状態を示しており、図17(b)は、図16に示すB方向から視た状態を示している。
図16及び図17に示す第3実施形態の実施例1では、弾性部材320(320C1)は、第1押圧領域α1を構成する第1押圧領域部320aと、第2押圧領域α2のうち少なくとも外側近傍領域β(ここでは第2押圧領域α2の全域)を構成する第2押圧領域部320bとからなっている。
第1押圧領域部320a及び第2押圧領域部320bは、ウレタンフォームなどの発泡状(フォーム状)の発泡樹脂材料又は多孔質形状の多孔質樹脂材料で形成することができる。ここでは、第1押圧領域部320a及び第2押圧領域部320bとして、SM−55(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いている。第1押圧領域部320aは、第2押圧領域部320bとの境界部において厚みが第2押圧領域部320bに向けて次第に大きくなる傾斜部320b1を有している。
なお、第3実施形態の実施例1では、第1押圧領域α1の厚みh1を第2押圧領域α2の厚みh2よりも小さくするが、第1押圧領域α1の厚みh1を外側近傍領域βの厚みよりも小さくし、第2押圧領域α2のうち外側近傍領域β以外の領域と第1押圧領域α1とで厚みを同じにしてもよい。第1押圧領域部320aと第2押圧領域部320bとは、一体形成されていてもよいし、接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされて形成されていてもよい。
(第3実施形態の実施例2)
図18及び図19は、第3実施形態の実施例2に係る原稿押さえ装置300(300C2)を説明するための模式図である。図18は、第3実施形態の実施例2に係る原稿押さえ装置300(300C2)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。図19は、図18に示す原稿押さえ装置300(300C2)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図である。図19(a)は、図18に示すA方向から視た状態を示しており、図19(b)は、図18に示すB方向から視た状態を示している。
図18及び図19に示す第3実施形態の実施例2は、図16及び図17に示す第3実施形態の実施例1において、第1押圧領域部320aを複数層(ここでは2層)の層構造としたものである。
図18及び図19に示す第3実施形態の実施例2において、図16及び図17に示す第3実施形態の実施例1と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
第1押圧領域部320aは、原稿G側に配設された第1押圧層320a1と、原稿押さえ部材310側に配設された第2押圧層320a2とを備えている。
第1押圧層320a1及び第2押圧層320a2は、互いに異なる物性値(互いに異なる部材)とされており、ウレタンフォームなどの発泡状(フォーム状)の発泡樹脂材料又は多孔質形状の多孔質脂材料で形成することができる。ここでは、第1押圧層320a1として、UEI−3(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いており、第2押圧層320a2として、SM−55(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いている。第1押圧層320a1の硬度、密度、弾性率の少なくとも一つをそれに対応する第2押圧領域部320bの物性値よりも小さくすることができる。或いは/さらに、第1押圧層320a1の発泡倍率を第2押圧領域部320bの発泡倍率よりも大きくすることができる。例えば、第1押圧層320a1の密度を18kg/m3〜22kg/m3とし、第2押圧領域部320b及び第2押圧層320a2の密度を52kg/m3〜62kg/m3とすることができる。
なお、第2押圧層320a2と第2押圧領域部320bとを一体形成することができる。第1押圧層320a1と第2押圧層320a2とは、一体形成されていてもよいし、接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされて形成されていてもよい。また、第1押圧層320a1と第2押圧領域部320bとは、一体形成されていてもよいし、接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされて形成されていてもよい。第2押圧層320a2と第2押圧領域部320bとを互いに異なる物性値(互いに異なる部材)にしてもよい。
(第1実施形態から第3実施形態共通の構成)
ところで、第1実施形態から第3実施形態では、原稿押さえ部材310は、手前側が開閉可能に奥側で開閉軸Qによって軸支されるようになっているが、この場合、弾性部材320の押圧力は、一般的に、開閉軸Q側から手前側に向かうに従って次第に小さくなる傾向にある。
そこで、本第1実施形態から第3実施形態では、弾性部材320は、厚みが開閉軸Q側から手前側に向かうに従って大きくなっていることが好ましい。
図20は、第1実施形態から第3実施形態における弾性部材320の厚みが開閉軸Q側から手前側に向かうに従って大きくなっている状態を示す概略断面図である。図20(a)は、第1実施形態の実施例3の一例を示しており、図20(b)は、第2実施形態の実施例1の一例を示しており、図20(c)は、第3実施形態の実施例2の一例を示している。なお、図20では、弾性部材320の厚みは実際の寸法よりも誇張して示している。
図20(a)に示す第1実施形態の実施例1〜3では、弾性部材320(320A1〜320A3)におけるベース部材321の奥側(開閉軸側)端の厚みhaが奥側(開閉軸側)端から手前側(操作側)端にかけて次第に大きくなっており、手前側端の厚みhbが最大となっている。なお、補助部材322(322a,322b)の厚みは、ここでは、均一になっている。
図20(b)に示す第2実施形態の実施例1,2では、弾性部材320(320B1,320B2)の奥側端の厚みhaが奥側端から手前側端にかけて次第に大きくなっており、手前側端の厚みhbが最大となっている。なお、図示を省略したが、第2実施形態の実施例2では、第2押圧層320a2の厚みは、ここでは、奥側端から手前側端にかけて次第に大きくなっており、第1押圧層320a1の厚みは、均一になっている。
図20(c)に示す第3実施形態の実施例1,2では、弾性部材320(320C1,320C2)における第1押圧領域部320aの奥側端の厚みha1が奥側端から手前側端にかけて次第に大きくなっており、手前側端の厚みha2が最大となっている。弾性部材320(320C1,320C2)における第2押圧領域部320bの奥側端の厚みhb1が奥側端から手前側端にかけて次第に大きくなっており、手前側端の厚みhb2が最大となっている。なお、第3実施形態の実施例2では、第2押圧層320a2の厚みは、ここでは、奥側端から手前側端にかけて次第に大きくなっており、第1押圧層320a1の厚みは、均一になっている。
(第1実施形態から第3実施形態について)
以上説明したように、本第1実施形態から第3実施形態によると、弾性部材320は、複数種類の規定サイズのうち最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも小さい予め定めた所定サイズ(ここでは2Lサイズ)の原稿Gを押圧する第1押圧領域α1での第1押圧力F1が、第1押圧領域α1以外の第2押圧領域α2のうち少なくとも第1押圧領域α1の外側近傍領域βでの第2押圧力F2よりも小さくなるように構成されているので、弾性部材320の押圧力(具体的には第1押圧力F1及び第2押圧力F2)を第1押圧領域α1と、第2押圧領域α2のうち少なくとも外側近傍領域βとの双方で適度なものにすることができ、これにより、原稿Gとコンタクトガラス201aと間の隙間での光波の干渉により原稿Gの読み取り画像に発生し得る斑点、及び、コンタクトガラス201aに対する原稿Gの浮きにより原稿Gの読み取り画像に発生し得る影(カブリ)の双方を効果的に防止することができる。このことは、原稿Gが、写真原稿等の光沢性を有する原稿(例えば光沢紙原稿)である場合に、特に有効となる。
本第1実施形態において、弾性部材320(320A1〜320A3)は、複数種類の規定サイズの原稿Gを押圧するベース部材321と、原稿押さえ部材310及びベース部材321の間、或いは、ベース部材321と接触部材350との間において外側近傍領域βに設けられた補助部材322(322a,322b)とを備えていることで、ベース部材321に対して補助部材322(322a,322b)を設けるといった簡単な構成で第1押圧力F1が第2押圧力F2よりも小さくなるように弾性部材320(320A1〜320A3)を構成することが可能となる。
また、本第1実施形態において、補助部材322(322a,322b)を所定サイズ(ここでは2Lサイズ)の原稿Gの辺に沿わせることで、無駄な部分を排除して効率的に補助部材322(322a,322b)を設けることができ、それだけ部材コストを低く抑えることができる上、補助部材322(322a,322b)のベース部材321から原稿押さえ側へ突出する部分の面積を小さくでき、これにより、外観上の見栄えをよくすることができる。
また、本第1実施形態において、原稿載置台201におけるコンタクトガラス201aに載置された所定サイズ(ここでは2Lサイズ)の原稿Gにおける第1辺G1と第1辺G1に直交する第2辺G2とが支持部340(具体的には第1支持部341及び第2支持部342)によって支持されるようになっており、補助部材322(322a,322b)を第3辺G3及び第4辺G4の少なくとも一方の辺に沿わせる(具体的には長尺状にする)ことで、補助部材322(322a,322b)のサイズをできるだけ小さくすることができ、それだけ部材コストを低く抑えることができる上、補助部材322(322a,322b)のベース部材321から原稿押さえ側へ突出する部分の面積を小さくでき、これにより、さらに外観上の見栄えをよくすることができる。
また、本第1実施形態において、補助部材322(322a,322b)が第1押圧領域α1で押圧される全サイズの原稿Gに対応してオーバーラップするように設けられていることで、第1押圧領域α1で押圧される全サイズに対して斑点及び影の双方を確実にかつ効果的に防止することが可能となる。
また、本第1実施形態において、物性値(具体的には密度や硬度)が同じ場合に比べて、原稿Gへの押圧時において補助部材322(322a,322b)によるベース部材321の凹み量が大きくなるように、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)との物性値(具体的には密度や硬度)を互いに異ならせる(具体的には補助部材322a,322bの密度や硬度をベース部材321の密度や硬度をよりも大きくする)ことで、たとえ原稿Gを押圧してない状態での補助部材322(322a,322b)の厚みを物性値が同じ場合に比べて小さくしても、第1押圧力F1を第2押圧力F2よりも確実に小さくすることができ、それだけ原稿Gを押圧してない状態での補助部材322(322a,322b)の厚みを小さくした状態で斑点及び影の双方を効果的に防止することが可能となる。
しかも、ベース部材321と補助部材322(322a,322b)とで密度や硬度を変えるといった簡単な変更で、第1押圧力F1を第2押圧力F2よりも小さくすることが可能となる。
また、本第1実施形態において、補助部材322(322a,322b)は、ベース部材321に付設されて(具体的には貼り付けられて)いることで、補助部材322(322a,322b)を既に付設した状態のベース部材321を用いることができ、これにより、組立工程において補助部材322(322a,322b)をベース部材321に付設する工程を省くことができ、それだけ組立作業性を向上させることができる。また、ベース部材321に対して補助部材(322a,322b)を容易に付設する(具体的には貼り付ける)ことができ、これにより、所定サイズが異なる機種に対しても、例えば、所定サイズを2Lサイズとした機種だけでなく、所定サイズを六切サイズ(203mm(8インチ)×254mm(10インチ))とした機種にも容易に対応させることが可能となる。
また、本第2実施形態では、弾性部材320(320B1,320B2)における第1押圧領域α1と、弾性部材320(320B1,320B2)における第2押圧領域α2のうち少なくとも外側近傍領域β(ここでは第2押圧領域α2の全域)との物性値を互いに異ならせる(ここでは第2押圧領域α2の全域の密度や硬度を第1押圧領域α1の密度や硬度をよりも大きくする)ことで、第1押圧力F1を第2押圧力F2よりも確実に小さくすることができる。
しかも、第1押圧領域α1と第2押圧領域α2のうち少なくとも外側近傍領域β(ここでは第2押圧領域α2の全域)とで密度や硬度を変えるといった簡単な変更で、第1押圧力F1を第2押圧力F2よりも小さくすることが可能となる。
また、本第3実施形態では、弾性部材320(320C1,320C2)における第1押圧領域α1の厚みを第2押圧領域α2のうち少なくとも外側近傍領域β(ここでは第2押圧領域α2の全域)の厚みよりも小さくすることで、第1押圧力F1を第2押圧力F2よりも小さくする構成を容易に実現させることができる。
また、本第2実施形態及び第3実施形態において、弾性部材320(320B1,320B2,320C1,320C2)は、第1押圧領域α1を構成する第1押圧領域部320aと、第2押圧領域α2のうち少なくとも外側近傍領域β(ここでは第2押圧領域α2の全域)を構成する第2押圧領域部320bとが一体形成されていることで、組立工程において第1押圧領域部320aと第2押圧領域部320bとを貼り合わせる工程を省くことができ、それだけ組立作業性を向上させるこことができる。一方、第1押圧領域部320aと第2押圧領域部320bとが貼り合わされて形成されていることで、組立工程において第1押圧領域部320aと第2押圧領域部320bとを貼り合わせる工程が増えるものの、弾性部材320(320B1,320B2,320C1,320C2)を形成するにあたり、第1押圧領域部320aと第2押圧領域部320bとを別々に形成した後、形成した第1押圧領域部320aと第2押圧領域部320bとを貼り合わせることにより、それだけ弾性部材320(320B1,320B2,320C1,320C2)の形成工程の容易化を実現させることができる。
また、本第1実施形態から第3実施形態において、弾性部材320の原稿Gへの押圧時において原稿Gと接するシート状の接触部材350を備えていることで、第1押圧力F1を第2押圧力F2よりも小さくした弾性部材320(320A1〜320A3,320B1,320B2,320C1,320C2)の原稿Gへの押圧時に接触部材350により原稿Gを安定的に保持することが可能となる。
また、本第1実施形態から第3実施形態において、原稿押さえ部材310は、手前側が開閉可能に奥側で開閉軸Qによって軸支されるようになっており、弾性部材320(320A1〜320A3,320B1,320B2,320C1,320C2)は、厚みが開閉軸Q側から手前側に向かうに従って大きくなっていることで、弾性部材320(320A1〜320A3,320B1,320B2,320C1,320C2)の押圧力の手前側での低下を抑制することができる。
また、本第1実施形態から第3実施形態において、支持部340(具体的には第1支持部341及び第2支持部342)の原稿Gのサイズ(ここでは、A3、B4、A4、B5、A5、2L、B6、A6、Lの各サイズ)を示す位置に該サイズを示す文字S1が設けられていることで、複数種類の規定サイズを使用者に確実に知らせることができ、また、支持部340(具体的には第1支持部341)における原稿Gの第1辺G1及び第2辺G2の交点の位置に該交点を示す矢印S2が設けられていることで、規定サイズの原稿Gの支持部340(具体的には第1支持部341及び第2支持部342)による支持位置の基準が矢印S2であることを使用者に確実に知らせることができ、それだけ使用者による原稿Gの載置ミスを軽減させることが可能となる。
なお、原稿押さえ装置300において、ここでは、本第1実施形態(の実施例1〜3)と、本第2実施形態(の実施例1〜2)と、本第3実施形態(の実施例1〜2)の個々について説明したが、本第1実施形態(の実施例1〜3)と、本第2実施形態(の実施例1〜2)と、本第3実施形態(の実施例1〜2)とのうち少なくとも2つを組み合わせるようにしてもよい。
また、原稿押さえ装置300に代えて、原稿Gを自動的に搬送して原稿押さえ装置を兼用する自動原稿送り装置が装置されることで、画像読取装置本体100dが原稿移動方式により原稿Gを移動させて原稿画像を読み取るようになっている場合においても、原稿押さえ装置として作用する自動原稿送り装置によりコンタクトガラス201aに載置される原稿Gを押さえることができる。すなわち、本第1実施形態から第3実施形態において、原稿押さえ装置として、第1実施形態から第3実施形態のような構成を備えた自動原稿送り装置が装着されることで、自動原稿送り装置にも対応させることができる。
また、本第1実施形態から第3実施形態では、センチ仕様の構成について説明したが、勿論、インチ仕様の構成であってもよい。
[斑点及び影の評価]
次に、第1実施形態の実施例1〜3において、原稿Gとコンタクトガラス201aと間の隙間での光波の干渉により原稿Gの読み取り画像に発生し得る斑点、及び、コンタクトガラス201aに対する原稿Gの浮きにより原稿Gの読み取り画像に発生し得る影(カブリ)の発生状態を調べたので、比較例1〜7と共に以下に説明する。
図21は、原稿Gとコンタクトガラス201aと間の隙間での光波の干渉により原稿Gの読み取り画像に発生し得る斑点、及び、コンタクトガラス201aに対する原稿Gの浮きにより原稿Gの読み取り画像に発生し得る影(カブリ)の発生状態の評価結果を示す図表である。なお、図21において、「○」は、許容できる程度の読み取り画像が得られたことを示し、「×」は、許容できない程度の読み取り画像となったことを示している。
第1実施形態の実施例1〜3及び比較例1〜7での斑点及び影(カブリ)評価は、何れも原稿Gとして厚みが0.2mmの白色の印画紙を用いて写真モードで読み取った画像を基に印刷した印刷画像を確認することにより行った。
比較例1〜4では、従来の構成(第1実施形態において補助部材322(322a,322b)を設けていない構成)において、ベース部材321の厚みをそれぞれ8mm、4mm、6mm、10mmと変更し、比較例5では、ベース部材321の奥側端の厚みを6mmとすると共に奥側(開閉軸側)端から手前側(操作側)端にかけて次第に大きくしてベース部材321の手前側端の厚みを8mmとし、比較例6では、比較例1においてベース部材321の密度を大きくし、また、比較例7では、比較例1においてヒンジ部330を取り外した原稿押さえ装置を用いることで、斑点及び影(カブリ)の発生状態を評価した。
図21に示すように、比較例1〜7では、斑点及び影(カブリ)のうち少なくとも一方が許容できない程度の読み取り画像となったのに対して、第1実施形態の実施例1〜3では、斑点及び影(カブリ)の双方とも許容できる程度の読み取り画像が得られた。
なお、ここでは、説明を省略したが、第2実施形態の実施例1,2及び第3実施形態の実施例1,2についても同様の結果を得ることができた。